JPH1057779A - 精密ろ過膜カートリッジフィルター - Google Patents

精密ろ過膜カートリッジフィルター

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JPH1057779A
JPH1057779A JP21488496A JP21488496A JPH1057779A JP H1057779 A JPH1057779 A JP H1057779A JP 21488496 A JP21488496 A JP 21488496A JP 21488496 A JP21488496 A JP 21488496A JP H1057779 A JPH1057779 A JP H1057779A
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JP
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membrane
liquid
microfiltration membrane
cartridge filter
filter
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Application number
JP21488496A
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English (en)
Inventor
Sumio Otani
純生 大谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】水に濡れやすく容易に完全性試験を行えるポリ
スルホン精密ろ過膜フィルターを提供する。 【解決手段】平均孔径0.05〜10μm の精密ろ過膜
シートをひだ折り加工し、円筒状に丸めたそのシートの
合わせ目を液密にシールし、さらにその円筒の両端をも
エンドプレートで液密にシールしてできるプリーツ型カ
ートリッジフィルターにおいて、親水性ポリスルホン精
密ろ過膜を少なくとも1枚が親水性である少なくとも2
枚の織布や不織布の如き通液性シートの間に挟んでひだ
折り加工した精密ろ過膜カートリッジフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体の精密ろ過に使
用される精密ろ過フィルターの製造方法に関する。更に
詳しくは、本発明は特に信頼性の高いカートリッジ型ポ
リスルホン精密ろ過フィルターを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】精密ろ過膜は古くから知られており、特
開昭63−139930号、特開昭60−250049
号等の公報に記載されているポリスルホンを原料とする
ものがよく知られている。精密ろ過膜は電子工業用洗浄
水、医薬用水、医薬製造工程用水、食品水等のろ過、滅
菌に用いられ近年その用途と使用量は拡大しており、特
に粒子捕捉の点から信頼性の高い精密ろ過膜が注目され
多用されている。そして、ポリスルホン膜は特公平6−
76510号等に記されているような膜内部に最小孔径
層を有する構造の膜が知られている。
【0003】精密ろ過膜によるろ過に際してろ過流量を
大きくすると同時に取扱を容易にするために、様々なろ
過モジュールやろ過要素が製造販売されている。代表的
なろ過要素の一つは、ろ過膜をひだ折りするいわゆるプ
リーツ加工して一定の容量のカートリッジ中に収めたカ
ートリッジ型フィルターである。この場合、屈曲強度の
小さなろ過膜を使用した場合には、プリーツ加工時に破
損を生じ精密ろ過膜としての機能を失する。かかる不都
合を改善するために、従来のろ過膜を補強し、併せてろ
過膜面同士の接触を防止するスペーサーの役割をさせる
ために、ろ過膜の両面を不織布や織布によってまたは、
ポリマーや金属等で形成されたネットによってはさみ
(例えば、特開昭60−58208、US451289
2)、得られたサンドイッチ型の精密ろ過膜をプリーツ
加工することが行われている。
【0004】このような精密ろ過カートリッジフィルタ
ーでは、ろ過の信頼性を増すために「完全性試験」を行
い、フィルターにピンホールや破れ等の欠陥がないこと
