JPH1057807A - フィルム状脱酸素剤、その製造方法並びに該脱酸素剤を用いた包装方法 - Google Patents

フィルム状脱酸素剤、その製造方法並びに該脱酸素剤を用いた包装方法

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JPH1057807A
JPH1057807A JP13385597A JP13385597A JPH1057807A JP H1057807 A JPH1057807 A JP H1057807A JP 13385597 A JP13385597 A JP 13385597A JP 13385597 A JP13385597 A JP 13385597A JP H1057807 A JPH1057807 A JP H1057807A
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film
oxygen
magnetic material
absorbing magnetic
absorbing
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Yukitaka Hihara
原 行 隆 日
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S F PLAN KK
Original Assignee
S F PLAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】フィルムと、該フィルム内に埋設された酸
素吸収性磁性材料とからなり、該フィルムには、酸素吸
収性磁性材料からフィルムの一方面にのみ開口する孔が
形成されていることを特徴とするフィルム状脱酸素剤。
該フィルム状脱酸素剤の製法及び該フィルム状脱酸素剤
を用いた包装方法。上記酸素吸収性磁性材料が、粉末状
または箔状であることが好ましい。 【効果】包装作業が簡単になり、商品管理も容易であ
り、安全性に優れ、乳幼児の誤飲・誤食の虞もなく、安
全性に優れているような脱酸素剤を提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、フィルム状脱酸素剤、そ
の製造方法並びに該脱酸素剤を用いた包装方法に関し、
さらに詳しくは、脱酸素効率等に優れ、鮮度保持された
状態の包装食品などを簡単に製造しうるようなフィルム
状脱酸素剤、その製造方法並びに該脱酸素剤を用いた被
包装物の包装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、魚介乾性品や油菓子
等の食品分野では、その鮮度を保持すべく、小さな袋に
封入された脱酸素剤が用いられており、該食品は脱酸素
剤と共に包装袋に入れられている。
【0003】しかしながら、このように個々の包装袋内
に脱酸素剤を入れるのでは包装作業上煩雑であり、もし
これら食品の包装時に脱酸素剤を入れ忘れると、これら
食品は急速に品質低下してしまい商品価値を大きく損な
う虞があり、品質管理上も注意が必要である。またこの
脱酸素剤は、食品用包装袋内に食品と共に入れられてい
るため、乳幼児等の誤飲・誤食の虞もある。
【0004】このような従来の脱酸素剤の問題点を解決
すべく、鋭意研究を重ねたところ、この脱酸素剤が特定
の状態で埋設されたフィルムあるいはシート(両者をま
とめて単に、フィルムとも言う。)を用いれば、包装作
業は簡単になり、商品管理も容易になり、また乳幼児の
誤飲・誤食の虞もなくなることなどを見出して本発明を
完成するに至った。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に伴う問
題点を解決しようとするものであって、包装作業が簡単
になり、商品管理も容易であり、安全性に優れ、乳幼児
の誤飲・誤食の虞もなく、安全性に優れているような脱
酸素剤を提供することを目的としている。
【0006】また本発明は、このような脱酸素剤の製造
方法を提供することを目的としている。また本発明は、
このような脱酸素剤を用いた被包装物の包装方法を提供
することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るフィルム状脱酸素剤は、フ
ィルムと、該フィルム内に埋設された酸素吸収性磁性材
料(例:鉄粉)とからなり、該フィルムには、酸素吸収
性磁性材料からフィルムの一方面にのみ開口する孔が形
成されていることを特徴としている。
【0008】本発明においては、このような酸素吸収性
磁性材料は、粉末状またはフィルム状であることが好ま
しい。上記フィルム状脱酸素剤の開口側表面には、さら
に、剥離可能な酸素非透過性フィルム層が形成されてい
てもよい。
【0009】また、本発明では、2枚の上記フィルム状
脱酸素剤を、その開口側表面が互いに向き合うように剥
