JPH1055557A - 変形可能ミラー - Google Patents

変形可能ミラー

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JPH1055557A
JPH1055557A JP8211777A JP21177796A JPH1055557A JP H1055557 A JPH1055557 A JP H1055557A JP 8211777 A JP8211777 A JP 8211777A JP 21177796 A JP21177796 A JP 21177796A JP H1055557 A JPH1055557 A JP H1055557A
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    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/0816Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements
    • G02B26/0825Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a flexible sheet or membrane, e.g. for varying the focus

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度にミラー面を変形させ、かつ保持する
ことが可能であると共に、変形性を向上でき、結果的に
弾性変形に要するエネルギを低減できる変形可能ミラー
を提供する。 【解決手段】 表面に入射光を反射する反射面を有する
可撓性部材2と、可撓性部材の裏面に対向して配置さ
れ、外周縁部に可撓性部材2の外周縁部に密着してこれ
を支持する平坦部34を有し、かつ平坦部34の内側に
可撓性部材2の弾性変形を許容する空間を形成する凹凸
面3を有する参照面基板とを備えた変形可能ミラー1に
おいて、凹凸面3の断面形状の中心部分35の高さを平
坦部34の高さ以下に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射面の変形が可
能な変形可能ミラーに関し、より詳しくは、例えば記録
再生装置に搭載した場合に、ディスクの厚み(基板厚
み)が異なる複数種類の光ディスク(例えば、ディスク
厚みが1.2mmのCD(コンパクトディスク)とディ
スク厚みが0.6mmのDVD(デジタルビデオディス
ク)の2種類の光ディスク)に対して正確な記録再生動
作が可能になる変形可能ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは多量の情報信号を高密度で
記録することができるため、最近では、オーディオ、ビ
デオ、コンピュータ等の多くの分野において利用が進め
られている。図15は、これらの装置に用いられる光ピ
ックアップの一例を示す。図15に示す光ピックアップ
100において、半導体レーザ101から出射されたビ
ームはコリメーターレンズ102により平行光103に
変換される。平行光103はビームスプリッター104
に入射することにより直進して、4分の1波長板105
を通り、反射ミラー106で光路を90゜曲げられ、対
物レンズ107に入射する。対物レンズ107に入射し
た光は絞り込まれ、回転モータ113によって回転自在
に支持された光ディスク108の情報記憶媒体面上に光
スポット109を形成する。
【0003】光ディスク108で反射された反射光11
0は、再び、対物レンズ107と反射ミラー106及び
4分の1波長板105を通って、ビームスプリッター1
04に入射する。この反射光110は4分の1波長板1
05の作用により、偏光ビームスプリッター104で反
射され、絞りレンズ111を通り、光検出器112に受
光される。光検出器112は、反射光線の光強度を検出
することによって再生信号を検出する。
【0004】ここで、対物レンズ107は光ディスク1
08の厚みを考慮して設計されている。しかしながら、
この設計値と異なる厚みの光ディスクに対しては、球面
収差(以下では単に収差と称する)が生じて結像性能が
劣化し記録や再生が不可能となる。従来CDやビデオデ
ィスク或いはデータ用のISO規格光磁気ディスク装置
等に用いられる光ディスクの厚みは、ほぼ同一規格(約
1.2mm)であった。このため、一つの光ピックアッ
プで種類の異なる光ディスク(CD、ビデオディスク、
光磁気ディスク等)を記録再生することが可能であっ
た。
【0005】ところで、近年、光ディスクのより高密度
化を図るために、 (1)対物レンズの開口数(NA)を大きくして光学的
な分解能を向上させる方法 (2)記録層を多層に設ける方法 が検討されている。
【0006】上記の(1)のように、対物レンズのNA
を大きくすると、集光ビーム径はこれに比例して小さく
なるが、光ディスクの傾きの許容誤差を同程度に収める
ためには光ディスクの基板厚さを薄くする必要がある。
例えば対物レンズのNAを0.5から0.6にすると、
基板厚さを1.2mmから0.6mmに減少させなけれ
ば、同程度の光ディスクの傾き許容誤差を有することが
できない。
【0007】しかしながら、このように光ディスクの基
板厚さを薄くした場合は、基板厚さの薄い光ディスクに
対応する対物レンズを使用して、従来の光ディスクを記
録再生すると、収差が増大して結像点が広がってしま
い、記録再生が困難となる。従って、従来の光ディスク
との間で互換性を保つことができなくなり、光ピックア
ップを2個使い薄型光ディスクと従来型光ディスクを別
々の光ピックアップで記録再生せざるを得なくなる。こ
のため、記録再生装置の装置構成が複雑化すると共に、
コストアップを招来するという難点がある。