を確認する。従来精密ろ過膜フィルターカートリッジの
完全性試験の方法の一つとしては「バブルポイント法」
がある。水に濡れた精密ろ過膜に気体圧力を負荷する時
低圧から徐々に高圧へ圧力を上げていくと、ある圧力で
急に気体が膜孔を透過しはじめる、その時の圧力をバブ
ルポイントと言う。精密ろ過膜の最大孔径とバブルポイ
ント圧力とは逆比例の関係にあり、もしも膜にピンホー
ルの如き異常に大きな孔が存在すると、期待よりもはる
かに低い圧力のバブルポイントが観察され、従って「完
全性不良」が発見できる。
【0005】大きなろ過面積を有するカートリッジタイ
プの精密ろ過膜に対する完全性試験には「拡散流量法」
や「圧力保持法」と呼ばれる検査方法が一般的に用いら
れる。いずれの方法も水によく濡れた精密ろ過膜に膜の
バブルポイントよりも低い気体圧力を負荷し、膜の二次
側への気体の漏れを測定する方法である。膜にピンホー
ルの如き欠陥が存在すると、気体の流れが発生したり一
次側の圧力が変動したりするので、膜の完全性を評価す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した如く、フィル
ターカートリッジの完全性測定はいずれの方法も、精密
ろ過膜の孔を水の如き液体で満たし気体圧力をかけて、
気体の透過する量や透過を始める圧力を測定する。従っ
て膜の孔の一部に液体で満たされていない部分が存在す
ると、そこから低い圧力で多くの気体が透過してしま
い、正しい測定ができなくなる。フィルターカートリッ
ジでは一定容積の中に多くの膜を折り込んだり積層して
いるため、たとえ精密ろ過膜自身が非常に親水性で水を
吸いやすくとも、膜を濡らす時にプリーツ束中の気泡が
邪魔をして液体に濡れない場所を生じることがある。特
に液体として使用されることの多い水は表面張力が大き
いため気泡が抜けにくい。このためJIS K 383
2「精密ろ過膜エレメント及びモジュールのバブルポイ
ント試験方法」では、ハウジングの一次側のエアーを排
出しながら約30から100kPaのろ過差圧をかけて
液体をろ過しながら濡らす方法が提示されている。
【0007】しかしながらこのような条件で液体をろ過
してもかならずしも完璧には濡らすことはできない。液
体で濡れにくい場所は特定されないが、特に濡れにくい
ところは膜を他の部材で液密にシールしているところで
ある。プリーツ型フィルターカートリッジにおいては、
プリーツされた膜を円筒状に丸めたその合わせめをシー
ルし、更にその円筒の両端をエンドプレートと呼ばれる
板にシールする。このような膜のシール際付近を完全に
濡らすことは難しい。このため拡散流量が本来の値より
も大きくなったり、バブルポイント値が本来の値よりも
小さくなったりして変動が大きい。このため濡れ不良と
フィルターのピンホールや破れ等の欠陥との区別ができ
ず、良品を不良とみなしたり、不良品を良品と間違えた
りしやすい。内部に最小孔径層を有するポリスルホン精
密ろ過膜を使ったカートリッジフィルターの場合は特に
膜とエンドプレートとのシール部が濡れにくい。一方、
30から100kPaのろ過差圧を膜の一次側と二次側
の間にかけるためには多量の水を透過させねばならな
い。このために大容量のポンプを準備したり、製薬工業
においては高価な蒸留水を多量に消費しコスト高になっ
たりするという問題もあった。
【0008】特開平6−277466号には、プリーツ
カートリッジフィルター膜のシール部のみにポリビニル
アルコールを付着塗布する方法が開示されている。しか
しこの方法ではろ過中にフィルターからポリビニルアル
コールが徐々に溶出し、ろ液を汚染するほか、膜シール
部のポリビニルアルコール量が減少していき、ついには
未塗布と同じ状態に戻ってしまう。
【0009】特表昭59−501251号にはエンドプ
レートとのシール部のみ、膜孔を消失させる方法が提案
されている。孔を消失させる方法はいくつか提案されて
いる。膜端部の孔をローラーで押しつぶしたりヒートシ
ーラーで潰す方法では、潰された膜が元の膜の1/3以
下の厚さに薄くなり、耐久性が著しく損なわれて実用的
でない。孔が潰れて薄くなった所に補強フイルムをラミ
ネートする方法も提案されているが、フイルムラミネー
トは安全のために膜が薄くなったところだけでなく一部
孔が残った膜厚の厚いところにも行わなければならな