離可能に貼着してもよい。本発明では、酸素吸収性磁性
材料に加えて、さらに酸素吸収性磁性材料用の酸化剤
(例:塩化ナトリウム)が含有されていてもよい。
【0010】本発明に係るフィルム状脱酸素剤の製造方
法では、酸素吸収性磁性材料と、熱可塑性樹脂と、必要
によりさらに酸素吸収性磁性材料用の酸化剤とを加熱下
に混練してフィルム状に押出すと共に、得られたフィル
ムを磁化された熱ロール(磁化熱ロール)と非磁性の熱
ロール(非磁性熱ロール)との間に挿通させて加熱軟化
状態に保持してフィルム内の酸素吸収性磁性材料を磁化
熱ロール側に偏在化させ、次いで、正負電極間に、得ら
れた酸素吸収性磁性材料偏在化フィルムの酸素吸収性磁
性材料が高濃度に偏在化した面と、負電極とが対向する
ように該偏在化フィルムを配置して、放電破壊により該
偏在化フィルムの一方面から酸素吸収性磁性材料(例:
鉄粉)に至る孔を形成させることを特徴としている。
【0011】本発明においては、熱可塑性樹脂フィルム
の一方面に、酸素吸収性磁性材料を含有した熱可塑性樹
脂系インクにてパターン印刷して酸素吸収性磁性材料偏
在化フィルムを形成し、次いで、正負電極間に、得られ
た酸素吸収性磁性材料偏在化フィルムの酸素吸収性磁性
材料が高濃度に偏在化した面と、負電極とが対向するよ
うに該偏在化フィルムを配置して、放電破壊により該偏
在化フィルムの一方面から酸素吸収性磁性材料に至る孔
を形成させて上記フィルム状脱酸素剤を製造してもよ
い。
【0012】本発明においては、熱可塑性樹脂フィルム
の一方面に、酸素吸収性磁性材料を載置し、少なくとも
一対の加熱ローラ間で加熱下に加圧して、酸素吸収性磁
性材料がフィルム表面に突出せず、かつ少なくともその
一部が露出するように該熱可塑性樹脂フィルム内に埋設
(圧入)することによりフィルム状脱酸素剤を製造して
もよい。
【0013】本発明では、熱可塑性樹脂フィルムの一方
面に、真空蒸着法またはスパッタリング法にて酸素吸収
性磁性材料の薄膜を形成し、次いで、この磁性材料の薄
膜上に表裏面を貫通する多数の孔を備えた多孔性樹脂フ
ィルムを貼着することにより、フィルム状脱酸素剤を製
造してもよい。
【0014】本発明では、第1熱可塑性樹脂フィルムの
一方面に、真空蒸着法またはスパッタリング法にて酸素
吸収性磁性材料の薄膜を形成し、次いで、この酸素吸収
性磁性薄膜上に第2熱可塑性樹脂フィルムを貼着し、次
いで、正負電極間に、得られた積層フィルムを配置し
て、放電破壊により積層フィルムの一方面から酸素吸収
性磁性薄膜に至る多数の孔を第1フィルム層あるいは第
2フィルム層に形成させることにより、フィルム状脱酸
素剤を製造してもよい。
【0015】本発明では、加熱軟化した熱可塑性樹脂フ
ィルムの裏面側に磁石を配置し、表面側に酸素吸収性磁
性材料を配置し、当該磁石の磁力が該酸素吸収性磁性材
料に作用している状態で、該フィルムの表面側から該フ
ィルムに向かって酸素吸収性磁性材料を該フィルムに衝
突させることにより、該酸素吸収性磁性材料がフィルム
表面に突出せず、かつ少なくともその一部が露出するよ
うに該熱可塑性樹脂フィルム内に埋設して、フィルム状
脱酸素剤を製造してもよい。
【0016】また、本発明では、熱可塑性樹脂の軟化温
度以上の温度に加熱された酸素吸収性磁性材料を、熱可
塑性樹脂フィルム上に自然落下または吹付により、前記
熱可塑性樹脂フィルムに衝突させることにより、当該酸
素吸収性磁性材料が衝突した前記熱可塑性樹脂フィルム
の熱影響部を溶融・軟化させ、当該熱影響部に衝突した
前記酸素吸収性磁性材料がフィルム表面に突出せず、か
つ少なくともその一部が露出するように該熱可塑性樹脂
フィルム内に埋設することにより、フィルム状脱酸素剤
を製造してもよい。
【0017】本発明では、上記フィルム状脱酸素剤の製
造を、窒素ガス雰囲気下または希ガス雰囲気下など不活
性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。本発明では、上
記フィルム状脱酸素剤を用いて、脱気条件下、窒素ガス
雰囲気下または希ガス雰囲気下で被包装物を包装するこ
とが好ましい。
【0018】本発明に係るフィルム状脱酸素剤によれ
ば、包装作業が簡単になり、商品管理も容易であり、ま
た乳幼児の誤飲・誤食の虞もない。本発明によれば、新
規なフィルム状脱酸素剤の製法が提供される。
【0019】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るフィルム状脱
酸素剤、その製造方法並びに該脱酸素剤を用いた被包装
物の包装方法について図面を参照しつつ具体的に説明す
る。
【0020】[フィルム状脱酸素剤]図1は、本発明に
係るフィルム状脱酸素剤の一例を示す断面概念図であ
る。図1に示すように、本発明に係るフィルム状脱酸素
剤10は、フィルム20と、該フィルム内に埋設された
微粉末状の酸素吸収性磁性材料(例:鉄粉)30とから
なり、該フィルムには、酸素吸収性磁性材料からフィル
