JPH1053585A - ピリジニウム型イオン性化合物誘導体、その製造方法及び液晶物質 - Google Patents

ピリジニウム型イオン性化合物誘導体、その製造方法及び液晶物質

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JPH1053585A
JPH1053585A JP9113570A JP11357097A JPH1053585A JP H1053585 A JPH1053585 A JP H1053585A JP 9113570 A JP9113570 A JP 9113570A JP 11357097 A JP11357097 A JP 11357097A JP H1053585 A JPH1053585 A JP H1053585A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スメクチックA相あるいはカイラルスメクテ
ィック相の液晶性を示すサーモトロピック液晶物質とし
て有用なピリジニウム型イオン性化合物誘導体を提供す
る。 【解決手段】 下記の一般式(I)あるいは(XI) 【化1】 (式中、R1 、R2 は同種又は異種の炭素数1〜22の
アルキル基、R4は光学活性基、Xはハロゲン原子を表
わす)で示されるl,3−ジオキサン環の基本構造をも
つピリジニウム型イオン性化合物誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なl,3−ジ
オキサン環の基本構造をもつピリジニウム型イオン性化
合物誘導体、ピリジニウム型イオン性光学活性化合物誘
導体及びその製造方法、更に言えば熱、電気光学効果を
利用する液晶素子をはじめとする液晶表示材料として有
用な液晶物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶物質には、相転移を与える手段に基
づいて、サーモトロピック液晶(温度転移型液晶)とリ
オトロピック液晶(濃度転移型液晶)に分類されるが、
またこれらの液晶は分子配列的に見ると、スメクチック
液晶、ネマチック液晶及びコレステリック液晶の三種類
に分類される。
【0003】現在、液晶ディスプレーなどの電子材料と
して実用に供されている液晶物質はサーモトロピック液
晶であり、下記の一般式(V)
【0004】
【化14】 (式中、Aはアルキル基を表わす)で示されるシアノフ
ェニルジオキサン系液晶化合物や、下記の一般式(V
I)
【0005】
【化15】 (式中、Bはアルキル基またはアラルキル基を表わす)
で示されるシアノフェニルシクロヘキサン系液晶化合物
等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のシアノフェニル
ジオキサン系液晶化合物やシアノフェニルシクロヘキサ
ン系液晶化合物は、その一例として下記の化学式(C)
に示す様に、分子末端にシアノ基を持ち、シアノ基によ
る電子吸引性により、分子長軸方向の誘電率が大きくな
っており、正の誘電率異方性を有する。
【0007】
【化16】
【0008】液晶化合物は、その液晶状態を示す温度範
囲を−40℃〜+60℃程度を実用上必要としており、
その実現のために、多くの液晶化合物、例えば10種類
程度の液晶化合物の混合系の液晶組成物として実用化さ
れている。この混合系の液晶化合物に電圧をかけて駆動
させるために、その液晶組成物のおよそ20%程度の混
合比で誘電率異方性が正の液晶化合物が含有されてい
る。この誘電率異方性が正の液晶化合物として上記のシ
アノフェニル系液晶化合物が用いられている。
【0009】この混合系の液晶組成物の駆動速度は誘電
率異方性の大きさに比例するので、分子長軸方向の電荷
の偏りの大きな化合物が望まれており、上記のシアノフ
ェニル系液晶化合物よりも分子長軸方向の電荷の偏りの
大きな液晶化合物が望まれている。
【0010】本発明者は、叙上の点に鑑み鋭意研究を重
ねたところ、イオン性のN が分子内に存在すること
により、分子長軸方向の電荷の偏りが極めて大きくなる
ことを知見し、電場などの外力により大きなトルクを持
つことが可能な、新規な化合物である1,3−ジオキサ
ン環の基本骨格構造を有するピリジニウム型イオン性化
合物誘導体およびピリジニウム型イオン性光学活性化合
物誘導体を合成し、本発明を完成した。
【0011】本発明は、高機能性液晶材料として有望な
新規化合物であるピリジニウム型イオン性化合物誘導
体、ピリジニウム型イオン性光学活性化合物誘導体、及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
る新規化合物は、下記の一般式(I)
【0013】
【化17】 (式中、R1 、R2 は同種又は異種の炭素数1〜22の
アルキル基、Xはハロゲン原子を表わす)で示される
l,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型
イオン性化合物誘導体に係るものである。
【0014】また、本発明は、下記の第1工程乃至第4
工程からなることを特徴とする上記の一般式(I)で示
されるl,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニ
ウム型イオン性化合物誘導体の製造方法に係るものであ
る。
【0015】(a)式:R1 X(式中、R1 、Xは前記
と同義である)で示される化合物と、式
【0016】
【化18】 (式中、R3 は炭素数1〜3の低級アルキル基を表わ
す)で示される化合物を反応させて、一般式(II)
【0017】
【化19】 (式中、R、R3 は前記と同義である)で示される化
合物を合成する第1工程、
【0018】(b)前記第1工程で得られた一般式(I
I)で示される化合物を還元して一般式(III)
【0019】
【化20】 (式中、R1 は前記と同義である)で示される化合物を
合成する第2工程、
【0020】(c)前記第2工程で得られた一般式(I
II)で示される化合物とピリジン−4−アルデヒドと
を反応させて、一般式(IV)
【0021】
【化21】 (式中、R1 は前記と同義である)で示される化合物を
合成する第3工程、
【0022】(d)前記第3工程で得られた一般式(I
V)で示される化合物と式:R2 X(式中、R2、Xは
前記と同義である)で示される化合物とを反応させて、
一般式(I)
【0023】
【化22】 (式中、R1 、R2 は前記と同義である)で示される
l,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型
イオン性化合物誘導体を合成する第4工程。
