JPH1053544A - ジフルオロメタンの製造のためのプロセス - Google Patents

ジフルオロメタンの製造のためのプロセス

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JPH1053544A
JPH1053544A JP9112623A JP11262397A JPH1053544A JP H1053544 A JPH1053544 A JP H1053544A JP 9112623 A JP9112623 A JP 9112623A JP 11262397 A JP11262397 A JP 11262397A JP H1053544 A JPH1053544 A JP H1053544A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素の存在下で気相においてフッ素化触媒上
で塩化メチレン(F30)とフッ化水素とからジフルオ
ロメタン(F32)を製造するための連続プロセスであ
る。 【解決手段】 反応器から出てくる気体流を蒸留し、反
応によって生成した塩酸のほぼ全てとF32の90%以
上とを含む、蒸留頂部に位置する流れと、未変換の反応
物(F30、F31、HF)を90%以上含む、蒸留底
部に位置する流れとに分離させ、更に、後者の流れを精
製操作なしに反応器に直接再循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフッ素化炭化水素の
分野に係わり、更に特に、塩化メチレンとフッ化水素H
Fとからのジフルオロメタンの製造のための連続プロセ
スに係わる。
【0002】
【従来の技術】現在、クロロフルオロカーボン(chloro
fluorohydrocarbons:CFC)が成層圏オゾン層の漸減
を促進する原因の1つであると認められており、政治家
と製造業者とがCFC代替プロセスの実現に真摯に努力
している。この代替プロセスは、食品冷蔵方法、建物の
断熱、空調、マイクロエレクトロニクス等のような基本
的な産業分野に関連する。
【0003】CFCに置き換えて使用することが意図さ
れている代替物は、塩素原子ではなく水素原子を含むフ
ッ素化化合物である。オゾン層に影響を与えないこうし
た化合物の1つは、F32という製品名で知られている
ジフルオロメタンであり、主として、冷蔵、空調、及
び、その他の用途の分野でF22(クロロジフルオロメ
タン)とR502(F22とクロロペンタフルオロエタ
ンの共沸混合物)の代わりに、この化合物を使用するこ
とが意図されている。従って、価格競争力が得られるよ
うにF32を大量生産するための最も簡単な実現可能な
生産方法の開発に関心が集まっている。
【0004】F30という製品名で知られている塩化メ
チレンの気相フッ素化によるF32の生産は、Cr2
3 、CrF3 、Cr/炭素、Ni/AlF3 等のような
触媒の使用を特許請求する特許の主題を既に形成してい
る。
【0005】しかし、CFCの多くの代替物の生産の場
合と同様に、F32の生産は、HClとF32との分離
後に、回収したHClとF32の中に、又は、F30と
F31(クロロフルオロメタン)を主として含む再循環
流の中に見い出される極めて多くの種類の副生成物と不
純物を発生させるので、重大な問題を提起する。
【0006】塩化メチレンのフッ素化によるF32の生
産の場合には、最も深刻な問題は、猛毒のF31が中間
体化合物として多量に発生することに起因する。このF
31の含量は約20%にもなる可能性があり、従って、
プラント内でのこの化合物の循環と滞留時間と、F31
を含む流れに関与する単位操作とを、可能な限り制限す
ることが必要である。
【0007】F30の触媒フッ素化では、F30からF
32への変換の度合いが熱力学的条件によって制限され
る。典型的には、反応器の入口における「HF/有機物
(Organics)」モル比が3に等しく且つ反応温度が30
0℃である場合に、熱力学的平衡が、F30の65%の
変換度とHFの43%の変換度とに相当する。従って、
反応器から出てくる流れは、循環させることが不可欠な
未変換反応物(F30、F31、HF)を主として含
む。従来の技術では、これを行うために、反応器から出
