JPH1057086A - 高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセリドの製造方法 - Google Patents
高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセリドの製造方法Info
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- JPH1057086A JPH1057086A JP8218512A JP21851296A JPH1057086A JP H1057086 A JPH1057086 A JP H1057086A JP 8218512 A JP8218512 A JP 8218512A JP 21851296 A JP21851296 A JP 21851296A JP H1057086 A JPH1057086 A JP H1057086A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ドコサヘキサエン酸(DHA)モノグリセリ
ドを、従来にない高い含有率で含有した油脂を効率良く
製造する方法を提供する。 【解決手段】 2価陽イオンと水溶性高分子の水溶液に
DHAを含有した油脂を分散させ、これにリパーゼを作
用させた後、分子蒸留により高濃度DHAモノグリセリ
ド画分と高濃度DHAジおよびトリグリセリド画分を採
取し、低濃度DHAモノグリセリドと遊離脂肪酸を含む
画分を再度リパーゼ反応にリサイクルすることによりD
HA純度を上昇させる。 【効果】 得られた高濃度DHAモノグリセリド画分の
モノグリセリド含有率は90%以上、DHA純度は60
%以上であり、健康食品、栄養強化食品、および医薬品
原料等としてきわめて有用である。
ドを、従来にない高い含有率で含有した油脂を効率良く
製造する方法を提供する。 【解決手段】 2価陽イオンと水溶性高分子の水溶液に
DHAを含有した油脂を分散させ、これにリパーゼを作
用させた後、分子蒸留により高濃度DHAモノグリセリ
ド画分と高濃度DHAジおよびトリグリセリド画分を採
取し、低濃度DHAモノグリセリドと遊離脂肪酸を含む
画分を再度リパーゼ反応にリサイクルすることによりD
HA純度を上昇させる。 【効果】 得られた高濃度DHAモノグリセリド画分の
モノグリセリド含有率は90%以上、DHA純度は60
%以上であり、健康食品、栄養強化食品、および医薬品
原料等としてきわめて有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドコサヘキサエン
酸を含有する油脂を原料としてリパーゼを作用させ、ド
コサヘキサエン酸を原料油脂よりも高濃度に含有するド
コサヘキサエン酸モノグリセリド含有油脂の製造方法に
関するものである。
酸を含有する油脂を原料としてリパーゼを作用させ、ド
コサヘキサエン酸を原料油脂よりも高濃度に含有するド
コサヘキサエン酸モノグリセリド含有油脂の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドコサヘキサエン酸(以下、DHAと略
称することがある)は、ω−3系多価不飽和脂肪酸の一
種で魚油等に多く含まれていることが知られている。D
HAには血小板凝集抑制作用、血中中性脂肪低下作用、
血中コレステロール低下作用、制癌作用、脳機能向上効
果等の種々の生理活性機能があることが知られている。
魚油中のDHAの形態は通常トリグリセリドであり、D
HAの含有率は構成脂肪酸中多くても20〜30%であ
り、DHA以外にパルミチン酸、ステアリン酸等の飽和
脂肪酸やリノール酸に代表されるω−6系多価不飽和脂
肪酸のような過剰摂取が問題になっている成分が大量に
含まれているため、魚油そのものを健康食品や医薬品と
して使用することは不都合である。
称することがある)は、ω−3系多価不飽和脂肪酸の一
種で魚油等に多く含まれていることが知られている。D
HAには血小板凝集抑制作用、血中中性脂肪低下作用、
血中コレステロール低下作用、制癌作用、脳機能向上効
果等の種々の生理活性機能があることが知られている。
魚油中のDHAの形態は通常トリグリセリドであり、D
HAの含有率は構成脂肪酸中多くても20〜30%であ
り、DHA以外にパルミチン酸、ステアリン酸等の飽和
脂肪酸やリノール酸に代表されるω−6系多価不飽和脂
肪酸のような過剰摂取が問題になっている成分が大量に
含まれているため、魚油そのものを健康食品や医薬品と
して使用することは不都合である。
【0003】一方、ドコサヘキサエン酸のエチルエステ
ルの形態としては高純度の物が市販されているが、エチ
ルエステルはグリセリドに比較してヒトの消化器官での
吸収が劣ることが知られている(Larry D.et
al.,Biochemical and Bioph
ysical Research Communica
tions Vol.152,NO1,Page328
−335(1988))。さらに、DHAトリグリセリ
ドは消化器官内で膵臓リパーゼの作用により、モノグリ
セリドと遊離脂肪酸に加水分解されて吸収されることか
ら(原健次著、生理活性脂質EPA・DHAの生化学と
応用、Page124,幸書房(1996))、モノグ
リセリド態のDHAを直接摂取した方が消化吸収の面か
ら有利である。
ルの形態としては高純度の物が市販されているが、エチ
ルエステルはグリセリドに比較してヒトの消化器官での
吸収が劣ることが知られている(Larry D.et
al.,Biochemical and Bioph
ysical Research Communica
tions Vol.152,NO1,Page328
−335(1988))。さらに、DHAトリグリセリ
ドは消化器官内で膵臓リパーゼの作用により、モノグリ
セリドと遊離脂肪酸に加水分解されて吸収されることか
ら(原健次著、生理活性脂質EPA・DHAの生化学と
応用、Page124,幸書房(1996))、モノグ
リセリド態のDHAを直接摂取した方が消化吸収の面か
ら有利である。
【0004】本発明者らは以上の点に着目し、既に油脂
の構成脂肪酸のうちDHAを60%以上含有し、グリセ
リド中モノおよびジグリセリドが80%以上である油脂
を発明している(特開平8−60181号公報)。ま
た、リパーゼを触媒として魚油のエタノリシスを行いD
HA以外の脂肪酸をエチルエステルとして除去し、DH
Aモノグリセリドを製造する方法が報告されている(D
HA高度精製抽出技術開発事業研究報告書(平成4−6
年度)、Page185−200、DHA高度精製抽出
技術研究組合、平成7年11月)。
の構成脂肪酸のうちDHAを60%以上含有し、グリセ
リド中モノおよびジグリセリドが80%以上である油脂
を発明している(特開平8−60181号公報)。ま
た、リパーゼを触媒として魚油のエタノリシスを行いD
HA以外の脂肪酸をエチルエステルとして除去し、DH
Aモノグリセリドを製造する方法が報告されている(D
HA高度精製抽出技術開発事業研究報告書(平成4−6
年度)、Page185−200、DHA高度精製抽出
技術研究組合、平成7年11月)。
【0005】上記の特開平8−60181号公報に記載
の方法は、2価陽イオンと水溶性高分子化合物を溶解し
た水溶液にDHAを含有する油脂を分散し、キャンディ
ダ属由来のリパーゼを作用させてDHAを60%以上含
有するモノ、ジ、トリグリセリドの混合物に関するもの
であり、モノグリセリドを主要成分として含有する油脂
の製造法については触れていない。またエタノリシスに
よる方法は、反応物から液々抽出法と分子蒸留法を用い
てモノグリセリドを取得する方法であるが、そのDHA
含有率は50%程度であり、DHA以外のモノグリセリ
ドがDHAモノグリセリドとほぼ等量含有されているこ
とになり、いまだ満足すべき純度ではない。
