JPH1052025A - リニアモータおよびその制御方法 - Google Patents

リニアモータおよびその制御方法

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JPH1052025A
JPH1052025A JP8218122A JP21812296A JPH1052025A JP H1052025 A JPH1052025 A JP H1052025A JP 8218122 A JP8218122 A JP 8218122A JP 21812296 A JP21812296 A JP 21812296A JP H1052025 A JPH1052025 A JP H1052025A
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JP8218122A
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Masatoyo Sogabe
正豊 曽我部
Tadashi Shimura
孔史 志村
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Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモータにおける推力むらを低減し、リ
ニアモータの運動特性および垂直軸使用時における安全
性を向上させる。 【解決手段】 両側に磁石片(永久磁石13,15)が
延設された固定磁石板15と、その磁石板15の挟んで
設けられた一体に移動する1対の電機子11,12とを
備えたリニアモータにおいて、磁石板の両側で発生する
2つの推力むらを相殺する方向に位相をずらすものであ
り、これによって、リニアモータにおける推力むらを低
減するものである。そして、磁石片の磁極を磁石板の両
側で位相がずれるよう配置する構成、1対の電機子の巻
線の相順をずらす構成、電機子に供給する電流の位相を
調節する電流制御によって、2つの推力むらの位相をず
らして、推力むらを減少することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の可動部
材を駆動する等の目的で広く使用されている永久磁石同
期式のリニアモータに関し、特に永久磁石と可動磁石と
の配置、および該永久磁石への駆動電流の供給制御に関
する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の可動部材を駆動する等の目的
のために、永久磁石同期式のリニアモータが広く使用さ
れている。この永久磁石リニアモータは、移動磁界発生
手段と、磁極がNS順に交番的に並置された複数の永久
磁石を含む固定磁界とを、相互に移動可能に対向,近接
させて設けている。図13は、リニアモータの概略斜視
図である。リニアモータにおいて、固定磁界の磁極は、
永久磁石の磁極の大きさに相当する鉄板等の磁性体の板
に、磁極がNS順に交番となるよう磁石を順次配置して
取り付ける。図中、磁石板20は継鉄であり、磁極の大
きさに相当する大きさを備え、例えば、300〜500
mm程度の幅で、500mm〜10mの長さの寸法であ
り、軟鉄板で形成される。磁石片22は、1テスラ程度
の磁束密度を有し、厚みが5mm程度の永久磁石であ
る。図示するように、上面はN,S極に着磁されてお
り、下面は逆極性のS,N極である。なお、磁石片22
は、磁石板20に樹脂層による埋め込みによって、取り
付けることができる。
【0003】この固定磁界に対して、電機子22を移動
可能に取り付け、固定磁石側の磁界と電機子側の磁界と
の相互作用によって、電機子と固定磁石との間における
相対的移動を行うことができる。なお、移動部材は、電
機子側あるいは固定磁石側に取り付け、これによって、
移動部材の移動を可能とする。
【0004】上記の永久磁石同期式リニアモータの駆動
において、1台のリニアモータを駆動する場合には、通
常図14に示すような電流制御によって行っている。図
14に示す電流制御では、電流指令を三相指令変換のブ
ロック1でU相,V相,W相の三相指令に変換し、各指
令をそれぞれU相電流指令のブロック2u,V相電流指