て来る流れの主構成成分(特に、未変換のF30、F3
1、HF)を反応器に再循環させる前に、反応中に発生
するか又は開始材料によってもたらされ且つ触媒の不活
性化又は腐食を生じさせる可能性がある有害不純物(例
えば、有機副生成物、又は、水)を上記主構成成分から
取り除くために、上記主構成成分を分離して精製するこ
とが可能である。
【0008】このタイプの操作中には、処理対象の流れ
のF31濃度が大きく増大し、このために安全対策と安
全装置の強化が必要となり、従って生産コストが上昇す
る。
【0009】生成されたHClとF32の分離後に反応
器にHF流とF30流とF31流とを精製せずに直接循
環させることは、高濃度F31を含む流れの操作を限ら
れたものにするという利点を有する。これが、気相にお
いて無水HFによってF30をフッ素化することによる
F32の生産プロセスを開示する特許の大半が、生成さ
れたHClとF32の分離後に未反応生成物(F30、
F31、及び、HF)を反応器に直接的に再循環させる
ことについて言及していることの理由なのである(特許
出願JP 5−50953/93、WO 94/215
79、及び、WO 95/12563)。
【0010】更に、酸素、空気、又は、塩素の連続注入
によって、非常に急速にコークス化又は結晶化する傾向
を有するフッ素化触媒の寿命を増大させることが可能で
あることが公知である(特許出願JP 51−8220
6及びJP 49−134612)。しかし、触媒活性
を維持するために従来使用される酸素の存在下で、F3
2の合成中に粗生成物を反応器に再循環させることは、
再循環を行わない操作に比較して触媒の性能の著しく且
つ急速な(100時間未満)劣化を引き起こす。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】生成したHClとF3
2の分離の後に未反応生成物(F30、F31、及び、
HF)を反応器に直接再循環させて、無水HFを使用し
て気相でF30をフッ素化することによるF32の生産
プロセスを開示する特許のいずれにも、F30の気相フ
ッ素化中に触媒活性を維持するために酸素又は塩素を使
用することが言及されていないのは、このためであると
考えられる。
【0012】反応物(F30、HF)と共に塩素を注入
することは、触媒活性の安定化において酸素注入よりも
効果的であるばかりでなく、未反応生成物(F30、F
31、HF)の流れの直接的再循環(精製なし)を、不
都合なしに可能にすることが見い出された。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の主題は、従っ
て、フッ素化触媒の存在下で気相においてF30とHF
とからF32を製造するための連続プロセスであって、
このプロセスは、塩素の存在下で反応を行なわせること
と、反応器から出てくる気体流を蒸留して、反応によっ
て生成した塩酸のほぼ全てとF32の90%以上とを含
む、蒸留頂部に位置する流れと、反応器から出てくる気
体流中に存在する未変換の反応物(F30、F31、H
F)を90%以上含む、蒸留底部に位置する流れとに分
離させることと、蒸留底部で回収する流れを精製操作な
しに反応器に直接再循環させることとを特徴とする。
【0014】予想の通りに、再循環物の特定の精製なし
に未変換反応物を反応器に直接的に再循環させること
は、この再循環物中に水と有機副生成物のある一定程度
の蓄積を生じさせる。安定化した操作条件下では、これ
らの有機副生成物の含量が定常状態に安定する。不思議
なことに、こうした副生成物の種類とその含量は、触媒
の性能、即ち、 − 反応
【0015】
【化1】
【0016】の熱力学的平衡状態と同様のF30の変換
度、及び、 − 典型的には約80モル%の、F32に対する高い選
択性を低下させない。
【0017】本発明によるプロセスを実施する場合に、
この触媒性能(活性、選択性)が1000時間以上安定
したままである。このことは、設備投資と操業コストに
関して高いコストを生じさせる触媒の頻繁な交換操作又
は再生操作を回避することを可能にする。これに加え
て、本発明によるプロセスは、再循環させる流れの精製
操作を不要にし、従って、毒性のF31を含む廃液を発
