【発明の詳細な説明】
呼吸器系合胞体ウィルス(RSV)感染の型または亜型−特異的診断のための
RSVのGタンパク質に由来する抗原ペプチド
発明の分野
本発明は、呼吸器系合胞体ウィルス(RSV)感染によって、またはそれに由
来して起きる病気についてのペプチドを基にする診断およびワクチンの分野に関
する。
本発明は、RSVの付着タンパク質Gのムチン様領域の間の未だ固定されてい
ない、個別にホールディングされる、球状タンパク質モジュールならびにその用
途に関する。より詳しくは、本発明はたとえば診断アッセイのために用いること
ができるRSVの付着タンパク質のタンパク質モジュールに対応する、好ましく
はペプチドを基にする抗原性物質の設計に関する。この個別にホールディングさ
れる球状タンパク質に対応するペプチドは、他のペプチドとともにワクチンに組
込み、ウィルスに対する予防的な免疫応答を誘起することができる。
発明の背景
RSV感染は、ヒト、家畜、羊、ヤギにおける呼吸器系疾患の主な原因である
(Stott,Taylor,1985)。ウィルスは、パラミクソウィルス科
の肺炎ウィルス属の内に分類される。ヒト呼吸器系合胞体ウィルス(HRSV)
は、子供および幼児での細気管支炎のもっとも重要な原因体である。RSV感染
の結果、米国では毎年約10万人の子供が病院に入院する。このウィルスに対す
るワクチンはなく、そのワクチンの開発は、世界保健機関の優先性リストの上で
マラリア、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)に次いで第3位に位置する。家畜で
は、呼吸器系の病気は、もっとも頻繁に記録されるものの一つである。最近の報
告によれば、呼吸器系の病気は、飼育用地の家畜において約60%の罹病率と約
60%の致死率にあたる。ウシ呼吸器系合胞体ウィルス(BRSV)感染は、家
畜の呼吸器系病の主な原因であり、甚大な経済的損失をもたらしている。
異なった抗原性亜種が、HRSVおよびBRSVについて報告されているので
(Johnsonら,1987,Furzeら,1994)、1つの罹病群で主
流の亜種を追跡して、正しい亜種の類での候補ワクチンを選択することが重要で
ある。
ウィルスは、2つの主要な表面糖タンパク質を有し、これは付着タンパク質G
および融合タンパク質Fである。Gタンパク質はRSVに特異であり、HRSV
亜種間で変化しやすい(53%アミノ酸ホモロジ,Johnsonら,1987
)、あるいはHRSVと有蹄類のRSVの間で変化しやすい(30%アミノ酸ホ
モロジ,Lerchら,1990)。しかしながら、亜種間の内では、ホモロジ
がもっと高く(数種のHRSV−A株の内では80%以上であり、Caneら,
1991)、数種のHRSV−B株の内では90%以上であり(Sullend
erら,1991)、さらに4つのBRSV株の内では90%以上である(Ma
llipeddiおよびSamal,1993a)。Gタンパク質は、他のパラ
ミクソウィルスの他の付着タンパク質と配列ホモロジも構造ホモロジも共有しな
い(Satakeら,1985,Wertzら,1985)。他のパラミクソウ
ィルスの付着タンパク質と対照的に、Gは短く、血球凝集またはノイラミニダー
ゼ活性を欠く。RSV−GはII型膜タンパク質であり、そして重量基準で約6
0%の炭水化物を含む。炭水化物部分の約20%は、N−結合炭水化物であり、
約80%はO−結合炭水化物であり、タンパク質中の異常に多い数のヒドロキシ
アミノ酸に結合されている。
RSV検出のための数種の診断アッセイが知られている(Welliverに
よる総説,1988)。しかしながら、これらのアッセイは、HRSVの亜種間
を有効に区別しないし、異なったRSV型間でも区別しない全ウィルスまたは完
全なタンパク質に基づいている。Fタンパク質は、すべてのRSV型の間で高度
にコンサーブされている(相同性を維持している)ので、区別できるアッセイを
Fタンパク質に基づいて設計するのは難しく、そのためより変化し得るGタンパ
ク質の少なくとも一部含ませるべきである。
BRSV−GおよびHRSV−G上の主免疫部位を決定する経験的方法によれ
ば、ペプチドの主免疫部位がこのペプチドのC−末端半分の内に位置することが
示された(残基174−188,Norrbyら,1987)。15残基ペプチ
ド(残基174−188)を亜型特異的部位特異的血清学のために用いることが
orrbyら,1987)。
ペプチドは安価で、再現性をもって製造しやすいので、感染症の血清学的診断
においてペプチドを抗原として用いることは興味を持たれてきた。しかしながら
、日常の診断にペプチドを用いることは、今まで感受性の欠如のために制限され
てきた。
発明の要約
本発明は、呼吸器系合胞体ウィルスのGタンパク質に由来するアミノ酸配列か
ら成り、該配列が約28〜約37アミノ酸残基の長さを有し、2つのムチン様領
域の間に位置するGタンパク質の領域から誘導されることを特徴とするペプチド
を提供する。好ましくは、前記アミノ酸配列が、たとえばGタンパク質のアミノ
酸残基158位−189位または157位−193位(ウシ呼吸器系合胞体ウィ
ルスのGタンパク質の番号付けに従う)のような少なくともアミノ酸残基159
位−186位から成り、そしてせいぜいそれらの間で4アミノ酸のみ異なってい
る。また好ましくは、前記呼吸器系合胞体ウィルス(RSV)が、ウシ呼吸器系
合胞体ウィルス(BRSV)、ヒト呼吸器系合胞体ウィルスA(HRSV−A)
、ヒト呼吸器系合胞体ウィルスB(HRSV−B)、そしてヒツジ呼吸器系合胞
体ウィルス(ORSV)から成る群より選ばれる。
前記アミノ酸配列は、好ましくは、
から成る群より選ばれる配列を含み、さらに好ましくは、たとえば、
から成る群より選ばれる配列のように、