令のブロック2v,およびW相電流指令のブロック2w
に送って、各相の電流指令を生成する。各相の電流指令
は、各相のアンプ3u,3v,および3wで電流増幅
し、リニアモータ4の各相のコイルに供給する。なお、
各アンプ3u,3v,3wでは、電流フィードバックを
行っている。また、リニアモータ4には磁極の位置を検
出する磁極検出器5が設けられ、この検出器で検出した
磁極位置を三相指令変換のブロック1にフィードバック
している。
【0005】これに対して、永久磁石同期式リニアモー
タの駆動において、複数台のリニアモータを駆動する場
合には、従来、図15に示すように、前記した1台のリ
ニアモータを駆動制御する機構を複数設け、共通の電流
指令に対してそれぞれ独立に制御を行っている。図15
に示すような各リニアモータに対して独立に制御系を設
ける場合には、リニアモータの磁極位置を検出する磁極
検出器が個別に必要となる。図15中のa,bは、第1
リニアモータ4aと第2リニアモータ4bの駆動制御を
行う駆動制御系であり、それぞれ第1三相指令変換1
a,第1相電流指令ブロック2a,第1アンプ3a,第
1リニアモータ4a,第1磁極検出器5aと、同様の構
成の第2三相指令変換1b,第2相電流指令ブロック2
b,第1アンプ3b,第1リニアモータ4b,第1磁極
検出器5bとを備えている。
【0006】上記構成のリニアモータに対して、複数台
のリニアモータが同様な駆動状態となる場合には、磁極
検出器の検出信号は同じとなり、1つの磁極検出器を共
有して使用することができる。例えば、共通の固定磁極
を挟んで、両側に電機子を配置する構成のリニアモータ
では、両電機子は一体であり、固定磁極に対する位置は
共通である。このような使用形態の場合には、複数台の
リニアモータに対して磁極検出器を1台のみ設置して駆
動制御を行うことができる。この1台の磁極検出器によ
って複数台のリニアモータを駆動する場合には、複数台
の各リニアモータは、1つの磁極検出器からフィードバ
ックした磁極位置信号によって生成された共通する1つ
の三相指令による電流が供給されて駆動されることにな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように共通す
る1つの三相指令によって、永久磁石同期式リニアモー
タを駆動する場合には、永久磁石の固定磁極の磁束分布
の不均一に起因する推力むらが発生し、この推力むら
は、リニアモータよる駆動装置の送り精度の低下の原因
となり、リニアモータが組み込まれた工作機械等の装置
の性能に影響を与えるという問題点がある。
【0008】リニアモータを、対向した取り付けられた
2組の電機子と、この2組の電機子の間に挿入され、背
中合わせに取り付けられた2組の磁石を備えた固定磁石
板とによって構成した場合、この2組の磁石の磁極位置
の関係は同じであり、電機子に対して同相の電流を供給
して駆動している。
【0009】図16は、リニアモータにおける固定磁極
と電機子との配置を説明する図である。図16におい
て、固定磁石板15の両側に永久磁石13,14を同じ
磁極が対向するよう配置し、これによって、固定磁極を
構成している。また、電機子11,12は、この固定磁
極を挟んだ両側に、コイル部が固定磁極の永久磁石に対
向するように近接して配置する。例えば、電機子11は
三相コイル(コイル11u,コイル11v,コイル11
w)を備え、また、電機子12は三相コイル(コイル1
2u,コイル12v,コイル12w)を備え、両電機子
の各相のコイルは対向して配置されている。なお、以
下、電機子11側をA側,電機子12側をB側として説
明する。
【0010】上記のような配置のリニアモータの各電機
子では、図17に示すようにそれぞれ推力むらを有して
いる。この推力むらについて、図18を用いて検討する
と、各電機子が発生する推力は、図18(b)に示す電
機子の1相分の推力を各相について合成して、図18
(c)に示す合成推力となる。図18(d)および図1
8(e)は、A側およびB側の合成推力の推力むらのみ
を示している。A側およびB側の各推力むらの位相は、
両電機子が固定磁極に対して同じ位置関係に配置される
構成であるため一致することになる。したがって、リニ
