JPH10513447A - ニトリルの還元的加水分解法の改良法 - Google Patents

ニトリルの還元的加水分解法の改良法

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JPH10513447A JP8523580A JP52358096A JPH10513447A JP H10513447 A JPH10513447 A JP H10513447A JP 8523580 A JP8523580 A JP 8523580A JP 52358096 A JP52358096 A JP 52358096A JP H10513447 A JPH10513447 A JP H10513447A
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ビーテイ,リチヤード・ポール
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イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は式 但し式中MはFe、RuおよびOsから成る群から選ばれる遷移金属であり、Zは陰イオン性の配位子、Lは中性の配位子、nは0または1、PR3はフォスフィン配位子である、の遷移金属錯体を触媒として使用し、ニトリルを還元的に加水分解してアルコールにする方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ニトリルの還元的加水分解法の改良法 関連出願の相互参照関係 本出願は1995年1月31日付けの米国特許願08/381.597号の部 分的継続出願である。 本発明の分野 本発明はモノニトリルの還元的加水分解を行い1級アルコールを得る方法、ジ ニトリルの選択的な還元的加水分解を行いてヒドロキシニトリルを得る方法、お よびジニトリルの還元的加水分解を行いジオールにするを含むニトリルの還元的 加水分解を行いアルコールを得る方法に関する。 技術的背景 日本特許公開明細書:平4−36250号(a992)には、不均一触媒を使 用し水を存在させてニトリルを水素化する方法が記載されている。その収率およ び選択性は非常に高いとは言えない。該平4−36250号の実施例1には、ラ ネー・ニッケルを用いて(50℃、1気圧)ベンゾニトリルを水素化した場合、 ベンゾニトリルの変化率は75%であり、ベンジルアルコールへの選択性は僅か に51%であって、変化したベンゾニトリルの23%はベンジルアミンになった ことが示されている。 本発明の概要 本発明によれば、式 MHZ(CO)Ln(PR32 但し式中 MはFe、RuおよびOsから成る群から選ばれる遷移金属であり、 ZはH、ハロゲン、R、C(O)R、OC(O)R、CO2R、CN、N R2およびORから成る群から選ばれる形式的に(formally)陰イオン 性の配位子であり、 LはH2;N2:CO;ニトリル、アミン、アルコール、エーテル、エステ ル、アミド、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトンおよびイミンから成る群 から選ばれる一官能性の化合物;および該一化合物化合物から独立に誘導される 少なくとも二つの官能基を含む多官能性の化合物から成る群から選ばれる中性の 配位子、 (PR32は別の配位子または一緒になった配位子として存在するフォス フィン配位子、 各RはH;および随時1個またはそれ以上のハロゲン、ヒドロカルビルオ キシ、ヒドロカルビルアミノまたはジヒドロカルビルアミノ基を置換したヒドロ カルビル基から成る群から選ばれる置換基であり、 nは0または1である、 の遷移金属錯体の存在下においてモノニトリルの還元的加水分解を行いアルコー ルを得る方法、ジニトリルの選択的な還元的加水分解を行いヒドロキシニトリル を得る方法、およびジニトリルの還元的加水分解を行いジオールを得る方法が提 供される。 また本発明によれば、 (a)上で定義されたMHZ(CO)Ln(PR32の式を有する触媒の存在 下において有機ニトリルをガス状の水素および水と接触させ、 (b)次いでニトリル、水、水素および触媒を撹拌してアルコールをつくる工 程から成る有機ニトリルの還元的加水分解を行う方法が提供される。 また本発明によれば、 (a)上で定義されたMHZ(CO)Ln(PR32の式を有する触媒の存在 下においてジニトリルをガス状の水素および水と接触させ、 (b)次いでジオールを得るよりもヒドロキシニトリルを得る方が有利になる ように選ばれた時間の間、ジニトリル、水素、水および触媒を撹拌する工程から 成るジニトリルの選択的な還元的加水分解を行う方法が提供される。 本発明の詳細な説明 本発明の還元的加水分解法および選択的な還元的加水分解法では式MHZ(C O)Ln(PR32の遷移金属錯体を使用する。ここで MはFe、RuおよびOsから成る群から選ばれる遷移金属であり、 ZはH、ハロゲン、R、C(O)R、OC(O)R、CO2R、CN、N R2およびORから成る群から選ばれる形式的に陰イオン性の配位子であり、 LはH2;N2;CO;ニトリル、アミン、アルコール、エーテル、エステ ル、アミド、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトンおよびイミンから成る群 から選ばれる一官能性の化合物;および該一化合物化合物から独立に誘導される 少なくとも二つの官能基を含む多官能性の化合物から成る群から選ばれる中性の 配位子、 (PR32は別の配位子または一緒になった配位子として存在す るフォスフィン配位子、 各RはH;および随時1個またはそれ以上のハロゲン、ヒドロカルビルオ キシ、ヒドロカルビルアミノまたはジヒドロカルビルアミノ基で置換されている ヒドロカルビル基から成る群から選ばれる置換基であり、 nは0または1である。 ヒドロカルビルとは、一重、二重および三重の炭素−炭素間結合によって結合 され、それに対応して水素で置換された直鎖、分岐または環式の炭素原子から成 る基を意味する。ヒドロカルビル基は芳香族および/または脂肪族の基、例えば アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリ ール、アルキルアリールおよびアラルキルであることができる。随時ヒドロカル ビル基は、水素原子をもつ置換基の他に、さらにハロゲン、例えばフッ素、塩素 、臭素およびヨードをもつ置換基で置換されていることができる。