JPH1054670A - 炉構造の形成方法 - Google Patents

炉構造の形成方法

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JPH1054670A
JPH1054670A JP21390096A JP21390096A JPH1054670A JP H1054670 A JPH1054670 A JP H1054670A JP 21390096 A JP21390096 A JP 21390096A JP 21390096 A JP21390096 A JP 21390096A JP H1054670 A JPH1054670 A JP H1054670A
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JP
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quick
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clay
compressed air
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JP21390096A
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Yasushi Ono
泰史 小野
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Asahi Glass Co Ltd
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  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】吹付け施工により、緻密質かつ高強度の耐火層
を提供する。 【解決手段】大型プレキャストブロック1−4を間隔を
置いて配置し、これらの内に自己流動性の坏土を圧送ポ
ンプと、圧送配管で圧送し、吹付けノズルの手前で坏土
中に圧縮空気と急結剤を注入し、吹付け施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた施工性と耐
久性を兼ね備えた溶湯と接触する目的で使用される炉構
造の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、施行作業の省力化という観点から
各種の炉の築炉に不定形耐火物の使用が増大している。
特公昭59−37431では、アルミナセメントおよび
1ミクロン以下の粒径をもつ超微粉を必須成分とする低
水量の不定形耐火組成物を調整し所定形状の型に入れて
成形乾燥して得た高強度かつ緻密なプレキャスト成型品
を、間隔をおいて設置し、これらの大型ブロック間の隙
間に前記組成からなる不定形耐火組成物で振動充填施工
して一体化して形成した炉床または炉壁の構造が開示さ
れている。特公昭59−37431の構造の炉は、アル
ミニウム溶解炉、保持炉などで好適に使用され長期に渡
り安定した耐用が可能であった反面、大型かつ緻密の耐
火煉瓦(ブロック)間の隙間に充填する不定形耐火組成
物(以下、充填用不定形耐火組成物と記す)も緻密質と
することが望ましくは必要である。
【0003】これらの問題を解決するために、流し込ん
で振動施工する充填用不定形耐火組成物として、超微粉
末、アルミナセメントを組合わせたものの使用がなされ
ている。
【0004】しかしながら、耐火炉構造の炉床または炉
壁部にこの組成物を振動施工により実施する場合は、型
枠の取り付け、取り外しが必要であり、これらの手間が
非常にかかるため多大な労力を必要とした、また、高強
度緻密質キャスタブルなどの坏土が非常に固く、ポンプ
圧送などの機械搬送が困難であるため、耐火構造の外で
混練された坏土をバケツにいれて人手により搬送するな
どの多大な労力を要するといった問題を有していた。
【0005】施工性が優れている充填用不定形耐火組成
物として吹付け材を使用し、煉瓦間に吹付け施工し、一
体化構造を形成することも考えられるが、従来の吹付け
施工方法ではやはり緻密質の一体化炉構造を形成するこ
とは難しかった。
【0006】すなわち、従来の吹付け施工方法はいわゆ
る乾式または半乾式の吹付け施工方法であり、流動性の
ない坏土、すなわち乾いた不定形耐火物用粉体組成物ま
たは不定形耐火物用粉体組成物に流動性を呈さない量の
水分を混合して湿った坏土を圧縮空気をキャリアとして