アモータの推力むらは、図18(f)に示すにように両
側の推力むらを合成したものとして得られる。なお、図
18(a)中の固定磁極と電機子との位置関係におい
て、電機子の各コイルは240°間隔の場合で示してい
る。
【0011】このような、推力むらを有するリニアモー
タは、非常停止時等において、電機子は安定点に止まろ
うとするため、安定点に向かって大きく移動するおそれ
がある。
【0012】そこで、本発明は前記した従来のリニアモ
ータの持つ問題点を解決して、リニアモータにおける推
力むらを低減することを目的とし、これによって、リニ
アモータの運動特性および安全性を向上させるものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のリニアモータ
は、両側に磁石片が延設された磁石板と、その磁石板の
挟んで設けられた一体に移動する1対の電機子とを備え
たリニアモータにおいて、磁石板の両側で発生する2つ
の推力むらを相殺する方向に位相をずらすものであり、
これによって、リニアモータにおける推力むらを低減す
るものである。また、磁石片の磁極を磁石板の両側で位
相がずれるよう配置したり、1対の電機子の巻線の相順
をずらしたり、電機子に供給する電流の位相を調節する
ことによって、2つの推力むらの位相をずらすことがで
きる。
【0014】本発明のリニアモータは、1つの軸線方向
に多数の磁石片をその両側に延設する磁石板と、磁石板
の両面と作用空隙を介してそれぞれ対設され、磁石片に
よる磁界と電磁相互作用を行う巻線を有し、磁石板に対
して軸線方向に一体に可動する1対の電機子とを備えた
リニアモータにおいて、磁石板の両側の磁石片の磁極を
互いに位相をずらして配置するものであり、これによっ
て、1対の電機子と磁石板との間で発生する両推力むら
の位相をずらし、両推力むらを減少させるものである
(請求項1対応)。
【0015】また、本発明のリニアモータは、前記と同
様の構成のリニアモータにおいて、磁石板の両側の磁石
片の磁極を互いに位相をずらして配置し、さらに、1対
の電機子の巻線の相順を相互にずらすものであり、これ
によって、1対の電機子と磁石板との間で発生する両推
力むらの位相をずらし、両推力むらを減少させるもので
ある(請求項2対応)。
【0016】また、一方の磁石片の磁極と対向する電機
子との間の電磁相互作用で生じる推力むらと、他方の磁
石片の磁極と対向する電機子との間の電磁相互作用で生
じる推力むらを逆位相とするように磁極の位相を設定す
るものであり(請求項3対応)、さらに、この磁極の位
相を、一方の磁石片の磁極の他方の磁石片の磁極に対し
て、位相を1磁極の半分だけずらせる設定とするもので
ある(請求項4対応)。
【0017】本発明のリニアモータは、1つの軸線方向
に多数の磁石片をその両側に延設し、各側の磁極を互い
に位相をずらして配置する磁石板と、磁石板の両面と作
用空隙を介してそれぞれ対設され、磁石片による磁界と
電磁相互作用を行う巻線を有し、磁石板に対して軸線方
向に一体に可動する1対の電機子とを備えたリニアモー
タにおいて、1対の電機子に対して同相電流を供給し、
その電流の位相を、電流により一方の電機子巻線に生じ
る磁界と対向する磁石片による磁界との磁界の位相ずれ
の大きさと、電流により他方の電機子巻線に生じる磁界
と対向する磁石片による磁界との磁界の位相ずれの大き
さを同じくするよう制御するものであり、これによっ
て、1対の電機子と磁石板との間で発生する両推力むら
の位相をずらし、両推力むらを減少させるものである
(請求項5対応)。また、1対の電機子の巻線の相順を
相互にずらした構成のリニアモータについても、同様の
制御を行うことができる(請求項6対応)。
【0018】本発明のリニアモータは、前記方法を行う
リニアモータと同構成のリニアモータにおいて、1対の
電機子に対して異相電流を供給し、各電機子に供給する
電流の位相を、該電流により電機子巻線に生じる磁界と
対向する磁石片による磁界との磁界の位相が合うように
制御するものであり、これによって、1対の電機子と磁
石板との間で発生する両推力むらの位相をずらし、両推
力むらを減少させるものである(請求項7対応)。ま