の方法は、2価陽イオンと水溶性高分子化合物を溶解し
た水溶液にDHAを含有する油脂を分散し、キャンディ
ダ属由来のリパーゼを作用させてDHAを60%以上含
有するモノ、ジ、トリグリセリドの混合物に関するもの
であり、モノグリセリドを主要成分として含有する油脂
の製造法については触れていない。またエタノリシスに
よる方法は、反応物から液々抽出法と分子蒸留法を用い
てモノグリセリドを取得する方法であるが、そのDHA
含有率は50%程度であり、DHA以外のモノグリセリ
ドがDHAモノグリセリドとほぼ等量含有されているこ
とになり、いまだ満足すべき純度ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、DHAモノ
グリセリドを従来にない高い含有率で含有した油脂を効
率良く製造する方法を提供することを目的とする。
グリセリドを従来にない高い含有率で含有した油脂を効
率良く製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成せんとして鋭意検討した結果、特開平8−601
81号公報に記載の方法に用いたリパーゼ反応を基本技
術として調製された混合グリセリドから、分子蒸留によ
りモノグリセリドを分画する方法をとることによりDH
Aモノグリセリドを従来にない高濃度で含有する油脂の
製造方法を完成するにいたった。
を達成せんとして鋭意検討した結果、特開平8−601
81号公報に記載の方法に用いたリパーゼ反応を基本技
術として調製された混合グリセリドから、分子蒸留によ
りモノグリセリドを分画する方法をとることによりDH
Aモノグリセリドを従来にない高濃度で含有する油脂の
製造方法を完成するにいたった。
【0008】即ち、本発明は下記の通りである。 2価陽イオンと水溶性高分子化合物を溶解した水溶液
にドコサヘキサエン酸を含有する油脂を分散させ、これ
にリパーゼを作用させた後、分子蒸留により高濃度ドコ
サヘキサエン酸ジおよびトリグリセリドを含有する画分
1、高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセリドを含有す
る画分2、遊離脂肪酸と低濃度ドコサヘキサエン酸モノ
グリセリドを含有する画分3に分離し、画分2を目的画
分として回収した後、画分3を再度前記リパーゼ反応に
リサイクルすることを特徴とするドコサヘキサエン酸モ
ノグリセリド高含有油脂の製造方法。 目的画分として回収する画分2のグリセリド中のモノ
グリセリド含有率が90%以上であり、ドコサヘキサエ
ン酸含有率が60%以上である上記に記載のドコサヘ
キサエン酸モノグリセリド高含有油脂の製造方法。
にドコサヘキサエン酸を含有する油脂を分散させ、これ
にリパーゼを作用させた後、分子蒸留により高濃度ドコ
サヘキサエン酸ジおよびトリグリセリドを含有する画分
1、高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセリドを含有す
る画分2、遊離脂肪酸と低濃度ドコサヘキサエン酸モノ
グリセリドを含有する画分3に分離し、画分2を目的画
分として回収した後、画分3を再度前記リパーゼ反応に
リサイクルすることを特徴とするドコサヘキサエン酸モ
ノグリセリド高含有油脂の製造方法。 目的画分として回収する画分2のグリセリド中のモノ
グリセリド含有率が90%以上であり、ドコサヘキサエ
ン酸含有率が60%以上である上記に記載のドコサヘ
キサエン酸モノグリセリド高含有油脂の製造方法。
【0009】本発明の製造方法のブロックフローシート
の例を図1に示す。以下、この図に添って本発明を詳細
に説明する。 (1)2価陽イオン、水溶性高分子化合物を水に溶解
し、苛性ソーダ水溶液を用いてリパーゼ反応の至適pH
に調整する。このときpH緩衝剤を添加しても良い。 (2)上記水溶液を反応の至適温度にコントロールし、
撹拌しながらDHAを含有した油脂および分子蒸留画分
3を添加し、微細油滴として分散させる。 (3)リパーゼを添加し、加水分解反応を開始する。加
水分解で生成する遊離脂肪酸を中和し反応の至適pHを
維持するために苛性ソーダ水溶液を添加する。 (4)反応の進行に伴い原料油脂、生成油脂、遊離脂肪
酸の2価陽イオン塩および水が混在したフロックが形成
され、反応液中を浮遊する。 (5)反応終了後、フロックを公知の濾過方法により反
応液から分離し、水分を含有した湿ケークを得る。 (6)湿ケークに有機溶剤を添加混合し、脂肪酸2価陽
イオン塩を沈澱(抽出残さ)として分離し、モノ、ジ、
トリグリセリドおよび遊離脂肪酸を有機溶剤へ抽出す
る。 (7)有機溶剤抽出液を冷却し、(6)で未析出の脂肪
酸2価陽イオン塩および鑞分(冷却残さ)を析出分離す
る。2価陽イオンは、後述する高温分子蒸留でモノグリ
セリドをジ、およびトリグリセリドへ変化させる触媒と
なり、モノグリセリドの収率低下の原因となるので、本
工程で極力除去しておくことが望ましい。また冷却操作
を(6)で実施し、脂肪酸2価陽イオン塩と鑞分をまと
めて除去しても良いが、一旦抽出残さを分離してから冷
却操作を行った方が沈澱は分離しやすく、沈澱への目的
成分のロスが少なくなる。 (8)2価陽イオン塩を除去した抽出液(あるいは冷却
分別液と呼称しても良い)から有機溶剤を蒸留により回
収する。蒸留残液には微量の有機溶剤を含んだ水相と微
量の有機溶剤を含んだ油相が存在するので、両者を重力
沈降または遠心沈降により分離する。 (9)微量の有機溶剤を含んだ油相から減圧蒸留により
有機溶剤を除去し、さらに残存する極微量の有機溶剤、
水、空気等を真空下で除去する脱ガス操作を行う。 (10)脱ガス油を高温分子蒸留に供し、モノグリセリ
ドと遊離脂肪酸を留分へ、ジおよびトリグリセリドを残
分へ回収する。残分を分子蒸留画分1(画分1ともい
う)と呼称する。この際、脱ガス油に存在する大部分の
ジグリセリドはエステル交換反応によりトリグリセリド
となる。またDHAを含有するグリセリドはDHAを含
有しないグリセリドより沸点が高いために、分子蒸留画
分1のDHA含有率は脱ガス油のDHA含有率より高く
なる。一方、留分のDHA含有率は脱ガス油よりも低く
なる。 (11)(10)の留分を低温分子蒸留に供し、沸点の
差を利用してDHA以外の脂肪酸からなるモノグリセリ
ド(以下、非DHAモノグリセリドと呼称することがあ
る)と遊離脂肪酸を留分へ、DHAモノグリセリドを残
分へ回収する。残分を分子蒸留画分2(画分2ともい
う)、留分を分子蒸留画分3(画分3ともいう)と呼称
する。画分2および画分3をさらに繰り返し分子蒸留す
ることにより理論上はDHA純度とDHA回収率を上げ
ることも可能であるが、より現実的には画分3に移行す
るDHAモノグリセリドと非DHAモノグリセリドおよ
び遊離脂肪酸は再度リパーゼ反応工程にリサイクルして
分離することが好ましい。 (12)画分3は原料油脂と混合してからリパーゼ反応
系に添加しても良いし、原料油脂とは別々に添加しても
良い。あるいは画分3だけを単独にリパーゼ反応を行っ
ても良い。画分3に含有される遊離脂肪酸は直接2価陽
イオン塩となり、非DHAモノグリセリドはリパーゼに
より加水分解されてから2価陽イオン塩となる。DHA
モノグリセリドはリパーゼの作用を受けにくくそのまま
の形でフロックに取り込まれる。
の例を図1に示す。以下、この図に添って本発明を詳細
に説明する。 (1)2価陽イオン、水溶性高分子化合物を水に溶解
し、苛性ソーダ水溶液を用いてリパーゼ反応の至適pH
に調整する。このときpH緩衝剤を添加しても良い。 (2)上記水溶液を反応の至適温度にコントロールし、
撹拌しながらDHAを含有した油脂および分子蒸留画分
3を添加し、微細油滴として分散させる。 (3)リパーゼを添加し、加水分解反応を開始する。加
水分解で生成する遊離脂肪酸を中和し反応の至適pHを
維持するために苛性ソーダ水溶液を添加する。 (4)反応の進行に伴い原料油脂、生成油脂、遊離脂肪