から成る群より選はれる配列を含む。
ペプチドは、対応するGタンパク質中で、その相当部分の三次構造を取り得る
ことが好ましい。
本発明は、異なったRSV型または亜型の間での区別化または同定を可能にす
るか、あるいは異なったRSV型または亜型に対する抗体の区別化または同定を
可能にし、前記に定義したペプチドから成ることを特徴とする抗原性物質または
その前駆体に関する。
ここで定義された抗原性物質またはその前駆体は、RSV感染症の診断または
RSV感染症の予防に用いることができる。
本発明は、RSV型または亜型の検出あるいは同定のため、またはRSV型ま
たは亜型に対する抗体のための診断キットを提供し、該診断キットは、ここで定
義されたペプチド、抗原物質または前駆体と、検出のための適切な手段とから成
る。診断キットは、好ましくは、酵素結合免疫吸着剤アッセイ(たとえば、ブロ
ッキングELISA)を提供する。
本発明はまた、ここで定義されたペプチド、抗原物質または前駆体と体液の試
料を接触させ、該ペプチド、抗原物質または前駆体と、ペプチド、抗原物質また
は前駆体に対して特異的な抗体とから成る複合体を形成し、続いて該複合体を検
出することを特徴とするRSV(に対する抗体)の検出のための方法を提供する
。
さらに本発明は、ここで定義されたペプチド、抗原物質または前駆体と、哺乳
類に投与するための適当なアジュバンドまたは賦形剤とから成ることを特徴とす
るRSV感染症の予防のための薬学的組成物を提供する。
本発明は、呼吸器系合胞体ウィルスに対して免疫応答を誘起するのに充分な量
の前記に定義された組成物を哺乳類に投与することを特徴とするRSV感染症の
予防のための方法を提供する。
さらに本発明は、ここで定義されたペプチドを模倣するペプチド類似体(pe
ptidomimeticum)を提供する。
本発明の別の側面は、哺乳類の受容体にここで定義された抗原性物質または前
駆体を適当なアジュバンドとともに投与し、該哺乳類の受容体から抗体または抗
体産生細胞を収穫することを特徴とするRSV型または亜型に対する抗体を誘起
する方法である。
前記の方法によって得られるRSVの型または亜型に特異的な抗体は、本発明
の一部である。好ましくは、抗体はモノクローナル抗体である。
本発明の別の側面に従えば、本発明は前記の抗体および検出のための適切な手
段とから成るRSV(に対する抗体)の亜型または型の検出、またはそれらの間
で区別化するための診断キットを提供する。
発明の詳細な説明
血清学で用いられてきたほとんどのペプチドは、連続したエピトープを表す。
小さな線状ペプチドを用いて複雑な不連続なエピトープに対する抗体を検出する
ことは不可能であり、タンパク質のアミノ酸配列に基づいて不連続なエピトープ
を予想することも難しい。加えて、大きな球状タンパク質の抗原表面を小さな線
状ペプチドで正確に模倣させることはできない。本発明者らは、その抗原性を保
持しながら安定な三次構造を取り得るRSVウィルスのGタンパク質中の個別の
ホールディング領域を予想することによってこの問題を解決した。この予想は、
有用な抗原の正確な設計に重要である。
RSV−Gは、O−グリコシル化の受容体部位であるヒドロキシアミノ酸の異
常に高含量を有する(Johnsonら,1987)。本発明者らは、セリン(
S)およびトレオニン(T)のようなヒドロキシアミノ酸がRSVのGタンパク
質の2つの別々の領域中で、プロリン(P)と集塊していることを発見した。セ
リン、トレオニンおよびプロリン(STP)に富むこれらの領域は、多くグリコ
シル化され、そしておそらく、剛い伸長したコンホメーションを取る共通のモチ
ーフである(Jentoftによる一般的総説,1990)。このような領域は
、ムチンの主要構成物であるので(粘膜ゲルを形成する大きい重合体分子)、領
域はムチン様領域を呼ばれる。定義によれば、ムチン様領域内のアミノ酸配列は
、セリンまたはトレオニン残基の25−40%から成る(Jentoft,19
90)。
本発明者らは、RSV−G中の第1のムチン様領域が経膜(トランスメンブラ
ン)領域から相同性がコンサーブされた二重Pro155,156まで延び、そして第
2のムチン様領域がおおよそコンサーブPro194からC−末端まで延びている
ことを見い出した。本発明者らは、RSVのGタンパク質の外ドメインを2つの
別個のムチン様領域間に存在する小さな疎水性の球状領域と定義した。この小さ
なRSV−Gの中央疎水性領域の提案された位置(図1,図2)、その比較的コ
ンサーブされた性質そして、その中でほとんどグリコシル化される可能性のない
部位によって、この短い領域を表すペプチドは、免疫アッセイのための抗原とし
て用いる有望な候補となる。
Norrbyらによって開示された15残基ペプチドに実質的に対応するペプ
チドを用いて実施された比較試験(この比較試験に使われたペプチドは174−
189残基から成る16残基のペプチドであった)によれば、HRSV−Gの中
央疎水性領域に対応する32残基のペプチドが、該中央疎水性領域の一部分のみ
を表す16残基のペプチドよりもELISAにおいて抗原としてよりよく反応す
ることが示された。おそらく32残基のペプチドが、より自然型の完全な構造を
取り得るためであろう。Norrbyらの15残基ペプチドを用いる時に得られ
るような感受性の低い試験は、RSVの型または亜型間の区別化をしようとする
ときに非常に重要である感受性の高い血清免疫学的研究を行うのに適切でない。
本発明は、異なったRSVの亜型によって感染された個体間の区別化するため
の抗原性物質を提供する。この抗原性物質は、2つの別個のムチン様領域に位置
するRSV−Gのアミノ酸配列に対応するペプチドである。
本発明に従う抗原性物質は、RSVに対して免疫応答を誘起し得るか、RSV