ムの一方面6(表面、上面とも言う)にのみ開口する孔
40が形成されている。なお、この孔40は、フィルム
20の上面側6から他面7(裏面、下面とも言う)には
連通(貫通)していない。但し、裏面にガス非透過性フ
ィルム材が貼着されるなど、別に遮蔽材が他面7に設け
られる場合には、連通していてもよい。
【0021】このようなフィルム状脱酸素剤10では、
図1に示すように、酸素吸収性磁性材料30の濃度が、
フィルム20の上下両面のうちで、上面側6または下面
側7の何れか一方面(図1では上側面6)側において他
面側(図1では下面側7)よりもより高濃度となるよう
に該磁性材料30が偏在していることが酸素吸収性磁性
材料の酸素吸収効率を高める上で好ましい。
【0022】このフィルム状脱酸素剤10の厚みは、通
常、酸素吸収性磁性材料30の粒子径を超えるものであ
る限り特に限定されず、その用途等に応じて適宜設定さ
れるが、例えば、数ミクロンメートル乃至数ミリメート
ル程度の範囲のものが用いられる。すなわち、通常のフ
ィルムあるいはシート(本明細書中では、両者をまとめ
て単に「フィルム」という。)が用いられる。
【0023】また、フィルム材としては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、ゴムなどが挙げられる。これらの内
で熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、このような熱可塑
性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、
エチレン・塩ビ共重合樹脂、エチレン酢ビ共重合樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニ
ル樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、
酢酸ビニル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ア
イオノマー樹脂、AAS樹脂(アクリロニトリル・アク
リリックスチレン共重合樹脂、プラスチックアロイ)、
AES樹脂(アクリロニトリル・EPDM・スチレン共
重合樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン共重合樹脂)、ACS樹脂(アクリロニト
リル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合樹脂)、M
BS樹脂(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレ
ン共重合樹脂)、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、ふ
っ素樹脂、ポリアセタール、メタクリル樹脂、メチルペ
ンテンポリマー、エチレン・ビニルアルコール共重合樹
脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうちでは、
ガスバリアー性、透明性、耐湿性、溶融押出加工性等に
優れ、しかも消却時に有毒ガスが出ない等の点でエチレ
ン・ビニルアルコール共重合樹脂が好ましく用いられ
る。このような熱可塑性樹脂は、1種または2種以上組
み合わせて用いてもよい。また本発明では、相異なる2
種以上の熱可塑性樹脂フィルムを2層以上積層して用い
てもよい。例えば、裏面7側あるいは中間部分を表面6
側よりも高融点の熱可塑性樹脂などにて構成してもよ
い。このような積層フィルムを用いると、容易に酸素吸
収性磁性材料が表面6側にのみ一様に偏在化したフィル
ム状脱酸素剤を作製できる。
【0024】このような熱可塑性樹脂フィルムには、通
常のフィルム材に配合されるような各種成分、例えば、
帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、充填剤、改
質剤、補強剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等が含有さ
れていてもよい。
【0025】酸素吸収性磁性材料としては、図1〜6に
示すように粉末状であってもよく、後述する図9〜11
に示すようにフィルム状(箔)であってもよいが、鉄
(還元鉄)、鉄−ニッケル合金、マグネタイトなどが挙
げられ、鉄が好ましく用いられる。鉄粉微粉末として
は、酸素吸収効率の点でその粒径ができるだけ小さいも
の(微粒化鉄粉)で、しかもその表面積のより大きなも
のが好ましく、より好ましく用いられる微粒化鉄粉とし
ては、例えば、その粒径が1mm(1000μm)以
下、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは15
0〜0.02μm程度のものが用いられる。
【0026】またフィルム状脱酸素剤中のこのような酸