酸の2価陽イオン塩および水が混在したフロックが形成
され、反応液中を浮遊する。 (5)反応終了後、フロックを公知の濾過方法により反
応液から分離し、水分を含有した湿ケークを得る。 (6)湿ケークに有機溶剤を添加混合し、脂肪酸2価陽
イオン塩を沈澱(抽出残さ)として分離し、モノ、ジ、
トリグリセリドおよび遊離脂肪酸を有機溶剤へ抽出す
る。 (7)有機溶剤抽出液を冷却し、(6)で未析出の脂肪
酸2価陽イオン塩および鑞分(冷却残さ)を析出分離す
る。2価陽イオンは、後述する高温分子蒸留でモノグリ
セリドをジ、およびトリグリセリドへ変化させる触媒と
なり、モノグリセリドの収率低下の原因となるので、本
工程で極力除去しておくことが望ましい。また冷却操作
を(6)で実施し、脂肪酸2価陽イオン塩と鑞分をまと
めて除去しても良いが、一旦抽出残さを分離してから冷
却操作を行った方が沈澱は分離しやすく、沈澱への目的
成分のロスが少なくなる。 (8)2価陽イオン塩を除去した抽出液(あるいは冷却
分別液と呼称しても良い)から有機溶剤を蒸留により回
収する。蒸留残液には微量の有機溶剤を含んだ水相と微
量の有機溶剤を含んだ油相が存在するので、両者を重力
沈降または遠心沈降により分離する。 (9)微量の有機溶剤を含んだ油相から減圧蒸留により
有機溶剤を除去し、さらに残存する極微量の有機溶剤、
水、空気等を真空下で除去する脱ガス操作を行う。 (10)脱ガス油を高温分子蒸留に供し、モノグリセリ
ドと遊離脂肪酸を留分へ、ジおよびトリグリセリドを残
分へ回収する。残分を分子蒸留画分1(画分1ともい
う)と呼称する。この際、脱ガス油に存在する大部分の
ジグリセリドはエステル交換反応によりトリグリセリド
となる。またDHAを含有するグリセリドはDHAを含
有しないグリセリドより沸点が高いために、分子蒸留画
分1のDHA含有率は脱ガス油のDHA含有率より高く
なる。一方、留分のDHA含有率は脱ガス油よりも低く
なる。 (11)(10)の留分を低温分子蒸留に供し、沸点の
差を利用してDHA以外の脂肪酸からなるモノグリセリ
ド(以下、非DHAモノグリセリドと呼称することがあ
る)と遊離脂肪酸を留分へ、DHAモノグリセリドを残
分へ回収する。残分を分子蒸留画分2(画分2ともい
う)、留分を分子蒸留画分3(画分3ともいう)と呼称
する。画分2および画分3をさらに繰り返し分子蒸留す
ることにより理論上はDHA純度とDHA回収率を上げ
ることも可能であるが、より現実的には画分3に移行す
るDHAモノグリセリドと非DHAモノグリセリドおよ
び遊離脂肪酸は再度リパーゼ反応工程にリサイクルして
分離することが好ましい。 (12)画分3は原料油脂と混合してからリパーゼ反応
系に添加しても良いし、原料油脂とは別々に添加しても
良い。あるいは画分3だけを単独にリパーゼ反応を行っ
ても良い。画分3に含有される遊離脂肪酸は直接2価陽
イオン塩となり、非DHAモノグリセリドはリパーゼに
より加水分解されてから2価陽イオン塩となる。DHA
モノグリセリドはリパーゼの作用を受けにくくそのまま
の形でフロックに取り込まれる。
【0010】本発明で用いられる2価陽イオンは水溶性
であり、遊離脂肪酸と塩を形成し、その塩が有機溶剤に
不溶性のものであれば特に限定されないが、好ましい例
としてはカルシウムイオンやマグネシウムイオンを挙げ
ることができる。実際に使用する形態としては、それら
の塩化物や乳酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸
塩を用いると良い。2価陽イオンの濃度は、原料油脂の
DHA濃度、仕込濃度から予想される生成遊離脂肪酸を
中和するに必要な理論量に対して過剰量を使用すれば良
い。
であり、遊離脂肪酸と塩を形成し、その塩が有機溶剤に
不溶性のものであれば特に限定されないが、好ましい例
としてはカルシウムイオンやマグネシウムイオンを挙げ
ることができる。実際に使用する形態としては、それら
の塩化物や乳酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸
塩を用いると良い。2価陽イオンの濃度は、原料油脂の
DHA濃度、仕込濃度から予想される生成遊離脂肪酸を
中和するに必要な理論量に対して過剰量を使用すれば良
い。
【0011】本発明で用いられる水溶性高分子化合物
は、リパーゼの作用を阻害しないものであれば、天然由
来でも合成物でも良いが、反応で生成したグリセリドを
食品として使用する場合は可食性の高分子化合物を用い
ると良い。そのような物質の例として、可溶性澱粉、デ
キストリン、デキストラン、ペクチン、アラビアガム、
キサンタンガム、大豆多糖体等の天然高分子糖類化合
物、ゼラチン、コーン蛋白由来ペプチド等のアミノ酸高
分子化合物、カルボキシメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体を挙げることができる。反応系に添加するこれ
らの水溶性高分子化合物の濃度は原料油脂の仕込濃度に
よっても変化するが、通常、0.5〜20重量%の範囲
で使用することができる。
は、リパーゼの作用を阻害しないものであれば、天然由
来でも合成物でも良いが、反応で生成したグリセリドを
食品として使用する場合は可食性の高分子化合物を用い
ると良い。そのような物質の例として、可溶性澱粉、デ
キストリン、デキストラン、ペクチン、アラビアガム、
キサンタンガム、大豆多糖体等の天然高分子糖類化合
物、ゼラチン、コーン蛋白由来ペプチド等のアミノ酸高
分子化合物、カルボキシメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体を挙げることができる。反応系に添加するこれ
らの水溶性高分子化合物の濃度は原料油脂の仕込濃度に
よっても変化するが、通常、0.5〜20重量%の範囲
で使用することができる。
【0012】本発明で原料として用いられるDHAを含
有する油脂としては、構成脂肪酸の少なくとも一つがD
HAからなるグリセリドを含有したものであればその起
源は特に限定されるものではないが、通常、簡便に利用
し得る油脂は、海産動物油脂、例えばイカ油、オキアミ
油、カツオ油、サバ油、サンマ油、タラ肝油、マグロ油
等に由来するものが例示される。また、その精製の程度
についても特に限定されるものではないが、本発明によ
る製造工程およびその後に続く精製工程の負荷を減少さ
せるためにはできるだけ精製された物を使用することが
好ましく、それはプロセス全体を考慮した経済的側面か
ら決定される。例えば、本発明による方法では色素成分
は大部分分子蒸留画分1に移行し、目的とする分子蒸留
画分2にはほとんど移行しないので原料油の脱色は重要
ではない。一方、臭気成分をモノグリセリドから分離す
るのは簡単ではないので、トリグリセリドとして存在す
る原料油の段階で分子蒸留や水蒸気蒸留を行っておいた
方が好ましく、特にリパーゼ反応を窒素ガス等の不活性
ガスシール下で実施したり、抗酸化剤の添加をして実施
すると分子蒸留画分2の脱臭操作を省略することもでき
より好ましい。
有する油脂としては、構成脂肪酸の少なくとも一つがD
HAからなるグリセリドを含有したものであればその起
源は特に限定されるものではないが、通常、簡便に利用
し得る油脂は、海産動物油脂、例えばイカ油、オキアミ
油、カツオ油、サバ油、サンマ油、タラ肝油、マグロ油
等に由来するものが例示される。また、その精製の程度
についても特に限定されるものではないが、本発明によ
る製造工程およびその後に続く精製工程の負荷を減少さ
せるためにはできるだけ精製された物を使用することが
好ましく、それはプロセス全体を考慮した経済的側面か
ら決定される。例えば、本発明による方法では色素成分
は大部分分子蒸留画分1に移行し、目的とする分子蒸留
画分2にはほとんど移行しないので原料油の脱色は重要
ではない。一方、臭気成分をモノグリセリドから分離す