生させないので、高い安全性をもたらす。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明によるプロセスの実施のた
めに使用するフッ素化触媒は、バルク触媒又は担持触媒
であることが可能であり、反応混合物中で安定している
担体は、例えば、活性炭、アルミナ、部分フッ素化アル
ミナ、三フッ化アルミニウム、又は、リン酸アルミニウ
ムである。術語「部分フッ素化アルミナ」は、AlF3
として表されるフッ素の量が全重量の50%以上を構成
するような割合でアルミニウムとフッ素と酸素を主成分
として含む、フッ素に富んだ組成物を意味するものと理
解されたい。クロムを主成分とする触媒を使用すること
が好ましい。
【0019】更に明確に述べれば、バルク触媒の例とし
て、当業者に公知の方法(ゾル/ゲル法、クロム塩から
の水酸化物の沈殿、無水クロム酸の還元等)のいずれか
によって調製される酸化クロム(III)と、三フッ化
クロムとを挙げることが可能である。ニッケル、鉄、バ
ナジウム(IIIの酸化状態)、マンガン、コバルト、
又は、亜鉛のような金属の誘導体も、単独で又はクロム
と組み合わせる形で、バルク触媒としてだけでなく担持
触媒としても適切であり得る。こうした触媒又は触媒担
体の熱的又は機械的安定性を増大させるために、アルカ
リ土類、希土類、黒鉛、又は、アルミナを、こうした触
媒又は触媒担体の中に混入することも可能である。幾つ
かの金属誘導体を組み合わせた触媒の調製の際には、そ
の触媒を機械的混合、又は、他の任意の方法(例えば、
共沈、又は、共含浸(coimpregnation))によって得る
ことが可能である。
【0020】担持触媒又はバルク触媒を、球、押出物、
ペレット、又は、(固定床で反応を生じさせる場合に
は)小塊(lump)の形状で使用することが可能であ
る。流動床で反応を生じさせる場合には、球又は押出物
の形状の触媒を使用することが好ましい。
【0021】非限定的な触媒の例として次のものを取り
上げることが可能である。
【0022】− フランス特許第2,501,062号
に開示されているようなゾル/ゲル法で得られる酸化ク
ロムマイクロビーズ、 − 活性炭上にデポジットした酸化クロムを含む触媒
(米国特許第4,474,895号)、リン酸アルミニ
ウム上にデポジットした酸化クロムを含む触媒(特許
EP 55 958)、又は、フッ化アルミニウム上に
デポジットした酸化クロムを含む触媒(米国特許第4,
579,974号及び第4,579,967号)、 − フッ化アルミニウム上にデポジットした酸化クロム
と塩化ニッケルの混合触媒(特許出願 EP 0,48
6,333)、 − 結晶質酸化クロムを主成分とするバルク触媒(特許
出願 EP 657,408)、 − 酸化クロム及びニッケルを主成分とするバルク触媒
(特許出願 EP 0,546,883)、及び、 −酸化クロム及びバナジウムを主成分とするバルク触媒
(特許出願 EP 0,657,409)。
【0023】その開示内容を本明細書に引例として組み
入れている上記特許は、これらの触媒の調製方法だけで
なく、これらの触媒の活性化の方法、即ち、気体HFを
単独で使用する又は(更に一般的には)窒素のような不
活性気体と混合した気体HFを使用するフッ素化によっ
て触媒を安定種に予め変換することを詳細に説明してい
る。この処理は、一般的に、200℃から450℃まで
の温度で、1時間から24時間行われる。この活性化中
に、活性材料として作用する金属酸化物(例えば、酸化
クロム)又は担体として働く金属酸化物(例えば、アル
ミナ)を、対応するフッ化物に部分的に又は完全に変換
することが可能である。
【0024】特許出願 EP 0,486,333とE
P 0,546,883とに開示されているクロムとニ
ッケルを主成分にする混合触媒が、更に特に好ましい。
【0025】フッ素化触媒の存在下でのF30とHFと
の適正な反応を、220℃から400℃までの温度範囲
内で、このましくは240℃から350℃までの温度範
囲内で、0.1秒間から60秒間の接触時間、好ましく
は1秒間から20秒間までの接触時間で行うことが可能
である。
【0026】反応を生じさせる際の圧力は、大気圧から
30バール(絶対圧)までの範囲内である。10バール