た、1対の電機子の巻線の相順を相互にずらした構成の
リニアモータについても、同様の制御を行うことができ
る(請求項8対応)。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。図1,図2は、本発明の
リニアモータの駆動させるための制御系統を説明するた
めのブロック図である。本発明のリニアモータは、1台
の磁極検出器から得られる1つの磁極位置信号を用い、
共通する1つの三相指令によって、複数台の永久磁石同
期式リニアモータを駆動する制御形態を前提としてい
る。図1,図2に示す制御系統図は、上記の制御形態の
一例である。
【0020】図1に示す電流制御では、電流指令を三相
指令変換のブロック1でU相,V相,W相の三相指令に
変換し、各指令をそれぞれU相電流指令,V相電流指
令,W相電流指令のブロック2(図中では3相分のブロ
ックをまとめて1つのブロックで示している)に送っ
て、各相の電流指令を生成する。各相の電流指令は、各
相のアンプ3(図中では3相分のブロックをまとめて1
つのブロックで示している)で電流増幅し、複数台のリ
ニアモータ(第1リニアモータ4a,第2リニアモータ
4b)の各相のコイルに供給する。なお、各アンプ3で
は、電流フィードバックを行っている。また、複数台の
リニアモータ4a,4bのいずれか1台に設けられた磁
極検出器5によって磁極の位置を検出し、検出した磁極
位置を三相指令変換のブロック1にフィードバックして
いる。なお、図1中では複数台のリニアモータとして、
一例として第1リニアモータ4aと第2リニアモータ4
bの2台を示しているが、2台以上の任意の複数台とす
ることも可能である。
【0021】上記した構成の制御系では、1台のアンプ
3によって複数台のリニアモータに駆動電流を供給する
ため、大容量のアンプが必要となる。
【0022】また、図2に示す電流制御では、前記図1
に示した三相指令変換ブロック1と相電流指令ブロック
2とアンプ3とリニアモータ4の構成の系統(図2中の
破線で囲む系統a,b)を複数併設し、その内の1つの
系統中のリニアモータに設けた磁極検出器5から得られ
る1つの磁極位置信号を、複数の系統に共通して使用す
るものである。
【0023】図3は、前記した制御系統によってリニア
モータを駆動する場合の、本発明のリニアモータの第1
の形態を説明する図である。この第1の形態は、電機子
に同相の電流を供給する場合の制御例である。図3は、
リニアモータにおける固定磁極と電機子との配置を概略
的に示している。図3において、固定磁石板15の両側
に永久磁石13,14からなる磁石片の磁極の位相をず
らして配置し、これによって、固定磁極を構成してい
る。この磁極の位相ずれは、例えば、一方の磁石片の磁
極を他方の磁石片の磁極に対して、位相を1磁極の半分
だけずらせる。これによって、一組のN極とS極による
磁界の変化を360°とした場合、磁極は互に90°位
相がずれることになる。また、電機子11,12は、こ
の固定磁極を挟んだ両側に、コイル部が固定磁極の永久
磁石に対向するように近接して配置する。例えば、電機
子11は三相コイル(コイル11u,コイル11v,コ
イル11w)を備え、また、電機子12は三相コイル
(コイル12u,コイル12v,コイル12w)を備
え、両電機子の各相のコイルは同相が対向するよう配置
されている。なお、以下、電機子11側をA側,電機子
12側をB側として説明する。
【0024】前記図3に示したように、固定磁極の相互
の磁極を互いに1磁極の半分だけ,90°分位相をずら
して配置する構成とし、電機子に供給する電流の位相を
制御することにより、リニアモータにおける推力むらを
低減することができる。このリニアモータの推力むらに
ついて図4を用いて説明する。
【0025】図4(a),(b)は、図3に示す構成に
おいて、電機子11に対して最適な位相の電流を供給し
た場合において、A側における磁極と供給電流との位相
関係と、B側における磁極と供給電流との位相関係とを
それぞれ示している。一般に、モータの駆動力Fは、駆
動電流Iと,駆動電流と磁極の位相差εのコサインの値
の積に比例する(F=k×I×cosε)。なお、kは
比例定数とする。従って、図4(a)に示すA側では、