【0008】また、上記(2)のように、記録層をある
程度の厚さの透明基板を介して複数設けた多層ディスク
を用いる場合は、1枚のディスクで記録容量を大幅に増
加できる利点がある。
【0009】しかしながら、各記録層で対物レンズから
見た基板厚さが異なるため、上記理由により1つの光ピ
ックアップでは正確な情報の記録再生ができない。
【0010】このような問題点を解決する手段として、
特開平5−151591号公報に開示された変形可能ミ
ラーにより基板厚さを補正する方法が知られている。
【0011】図16は、この変形可能ミラーを用いた記
録再生装置の光学系を示す。図16において、半導体レ
ーザ101から出射されたビーム103はコリメータレ
ンズ102、ビームスプリッター101、4分の1波長
板105を透過し、ビームスプリッター202に到達す
る。ビーム103は、ビームスプリッター202及び4
分の1波長板105を透過して変形可能ミラー200に
達するような偏光で配向している。
【0012】変形可能ミラー200は、ミラー表面が変
形可能に構成されており、光ディスクの基板厚みが厚く
なったときに変形可能ミラー駆動回路203によりミラ
ー表面が変形され、これによりビーム103に基板が厚
くなったことによって発生する収差を打ち消すような収
差を与える。
【0013】このため、この変形可能ミラー200を備
えた記録再生装置によれば、1つの光ピックアップで正
確な情報の記録再生が可能になる。
【0014】さて、変形可能ミラー200によって反射
されたビーム103は4分の1波長板201を通って戻
り、続いてビームスプリッター202で反射されて対物
レンズ107に達する。対物レンズ107に入射した光
は絞り込まれ、光ディスク108の情報記録媒体面上に
光スポット109を形成する。
【0015】光ディスク108で反射した反射光110
は、再び対物レンズ107とビームスプリッター20
2、4分の1波長板201、変形可能ミラー200及び
4分の1波長板105を通って、ビームスプリッター1
04に入射する。この反射光110はビームスプリッタ
ー104で反射して、絞りレンズ111を通り、光検出
器112に受光される。光検出器112は、反射光線の
光強度を検出することによって再生信号を検出する。
【0016】図17は、特開平5−151591号公報
で開示された変形可能ミラー200の具体的な構成を示
す。これは、「”Adaptive optics f
oroptimization of image r
esolution”(Applide Optic
s”,vol.26,pp.3772−3777,(1
987),J.P.Gaffarel等)」に記載され
たものである。
【0017】この変形可能ミラー200は、表面にミラ
ー面300を形成した変形プレート301と、変形プレ
ート301の裏側の数箇所を加圧する圧電アクチュエー
タ302と、変形プレート301、圧電アクチュエータ
302及び変形プレート301を固定するべース基板等
から構成され、各圧電アクチュエータ302に印加する
電圧を変えることにより、変形プレート301上が初望
の量だけ変位し、全体として変形プレート上のミラー面
300を初望の形状に変形させる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図17
に示した従来の圧電アクチュエータ302を用いた変形
可能ミラーでは、駆動電圧が変動すると、その変位も変
動し、特に、各圧電アクチュエータ302間に電圧変動
があると変形ミラー300が所望の面から大きく外れて
しまう。
【0019】また、環境温度の変化によっても熱膨張の
影響によって各圧電アクチュエータ302の加圧力が変
動し、ミラー面300が所望のミラー面から外れてしま
うという問題がある。
【0020】更に、収差補正を行う光ビームの直径は4
mm程度であり、変形可能ミラーの正確な変形形状を実
現するには多数の圧電アクチュエータ302を直径4m
mの中に備える事が必要であり、組み立てが複雑になる
と共に、全体として変形可能ミラーの大きさが大きくな
りなり、光ピックアップの大きさが大きくなってしまう
という問題がある。
【0021】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、環境温度の変動や電気回路の変動の影
響を受けにくく、高精度にミラー面を変形させ、かつ保
持することが可能であると共に、小型で簡単な構造で、
安価に製造可能な変形可能ミラーを提供することを目的
とする。
【0022】本発明の他の目的は、変形性を向上でき、
結果的に弾性変形に要するエネルギを低減でき、記録再
生装置のランニングコスト等を低減できる変形可能ミラ
ーを提供することにある。
【0023】また、本発明の他の目的は、局部的に大き
な応力が発生することがなく、その寿命を向上できる変
形可能ミラーを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の変形可能ミラー
は、表面に入射光を反射する反射面を有する可撓性部材
と、該可撓性部材の裏面に対向して配置され、外周縁部
に該可撓性部材の外周縁部に密着してこれを支持する平
面部を有し、かつ該平面部の内側に該可撓性部材の弾性
変形を許容する空間を形成する曲面部を有する参照面基
板とを備え、該可撓性部材を弾性変形させて該曲面部に
吸着させた場合の該反射面の変形により該入射光に一定
の収差が与えられることを利用して、基板厚さが異なる
複数種類の光ディスクに対して記録再生動作を可能とし
た変形可能ミラーであって、該曲面部の断面形状の中心
部の高さが該平面部の高さ以下に設定されており、その
ことにより上記目的が達成される。
【0025】好ましくは、前記曲面部が平面視円形であ
り、該曲面部の最外周部の半径をr1、該曲面部におい