(絶対圧)から15バール(絶対圧)までの範囲内の圧
力で反応を生じさせることが好ましく、これは、F32
からの無水HClの分離を経済的に生じさせることを可
能にする。
【0027】使用するフッ化水素の量は化学量論的量以
上であるが、反応器供給原料における「HF/有機物」
モル比が1から10までであることが有利であり、2か
ら5までであることが好ましい。
【0028】反応器に供給する有機物に関して、触媒寿
命を改善するために使用する塩素の量は、0.1モル%
から5モル%までの範囲内で様々であることが可能であ
る。塩素を、単独で又は不活性材料(例えば窒素)との
混合物として反応領域内に送り込むことが可能である。
【0029】塩素の使用は、反応生成物の下流分離を全
く妨げず、触媒活性の低下なしに粗反応混合物を再循環
させることを可能にする。数百時間以上の繰り返し操作
を可能にする定常状態が得られる。
【0030】使用触媒、その触媒の機械的特性、及び、
その触媒の耐摩耗性とに応じて、F30とHFとの反応
を、様々なタイプの反応器の中で生じさせることが可能
である。この反応を、単一の反応器又は複数の反応器の
中で、固定床又は流動床で生じさせることが可能であ
る。使用する材料は、上記混合物の腐食に対して耐久性
がなければならず、例えば、インコネル(Inconel )又
はハステロイ(Hastelloy )でなければならない。
【0031】フッ素化反応器から出てくる気体流は、主
としてHF、F30、F31、F32、及び、HClを
含む。本発明では、一方では、この気体流中に存在する
ほぼ全てのHClとF32の90%以上とを回収し、他
方では、反応において直接再循環させるF30の90%
以上とF31の90%以上とHFの90%以上とを回収
するために、この気体流を蒸留によって分離する。
【0032】この分離を、単一段階又は二段階の蒸留に
よって行うことが可能であり、即ち、HClを分離した
後でF32を分離させることによって、又は、直接的に
且つより単純に同じ1つの段階でHClとF32とを混
合物として分離させることによって行うことが可能であ
る。この場合には、HClの大部分とF32の大部分と
が蒸留頂部で得られ、F30の大部分とF31の大部分
とHFの大部分とが蒸留底部で得られる。
【0033】この蒸留を、プレート又はパッキング(pa
cking )が装着されることが可能なステンレス鋼のカラ
ム中で行うことが好ましい。触媒フッ素化反応を生じさ
せる圧力に応じて1バールから30バール(絶対圧)ま
での範囲内であることが可能な圧力下において、蒸留を
行うことが可能である。反応混合物を送り込む際の温度
は、20℃から150℃までの範囲内であることが可能
である。当然のことながら、頂部(top )温度は所期の
分離効率に応じて決まり、圧力に応じて変化する。9
9.5モル%より高いF32純度が求められる場合に
は、絶対圧12バールで約0℃である。
【0034】圧力が設定されている場合は、頂部温度
が、頂部流のF31含量とHF含量とを調節する働きを
し、一方、底部における沸騰速度がHClとF32の除
去を調節する働きをする。頂部内に移動するHFの割合
は、基本的に、F31、F32、及び、F22(クロロ
ジフルオロメタン)とF23(トリフルオロメタン)の
ようなF20シリーズの化合物によって形成される共沸
混合物の(当該圧力における)組成に応じて決定され
る。
【0035】反応中に生成されるHClの大部分とF3
2の90%以上を取り除かない場合には、該反応中にお
ける生産性が低下することが認められている。同様に、
反応の出口に存在するF30の90%以上とF31の9
0%以上とHFの90%以上を分離させて直接的に再循
環させることがない場合には、反応ループの下流でこれ
らの生成物を再処理するという無駄で危険な操作が必要
となる。
【0036】約10バール(絶対圧)から約15バール
(絶対圧)までの圧力で上記反応とこの蒸留とを行うこ
とが好ましい。実際には、こうした条件の下では、HC
l/F32混合物自体も、無水塩酸の生産と共に蒸留に
よって経済的に分離可能である。これとは対照的に、約
2バール(絶対圧)から約3バール(絶対圧)の圧力下
では、一般的に、この蒸留から生じるHCl/F32混
合物を、HClを取り除くために水で処理しなければな