素吸収性磁性材料の含有量は特に限定されないが、例え
ば、フィルム状脱酸素剤中に0.01〜50重量%、さ
らに好ましくは0.05〜10重量%程度の量で含まれ
ていてもよい。
【0027】また、このような酸素吸収性磁性材料30
とともに酸化剤、例えば、塩化ナトリウム、金属酸化物
[例:二酸化マンガン(MnO2)、MnO、ZnO、
CaO、K2O、Na2O、BaO、CaO、などアルカ
リ金属酸化物あるいはアルカリ土類金属酸化物]、好ま
しくは塩化ナトリウムが酸素吸収性磁性材料30に付着
・接触した状態で少量含有されていると、酸素吸収性磁
性材料30の酸素吸収効率をいっそう高めることができ
る。
【0028】本発明においては、図2、図3に示すよう
に、上記フィルム20の開口側表面(一方面)6上に
は、さらに、剥離可能な酸素非透過性フィルム層50が
形成されていてもよい。このようにフィルム20の開口
側表面に剥離可能な酸素非透過性フィルム層50が形成
されていると、フィルム状脱酸素剤の保存・保管時にお
ける酸素吸収性磁性材料の酸素吸収性能の低下を阻止で
き、しかも、該フィルム状脱酸素剤10aの使用時に
は、該フィルム層50を図2に示すように剥離除去し、
フィルム20の開口側表面6が内側となるように袋状に
して、その内部に食品等を収容すれば鮮度良く保存でき
る。
【0029】なお、フィルム状脱酸素剤の酸素非透過性
フィルム層50は、上記のように完全に剥離除去して、
酸素吸収性磁性材料が埋設されているフィルム20のみ
を必要により袋状に成形して用いてもよいが、本発明で
は、図3に示すように、フィルム状脱酸素剤10aの使
用時に該フィルム層50の一部を上方側周縁部50cか
ら開口し、側方側周縁部50aと、下方側周縁部50b
とは、それぞれフィルム20と密着(接着)した状態で
残して、他の部分はフィルム20とフィルム50とを剥
離して袋状にし、その内部に食品等を収容するようにし
てもよい。
【0030】このようにすれば、フィルム50はそのま
ま袋材の一部として有効利用でき、製袋作業の効率化も
図ることができる(図3、図4中、点線状斜線部50
a、50bはフィルム20とフィルム50との密着(接
着)残存部を示す)。
【0031】なお、このように袋内に食品等を収容した
後、必要により袋内部の空気を吸引除去するとともに、
袋周縁部50a、50b、50cの一部あるいは全てを
加熱融着して堅固に固着してもよい。このようにすれ
ば、食品等が収容された袋の保存・運搬時の破裂損壊な
どを防止し、酸素ガスなどの透過・浸入を防止する上で
有効である。
【0032】また、本発明では、このような酸素非透過
性フィルム層50の上面および/またはフィルム20の
下面には、さらに種々の熱可塑性樹脂フィルム層60
(図3参照)、紫外線吸収材層、反射材層、金属箔層、
繊維強化層、印刷紙、化粧紙、弾性材層、断熱材層、樹
皮、不織布等が1層または2層以上設けられていてもよ
い。
【0033】また、本発明では、フィルム20のみなら
ず、上記フィルム50も、上記フィルム状脱酸素剤10
にて形成されていてもよい。すなわち図4に示すよう
に、2枚のフィルム状脱酸素剤10が、付番10cで示
すように、その孔の開口側表面6が互いに向き合うよう
に剥離可能に貼着されていてもよい。このように2枚の
フィルム状脱酸素剤10が剥離可能に2枚貼着されてい
るフィルム状脱酸素剤10cから、上記と同様な方法で
袋を作成すれば、袋の内周面側全体に脱酸素剤の埋設さ
れた部分が形成される(広がる)ため、さらに脱酸素効
率に優れた袋が得られる。
【0034】また本発明に係るフィルム状脱酸素剤10
dは、図5に示すように、熱可塑性樹脂フィルム20a
の表面6に、酸素吸収性磁性材料30含有熱可塑性樹脂
パターンが、ドット状(付番70)、シート状、格子状
等の種々の配置で印刷されていてもよい。このようなフ
ィルム状脱酸素剤10dでは、例えば、その使用時(商
品包装時)に、該ドット状印刷体70表面から酸素吸収
性磁性材料30とを結ぶ図1等に示すような孔40を後
述するような方法で形成すればフィルム状脱酸素剤とし
て使用できる。
【0035】また、図6に示すように、本発明のフィル
ム状脱酸素剤10eでは、予め、印刷体70aに、該印
刷体70a表面から酸素吸収性磁性材料30につながる
孔40を放電破壊(図8参照)等の方法で形成しておく
とともに、該印刷体70aの表面を被覆するように熱可
塑性樹脂フィルム20を剥離可能に貼着しておいてもよ
く、また前記フィルム状脱酸素剤10を前記図4の場合
と同様に各フィルムの孔40が互いに向き合うように剥
離可能に貼着しておいてもよい(図示せず)。
【0036】なお、これら図4〜図6に示すフィルム状
脱酸素剤の何れか一方面または両面には、図示せぬ紫外
線吸収膜、反射膜、印刷紙、化粧紙、クッション材、断
熱材、樹皮、不織布など前述したような各種の部材が貼
着されていてもよい。
【0037】なお、以上の説明では、主として酸素吸収