ヒドロカルビ ル基はまたヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルアミノまたはジヒドロカルビ ルアミノ基、例えばジメチルアミノまたはピリジル基で置換されていることがで きる。適当なヒドロカルビル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ チル、イソブチル、t−ブチル、オクチルシクロプロピル、シクロブチル、シク ロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、 ベンジル、フェニル、ナフチル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、キシリ ル、ビニル、アリル、ブテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘオクテニル であることができる。置換基をもつ適当なヒドロカルビル基はβ−メトキシエチ ル、4−メトキシブチル、2−ピリジル、4−トリフルオロメチルフェニル、4 −(N ,N−ジメチルアミノ)ブチル、および2−エトキシ−1−(2−ピリジル)エ チルであることができる。 代表的なフォスフィン配位子はシクロヘキシルフォスフィン、フェニルフォス フィン、ジエチルフォスフィン、ジシクロヘキシルフォスフィン、ジフェニルフ ォスフィン、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリ−n−プ ロピルフォスフィン、トリ−イソプロピルフォスフィン(P−iPr3)、トリ −n−ブチルフォスフィン、トリイソブチルフォスフィン、トリ−t−ブチルフ ォスフィン、トリフェニルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフィン(P Cy3)、トリベンジルフォスフィン、トリス(2−ピリジル)フォスフィン、 トリ−p−トリルフォスフィン、トリス(p−トリフルオロメチルフェニル)フ ォスフィン、o−ジフェニルフォスフィノ−N,N−ジメチルアニリン、(3− N,N−ジメチルアミノプロピル)ジイソプロピルフォスフィン、(4−N,N −ジメチルアミノブチル)ジ−イソプロピルフォスフィン、ジフェニルメチルフ ォスフィン、ジメチルフェニルフォスフィン、ジシクロヘキシル(β−メトキシ エチル)フォスフィン、ビス(β−メトキシエチル)ペンチルフォスフィン、お よび1−(ジフェニルフォスフィノ)−2−エトキシ−1−(2−ピリジル)エ タンである。 2個またはそれ以上の配位子が一緒になってジフォスフィン、トリフォスフィ ン、または高級のポリフォスフィンをつくることができる。このような一緒にな った配位子の例には、1,2−ビス(ジメチルフォスフィノ)エタン、1,2− ビス(ジエチルフォスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルフォス フィノ)エタン、ビス(ジシクロヘキシルフォスフィノ)メタン、1,2−ビス [(β−メトキシエチル)フォ スフィノ]エタン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3− ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルフォスフ ィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ベンゼン、(−)−1 ,2−ビス((2R,5R)−2,5−ジメチルフォスフォラノ)ベンゼン、( R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)1,1’−ビナフチ ル、ビス(2−ジフェニルフォスフィノエチル)フェニルフォスフィン、トリス (2−ジフェニルフォスフィノエチル)フォスフィン、および1,1,1−トリ ス(ジフェニルフォスフィノメチル)エタンが含まれる。 フォスフィン配位子は種々の重合体の支持体に結合していることができる。例 としてはStrem and Aldrich社製のスチレン−ジビニルベンゼ ン共重合体上にトリフェニルフォスフィンを含むもの、およびトリ有機フォスフ ィン官能基をもったポリシロキサンがある。多くの他の同様な適当な支持体が知 られている。 円錐角が140°より大きい嵩ばったフォスフィン配位子、例えばP−iPR3 およびPCy3が好適である。 適当な形式的な陰イオン性の配位子ZはH;ハロゲン、例えばフッ素、塩素、 臭素およびヨード原子;R、C(O)R;OC(O)R、CO2R、CN、NR2 、またはORであることができる。ここでRは上記の定義の通りである。 基Zの代表的な例は−OH、アルコキシ、例えば−OCH3、フェノキシ、例 えば−OC65、−OCH2CH2OCH3、−NMe2、−NEt2、−CH3、n −C49および−C≡C−Phを含んでいる。ここでMeはメチル、Etはエチ ル、Phはフェニルである。 適当な中性の配位子LはH2;N2;CO;ニトリル、アミン、アルコール、エ ーテル、エステル、アミド、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトンおよびイ ミンから成る群から選ばれる一官能性の化合物;および該一官能性化合物から独 立に誘導される少なくとも二つの官能基を含む多官能性の化合物であることがで きる。例えばNH2CH2CH2CH(COOR)CH2OHは、一官能性の化合物 のアミン、エステルおよびアルコールから誘導される少なくとも2個の官能基を もっているから、多官能性の化合物である。当業界の専門家に公知の適当な2− 電子供与体配位子Lは米国カリフォルニア州、Mill ValleyのUni versity Science Books、1987年発行、J.P.Co llman等著、「Principles and Applications of Organotransition Metal Chemistry 」の第2および3章に記載されている。また当業界には、少なくとも1個のLが 少なくとも1個のPR3、例えば前述のPR3配位子と一緒になっているもの、例 えばジシクロヘキシル(β−メトキシエチル)フォスフィンおよび1−(ジフェ ニルフォスフィノ)−2−エトキシ−1−(2−ピリジル)エタンのような多座 配位子も知られている。好適なLは完全に飽和したルイス塩基の供与体、即ちア ミン、アルコール、およびエーテルを含む分子である。不飽和の、潜在的に水素 化され得るルイス塩基の供与体、例えばアルケン、アルキン、アルデヒド、ケト ン、ニトリル、イミン、およびエステルを含む分子はあまり好適ではない。