に対する抗体を含む血清によって認識され得るいかなるペプチド様またはペプチ
ドに基づく物質であると解釈すべきである。このような抗原性物質の前駆体は、
それら自身免疫原性ではなく、たとえば免疫応答を誘起し得るかまたは認識され
得るためには担体に結合される必要がある対応するペプチド様またはペプチドに
基づく物質を含むと意図される。本発明に従えば、ペプチドに基づくまたはペプ
チド様物質は、ペプチドの機能を備えるいかなるものも含むと意図される。これ
らの物質は、いくつかのアミノ酸残基が置換されたかまたは修飾されたペプチド
自身であるということをこれは意味する。それらは、本発明のペプチドのアミノ
酸配列を表面に有するように設計された、たとえば融合タンパク質であり得ると
いうことを意味する。定義に従えば、ペプチド類似体およびペプチドから誘導さ
れる抗イディオ型抗体をも含む。
本発明の好適な実施形態では、特定のRSV型および亜型(HRSVおよび亜
型、BRSVおよび亜型、ORSVおよび亜型)に特異的な抗体を検出するため
の診断アッセイに用いることができるペプチドが提供される。さらに、これらの
ペプチドは、RSVワクチンに組込むことができる。
Gタンパク質中の個別のホールディング領域に関する本発明は、すべてのRS
V型に適応される。したがって、本発明はここに特定的に開示されたペプチドに
限定されるのみならず、すべてのRSV型およびこれらのウィルスのすべての亜
型における同族ペプチドおよびその誘導体にまで拡がる。
本発明に従って用いられる好適なペプチドは、表1に記載されたペプチドまた
はそれらの誘導体の少なくとも抗原性部分から成り、その鎖長は約28残基から
約37残基である。
本発明者らは、2つの異なった診断アッセイを開発することによってペプチド
の診断分野における応用性を評価した。2つのアッセイとは、間接ELISAお
よびブロッキングELISAである。これらの両試験法は、型および亜型特異的
である。他の診断アッセイももちろん当業者なら容易に設計することができる。
これらは、いかなる適切な形態でもっても提供し得る。アッセイは溶液中で、
または固相で実施し得る。さらにたとえば酵素、固体粒子、金属ゾル、他のゾル
、ラテックス粒子、色素、螢光物質、放射性物質のようないかなるラベルを用い
ても実施することができる。たとえば血液、血清、尿、乳等の哺乳類からの体液
の中に抗体を検出するためにペプチドを用いることができる。通常、抗体は固相
の上に存在する本発明のペプチドに結合されている。その後、ペプチドと抗体の
複合体は、ラベルされた試薬で検出される。後者は、ヒトまたはウシ抗体に対し
て特異的なラベルされた抗体であり得る。
本発明に従えば、ペプチドは、RSV型および/または亜型に対して特異的な
抗体を得るためにも用いることができる。ペプチドを哺乳類、通常齧歯類に免疫
原性な形態で投与し、1回以上の投与の後、動物の血清を採取し、それから抗体
を精製する。別法として、このような動物の脾臓を除去し、抗体産生細胞を得て
もよい。これらを融合または形質転換によって、モノクローナル抗体産生セルラ
イン(細胞系)に変化させることもできる。RSVに特異的で本発明のペプチド
によって誘起された(モノクローナル)抗体に基づくアッセイも本発明の一部を
構成する。
本発明に従うペプチドは、RSVによる感染を予防するワクチンに使用するこ
とができるのはもちろんである。それらは、他の抗原とともにまた単独でRSV
に対する免疫応答を誘起するのにも使用できる。通常、ペプチドは受容体に投与
される前に、抗原性の形態として適用されるために担体に結合されねばならない
。ペプチドを充分に抗原性にする他の方法は、当業者に公知である。もっと非特
異的に免疫応答を高めるために、ワクチンにアジュバントが通常、添加される。
本発明は、RSV−Gタンパク質の中央領域に対応するペプチドに基づくいく
組かのRSV診断アッセイに関する。その領域は、BRSV、ORSV、HRS
V−BおよびHRSV−Aについて表1に列挙されている。診断アッセイに用い
られるペプチドの鎖長は、好ましくは約28ないし約30残基である(表1)。
適当なペプチドの最小の長さは、His159とCys186の間に介在するモジュー
ルの長さによって支配される。適当なペプチドの最大の長さは、Pro156とP
ro194の間に介在するモジュールの長さに支配される。
その領域は、変化の多いタンパク質の中で比較的コンサーブされた領域に相当
する。異なったBRSV株の間で、表1に示す下線を施した22−merペプチ
ドに対応する配列および残基159位−186位から成る28残基のモジュール
の配列の両方に90%以上のアミノ酸ホモロジが見られる。したがって、本発明
は表1に記載されたすべてのペプチド、ならびに32−merまたは28残基モ
ジュールの内で、せいぜい4アミノ酸異なっているすべての同族体ペプチドに関
する。さらに、未だ配列決定されていないBRSVまたはORSVの亜型に対応
するペプチドならびにせいぜい4アミノ酸異なっている同族体もまた本発明の一
部を構成する。ペプチドに基づく診断アッセイは、血液、血清、乳または他の体
液中の抗体レベルを決定するのに用いることができる。本発明に従う物質は、ワ
クチンに組込むために使用することもできる。
実施例
RSV Gタンパク質の構造解析
RSVのGタンパク質(RSV−G)の一次構造の詳細な解析によって、タン
パク質をより短いモジュールに切断することが可能となった。図1にこの一次構
造の解析に基づく模式表示を示す。この解析に従えば、タンパク質は、細胞質領
域、経膜領域、延びたムチン様領域(37%セリンおよびトレオニン)、中央疎
水性球状領域および第2の延びたムチン様領域内の短い正に帯電した領域(38
%セリン、トレオニン)から成る。中央疎水性球状領域は、2つのムチン様基部