性磁性材料が、鉄粉など粉末状である態様を例示して説
明したが、本発明では、図9中付番30aで示すよう
に、酸素吸収性磁性材料は、フィルム状(箔を含む)で
あってもよい。また酸素吸収性磁性材料がこのようなフ
ィルム状の場合には、その表面に多数の孔40が形成さ
れた樹脂フィルム(多孔性フィルム)54、ゴム膜など
を剥離可能に貼着することにより、酸素吸収性磁性材料
からフィルムの一方面にのみ開口する孔40が形成され
ていてもよい。
【0038】このような多孔性フィルム54の表面に
は、図9(a)で示すように、さらに、剥離可能な保護
フィルム50を貼着しておくと、該フィルム状脱酸素剤
の保存、保管時の脱酸素能低下を防止できる。このよう
なフィルム状脱酸素剤10fでは、多孔性フィルム54
と保護フィルム50とを剥離し、その間に被包装物を収
納し、真空パック等することができる。
【0039】このようなタイプのフィルム状脱酸素剤で
は、孔40の口径、深さを適宜改変することにより、被
包装物と酸素吸収性磁性材料との直接の接触を阻止で
き、また酸素吸収力およびその持続性を変化させること
が可能であり、被包装物の種類などによっては、特に図
9(b)に示すように、該フィルム54を剥離除去して
用いてもよい。また、その多孔性フィルム54の厚みを
適宜調整し、さらには必要により表裏両面を貫通する多
数の孔を備えた発泡材などにて肉厚に構成すれば、フィ
ルム状脱酸素剤にクッション性を持たせることも可能で
ある。
【0040】また本発明においては、図10に示すよう
に、フィルム状の酸素吸収性磁性材料30a表面に、上
記のように多孔性フィルム54を設けることなく、直
接、剥離可能なフィルム50を貼着しておき、この酸素
吸収性磁性材料30aとフィルム50の間に、被包装物
を収容するようにしてもよい。このようにすれば、前記
図3の場合と同様に製品使用時に無駄が生じないため経
済性に優れる。なお、図10中、周縁部50a、50b
は、前記例(図3、図4参照)に示すように、加熱融着
等の方法で堅固に固着しておくことが好ましい。
【0041】また、本発明では、酸素吸収性磁性材料3
0aが上記のようなフィルム状のもの同士を、図11に
示すように、その酸素吸収性磁性材料30a同士が互い
に対向するように配置し、前記図4のフィルム状脱酸素
剤と同様に、その周縁部50a、50bを加熱融着にて
固着し、2枚のフィルム酸素吸収性磁性材料30a間
に、被包装物を例えば脱気下に収容(真空包装)しても
よい。また、該フィルム状脱酸素剤を構成する各層用フ
ィルムは、上記例で特に断らなかった場合には、酸素非
透過性材料である限り、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
ゴム材などの何れで構成されていてもよいが、何れも同
種の部材で構成されることが好ましく、さらには、何れ
も熱可塑性樹脂で構成されることが望ましい。
【0042】[フィルム状脱酸素剤の製造]次に、この
ようなフィルム状脱酸素剤の製造方法について図7およ
び図8を参照しつつ説明する。
【0043】本発明においては、まず図7に示すよう
に、酸素吸収性磁性材料(鉄粉)30と、溶解した熱可
塑性樹脂とを、例えば混練装置100にて混練してフィ
ルム状に押出す。この際には、必要によりさらに塩化ナ
トリウムなどを少量添加してもよい。このようにして得
られたフィルム状物(フィルムともいう)20bでは、
酸素吸収性磁性材料30は、図7中「付番A」で示すよ
うに、フィルム状物20b中に均一に分散している。
【0044】次いで、このフィルム状物20bを熱ロー
ル120、122間に挿通させる。この上下1対の熱ロ
ール120、122の内の一方(図7では下方ロール1
20)は、磁力発生機構を備えた磁化ロールであり、他
方(図7では、上方ロール122)は非磁性ロールであ
る。なお、本発明では、このように一方の熱ロール12
0自体が磁石(永久磁石、電磁石)であってもよいが、
この熱ロールとは別体に、磁石をフィルム状物20bの
下面または上面に配置してもよい(図示せず)。
【0045】このように加熱軟化された状態のフィルム
状物を、磁化熱ロール120と非磁性熱ロール122と
の間に挿通、好ましくは低速で挿通させると、フィルム
状物中の酸素吸収性磁性材料30は、図7中「付番B」
で示すように、磁化熱ロール120側に引き寄せられて
フィルム状物の下面側(磁化熱ロール120側)に次第
に偏在化してくる。
【0046】なお、磁化熱ロール120と、非磁性熱ロ
ール122のセット数は、フィルム状物中の鉄粉をフィ
ルムの一方面側に偏在化しうる限り、特に限定されな
い。しかしながら、本発明では、このような熱ロール1
20、122は、フィルム状物20bの上下両面に複数
組(例えば図7では4組)セットしておくことが好まし
い。このように複数組の熱ロールをフィルム状物20b
の上下両面にセットしておくと、フィルム状物20b内