これ らの不飽和の分子は、使用することはできるが、本発明に従ってルテニウム錯体 をつくる際、或いは錯体を後で還元的加水分解反応に使用する際に、部分的にま たは完全に水素化される可能性 がある。上記の議論にも拘らず、好適なLは還元的加水分解の基質、中間体また は生成物であることができる。例えばアジポニトリルの還元的加水分解反応にお いて、アジポニトリル、6−ヒドロキシカプロニトリル、1,6−ヘキサンジオ ール、6−アミノカプロニトリル、および6−アミノヘキサノールはすべて好適 な配位子である。適当なLの例としてはアミン、例えばブチルアミンおよびヘキ サメチレンジアミン、エーテル、例えばテトラヒドロフランおよびt−ブチルメ チルエーテル、ニトリル、例えばブチロニトリルまたはアジポニトリル、エステ ル、例えば酢酸エチルまたはアジピン酸ジメチル、およびアミド、例えばN,N −ジメチルアセトアミドがある。 MがRuで、ZがHまたはハロゲンである錯体が好適である。これらの好適な 錯体の中でnが1の場合、LはH2であることが好ましい。 MがRuでZがHまたはハロゲンであり、NがOまたは1、LがH2であり、 (PR32は円錐角が約140°よりも大きい嵩ばったフォスフィン配位子であ る錯体、例えばRuHCl(CO)(P−iPr32、RuHCl(CO)(P −Cy32、RuH2(H2)(CO)(P−ipr32、およびRuH2(H2) (CO)(P−Cy32が特に好適である。 本発明方法において触媒として有用な多くの遷移金属錯体は公知文献に記載さ れた方法でつくることができる。例えばEsteruelasとWernerの J.Organomet.Chem.誌、1986年、303巻、221頁所載 の論文には、RuCl3(H2O)xおよびP−iPr3を数時間還流させ、生成物 を沈降させ、フリットの上に捕集してRuHCl(CO)(PiPr32を製造 することが記載されている。 種々の他のRuHZ(CO)(L)(PR32錯体も従来法において公知であ り、例えばRampel等の米国特許5,208,296号および同5,057 ,581号;U.Meyer、H.WernerのChem.Ber.誌、12 3巻(4号)697頁(1990年)の論文;Esteruelas等のJ.M ol.Catalysis誌、53巻43頁(1989年)の論文に記載されて いる。中性の2−電子供与性配位子を、配位的に不飽和でこのような配位子を容 易に付加できるルテニウム前駆体、例えばRuHZ(CO)(PR32に加える ことにより、非常に多様なRuHZ(CO)(L)(PR32をその場で製造す るか生成させることができる。 Lが還元的加水分解反応の基質、中間体または生成物であるRuHZ(CO) (L)(PR32は特に好適である。何故なら工程に外部の配位子を導入せずに 触媒として使用することができ、従って工程を簡単化しコストを最小限度に抑制 することができるからである。 このような基質、中間体または生成物は、他に官能基が存在しない単なるヒド ロカルビルニトリルであることができるか、或いは農薬または医薬の合成に見ら れるような非常に複雑な多官能性分子であることができる。還元的加水分解の大 きな価値は、ニトリル基が有機化学において最も普遍的なものの一つであるとい う事実から生じる。ニトリル基は立体規則性を含めて極めて精度良く導入するす ることができ(例えば非対称的ヒドロシアン化触媒を使用して)、従って注意深 く配置されたニトリル基を含む広範囲の非常に複雑な有機化学構造をつくること ができる。例えばα−メチル−6−メトキシ−2−ナフタレンアセトニトリルは ニトリルの他にメトキシ置換基を含み、還元的加水分解により対応するア ルコールにすることができる。これは重要な非ステロイド系の抗炎症性医薬であ る2−(6−メトキシ−2−ナフタレン)プロピオン酸に関連した分子である。 このニトリルの単一の鏡像体を高純度で合成することができ(Casalnuo vo等の米国特許5,175,335号参照)、立体配置を良好に保持しながら 還元的加水分解を行うことができる。 有機ニトリルの還元的加水分解を行う本発明方法は、上記式MHZ(CO)Ln (PR32を有する触媒の存在下においてニトリルをガス状の水素および水と 接触させることを特徴としている。次いでニトリル、水、水素、および触媒を撹 拌してアルコールをつくる。ジニトリルを還元的に加水分解してジオールをつく る方法は本発明方法の一具体化例である。 還元的加水分解反応に対する従来公知の触媒は、典型的には生成物である1級 アルコールに対し低い変化率と悪い選択性を与えるに過ぎない。これとは対照的 に、還元的加水分解により例えばアジポニトリルをヘキサンジオールにするか、 または2−メチルグルタロニトリルをメチルペンタンジオールにする場合、本発 明方法を使用した際の典型的な選択性は相対的に非常に高く、アミンの副成物は 痕跡程度しか生じない。 本発明の還元的加水分解法に適用できる適当なニトリル基質は、還元して対応 するアルコールにすることができるCN基を少なくとも1個有するものであるこ とができる。典型的には基質は1個または2個のCN基をもった単量体の物質で ある。しかし基質は規則的に存在するかまたは偶発的に生成したCN官能基を有 するオリゴマーまたは重合体であるか、或いは例えばF(CF2CF2zCH2C H2CN(ここでZは2ないし約6の範囲である)のようなフルオロニトリルを 含む混合物であることもできる。 適当なニトリル基質は直鎖または分岐した飽和の脂肪族C2〜C18モノニトリ ルおよびC3〜C19ジニトリル、並びにそれらのフェニル誘導体、飽和脂環式の C4〜C13モノニトリルおよびC5〜C14ジニトリル、直鎖または分岐したオレフ ィン型不飽和のC3〜C18脂肪族ニトリル、オレフィン型不飽和のC6〜C13脂環 式ニトリル、C7〜C14芳香族モノ−およびジニトリル、窒素および酸素を含む C6〜C8複素環式モノニトリル、C3〜C4シアノアルカン酸アミド、C2〜C12 飽和脂肪族シアノヒドリンまたはヒドロキシニトリル、上記ニトリルの混合物か ら成っている。これらのニトリルは妨害を行わない置換基を含んでいることもで きる。 一般に所望の還元的加水分解を妨害しない幾つかの置換基の例はヒドロキシル 、アミン、エーテル、アルキル、アルコキシ、およびアリーロキシであることが できる。例えばシアノヒドリンおよびヒドロキシニトリルは両方とも許容できる ニトリルである。不飽和の水素化可能な置換基、例えばケトン、エステル、アミ ド、アルデヒド、イミン、ニトロ、アルケン、およびアルキンは、ニトリル基の 還元的加水分解を妨害しないという点で許容できるが、それ自身も還元的加水分 解の過程において部分的にまたは完全に水素化される。