磁極と供給電流との位相差εは0°であるため、位相差
による駆動力の減少はない。これに対して、図4(b)
に示すB側では、A側と同相の電流を供給すると、磁極
と供給電流との位相差εは90°となるため、位相差に
よって駆動力は発生しないことになる。
【0026】そこで、本発明のリニアモータ制御の第1
の形態では、図4(c),(d)に示すように、電機子
に供給する電流の位相の調整を行う。第1の形態では、
両電機子に対して同相の電流を供給することを前提とす
るため、電機子11に対する供給電流の位相差εによっ
て生じる駆動力の減少と、電機子12に対する供給電流
の位相差εによって生じる駆動力の減少が同等となるよ
うに、両位相差εの分配を行う。この両位相差εの分配
は、磁極を90°ずらしたことによる位相差90°をそ
れぞれ45°ずつに分配することよって行う。図4
(c)に示すA側では、供給電流を磁極に対して−45
°位相をずらし、図4(d)に示すB側では、供給電流
を磁極に対して+45°位相をずらす制御を行う。これ
によって、cos(±45°)=0.707となるた
め、位相差εにより生じる駆動力の減少はほぼ30%程
度となる。
【0027】図5は、この第1の形態の推力むらの状態
を説明するものであり、図5中(d)に示すにA側の推
力むらと図5(f)に示すにB側の推力むらとは、互い
に固定磁極の位相をずらした構成によって互いに位相が
逆となり、互いに相殺する方向となる。従って、両電機
子によって合成される推力の推力むらは、減少される。
【0028】従って、第1の形態では、固定磁極を磁極
を互いの位相をずらして配置する構成によって発生する
推力むらを減少させ、また、各電機子に供給する電流の
位相を、配置した相互の磁極の位相差に応じて制御する
ことによって電機子の駆動を可能とするとともに駆動力
の減少を少なくする。
【0029】図6は、前記した制御系統によってリニア
モータを駆動する場合の、本発明のリニアモータの第2
の形態を説明する図である。この第2の形態は、前記第
1の形態と同様に、電機子に同相の電流を供給する場合
の制御例である。図6は、リニアモータにおける固定磁
極と電機子との配置を概略的に示している。図6におい
て、固定磁石板15の両側に永久磁石13,14からな
る磁石片の磁極の位相をずらして配置し、これによっ
て、前記第1の形態と同様の固定磁極を構成している。
また、電機子11,12は、この固定磁極を挟んだ両側
に、コイル部が固定磁極の永久磁石に対向するように近
接して配置するとともに、そのコイルの相順をずらして
配置する。例えば、電機子11は三相コイル(コイル1
1u,コイル11v,コイル11w)を備え、また、電
機子12は三相コイル(コイル12u,コイル12v,
コイル12w)を備える。この電機子の三相コイルのい
ずれか一方のコイルの相順をずらして配置する。図6で
は、電機子12の各相のコイルの相順を120°分だけ
ずらし、電機子11のU相,V相,W相に対してW相,
U相,V相となるよう配置する。なお、以下、電機子1
1側をA側,電機子12側をB側として説明する。
【0030】前記図6に示したように、固定磁極の相互
の磁極を互いに1磁極の半分だけ,90°分位相をずら
して配置する構成とし、さらに、電機子の一方の3相コ
イルの相順をずらす構成とし、電機子に供給する電流の
位相を制御することにより、リニアモータにおける推力
むらを低減することができる。このリニアモータの推力
むらについて図7を用いて説明する。
【0031】図7(a),(b)は、図6に示す構成に
おいて、電機子11に対して最適な位相の電流を供給し
た場合において、A側における磁極と供給電流との位相
関係と、B側における磁極と供給電流との位相関係とを
それぞれ示している。前記したように、モータの駆動力
Fは、駆動電流Iと,駆動電流と磁極の位相差εのコサ
インの値の積に比例する(F=k×I×cosε)関係
にある。従って、図7(a)に示すA側では、磁極と供
給電流との位相差εは0°であるため、位相差による駆
動力の減少はない。これに対して、図7(b)に示すB
側では、A側と同相の電流を供給すると、磁極と供給電
流との位相差εは−30°となり、B側の駆動力は約8
6%(=cos(−30°))となる。