て必ず一定の収差を発生して前記入射光の収差補償をし
なければならない部分の半径をr2、該曲面部において
一定の収差を発生すべく設計された部分の半径をr3と
した場合に、これら半径r1、r2、r3が下記(1)
式の条件を満足するように r1>r3>r2 …(1) 設定する。
【0026】また、好ましくは、前記曲面部の中心部分
から前記半径r1の位置までの曲面を微分可能な曲面と
する。
【0027】また、好ましくは、前記曲面部の中心部分
から前記半径r1の位置までの断面形状を半径r1/2
の位置で左右対象となる形状にする。
【0028】また、好ましくは、前記曲面部の前記半径
r3の位置から前記半径r1の位置までの断面形状を、
該半径r3の位置で微分可能な円弧で形成する。
【0029】また、好ましくは、前記曲面部の前記半径
r3の位置から前記半径r1の位置までの曲面の断面形
状を、その最深部の深さをdとした場合に、曲率半径R
が下記(2)式を満足し R={(rl−r3)2+d2}/(2d) …(2) 又はその±20%の値で表される円弧で形成する。
【0030】また、好ましくは、前記可撓性部材をNi
又はSiを含む膜材料で形成する。
【0031】以下に、作用を説明する。
【0032】上記構成の変形可能ミラーにおいては、参
照面基板の曲面部の断面形状に倣って可撓性部材、つま
りこの表面に形成された反射面が変形する。このため、
曲面部の形状精度を高く維持しておけば、反射面の変形
形状を精度よく決定できるので、収差補正を精度よく行
うことができる。
【0033】加えて、参照面基板の曲面部の形状は、指
定された収差を補正できるものであれば良いが、曲面部
の断面形状の中心部の高さをその外側の平面部(平坦
部)の高さ以下に設定する構成によれば、中心部が平面
部の周りよりも上方に突出することがないので、無変形
時に平面ミラーとなることが可能である。即ち、このよ
うな構成によれば、収差を発生しない平面ミラー状態と
収差補償が可能な変形ミラー状態の双方を実現できるの
で、ディスク厚みの異なる2種類の光ディスクに対する
記録再生動作を正確に行うことが可能になる。
【0034】また、本発明が対象とする変形可能ミラー
は、例えば記録再生装置に搭載されるが、この場合に、
収差補償を要する領域は可撓性部材の中心部から対物レ
ンズのNAに相当する領域であればよい。そのような領
域は、上記(1)式の条件を満たす領域である。このよ
うな構成によれば、収差補償領域の外側の周縁部を変形
しやすい任意の形状に定めることができるので、変形に
要するエネルギを低減できる。
【0035】ここで、本発明が対象とする変形可能ミラ
ーは、後述するように、例えば可撓性部材の一部を形成
する上部電極層と参照面基板に形成される下部電極層と
の間に駆動回路により電圧を印加することにより弾性変
形される。このため、弾性変形に要するエネルギ、つま
り駆動電圧を低減することが可能になる。この結果、記
録再生装置のランニングコストの低減に寄与できる。
【0036】また、曲面部の中心部分から半径r1の位
置までの曲面を微分可能な、つまり滑らかに連続した曲
面とする構成によれば、この曲面に倣って弾性変形され
る可撓性部材の変形性を向上できると共に、変形時に局
部的に過大な応力が発生することがないので、その寿命
を向上できる。
【0037】また、曲面部の中心部分から半径r1の位
置までの断面形状を半径r1/2の位置で左右対象とな
る形状に形成する場合も、可撓性部材をスムーズに変形
でき、その変形性を向上できる。
【0038】同様に、曲面部の半径r3の位置から半径
r1の位置までの曲面の断面形状を、r3の位置で微分
可能な円弧で形成する場合も、可撓性部材をスムーズに
変形でき、その変形性を向上できる。
【0039】また、曲面部の前記半径r3の位置から前
記半径r1の位置までの曲面の断面形状を、その最深部
の深さをdとした場合に、曲率半径Rが下記(2)式を
満足し R={(rl−r3)2+d2}/(2d) …(2) 又はその±20%の値で表される円弧で形成する構成に
よれば、円弧で接続した分、この部分をスムーズに変形
できるので、変形性を向上できる。また、局部的に過大
な応力が発生しないので、可撓性部材の寿命を向上でき
る。
【0040】また、可撓性部材をNi又はSiを含む膜
材料で形成する構成によれば、可撓性部材の変形性を向
上できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき具体的に説明する。
【0042】(実施形態1)図1〜図8は本発明の実施
形態1を示す。まず、図1〜図4に従い本発明変形可能
ミラーの概略構成について説明する。但し、図1は変形
可能ミラーの平面図、図2は図1のX−X線による断面
図、図3は変形可能ミラーの底面図、図4はその分解斜
視図を示す。
【0043】この変形可能ミラー1は、シリコン基板5
0、このシリコン基板50の裏面側に取り付けられた可
撓性部材2及びその下方に配置された参照面基板6を有
する基本構成になっている。ここで、シリコン基板50
は内側が正方形状に開口53された枠体状に形成されて
いる。この開口部53の中心はシリコン基板50の形状
中心から図上左側に少し偏位している。
【0044】可撓性部材2は、図4に示すように、平面
視前記開口部53よりも少し大形の正方形状をなし、そ
の外周縁部がシリコン基板50の平坦になった外周縁部
に固着されている。より具体的には、シリコン熱酸化膜
51aを介してシリコン基板50の外周縁部に固着され
ている。なお、可撓性部材2は引張応力が付加された状
態でシリコン基板50に固着されている。
【0045】ここで、図2に示すように、可撓性部材2
は上部電極層8とその上に積層された反射膜10で構成
されている。上部電極層8は、例えば8μm程度の厚み
を有するNi膜で作製されている。また、反射膜10
は、例えば1μm程度の厚みを有するAu、Al等の薄