配管で施工現場に搬送し、吹付けノズルで不定形耐火物
が必要とする水分または不足している水分を注入して吹
付けノズルから吹付け施工している。
【0007】しかし、このような方法では不定形耐火物
用粉体組成物の坏土中の細かい例えば0.1mm以下
の、耐火性粉末の粒子の分散状態と濡れが不充分な状態
で吹付け施工されるため、吹付け施工された不定形耐火
物の坏土中には多くの空気が取り込まれ、その結果吹付
け施工された不定形耐火物の施工体は流し込み施工され
た不定形耐火物の施工体と比べ気孔率が大きく(嵩比重
が小さく)なり、その気孔率が大きい分、耐食性などの
耐火物特性が劣るため、溶湯と接触する目的の耐火炉構
造では使用されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた前述の課題を解決し不定形耐火物を利
用した施工に際して一層の省力化が可能で、周囲への粉
塵の飛散が少なく、かつ施工体である炉構造の気孔率を
小さくできることでその嵩比重が大きく、耐火物として
の特性に優れ溶湯と接触する部位での使用も可能な耐火
炉構造の形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、所定形状をもつ複数の定
形耐火物を間隔を置いて設置し、これらの定形耐火物間
の間隙に、耐火性骨材、耐火性粉末および分散剤を含む
不定形耐火組成物に、水を加えて混練した自己流動性を
有する坏土を、圧送ポンプと圧送配管によって施工現場
に圧送し、圧送配管の下流部に設けた圧縮空気注入口お
よび急結剤注入口からそれぞれ圧縮空気と所要量の急結
剤を坏土中に注入し、注入した圧縮空気とともに急結剤
が混入した坏土をノズル配管によってその先端に接続し
た吹付けノズルに送り、吹付けノズルから坏土を吹付け
施工し、定形耐火物と一体化してなることを特徴とする
炉構造の形成方法を提供するものである。
【0010】本発明の典型例をまず図1、2を参照して
説明する。
【0011】図1の耐火炉構造は、円筒形状や箱形形状
などさまざまであるが、基本的には炉底部1、側壁部
2、天井部3からなっており図示しない鉄皮のケーシン
グの内側に耐火物を築炉して耐火炉構造としたものであ
る。なお、10は装置を稼働したときの熔融金属液面を
示している、なお、原料の挿入口、熔融原料の取り出し
口、加熱用バーナー、バーナー排ガスの煙道等の付帯機
能は図示していない。
【0012】ここで炉底部1は、本発明方法により形成
された炉構造を示している。すなわち、炉底部1は断熱
キャスタブル層1−1を振動をかけながら流し込み施工
し(以下では振動施工と記す)、耐火キャスタブル層1
−2を振動施工し、ついで、耐火キャスタブル1−2の
上に複数のプレキャストブロック1−4(高強度緻密質
キャスタブルを予め少量の水とともに混練して坏土と
し、この坏土を所定形状の型にいれて乾燥成形したも
の)を間隔を置いて配置し、プレキャストブロック1−
4の隙間に吹付け施工体1−3を吹付け施工して一体化
したものである。ここで、炉底部1の形状は平面だけで
なく球面形状など熔融金属を保持するのに適した形状で
設計できる。
【0013】図1において、側壁部2および天井部3
は、断熱キャスタブルを振動施工して断熱層2−1を築
炉し、耐火キャスタブル2−2を振動施工し、最後に熔
融金属の上面10に接する部分の高強度緻密質キャスタ
ブル2−3および2−3の上部に位置し熔融金属に接し
ない高強度緻密質キャスタブルもしくは耐火キャスタブ
ル2−4をそれぞれ振動施工した例を示している。
【0014】なお、図1によれば本発明により形成され
た炉構造は、炉底部のみであるが、本発明は炉底部ばか
りでなく、炉壁部の形成場合によっては炉天井の形成に
も適用しうるものである。また、本発明の適用は炉底
部、炉壁部、天井部の所望の一部であってもよいし、全
体であってもよい。
【0015】図2は、図1の複数の定形耐火物であるプ
レキャストブロック1−4の間を本発明吹付け方法によ
ってその間隙を充填一体化して形成した溶湯と接触する
炉底部を上からみた状態を示したものである。
【0016】本発明はこのような緻密質でかつ大型の定
形耐火物(ブロック)を使用した施工性のよい炉構造の
形成を生かすべく、それらの間に充填されるべきいわば
緻密質目地をもたらしうる充填用不定形耐火物の吹付け
施工方法に大きな特徴をもたせたものである。
【0017】本発明において、間隙を置いて設置する定
形耐火物としては、従来から使用されているプレス成形
による耐火煉瓦を含み、どのようなものであってもよい