らない。
【0037】蒸留塔の底部で得られる未変換反応物の流
れに対しては、精製のための又は有機不純物もしくは無
機不純物の除去のための特定の処理を全く行わない。従
って、主としてF30とF31とHFとから構成される
この流れは、様々な有機不純物、微量の水(約1000
重量ppm以下)、及び、恐らくは、微少割合の非分離
反応生成物(F32とHCl)を含む。この流れを、沈
澱によって分離させた後に、フッ素化反応器に直接的に
再循環させる。更に、F32とHClとの正味生産を補
償することを可能にする割合で、新鮮な反応物(F30
とHF)を反応/分離/再循環アセンブリの任意の箇所
に送り込む。
【0038】新鮮な反応物を、気体を冷却するために反
応の下流蒸留の前に送り込むことも、反応中に再循環さ
せる未変換反応物の流れの中に中に送り込むことも可能
である。
【0039】蒸留頂部から出てくるF32とHClとの
流れの中に微少割合で含まれる可能性があるF31、F
30、及び、HFを、その後、それ自体は公知である方
法で反応生成物から分離し、反応器に再循環させること
が可能である。
【0040】下記の実施例は本発明を非限定的に示す。
これらの実施例を、添付図面に示すプラントにおいて実
施した。このプラントは、操作容積100Lのインコネ
ル反応器(2)と、容積316L、内径150mm、高
さ6300mmのステンレススチール製の蒸留塔(4)
とを含み、この蒸留塔には、316Lのステンレススチ
ールパッキングMultiknitが装着されている。
【0041】新鮮な反応物と未変換反応物の流れ(再循
環)とを、電気予熱器(1)内で予熱した後に反応器内
に送り込む。
【0042】HCl、F32、及び、軽生成物(light
products)を、蒸留塔の頂部で回収し、F30、F3
1、HF、及び、より重い生成物(heavier products)
を、蒸留塔の底部で回収する。この未変換反応物の流れ
を沈降(5)によって分離し、その後で、ポンプ(6)
及びポンプ(7)とHF相のための蒸発器(8)とに再
循環させる。
【0043】新鮮なF30とHFとの添加(topping u
p)を、予熱器(1)の供給原料に対して行い、酸素又
は塩素の送り込みを反応器の入口で行う。
【0044】工業用グレードの使用HFは、99.9重
量%の純度を有し、主要な不純物として水を最大で10
00ppm含む。
【0045】使用するF30は99.95重量%より高
い純度を有する。
【0046】
【実施例】実施例1(比較実施例) 使用する触媒は、クロム酸と塩化ニッケル六水和物とで
含浸した後にメタノールで還元することによって調製し
た、フッ素化アルミナ(AlF3 の重量含量が78%よ
り大きい)上に担持されたニッケルとクロムを主成分と
する触媒である。この触媒の主要な物理化学的特性は次
の通りである。
【0047】− 化学的組成(重量%) フッ素: 58.6% アルミニウム: 25.9% ニッケル: 6.4% クロム: 6.0% − 物理的属性 BET比表面積: 52m2 /g 粒径: 直径1mmから直径2mmの球 この触媒を予乾燥させ、その後で、フッ化水素と窒素の
混合物で300℃で処理した。
【0048】この触媒を使用したF30のフッ素化を、
再循環なしに、次に示す操作条件で行った。
【0049】− 反応温度: 250℃ − 圧力: 12バール(絶対圧) − 再循環なし − 接触時間: 5秒間 − HF/F30のモル比: 3 − 反応器の供給原料中のCl2 /F30のモル比:
0.018 これらの条件下で1050時間後に測定した性能は次の
通りである。
【0050】 − 通過1回当たりのF30の変換: 62%(「変
換」は、「消費したF30」対「反応器に入るF30」
の比率を意味すると理解されたい。) − 通過1回当たりのF32に対する選択性:
75モル%(「F32に対する選択性」は、「生成した
F32」対「消費したF30」のモル比を意味すると理
解されたい。) − F32生産性 = 1450g/時/触媒1L実施例2 実施例1の触媒と同一の触媒Ni−Cr/AlF3 の新
鮮なチャージを使用して、しかし生成物HClとF32
の分離後に、未変換のF30、F31、及び、HFの大