カルボン酸は一般に触媒 と反応してこれを失活させるから許容できる置換基ではない。 本発明方法に適用できる特定のニトリルの代表的な例は、アセトニトリル(C2 )、プロピオニトリル(C3)、ブチロニトリル(C4)、ヴァレロニトリル( C5)、カプロニトリル(C6)、2,2−ジメチルプロパンニトリル、エナンソ ニトリル(C7)、カプリロニトリル(C8)、ペラルゴノニトリル(C9)、カ プリニトリル(C10)、ヘンデカンニ トリル(C11)、ラウロニトリル(C12)、トリデカンニトリル(C13)、ミリ ストニトリル(C14)ペンタデカンニトリル(C15)、パルミトニトリル(C16 )、マルガロニトリル(C17)、ステアロニトリル(C18)、フェニルアセトニ トリル(ベンジルニトリル)、ナフチルアセトニトリル、マロノニトリル、スク シノニトリル、グルタロニトリル、2−メチルグルタロニトリル、アジポニトリ ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−メチレングルタロニトリル、 1,4−ジシアノ−2−ブテン、1,4−ジシアノ−1−ブテン、ドデカンジニ トリル、3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、 2−ペンテンニトリル、2−ヘキセンニトリル、2−ヘプテンニトリル、グリコ ロニトリル(フォルムアルデヒドシアノヒドリン)、ヒドロアクリロニトリル( エチレンシアノヒドリン)、エピシアノヒドリン(γ−シアノプロピレンオキシ ド)、ラクトニトリル、ピルヴォニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、ベ ンゾニトリル、o−トリルニトリル、m−トリルニトリル、p−トリルニトリル 、アントラニロニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリ ル、1−ナフトニトリル、2−ナフトニトリル、フタロニトリル、イソフタロニ トリル、テレフタロニトリル、マンデロニトリル、2−ピリジンニトリル、3− ピリジンニトリル、4−ピリジンニトリル、または2−フリルアセトニトリルで ある。 本発明方法の好適なニトリルはアジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル 、およびドデカンジニトリルである。還元的加水分解の際に環化して3−メチル テトラヒドロフランの有用な中間体である2−メチル−ブチロラクトンを生じる イソ酪酸3−シアノメチルも好適である。 水は還元的加水分解に必要な反応原料である。ニトリル1モルに対して少なく とも1モルの水が必要であるが、これよりも多くの量を使用することができ、ニ トリル1モルに対して2000モルまたはそれ以上さえも使用することができる 。水の好適な量はニトリル1モル当たり約30〜約300モルである。水を多量 に用いるとアルコールに対する選択性が増加するが、生成物の分離が困難になる 。水の量が少ないとアルコールに対する選択性が減少し、アミンの生成量が増加 する。水が存在しないと同じ触媒によりニトリルが水素化されてアミンが生じる 。 溶媒の使用は反応原料の接触を容易にし熱を除去する上で好適である。溶媒( または溶媒混合物)中への個々の材料の溶解度は、還元的加水分解反応を開始さ せこれを維持するのに十分な程大でなければならない。 本発明方法に適用できる溶媒は反応条件下において水素化に対して不活性であ り、ニトリル、触媒および水に対して適切な溶解能力をもっていなければならな い。 適当な溶媒にはC6〜C12の融合していないベンゼノイド炭化水素およびその C2〜C18アルキル誘導体、C5〜C12の直鎖または分岐した飽和の脂肪族または 脂環式の炭化水素、C4〜C12の飽和脂肪族環式モノ−またはジエーテル、また はC7〜C14の芳香族エーテル、またはそれらの混合物が含まれる。「融合して いないベンゼノイド炭化水素」という言葉は、炭化水素中に2個以上のベンゼン 環が存在する場合、環が分離しており、且つ互いに融合していないことを意味す る。従ってこの言葉はビフェニルを含むがナフタレンを含まない。 適当な溶媒にはさらにニトリル、アミン、およびアルコールが含まれ、選ばれ た溶媒が触媒、基質ニトリル、および水に対して下記に説明する ように適切な溶媒である限り、好ましくは水素化または還元的加水分解の基質、 中間体または生成物が含まれる。代表的な例はアセトニトリル、プロピオニトリ ル、ブチロニトリル、プロピルアミン、ブチルアミン、メタノール、エタノール 、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブ タノール、2,2−ジメチルプロパノール、アンモニア、メチルアミン、エチル アミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、アミル アミン、アザシクロヘプタン、2−メチルペンタメチレンジアミンおよびヘキサ メチレンジアミン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、ビフェニル、n−オクタ デシルベンゼン、ベンゼン、トルエン、ペンタン、シクロペンタン、シクロヘキ サン、メチルシクロヘキサン、ヘキサン、イソオクタン、デカン、シクロデカン 、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン 、メチルテトラヒドロフルフリルエーテル、ジメチルエーテル、1,2−ジメト キシエタン、ジグライム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アニソ ール、ジフェニルエーテル、およびこれらの混合物である。 好適な溶媒はアジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、ヘキサンジオー ル、2−メチルペンタンジオール、アンモニア、THF、t−ブチルメチルエー テル、トルエン、n−アミルアミン、n−ブチルアミン、2−メチルペンタメチ レンジアミン、およびヘキサメチレンジアミンである。 所望の還元的加水分解が行え、単なる水素化でアミンを生じるのではなくてア ルコールが生じるためには、反応するニトリルに対して適切に水が与えられるこ とが重要である。可能な操作モードは三つある。(a) 純液体状態、即ち原料ニトリルおよび生成物のアルコール以外には溶媒がない状 態での操作、(b)水と混合しない溶媒を用いる場合、または(c)均質化溶媒 を用いる場合である。 