【0024】さらに、本発明が提供しようとする新規化
合物は、下記の一般式(XI)
【0025】
【化23】 (式中、R1は同種又は異種の炭素数1〜22のアルキ
ル基、Xはハロゲン原子を表わす。R4は下記の式(X
II)で示される光学活性基を表わす。
【0026】
【化24】 但し、Yは炭素数1〜4のアルキル基、mは0〜10の
整数、nは1〜9の整数、*は不斉炭素原子を表わ
す。)で示されるl,3−ジオキサン環の基本構造をも
つピリジニウム型イオン性光学活性化合物誘導体に係る
ものである。
【0027】また、本発明は、下記の第1工程乃至第4
工程からなることを特徴とする上記のl,3−ジオキサ
ン環の基本構造をもつピリジニウム型イオン性光学活性
化合物誘導体の製造方法である。 (a)式:RX(式中、R、Xは前記と同義であ
る)で示される化合物と、式
【0028】
【化25】 (式中、Rは炭素数1〜3の低級アルキル基を表わ
す)で示される化合物を反応させて、一般式(II)
【0029】
【化26】 (式中、R、Rは前記と同義である)で示される化
合物を合成する第1工程、(b)前記第1工程で得られ
た一般式(II)で示される化合物を還元して一般式
(III)
【0030】
【化27】 (式中、Rは前記と同義である)で示される化合物を
合成する第2工程、(c)前記第2工程で得られた一般
式(III)で示される化合物とピリジン−4−アルデ
ヒドとを反応させて、一般式(IV)
【0031】
【化28】 (式中、Rは前記と同義である)で示される化合物を
合成する第3工程、(d′)前記第3工程で得られた一
般式(IV)で示される化合物と式:R4X(式中、
4、Xは前記と同義である)で示される化合物とを反
応させて、一般式(XI)
【0032】
【化29】 (式中、R1、R4は前記と同義である)で示されるl,
3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型イオ
ン性光学活性化合物誘導体を合成する第4工程。
【0033】さらに、本発明は、上記の一般式(I)で
示されるピリジニウム型イオン性化合物誘導体、および
一般式(X)で示されるピリジニウム型イオン性光学活
性化合物誘導体を有効成分とする液晶物質に係るもので
ある。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明が提供しようとする新規化
合物は、下記の一般式(I)
【0035】
【化30】 (式中、R1 、R2 、Xは前記と同義である)で示され
るl,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム
型イオン性化合物誘導体(以下、「一般式(I)で示さ
れる化合物」と記す)であることを構成上の特徴とす
る。
【0036】また、本発明は、上記一般式(I)で示さ
れる化合物を構成上の特徴とした高機能性液晶物質を提
供する。本発明に係る一般式(I)で示される化合物は
サーモトロピック液晶性を示し、かつ分子配列が垂直層
状を形成して配向する新規なスメクチックA相液晶物質
である。
【0037】一般式(I)で示される化合物において、
1 、R2 は前記の通り炭素数1〜22の同種又は異種
のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基の如き低級アルキル基からオクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エイコシル基、ドコシル基等の炭素数が22ま
での範囲にある直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げら
れる。これらのうち、R1 が炭素数8〜12、好ましく
は9〜11の直鎖状アルキル基、R2 はエチル基が工業
的に好ましい。
【0038】また、一般式(I)において、XはCl、
Br又はIのハロゲン原子であるが、好ましくはCl又
はBr、特にBrが好ましい。
【0039】上記一般式(I)で示される化合物におい
て、R1 又はR2 のアルキル基が大きくなると、分子配
列の規則性が良好になるけれども液晶体における粘性が
大きくなる傾向があり、またCl塩よりBr塩の方が安
定な液晶状態を形成し易い。
【0040】本発明に係る一般的(I)で示される化合
物としては、例えばN−エチル−4−(5−メチル−
1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジニウムブロマイ
ド、N−エチル−4−(5−エチル−1,3−ジオキサ
−2−イル)ピリジニウムブロマイド、N−エチル−4
−(5−プロピル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリ
ジニウムプロマイド、N−エチル−4−(5−ブチル−
1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジニウムブロマイド
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】また、本発明が提供しようとする他の新規
化合物は、下記の一般式(XI)
【0042】
【化31】 (式中、R1、R4、Xは前記と同義である)で示される
l,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型
イオン性光学活性化合物誘導体(以下、「一般式(X
I)で示される化合物」と記す)であることを構成上の
特徴とする。
【0043】また、本発明は、上記一般式(XI)で示
される化合物を構成上の特徴とした高機能性液晶物質を
提供する。本発明に係る一般式(XI)で示される化合
物は光学活性液晶性化合物であり、該光学活性液晶性化
合物は、スメクティック液晶分子に光学活性な不斉炭素
原子(カイラル基)を導入したもので、カイラルスメク
ティック液晶と呼ばれる。
【0044】その特徴は、強誘電性を有する。強誘電性
は、高速応答性、電圧を取り除いても液晶分子の配列状
態が保持されているというメモリ特性、分子の向きが二
つの安定な状態となる双安定性を持つなどの非常に優れ
た性質を持っている。
【0045】一般式(XI)で示される化合物におい
て、R、Xは前記の一般式(I)で示されたものと同
じものである。
【0046】R4は下記の式(XII)で示される光学
活性基を表わす。
【0047】
【化32】 上記の下記の式(XII)において、Yは炭素数1〜
4、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を表わす。
【0048】mは0〜10、好ましくは1〜5の整数、