るのは簡単ではないので、トリグリセリドとして存在す
る原料油の段階で分子蒸留や水蒸気蒸留を行っておいた
方が好ましく、特にリパーゼ反応を窒素ガス等の不活性
ガスシール下で実施したり、抗酸化剤の添加をして実施
すると分子蒸留画分2の脱臭操作を省略することもでき
より好ましい。
【0013】原料油の仕込濃度は原料油単独、分子蒸留
画分3単独、両者の混合物で使用するどの場合でも水に
対して1〜100重量%の範囲であり、好ましくは5〜
30重量%、特に好ましくは8〜15重量%である。本
発明で用いるリパーゼは、DHAに対してできるだけ基
質特異性の低い酵素が好ましい。特に好ましくはキャン
ディダ属由来のリパーゼであり、市販の物を使用するこ
ともできるが、キャンディダ・リポリティカ(ATCC
34088株)を培養し、培養液から部分精製したリパ
ーゼを用いることもできる。その調製方法の例を図2に
示す。
画分3単独、両者の混合物で使用するどの場合でも水に
対して1〜100重量%の範囲であり、好ましくは5〜
30重量%、特に好ましくは8〜15重量%である。本
発明で用いるリパーゼは、DHAに対してできるだけ基
質特異性の低い酵素が好ましい。特に好ましくはキャン
ディダ属由来のリパーゼであり、市販の物を使用するこ
ともできるが、キャンディダ・リポリティカ(ATCC
34088株)を培養し、培養液から部分精製したリパ
ーゼを用いることもできる。その調製方法の例を図2に
示す。
【0014】リパーゼの使用量は原料油脂1gあたり1
0〜1000ユニット(U)の範囲であり、好ましくは
50〜300ユニット(U)である。反応温度はリパー
ゼが失活しない範囲で適宜選ぶことができるが、例えば
キャンディダ・リポリティカ由来のリパーゼの場合は0
〜40℃の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜30
℃、さらに好ましくは15〜25℃である。
0〜1000ユニット(U)の範囲であり、好ましくは
50〜300ユニット(U)である。反応温度はリパー
ゼが失活しない範囲で適宜選ぶことができるが、例えば
キャンディダ・リポリティカ由来のリパーゼの場合は0
〜40℃の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜30
℃、さらに好ましくは15〜25℃である。
【0015】反応の至適pHは例えば7〜9の範囲であ
り、好ましくはpH7.5〜8.5である。pHの変動
を小さくするために、pH緩衝剤を添加しても良い。p
H緩衝剤の種類としては2価陽イオンと不溶性物質を形
成しない物であれば、特に限定されるものではないが、
トリス塩酸塩が好ましい例として挙げられる。また、製
品油脂を食品として使用する場合には食品添加物に指定
されているアミノ酸類を使用することが好ましい。例え
ば、通常調味料として使用されるL−アスパラギン酸ナ
トリウム、DL−アラニン、L−アルギニンL−グルタ
ミン酸塩、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミ
ン酸ナトリウム、通常強化剤として使用されるL−イソ
ロイシン、DL−スレオニン、L−スレオニン、DL−
トリプトファン、L−トリプトファン、L−バリン、L
−ヒスチジン塩酸塩、L−フェニルアラニン、DL−メ
チオニン、L−メチオニン、L−リジンL−アウパラギ
ン酸塩、L−リジン塩酸塩、L−リジンL−グルタミン
酸塩の1種以上を使用しても良い。
り、好ましくはpH7.5〜8.5である。pHの変動
を小さくするために、pH緩衝剤を添加しても良い。p
H緩衝剤の種類としては2価陽イオンと不溶性物質を形
成しない物であれば、特に限定されるものではないが、
トリス塩酸塩が好ましい例として挙げられる。また、製
品油脂を食品として使用する場合には食品添加物に指定
されているアミノ酸類を使用することが好ましい。例え
ば、通常調味料として使用されるL−アスパラギン酸ナ
トリウム、DL−アラニン、L−アルギニンL−グルタ
ミン酸塩、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミ
ン酸ナトリウム、通常強化剤として使用されるL−イソ
ロイシン、DL−スレオニン、L−スレオニン、DL−
トリプトファン、L−トリプトファン、L−バリン、L
−ヒスチジン塩酸塩、L−フェニルアラニン、DL−メ
チオニン、L−メチオニン、L−リジンL−アウパラギ
ン酸塩、L−リジン塩酸塩、L−リジンL−グルタミン
酸塩の1種以上を使用しても良い。
【0016】反応の終点は、pHのコントロールに使用
する苛性ソーダ水溶液の消費量により決定することがで
きる。例えば精製DHA20G(日本化学飼料株式会社
製DHA24.1%、EPA5.9%を含有)を原料油
脂として使用し、DHA濃度65%の脱ガス油を取得し
たいときの2N苛性ソーダ水溶液の所要消費量は1.1
2ml/g原料油であることが、多くの実験データから
分かっている。
する苛性ソーダ水溶液の消費量により決定することがで
きる。例えば精製DHA20G(日本化学飼料株式会社
製DHA24.1%、EPA5.9%を含有)を原料油
脂として使用し、DHA濃度65%の脱ガス油を取得し
たいときの2N苛性ソーダ水溶液の所要消費量は1.1
2ml/g原料油であることが、多くの実験データから
分かっている。
【0017】湿ケークと反応濾液の分離方法は特に限定
されるものではないが、重力濾過、遠心濾過、圧搾濾
過、吸引濾過等の濾過法を用い、湿ケークへの水分およ
び水分に溶解している2価陽イオンの同伴を極力減少す
ることが好ましい。前述の如く、2価陽イオンは高温分
子蒸留でモノグリセリドをジおよびトリグリセリドへ変
化させる触媒となるので、湿ケークを水洗して付着2価
陽イオンを除去することも有効な手段として用いること
ができる。
されるものではないが、重力濾過、遠心濾過、圧搾濾
過、吸引濾過等の濾過法を用い、湿ケークへの水分およ
び水分に溶解している2価陽イオンの同伴を極力減少す
ることが好ましい。前述の如く、2価陽イオンは高温分
子蒸留でモノグリセリドをジおよびトリグリセリドへ変
化させる触媒となるので、湿ケークを水洗して付着2価
陽イオンを除去することも有効な手段として用いること
ができる。
【0018】本発明で用いられる有機溶剤は、脂肪酸2
価陽イオン塩の溶解度が小さく、グリセリドの溶解度が
大きい性質の物であれば、特に限定されるものではない
が、製品油脂を食品として使用する場合にはエタノー
ル、ヘキサン、アセトンの中から選ばれる有機溶剤を使
用すれば良く、特にアセトンが好ましい例として挙げら
れる。有機溶剤の使用量は、湿ケークの水分によっても
変化するが、通常は湿ケーク1重量部に対して5容量部
以上すれば十分目的は達成される。抽出温度は特に限定
されるものでなく、例えば室温のまま成りゆきでもかま
わない。抽出時の撹拌は抽出残さが完全に浮遊した状態
を1時間続行すれば良い。抽出残さと抽出液の分離は重
力沈降でも良いが、デカンター等の遠心沈降分離機の使
用がより好ましい。抽出残さに残存しているグリセリド
を回収するために抽出を2段以上に分けて実施しても良
い。
価陽イオン塩の溶解度が小さく、グリセリドの溶解度が
大きい性質の物であれば、特に限定されるものではない
が、製品油脂を食品として使用する場合にはエタノー
ル、ヘキサン、アセトンの中から選ばれる有機溶剤を使
用すれば良く、特にアセトンが好ましい例として挙げら
れる。有機溶剤の使用量は、湿ケークの水分によっても
変化するが、通常は湿ケーク1重量部に対して5容量部
以上すれば十分目的は達成される。抽出温度は特に限定
されるものでなく、例えば室温のまま成りゆきでもかま
わない。抽出時の撹拌は抽出残さが完全に浮遊した状態
を1時間続行すれば良い。抽出残さと抽出液の分離は重