半を含む粗混合物を直接的に再循環させて、実施例1と
同様に反応を生じさせる。
【0051】この触媒を使用するF30のフッ素化を、
次の通りの操作条件で行った。
【0052】a)反応 − 反応温度: 250℃ − 圧力: 12バール(絶対圧) − 接触時間: 4秒間 − 反応器の供給原料中のHF/有機物(Organics)の
モル比: 3 − 反応器の供給原料中のCl2 /有機物のモル比:
0.02 b)分離 反応器の出口における流れを処理するための蒸留塔を次
のように調節した。
【0053】− 供給原料温度(TF ): 98℃ − 頂部温度(TT ): 9℃ − ボイラーに供給される熱(QB ): 17kW − 圧力: 12バール(絶対圧) これらの操作条件によって、以下の通りに、F32とH
Clの流れを頂部で得ることと、F30とF31とHF
の流れを底部で得ることが可能になった: − F30、F31、及び、HFの再循環の流れのF3
2とHClのモル含量が、F32に関しては1%未満で
あり、HClに関しては100ppm未満だった; −F32とHClの流れの中のF30、F31、及び、
HFのモル含量は、F30に関して2000ppm未満
であり、F31に関して2%未満であり、HFに関して
2%未満だった。
【0054】1000時間の操作の後で得られた性能
は、次の通りである。
【0055】 − 通過1回当たりのF30の変換: 61% − 通過1回当たりのF32に対する選択性: 96% 蒸留塔の頂部で回収する反応生成物の流れの中の主要な
不純物はF23(2モル%)とF22(1モル%)であ
る。
【0056】 c)F32生産性 = 1520g/時/触媒1L d)再循環流れの含水量:再循環流れの含水量を定量
(カールフィシャーの方法)するために、再循環流れの
幾つかの分析をこの試験全体で行った。この結果とし
て、水の蓄積がなかったことと、再循環流れ中のH2
含量が400重量ppm未満であったことが明らかにな
った。
【0057】e)再循環物中の有機不純物の含量:再循
環流れ中の有機不純物の含量を定量するために、この試
験全体で幾つかの再循環流れの分析を行った。この結果
として、不純物の蓄積がなかったことと、不純物の含量
が安定していたこととが明らかになった。再循環流れ全
体を基準とした重量ppmで表す場合のこの含量は、2
0000ppm未満である。主要な不純物は、F20
(0.2重量%)、F21(0.1重量%)、F22
(0.3重量%)、F112(0.5重量%)、及び、
F113(0.2重量%)である。
【0058】実施例3(比較実施例) 実施例1の触媒と同一の触媒Ni−Cr/AlF3 の新
鮮なチャージを使用し、再循環なしに、実施例1と同様
に反応を生じさせる。
【0059】この触媒を使用するF30のフッ素化を、
次の通りの操作条件で行った。
【0060】− 反応温度: 300℃ − 圧力: 12バール(絶対圧) − 接触時間: 5秒間 − HF/F30のモル比: 3 − 反応器の供給原料中のO2 /F30のモル比:
0.02 操作400時間後に観察した性能は次の通りである。
【0061】 − 通過1回当たりのF30の変換: 40% − 通過1回当たりのF32に対する選択性: 59% − F32の生産性: 694g/時/触媒1L実施例4(比較実施例) 実施例1の触媒と同一の触媒Ni−Cr/AlF3 の新
鮮なチャージを使用し、HClとF32の分離後に、未
変換のF30、F31、及び、HFの大部分を含む粗混
合物を直接的に再循環させて、実施例1と同様に反応を
生じさせる。
【0062】この触媒を使用するF30のフッ素化を次
の操作条件で行う。
【0063】a)反応 − 反応温度: 300℃ − 圧力: 12バール(絶対圧) − 接触時間: 8秒間 − 反応器の供給原料中のHF/有機物のモル比: 3 − 反応器の供給原料中のO2 /有機物のモル比:
0.03 b)分離 反応器の出口における流れを処理するための蒸留塔を次
のように調節した。
【0064】− 供給原料温度(TF ): 95℃ − 頂部温度(TT ): 13.5℃ − ボイラーに供給される熱(QB ): 16kW − 圧力: 12バール(絶対圧) これらの操作条件によって、以下の通りに、F32とH
Clの流れを頂部で得ることと、F30とF31とHF