の間に位置し、N−末端のコンサーブされた2重Pro155,156およびC−末端
のコンサーブされたPro194(図1,図2)によって近似的に制限されている
ことをモジュールの建築様式は立証している。この模式的なモデルは、タンパク
質結合において中央疎水性領域がただ一つのさらされたタンパク質領域であるの
で、非常に重要な機能的役割を果たすことを示唆している。
RSV−Gの外ドメインの残りは主にムチン様である。ムチン様領域の厚い炭
水化物膜が、細胞間酵素系によって外皮タンパク質に加えられ、その理由からム
チン様領域はおそらくあまり抗原性ではないだろう。
2つの免疫的に不活性なムチン様領域の間にある小さな疎水性タンパク質モジ
ュールの位置、この短い配列の自己ホールディングの可能性、比較的コンサーブ
された性質およびほとんどグリコシル化の可能性のない部位によって、この短い
領域を表すペプチドが免疫アッセイのための抗原として用いる有望な候補となる
。
ペプチド合成
2つのムチン様領域の間に位置するRSV−Gの中央疎水性領域から、ペプチ
ドが選択された。すべてのクローン化されたRSV型および亜型の中央疎水性領
域(残基158−189)が合成された。BRSV−G(Lerchら,199
0;WO 92/01471);ORSV−G(Mallipeddi,Sam
al,1993b);HRSV−G A型(Wertzら,1985);および
HRSV−G B型(Johnsonら,1987)を参照。加えて、HRSV
−G A型の免疫的に重要なペプチドに対応するペプチド(残基174−189
)が合成された。
ペプチドの合成は、アプライドバイオシスラムズ430A合成機でFastm
oc化学を用いて標準的な手法に従って行った(Fieldsら,1991)。
精製した酸化ペプチドは、次のようにして得た。すなわち、β−メルカプトエタ
ノールで還元したペプチドは3日間にわたり、しばしば新しくした1%NH4H
CO3に対して透析することによってゆっくり酸化した。これらのペプチドを酵
素結合免疫吸着剤アッセイ(ELISA)で抗原として用いた。
血清試料およびモノクローナル抗体
以下の血清試料およびモノクロナール抗体を本研究に用いた。
家畜.F−ELISA(Westenbrinkら,1985)を用いて調べ
たところ、少なくとも1カ月間BRSVに対して抗体が検出されなかった生後4
〜6カ月の子牛から陰性フィールド血清試料(N=40)を得た。血清は、夏の
季節の間に採取した(Van der Poelら,1993)。
さらに、陰性血清試料(N=12)を特異的病原体(SPF)子牛から得た。
子牛は帝王切開の後、初乳を与えず、隔離して育てた。
パラインフルエンザウィルス3型(PI−3)、ウシヘルパスウィルス1(B
HVI)、ウシウィルス性下痢ウィルス(BVDV)、マイコプラズマのいずれ
かに特異的な抗体を含むBRSV−陰性の血清試料(N=4)を本研究では使用
した。
F−ELISAで陽性のフィールド血清試料をBRSV感染の記録のあるいく
つかのオタンダ国の農場から得た(Van der Poelら,1993)。
間接的なペプチドに基づくELISA(iG−ELISA)で102血清検体を
調べ、そしてブロッキングペプチドに基づくELISA(bG−ELISA)で
これら102のうち97血清検体を調べた。
76の異なった動物からの対になった血清試料(N=152)を抗体力価の上
昇を試験するために用いた。血清は、1990年12月と1991年1月と1カ
月間の間隔で2つの異なったオランダ国の農場で採取した(Van der P
oelら,1993)。これらの血清試料のうちのいくつかは、BRSV−Gペ
ブチドまたはORSV−Gペプチドに対する反応性を区別するために用いた。
最後にF−ELISAで非特異的に反応した血清試料(N=6)を調べた。
ヒツジ.F−ELISAでRSVに対して陽性のヒツジ血清試料(N=3)を
ヒツジ血清バンクから得た。
ヒト.コンプリメントフィクシゼーション試験でHRSV特異的な抗体につい
て陽性のヒト血清試料(N=14)を国立微生物学センタ(スペイン,マドリー
ド)のJ.A.Melero博士から得た。これらの血清は、1993年−94
年のRSV伝染時期の間に7カ月〜70才の年齢の患者から採取した。
RSVに対して陽性のヒト血清試料(N=23)をオランダ国ビルトフォーベ
ンのRIVMのJ.C. de Jong博士から得た。これらの血清試料は、
抗原として16残基と32残基を比較するために試験で用いた。
ウサギ.HRSV−A(Long株)およびHRSV−B(9320株)で感
染された細胞の上澄液でそれぞれウサギ(N=3)を免疫化した。1mlの上澄
液と1mlのフロイントアジュバント(FCA)と1:1に混合したものでウサ
ギにワクチン接種した。
モノクローナル抗体
BRSV−G特異的なモノクローナル抗体の製造は、Wensvoortら,
1986に記載されたように実施した。Balb/cマウスを100μg BR
SV(Lelystad株)と胎児ウシ気管細胞上で生育させ、FCAと混合し
たもので免疫化した。MAb20のRSV特異性は、Wensvoortら,1
986に記載されたようにイムノペルオキシダーゼ単層アッセイを用いて決定し
た。このアッセイでは、BRSV(Lelystad株)で感染されたVero
細胞を用いた。さらに、MAb20をBRSV−Gペプチドを基にしたiG−E
LISAおよびbG−ELISAで反応させた。
HRSV−AのGタンパク質に特異的なMAb2Gおよび19Gは、国立微生
物学センター(スペイン,マドリード)のJ.A.Melero博士から得た。
HRSV−BおよびAのGタンパク質にそれぞれに特異的なMAb26および3
0は、AFRC動物健康研究所,コンプトン、英国のJ.FurzeおよびG.