の酸素吸収性磁性材料は、これらの熱ロール間を通過す
る過程で効率よく磁化ロール120側に偏在化される傾
向がある。
【0047】このようにフィルム状物20bを、複数組
の磁化熱ロール120と非磁性熱ロール122との間に
挿通(通過)させると、最後には、図7中「付番C」で
示すように、フィルム状物20bの磁化熱ロール120
側(図1の表面6側に相当)に、酸素吸収性磁性材料が
面方向に沿って一様な濃度であり、かつ非磁性ロール1
22側よりも磁化ロール120側が高濃度となるように
偏在化したものが得られる。換言すれば酸素吸収性磁性
材料の濃度が、非磁性ロール122側(図1のフィルム
20の下面7側に相当)から磁化熱ロール120側(フ
ィルム20の表面6側)に向かって次第に高濃度化した
ものが得られる。
【0048】なお、このように酸素吸収性磁性材料30
を偏在化させる際のフィルム20bの温度(加熱ロール
温度)は、該フィルムがその形状を保持しつつ、該酸素
吸収性磁性材料が磁力によりフィルム中を移動できる限
り特に限定されない。
【0049】また、熱ロール120、122間に挿通さ
せる該フィルム状物20bとしては、上記のような混練
装置100から押出された直後の加熱軟化したものをそ
のまま用いることが好ましいが、一旦冷却固化したもの
を用いることもでき、その場合には、予め通常の非磁性
熱ロール間(図示せず)に挿通させて加熱軟化した後、
上記と同様に、磁化熱ロール12と非磁性熱ロール12
2との間に挿通させればよい。
【0050】本発明では、次いで、図8に示すように、
酸素吸収性磁性材料がフィルム状物の下面に偏在化した
もの(酸素吸収性磁性材料偏在化フィルム)を、放電破
壊装置150にセットし、酸素吸収性磁性材料30が高
濃度に偏在化した一方面(下面)6側からこの酸素吸収
性磁性材料30に向けて放電させフィルム20bの放電
破壊処理をすれば、例えば図1の付番40に示すよう
に、フィルムの一方面6と酸素吸収性磁性材料30との
間に孔40が形成されたフィルム状脱酸素剤10が得ら
れる。なお印加電圧、電流量等としては、このようなフ
ィルムの一方面6と酸素吸収性磁性材料30とを結ぶ孔
40が該一方面6にのみ開口するように形成され、かつ
フィルム状物20の上下両面を貫く貫通孔が形成されな
い限り特に限定されず、フィルム厚、フィルムの材質、
鉄粉量等を考慮して適宜設定すればよい。
【0051】なお、本発明では、このような放電破壊処
理は、窒素ガス雰囲気下、真空中あるいはアルゴン等の
不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。なお、前記
酸素吸収性磁性材料偏在化処理等の上記一連のフィルム
状脱酸素剤製造工程は、酸素吸収性磁性材料の酸化を防
止する観点から窒素ガス雰囲気下、あるいはアルゴン等
の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0052】また、本発明においては、図5に示すよう
に、熱可塑性樹脂フィルム20aの一方面6に、酸素吸
収性磁性材料である鉄粉(還元鉄粉)30を含有した合
成樹脂系インクにてパターン(図5ではドット状パター
ン70)を印刷して、鉄粉がフィルム20aの表面6に
偏在化したものを形成し、次いで、該偏在化フィルムを
上記と同様に放電破壊処理して、フィルムの印刷面から
酸素吸収性磁性材料に至る孔を形成させて上記フィルム
状脱酸素剤を製造してもよい。この際、上記の印刷面
と、放電破壊装置の負電極とが対向するように配置す
る。
【0053】また本発明においては、熱可塑性樹脂フィ
ルムの一方面に、鉄粉等の酸素吸収性磁性材料を載置
し、加熱ローラ間に挿通して加圧し、酸素吸収性磁性材
料の少なくとも一部が露出するように該熱可塑性樹脂フ
ィルム内に埋設(圧入)することによりフィルム状脱酸
素剤を製造してもよい。このような方法を採用する場合
には、熱可塑性樹脂フィルムの表面に、酸素吸収性磁性
材料が突出しないように圧入しておくことが好ましい。
このようにすれば、例えば、食品と鉄粉等の酸素吸収性
磁性材料とは直接接触せず、食品に異味、異臭、変色な
どが生じる虞がない。
【0054】なお、熱可塑性樹脂フィルム(第1熱可塑
性樹脂フィルム)の表面に酸素吸収性磁性材料の鉄粉、
鉄被膜などを付着させる方法としては、上記例に限定さ
れず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等を採用
してもよい。また、このように鉄粉を付着させ、あるい
は鉄薄膜が形成された第1熱可塑性樹脂フィルム上に、
さらに第2の樹脂フィルムを貼着し、次いで、上記と同
様に、表面の第2樹脂フィルム層好ましくは熱可塑性樹
脂製の第2樹脂フィルム層の放電破壊処理を行って、第
2熱可塑性樹脂フィルム層表面から鉄粉あるいは鉄薄膜
に通じる孔を形成してもよい(図示せず)。なお鉄薄膜
上に第2の樹脂フィルムを貼着する前に、予めこのよう