が、望ましくは本発明の吹付け方法を適用することによ
る利点を最大限に生かすためには、大型で緻密質のもの
を使用することである。
【0018】大型で緻密質の定形耐火物は、所定の不定
形耐火組成物を少量の水とともに混練して坏土とし、こ
の坏土を所定形状の型に入れて成形乾燥することにより
容易に得られるプレキャストブロックが高強度緻密質で
あり有用である。
【0019】プレキャストブロックは、通常、炉内に面
した表面積(形状は通常3〜6角形程度の方形である
が、円形、多角形であっても何ら差し支えはない)とし
て500cm2 以上、望ましくは1500cm2 以上の
ものとして使用することにより、所期の施工性改善、耐
久性向上などに顕著な効果が得られるものである。さら
に、プレキャストブロックは、その厚さ方向の側壁に予
め凹溝を有していることが好ましく、特に顕著な効果と
しては緻密質吹付施行した層が凹溝に入り込んだ形でよ
り強い一体構造を形成するので、たとえプレキャストブ
ロックとの境界部などに亀裂が生じても溶湯の浸透を防
ぐことが容易である。
【0020】また、本発明では緻密質の一体化炉構造を
形成できるものであるため、プレキャストブロック等の
定形耐火物としても、2.2以上の嵩比重と15%以下
の見掛け気孔率をもち、かつ冷間での圧縮強度から50
0kg/cm2 以上の物理的性質をもつものを使用する
ことが有効である。
【0021】なお、プレキャストブロック等の定形煉瓦
間の間隔は50mm以上、望ましくは75mm以上であ
ることが好ましく、緻密質吹付施行による充填を良好に
実施することができ、50mm以下では吹付けた施行内
部に空気がとりこまれで欠陥を生成しやすくなるため好
ましくない。
【0022】以下、本発明における吹付け施工の特徴に
ついて詳しく説明する。
【0023】本発明の吹付け施工方法の主な特徴は、自
己流動性を有する不定形耐火物の坏土を圧送ポンプと圧
送配管によって施工現場に圧送する点にある。この方法
によれば、予め所要の水分と混合してある不定形耐火物
の坏土を圧送ポンプと圧送配管によって施工現場に送る
ことができ、予め所要の水分を混合することによって坏
土中の水の分布が均等であり、圧縮空気を注入するまで
の坏土中には粒子の周囲に随伴する空気がほとんどな
く、坏土にキャリアーである圧縮空気を注入した時に巻
き込まれる気泡も、そのほとんどが吹付け施工時に坏土
から放出され、その結果として気孔率が小さく嵩比重の
大きい不定形耐火物の施工体が得られる。
【0024】本発明の吹付け施工方法では、圧縮空気の
ほかに所要量の急結剤が坏土中に注入され、ノズル配管
を経て吹付けノズルから断熱層を有する施工箇所に吹付
けられた坏土は注入後急速に流動性が低下する。このた
め、断熱層に必要以上の水分が吸収されないばかりか、
例えば垂直な壁面に坏土を吹付け施工しても、吹付けら
れた壁面から流れ落ちたりせず施工できる。また、ノズ
ル配管の先に吹付けノズルが接続されていることによっ
て吹付けノズルに接続する配管は一本で済み、吹付けノ
ズルの上下左右への移動操作は容易である。また、好ま
しくはノズル配管をフレキシブルな配管としノズル配管
を屈曲しやすくすることで人手による吹付け施工を容易
にすることができる。
【0025】急結剤の注入箇所は、圧縮空気の注入口の
下流または圧縮空気の注入口と同位置とするのが好まし
い。急結剤を注入後の坏土は急速に硬化を起こした状態
でノズル配管を通って、吹付けノズルに送られ吹付けノ
ズルから吹付け施工される。急結剤を注入後の坏土は、
ノズル配管を通過中に乱流の撹拌を受け、坏土中により
よく分散され、その結果坏土に注入する急結剤の所要量
を減少できる。ノズル配管の長さは、好ましくは100
mm以上とすることで乱流撹拌の効果が得られる。
【0026】ノズル配管を設けなかったり、吹付けノズ
ル部に急結剤注入口を設けると急結剤の分散不良や急結
不良をおこし、吹付け後の坏土にダレ落ちが生じたり、
これを防止するために多量の急結剤を注入すると吹付け
ノズル部での閉塞を起こしたり、耐火物性能の低下を引
き起こすため好ましくない。
【0027】圧送配管およびノズル配管は、人手によっ
て吹付けた位置の移動を行うが、ポンプへの圧送負荷を
低下させるために配管は50A以上(JIS−G345
2による、以下同様)が好ましく配管中が坏土で満たさ
れるとかなりの重量となる。
【0028】ここで急結剤の注入箇所を圧縮空気の注入
口の下流、さらに好ましくは1m以上下流に設けること
で圧縮空気の注入口より、下流の配管内の坏土は、空送