nは1〜9、好ましくは1〜5の整数を表わす。*は不
斉炭素原子を表わす。
【0049】R4の式(XII)で示される光学活性基
の具体例を示すと、下記の基が挙げられる。
【0050】
【化33】
【0051】上記一般式(XI)で示される化合物にお
いて、R又はR4のアルキル基が大きくなると、分子
配列の規則性が良好になるけれども液晶体における粘性
が大きくなる傾向があり、またCl塩よりBr塩の方が
安定な液晶状態を形成し易い。
【0052】本発明に係る一般的(XI)で示される化
合物としては、例えばN−(S)−(+)−2−メチル
ブチル−4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イ
ル)ピリジウムブロマイド、N−(S)−(+)−2−
メチルブチル−4−(5−オクタデシル−1,3−ジオ
キサ−2−イル)ピリジウムブロマイド等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0053】本発明の上記一般式(I)および(XI)
で示される化合物は、下記の化学式(D)および(E)
に示す様に、分子内にNを有することにより、分子長
軸方向の電荷の偏りが極めて大きくなり、それを電場な
どの外力により駆動させると大きなトルクを持つ可能性
のある新規化合物である。
【0054】
【化34】
【0055】具体的には、この一般式(I)で示される
化合物の電荷の偏りが大きいことは、プロトンNMRス
ペクトルにより、通常のシアノフェニル系液晶化合物と
比較して明らかである。即ち、上記の本発明の一般式
(I)で示される化合物(D)のaの位置の水素原子の
プロトンNMRスペクトルの吸収位置は、前述の化学式
(C)に示すシアノフェニル系液晶化合物のa′の位置
の水素原子のプロトンNMRスペクトルの吸収位置より
大きく低磁場にあり、このことはN による非常に大
きな電子吸引が原因となっていると考えられる。具体的
には、
【0056】
【数1】a′の水素原子の吸収 =7.6ppm aの水素原子の吸収 =8.2ppmと9.9ppm である。
【0057】即ち、本発明の一般式(I)で示される化
合物は、分子長軸方向に非常に大きな電荷の偏りを持っ
ているので、電場などの外力が働いた場合非常に大きな
トルクを持つことが可能であり、その高機能性材料とし
て有用性は非常に大きいものがある。
【0058】次に、本発明が提供しようとする上記の一
般式(I)で示される化合物の製造方法は、下記の第1
工程乃至第4工程による反応により行なわれる。 (1)第1工程 下記の反応式(1)
【0059】
【化35】 (式中、R1 、Xは前記と同義である。R3 は炭素数1
〜3の低級アルキル基を表わす)で示される反応によ
り、一般式(II)で示される低級ジアルキルマロネイ
ト化合物(II)を合成する第1工程、
【0060】(2)第2工程 下記の反応式(2)
【0061】
【化36】 (式中、R1 、R3 は前記と同義である。)で示される
反応により、前記第1工程で得られた低級ジアルキルマ
ロネイト化合物(II)を還元して、一般式(III)
で示される2−アルキル−1,3−プロパンジオール化
合物(III)を合成する第2工程、
【0062】(3)第3工程 下記の反応式(3)
【0063】
【化37】 (式中、R1 は前記と同義である。)で示される反応に
より、前記第2工程で得られた2−アルキル−1,3−
プロパンジオール化合物(III)とピリジン−4−ア
ルデヒドと反応させて、一般式(IV)で示される4−
(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジ
ン化合物(IV)を合成する第3工程、
【0064】(4)第4工程 下記の反応式(4)
【0065】
【化38】 (式中、R1 、R、Xは前記と同義である。)で示さ
れる反応により、前記第3工程で得られた4−(5−ア
ルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物
(IV)と式:R2 Xで示されるハロゲン化合物と反応
させて、一般式(I)で示される化合物を合成する第4
工程。
【0066】以下に上記の第1〜第4工程についてさら
に具体的に説明する。
【0067】第1工程:この第1工程は、上記の反応式
(1)に示すとおり、低級ジアルキル−2−アルキルマ
ロネイトを合成する工程である。すなわち、ハロゲン化
アルキルとマロン酸ジアルキルエステルを強塩基触媒の
存在で反応させる。
【0068】触媒としては、ナトリウム、カリウム又は
リチウムの如きアルカリ金属のアルコラートが好まし
い。溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノール等のアルコールなどが挙げられる。
【0069】反応条件としては、反応温度は0〜100
℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間は0.5
〜50時間、好ましくは10〜20時間であり、還流す
ることにより反応を行う。反応後は、常法により中和、
洗浄、抽出、及び脱水などの諸操作を経て中間体の低級
ジアルキルマロネイト化合物(II)を得る。
【0070】第2工程:この第2工程は、上記の反応式
(2)に示すとおり、2−アルキル−1,3−プロパン
ジオール化合物(III)の合成工程である。すなわ
ち、前記第1工程で得られた低級ジアルキルマロネイト
化合物(II)を還元剤を含む溶媒中で還元処理を施
し、2−アルキル1,3−プロパンジオール化合物(I
II)を合成する。
【0071】還元剤としては、例えばAlH3 、LiA
lH4 、LiAlH4 −AlCl3、LiAlH(OC
3 3 、NaH−LiAlH4 、NaBH4 、LiB
4、BH3 等の如き金属水素化合物や、金属ナトリウ
ム、カリウム、リチウム等のメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコラートが好まし
い。
【0072】また、溶媒としては、ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチ
ルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、ジオキ
サン、トリオキサン、フラン、テトラヒドロフランの如
きエーテル類や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素がよい。
【0073】反応条件としては、反応温度は0〜150
℃、好ましくは20〜100℃であり、反応時間は0.