【0032】なお、上記位相差ε=−30°は、固定磁
極側の磁極を90°だけ位相をずらした位相ずれ分と、
電機子のコイルの相順を−120°だけ位相をずらした
位相ずれ分との合計した位相ずれにより生じる。
【0033】そこで、本発明のリニアモータ制御の第2
の形態では、図7(c),(d)に示すように、電機子
に供給する電流の位相の調整を行う。第2の形態では、
両電機子に対して同相の電流を供給することを前提とす
るため、電機子11に対する供給電流の位相差εによっ
て生じる駆動力の減少と、電機子12に対する供給電流
の位相差εによって生じる駆動力の減少が同等となるよ
うに、両位相差εの分配を行う。この両位相差εの分配
は、前記した合成位相差−30°をそれぞれ(+15
°)と(−15°)の15°ずつに分配することよって
行う。図7(c)に示すA側では、供給電流を磁極に対
して+15°位相をずらし、図7(d)に示すB側で
は、供給電流を磁極に対して−15°位相をずらす制御
を行う。これによって、cos(±15°)=0.96
6となるため、位相差εにより生じる駆動力の減少はほ
ぼ3%程度となる。
【0034】なお、図7(b),(d)では、電機子1
2側のコイルの相順をずらしているため、W相に対する
電流Iwを一点鎖線で示し、U相に対する電流Iuを実
線および破線で示している。
【0035】これによって、第2の形態においても、A
側の推力むらとB側の推力むらとは、互いに固定磁極の
位相をずらした構成によって互いに位相が逆となり、互
いに相殺する方向となる。従って、両電機子によって合
成される推力の推力むらは、減少される。
【0036】従って、第2の形態では、固定磁極を磁極
を互いの位相をずらして配置する構成によって発生する
推力むらを減少させ、また、各電機子に供給する電流の
位相を、配置した相互の磁極の位相差に応じて制御する
ことによって電機子の駆動を可能とするとともに駆動力
の減少を少なくすることができ、さらに、電機子のコイ
ルの相順をずらす構成とすることによって、駆動力の減
少をさらに少なくすることができる。
【0037】前記した第1の形態および第2の形態は、
その制御系を前記図1,2に示すように、同相の電流を
複数のリニアモータのコイルに供給する形態である。こ
れに対して、次に複数のリニアモータのコイルに異相の
電流を供給する第3の形態について説明する。
【0038】本発明の第3の形態では、複数のリニアモ
ータのコイルに異相の電流を供給するために、例えば図
8に示す制御系を構成し、これによって、各コイルに対
応した互いの相の異なる電流供給の制御を行う。
【0039】図8に示す電流制御では、相電流指令ブロ
ック2とアンプ3とリニアモータ4の構成の制御系統
(図2中の破線で囲む系統a,b)を複数併設し、その
内の1つの制御系統にのみ三相指令変換ブロック1と磁
極検出器5を設ける構成であり、1つの三相指令変換ブ
ロック1によって生成した三相指令を各制御系統の相電
流指令ブロック2(第1相電流指令ブロック2a,第2
相電流指令ブロック2b)に供給するものであり、さら
に、各相電流指令ブロック2と各アンプ3(第1アンプ
3a,第2アンプ3b)との間に位相シフトブロック6
(第1位相シフト6a,第2位相シフト6b)を設け
る。この位相シフトブロック6は、相電流指令ブロック
2で形成した相電流指令の位相を調整して、アンプ3に
供給するものであり、これによって、各リニアモータに
供給する電流を個別に位相制御し、異なる位相の電流供
給を行うことができる。
【0040】この第3の形態を、前記図3に示す構成の
リニアモータに適用した場合について、図4(e),
(f)を用いて説明する。図4(e)は、A側の電機子
に対して位相シフトブロック6によって、磁極の位相と
対応してその位相差εが0°となるように電流供給を制
御した場合である。これによって、リニアモータの正常
な駆動を行って位相差に基づく駆動力の減少を防止する
ことができる。また、図4(f)は、B側の電機子に対
して位相シフトブロック6によって、磁極の位相と対応
してその位相差εが0°となるように電流供給を制御し
た場合である。位相シフトブロック6は、A側に供給す
る電流に対して90°位相を遅らせる位相制御を行いた