力沈降でも良いが、デカンター等の遠心沈降分離機の使
用がより好ましい。抽出残さに残存しているグリセリド
を回収するために抽出を2段以上に分けて実施しても良
い。
【0019】本発明における冷却分離の目的を達成する
ための温度と時間の条件は、例えば、温度0〜5℃であ
れば24時間、温度が−10℃程度であれば5時間、−
20℃であれば2時間、−35℃以下であれば瞬間的で
良い。所定の冷却温度に達するまでは撹拌を行った方が
良いが、所定の冷却温度に到達してからは撹拌を続行し
ても停止しても良い。冷却残さの分離は特に限定される
ものではないが、真空濾過、圧搾濾過を用いることが好
ましい。
ための温度と時間の条件は、例えば、温度0〜5℃であ
れば24時間、温度が−10℃程度であれば5時間、−
20℃であれば2時間、−35℃以下であれば瞬間的で
良い。所定の冷却温度に達するまでは撹拌を行った方が
良いが、所定の冷却温度に到達してからは撹拌を続行し
ても停止しても良い。冷却残さの分離は特に限定される
ものではないが、真空濾過、圧搾濾過を用いることが好
ましい。
【0020】本発明における有機溶剤回収は、通常は単
蒸留法により有機溶剤の沸点以上の温度に加熱して行わ
れる。蒸留圧力は大気圧でも真空でも良い。本発明にお
ける脱ガスは、次の分子蒸留工程において高真空度を達
成する際の阻害要因となる有機溶剤、水、空気等を除去
することを目的とし、それが達成されればその方法につ
いては特に限定されるものではない。例を挙げるとすれ
ば、0.1torrで90℃で分子蒸留装置を通せば良
い。
蒸留法により有機溶剤の沸点以上の温度に加熱して行わ
れる。蒸留圧力は大気圧でも真空でも良い。本発明にお
ける脱ガスは、次の分子蒸留工程において高真空度を達
成する際の阻害要因となる有機溶剤、水、空気等を除去
することを目的とし、それが達成されればその方法につ
いては特に限定されるものではない。例を挙げるとすれ
ば、0.1torrで90℃で分子蒸留装置を通せば良
い。
【0021】本発明で用いられる分子蒸留装置として
は、遠心薄膜式分子蒸留装置、回転薄膜式分子蒸留装
置、流下膜式分子蒸留装置等を挙げることができる。蒸
留機内の真空度は圧力表示で少なくとも0.05tor
r以下、好ましくは0.01torr以下、特に好まし
くは0.001torr以下で実施する。本発明におけ
る高温分子蒸留は、上記の真空度において、分子蒸留装
置の蒸発面の温度を190〜240℃、好ましくは 2
20〜235℃にコントロールし、残分(分子蒸留画分
1)の遊離脂肪酸とモノグリセリドが、ほぼ0になるま
で残分をリサイクルすることによって実施することがで
きる。
は、遠心薄膜式分子蒸留装置、回転薄膜式分子蒸留装
置、流下膜式分子蒸留装置等を挙げることができる。蒸
留機内の真空度は圧力表示で少なくとも0.05tor
r以下、好ましくは0.01torr以下、特に好まし
くは0.001torr以下で実施する。本発明におけ
る高温分子蒸留は、上記の真空度において、分子蒸留装
置の蒸発面の温度を190〜240℃、好ましくは 2
20〜235℃にコントロールし、残分(分子蒸留画分
1)の遊離脂肪酸とモノグリセリドが、ほぼ0になるま
で残分をリサイクルすることによって実施することがで
きる。
【0022】本発明における低温分子蒸留は上記の真空
度において、分子蒸留装置の蒸発面の温度を150〜1
85℃、好ましくは170〜180℃にコントロール
し、残分(分子蒸留画分2)の遊離脂肪酸がほぼ0にな
るまで残分をリサイクルすることによって実施すること
ができる。かくして得られた分子蒸留画分2は、グリセ
リド中のモノグリセリドの含有率は少なくとも90%
(通常は95%以上)、DHA含有率は少なくとも60
%(通常は75%以上)であり、従来にない高濃度のD
HAモノグリセリドを含有する油脂である。このものは
そのままでも健康食品用用途として使用することもでき
るが、さらに高いDHA純度が要求される医薬品を製造
する際の原料として用いることもできる。一方、分子蒸
留画分1は、グリセリド中のトリグリセリドの含有率が
少なくとも90%、DHA含有率は少なくとも70%あ
るので、アルカリ精製、脱色等の精製を行うことにより
高濃度DHAトリグリセリドとして一般食品、健康食品
用途に利用することができる。
度において、分子蒸留装置の蒸発面の温度を150〜1
85℃、好ましくは170〜180℃にコントロール
し、残分(分子蒸留画分2)の遊離脂肪酸がほぼ0にな
るまで残分をリサイクルすることによって実施すること
ができる。かくして得られた分子蒸留画分2は、グリセ
リド中のモノグリセリドの含有率は少なくとも90%
(通常は95%以上)、DHA含有率は少なくとも60
%(通常は75%以上)であり、従来にない高濃度のD
HAモノグリセリドを含有する油脂である。このものは
そのままでも健康食品用用途として使用することもでき
るが、さらに高いDHA純度が要求される医薬品を製造
する際の原料として用いることもできる。一方、分子蒸
留画分1は、グリセリド中のトリグリセリドの含有率が
少なくとも90%、DHA含有率は少なくとも70%あ
るので、アルカリ精製、脱色等の精製を行うことにより
高濃度DHAトリグリセリドとして一般食品、健康食品
用途に利用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明は、これによってなんら
限定されるものではない。なお、油脂中のDHA濃度の
定量は以下のようにして行った。125mgの試料を5
0mlのナス型フラスコにとり0.5Nメタノール性水
酸化ナトリウム4mlを添加し、冷却器を付けて水浴上
で均一な溶液になるまで加熱(5〜10分)してケン化
した。冷却器上部より三フッ化ホウ素錯体メタノール溶
液を5ml添加し2分加熱してメチルエステル化した。
次いでヘキサン4mlを添加し1分加熱後冷却し、飽和
食塩水を加えてメチルエステルをヘキサン層へ抽出し
た。上層のヘキサン層の1.0μlをガスクロマトグラ
フィーに供し、面積百分率法により全脂肪酸ピーク面積
に対するDHAピーク面積の比率をもってDHA濃度と
した。
らに詳細に説明するが、本発明は、これによってなんら
限定されるものではない。なお、油脂中のDHA濃度の
定量は以下のようにして行った。125mgの試料を5
0mlのナス型フラスコにとり0.5Nメタノール性水
酸化ナトリウム4mlを添加し、冷却器を付けて水浴上
で均一な溶液になるまで加熱(5〜10分)してケン化
した。冷却器上部より三フッ化ホウ素錯体メタノール溶
液を5ml添加し2分加熱してメチルエステル化した。
次いでヘキサン4mlを添加し1分加熱後冷却し、飽和
食塩水を加えてメチルエステルをヘキサン層へ抽出し
た。上層のヘキサン層の1.0μlをガスクロマトグラ
フィーに供し、面積百分率法により全脂肪酸ピーク面積
に対するDHAピーク面積の比率をもってDHA濃度と
した。
【0024】ガスクロマトグラフィーの条件は以下のと
おりである。 〔機器〕島津製作所製:GC−12A、〔カラムサイ
ズ〕内径3mm、長さ2m、〔充填剤〕液相(ジエチレ
ングリコールサクシネート10%);担体(Chrom
osorb W・AW・DMCS 60・80mes
h)、〔キャリヤーガス〕窒素:流量30ml/分、
〔検出器〕FID、〔カラム温度〕200℃、〔注入部
温度〕250℃、〔検出部温度〕250℃ 脂質組成の定量は、TLC−FIDアナライザーを用い
て以下の条件で行った。
おりである。 〔機器〕島津製作所製:GC−12A、〔カラムサイ
ズ〕内径3mm、長さ2m、〔充填剤〕液相(ジエチレ
ングリコールサクシネート10%);担体(Chrom
osorb W・AW・DMCS 60・80mes
h)、〔キャリヤーガス〕窒素:流量30ml/分、
〔検出器〕FID、〔カラム温度〕200℃、〔注入部
温度〕250℃、〔検出部温度〕250℃ 脂質組成の定量は、TLC−FIDアナライザーを用い