5〜10時間、好ましくは2〜5時間であり、還流下で
還元処理する。還元剤は、その種類や反応条件によって
変化するが、化合物(II)に対して等モル以上、好ま
しくは1.5〜3モルの範囲で用いるのが望ましい。
【0074】反応終了後は、未反応の還元剤を酢酸エチ
ル等のエステルにより分解し、還元剤より生じる金属は
アンモニウム塩として水可溶性の塩としてエーテル層と
分離する。その後、常法により、分離、精製及び脱水し
て化合物(III)を合成する。
【0075】第3工程:この第3工程は、上記の反応式
(3)で示すとおり、4−(5−アルキル−1,3−ジ
オキサ−2−イル)ピリジン化合物(IV)の合成工程
である。すなわち、2−アルキル−1,3−プロパンジ
オール化合物(III)とピリジン−4−アルデヒドと
をルイス酸の存在下で閉環反応処理する。
【0076】ルイス酸としては、p−トルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の芳
香族スルホン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸等の
鉱酸等が挙げられる。化合物(III)とピリジン−4
−アルデヒドは、等モル付近の量的関係で反応させる。
【0077】溶媒としては、反応に不活性なものであれ
ば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エーテル、石油エーテル、リグロイン等の炭化水素
系溶媒等が挙げられる。反応条件としては、温度は使用
する溶媒により異なるが還流する温度で行なわれ、反応
時間は0.5〜20時間、好ましくは2〜10時間であ
り、還流しながら副生する水を共沸により除去しながら
反応を進める。反応終了後は、常法により、分離、精製
及び脱水処理を施して化合物(IV)を得る。
【0078】第4工程:この第4工程は、上記の反応式
(4)で示すとおり、本発明に係る一般式(I)で示さ
れるN−アルキル−4−(5−アルキル−1,3−ジオ
キサ−2−イル)ピリジニウムハライド(I)を合成す
る最終工程である。
【0079】すなわち、この工程では、前記第3工程で
得られた4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−
イル)ピリジン化合物(IV)とハロゲン化アルキルと
の反応により、一般式(I)で示される化合物のピリジ
ニウムハライドを合成する。
【0080】溶媒は、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ブチルニトリル等のニトリル化合物や、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコールの如き極
性の大きな溶媒がよい。
【0081】また、化合物(IV)に対してハロゲン化
アルキルは、アルキル基の大きさや、Cl又はBrの違
いによって、使用量は変化するけれども多くの場合、過
剰に用い、好ましくは量論量よりも5〜20倍量が用い
られる。
【0082】この反応は窒素などによる不活性雰囲気で
温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃で、反
応時間は1〜30時間、好ましくは5〜24時間で還流
を施して反応させる。反応終了後は、常法により、分
離、精製及び乾燥して一般式(I)で示される化合物の
目的物質を得る。
【0083】本発明に係る一般式(I)で示される新規
な液晶性化合物の構造的特徴は、極性部として1,3−
ジオキサン環に連絡したピリジン環を形成する正電荷を
帯びた窒素原子、非極性部として二本のアルキル基を有
していることである。かかる特徴的分子構造のゆえに、
従来知られている1,3−ジオキサン環に連結するシア
ノフェニル系液晶性物質よりも液晶特性に優れたものと
なっている。
【0084】なお、かかる化合物は抗菌性を示し、層間
移動触媒として作用するなど高機能性を有する。また、
本発明に係る製造方法は4つの工程を経ることにより、
工業的に高純度、高収率で上記一般式(I)で示される
化合物を有利に得ることができる。
【0085】次に、本発明が提供しようとする上記の一
般式(XI)で示されるl,3−ジオキサン環の基本構
造をもつピリジニウム型イオン性光学活性化合物誘導体
の製造方法は、前述の第1工程乃至第4工程による反応
により行なわれる。
【0086】第1工程乃至第3工程は、上記の一般式
(I)で示される化合物の製造方法と同様の反応により
行なわれ、前記の一般式(IV)で示される4−(5−
アルキル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合
物(IV)を合成する。
【0087】次に、第4工程により、下記の反応式
(5)
【0088】
【化39】 (式中、R1、R4、Xは前記と同義である)で示される
反応により、前記第3工程で得られた4−(5−アルキ
ル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物(I
V)と式:R4Xで示される光学活性ハロゲン化アルキ
ルと反応させて、一般式(XI)で示される光学活性化