膜で作製されている。
【0046】なお、反射膜10を無くして上部電極層8
の表面をそのまま反射面として利用する実施形態をとる
ことも可能である。このような構成によれば、部品点数
を削減でき、製造コストの低減に寄与できる利点があ
る。
【0047】参照面基板6は、図4に示すように円筒状
をなし、例えばガラスモールド法で作製されている。参
照面基板6の表面、即ち可撓性部材2と対向する表面に
は、下部電極層12、配線部55、配線パッド56及び
スペーサ層54が形成され、これらの上に絶縁層9が形
成されている(図2参照)。ここで、下部電極層12、
配線部55及び配線パッド56は連設されている。
【0048】図2等に示すように、参照面基板6の表面
の外周縁部は平坦になっており、その内側には凹凸部
(曲面部)3が形成され、ここに上記下部電極層12が
形成されている。また、平坦になった外周縁部の外周端
には面取り部59が設けられており、平坦部に配線部5
5が形成され、面取り部59に配線パッド56が形成さ
れている。この面取り部59には絶縁層9は設けられて
いない。従って、面取り部59上の配線パッド56には
絶縁層9は付着していない(図2参照)。
【0049】下部電極層12とスペーサ層54は、例え
ば1μm程度の厚みを有するAlで作製され、絶縁層9
は、例えば1μm程度の厚みを有する酸化シリコンで作
製されている。
【0050】ここで、上記の配線パッド56は、下部電
極層12へ電圧を印加するための配線部55と後述する
下部電極用パッド58とを電気的に接続するために設け
られている。なお、配線部55及び配線パッド56は下
部電極層12と同じ厚み・材料で形成されている。
【0051】可撓性部材2が固着されたシリコン基板5
0と、下部電極層12と絶縁層9が設けられた参照面基
板6は、シリコン基板50側の上部電極層8と参照面基
板6側の下部電極層12が互いに対向するように接着剤
で接着されている(図2参照)。より具体的には、平坦
になった外周縁部同士が密着して接着されている。可撓
性部材2は、スペーサ54上の絶縁層9の上面と下部電
極層12、配線部55上の絶縁層9の上面で同じ高さで
接触し、平面性を維持する。
【0052】前記接着剤には、例えば導電性のエポキシ
系接着剤が用いられ、図2に示すように接着剤57aと
接着剤57bで固定される。また、図2に示すように、
接着剤57aは参照面基板6の面取り部59上の配線パ
ッド56と、シリコン基板50の裏面上に熱酸化膜51
aを介して設けられた下部電極用パッド58とを電気的
に接続する機能も兼ねている。
【0053】参照面基板6の面取り部59は、シリコン
基板50と参照面基板6が接着された時に配線パッド5
6を外部に露出させるとともに、接着剤57a、57b
がこの面取り部59に入り込むことにより、接着の信頼
性を向上させ、かつ配線パッド56と下部電極用パッド
58との電気的な接続を確実にする機能を有する。
【0054】可撓性部材2の露出部分2b(図3参照)
と下部電極用パッド58は、例えば半田等の手段により
駆動回路7に接続されている。これにより、駆動回路7
は可撓性部材2の露出部分2bと下部電極層12との間
に電圧を印加したり、印加を中止したりする。
【0055】具体的には、可撓性部材2の反射膜10に
入射する光ビームに収差を与えることなく反射させる場
合には、駆動回路7は電圧を印加しない。この結果、可
撓性部材2は付加された引張応カの作用で平坦のまま維
持されるため、入射してくる光ビームに収差を与えず、
そのまま反射させる。これに対して、入射する光ビーム
に収差を与えるときは、駆動回路7は上部電極層8と下
部電極層12の間に電圧を印加する。これにより、両者
間には静電気力が作用するので、可撓性部材2は参照面
基板6側に変形し、結果的に凹凸面3に吸着し、入射し
てくる光ビームに所定の収差を与える。
【0056】次に、図5及び図6に従い本発明変形可能
ミラーを記録再生装置に搭載した場合の動作について説
明する。なお、ここではディスク厚みが0.6mm(例
えば、DVD)とl.2mm(例えば、CD)の2種類
の光ディスクに対応できる記録再生装置を例にとって説
明する。
【0057】光ピックアップの光源である半導体レーザ
ー500から出射されたビーム504は、コリメータレ
ンズ502、ビームスプリッター503、4分の1波長
板505を通過して、ビームスプリッター506に到達
する。続いて、このビーム504は直進してビームスプ
リッター506及び4分の1波長板507を通過し、変
形可能ミラー1に達する。
【0058】そして、この変形可能ミラー1で反射され
た光が、4分の1波長板507を通過し、ビームスプリ
ッター506で反射され、この反射光が対物レンズ50
8に入射する。そして、対物レンズ508に入射したビ
ームは集光されて光ディスク509を照射する。この対
物レンズ508は、ディスクの厚みが0.6mmの光デ
ィスクに対応するようにその焦点距離、NA等が設定さ
れている。
【0059】ここで、上記のように、本実施形態の記録
再生装置では、ディスク厚みが1.2mmの光ディスク
とディスク厚みが0.6mmの2種類の光ディスクに対
して正確な記録再生動作が可能になっており、これは変
形可能ミラー1の状態を、装着された光ディスク509
の厚みに応じて変化させることにより実現されるように
なっている。即ち、変形可能ミラー1の形状を変化さ
せ、これにより対物レンズ508の焦点距離を駆動用モ
ータに支持された光ディスク509に合致したものとす
ることにより実現している。
【0060】より具体的には、ディスクの厚みが1.2
mmの時に、変形可能ミラー1を変形させて、入射光に
収差を与えて、光ディスク509に焦点が合うようにし
ている。なお、この変形可能ミラー1は無変形時には、
平面ミラ一を形成し、この状態ではディスク厚みが0.