て以下の条件で行った。
【0025】トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリ
セリド、遊離脂肪酸およびその他(TLC原点と先端付
近のピーク)のピーク面積の合計に対する各成分のピー
ク面積の百分率をもって組成を表示した。 〔機器〕ヤトロン社製:イアトロスキャンMK−5、
〔固定相〕クロマロッド−S3、〔移動相〕1段目:ク
ロロホルム/メタノール=60/5;展開時間2.5
分、2段目:ベンゼン/クロロホルム/酢酸=60/1
0/1;展開時間28分、3段目:ベンゼン/n−ヘキ
サン=35/35;展開時間33分
セリド、遊離脂肪酸およびその他(TLC原点と先端付
近のピーク)のピーク面積の合計に対する各成分のピー
ク面積の百分率をもって組成を表示した。 〔機器〕ヤトロン社製:イアトロスキャンMK−5、
〔固定相〕クロマロッド−S3、〔移動相〕1段目:ク
ロロホルム/メタノール=60/5;展開時間2.5
分、2段目:ベンゼン/クロロホルム/酢酸=60/1
0/1;展開時間28分、3段目:ベンゼン/n−ヘキ
サン=35/35;展開時間33分
【0026】
【実施例1】内容量250リットル、内径0.58mの
円筒型のジャケット付きステンレス製反応槽(2枚羽根
傾斜パドル、翼長0.352m,翼幅0.042mの撹
拌翼を有す)にイオン交換水150リットルを張り込
み、トリス−塩酸塩緩衝液(pH=8.2)を5mMに
なるように溶解した。次いで、塩化カルシウム2水塩を
3.3kg、アラビアガム9.0kgを添加し撹拌して
溶解し、2N NaOHにてpHを8.2になるよう調
整した。さらにジャケットには17℃にコントロールし
た冷却水を循環し、液温を17℃に調整した。
円筒型のジャケット付きステンレス製反応槽(2枚羽根
傾斜パドル、翼長0.352m,翼幅0.042mの撹
拌翼を有す)にイオン交換水150リットルを張り込
み、トリス−塩酸塩緩衝液(pH=8.2)を5mMに
なるように溶解した。次いで、塩化カルシウム2水塩を
3.3kg、アラビアガム9.0kgを添加し撹拌して
溶解し、2N NaOHにてpHを8.2になるよう調
整した。さらにジャケットには17℃にコントロールし
た冷却水を循環し、液温を17℃に調整した。
【0027】この液に脱臭済み、未脱色の魚油DHA3
5G(日本化学飼料株式会社提供、DHA35.7%、
EPA8.2%含有)を12kg添加して240rpm
で撹拌し、魚油を分散させた。次いで、図2の方法によ
って調整したリパーゼ粉末(4000U/g)150g
を少量の水に分散させて添加し、反応を開始した。反応
中pHは2N NaOHにより8.2にコントロール
し、温度は17℃にコントロールして、撹拌速度240
rpmで10hr反応を実施した。このときの2N N
aOH使用量は10.2リットルであった。反応液を舟
形濾過機で反応濾液と湿ケークに分離し、33.2kg
の湿ケークを得た。
5G(日本化学飼料株式会社提供、DHA35.7%、
EPA8.2%含有)を12kg添加して240rpm
で撹拌し、魚油を分散させた。次いで、図2の方法によ
って調整したリパーゼ粉末(4000U/g)150g
を少量の水に分散させて添加し、反応を開始した。反応
中pHは2N NaOHにより8.2にコントロール
し、温度は17℃にコントロールして、撹拌速度240
rpmで10hr反応を実施した。このときの2N N
aOH使用量は10.2リットルであった。反応液を舟
形濾過機で反応濾液と湿ケークに分離し、33.2kg
の湿ケークを得た。
【0028】あらかじめ166リットルのアセトンを張
り込んだ内容量400リットルの撹拌槽に上記湿ケーク
を投入し、1時間撹拌を行った。撹拌を停止してから、
1時間静置し、上清110リットルをポンプで抜き取っ
て別の容器に回収した。沈降残さにさらに100リット
ルのアセトンを添加し、再度1時間撹拌を行った後、真
空濾過により固液分離を行い、抽出残さ31.2kg,
抽出濾液155リットルを得た。1回目と2回目のアセ
トン抽出液を合わせ、内容量400リットルのジャケッ
ト付き撹拌槽に入れ、ジャケットに−10℃のブライン
を循環して抽出液を−10℃に冷却し、−10℃に達し
てからその温度を維持して5時間撹拌を続行した。冷却
液はポンプで密閉型のフィルターに圧送し、沈澱物を除
去した。沈澱物の発生量は1.4kgであった。濾液を
再度、内容量400リットルのジャケット付き撹拌槽に
入れ、ジャケットに60℃の温水を循環して常圧でアセ
トンを蒸発し、コンデンサーで凝縮させてアセトンを回
収した。約10リットルの蒸留残液が得られ、これから
水相を重力沈降で分離した。油相をロータリーエバポレ
ーターにて70℃で真空蒸発させ、水分とアセトンを除
去した。
り込んだ内容量400リットルの撹拌槽に上記湿ケーク
を投入し、1時間撹拌を行った。撹拌を停止してから、
1時間静置し、上清110リットルをポンプで抜き取っ
て別の容器に回収した。沈降残さにさらに100リット
ルのアセトンを添加し、再度1時間撹拌を行った後、真
空濾過により固液分離を行い、抽出残さ31.2kg,
抽出濾液155リットルを得た。1回目と2回目のアセ
トン抽出液を合わせ、内容量400リットルのジャケッ
ト付き撹拌槽に入れ、ジャケットに−10℃のブライン
を循環して抽出液を−10℃に冷却し、−10℃に達し
てからその温度を維持して5時間撹拌を続行した。冷却
液はポンプで密閉型のフィルターに圧送し、沈澱物を除
去した。沈澱物の発生量は1.4kgであった。濾液を
再度、内容量400リットルのジャケット付き撹拌槽に
入れ、ジャケットに60℃の温水を循環して常圧でアセ
トンを蒸発し、コンデンサーで凝縮させてアセトンを回
収した。約10リットルの蒸留残液が得られ、これから
水相を重力沈降で分離した。油相をロータリーエバポレ
ーターにて70℃で真空蒸発させ、水分とアセトンを除
去した。
【0029】これを遠心薄膜式分子蒸留装置CEH−3
00B(日本真空技術株式会社製)に真空度0.1to
rr、蒸留温度90℃の条件で3サイクル通すことによ
り、脱ガスを行った。得られた脱ガス油の重量は5.8
3kg、DHA純度は64.8%、モノグリセリド含有
率は66.0%であった。脱ガス油製造までの条件と結
果を表1に示した。
00B(日本真空技術株式会社製)に真空度0.1to
rr、蒸留温度90℃の条件で3サイクル通すことによ
り、脱ガスを行った。得られた脱ガス油の重量は5.8
3kg、DHA純度は64.8%、モノグリセリド含有
率は66.0%であった。脱ガス油製造までの条件と結
果を表1に示した。
【0030】次いで、脱ガス油を上記の遠心薄膜式分子
蒸留装置に真空度0.007torr、蒸留温度230
℃、供給速度10kg/hrの条件で10サイクル通す
ことにより、4.18kgの留分と1.65kgの残分
を得た。その組成を表2に示した。これよりモノグリセ
リドと遊離脂肪酸の全てが留分の方へ移行したことが分
かる。
蒸留装置に真空度0.007torr、蒸留温度230
℃、供給速度10kg/hrの条件で10サイクル通す
ことにより、4.18kgの留分と1.65kgの残分
を得た。その組成を表2に示した。これよりモノグリセ
リドと遊離脂肪酸の全てが留分の方へ移行したことが分
かる。
【0031】次に、上記留分を同じ遠心薄膜式分子蒸留
装置に真空度0.007torr、蒸留温度180℃、
供給速度10kg/hrの条件で6サイクル通すことに
より、2.10kgの留分と2.07kgの残分を得
た。その組成を表3に示した。これより遊離脂肪酸の全
てが留分に移行し、残分のDHA純度は77.1%、モ
ノグリセリド含有率は96.1%に達していることが分
かる。
装置に真空度0.007torr、蒸留温度180℃、
供給速度10kg/hrの条件で6サイクル通すことに
より、2.10kgの留分と2.07kgの残分を得