合物を合成する。
【0089】上記の反応式(5)で示される反応に用い
られる、R4Xで示される光学活性ハロゲン化アルキル
の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。 (S)−(+)−ブチルクロライド (S)−(+)−ブチルブロマイド (S)−(−)−ブチルクロライド (S)−(−)−ブチルブロマイド (S)−(+)−2−メチル−1−ブチルクロライド (S)−(+)−2−メチル−1−ブチルブロマイド (S)−(−)−2−メチル−1−ブチルクロライド (S)−(−)−2−メチル−1−ブチルブロマイド
【0090】 (S)−(+)−5−メチル−1−ヘプチルクロライド (S)−(+)−5−メチル−1−ヘプチルブロマイド (S)−(−)−5−メチル−1−ヘプチルクロライド (S)−(−)−5−メチル−1−ヘプチルブロマイド (S)−(+)−4−メチル−1−ヘキシルブロマイド (S)−(+)−3−メチル−1−ペンチルブロマイド (S)−(+)−6−メチル−1−オクチルブロマイド (S)−(+)−2−メチル−1−ペンチルブロマイド (S)−(−)−2−メチル−1−ペンチルブロマイド
【0091】本発明に係る一般式(XI)で示される新
規な液晶性化合物の構造的特徴は、光学活性液晶性化合
物であり、極性部として1,3−ジオキサン環に連絡し
たピリジン環を形成する正電荷を帯びた窒素原子、非極
性部として二本のアルキル基を有していることである。
かかる特徴的分子構造のゆえに、本発明の光学活性液晶
性化合物は、スメクティック液晶分子に光学活性な不斉
炭素原子(カイラル基)を導入したカイラルスメクティ
ック相を示す液晶であり、強誘電性を有するために、高
速応答性、電圧を取り除いても液晶分子の配列状態が保
持されているというメモリ特性、分子の向きが二つの安
定な状態となる双安定性を持つなどの非常に優れた性質
を持っている。
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明につき具体的に説
明するが、これらに限定されるものではない。
【0093】実施例1,2第1工程 下記の反応により、ジエチル−2−アルキルマロネイト
を合成した。
【0094】
【化40】 (式中、RはC7 15またはC1021を示す)
【0095】500ml三角フラスコに150mlのエ
タノールを入れ、金属ナトリウム(0.3mol)を溶
解後、ジエチルマロン酸(0.3mol)を加え、冷却
後、アルキルブロマイド(0.3mol)を加える。エ
チレングリコール浴中30℃で18時間還流する。溶媒
を減圧除去後、ジエチルエーテル(300ml)を加え
分液漏斗を用いて冷希塩酸300ml(30ml/30
0ml)、続いて冷蒸留水100mlで洗浄する。エー
テル層を得た後、水層はジエチルエーテル100mlを
加えて再抽出する。分液によって得たジエチルエーテル
溶液は無水硫酸ナトリウムで約1日脱水する。ろ過し、
ジエチルエーテルを減圧除去後、残渣を減圧蒸留して化
合物(II′)を得た。
【0096】このときの2種のアルキルブロマイド(R
=C7 15、R=C1021)を用いた浴温及び留出温度
等について下記の表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】第2工程 下記の反応により、2−アルキル1,3−プロパンジオ
ールを合成した。
【0099】
【化41】 (式中、RはC7 15またはC1021を示す)
【0100】500mlの三つ口丸底フラスコに100
mlのジエチルエーテルを入れ、リチウムアルミニウム
ハイドライドを(2倍量mol数)入れ、氷冷しながら
第1工程で得られた化合物(II′)(0.23mo
l)をジエチルエーテル100mlに溶解し滴下漏斗で
ゆっくり滴下する。その後、エチレングリコール浴中で
40℃で、4時間還流する。反応後、氷冷下で酢酸エチ
ル(0.3mol)をジエチルエーテル100mlに溶
解させ、滴下漏斗でゆっくりと滴下する。次に飽和アン
モニウム水溶液50mlを、滴下漏斗で一滴ずつゆっく
りと加える。その後、フラスコをジエチルエーテルで満
たし、室温で3時間撹拌する。ろ過し、残渣を300m
lのジエチルエーテルに溶かし24時間撹拌する。合わ
せたジエチルエーテルに無水硫酸ナトリウムを加え約1
日脱水した後、ジエチルエーテルを減圧除去し、残渣と
して化合物(III′)を得た。この結果を表2に示
す。
【0101】
【表2】
【0102】第3工程 下記の反応により、4−(5−アルキル−1,3−ジオ
キサ−2−イル)ピリジンを合成した。
【0103】
【化42】 (式中、RはC7 15またはC1021を示す)
【0104】反応装置として、ディーン−スターク−ト
ラップ(Dean−Stark−Trap)を用いた。
100ml三角フラスコでベンゼン60mlに第2工程
で得られた化合物(III′)(0.03mol)を入
れて、それぞれにつき以下の実験を行った。
【0105】すなわち、上記のような各フラスコにピリ
ジン−4−アルデヒド(等mol数)を溶解し、p−ト
ルエンスルホン酸を10g加えpH1以下にする。pH
を確認後シリコーン浴中で135℃〜140℃で5時間
還流する。冷却後、ジエチルエーテル(300ml)に