6mmの光ディスク509の記録再生動作を行うように
なっている。従って、変形可能ミラー1の変形を行うに
は、前提として光ディスク509の厚みを検知する必要
がある。この厚み検知は、光ディスク509の上側に設
けられた厚み検知装置(基板厚み検知装置)515によ
り行われる。
【0061】この厚み検知は以下のようにして行われ
る。厚み検知装置515は、例えば図6に示すような構
成になっている。即ち、厚み検知装置515は、光源6
00から光ビーム602を光ディスク509に向けて出
射する。光ディスク509の表面で反射された反射光
は、光ディスク509の厚みが0.6mmの場合は光路
604をたどって光位置検出器601に入射する。一
方、光ディスク509の厚みが1.2mmの場合は、光
路603をたどって光位置検出器601に入射する。従
って、この反射光の位置を光位置検出器601で検出す
ることにより、光ディスク509の厚みを検知できるよ
うになっている。この検知結果、即ち基板厚み情報は、
システム制御装置516に報じられ、これを受けたシス
テム制御装置516は以下のようにして変形可能ミラー
1を変形させる。
【0062】即ち、システム制御装置516は図5に示
す駆動回路7を動作させる。ここで、システム制御装置
516は光ディスク509のディスク厚みが0.6mm
の場合は、収差補償を行う必要がないので、駆動回路7
を駆動しない。従って、この場合には変形可能ミラー1
は変形せず、平面ミラーとして機能する。
【0063】一方、ディスク厚みが1.2mmの場合に
は、システム制御装置516は駆動回路7を駆動し、こ
れにより変形可能ミラー1が変形される。即ち、変形可
能ミラー1の可撓性部材2を参照面基板6の凹凸面3に
吸着させる。これにより、変形可能ミラー1による反射
光には所定の収差が与えられ、対物レンズ508の焦点
距離をディスク厚み1.2mmの光ディスク509に合
致させる。
【0064】本実施形態1では、このようにディスク厚
みが1.2mmの光ディスクの場合に変形可能ミラー1
を変形させて収差補償しているが、逆にディスク厚みが
0.6mmの光ディスク509の場合に変形可能ミラー
1を変形させる実施形態をとることも可能である。
【0065】但し、ディスク厚みが0.6mmの光ディ
スク509は記録容量が大きいため、ディスク厚みが
l.2mmのCD等の光ディスクを再生する場合より
も、使用する光学部品に高い位置精度が要求される。即
ち、本願発明者等のシミュレーション結果によれば、デ
ィスク厚みが1.2mmの基板を再生するときに収差を
与えた光を入射させた方が光学部品の位置精度が緩くて
済むことが確認された。従って、変形可能ミラー1が平
面ミラーとなっているときに、ディスクの厚みが0.6
mmの光ディスク509を再生し、変形可能ミラー1を
変形させたときに、ディスクの厚みが1.2mmの光デ
ィスク509を再生する方が実施する上で好ましいもの
になる。
【0066】次に、図7及び図8に基づき変形可能ミラ
ー1のミラー面、即ち可撓性部材2の表面が所定形状に
変形することを許容する参照面基板6の凹凸面3の具体
的な断面形状(曲面形状)について説明する。
【0067】ここで、凹凸面3の断面形状については、
この凹凸面3の断面形状に倣って変形する可撓性部材2
のミラー面が、上述した所定の収差を発生するものであ
ればよい。
【0068】図7は所定の収差を発生する凹凸面3の断
面形状をシミュレーションで求めた結果を示す。変形可
能ミラー1が平面ミラーとして働くときは、ミラー面は
深さd=0(μm)の位置に沿った伏態であり、収差補
償ミラーとして働くときは、図7の曲線で示すような凹
凸面3に沿った断面形状になる。
【0069】ここで、対物レンズ508の焦点距離を、
例えば3.3mm、対物レンズ508のNAを、例えば
0.45とし、その範囲を収差捕償するとすると、変形
可能ミラー1としては、3.3×0.45mmで半径約
1.5mmの範囲が光ビームで照射されることになり、
ちょうど図7の範囲全体が収差補償可能な凹凸面3の断
面形状であればよい。
【0070】しかしながら、実際これら全ての断面曲線
で変形可能ミラーを構成するとなると以下の問題が発生
する。
【0071】図8は図7の断面曲線のうち、外周縁部の
平坦部34が中心部35に比べて高いもの(図8(a)
参照)、平坦部34が中心部35より若干高いもの(図
8(b)参照))及び平坦部34が中心部35に比べて
低いもの(図8(c)参照)で、参照面基板6の凹凸面
3を作製し、変形可能ミラー1を構成する場合を例示し
ている。なお、図8(a)、(b)、(c)で示す各曲
線は図7中に記号a、b、cで示す曲線にそれぞれ対応
している。
【0072】まず、凹凸面3を図8(a)に示す断面曲
線で形成する場合は、可撓性部材2の変形量が大きいた
め、変形に比較的大きなエネルギーが必要、即ち駆動回
路7より可撓性部材2の露出部分2bと下部電極層12
との間に印加される駆動電圧が大きくなるという問題が
あるが、変形可能ミラー1構成上の問題は無い。つま
り、正確な収差を発生する上での構造上の問題はない。
【0073】また、図8(b)に示す断面曲線の場合
は、凹凸面3の中心部35が平坦部34の高さに近いほ
ど、比較的小さなエネルギーで変形するという利点があ
るうえ、構造上の問題も無く、理想的である。
【0074】これに対して、図8(c)に示す断面曲線
の場合、即ち凹凸面3の中心部35が平坦部34より高
い場合は、同図(a)、(b)に示す場合と同じような
構成で変形可能ミラー1を作製しようとすると、中心部
35が可撓性部材2の支持部である平坦部34の周り3
3より上方に突出してしまうので、そのままでは、無変
形時に平面ミラーとなることが不可能である。
【0075】このような場合に、凹凸面3の平坦部34
の周り33にスペーサをいれて疑似的に中心部35が平
坦部34より低い状態になるようにすることも可能であ
るが、可撓性部材2が変形する際、平坦部34部分の形
状が、そのスペーサの状態、形態にも左右され、正確な
収差を発生することが困難である。
【0076】よって、凹凸面3の断面形状としては、中
心部35の高さが、平坦部34の高さと同一の高さ、或
いはそれよりも若干なりとも低くなる、つまり平坦部3