Taylor博士から贈られた。
異なったペプチドの抗原性の比較
ペプチド結合研究で決定されたBRSV−Gの単一線型主免疫領域(残基17
4−185)とNorrbyらによって記載されたHRSV−Gの主免疫ペプチ
ド(残基174−188)は、RSV−G(残基158−189)の中央疎水性
領域のC−末端半分に対応する。経験的に決定されたHRSV−G A型の主免
疫エピトープが予想された抗原部位(中央疎水性領域158−189に対応する
32残基)と同一の抗原特性を有するかどうかを調べるために両方のペプチドを
HRSV亜型AのG−ペプチドを抗原として用いて、iG−ELISAでそれら
の抗原性について試験した。4倍以上の血清試料が32残基ペプチドに基づく間
接G−ペプチドELISA(iG−ELISA)で16残基ペプチドに基づくi
G−ELISAよりも陽性とされた。表2を参照。ペプチド結合研究では、主免
疫部位が16−merペプチドにある(Norrbyら,1987)と示されて
いたが、この研究で調べられたHRSV−G A型の中央疎水性領域に対応する
32残基は、16残基ペプチドと比較するとヒト血清に対して、より反応性に富
んでいる。したがって、RSVのいくつかの型あるいは亜型のG−タンパク質の
中央疎水性領域に対応する32−残基を免疫アッセイの抗原として使用した。
呼吸器系合胞体ウィルス特異的F−ELISA
試験方法
本発明者らの実験室で日常的診断試験に用いるRSV特異的間接2重抗体サン
ドイッチアッセイを実質的に以前記載した通り実施した(Westenbrin
kら,1985)。ただし、ウマ抗RSV血清の代わりにMAbを捕獲抗体とし
て用いた。要するに、BRSV−Fに対して特異的2つのMAbs(No889
53,ID−DLO,Lelystad)で覆ったミクロタイタプレートを、ウ
シRSV抗原、試験血清、ウサギ抗ウシ免疫グロブリンペルオキシダーゼ、基質
クロモゲン溶液と順々にインキュベートした(Dakopatts,159頁)
。使用前、そして各々のインキュベーション段階の後、0.05%Tween8
0を含む脱イオン水で6回濯いだ。試料血清および試薬を4%ウマ血清を含む「
高塩分」ELISA緩衝液(8.1mM Na2HPO4,2.79mM KH2
PO4,0.8M NaCl,2.68mM KCl,1mM EDTA,0.
05%Tween80,pH7.2)中で希釈した。BRSV抗原ストック溶液
No88915,ID−DLO,Lelystad)を1:2(ウエル当たり1
00μl)に希釈し、37℃で2時間インキュベートした。試験血清を1:80
(ウエル当たり100μl)に希釈し、37℃で1時間インキュベートした。ウ
サギ抗ウシ免疫グロブリン(Dakopatts,159頁)でコンジュゲート
したホースラディシュペルオキシダーゼ(HRPO)を1:2000(ウエル当
たり100μl)に希釈し、37℃で1時間インキュベートした。基質クロモゲ
ン溶液は、10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)、0.1mM E
DTA、0.1% w/v 5−アミノサリチル酸および新たに加えた0.05
%
v/v の過酸化水素から成っていた。基質溶液のインキュベーションは4℃
で一晩行った。着色度は450nmで測定した。抗原のない対照ウエルの試験血
清の平均的背景値の2倍以上の吸光値を「陽性」と判定した。試験はBRSV特
異的抗体の検出のために開発されたが、RSV型と亜型の間の広範囲にわたるF
タンパク質免疫交差反応性があるので他のすべてのRSV型に対する抗体をこの
試験で検出することができる。
間接GペプチドELISA(iG−ELISA)
試験方法
iG−ELISAを上記のF−ELISAの試験方法に基づき以下の修正を行
って実施した。抗体は捕獲されず、直接プレート上にコートした。150ngの
粗酸化ペプチド(高結合能平坦底マイクロプレート,Greiner)をウエル
毎に100μl炭酸塩緩衝液中、4℃、pH9.0で一晩コートした。ELIS
Aプレートをコートするペプチドの最適の希釈は、チェス盤滴定で最大の結合が
得られるように選択した。1:5に希釈した試験血清とコンジュゲートを4%ウ
マ血清を含む「低塩分」ELISA緩衝液(8.1mM Na2HPO4,2.7
9mM KH2PO4,0.5M NaCl,2.68mM KCl,1mM N
a2EDTA,0.05% v/v Tween80,pH7.2)中、37℃
、1時間インキュベートした。続いて、上記のように試験を行った。試験に用い
たコンジュゲートは、抗ウシ(1:2000)、抗ヒツジ(1:1000)、そ
して抗ヒトHRPO(1:1000)(Dakopatts)であった。抗原の
ない対照ウエルの試験血清の平均的背景値の2倍以上の吸光値を「陽性」と判定
した。
iG−ELISA
iG−ELISAでのウシ血清の異なったパネルの反応性を日常のF−ELI
SA診断における反応性と比較した(図3)。すべての陰性血清(N=40)の
平均吸光度に標準偏差の2倍を加えたものを陰性としての境界値(カットオフ)
として用いると、iG−ELISAの相対的特異性は0.78と見い出された。
この境界値を用いると、数カ所のオランダ国内の農場から得られた102陽性フ