電流を供給する。これによって、B側においてもリニア
モータの正常な駆動を行って位相差に基づく駆動力の減
少を防止することができる。
【0041】さらに、図7(e),(f)は、第3の形
態を、前記図6に示す構成のリニアモータに適用した場
合を説明する図である。図7(e)は、A側の電機子に
対して位相シフトブロック6によって、磁極の位相と対
応してその位相差εが0°となるように電流供給を制御
した場合である。これによって、リニアモータの正常な
駆動を行って位相差に基づく駆動力の減少を防止するこ
とができる。また、図7(f)は、B側の電機子に対し
て位相シフトブロック6によって、磁極の位相と対応し
てその位相差εが0°となるように電流供給を制御した
場合である。位相シフトブロック6は、A側に供給する
電流に対して位相を遅らせる位相制御を行いた電流を供
給する。なお、電機子12側のコイルは相順をずらして
いるため、A側に供給する電流に対して30°ずらした
位相制御を行うことになる。これによって、B側におい
てもリニアモータの正常な駆動を行って位相差に基づく
駆動力の減少を防止することができる。
【0042】なお、図7(f)では、電機子12側のコ
イルの相順をずらしているため、W相に対する電流Iw
を一点鎖線で示し、U相に対する電流Iuを破線で示し
ている。
【0043】以下、本発明のリニアモータおよび制御方
法による実施の結果例を説明する。図9〜図12は、送
り速度12000mm/minでリニアモータを駆動し
た場合の推力と速度の一実施例であり、図9,図10は
固定磁極の磁極の位相をずらさない従来構成による推力
および速度を示し、図11,図12は固定磁極の磁極の
位相をずらした本発明の構成による推力および速度を示
している。なお、図11,12では、固定磁石の1磁極
の半分だけずらした場合の例である。
【0044】図9に示すように従来の構成のリニアモー
タでは、推力の振れ幅は14.3Nであるのに対して、
図11に示すように本発明の構成のリニアモータでは、
推力の振れ幅は5.6Nとなり、本発明によるリニアモ
ータの構成によって、推力むらが減少する効果を確認す
ることができる。
【0045】また、図10に示すように従来の構成のリ
ニアモータでは、速度の振れ幅は55.3mm/min
であるのに対して、図12に示すように本発明の構成の
リニアモータでは、速度の振れ幅は13.8mm/mi
nとなり、本発明によるリニアモータの構成によって、
速度むらについても減少する効果を確認することができ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リニアモータにおける推力むらを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリニアモータの駆動させるための制御
系統を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明のリニアモータの駆動させるための他の
制御系統を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明のリニアモータの第1の形態を説明する
図である。
【図4】本発明の第1の形態での磁極と供給電流との関
係を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の形態の推力むらの状態を説明す
る図である。
【図6】本発明の第2の形態での磁極と供給電流との関
係を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の形態の推力むらの状態を説明す
る図である。
【図8】本発明のリニアモータの駆動させるための別の
制御系統を説明するためブロック図である。
【図9】従来のリニアモータによる推力特性図である。
【図10】従来のリニアモータによる速度特性図であ
る。
【図11】本発明のリニアモータによる推力特性図であ
る。
【図12】本発明のリニアモータによる速度特性図であ
る。
【図13】リニアモータの概略斜視図である。
【図14】リニアモータの従来の制御系統図である。
【図15】リニアモータの従来の他の制御系統図であ
る。