な貫通孔を第2の樹脂フィルムに形成しておいてもよ
い。このように第2の樹脂フィルムに貫通孔を形成する
には、上記放電破壊処理法の他、針等を貫通させてもよ
く、レーザ光照射してもよく、特に限定されない。
【0055】本発明では、例えば、図12に示すよう
に、熱可塑性樹脂フィルム20を熱ロール122a,1
22b間に挿通させて加熱軟化させるとともに、加熱軟
化させた該フィルム20の裏面7側に磁石82を配置
し、表面6側に酸素吸収性磁性材料30を配置し、当該
磁石82の磁力が酸素吸収性磁性材料に作用している状
態で、該フィルム20の表面6側から該フィルムに向か
って酸素吸収性磁性材料を噴射口83から放出(自然落
下、噴射)して該フィルムに衝突させることにより、該
酸素吸収性磁性材料が該フィルム表面に突出せず、かつ
少なくともその一部が露出する(フィルム表面から見え
る)ように該フィルム内に埋設して、フィルム状脱酸素
剤を製造してもよい。
【0056】このようにすれば、フィルム表面6からフ
ィルム内の酸素吸収性磁性材料30に至る孔40(フィ
ルム表裏面を貫通する孔ではない)を、後から放電処理
等の方法で形成する手間を省くことができる。
【0057】本発明では、該フィルムに対する酸素吸収
性磁性材料用噴射口83の相対的位置を移動させなが
ら、酸素吸収性磁性材料を該フィルムに衝突させること
により、効率よくフィルム状脱酸素剤を製造することが
できる。
【0058】酸素吸収性磁性材料を該フィルムに効率よ
く衝突させるには、図12において、例えば、磁石82
と酸素吸収性磁性材料用噴射口83とを固定しておき、
熱可塑性樹脂フィルムをその長手方向(図12では矢印
で示す)に移動させるか、あるいは熱可塑性樹脂フィル
ムを固定しておき、磁石82及び酸素吸収性磁性材料噴
射口83をフィルム20の長手方向に移動させればよ
く、前者が作業スペース、作業効率等の点で有利であ
る。なお、該噴射口83は、1個に限定されず、フィル
ム20の長手方向、あるいは幅方向などに複数個セット
してもよい。
【0059】このようにして、酸素吸収性磁性材料30
を該フィルム20内に埋設してフィルム状脱酸素剤を製
造する場合には、酸素吸収性磁性材料30の大きさ、比
重、噴射速度、磁石82の磁力強度、フィルム20の材
質、フィルム加熱温度等を考慮して、酸素吸収性磁性材
料の該フィルム上の衝突位置を徐々に移動(図12では
フィルムを左に移動)させることにより、酸素吸収性磁
性材料の埋設位置、埋設量(酸素吸収力)などを適宜調
節できる。
【0060】なお、熱可塑性樹脂フィルムの裏面側に配
置される磁石82は、該フィルムと接触していてもよ
く、離間していてもよい。またこの磁石は、前述したよ
うな磁化ロール(図7参照)であってもよい。この磁石
形状は、適宜設計変更可能であり、例えば長方形、円形
等種々の断面形状をとることができ、また該フィルム2
0と同程度の幅を有していてもよい。また、本発明で
は、該フィルムのみならず、磁性粉末も加熱しておいて
もよい。
【0061】このようにして得られたフィルム状脱酸素
剤の表面6側には、前記図2の附番50で示すようなフ
ィルムを貼着して、図2に示すようなフィルム状脱酸素
剤を形成してもよい。
【0062】また、本発明では、図13に示すように、
加熱装置81にて熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度に
加熱された酸素吸収性磁性材料30を、噴射口83から
熱可塑性樹脂フィルム20上に自然落下または吹付け
て、前記熱可塑性樹脂フィルムに衝突させることによ
り、当該酸素吸収性磁性材料が衝突した前記熱可塑性樹
脂フィルムの熱影響部84を溶融または軟化(溶融・軟
化)させ、当該熱影響部に衝突した前記酸素吸収性磁性
材料がフィルム表面に突出せず、かつ少なくともその一
部が露出するように該熱可塑性樹脂フィルム内に埋設す
ることにより、フィルム状脱酸素剤を製造してもよい。
【0063】この際、該フィルム20自体も、ロール8
6として、熱ロールを用いることにより加熱軟化させて
おいてもよい。また、本実施例においても前記図12に
示すように、該フィルム20の裏面7に磁石82を配置
しておけば、該フィルム自体が加熱軟化されていなくと
も、該フィルムに衝突した酸素吸収性磁性材料の微粉末
の周囲への飛散を効率よく防止でき、しかもフィルム内
への加熱された酸素吸収性磁性材料の進入・埋設を促進
できる。
【0064】また、前記例と同様に、酸素吸収性磁性材
料の該フィルムに対する衝突位置を移動させると、該フ
ィルムの面方向に酸素吸収性磁性材料が均一(一様)に
分散したフィルム状脱酸素剤を効率よく製造できる。
【0065】なお、酸素吸収性磁性材料の加熱温度が軟
化点を超えてあまり高温過ぎると、熱可塑性樹脂フィル
ムが発火、分解する恐れが生じるため、このような分解
・発火温度より低い温度であることが必要である。
【0066】このようにして得られたフィルム状脱酸素