の流れを底部で得ることが可能になった: − F30、F31、及び、HFの再循環流れのF32
とHClのモル含量が、F32に関しては1%未満であ
り、HFに関しては100ppm未満だった; − F32とHClの流れの中のF30、F31、及
び、HFのモル含量は、F30に関して2000ppm
未満であり、F31に関して2%未満であり、HFに関
して2%未満だった。
【0065】約700g/時/LのF32の実施例3の
生産性は得られなかった。60時間の操作の後で得られ
た性能は、次の通りである。
【0066】 − 通過1回当たりのF30の変換: 45% − 通過1回当たりのF32に対する選択性: 96% 蒸留塔の頂部で回収する反応生成物の流れの中の主要な
不純物はF23(1.8モル%)とF22(0.2モル
%)だった。
【0067】− 得られた最大F32生産性 = 41
5g/時/触媒1L − 再循環流の含水量:再循環流れの含水量を定量(カ
ールフィシャーの方法)するために、再循環流れの幾つ
かの分析をこの試験全体で行った。この結果として、水
の蓄積がなかったことと、再循環流れのH2 O含量が3
00重量ppm未満であったことが明らかになった。
【0068】− 再循環物中の有機不純物の含量:分析
の結果として、ループ中で不純物の蓄積があることが明
らかになった。操作100時間後に、不純物含量は3重
量%より多かった。主要な不純物は、F20シリーズ、
F130、及び、F131である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプロセスの実施に使用するプラン
トの例の略図である。
【符号の説明】
1 電気予熱器 2 インコネル反応器 4 蒸留塔 6、7 ポンプ 8 蒸発器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素化触媒の存在下で気相において塩
    化メチレン(F30)とフッ化水素とからジフルオロメ
    タン(F32)を製造するための連続プロセスであっ
    て、塩素の存在下で反応を生じさせることと、反応器か
    ら出てくる気体流を蒸留して、前記反応によって生成し
    た塩酸のほぼ全てとF32の90%以上とを含む蒸留頂
    部に位置する流れと、前記反応器から出てくる気体流中
    に存在する未変換の反応物(F30、F31、HF)を
    90%以上含む蒸留底部に位置する流れとに分離させる
    ことと、前記蒸留底部で回収する流れを精製操作なしに
    前記反応器に直接再循環させることとを特徴とする前記
    プロセス。
  2. 【請求項2】 前記反応と前記蒸留を、1バール(絶対
    圧)から30バール(絶対圧)の範囲内の圧力で、好ま
    しくは約10バール(絶対圧)から約15バール(絶対
    圧)の範囲内の圧力で行う請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 クロムを主成分とするバルク触媒又は担
    持触媒を使用する請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記フッ素化反応を、220℃から40
    0℃までの温度で、好ましくは240℃から350℃ま
    での温度で行う請求項1から3のいずれか一項に記載の
    プロセス。
  5. 【請求項5】 接触時間が0.1秒間から60秒間まで
    であり、好ましくは1秒間から20秒間までである請求
    項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記反応器の入口におけるHF/有機物
    のモル比が1から10までであり、好ましくは2から5
    までである請求項1から5のいずれか一項に記載のプロ
    セス。
  7. 【請求項7】 前記反応器の入口において有機物100
    モル当たり0.1モルから5モルの塩素を使用する請求
    項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
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