い。そのため膜に連続的にラミネート処理を施したあと
巻き取ろうとしても膜の一部に厚い場所があるため長い
膜を巻き取ることができない。またフイルムでラミネー
トされた膜をプリーツ加工するのは非常にむつかしい。
特表昭59−501251号は更に両端だけが無孔性で
中央部は微孔性の一体型シートを製膜する方法を提案し
ているが、無孔性部と微孔性部とでは製膜過程での膜の
収縮率も収縮力も大きく異なるため、平らな実用に耐え
る膜の製膜はとても難しい。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記問題は、平均孔径
0.05〜10μm の精密ろ過膜シートをひだ折り加工
し、円筒状に丸めたそのシートの合わせ目を液密にシー
ルし、さらにその円筒の両端をもエンドプレートで液密
にシールしてできるプリーツ型カートリッジフィルター
において、ポリスルホンを素材とする親水性精密ろ過膜
を少なくとも1枚が親水性の少なくとも2枚の通液性シ
ートの間に挟んでひだ折り加工したことを特徴とする精
密ろ過膜カートリッジフィルターによって解決できた。
以下に本発明の精密ろ過膜カートリッジフィルターの構
成とその製法について詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は一般的なプリーツ型精密ろ
過膜カートリッジフィルターの全体構造を示す展開図の
1事例である。精密ろ過膜3は2枚の通液性シート2、
4によってサンドイッチされた状態でひだ折りされ、集
液口を多数有するコアー5の廻りに巻き付けられてい
る。その外側には外周ガード1があり、精密ろ過膜を保
護している。円筒の両端にはエンドプレート6a、6b
により、精密ろ過膜がシールされている。エンドプレー
トはガスケット7を介してフィルターハウジング(図示
なし)のシール部と接する。ろ過された液体はコアーの
集液口から集められ、出口8から排出される。図2はエ
ンドプレートに膜がシールされているようすを模式的に
表した図である。図中12、14は通液性シートの断面
を、13は精密ろ過膜の断面を、17はエンドプレート
の断面をそれぞれ示している。熱で膜とエンドプレート
とをシールした時は、通液性シートの一部は熱で溶融し
てエンドプレートと一体化している。そして膜のエンド
プレートの内部に挿入された部分では空気の逃げ場がな
いため液体がなかなか進入できない。
【0012】本発明で使用することのできる精密ろ過膜
は化学式1あるいは化学式2であらわされるポリスルホ
ンを原料を用いたものが好ましい。ポリスルホンを使っ
て精密ろ過膜を製膜する一般的な製法を示す。ポリスル
ホンペレットを、ホルムアミド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2
−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラ
ン等の極性有機溶媒に溶解する。溶媒は単独あるいは複
数の種類の溶媒の混合であってもよい。溶媒の溶解力を
調整するために非溶媒あるいは貧溶媒と呼ばれる、メタ
ノール、エタノール、プロパノールあるいはブタノール
等のアルコール類や、水の如き溶媒を少量添加すること
が多い。添加量は溶媒の種類にもよるが、よく使用され
る水の場合は、製膜原液に対して0.05重量%から6
%までである。
【0013】
【化1】
【0014】上記ポリスルホン溶液に通常多孔構造を制
御するものとして膨潤剤あるいは発泡剤と称される無機
電解質、有機電解質、高分子等を、少なくとも1種類加
える。本発明で使用できる膨潤剤としては、ポリエチレ
ングリコールやポリビニルピロリドンの如き親水性高分
子、食塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリ
ウム、塩化亜鉛、臭化マグネシウム等の無機酸の金属
塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酪酸カリウム等
の有機酸塩類、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポ
リビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等