4の高さ以下となるような曲線を選択する必要がある。
即ち、本実施形態1では、平坦部34が可撓性部材2の
外周縁部に密着し、かつ平坦部34の内側に形成される
凹凸面3の中心部35の高さが平坦部34の高さ以下と
なるような任意の曲線からなる断面形状を選択対象とし
ているのである。
【0077】但し、中心部35の高さを平坦部34の高
さと全く同一の高さに設定することは、技術的に困難を
伴うので、若干なりとも低く設定するのが、実施する上
で好ましい。
【0078】(実施形態2)図9〜図14は本発明変形
可能ミラーの実施形態2を示す。本実施形態2では、上
記実施形態1とは異なり、可撓性部材2の中心部から対
物レンズ508のNAに相当する範囲内のみ所定の収差
を発生し得るように凹凸面の断面形状を設定する構成を
とっている。
【0079】即ち、上記実施形態1では、図7に示すよ
うに、凹凸面3全体で所定の収差を発生するような使用
方法を想定しているが、必ずしもそういう使用方法をす
る必要は無く、現実には可撓性部材2の中心部から対物
レンズ508のNAに相当する範囲内のみが実質的に収
差補償のために必要な有効領域であるので、本実施形態
2では、この有効領域のみに一定の収差を発生し得る凹
凸面3を形成する構成としている。この凹凸面3の外側
部については上記実施形態1の条件を満たす任意の断面
形状を選択できる。即ち、この外側部については平坦部
よりも低くなる形状であればよい。
【0080】今、焦点距離3.3mmの対物レンズ50
8において、図9に示すように、NA=0.38に相当
する部分を収差補償するための一定の収差を発生する領
域とする場合を仮定する。この場合半径r=3.3×
0.38=1.254mmの部分のみが一定の収差を発
生すればよい。
【0081】図9は、中心部35と平坦部34が同一の
高さの凹凸面3のなかで、シミュレーションにより評価
した凹凸面3の断面形状の代表的なものを示す。
【0082】図9中の記号aは、凹凸面3の全てを使用
することを想定した断面形状であり、図7中に記号eで
示す半径r=1.254mm内に相当する凹凸面形状で
ある。また、図9中に記号bで示される凹凸面3は、図
7中には図示されていないが、図7と同様のシミュレー
ションで算出された曲線(曲面)で、図7中に記号cと
記号dでそれぞれ示される2つの曲線間に存在する曲線
を、その片側断面曲線において、その変曲点にほぼ相当
する半径r=1.31mmの点において左右対称化し
た、断面形状を持つ断面形状である。
【0083】また、図9中に記号cで示す曲線は、同図
中に記号dで示す曲線の片側断面曲線において、その変
曲点にほぼ相当する半径r=1.43mmの点より外周
部を、半径r=2.2mmまで、半径r=1.43の点
において滑らかに連続する円弧で接続した断面形状であ
る。
【0084】また、図9中に記号dで示す曲線は、図7
と同様のシミュレーションで算出された曲線で図7には
図示されないが、図7中に記号cで示す曲線より更に深
いところに存在する曲線である。
【0085】また、図9中に記号eで示す曲線は、図9
中に記号dで示す曲線の片側断面曲線において、その変
曲点にほぼ相当する半径r=1.43mmの点より外周
部を、半径r=2.6mmまで、半径r=1.43の点
において滑らかに連続する円弧で接続した曲線である。
【0086】また、図9中に記号fで示す曲線は、同様
のシミュレーションで算出された曲線で図7には図示さ
れていないが、図7中の記号c及び記号dで示される曲
線より更に深いところに存在する曲線である。
【0087】図10(a)、(b)はこのうち図9中に
記号e、fで示される曲線からなる凹凸面3に関し、各
静電応力に対する変位状態をFEMのシミュレーション
で求めたものである。同図(a)、(b)から明かなよ
うに、変形可能ミラー1の一定の収差を発生するために
凹凸面3に倣って変形する可撓性部材2の変位において
は、中心部分が凹凸面3に沿い易いが、周縁部が沿いに
くいことが判る。
【0088】図11(a)、(b)、(c)は図9中に
記号a、b、cで示される曲線に相当する凹凸面3に関
し、図10のように各静電応カに対する変位状態をFE
Mのシミュレーションで求めたものそれぞれについて、
PV値とrms値を計算してプロットしたものである。
また、図12(a)、(b)、(c)は図9中に記号
d、e、fで示される曲線に相当する凹凸面3に関し、
図10のように各静電応カに対する変位状態をFEMの
シミュレーションで求めたものそれぞれについて、PV
値とrms値を計算してプロットしたものである。
【0089】ここで、PV値は、変形可能ミラー1が収
差捕償する範囲において、変形可能ミラー1、即ち可撓
性部材2が凹凸面3から最も離れた点でのその離間距離
を表し、rms値は変形可能ミラー1が収差捕償をする
範囲において、変形可能ミラー1と参照面の離間距離の
根二乗平均を表し、両方とも数値が低いほど変形性がよ
いことを表している。また、実用的なPV値は約0.0
8μm、rms値は0.01μmである。
【0090】図11及び図12に示すように、一見する
と、変位量が少なくて済む図9中に記号aで示される曲
線からなる凹凸面3形状が必ずしも良い訳でないことが
わかる。その理由は、図10(a)、(b)に示した凹
凸面3の周縁部において、変形可能ミラー1の可撓性部
材2が凹凸面3に接触しにくいためである。
【0091】これらのことより、凹凸面3としては、凹
凸面3の全体を使って一定の収差を発生させ、収差捕償
をするより、むしろ凹凸面3の中心部分より、例えば対
物レンズ508のNAに相当する一定の範囲のみを一定
の収差を発生する収差捕償領域とし、その周縁部は可撓
性部材2が変形し易いように決めるのが好ましい。即
ち、周縁部は変形時にはミラーとして使用しないのが、
変形に必要なエネルギーの観点から好ましいものにな
る。
【0092】よって、上記のシュミレーション結果によ
り、凹凸面の最大外周縁部の半径をr1、必ず一定の収
差を発生して収差補償しなけれぱならない部分の半径、
即ち、例えば対物レンズ508のNAに相当する部分の
半径をr2、凹凸面3が一定の収差を発生すべく設計さ
れた部分の半径をr3とすると、r1>r3>r2の関
係を満たすように、凹凸面3の形状を設計すると、正確