溶解し炭酸ナトリウム(30g/300ml)水溶液で
洗浄し水溶液が塩基性であることを確かめた後、蒸留水
(100ml)で洗浄、ジエチルエーテル層を得る。そ
の後無水硫酸ナトリウムで約1日脱水する。ろ過し、ジ
エチルエーテルを減圧除去し残渣を得る。シリカゲルを
用いたカラムクロマトグラフィーで、初めにヘキサン3
00mlを流し、ベンゼン300mlを流して分離し
た。目的物はベンゼン溶媒中に溶出した。これを溶媒除
去した後、特級ヘキサンで3〜4回再結晶し精製し化合
物(IV′)を得た。この結果を表3に示す。
【0106】
【表3】
【0107】第4工程 下記の反応により、N−アルキル−4−(5−アルキル
−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジニウムブロマイ
ドを合成した。
【0108】
【化43】 (式中、RはC7 15またはC1021、R’はC2 5
Rを示す)
【0109】200ml三つ口丸底フラスコ中で特級ア
セトニトリル30mlに第3工程で得られた2種の化合
物(IV′)をそれぞれ0.0017molと、エチル
ブロマイドを10倍mol溶解させ、窒素気流下でシリ
コーン浴中で100℃で24時間還流する。アセトニト
リルを減圧除去し、ヘキサン30ml、ジエチルエーテ
ル30mlの混合溶液で再沈澱させ約一日攪拌洗浄し、
不溶物を得た後、真空乾燥し化合物(I′)を得た。得
られた結果につき表4に示す。
【0110】
【表4】
【0111】実施例3,4第1工程〜第3工程 実施例1の出発原料のRBr(RはC7 15)の代わり
に、Ra Br(Ra はC9 19またはC1123を示す)
のそれぞれ2種の化合物を用いて、実施例1の第1工程
〜第3工程と同様の方法で合成を行ない、下記の式で示
される4−(5−アルキル−1,3−ジオキサ−2−イ
ル)ピリジン化合物(VII)を合成した。
【0112】
【化44】 (式中、Ra はC9 19またはC1123を示す) 化合物(VII)の収量、収率、性状、m.p.等の結
果を表5に示す。
【0113】
【表5】
【0114】第4工程 下記の反応により、N−アルキル−4−(5−アルキル
−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジニウムブロマイ
ドを合成した。
【0115】
【化45】 (式中、Ra はC9 19またはC1123、R’はC2
5 Rを示す)
【0116】200ml三つ口丸底フラスコ中で特級ア
セトニトリル30mlに第3工程で得られた2種の化合
物(VII)をそれぞれ0.0017molと、エチル
ブロマイドを10倍mol溶解させ、窒素気流下でシリ
コーン浴中で100℃で24時間還流する。アセトニト
リルを減圧除去し、ヘキサン30ml、ジエチルエーテ
ル30mlの混合溶液で再沈澱させ約一日攪拌洗浄し、
不溶物を得た後、真空乾燥し化合物(I′)を得た。得
られた結果につき表6に示す。
【0117】
【表6】
【0118】次に、実施例1〜実施例4で得られた一般
式(I)で示される化合物の1 H−NMR(CDC
3 、δ)およびFT−IR(CHCl3 、cm-1)を
下記に示す。
【0119】(実施例1)
【0120】
【化46】
【0121】 1 H−NMR(CDCl3 、δ);0.8
5〜1.83(m、19H、(a)+(g)+
(h))、3.37〜4.38(m、4H、(f))、
5.07(q、2H、Jab=6.70Hz、(b))、
5.48(s、1H、(e))、8.08(d、2H、
cd=6.40Hz、(c))、9.75(d、2H、
cd=6.40Hz、(d))FT−IR(CHCl3 、cm-1); 2920、284
0(C−H伸縮振動)、1650(C=C、C=N伸縮
振動)、1085(C−O−C伸縮振動)、890(ピ
リジン環C−H面外変角振動)
【0122】(実施例2)
【0123】
【化47】
【0124】 1 H−NMR(CDCl3 、δ);0.8
7〜1.85(m、25H、(a)+(g)+
(h))、3.38〜4.40(m、4H、(f))、
5.12(q、2H、Jab=6.70Hz、(b))、
5.58(s、1H、(e))、8.12(d、2H、
cd=6.40Hz、(c))、9.78(d、2H、
cd=6.40Hz、(d))FT−IR(CHCl3 、cm-1); 2925、287
0(C−H伸縮振動)、1655(C=C、C=N伸縮
振動)、1095(C−O−C伸縮振動)、890(ピ
リジン環C−H面外変角振動)
【0125】(実施例3)
【0126】
【化48】
【0127】 H−NMR(CDCl、δ);
0.91〜1.89(m、23H、(a)+(g)+
(h))、3.48〜4.53(m、4H、(f))、
5.24(q、2H、Jab=6.70Hz、
(b))、5.53(s、1H、(e))、8.33
(d、2H、Jcd=6.40Hz、(c))、9.9
4(d、2H、Jcd=6.40Hz、(d))FT−IR(CHCl、cm−1); 2950、2
875(C−H伸縮振動)、1660(C=C、C=N
伸縮振動)、1100(C−O−C伸縮振動)、900
(ピリジン環C−H面外変角振動)
【0128】(実施例4)
【0129】