の高分子電解質、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、アルキルメチルタウリン酸ナトリウム等のイオン系
界面活性剤等が用いられる。これらの膨潤剤は単独でポ
リマー溶液に加えてもある程度の効果を示すものもある
が、これら膨潤剤を水溶液として添加する場合には、特
に顕著な効果を示すことがある。膨潤剤の添加量は添加
によって溶液の均一性が失われることがない限り特に制
限はないが、通常製膜原液量の0.5重量%から35重
量%である。製膜原液としてのポリスルホン濃度は5か
ら35重量%、好ましくは10から30重量%である。
35重量%を越える時は得られる微孔性膜の透水性が実
用的な意味を持たない程小さくなり、5重量%よりも小
さい時は充分な分離能力を持った精密ろ過膜は得られな
い。
【0015】上記のようにして調整した製膜原液を支持
体の上に流延し、流延直後あるいは一定時間をおいて凝
固液中に支持体ごとポリマー溶液膜を浸漬する。凝固液
としては水が最も一般的に用いられるが、ポリマーを溶
解しない有機溶媒を用いても良く、またこれら非溶媒を
2種以上混合して用いてもよい。支持体としては、通常
銅板やステンレス板の如き金属板、ポリエステルやポリ
エチレンの如きプラスチックシート及び硝子板が使用で
きる。凝固液中でポリマーが析出して孔を形成した流延
膜は必要に応じて支持体から膜を剥離し、この後水洗、
温水洗浄、溶剤洗浄等を行い、乾燥する。支持体として
不織布・織布あるいは紙を用いた時は、膜は支持体から
剥離せずに一体のまま洗浄・乾燥する。
【0016】目詰まりしにくく長時間のろ過性能を有し
しかもろ過層が膜内部に隠れていて傷がつきにくいとい
う特徴を有する内部最小孔径層のポリスルホン膜の製膜
方法について簡単に記す。製膜原液を支持体上に流延し
た液膜の表面に温度15〜60℃、相対湿度10〜80
%、風速0.2〜4m/秒の範囲で調節した空気を2〜
40秒間あてることによって、溶媒蒸気の蒸発量と雰囲
気からの非溶媒蒸気吸収量(湿分の吸収)を適宜調節す
ることに重要な技術がある。このような調製は、例えば
製膜原液を流延支持体上に流延し、25℃、絶対湿度2
gH2 O/kgAir以上の空気を0.2m/秒以上の
風速で流延面に当てることによって、液膜の最表面層か
ら1μm以上、好ましくは1〜30μmの深さにコアセ
ルベーション相を形成させることができる。その後直ち
に凝固液中に浸漬し多孔性膜を形成させる。このように
して得られた膜は、コアセルベーションを起こさせた部
分の最深部が最小孔径層となる。このような内部最小孔
径層膜の表面の孔径に対して裏面の孔径は10〜100
0倍程度、またBET方で測定したその比表面積は8〜
80m2/gが得られる。膜の機械的強度とろ過能力の両
方を兼ね備える好ましい比表面積の範囲は20〜60m2
/gである。膜の空隙率を大きくすると水(液体)の透
過性がよくなるが、あまり空隙率が大きくなりすぎる
と、膜は脆くなって使用に耐えなくなる。従って好まし
い空隙率は55〜87%であり、特に好ましくは70〜
84%である。膜の空隙率は製膜原液中のポリスルホン
濃度と膨潤剤濃度との影響を大きく受ける。ポリスルホ
ン濃度が少なく膨潤剤濃度が多いと空隙率は大きくな
る。製膜直後の空気中から吸収する水分量や凝固液温度
にも若干は影響を受ける。
【0017】本来は疎水性であるポリスルホンの表面を
親水化する方法には、製膜原液中に親水化剤を添加して
おく方法及び多孔質膜製膜後に化学処理によりポリスル
ホン骨格表面を親水化する方法がある。前者の方法で
は、製膜原液にポリエチレングリコール、ポリビニルピ
ロリドン、スルホン化ポリスルホン(特公平5−705
4記載)及び親水性ポリウレタンプレポリマー(米国特
許第4,137,200号、米国特許願第130,82
6号(1987年12月9日付け)等に記載)の如き親
水性ポリマーをポリスルホン量に対して5〜65重量%
添加する。添加された親水性ポリマーはその一部あるい
は大半が凝固液に溶解して失われたり、その後の洗浄工
程で消失するが、そうした製膜過程で親水性ポリマーが
ポリスルホン骨格の表面に多く分布して、結果として親
水性のポリスルホン精密ろ過膜を生成する。製膜後の化
学処理は特開平7−51550号に開示されているよう