な収差補償を実現した上で、変形可能ミラー1、つまり
可撓性部材2の変形性を向上でき、駆動回路7の駆動電
圧を低減できることが判明した。なお、上記の半径r
1、r2、r3については、図9中に例示してある。
【0093】特に、本実施形態2の図9中に記号bで示
される曲線からなる凹凸面3形状において、r/2の点
より左右対象になる断面形状とすれば、周縁部も中心部
と同様可撓性部材2に接触しやすい形状になり、図11
(b)に示されるごとく、変形に必要なエネルギーが少
なくてすむことがわかる。より具体的には、変形に必要
なエネルギーは、駆動電圧で比較すると図9中に記号b
で示される曲線からなる凹凸面3形状の場合は、同図中
に記号aで示される曲線からなる凹凸面3形状の場合に
比べて、約1/2で済む。なお、駆動電圧の値は、図1
1、図12で示される静電応力の値を換算すれば得られ
る。
【0094】更に、本実施形態2の図9中に記号c、e
で示される曲線からなる凹凸面3形状において、中心部
から周縁部にかけての断面形状を、半径r3から半径r
1にかけての間を、r3の位置において滑らかに、つま
り同一の傾きで連続する円弧で接続する形状とする場合
は、可撓性部材2が凹凸面3の断面形状におけるボトム
部分で接触しやすくなり、図12(a)、(c)に示す
ように、前記の形状よりもさらに少ないエネルギーで変
形可能となる。
【0095】変形に必要なエネルギーは、駆動電圧で比
較すると、図9中に記号cで示される曲線からなる凹凸
面3形状の場合は、同図中に記号aで示される曲線から
なる凹凸面3形状の場合に比べて約2/3で済む。ま
た、図9中に記号eで示される曲線からなる凹凸面3形
状の場合は、同図中に記号aで示される曲線からなる凹
凸面3形状の場合に比べて、約1/2.2で済む。
【0096】なお、本願発明者等のシュミレーション結
果によれば、図9中に記号c、eで示される曲線からな
る凹凸面3の前記円弧部分の曲率半径Rは、下記(2)
式で表される値 R={(rl−r3)2+d2}/(2d) …(2) 又はその±20%の値であれば、変形性を向上できる形
状となることが確認できた。
【0097】上記(2)式の導出過程を図13に基づき
説明する。今、図13に示すように、凹凸面3の中心部
分から半径r1部分までが微分可能で、かつ半径r3〜
r1までが円弧で接続されている場合、即ち半径r3の
位置で連続、かつ微分可能であり、半径r3の部分が最
深部となる曲面を仮定する。
【0098】図13に示す幾何学的関係により、下記
(3)式が成立する。
【0099】 R2=(R−d)2+(r1−r3)2 …(3) この(3)式を展開して、曲率半径Rについて求める
と、R={(rl−r3)2+d2}/(2d)となり、
上記(2)式が求まる。
【0100】なお、上記±20%の根拠は、実際の加工
には約±20%の加工誤差が発生するからである。
【0101】ところで、可撓性部材2の変形性は、可撓
性部材2を形成する、Ni膜等の膜厚や膜材料のヤング
率によって異なる。そこで、本願発明者等は凹凸面3形
状と膜厚及びヤング率との関係について実験した。
【0102】実験結果によれば、同一膜厚、同一ヤング
率であれば、変形に関しての最適な凹凸面3形状は変わ
らないことを確認できた。
【0103】なお、凹凸面3形状としては、図9に示す
曲線からなる凹凸面3を用いた。また、加圧力は100
Paとした。
【0104】また、同一の凹凸面3形状について、膜厚
を変えた実験を行ったところ、図14(a)に示す結果
が得られた。この実験結果によれば、膜厚は10μmが
好ましいことが判明した。
【0105】なお、膜材料としてはNi(ヤング率21
0GPa)を用いた。
【0106】また、同一の凹凸面3形状について、ヤン
グ率の異なる種々の膜を用いた実験を行ったところ、図
14(b)に示す結果が得られた。この実験結果によれ
ば、上記で例示したどのような凹凸面3形状であって
も、膜材料としては、Ni又はSiが好ましいことが確
認できた。
【0107】
【発明の効果】本発明の変形可能ミラーによれば、参照
面基板の曲面部の断面形状に倣って可撓性部材、つまり
この表面に形成された反射面が変形するので、曲面部の
形状精度を高く維持しておけば、反射面の変形形状を精
度よく決定できるので、収差補正を精度よく行うことが
できる利点がある。
【0108】加えて、参照面基板の曲面部の形状は、指
定された収差を補正できるものであれば良いが、本発明
では、曲面部の断面形状の中心部の高さをその外側の平
面部の高さ以下に設定してあるので、中心部が平面部の
周りよりも上方に突出することがない。このため、無変
形時に平面ミラーとなることが可能である。よって、収
差を発生しない平面ミラー状態と収差補償が可能な変形
ミラー状態の双方を実現できるので、ディスク厚みの異
なる2種類の光ディスクに対する記録再生動作を正確に
行うことが可能になる。
【0109】更には、例えば可撓性部材の一部を形成す
る上部電極層と参照面基板に形成される下部電極層との
間に駆動回路により電圧を印加すれば変形可能ミラーを
弾性変形できるので、複数本のアクチュエータで駆動す
る従来例とは異なり、環境の変動等により可動性部材の
変形の均一性が失われることがない。また、駆動系を簡
潔化できる利点もある。
【0110】また、特に請求項2記載の変形可能ミラー
によれば、収差補償領域の外側の周縁部を変形しやすい
任意の形状に定めることができるので、変形に要するエ
ネルギを低減できる。
【0111】ここで、本発明が対象とする変形可能ミラ
ーは、例えば可撓性部材の一部を形成する上部電極層と
参照面基板に形成される下部電極層との間に駆動回路に
より電圧を印加することにより弾性変形される。このた
め、弾性変形に要するエネルギ、つまり駆動電圧を低減
することが可能になる。この結果、記録再生装置のラン
ニングコストの低減に寄与できる利点がある。
【0112】また、特に請求項3記載の変形可能ミラー
によれば、曲面部の中心部分から半径r1の位置までの
曲面を微分可能な、つまり滑らかに連続した曲面にして
あるので、この曲面に倣って弾性変形される可撓性部材
の変形性を向上できると共に、変形時に局部的に過大な
応力が発生することがない。よって、上記同様の効果を