好適な操作モードは、単なる還元ではなく還元的加水分解が起こるためには適 切な水が供給される必要があることを留意した上で、反応させるニトリルの種類 に依存する。主な基準はニトリルまたは生成物のアルコールが還元的加水分解を 起こし得るのに十分な程度に反応原料(ニトリル、触媒、および水)を溶解し得 る能力である。 「親水性」および若干の「両性」のニトリル反応原料で、反応温度において液 体であり且つ還元的加水分解が起こる反応温度において触媒および水の両方に対 して良好な溶媒となるものが純液体での操作モードに使用できる溶媒である。同 様に生成物のアルコールが原料のニトリル、触媒および水に対して良好な溶媒で ある場合には、生成物のアルコール自身を溶媒として使用することができる。従 ってアセトニトリルまたはプロピオニトリルのような低級ニトリルの場合、溶媒 として生成物のアルコールを使用するできよう。アジポニトリルおよびメチルグ ルタロニトリルは、通常の周囲温度においては水と混合しないが、高温において は混合するようになるので、純液体モードで操作できる候補と考えられる。水と 完全には混合しないニトリルでも、触媒を溶解し、且つ単なる水素化に比べ還元 的加水分解が有利になる程十分に水を溶解する限り純液体モードで使用すること ができる。 水と混合しない溶媒を使用する目的は、生成物のアルコールが水溶性の場合、 触媒の回収と再利用を容易にすることである。ニトリルまたは生成物のアルコー ルが単なるアミンへの還元ではなく還元的加水分解が 有利になるように触媒および水に対し十分に良好な溶媒となる場合にはこのモー ドが使用できる。水溶性の生成物は簡単なデカンテーションおよび/または抽出 により水に不溶な触媒から分離することができる。 適当な水と混合しない溶媒は脂肪族および芳香族炭化水素、および水と混合し ないエーテルを含んでいる。好適な溶媒はトルエンおよびt−メチルブチルエー テルである。 水と混合しない溶媒を使用するモードは、水との接触が不十分で、その結果還 元的加水分解よりも水素化によりアミンが生成するために、疎水性のニトリル、 例えばドデカンジニトリルまたはα−メチルベンジルシアニドには適用できない 。 ドデカンジニトリルまたはα−メチルベンジルシアニドのような疎水性のニト リルを用いる場合には均質化溶媒が必要である。この溶媒は水と混合し得る必要 はないが、ニトリル、触媒、および水素化に比べ還元的加水分解を有利にするの に十分な水を溶解することができなければならない。好適な溶媒は低沸点のアル コールおよびエーテル、例えばジメトキシエタン、p−ジオキサン、テトラヒド ロフラン(THF)、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、およ び2−ブトキシエタノールである。THFが最も好適である。 本発明方法の触媒は上記式MHZ(CO)Ln(PR32をもつ遷移金属の錯 体から選ばれる。好適な遷移金属の錯体触媒は式RuHCl(CO)(PCy3 2、RuH2(CO)(H2)(PCy32、RuHCl(CO)(P−iPr32、またはRuH2(CO)(H2)(P−iPr32である。ここでCyはシ クロヘキシル基であり、iPrはイソプロピル基である。触媒の量は水素化すべ きニトリルに関し約10〜約 0.01モル%の範囲で変えることができる。好適な触媒の量は水素化すべきニ トリルに関しモル基準で約1〜約0.1%である。これよりも多量または少量の 触媒を使用することができるが、その場合それぞれ触媒のコストが増加するか反 応時間が犠牲になる。必要に応じ過剰のフォスフィンを存在させることができ、 それによって還元的加水分解が妨害されることはない。過剰のフォスフィンを用 いる必要はないが、過剰のフォスフィンが存在すると、偶然に存在する酸素が少 量のフォスフィンを酸化されてフォスフィンオキシドになったり、或いは他の副 反応によりフォスフィン配位子の一部が劣化する場合でも、常に適切なフォスフ ィンが遷移金属触媒を安定化させることができる。このようにして生じたフォス フィンオキシドは存在してもよく、還元的加水分解反応を妨害することはない。 過剰のフォスフィン対遷移金属のモル比は0から約60以上の範囲で変えること ができる。この好適なモル比は0〜約30であり、約2〜約25が最も好適であ る。 還元的加水分解は約0〜約200℃の間の任意の便利な温度で行うことができ る。これよりも温度が低いと反応温度が長くなり、温度が高いと触媒寿命が減少 し所望の生成物の収率が低下する。好適な温度は約60〜約120℃の範囲であ り約80〜約100℃が最も好適である。 水素源は水素ガスか、または所望の還元的加水分解を妨害しない他のガスと水 素ガスとの混合物であることができる。妨害しないガスとしては例えば不活性ガ ス、例えばヘリウム、アルゴン、および窒素が含まれる。酸素および一酸化炭素 は触媒と反応するから避けるべきである。 使用する圧力は約100kPa(1気圧)から約1500kPaまたはそれ以 上であることができる。圧力が高いと水素の溶解度が増加し反 応速度が速くなるから好適である。しかし約7000kPaより高い圧力は、こ のような圧力で操作できるためのコストが高くなるため一般に避けられる。好適 な圧力は約800〜約7000kPaである。 本発明のニトリルの還元的加水分解は二相反応で行われる。従ってガス状の水 素が液体の反応相に溶解し得るような適切な気液接触を行うことが重要である。 適切な気液接触は当業界の専門家には公知の種々の撹拌方法で達成することがで きる。典型的な方法には、タンク状の反応器の液面の下方にガスを注入して散布 する方法、タンク状の反応器の中で液を撹拌してガスを液の中に引き込み気泡を つくる方法、塔状の反応器の中で充填材を使用して高い液面をつくる方法、また は気泡カラム反応器を使用して気泡を反応器に導入し液相中を上昇させる方法が 含まれる。 本発明の他の具体化例においては、上記の化合物MHZ(CO)Ln(PR32 を触媒として使用してジニトリルの選択的な還元的加水分解を行ってヒドロキ シニトリルにする。触媒の存在下においてジニトリルをガス状の水素および水と 接触させ、次いでジオールよりもヒドロキシニトリルを生じるのに有利なように 選ばれた時間の間撹拌する。 ジニトリルは炭素数約3〜約19、好ましくは約6〜約12の任意の脂肪族ジ ニトリルであることができる。好ましくは炭素原子は直鎖または分岐した炭素鎖 で配列されている。ジニトリルの特に好適な例はアジポニトリルおよびドデカン ジニトリルである。 