に、ヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレー
ト、アクリルアミドあるいはメタクリルアミド、極性の
置換アクリレート又はメタクリレート等からなるモノマ
ーを疎水性精密ろ過膜に塗布して遊離基重合させる方法
がある。
【0018】この様にして製膜された精密ろ過膜13は
通常公知の方法でひだ折り加工される。通液性シート1
2、14としては不織布、織布、紙およびまたはネット
等が用いられる。ひだ折り加工されたろ材は両端部を揃
えるためにカッターナイフ等で両端部の不揃い部分を切
り落とし、円筒状に丸めてその合わせ目のひだ部を、超
音波融着やヒートシール等で熱可塑的に液密にシールし
たり、あるいは接着剤を用いて液密にシールする。
【0019】本発明で使用する通液性シートは通常親水
性の通液性シートである。特にろ過膜の一次側に使用す
る通液性シートは親水性であることが必須である。通液
性シートの親水性とは、通液性シートが空気に対してよ
りも水に対する親和性が強く、通液性シートが水に接触
するとよけいな力をかけずとも自然に水を吸って空気を
放出することを言う。親水性の目安は例えば、机上に置
いた通液性シートの上に0.2mlの水滴をそっと載せる
と、2分以内に水滴がシートに座れて水滴の丸い形状を
失うことである。20秒以内に水滴がシートに吸収され
るほどの親水性があれば非常に好ましい。通液性シート
の一般的な役割は、第一にろ過する液体を膜ひだの内部
に導いてカートリッジに折り込まれた膜全体を有効にろ
過に使用できるようにすることである。通液性シートの
第二の役割は精密ろ過膜の保護である。従って通液性シ
ートは空隙を多く有して通液抵抗の少ない性質と、適度
の強度を要求される。更に本発明においては第三の役割
として、ろ過に際して気泡を容易に放出して精密ろ過膜
と液体との接触面積を多くする役割が必要である。
【0020】従来のプリーツ型精密ろ過膜カートリッジ
フィルターで用いられている通液性シートは、ほとんど
のものが疎水性のポリエステルやポリプロピレンの不織
布である。しかしこのような疎水性不織布はろ過に際し
て気泡を保持して放出しにくく、従って膜がろ過液体と
接触しにくく、膜が液体に濡れにくい。特にエンドプレ
ートのシール部では気泡が抜けにくく、またシール部に
挿入された膜の孔は空気の逃げ道がないため特に液体に
濡れにくい。しかし水に対する接触角が小さく水が浸透
しやすい親水性の通液シートを使用したときは、通液シ
ート空隙から気泡が容易に放出されて膜と液体(水)と
が直接接触するので、膜は液体に非常に濡れやすくな
る。
【0021】親水性通液シートとしては、親水性のセル
ローズを素材とする織布・不織布や紙、あるいはポリエ
ステルやポリプロピレンの如き疎水性高分子繊維の表面
を化学処理や物理処理で親水化した織布や不織布、及び
ガラス繊維不織布がある。疎水性高分子繊維表面の化学
処理としては、ゼラチンやポリビニルアルコールの薄膜
で繊維の表面を覆う方法、ビニルピロリドン、アクリル
酸、アクリル酸金属塩、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレング
リコールモノあるいはジアクリレート及びアクリルアミ
ドの如き水溶性モノマーを繊維に塗布してその場で重合
する方法などがある。また物理処理としては、繊維の表
面にコロナ放電やグロー放電を行って表面に親水性基を
付与する方法がある。また親水性のレーヨン繊維と疎水
性のポリエステル繊維やポリプロピレン繊維を混合する
ことにより適度な親水性を持たせた織布や不織布、を使
用することもできる。この場合、必要な親水性を付与す
るためには、少なくとも20重量%以上のレーヨン繊維
が必要であり、好ましくは35重量%以上のレーヨン繊
維が必要である。
【0022】プリーツひだの幅は通常5mmから25mmにな
るようにプリーツする。本発明では気泡を放出しやすく
するために、5mmから12mmにするのが好ましい。特に7
mmから10.5mmにすることが好ましい。エンドシール工程
はエンドプレート材質によって方法がいくつかあるが、
いずれも従来知られた公知技術によって行われる。エン
ドプレートに熱硬化性のエポキシ樹脂を使用する時は、