【化49】
【0130】 1 H−NMR(CDCl3 、δ);0.9
6〜1.93(m、27H、(a)+(g)+
(h))、3.47〜4.49(m、4H、(f))、
5.22(q、2H、Jab=6.70Hz、(b))、
5.72(s、1H、(e))、8.28(d、2H、
cd=6.40Hz、(c))、9.91(d、2H、
cd=6.40Hz、(d))FT−IR(CHCl3 、cm-1); 2920、285
0(C−H伸縮振動)、1642(C=C、C=N伸縮
振動)、1080(C−O−C伸縮振動)、880(ピ
リジン環C−H面外変角振動)
【0131】次に、実施例1〜実施例4で得られた一般
式(I)で示される化合物の相転移温度の測定結果を下
記の表7に示す。
【0132】
【表7】
【0133】表7において、実施例1のR=n−C7
15の化合物はスメクチックA液晶相を示さないが、これ
はスメクチック液晶相を示すためにはアルキル基の長さ
がある程度以上長いことが必要であるためである。しか
し、この化合物を混合液晶系に混合して用いる場合に
は、その化合物が液晶相を単独で持たない場合でも分子
の形状が同様の場合には混合系ではスメクチック液晶相
を示すことができ液晶材料として使用可能である。
【0134】実施例5第1工程〜第3工程 実施例2と同様にして、4−(5−デシル−1,3−ジ
オキサ−2−イル)ピリジン化合物を合成した。
【0135】第4工程 100mlの褐色アンプルビンに、第3工程で得られた
4−(5−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリ
ジン0.46g(1.51mモル)と、(S)−(+)
−1−プロモ−2−メチルブタン2.27g(15mモ
ル)を特級アセトニトリル30mlに溶解させた溶液を
仕込み、常法に従って真空と窒素置換を3回繰り返して
空気を追い出した後に封管した。60℃の恒温オーブン
中で、3日間加熱反応させた。アンプルを冷却後開封
し、アセトニトリルを減圧除去し、ヘキサン30ml、
ジエチルエーテル30mlの混合溶液で再沈殿させ約1
日撹拌洗浄し、不溶物を得た後、真空乾燥し、融点51
℃の白色結晶を0.69g得た。分析の結果、生成物
は、N−(S)−(+)−2−メチルブチル−4−(5
−デシル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジウムブ
ロマイドで、収率は100%であった。
【0136】
【化50】
【0137】 H−NMR(CDCl、δ);0.8
1〜1.74(m、31H、(a)+(g)+
(h))、3.43〜4.44(m、4H、(f))、
4.94(q、2H、Jab=6.70Hz、
(b))、5.66(s、1H、(e))、8.19
(d、2H、Jcd=6.40Hz、(c))、9.6
9(d、2H、Jcd=6.40Hz、(d))FT−IR(CHCl、cm−1); 2930、28
50(C−H伸縮振動)、2250(ピリジウム)、1
648(C=C、C=N伸縮振動)、1090(C−O
−C伸縮振動)、880(ピリジン環C−H面外変角振
動)
【0138】実施例6第1工程〜第3工程 実施例1の出発原料のRBr(RはC15)の代わ
りに、C1837Brを用いて、実施例1の第1工程
〜第3工程と同様の方法を行い、4−(5−オクタデシ
ル−1,3−ジオキサ−2−イル)ピリジン化合物を合
成した。収量は4.6g、収率は65%、性状は白色結
晶、融点は88℃であった。
【0139】第4工程 実施例5と同様にして、N−(S)−(+)−2−メチ
ルブチル−4−(5−オクタデシル−1,3−ジオキサ
−2−イル)ピリジウムブロマイドを合成した。収量は
0.86g、収率は100%、性状は白色結晶、融点は
65℃であった。
【0140】
【化51】
【0141】 H−NMR(CDCl、δ);0.8
8〜1.79(m、47H、(a)+(g)+
(h))、3.43〜4.45(m、4H、(f))、
4.95(q、2H、Jab=6.70Hz、
(b))、5.64(s、1H、(e))、8.17
(d、2H、Jcd=6.40Hz、(c))、9.5
5(d、2H、Jcd=6.40Hz、(d))FT−IR(CHCl、cm−1); 2940、28
70(C−H伸縮振動)、2280(ピリジウム)、1
658(C=C、C=N伸縮振動)、1110(C−O
−C伸縮振動)、895(ピリジン環C−H面外変角振
動)
【0142】次に、実施例5および実施例6で得られた
一般式(XI)で示される化合物の相転移温度の測定結
果を下記の表8に示す。
【0143】
【表8】
【0144】表8において、実施例5及び6は、スメク
ティック液晶分子に光学活性な不斉炭素原子(カイラル
基)を導入したもので、カイラルスメクティック液晶相
を示すことができ、液晶材料として使用可能である。
【0145】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明により、新規
なピリジニウム型イオン性化合物誘導体が提供でき、こ
の化合物はスメクチックA相の液晶性を示すサーモトロ
ピック液晶物質として有用性が期待できるものである。
【0146】また、本発明により、新規なピリジニウム