ィールド血清試料について、試験の感受性は0.90(92/102)と見い出
された。他の微生物(BHVI,BVDV,PI−3,マイコプラズマ)に対す
る抗体を含む4つの異なった血清は、iG−ELISAにおいてすべて陰性であ
った(データは示していない)。日常のF−ELISAで非特異的に反応した6
つの血清は、iG−ELISAでも非特異的に反応した(データは示していない
)。
日常のF−ELISAに比較して低い感受性は(i)BRSV−Fに比較して
BRSV−Gの低い抗原性、(ii)数種の動物の低い抗体力価、または(ii
i)いくつかの血清が別の未だ同定されていない亜型に特異的であるかもしれな
い、等の理由によるものである。
ブロッキングGペプチド ELISA(bG−ELISA)
試験方法
BRSV特異的抗体を測定するためのこのELISA法は、BRSV−G特異
的モノクローナル抗体(MAb20)と試験試料に存在するかもしれないペプチ
ド特異的抗体によるコートされたペプチドとの相互作用によるブロッキングに基
づいている。ELISAプレートを100μl炭酸塩緩衝液、pH9.0中4℃
で一晩ウエル当たり30ngの酸化ペプチドでコートした。ELISAプレート
をコートするペプチドの最適の希釈は、チェス盤滴定で最大に近い結合が得られ
、試験の感受性が高く維持されるように選択した。使用前、そして各々のインキ
ュベーション段階の後、0.05%Tween80を含む脱イオン水で6回濯い
だ。プレートを1:2に希釈した試験血清1:5000に希釈したGペプチドに
特異的なHRPOコンジュゲートされたモノクローナル抗体(ウシRSV−MA
b,ID−DLO,Leylystad)、基質クロモゲン溶液と順々にインキ
ュベートした。基質溶液とのインキュベーションは4℃で一晩行った。試験血清
とコンジュゲートを4%ウマ血清を含む「低塩分」ELISA緩衝液中、37℃
で1時間インキュベートした。
各々の試験試料のブロッキング率(%)を次式に従い、4%ウマ血清を含む「
低塩分」ELISA緩衝液の450nmでの吸光度を基準(すなわちブロッキン
グ率0%)として用い算出した。
試験試料のブロッキング率
bG−ELISA
ウシ血清の異なったパネルのブロッキング率をbG−ELISA(図4)で比
較した。すべての陰性血清(N=40)(χ+2SD=42%)のブロッキング
率を「陰性」の境界値として用いたとき、相対的特異性は0.98と見い出され
た。102の陽性フィールド血清試料のうち97検体を用いて決定された試験の
相対的感受性は0.98(95/97)と見い出された。他の微生物(BHV−
1,BVDV,PI−3,マイコプラズマ)に対する抗体を含む血清は、bG−
ELISAですべて陰性であった(データを示していない)。日常のF−ELI
SAおよびiG−ELISAで非特異的に反応した6つの血清をbG−ELIS
Aで試験した。これらの血清の2つは有意(75%)にブロックした。これはこ
の血清がBRSV抗体に対して陽性であると示唆している。
RSV感染の検出
一対の血清中の抗体力価の上昇は、通常、感染または再感染の結果とみなされ
る。76の対の血清試料中、セロコンバージョンまたは少なくとも4倍の力価の
上昇は、iG−ELISAで42回、日常のF−ELISAでは32回検出され
た(表3)。力価上昇の頻度における差は、動物の年に関係しているように思わ
れる(表3)。BRSV iG−ELISAは、F−ELISAよりも再感染を
検出するのに感度が高かった。力価上昇の頻度における差は、動物の年に関係し
ているように思われる。若い子牛(1才以下)でセロコンバージョン検出するの
には、iG−ELISAおよび日常のF−ELISAは等しく感受性があった。
しかし、より老いた家畜(1才以上)では、iG−ELISAを用いたとき、抗
体力価の上昇がより頻繁に検出された。したがって、力価上昇がF−ELISA
に基づくとき、再感染の回数は過小評価されるかもしれない。両方のアッセイの
異なった結果は、(i)感染後のFの抗体力価に比較してGの抗体力価の低下が
はやいこと、または、(ii)最初の感染後、Fに対するよりGに対する抗体応
答が小さいことで説明できる。その結果、再感染は、Fに対してよりもGに対し
て抗体の顕著な増加を引き起こす。したがって、本明細書に記載したペプチドE
LISAを含むG−特異的ELISAは、RSVによる再感染をよりよく検出す
るので、Fタンパク質に基づくELISAに対して有利である。
ペプチドELISAの型および亜型特異性
全ウイルスに基づくRSV ELISAは、非常にコンサーブされた抗原タン
パク質を含む。したがって、このようなELISAは、型または亜型特異的でな
く、これは、このようなアッセイがヒトRSVと有蹄類RSVとを区別しない、
そしてHRSV−AとHRSV−B間またはBRSVとORSVとを区別しない
ことを意味する。RSV−Gのアミノ酸配列に従うRSVの系統分類的関係に基
づき、およびRSV−Gの中央疎水性領域に基づきデンドグラム(dendogram)
を計算した(図5)。RSV−Gは、RSV型および亜型の間で非常に変化しう
るので、本発明者らはペプチドに基づくiG−ELISAが型あるいは亜型特異
的抗体を認識することができるかどうか調べた。マドリッドでの1993−19