ポッティング型中に調合したエポキシ樹脂接着剤の液体
を流し込み、予備硬化させて接着剤の粘度が適度に高く
なってから、円筒状ろ材の片端面をこのエポキシ接着剤
中に挿入する。その後加熱して完全に硬化させる。エン
ドプレートの材質がポリプロピレンやポリエステルの如
き熱可塑性樹脂の時は、熱溶融した樹脂を型に流し込ん
だ直後に円筒状ろ材の片端面を樹脂の中に挿入する方法
が行われる。一方、既に成型されたエンドプレートのシ
ール面のみを熱板に接触させたり赤外線ヒーターを照射
したりしてプレート表面だけを溶融し、円筒状ろ材の片
端面をプレートの溶融面に押しつけて溶着する方法も行
われる。使用する外周ガード1の構造によっても空気抜
けの状態が変わる。好ましくは図3に示すように、外周
ガードのエンドプレートとのシール際に空気を逃がすた
めの小窓を設けるとよい。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこの実施例の内容に限定されるものでは
ない。
【0024】実施例 1 ポリスルホンを素材とする精密ろ過膜の製膜実例を示
す。ポリスルホン(アモコ社製 P−3500)15
部、N−メチル−2−ピロリドン70部、ポリビニルピ
ロリドン15部、塩化リチウム2部、水1.3部を均一
に溶解して製膜原液を作成する。これを製品厚さが18
0μmになるように流延し、温度25℃、相対湿度50
%、風速1.0m/秒の空気を8秒間流延した液膜表面
に当て、直ちに25℃の水を満たした凝固浴中へ浸漬し
微孔性膜を得た。この膜の水によるバブルポイントは1
50kPaであった。
【0025】実施例 2 目付量50g/m2のレーヨン不織布2枚の間に実施例1でつ
くった膜を挟んで、ひだ幅10mmにプリーツ加工し、その
125 山分のひだを取って円筒状に丸め、その合わせ目を
エポキシ接着剤でシールする。円筒の両端5mm づつを切
り落とし、その切断面をエポキシ接着剤でシールして、
カートリッジフィルターに仕上げた。このカートリッジ
フィルターに 160リットル/hの流量で15分間水を透過さ
せ、その後このカートリッジフィルターに100kPaの空気
圧を負荷した状態で空気の透過量を測定したところ、透
過量は8ml/分以下で、このカートリッジフィルター
の水濡れ性は良好であった。
【0026】実施例 3 繊度2.0dのレーヨン55重量% と、繊度1.5dのポリエステ
ル45重量% とを混合して目付け35g/m2の不織布シートを
製造した。この不織布2枚の間に実施例1の膜を挟ん
で、ひだ幅10mmにプリーツし、その145 山分のひだをと
って円筒状に丸め、その合わせ目をエポキシ接着剤でシ
ールする。円筒の両端5mm づつを切り落とし、その切断
面をエポキシ接着剤でシールして、カートリッジフィル
ターに仕上げた。このカートリッジフィルターに 160リ
ットル/hの流量で15分間水を透過させ、その後このカー
トリッジフィルターに100kPaの空気圧を負荷した状態で
空気の透過量を測定したところ、透過量は8ml/分以
下で、このカートリッジフィルターの水濡れ性は良好で
あった。
【0027】実施例 4 ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工
業製 NKエステルA600)5部、重合開始剤V−5
0を0.3 部、ジエチレングリコール40部及び水55部
よりなる均一溶液を調製し、塗布液とした。ポリエステ
ル不織布(ユニチカ マリックス 70500 、目付量50g/
m2、厚さ0.23mm)をこの塗布液に浸漬した後取り出し、
窒素雰囲気中で 120℃20分間加熱重合し、60℃熱水中で
20分間洗浄して乾燥する。このようにしてできた親水性
不織布2枚の間に実施例1の膜を挟んで、ひだ幅10mmに
プリーツし、その155 山分のひだをとって円筒状に丸
め、その合わせ目をインパルスシーラーで溶着し、更に
円筒の両端をポリプロピレン製のエンドプレートに溶着
し、カートリッジフィルターを完成する。このカートリ
ッジフィルターの水濡れ性は、空気の透過量が8ml/
分以下で、良好であった。
【0028】実施例 5 ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工
業製 NKエステルA600)5部、重合開始剤V−5