状態になるため、配管重量が軽くなり人手によるハンド
リングが容易となる。
【0029】急結剤の注入箇所を圧縮空気の注入口と同
位置にすると、急結後の坏土の空送負荷区間は、ノズル
配管部のみでよく、注入する空気量を低下できるため、
特に低水量で施工されるので吹付け施工時に発生する粉
塵量を低下することができる。ここで、ノズル配管より
上流の圧送配管は、坏土で満たされて重くなるため、5
0A前後とするのが好ましい。
【0030】急結剤の注入箇所を圧縮空気の注入口と同
位置にする場合の好ましい態様としては、坏土に注入さ
れる圧縮空気の一部または全部を使用し、急結剤が注入
される。特に坏土に注入される圧縮空気の全部を急結剤
の注入に使用した場合には、圧縮空気は急結剤と一緒に
共通する配管によって坏土に注入されるので、圧縮空気
を坏土に注入するそれ独自の配管が省ける。
【0031】本発明では、坏土の流動性を約20℃の室
温下でコーン型を用いて評価することが好ましい。すな
わち、粉体組成物に約20℃の水を加えて混練した直後
の坏土を、上端内径50mm、下端内径100mm、高
さ150mmで上下端が開口した円錐台形状のコーン型
に混練直後の坏土を流し込んで満たし、コーン型を上方
に抜き取って60秒間静置したときの広がり直径(2方
向の広がりを測定した平均値、以下フロー値という)で
表示する。
【0032】坏土はフロー値が165mm以上あれば自
己流動性を呈する。しかし、圧送ポンプと圧送配管で混
練された坏土を施工現場へ容易かつ安定して送れること
が必要であり、圧送ポンプで圧送する坏土のフロー値は
180mm以上、さらには200mm以上とすることが
好ましい。フロー値が大きな坏土を使用すれば、圧送ポ
ンプの吸い込み抵抗と圧送配管内の流動抵抗を小さくで
き、圧送配管の直径を小さくできかつ坏土の長路圧送が
実現できる。
【0033】本発明はこのような吹付け方法により定形
耐火物間隙を充填するものであるため、定形耐火物と同
様の緻密質とすることができる。すなわち、吹付けであ
っても、嵩比重2.2以上、見掛け気孔率15%以下が
可能であり、定形耐火物と一体化した望ましい炉構造を
形成できる。
【0034】本発明の耐火炉構造の形成方法で使用され
る不定形耐火組成物は、耐火性骨材、耐火性粉末および
少量の分散剤を含む。
【0035】耐火性骨材としては、アルミナ、ボーキサ
イト、ダイアスポア、ムライト、バン土頁岩、シャモッ
ト、ケイ石、パイロフィライト、シリマナイト、アンダ
リュサイト、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジル
コニア、ジルコン、クロミア、窒化珪素、窒化アルミニ
ウム、炭化珪素、炭化硼素、黒鉛などの炭素、硼化チタ
ンおよび硼化ジルコニウムから選ばれる1種以上が好ま
しく使用できるがこれに限定されることなく公知の金属
酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属硼化物等および
これらの複合物を適宜使用することができる。
【0036】耐火性粉末としては、アルミナセメント、
アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ム
ライト、バン土頁岩、シャモット、ケイ石、パイロフィ
ライト、シリマナイト、アンダリュサイト、クロム鉄
鉱、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、ク
ロミア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、炭化
硼素、硼化チタン、硼化ジルコニウムおよびヒュームド
シリカ等の無定型シリカから選ばれる1種以上であって
平均粒径が30μm以下のものが好ましい。
【0037】これらの耐火性粉末の一部として、アルミ
ナやヒュームドシリカ等の平均粒径が10μm以下、好
ましくは5μm以下の超微粉を用いるのが好ましい。ア
ルミナやヒュームドシリカの超微粉を用いると、組成物
に混合する水分量を減少でき、かつ混練された坏土に良
好な流動性を付与できる。
【0038】また、耐火性粉末の一部にアルミナセメン
トを使用すると、アルミナセメントが流し込み用耐火物
の結合に寄与し、その施工体は常温から高温まで広い範
囲において実用性のある強度を付与できる。
【0039】混練坏土に流動性を付与するために使用す
る分散剤としては、ポリメタリン酸塩類、ポリカルボン
酸塩類、ポリアクリル酸塩類およびβナフタレンスルホ