触媒の量、過剰のフォスフィン、温度、溶媒および操作モード、水の量、圧力 、撹拌の必要性および水素源はニトリルの還元的加水分解について上記に説明し た条件と同じである。 選択的な還元的加水分解の所望の生成物であるヒドロキシニトリルは、 本発明の還元的加水分解法の一具体化例における中間体であって、最終的にはジ オールを生成する。反応混合物中のヒドロキシニトリル濃度は反応の進行に伴い 最大値を通過する。本発明の目的の一つは、原料ニトリルの変化率が最高になる 点において反応混合物中のヒドロキシニトリルの濃度を最高にすることである。 ヒドロキシニトリルの収率およびジニトリルの変化に関する最高点の位置は温度 、水素圧、触媒の量と種類、原料ニトリルの希釈度、並びに溶媒の種類のような 操作条件に依存する。これらの変数は反応の最適接触時間に影響を及ぼす。 ヒドロキシニトリルの生成を有利にするのに必要な本発明の最適反応時間は、 或る与えられた反応条件の組に対して一回だけ決定すればよい。最適値が一度決 定されれば、それは触媒、反応原料の濃度、温度および圧力のような反応条件が 一定に保たれる限り一定である。 本発明の他の具体化例は、還元的加水分解生成物からルテニウム錯体触媒を分 離し、これを再利用する簡単な工程である。このような分離を行う通常の方法に は、精溜、分別結晶、抽出、およびクロマトグラフ法が含まれる。蒸溜法が極め て普通に用いられるが、還元的加水分解生成物は比較的高い沸点をもっているか ら、触媒の安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。 大部分の均質触媒とは異なり、本発明の触媒は予想外にも水の存在下において 安定である。従って生成物の化合物が水溶性であり、水と混合しない反応用の溶 媒が使用される場合、水で抽出することにより生成物の化合物を触媒および反応 用の溶媒から分離することができる。触媒は実質的に水に不溶であり、反応溶媒 中に溶解したまま残るが、水に可溶な生成物は水による抽出物へと除去される。 得られる反応溶媒中に触媒 を含む溶液は、必要に応じこれを乾燥して再利用することができる。生成物の化 合物は、触媒の安定性とは無関係に、水による抽出物から蒸溜または他の任意の 方法で回収することができる。 水による抽出の利点は、簡単であること、条件が温和なこと、およびエネルギ ー消費量が少ないことである。特に、約20〜約100℃の温和な温度、および 約100〜約500kPaの温和な圧力で抽出を行うことができ、このことは触 媒の安定性を保持する上において望ましいことである。 実施例 一般的方法 略号 ACN アミノカプロニトリル ADN アジポニトリル DMF N,N−ジメチルフォルムアミド iPr イソプロピル HMD ヘキサメチレンジアミン HMI ヘキサメチレンイミン(アカアザシクロヘプタン) MGN 2−メチルグルタロニトリル MPDO 2−メチル−1.5−ペンタンジオール MTBE メチルt−ブチルエーテル THF テトラヒドロフラン 実施例1 RuH2(CO)(H2)(P−iPR32の製造 この製造にはEstreuelasおよびWernerのJ.Org anomet.Chem.誌、1986年、303巻、221頁記載の方法に従 って製造されたRuHCl(CO)(P−iPr32が必要である。次のRuH2 (H2)(CO)(P−iPr32の製造法はGusev、Vymenitsお よびBakhmutovのInorg.Chem.誌、1992年、31巻、2 頁、およびV.V.Grushin、A.B.Vymenits、M.E.Vo l’pinのJ.Organomet.Chem.誌、1990年、382巻、 185頁記載の方法を適用した。0.5ミリモルのRuHCl(CO)(P−i Pr32と0.2ミリモルの塩化ベンジルトリエチルアンモニウムを35mlの トルエン中に含む溶液をフィッシャー・ポーター(Fisher−Porter )管中に入れる。1mlの50%NaOH水溶液を加えた後、H2で管に860 kPaの圧力をかけ、1時間撹拌する。1時間温度を50℃に上げた後、反応混 合物を冷却し、グローブボックスの中に入れ、沈降させる。触媒を含むトルエン 相を苛性ソーダ水性相から分離し、廃棄する。トルエン相の溶液のIRスペクト ルは1940cm-1にνcoを示す。このトルエン溶液を直接還元的加水分解に使 用した。 実施例2 RuHCl(CO)(PCy32の製造 MoersおよびLanghoutのRecueil誌、1972年、91巻 、591頁記載の方法により最初にRuHCl(CO)(PCy32をつくられ た。我々は、上記触媒はRuHCl(CO)(P−iPr32と同様に製造する ことがより容易であることを見いだした。即ち2.0gのRuCl3(H2O)x (水1.4%、Ru9.5ミリモル)、10.6gのPCy3(37.8ミリモ ル、4P/Ru)、および75 mlのメタノールの混合物を3日に亙り全部で18時間還流させ、次いで一晩沈 降させる。フリット上に黄橙色の固体生成物を集め、メタノールで、次にエーテ ルで洗滌し、真空中で乾燥する。収率:6g(87%)、31P{1H};44. 0(s)、1H;−24.2(t,1H、水素化物)、1〜2(66H、シクロ ヘキシル・プロトン)、IR(ヌジオール);1906(vs,νco)、206 1(w,νRuH)。 実施例3 RuH2(CO)(H2)(PCy32の製造 これは、上記P−iPr3錯体と同様にして製造された新規の化合物である。 0.5ミリモルのRuHCl(CO)(PCy32と0.2ミリモルの塩化ベ ンジルトリエチルアンモニウムを35mlのトルエン中に含む溶液をフィッシャ ー・ポーター管中に入れる。1mlの50%NaOH水溶液を加えた後、H2で この管に860kPaの圧力をかけ、50℃に加熱した後、2時間撹拌する。反 応混合物を冷却し、グローブボックスの中に入れ、沈降させる。トルエン相の溶 液のIRスペクトルは1936cm-1にνcoの吸収帯を示す。非反応の出発物質 がいくらか残っており、その証拠に902cm-1にそのνcoの吸収帯がみられた 。このトルエン溶液を直接還元的加水分解に使用した。 実施例4 RuHCl(CO)(PCy32を用いるMGNの還元的加水分解 0.1ミリモルのRuHCl(CO)(PCy32、5.5ミリモルのMGN 、20.4gの水、および13.46gのTHFの混合物をオートクレーブ中に おいて80℃、H2圧7000kPaで撹拌する。5. 6時間後、内部標準法を用いガスクロマトグラフ(gc)で分析し、すべてのM GNが消費されており、2−メチル−1,5−ペンタンジオールの収率は97% であることが示された。 