型イオン性光学活性化合物誘導体が提供でき、この化合
物はスメクティック液晶分子に光学活性なカイラル基を
導入したカイラルスメクティック相の液晶性を示すサー
モトロピック液晶物質として強誘電性を有し有用性が期
待できるものである。また、本発明に係る製造方法によ
れば、このピリジニウム型イオン性化合物誘導体および
ピリジニウム型イオン性光学活性化合物誘導体を工業的
に有利に得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 は同種又は異種の炭素数1〜22の
    アルキル基、Xはハロゲン原子を表わす)で示される
    l,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型
    イオン性化合物誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R1 は炭素数9
    〜11のアルキル基、R2 はエチル基、Xはブロム原子
    である請求項1記載のピリジニウム型イオン性化合物誘
    導体。
  3. 【請求項3】 下記の第1工程乃至第4工程からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のl,3−ジオキサン環の
    基本構造をもつピリジニウム型イオン性化合物誘導体の
    製造方法。 (a)式:R1 X(式中、R1 、Xは前記と同義であ
    る)で示される化合物と、式 【化2】 (式中、R3 は炭素数1〜3の低級アルキル基を表わ
    す)で示される化合物を反応させて、一般式(II) 【化3】 (式中、R、R3 は前記と同義である)で示される化
    合物を合成する第1工程、(b)前記第1工程で得られ
    た一般式(II)で示される化合物を還元して一般式
    (III) 【化4】 (式中、R1 は前記と同義である)で示される化合物を
    合成する第2工程、(c)前記第2工程で得られた一般
    式(III)で示される化合物とピリジン−4−アルデ
    ヒドとを反応させて、一般式(IV) 【化5】 (式中、R1 は前記と同義である)で示される化合物を
    合成する第3工程、(d)前記第3工程で得られた一般
    式(IV)で示される化合物と式:R2 X(式中、
    2、Xは前記と同義である)で示される化合物とを反
    応させて、一般式(I) 【化6】 (式中、R1 、R2 は前記と同義である)で示される
    l,3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型
    イオン性化合物誘導体を合成する第4工程。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のピリジニウム型イ
    オン性化合物誘導体を有効成分とする液晶物質。
  5. 【請求項5】 下記の一般式(XI) 【化7】 (式中、R1は同種又は異種の炭素数1〜22のアルキ
    ル基、Xはハロゲン原子を表わす。R4は下記の式(X
    II)で示される光学活性基を表わす。 【化8】 但し、Yは炭素数1〜4のアルキル基、mは0〜10の
    整数、nは1〜9の整数、*は不斉炭素原子を表わ
    す。)で示されるl,3−ジオキサン環の基本構造をも
    つピリジニウム型イオン性光学活性化合物誘導体。
  6. 【請求項6】 下記の第1工程乃至第4工程からなるこ
    とを特徴とする請求項5記載のl,3−ジオキサン環の
    基本構造をもつピリジニウム型イオン性光学活性化合物
    誘導体の製造方法。 (a)式:RX(式中、R、Xは前記と同義であ
    る)で示される化合物と、式 【化9】 (式中、Rは炭素数1〜3の低級アルキル基を表わ
    す)で示される化合物を反応させて、一般式(II) 【化10】 (式中、R、Rは前記と同義である)で示される化
    合物を合成する第1工程、(b)前記第1工程で得られ
    た一般式(II)で示される化合物を還元して一般式
    (III) 【化11】 (式中、Rは前記と同義である)で示される化合物を
    合成する第2工程、(c)前記第2工程で得られた一般
    式(III)で示される化合物とピリジン−4−アルデ
    ヒドとを反応させて、一般式(IV) 【化12】 (式中、Rは前記と同義である)で示される化合物を
    合成する第3工程、(d′)前記第3工程で得られた一
    般式(IV)で示される化合物と式:R4X(式中、
    4、Xは前記と同義である)で示される化合物とを反
    応させて、一般式(XI) 【化13】 (式中、R1、R4は前記と同義である)で示されるl,
    3−ジオキサン環の基本構造をもつピリジニウム型イオ
    ン性光学活性化合物誘導体を合成する第4工程。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のピリジニウム型イ
    オン性光学活性化合物誘導体を有効成分とする液晶物
    質。
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