奏することに加えて、可撓性部材の寿命を向上でき、か
つ記録再生装置等の信頼性を向上できる利点がある。
【0113】また、特に請求項4記載の変形可能ミラー
によれば、曲面部の中心部分から半径r1の位置までの
断面形状を半径r1/2の位置で左右対象となる形状に
形成してあるので、その分、可撓性部材をスムーズに変
形できる。よって、この構成によっても、記録再生装置
等に搭載した場合にそのランニングコストの低減に寄与
できる。
【0114】また、特に請求項5又は請求項6記載の変
形可能ミラーによれば、円弧で接続した分、この部分を
スムーズに変形できるので、この点においても変形性を
向上できる。また、局部的に過大な応力が発生しないの
で、可撓性部材の寿命を向上できる。
【0115】また、特に請求項7記載の変形可能ミラー
によれば、可撓性部材をNi又はSiを含む膜材料で形
成する構成をとるので、この点においても可撓性部材の
変形性を向上できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す、変形可能ミラーの
平面図。
【図2】本発明の実施形態1を示す、図1のX−X線に
よる断面図。
【図3】本発明の実施形態1を示す、変形可能ミラーの
底面図。
【図4】本発明の実施形態1を示す、変形可能ミラーの
分解斜視図。
【図5】本発明の実施形態1を示す、本発明変形可能ミ
ラーが搭載された記録再生装置の構成を示すブロック
図。
【図6】本発明の実施形態1を示す、厚み検知装置の検
出原理を説明するための模式図。
【図7】本発明の実施形態1を示す、シミュレーション
で求めた変形可能ミラー用の凹凸面の断面形状を示す
図。
【図8】本発明の実施形態1を示す、(a)、(b)は
本発明が適用される変形可能ミラーを示す略図、(c)
は本発明が適用されない変形可能ミラーを示す略図。
【図9】本発明の実施形態2示す、シミュレーションで
求めた変形可能ミラー用の凹凸面の断面形状を示す図。
【図10】本発明の実施形態2示す、(a)、(b)は
それぞれ別の凹凸面を有する変形可能ミラーの変位量と
半径位置との関係を示す図。
【図11】本発明の実施形態2示す、(a)、(b)、
(c)はそれぞれ別の凹凸面を有する変形可能ミラーの
変位状態を示す図。
【図12】本発明の実施形態2示す、(a)、(b)、
(c)はそれぞれ別の凹凸面を有する変形可能ミラーの
変位状態を示す図。
【図13】本発明の実施形態2示す、凹凸面の円弧部分
における曲率半径の導出過程を説明するための図面。
【図14】本発明の実施形態2示す、(a)は変形可能
ミラーの膜厚依存性を示す図、(b)は変形可能ミラー
のヤング率依存性を示す図。
【図15】従来の光ピツクアップの構成を示すブロック
図。
【図16】従来の変形可能ミラーを使用した光ピックア
ップの構成を示す図。
【図17】従来の変形可能ミラーの構成を示す図。
【符号の説明】
1 変形可能ミラー 2 可撓性部材 3 凹凸面御 6 参照面基板 8 上部電極層 9 絶縁層 12 下部電極層 34 平坦部 35 中心部分 50 シリコン基板 508 対物レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 新吾 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 乾 哲也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に入射光を反射する反射面を有する
    可撓性部材と、 該可撓性部材の裏面に対向して配置され、外周縁部に該
    可撓性部材の外周縁部に密着してこれを支持する平面部
    を有し、かつ該平面部の内側に該可撓性部材の弾性変形
    を許容する空間を形成する曲面部を有する参照面基板と
    を備え、該可撓性部材を弾性変形させて該曲面部に吸着
    させた場合の該反射面の変形により該入射光に一定の収
    差が与えられることを利用して、基板厚さが異なる複数
    種類の光ディスクに対して記録再生動作を可能とした変
    形可能ミラーであって、 該曲面部の断面形状の中心部の高さが該平面部の高さ以
    下に設定されている変形可能ミラー。
  2. 【請求項2】 前記曲面部が平面視円形であり、該曲面
    部の最外周部の半径をr1、該曲面部において必ず一定
    の収差を発生して前記入射光の収差補償をしなければな
    らない部分の半径をr2、該曲面部において一定の収差
    を発生すべく設計された部分の半径をr3とした場合
    に、これら半径r1、r2、r3が下記(1)式の条件
    を満足するように r1>r3>r2 …(1) 設定されている請求項l記載の変形可能ミラー。
  3. 【請求項3】 前記曲面部の中心部分から前記半径r1
    の位置までの曲面が微分可能な曲面である請求項2記載
    の変形可能ミラー。
  4. 【請求項4】 前記曲面部の中心部分から前記半径r1
    の位置までの断面形状が半径r1/2の位置で左右対象
    である請求項2又は請求項3記載の変形可能ミラー。
  5. 【請求項5】 前記曲面部の前記半径r3の位置から前
    記半径r1の位置までの断面形状が、該半径r3の位置
    で微分可能な円弧で形成されている請求項2〜請求項4
    のいずれかに記載の変形可能ミラー。
  6. 【請求項6】 前記曲面部の前記半径r3の位置から前
    記半径r1の位置までの曲面の断面形状を、その最深部
    の深さをdとした場合に、曲率半径Rが下記(2)式を
    満足し R={(rl−r3)2+d2}/(2d) …(2) 又はその±20%の値で表される円弧で形成されている
    請求項5記載の変形可能ミラー。
  7. 【請求項7】 前記可撓性部材がNi又はSiを含む膜
    材料で形成されている請求項1〜請求項6のいずれかに
    記載の変形可能ミラー。
JP21177796A 1996-08-09 1996-08-09 変形可能ミラー Expired - Fee Related JP3420894B2 (ja)

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