実施例5 RuHCl(CO)(P−iPR32を用いるMGNの還元的加水分解 0.1ミリモルの触媒、5.5ミリモルのMGN、17.7gのTHF、16 .3gの水、および0.11gのシクロドデカン(gc法による分析の内部標準 )の混合物をオートクレーブ中において80℃、H2圧7000kPaで撹拌す る。4時間後、ガスクロマトグラフ法により2−メチルペンタンジオールの収率 は96%であることが示された。 実施例6 RuH2(CO)(H2)(P−iPR32を用いるMGNの還元的加水分解 0.1ミリモルの触媒(トルエン中の貯蔵溶液)、5.2ミリモルのMGN、 15.2gのメチルt−ブチルエーテル(MTBE)、15.2gの水、および 0.16gのシクロドデカン(gc法による分析の内部標準)の混合物をオート クレーブ中において80℃、H2圧7000kPaで撹拌する。5時間後、ガス クロマトグラフ法により2−メチルペンタンジオールの収率は98%であること が示された。 実施例7 RuHCl(CO)(PCy32を用いるβ−ヒドロキシウンデセンニトリル の還元的加水分解 0.1ミリモルの触媒、2.76ミリモルのニトリル、15.4gの の水、17.7gのTHF、および0.1251gのシクロドデカン(gc法に よる分析の内部標準)の混合物をオートクレーブ中において80℃、H2圧70 00kPaで撹拌する。1時間後、ガスクロマトグラフ法によりニトリルはすべ て1,3−ウンデカンジオールに変わったことが示された。 実施例8 オリゴマーのポリフルオロアルカンニトリルの還元的加水分解 オリゴマーのポリフルオロアルカンニトリルはフッ化炭素の炭素骨格、F(C F2CF2zCH2CH2CNをもつオリゴマーのニトリルの混合物である。ここ でzは2〜6である。 本実施例に使用した混合物はZ=2のオリゴマーを約27%、z=3のものを 46%、z=4のものを23%、z=5のものを5%含んでいた。 0.1ミリモルのRuHCl(CO)(PCy32、9.87ミリモルのオリ ゴマーのポリフルオロアルカンニトリル、13.29gのTHF、および18. 3gの水の混合物をオートクレーブ中において100℃、H2圧7000kPa で撹拌しながら加熱する。4.4時間後、gc分析の結果原料のニトリルは対応 するアミンおよび1級アルコールの混合物に完全に変化していることが示された 。アルコール生成物が大部分を占め、アルコール/アミンの比は1.7(z=2 )から9.6(z=4)の間である。 実施例9 触媒の再利用を行う還元的加水分解 0.1066ミリモルのRuHCl(CO)(PCy32、20.5 ミリモルのMGN、11.37gのMTBE、および15.23gの水の混合物 をオートクレーブ中でおいてH2圧7000kPaで撹拌しながら100℃に加 熱する。5.5時間後反応混合物を冷却し圧力を下げる。デカンテーションによ りMTBEと水の相を分離する。水性相を5mlの新しいMTBEで抽出し、元 のMTBE相と一緒にする。水性相を分析し、6.5ミリモルのMPDOおよび 2.75ミリモルのヒドロキシニトリルが示された。 再利用した触媒、未変化のMGN、および水性相中で除去されずに残った中間 体を含むMTBE相を、20.39ミリモルのMGNおよび15.9gの水を加 えて循環させる。7.2時間後、上記のようにして反応を処理する。水性相は8 .3ミリモルのMPDOおよび3.4ミリモルのヒドロキシニトリルを含んでい た。MTBE相を分析し、再び循環させたが、新しいMGNを加える量が少なく て高い変化率が得られた。 再利用した触媒、0.81ミリモルの未変化のMGN、2.78ミリモルのヒ ドロキシニトリル、および水性相中で除去されずに残った1.98ミリモルのM PDOを含むMTBE相を、5.36ミリモルのMGNおよび14.7gの水を 加えて循環させる。全部で約10.39ミリモルのC6材料を装入した。7.9 時間後、前述のようにして反応物を回収した。水性相は8.4ミリモルのMPD O、1.26ミリモルのヒドロキシニトリル、および痕跡のMGNを含んでいた 。有機相は1.77ミリモルのMPDO、0.99ミリモルのヒドロキシニトリ ル、および0.13ミリモルのMGNを含んでいた。全部で12.55ミリモル のC6生成物が見出され、物質収支は115%であった。 上記MTBE相を4回使用し、5.2ミリモルの新しいMGNおよび 15.4gの水を加えた。100℃、7000kPaのH2圧において前記のよ うにして回収を行い、MGNは完全に変化していた。最終生成物の混合物反応物 を全部で95%のMPDOおよび5%ヒドロキシニトリル(全部で100%に正 規化)を含んでいた。最終的な物質収支は115%であった。 MTBE/水の代わりにトルエン/水を用いた同様な一連の再利用工程では、 5回目の使用においてMGNは100%変化し、MPDOの収率は98%であり 、物質収支は110%であった。 対照例A ラネー・ニッケルを用いた還元的加水分解 水で湿らせたCrで促進されたラネー・ニッケル(W.R.Graceの「2 400」)0.2g、0.60gのADN、30mlの水、および5mlのトル エンの混合物をフィッシャー・ポーター管の中でH2圧860kPaにおいて8 0℃に加熱する。8.1時間後、ADNは完全に消費された。主要生成物はAC N、HMDおよびHMIであった。ヘキサンジオールは検出されなかった。 対照例B 炭素に担持されたパラジウム(Pd/C)を用いた還元的加水分解 5ミリモルのADN、1.1g0.5%Pd/C、15gの水、および17g のトルエンの混合物をフィッシャー・ポーター管中で水素で860kPaに加圧 して120℃に加熱した。6.3時間後、gc分析によりADNの96%が変化 したことが示された。主要生成物はトリス(5−シアノペンチル)アミン(約5 8%)であり、少量のジ(5−シアノペンチル)アミン(14%)および5−シ アノペンチルHMI(1 4%)が得られた。ACNは痕跡しか観測されなかった。アルコールは殆ど生成 しなかった。 対照例C Rh/MgOを用いる還元的加水分解 米国特許4,389,348号および同4,601,859号記載の方法でR h/MgOの試料をつくった。0.25gのRh触媒、0.58gのADN、1 5mlの水、および20mlのTHFをフィッシャー・ポーター管の中でH2圧 860kPa下において撹拌し、80℃に加熱した。3.8時間後、gc分析の 結果82%のADN、5%のACN、および1%のヒドロキシカプロニトリル、 並びに他の生成物が示された。