た。その組成を表3に示した。これより遊離脂肪酸の全
てが留分に移行し、残分のDHA純度は77.1%、モ
ノグリセリド含有率は96.1%に達していることが分
かる。
【0032】
【実施例2】実施例1の低温分子蒸留で得た留分(分子
蒸留画分3)2.10kgと、実施例1で使用した物と
同一の未脱色DHA35G9.90kgを混合して酵素
反応原料油とした。これを用いて実施例1と同様の方法
で酵素反応、アセトン抽出、冷却分離、アセトン回収、
脱ガスを実施し、DHA純度67.0%の脱ガス油5.
26kgを得た。酵素反応から脱ガス油製造までの原料
仕込量と主たる結果を表1に示した。
蒸留画分3)2.10kgと、実施例1で使用した物と
同一の未脱色DHA35G9.90kgを混合して酵素
反応原料油とした。これを用いて実施例1と同様の方法
で酵素反応、アセトン抽出、冷却分離、アセトン回収、
脱ガスを実施し、DHA純度67.0%の脱ガス油5.
26kgを得た。酵素反応から脱ガス油製造までの原料
仕込量と主たる結果を表1に示した。
【0033】次いで、脱ガス油を実施例1と同様の条件
で高温分子蒸留に供し、留分3.90kgとDHA純度
74.0%の残分(画分1)1.36kgを得た。留分
と残分の組成を表2に示した。さらに上記留分を実施例
1と同様の条件で低温分子蒸留に供し、留分(画分3)
1.75kgと残分(画分2)2.15kgを得た。留
分と画分の組成を表3に示した。これによれば画分2の
DHA純度は76.5%、モノグリセリド含有率は9
7.3%であった。
で高温分子蒸留に供し、留分3.90kgとDHA純度
74.0%の残分(画分1)1.36kgを得た。留分
と残分の組成を表2に示した。さらに上記留分を実施例
1と同様の条件で低温分子蒸留に供し、留分(画分3)
1.75kgと残分(画分2)2.15kgを得た。留
分と画分の組成を表3に示した。これによれば画分2の
DHA純度は76.5%、モノグリセリド含有率は9
7.3%であった。
【0034】
【実施例3】実施例2の低温分子蒸留で得た留分(分子
蒸留画分3)1.75kgと、実施例1で使用した物と
同一の未脱色DHA35G10.25kgを混合して酵
素反応原料油とした。これを用いて実施例1と同様の方
法で酵素反応、アセトン抽出、冷却分離、アセトン回
収、脱ガスを実施し、DHA純度66.5%の脱ガス油
5.38kgを得た。酵素反応から脱ガス油製造までの
原料仕込量と主たる結果を表1に示した。
蒸留画分3)1.75kgと、実施例1で使用した物と
同一の未脱色DHA35G10.25kgを混合して酵
素反応原料油とした。これを用いて実施例1と同様の方
法で酵素反応、アセトン抽出、冷却分離、アセトン回
収、脱ガスを実施し、DHA純度66.5%の脱ガス油
5.38kgを得た。酵素反応から脱ガス油製造までの
原料仕込量と主たる結果を表1に示した。
【0035】次いで、脱ガス油を実施例1と同様の条件
で高温分子蒸留に供し、留分4.09kgとDHA純度
73.4%の残分(画分1)1.29kgを得た。留分
と残分の組成を表2に示した。さらに上記留分を実施例
1と同様の条件で低温分子蒸留に供し、留分(画分3)
1.90kgと残分(画分2)2.16kgを得た。留
分と画分の組成を表3に示した。これによれば画分2の
DHA純度は77.8%、モノグリセリド含有率は9
6.0%であった。
で高温分子蒸留に供し、留分4.09kgとDHA純度
73.4%の残分(画分1)1.29kgを得た。留分
と残分の組成を表2に示した。さらに上記留分を実施例
1と同様の条件で低温分子蒸留に供し、留分(画分3)
1.90kgと残分(画分2)2.16kgを得た。留
分と画分の組成を表3に示した。これによれば画分2の
DHA純度は77.8%、モノグリセリド含有率は9
6.0%であった。
【0036】
【実施例4】実施例3の低温分子蒸留で得た留分(分子
蒸留画分3)1.90kgと、実施例1で使用した物と
同一の未脱色DHA35G10.10kgを混合して酵
素反応原料油とした。これを用いて実施例1と同様の方
法で酵素反応、アセトン抽出、冷却分離、アセトン回
収、脱ガスを実施し、DHA純度67.0%の脱ガス油
5.43kgを得た。酵素反応から脱ガス油製造までの
原料仕込量と主たる結果を表1に示した。
蒸留画分3)1.90kgと、実施例1で使用した物と
同一の未脱色DHA35G10.10kgを混合して酵
素反応原料油とした。これを用いて実施例1と同様の方
法で酵素反応、アセトン抽出、冷却分離、アセトン回
収、脱ガスを実施し、DHA純度67.0%の脱ガス油
5.43kgを得た。酵素反応から脱ガス油製造までの
原料仕込量と主たる結果を表1に示した。
【0037】次いで、脱ガス油を実施例1と同様の条件
で高温分子蒸留に供し、留分4.04kgとDHA純度
74.5%の残分(画分1)1.39kgを得た。留分
と残分の組成を表2に示した。さらに上記留分を実施例
1と同様の条件で低温分子蒸留に供し、留分(画分3)
1.74kgと残分(画分2)2.30kgを得た。留
分と画分の組成を表3に示した。これによれば画分2の
DHA純度は77.2%、モノグリセリド含有率は9
7.0%であった。
で高温分子蒸留に供し、留分4.04kgとDHA純度
74.5%の残分(画分1)1.39kgを得た。留分
と残分の組成を表2に示した。さらに上記留分を実施例
1と同様の条件で低温分子蒸留に供し、留分(画分3)
1.74kgと残分(画分2)2.30kgを得た。留
分と画分の組成を表3に示した。これによれば画分2の
DHA純度は77.2%、モノグリセリド含有率は9
7.0%であった。
【0038】(DHA収率の比較)実施例1から4の脱
臭済み、未脱色DHA35Gに対する製品のDHA収率
を表4に比較して示した。尚、本発明で用いた分析方法
によるDHA純度は油脂に含有されるグリセリドを10
0%としたときのDHA含有率に等しいと仮定して収率
計算を実施した。
臭済み、未脱色DHA35Gに対する製品のDHA収率
を表4に比較して示した。尚、本発明で用いた分析方法
によるDHA純度は油脂に含有されるグリセリドを10
0%としたときのDHA含有率に等しいと仮定して収率
計算を実施した。
【0039】これによれば、画分3を酵素反応に回収し
ていない実施例1の画分2のDHA収率は37.12%
であるのに対し、画分3を酵素反応に回収した実施例
2、3、4のDHA収率はそれぞれ46.70%、4
5.30%、49.16%であり平均すれば約10%D
HA収率が向上したことが分かる。また画分1と画分2
を加えたDHA収率は、実施例2、3、4でそれぞれ7
4.49%、70.44%、77.25%であり、平均
すれば74%の高収率であった。
ていない実施例1の画分2のDHA収率は37.12%
であるのに対し、画分3を酵素反応に回収した実施例
2、3、4のDHA収率はそれぞれ46.70%、4
5.30%、49.16%であり平均すれば約10%D
HA収率が向上したことが分かる。また画分1と画分2
を加えたDHA収率は、実施例2、3、4でそれぞれ7
4.49%、70.44%、77.25%であり、平均
すれば74%の高収率であった。
【0040】
【実施例5】実施例1から4の低温分子蒸留における各
サイクルごとの残分のDHA純度と、モノグリセリドお
よび遊離脂肪酸の含有率を表5に示した。これによれ
ば、分子蒸留サイクル数の増加に伴いDHA純度とモノ
グリセリド含有率が増加し、遊離脂肪酸は減少すること
が分かる。どの実施例においても6サイクル目において
は遊離脂肪酸は0%であった。
サイクルごとの残分のDHA純度と、モノグリセリドお
よび遊離脂肪酸の含有率を表5に示した。これによれ
ば、分子蒸留サイクル数の増加に伴いDHA純度とモノ
グリセリド含有率が増加し、遊離脂肪酸は減少すること
が分かる。どの実施例においても6サイクル目において