94年伝染勃発の期間に採取された患者の血清の反応性について、13の血清が
HRSV iG−ELISAと特異的に反応し、BRSV iG−ELISAで
反応しないことが示された(表4)。さらに、12血清は、HRSV−A iG
−ELISAで、HRSV−B iG−ELISAよりも高い反応性を示した。
HRSV−AまたはHRSV−Bに対して特異的なポリクロナールウサギ血清を
HRSVペプチドに対する反応性について調べた。HRSV−Aで免疫化したウ
サギの血清は、HRSV−A iG−ELISAでのみ反応し、HRSV−Bで
免疫化したウサギの血清はHRSV−B iG−RLISAでのみ反応すること
を表5が示している。さらに、iG−ELISAで試験した公知の亜型に特異的
な4つのG−特異的MAbは交差反応性を示さなかった(表4)。いくつかの対
の血清試料を用いる15残基ペプチドに基づくELISAの亜型特異性は以前の
byら,1987)。
ORSVおよびBRSVは、HRSV亜型AとHRSV亜型Bとの距離に比べ
同様に遺伝的に離れた2つの有蹄類RSV型である(図5)。中央疎水性領域の
アミノ酸配列に基づく遺伝学的な距離は、ORSVおよびBRSV間の方がHR
SV−AおよびHRSV−B間よりも僅かながら長い。したがって、RSV i
G−ELISAの亜型特異性は、ほぼORSVおよびBRSVでのみ、それぞれ
感染されたヒツジおよび家畜のRSV陽性血清で確認することができる。同一の
時点で採取され、日常のF−ELISAで陽性として反応する24の異なった動
物からのウシ血清を、BRSV iG−ELISAおよびORSV iG−EL
ISAでそれぞれ反応性について試験した(表5)。ウシ血清はBRSV iG
−ELISAのみで反応し、ORSV iG−ELISAで反応しなかった。さ
らに、3つのRSV陽性ヒツジ血清は、ORSV iG−ELISAのみで反応
し、BRSV iG−ELISAで反応しなかった(表5)。
ワクチン研究
子牛におけるペプチドの免疫原性を試験し、そしてペプチドによるワクチン接
種がウイルス感染を軽減するか抑制するかどうかを調べるために、2つのペプチ
ドワクチンを用いた。1頭の子牛をフロンドアジュバント(FCA)中の32残
基BRSV−Gペプチドで1回のワクチンを接種した。もう1頭の子牛を、FC
A中、Keyhole Limpet Haemocyanin(KLH)と結
合した32残基BRSV−Gペプチドでワクチン接種した。対照子牛はワクチン
接種しなかった。ペプチドに対する抗体反応性を実験の間中、追跡した。ワクチ
ン接種の9週間後、動物を鼻腔から2mlウイルス(Odijk株,TCID5
0:103.8/ml)にさらした。チャレンジの前そしてチャレンジの後、5,
7,11および14週間後、肺洗浄物を子牛から集めた。洗浄物中の細胞をBR
SV抗原の存在に関して試験し、そしてウイルス滴定を洗浄物で実施した(図7
a,b)。
担体タンパク質にコンジュゲートされたペプチドでワクチン接種した子牛は、
ウイルスチャレンジに対してかなりの防御を示した。防御はコンジュゲートして
いないペプチドと比較してコンジュゲートしているペプチドの方がよい。これは
ペプチドに対する抗体応答に関連しているように思える。
図面の説明
図1は、RSV−Gの1次構造を模式的に示すものであり、陰影をつけた箱は
、経膜領域(TM)、点を施した箱は正に帯電した領域を表す。ムチン様領域の
拡がりは上の矢印で表し、これはセリン、トレオニニンおよびプロリンの高含量
(37−38%セリン、トレオニン含量)に対応する。「・」はシスティンを表
す。
図の下部は、Gにおける一般的な可変性を示す(Sullenderら,19
91,Caneら,1991,MallipeddiおよびSamal,199
3a)。
図2は、RSV−Gの構造的モデルを模式的に示す。中央疎水性領域(残基1
58−189)を灰色楕円体として示す。ムチン様領域は可能なO−結合グリコ
シル化部位(短い水平線)および可能なN−結合グリコシル化部位(枝分かれ線
)として示されている。陰影の領域は、経膜領域および細胞質領域に対応する。
図3aは、試験方法に記載されたBRSV iG−ELISAでの異なった血
清の反応性を示す。
図3bは、試験方法に記載されたBRSV F−ELISAでの異なった血清
の反応性を示す。
図4は、試験方法に記載されたBRSV F−ELISAでの異なった血清の
ブロッキング率(%)を示す。陰性の血清のいくつかは0以下のブロッキング率
を有することに注意。
図5は、RSV−Gタンパク質とRSV−Gの中央疎水性領域の間のアミノ酸
間隔を示す(残基158〜189)。
隣接結合方法(Saitou,Nei,1987)およびPHYLIPパッケ
ージ中の集塊のUPGMA方法(Felsenstein,1989)に従って
、系統分類解析を実施した。
図6は、BRSV iG−ELISAで陽性の抗体希釈の逆数を示す。X軸上
の数は、ワクチン接種後の週数を表し、矢印はチャレンジの時期を示す。
図7a、はチャレンジの5日、7日後、それぞれの2頭のワクチン接種した子
牛と1頭のワクチン接種していない子牛の肺洗浄物中の陽性細胞の%を示す。細
胞はフルオレセインでコンジュゲートしたBRSV−F特異的MAbを用いて染
色した。
図7bは、肺洗浄物中のウイルス力価を示す。