ン酸塩類から選ばれる1種以上が好ましく使用できる。
分散剤は、組成物中の耐火性骨材と耐火性粉末の合量の
100重量部に対して、0.02〜1重量部配合するの
が好ましい。
【0040】組成物に混合する水分量は、組成物に含ま
れる耐火性骨材と耐火性粉末の比重や気孔率によって変
化する。坏土に流動性を付与しうる水分量には下限があ
り、通常、耐火性骨材と耐火性粉末の合量の100重量
部に対して4重量部以上の水分量が必要である。また、
施工後の耐火物の気孔率を小さくして、耐火物としての
良好な物性を確保できるように、組成物に混合する水分
量は、耐火性骨材と耐火性粉末の合量の100重量部に
対して15重量部以下とするのが好ましい。組成物に混
合する水分量が多いと耐火性骨材が沈降する傾向を生
じ、施工された耐火物が不均質化しやすい。
【0041】坏土に注入する急結剤としては、水溶液の
急結剤も使用できるが、吹付け施工する坏土中の水分量
を必要最低限にとどめて良好な耐火物特性を確保するた
め、好ましくは粉末を使用する。粉末の急結剤は、好ま
しくは圧縮空気をキャリアーとして急結剤注入口から坏
土中に注入する。水溶液の急結剤を坏土に注入するとき
はなるべく濃い水溶液を使用するのが好ましい。急結剤
は、均一に分散するように圧縮空気をキャリアーとして
坏土中に注入するのが好ましい。
【0042】急結剤としては、アルミン酸ナトリウム、
アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム等のアルミ
ン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリ
ウム、重炭酸カリウム等の炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫
酸カリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩、CaO ・Al2O
3 , 12CaO ・7Al2O3 , CaO・2Al2O3 , 3CaO・Al2O3,
3CaO ・3Al2O3・CaF2 , 11CaO・7Al2O3・CaF2等のカル
シウムアルミネート類、酸化カルシウム、水酸化カルシ
ウムおよびこれらの複合物または混合物から選ばれる1
種以上が使用できる。
【0043】急結剤の所要量は、急結剤の種類によって
ある程度変化するので、急結剤の種類と、急結剤を注入
した後のノズル配管の長さなどによって注入量を調節す
るのが好ましい。
【0044】急結剤の注入量は、水と分散剤を除く粉体
組成物100重量部に対して、乾燥基準の重量で0.0
5〜3重量部とするのが好ましい。0.05重量部より
少ないと、性能のよい急結剤であっても急結速度が不足
して吹付け施工された坏土が流れ落ちることになり、3
重量部をこえて多く注入すると急速に硬化して吹付け施
工が難しくなったり、耐熱性や耐食性などの耐火物とし
ての性能が低下することになる。
【0045】圧送ポンプとしては、市販品を入手できる
ことから、ピストン式またはスクイーズ式の圧送ポンプ
を使用するのが好ましい。スクイーズ式とは、弾性を有
するチューブをローラーでしごいて坏土を圧送するポン
プ等をいう。これらの圧送ポンプとしては圧送する坏土
の脈動が小さくなるように、好ましくは複数のチューブ
または複数のピストンを備えた圧送ポンプを使用するの
が好ましい。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0047】(例1)耐火性骨材として、Al2O3 ,SiO2
およびFe2O3 の含有量がそれぞれ89重量%、7重量%
および1.3重量%であって、粒径が1.68〜5mm
の粗粒、粒径が0.1〜1.68mmの中粒および粒径
が0.02〜0.1mmで平均粒径が0.02mmの粗
粒からなるボーキサイト質骨材を使用した。
【0048】(例2、3)耐火性骨材として、Al2O3
SiO2およびFe2O3 の含有量がそれぞれ43重量%、53
重量%および0.9重量%であって、粒径が1.68〜
5mmの粗粒、粒径が0.1〜1.68mmの中粒およ
び粒径が0.02〜0.1mmで平均粒径が0.03m
mの粗粒からなるシャモット質骨材を使用した。
【0049】耐火性粉末として、Al2O3 とCaO の含有量
がそれぞれ55重量%と36重量%で平均粒径が9μm
のアルミナセメント、Al2O3 の純度が99.6重量%で
平均粒径が4.3μmのバイヤーアルミナおよびSiO2
純度が93重量%で平均粒径が0.8μmのヒュームド