【図16】リニアモータにおける固定磁極と電機子との
配置を説明する図である。
【図17】リニアモータの推力むらを説明する図であ
る。
【図18】リニアモータの推力むらを説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 三相指令変換ブロック 2,2a,2b 相電流指令ブロック 3,3a,3b アンプ 4,4a,4b リニアモータ 5 磁極検出器 6,6a,6b 位相シフト 11,12 電機子 11u,11v,11w,12u,12v,12w コ
イル 13,14 永久磁石 15 固定磁石板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの軸線方向に多数の磁石片をその両
    側に延設する磁石板と、該磁石板の両面と作用空隙を介
    してそれぞれ対設され、該磁石片による磁界と電磁相互
    作用を行う巻線を有し、磁石板に対して軸線方向に一体
    に可動する1対の電機子とを備えたリニアモータにおい
    て、前記磁石板の両側の磁石片は、その磁極を互いに位
    相をずらして配置することを特徴とするリニアモータ。
  2. 【請求項2】 1つの軸線方向に多数の磁石片をその両
    側に延設する磁石板と、該磁石板の両面と作用空隙を介
    してそれぞれ対設され、該磁石片による磁界と電磁相互
    作用を行う巻線を有し、磁石板に対して軸線方向に一体
    に可動する1対の電機子とを備えたリニアモータにおい
    て、前記磁石板の両側の磁石片は、その磁極を互いに位
    相をずらして配置し、前記1対の電機子の巻線の相順を
    相互にずらすことを特徴とするリニアモータ。
  3. 【請求項3】 前記磁極の位相ずれは、一方の磁石片の
    磁極と対向する電機子との間の電磁相互作用で生じる推
    力むらと、他方の磁石片の磁極と対向する電機子との間
    の電磁相互作用で生じる推力むらを逆位相とすることを
    特徴とする請求項1,又は2記載のリニアモータ。
  4. 【請求項4】 一方の磁石片の磁極を他方の磁石片の磁
    極に対して、位相を1磁極の半分だけずらせることを特
    徴とする請求項1,又は2記載のリニアモータ。
  5. 【請求項5】 1つの軸線方向に多数の磁石片をその両
    側に延設し、各側の磁極を互いに位相をずらして配置す
    る磁石板と、該磁石板の両面と作用空隙を介してそれぞ
    れ対設され、該磁石片による磁界と電磁相互作用を行う
    巻線を有し、磁石板に対して軸線方向に一体に可動する
    1対の電機子とを備えたリニアモータにおいて、1対の
    電機子に対して同相電流を供給し、前記電流の位相を、
    電流により一方の電機子巻線に生じる磁界と対向する磁
    石片による磁界との磁界の位相ずれの大きさと、電流に
    より他方の電機子巻線に生じる磁界と対向する磁石片に
    よる磁界との磁界の位相ずれの大きさを同じくするよう
    制御することを特徴とするリニアモータの制御方法。
  6. 【請求項6】 前記1対の電機子は、巻線の相順を相互
    にずらすことを特徴とする請求項5記載のリニアモータ
    の制御方法。
  7. 【請求項7】 1つの軸線方向に多数の磁石片をその両
    側に延設し、各側の磁極を互いに位相をずらして配置す
    る磁石板と、該磁石板の両面と作用空隙を介してそれぞ
    れ対設され、該磁石片による磁界と電磁相互作用を行う
    巻線を有し、磁石板に対して軸線方向に一体に可動する
    1対の電機子とを備えたリニアモータにおいて、1対の
    電機子に対して異相電流を供給し、各電機子に供給する
    電流の位相を、該電流により電機子巻線に生じる磁界と
    対向する磁石片による磁界との磁界の位相が合うように
    制御することを特徴とするリニアモータの制御方法。
  8. 【請求項8】 前記1対の電機子は、巻線の相順を相互
    にずらすことを特徴とする請求項7記載のリニアモータ
    の制御方法。
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