HRSV−A配列中の箱は、Norrbyらの(1987)経験的研究に基づ
く主免疫抗原性部位を表わす。破線によって下線を施された残基は、本研究に用
いられた32−merペプチドに対応する。配列は、BRSVについてはLer
chら(1990),ORSVについてはMallipeddi,Samal(
1993b),HRSV−BについてはJohnsonら(1987),HRS
V−AについてはWertzら(1985)から引用した。
a:試験方法に記載されたHRSV−AGタンパク質に対応するペプチド。
血清は1:25に希釈された。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年10月30日
【補正内容】
請求の範囲
1.呼吸器系合胞体ウィルスのGタンパク質に由来するアミノ酸配列を含むペ
プチドであって、該アミノ酸配列は、28ないし37アミノ酸残基の鎖長を有し
、かつ2つのムチン様領域の間に位置する個別にホールディングされた球状タン
パク質モジュールを含むことを特徴とするペプチド。
2.前記アミノ酸配列は、Gタンパク質の159位〜186位(ウシ呼吸器系
合胞体ウィルスのGタンパク質の番号付けに従う)のアミノ酸残基を含み、かつ
せいぜい4つのアミノ酸がその間で異なっていることを特徴とする請求項1記載
のペプチド。
3.前記アミノ酸配列は、Gタンパク質の158位〜189位(ウシ呼吸器系
合胞体ウィルスのGタンパク質の番号付けに従う)のアミノ酸残基を含み、かつ
せいぜい4つのアミノ酸がその間で異なっていることを特徴とする請求項1記載
のペプチド。
4.前記アミノ酸配列は、Gタンパク質の157位〜193位(ウシ呼吸器系
合胞体ウィルスのGタンパク質の番号付けに従う)のアミノ酸残基を含み、かつ
せいぜい4つのアミノ酸がその間で異なっていることを特徴とする請求項1記載
のペプチド。
5.前記呼吸器系合胞体ウィルスは、ウシ呼吸器系合胞体ウィルス、ヒト呼吸
器系合胞体ウィルスA、ヒト呼吸器系合胞体ウィルスB、およびヒツジ呼吸器系
合胞体ウィルスから成る群より選ばれることを特徴とする請求項1記載のペプチ
ド。
6.前記アミノ酸配列は、
から成る群より選ばれる配列を含むことを特徴とする請求項1記載のペプチド。
7.前記アミノ酸配列は、
から成る群より選ばれる配列を含むことを特徴とする請求項1記載のペプチド。
8.前記アミノ酸配列は、
および
から成る群より選ばれる配列を含むことを特徴とする請求項1記載のペプチド。
9.呼吸器系合胞体ウィルスの異なった型または亜型(に対する抗体)間での
区別化、あるいは同定を可能にする、請求項1記載のペプチドを含むことを特徴
とする抗原性物質。
10.呼吸器系合胞体ウィルスの診断における請求項1記載のペプチド、または
請求項9記載の抗原性物質の用途。
11.呼吸器系合胞体ウィルス感染の予防に用いるための請求項1記載のペプチ
ドまたは請求項9記載の抗原性物質。
12.呼吸器系合胞体ウィルス型または亜型(に対する抗体)を検出するあるい
は同定するための診断試験キットであって、検出のための適当な手段とともに請
求項1記載のペプチドまたは請求項9記載の抗原性物質を含むことを特徴とする
診断試験キット。
13.たとえばブロッキングELISAのような酵素結合免疫吸着剤アッセイで
ある請求項12記載の診断試験キット。
14.体液の試料と請求項1記載のペプチドまたは請求項9記載の抗原性物質を
接触させ、前記ペプチドと、抗原性物質と、該ペプチド、抗原性物質に特異的な
抗体とから成る複合体を形成させ、続いて該複合体を検出することを特徴とする
呼吸器系合胞体ウィルス(に対する抗体)を検出する方法。
15.哺乳類へ投与するのに適当なアジュバンドまたは賦形剤とともに請求項1
記載のペプチドまたは請求項9記載の抗原性物質を含むことを特徴とする呼吸器
系ウィルス感染を予防するための薬学的組成物。
16.呼吸器系合胞体ウィルスに対して免疫応答を誘起するのに充分する量の請
求項15記載の組成物を哺乳類に投与することを特徴とする呼吸器系ウィルス感
染の予防方法。
17.適当なアジュバンドとともに、請求項9記載の抗原性物質を哺乳類受容体
に投与し、該哺乳類受容体から結果としてできる抗体または抗体産生細胞を収穫
することを特徴とする呼吸器系合胞体ウィルス型または亜型に対する抗体を誘起
する方法。
18.請求項17記載の方法によって得られることを特徴とする呼吸器系合胞体
ウィルスの型または亜型に対して特異的な抗体。
19.モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項18記載の抗体。
20.呼吸器系合胞体ウィルス型または亜型(に対する抗体)を検出するあるい
は型または亜型間を区別化するための診断試験キットであって、検出のための適
当な手段と、請求項18記載の抗体を含むことを特徴とする診断試験キット。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12Q 1/04 C12Q 1/04
G01N 33/569 G01N 33/569 L
// C12N 15/02 C12N 15/00 C
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,US,UZ,VN