シリカを用いた。また分散剤としてP2O5とNa2Oの含有量
がそれぞれ60.4重量%と39.7重量%のテトラポ
リリン酸ナトリウムの粉末を用いた。
【0050】耐火性骨材、耐火性粉末および分散剤を調
合して、各組成物に表1に示す量の水(耐火性骨材、耐
火性粉末は内掛け重量%、他はいずれも外掛け重量%)
を加え、500kg容量のボルテックスミキサー内で3
分間混練して坏土とした。各坏土の流動性は、混練した
各坏土を上端内径50mm、下端内径100mm、高さ
150mmで上下端が開口した円錐台形状のコーン型に
混練直後坏土を流し込んで満たし、コーン型を上方に抜
き取って60秒間静置したときの広がり直径を2方向に
ついて測定し、その平均値をフロー値とした。
【0051】急結剤には、粒径が800μm以下で平均
粒径が約150μmの粉末であってアルミン酸ナトリウ
ム(約20%の結晶水を含む)と炭酸ナトリウムを3:
1の重量比で含むものを用い、表1に示した調合の坏土
を調整し、図3に示す構成の吹付け施工装置を使用し、
吹付け施工を気温20〜25℃の範囲で行った。
【0052】吹付け施工は、図1に示す耐火炉底部を想
定した耐火キャスタブル層1−2に相当する耐火物層の
上に、定形耐火物として450mm×350mm×23
0mm(厚み)の大きさのプレキャストブロック(高強
度緻密質キャスタブルを予め少量の水とともに混練して
坏土とし、この坏土を型に入れて乾燥成形したもので、
嵩比重2.90、見掛け気孔率11.0%、常温での圧
縮強度1200kg/cm2 のもの)を、図2に示すよ
うに450mm×350mm(表面積1575cm3
の面が上面となるように9個を互いに100mmの間隔
を置いて3×3の配置で設置し(周囲にはブロックとの
間隙がやはり100mm開くように枠を取り付けた)こ
れらの間に充填するように行った。
【0053】図3において、31は圧送ポンプ、32
a、32bは圧送配管、33はノズル配管、34は吹付
けノズル、35は急結剤のフィーダー、36はエアーコ
ンプレッサー、37はミキサー、38は施工断熱壁面、
39は吹付け施工された施工体、40は圧縮空気注入
口、41は急結剤注入口、42、43は空気流量の調整
弁である。なお、圧送ポンプとして2つのピストンを備
えるPutzmister社製圧送ポンプBSA702を用い、圧送速度
を混練した坏土で3トン毎時間とし、圧縮空気注入口か
ら4〜6気圧に調整した圧縮空気を注入して吹付けノズ
ルに坏土を供給した。
【0054】また、粉末状急結剤を定量的に坏土に供給
するため、テーブルフィーダーを備える日本プライブリ
コ社製のQガンを用い、空気圧力を3〜4気圧の範囲で
制御して表1に示す急結剤の注入量に調整した。
【0055】なお、上記実施例で使用された吹付け施工
装置では、圧送ポンプ31から圧縮空気注入口の40ま
での圧送配管32aを寸法65Aで長さが30mの鋼管
および65〜50Aに絞った長さ1mのテーパー付き鋼
管を接続したものとし、圧縮空気注入口40から急結剤
注入口41までの圧送配管32bを寸法50Aで長さ3
mのゴムホースとし、急結剤注入口41から吹付けノズ
ル34までのノズル配管33を寸法50Aで長さが1.
2mのゴムホースとして配管の内側に段差ができないよ
うに接続した。また、圧縮空気注入口40と急結剤注入
口41にはそれぞれY字管を取り付けた。
【0056】吹付けノズル34は柔軟なゴムホースに接
続されているのでゴムホースの及ぶ範囲で移動と方向の
変更が容易であるので、吹付けノズル34は手で持って
操作し、壁面38に吹付け施工した。この施工方法では
従来の振動施工出必要な型枠の取り付け、取り外し作業
を全く要せず、極めて短期間に耐火炉構造の構築が可能
であった。さらに吹付け施工時の粉塵発生がほとんどな
く、従来の不定形耐火物の乾式吹付け方法に比較して作
業環境は極めて良好であった。
【0057】このようにして一体成形された施工体の1
110℃で24時間乾燥した目地部より、切り出した試
験片についてJIS−R2205に規定された方法によ
り見掛け気孔率、嵩比重、圧縮強度を測定し、その結果
を表1に示した。また、一体成形された施工体を180
℃まで20℃毎時間、180℃で20時間保持、400
℃まで20℃毎時間、400℃で15時間保持、400
℃以上800℃までを50℃毎時間の条件で加熱乾燥し
たが、一体性は全く損なわれず施工体全体が高強度かつ
緻密な炉底部として充分機能するものであることが確認
された。
【0058】図4に示す吹付け施工装置は、吹付け施工