は遊離脂肪酸は0%であった。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、過剰摂取が問
題となっている脂肪酸が減少し、有用な生理活性を有し
かつ高い消化吸収性が期待されるDHAモノグリセリド
を、従来にない高濃度で含有した油脂を高収率で製造す
ることができる。本発明の製造法によるDHAモノグリ
セリドを高濃度に含有した油脂は、健康食品、栄養強化
食品としてまた医薬品原料として有用である。
題となっている脂肪酸が減少し、有用な生理活性を有し
かつ高い消化吸収性が期待されるDHAモノグリセリド
を、従来にない高濃度で含有した油脂を高収率で製造す
ることができる。本発明の製造法によるDHAモノグリ
セリドを高濃度に含有した油脂は、健康食品、栄養強化
食品としてまた医薬品原料として有用である。
【図1】本発明による製造法の一例のブロックフローシ
ートである。
ートである。
【図2】本発明で使用するリパーゼの調製方法の例示で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:73)
Claims (2)
- 【請求項1】 2価陽イオンと水溶性高分子化合物を溶
解した水溶液にドコサヘキサエン酸を含有する油脂を分
散させ、これにリパーゼを作用させた後、分子蒸留によ
り高濃度ドコサヘキサエン酸ジおよびトリグリセリドを
含有する画分1、高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセ
リドを含有する画分2、遊離脂肪酸と低濃度ドコサヘキ
サエン酸モノグリセリドを含有する画分3に分離し、画
分2を目的画分として回収した後、画分3を再度前記リ
パーゼ反応にリサイクルすることを特徴とするドコサヘ
キサエン酸モノグリセリド高含有油脂の製造方法。 - 【請求項2】 目的画分として回収する画分2のグリセ
リド中のモノグリセリド含有率が90%以上であり、ド
コサヘキサエン酸含有率が60%以上である請求項1に
記載のドコサヘキサエン酸モノグリセリド高含有油脂の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8218512A JPH1057086A (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセリドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8218512A JPH1057086A (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセリドの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1057086A true JPH1057086A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16721096
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8218512A Withdrawn JPH1057086A (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 高濃度ドコサヘキサエン酸モノグリセリドの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1057086A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6448292B2 (en) | 2000-03-21 | 2002-09-10 | Kao Corporation | Oil composition |
| WO2004018598A1 (ja) * | 2002-08-07 | 2004-03-04 | Kao Corporation | 油脂組成物 |
| US6762203B2 (en) | 1999-08-03 | 2004-07-13 | Kao Corporation | Oil composition |
| US6956058B2 (en) | 2001-04-26 | 2005-10-18 | Kao Corporation | Method for improving insulin resistance |
| US7410663B2 (en) | 2002-08-07 | 2008-08-12 | Kao Corporation | Oil or fat composition |
| WO2011092299A1 (fr) * | 2010-01-28 | 2011-08-04 | Polaris | Composition huileuse riche en monoglycerides de dha |
| EP1881824B1 (en) * | 2005-05-12 | 2014-12-24 | Brudy Technology, S.L. | Use of docosahexaenoic triglycerides for the treatment of tumorous diseases |
| JP2025079778A (ja) * | 2023-11-10 | 2025-05-22 | ダイドーグループホールディングス株式会社 | 生理機能改善用の組成物 |
-
1996
- 1996-08-20 JP JP8218512A patent/JPH1057086A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6762203B2 (en) | 1999-08-03 | 2004-07-13 | Kao Corporation | Oil composition |
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| US6956058B2 (en) | 2001-04-26 | 2005-10-18 | Kao Corporation | Method for improving insulin resistance |
| WO2004018598A1 (ja) * | 2002-08-07 | 2004-03-04 | Kao Corporation | 油脂組成物 |
| CN1309813C (zh) * | 2002-08-07 | 2007-04-11 | 花王株式会社 | 油脂组合物 |
| US7410663B2 (en) | 2002-08-07 | 2008-08-12 | Kao Corporation | Oil or fat composition |
| EP1881824B1 (en) * | 2005-05-12 | 2014-12-24 | Brudy Technology, S.L. | Use of docosahexaenoic triglycerides for the treatment of tumorous diseases |
| WO2011092299A1 (fr) * | 2010-01-28 | 2011-08-04 | Polaris | Composition huileuse riche en monoglycerides de dha |
| JP2025079778A (ja) * | 2023-11-10 | 2025-05-22 | ダイドーグループホールディングス株式会社 | 生理機能改善用の組成物 |
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|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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