変化率が低いことはこの触媒の活性が比較的低い ことを示し、ACN:ヒドロキシニトリルの比が5:1であることは還元的加水 分解よりも水素化の方が優勢であることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 255/12 C07C 255/12 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 211/15 C07C 211/15 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)式 MHZ(CO)Ln(PR32 但し式中 MはFe、RuおよびOsから成る群から選ばれる遷移金属であり、 ZはH、ハロゲン、R、C(O)R、OC(O)R、CO2R、CN、N R2およびORから成る群から選ばれる形式的に陰イオン性の配位子であり、 LはH2;N2;CO;ニトリル、アミン、アルコール、エーテル、エステ ル、アミド、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトンおよびイミンから成る群 から選ばれる一官能性の化合物;および該一化合物化合物から独立に誘導される 少なくとも二つの官能基を含む多官能性の化合物から成る群から選ばれる中性の 配位子、 (PR32は別の配位子または一緒になった配位子として存在するフォス フィン配位子、 各RはH;および随時1個またはそれ以上のハロゲン、ヒドロカルビルオ キシ、ヒドロカルビルアミノおよびジヒドロカルビルアミノ基で置換されたヒド ロカルビル基から成る群から選ばれる置換基であり、 nは0または1である、 を有する触媒の存在下において有機ニトリルをガス状の水素および水と接触させ 、 (b)次いでニトリル、水、水素および触媒を撹拌してアルコールをつくる工 程から成ることを特徴とする有機ニトリルの還元的加水分解を 行う方法。 2.温度約0〜約200℃、圧力約100〜約15000kPaにおいて、 随時水と混合しない溶媒または均質化溶媒を存在させて接触を行うことを特徴と する請求項1記載の方法。 3.溶媒は還元的加水分解の基質、中間体または生成物であることを特徴と する請求項2記載の方法。 4.工程(a)の水の量はニトリル1モル当たり水少なくとも1モルである ことを特徴とする請求項1記載の方法。 5.工程(a)の水の量はニトリル1モル当たり水少なくとも30〜約30 0モルであることを特徴とする請求項1記載の方法。 6.アルコール生成物は水溶性であり、溶媒は水と混合しない溶媒であり、 さらに水で抽出することにより溶媒および触媒からアルコール生成物を分離し、 触媒および溶媒を再利用することを特徴とする請求項2記載の方法。 7.ニトリルはアジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、3−シアノ メチルイソブチレートおよびドデカンジニトリルから成る群から選ばれることを 特徴とする請求項1記載の方法。 8.有機ニトリルはジニトリルであり、アルコールはジオールであることを 特徴とする請求項1記載の方法。 9.Lは還元的加水分解の基質、中間体または生成物であることを特徴とす る請求項1記載の方法。 10.触媒はMがRu、ZがHまたはハロゲンである遷移金属錯体から成る群 から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 11.触媒はRuHCl(CO)(P−iPr32、RuHCl(C O)(PCy32、RuH2(CO)(H2)(P−iPr32、およびRuH2 (CO)(H2)(PCy32から成る群から選ばれることを特徴とする請求項 10記載の方法。 12.(a)式 MHZ(CO)Ln(PR32 但し式中 MはFe、RuおよびOsから成る群から選ばれる遷移金属であり、 ZはH、ハロゲン、R、C(O)R、OC(O)R、CO2R、CN、N R2およびORから成る群から選ばれる形式的に陰イオン性の配位子であり、 LはH2;N2;CO;ニトリル、アミン、アルコール、エーテル、エステ ル、アミド、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトンおよびイミンから成る群 から選ばれる一官能性の化合物;および該一化合物化合物から独立に誘導される 少なくとも二つの官能基を含む多官能性の化合物から成る群から選ばれる中性の 配位子、 (PR32は別の配位子または一緒になった配位子として存在するフォス フィン配位子、 各RはH;および随時1個またはそれ以上のハロゲン、ヒドロカルビルオ キシ、ヒドロカルビルアミノおよびジヒドロカルビルアミノ基で置換されたヒド ロカルビル基から成る群から選ばれる置換基であり、 nは0または1である、 の触媒の存在下においてジニトリルをガス状の水素および水と接触させ、 (b)次いでジオールを得るよりもヒドロキシニトリルを得る方が有 利になるように選ばれた時間の間、ジニトリル、水素、水、および触媒を撹拌す る工程から成ることを特徴とするジニトリルの選択的な還元的加水分解を行う方 法。 13.温度約0〜約200℃、圧力約100〜約15000kPaにおいて、 随時水と混合しない溶媒または均一化溶媒を存在させて接触を行うことを特徴と する請求項12記載の方法。 14.溶媒は還元的加水分解の基質、中間体または生成物であることを特徴と する請求項13記載の方法。 15.工程(a)の水の量はニトリル1モル当たり水少なくとも1モルである ことを特徴とする請求項12記載の方法。 16.工程(a)の水の量はニトリル1モル当たり水少なくとも30〜約30 0モルであることを特徴とする請求項15記載の方法。 17.ヒドロキシニトリルは水溶性であり、溶媒は水と混合しない溶媒であり 、さらに水で抽出することにより溶媒および触媒からヒドロキシニトリルを分離 し、触媒および溶媒を再利用することを特徴とする請求項13記載の方法。 18.ジニトリルはアジポニトリルおよびドデカンジニトリルから成る群から 選ばれることを特徴とする請求項12記載の方法。 19.Lは還元的加水分解の基質、中間体または生成物であることを特徴とす る請求項12記載の方法。 20.触媒はMがRu、ZがHまたはハロゲンである遷移金属錯体から成る群 から選ばれることを特徴とする請求項12記載の方法。 21.触媒はRuHCl(CO)(P−iPr32、RuHCl(CO)(P Cy32、RuH2(CO)(H2)(P−iPr32、および RuH2(CO)(H2)(PCy32から成る群から選ばれることを特徴とする 請求項20記載の方法。
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