を実施するために使用できる他の施工装置の例であり、
31は圧送ポンプ、32aは圧送配管、33はノズル配
管、34は吹付けズル、35は急結剤のフィーダー、3
6はエアーコンプレッサー、37はミキサー、38は施
工壁面、39は吹付け施工された施工体、44は圧縮空
気および急結剤注入口、42、43は空気流量の調整弁
である。この場合、急結剤注入口と圧縮空気注入口が同
一箇所となっており、圧送配管32aとノズル配管33
の間に設けられており、空気流量の調整弁42を全開、
43を全閉とすれば、急結剤の搬送用空気のみを使用し
て吹付け施工することも可能であり、吹付け装置の操作
が容易に行えたり、坏土の吹付けに使用する空気の使用
量を低減でき、発生する粉塵量を低減できるなどの優れ
た効果が得られる。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の耐火炉構造の形成方法によれ
ば、従来の振動施工で必要な型枠の取り付け、取り外し
作業を全く要せず、極めて短期間に耐火炉構造の構築が
可能であり、さらに吹付け施工時の粉塵発生がほとんど
なく、従来の不定形耐火物の乾式吹付け方法に比較して
作業環境は極めて良好であった。さらに、本発明の吹付
け施工方法によって得られた断熱層を有する耐火炉構造
は、物性、強度ともに極めて緻密かつ高強度であり、ア
ルミニウム溶解炉、保持炉、銅溶解炉、製鋼用取鍋、脱
ガス炉、加熱炉など種々の熔融金属の溶解炉および保持
炉に適用するに充分な物性を示しており、その工業的な
価値は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で形成された炉構造の典型例を示す縦断
面説明図
【図2】本発明の炉構造を形成するための煉瓦の配置例
を示す説明図
【図3】本発明の炉構造を形成するために使用される装
置の一例の概要図
【図4】本発明の炉構造を形成するために使用される他
の装置の概要図
【符号の説明】
1:炉床部 1−1:断熱キャスタブル層 1−2:耐火キャスタブル層 1−3:吹付け施工体 1−4:プレキャストブロック 2:側壁部 3:天井部 31:圧送ポンプ 32a、32b:圧送配管 33:ノズル配管 34:吹付けノズル 35:急結剤フィーダー 40:圧縮空気注入口 41:急結剤注入口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定形状をもつ複数の定形耐火物を間隔を
    置いて設置し、これらの定形耐火物間の間隙に、耐火性
    骨材、耐火性粉末および分散剤を含む不定形耐火組成物
    に、水を加えて混練した自己流動性を有する坏土を、圧
    送ポンプと圧送配管によって施工現場に圧送し、圧送配
    管の下流部に設けた圧縮空気注入口および急結剤注入口
    からそれぞれ圧縮空気と所要量の急結剤を坏土中に注入
    し、注入した圧縮空気とともに急結剤が混入した坏土を
    ノズル配管によってその先端に接続した吹付けノズルに
    送り、吹付けノズルから坏土を吹付け施工し、定形耐火
    物と一体化してなることを特徴とする炉構造の形成方
    法。
  2. 【請求項2】前記定形耐火物が、炉内に面する表面が5
    00cm2 以上の大型かつ嵩比重2.2以上、見掛け気
    孔率15%以下の緻密質ブロックであって、かつ定形耐
    火物の間隔に吹付け施工された不定形耐火組成物が嵩比
    重2.2以上、見掛け気孔率15%以下である請求項1
    記載の炉構造の形成方法。
  3. 【請求項3】前記定形耐火物間の間隔が50mm以上で
    ある請求項1または2記載の炉構造の形成方法。
  4. 【請求項4】急結剤注入口を圧縮空気入口の下流または
    圧縮空気注入口と同位置に設ける請求項1、2または3
    記載の炉構造の形成方法。
  5. 【請求項5】坏土に注入される圧縮空気の一部または全
    部を使用して急結剤を注入する請求項1、2、3または
    4記載の炉構造の形成方法。
  6. 【請求項6】自己流動性を有する坏土が、上端内径50
    mm、下端内径100mm、高さ150mmで上下端が
    開口した円錐台形状のコーン型に混練直後の坏土を流し
    込んで満たし、コーン型を上方に抜き取って60秒間静
    置したときの広がり直径が180mm以上となる流動性
    を示すものである請求項1記載の炉構造の形成方法。
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