0を0.3 部、ジエチレングリコール40部及び水55部
よりなる均一溶液を調製し、塗布液とした。ポリプロピ
レン不織布(三井石油化学工業 シンテックスPS−1
06、目付量30g/m2、厚さ0.28mm、繊度2.0d)をこの塗
布液に浸漬した後取り出し、窒素雰囲気中で 120℃20分
間加熱重合し、60℃熱水中で20分間洗浄して乾燥する。
このようにしてできた親水性不織布2枚の間に実施例1
の膜を挟んで、ひだ幅10.5mmにプリーツし、その140 山
分のひだをとって円筒状に丸め、その合わせ目をインパ
ルスシーラーで溶着し、更に円筒の両端をポリプロピレ
ン製のエンドプレートに溶着し、カートリッジフィルタ
ーを完成する。このカートリッジフィルターの水濡れ性
は、空気の透過量が8ml/分以下で、良好であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の実施により、ポリスルホン精密
ろ過膜カートリッジフィルターを極めて容易に水に濡ら
すことができる。その結果フィルターの完全性を容易に
且つ高精度に測定でき、従ってより信頼性の高いろ過を
行なうことができる。特に膜の両表面の孔径が膜内部の
最小孔径層の孔径の2倍以上である異方性構造膜カート
リッジフィルターにおいて効果が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なプリーツ型カートリッジフィルターの
構造を表す図面である。
【図2】本発明の実施態様におけるエンドシール部付近
の構造を表す図である。
【図3】外周ガードに空気抜き小窓を設置した図
【符号の説明】
1 外周ガード 2 通液性シート 3 ろ過膜 4 通液性シート 5 コア 6a エンドプレート 6b エンドプレート 7 ガスケット 8 出口 9a 空気抜き小窓 9b 空気抜き小窓 9c 空気抜き小窓 12 通液性シート 13 ろ過膜 14 通液性シート 17 エンドプレート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均孔径0.05〜10μm の精密ろ過
    膜シートをひだ折り加工し、円筒状に丸めたそのシート
    の合わせ目を液密にシールし、さらにその円筒の両端を
    もエンドプレートで液密にシールしてできるプリーツ型
    カートリッジフィルターにおいて、ポリスルホンを素材
    とする親水性精密ろ過膜を少なくとも1枚が親水性であ
    る少なくとも2枚の通液性シートの間に挟んでひだ折り
    加工したことを特徴とする精密ろ過膜カートリッジフィ
    ルター。
  2. 【請求項2】 膜厚さ方向内部に最小孔径層を有する異
    方性構造の精密ろ過膜を用いることを特徴とする請求項
    1の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  3. 【請求項3】 通液性シートが不織布であることを特徴
    とする請求項1の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  4. 【請求項4】 通液性シートが織布であることを特徴と
    する請求項1の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  5. 【請求項5】 プリーツひだの幅が5mm以上12mm以下で
    あることを特徴とする請求項1の精密ろ過膜カートリッ
    ジフィルター。
  6. 【請求項6】 空隙率が55〜87%であることを特徴
    とする請求項2の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  7. 【請求項7】 比表面積が8〜80m2/gであることを特
    徴とする請求項2の精密ろ過膜カートリッジフィルタ
    ー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103852036A (zh) * 2012-11-29 2014-06-11 南京大学连云港高新技术研究院 次毫米过滤管孔径测定方法及装置

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