剤の表面6側には、前記図2の附番50で示すようなフ
ィルムを貼着してもよい。また、本発明では、図13の
例に限らず、何れの態様においても、例えば図14に示
すように、フィルム20を2層以上の多層構造[図14
(a):2層,(b):3層]とし、表面6を該フィル
ム20の裏面7[図14(a)のs,(b)のu]ある
いは内部tの材料に比して、より低融点の熱可塑性樹脂
にて構成してもよい。このようにフィルム表面6を該フ
ィルム20の内部tあるいは裏面7の材料に比して、よ
り低融点の熱可塑性樹脂にて構成すれば、酸素吸収性磁
性材料の噴射速度などが多少大きくとも、噴射された酸
素吸収性磁性材料の該フィルム20裏面7への貫通を効
率よく阻止でき、酸素吸収性磁性材料の噴射速度、熱可
塑性樹脂フィルムの温度調節等が容易となり、図14に
示すように酸素吸収性磁性材料30が一様な深度でフィ
ルム内に埋設されたフィルム状脱酸素剤10j、10h
を容易に作製できる。また、このような多層フィルムで
は、少なくともその表面6を構成している樹脂の軟化温
度に加熱されていると、表面6に衝突した酸素吸収性磁
性材料をフィルム内に適度に進入・埋設できる。
【0067】本発明に係るフィルム状脱酸素剤の製法
は、上記例に限定されず、例えば、粘着剤が塗設された
フィルムの表面に酸素吸収性磁性材料を付着させ、次い
で、磁性材料が付着したこの粘着剤上に、表裏面を貫通
する多数の孔を有する多孔性フィルムを貼着してフィル
ム状脱酸素剤を製造してもよい。
【0068】また本発明では、フィルムの表面に酸素吸
収性磁性材料を載置し、次いで、表面に粘着剤が塗設さ
れた多孔性フィルムを、その粘着剤と酸素吸収性磁性材
料とが当接するようにして密着させて、フィルム状脱酸
素剤を製造してもよい。
【0069】本発明では、これら粘着剤使用タイプのフ
ィルム状脱酸素剤の場合には、用いられるフィルム材と
しては、通常、前述したような熱硬化性または熱可塑性
樹脂、ゴム等が用いられるが、さらにこれらのフィルム
表面に他の機能性フィルム(例:紫外線吸収フィルム、
酸素非透過性フィルム)を貼付・被覆して、被包装物内
への外界ガス等の浸入を阻止する場合には、粘着剤ある
いは酸素吸収性磁性材料が直接接するフィルム材として
は、これら熱可塑性樹脂などに限定されず、例えば、樹
皮、不織布、紙など、表裏面に通じる貫通孔を有する各
種素材を用いることもできる。
【0070】本発明では、上記何れの場合もフィルム状
脱酸素剤の製造を、窒素ガス雰囲気下、真空中、希ガス
雰囲気下で行うことが好ましい。このようにして得られ
たフィルム状脱酸素剤にて、その酸素吸収性磁性材料か
らフィルム表面に至る孔(図1の付番40)、あるいは
フィルム状の酸素吸収性磁性材料(図10の付番30
a)が被包装物(内容物)と対向するようにして食品
(例:魚介乾性品、乾燥野菜、乾燥肉、乾麺、油菓
子)、医薬品、機械器具、衣類、寝具、絨毯などのよう
に、酸化して変質・変色・腐食等が生じ、その品質が劣
化する虞のあるものを包装すれば、包装内の酸素等は、
該酸素吸収性磁性材料(鉄粉)に効率よく吸収されるた
め、食品、医薬品等の内容物の酸化・変質等を防止し
て、その鮮度、使用可能期間などを長期に亘り維持で
き、また機械器具等では発錆を効率よく防止できる。な
お、このような包装(被覆)の際には、内部に外部の空
気、水蒸気などが入らないように、密封することが好ま
しく、特に包装時に真空(脱気)包装、不活性ガス封
入、窒素ガス封入などすれば、さらに該フィルム状脱酸
素剤の酸素吸収効率を高めることができる。
【0071】本発明に係るフィルム状脱酸素剤によれ
ば、従来の少量ずつ個包装された脱酸素剤と比して、そ
の表面積は、袋の内面全体となるため、酸素吸着効率が
高い。またその形態がフィルム状であるため、上記のよ
うに機械器具、衣類など大型のものの包装にも適用可能
である。
【0072】しかも、本発明に係るフィルム状脱酸素剤
によれば、従来の個別包装された脱酸素剤(商品名:イ
ージレス)と異なり、いちいち個々の商品包装時に1個
ずつ入れる(同封する)必要がなく、包装作業が簡単に
なり、また該脱酸素剤を個々の包装に入れたか否かをチ
ェックする必要もなく商品管理も容易となり、また乳幼
児が従来の個包装された該脱酸素剤と異なり、誤飲・誤
食する虞もなく、また例えば鉄が主成分であるなど安全
性にも優れており、使用後の廃棄に際しても従来の包装
用フィルムなどと同様に処分できる。
【0073】
【発明の効果】本発明に係るフィルム状脱酸素剤によれ
ば、包装作業が簡単になり、商品管理も容易であり、安
全性に優れ、乳幼児の誤飲・誤食の虞もなく、安全性に
優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るフィルム状脱酸素剤の一
例を示す断面概念図である。
【図2】図2は、図1に示すフィルム状脱酸素剤の表面
に、熱可塑性樹脂フィルム層が形成された本発明に係る
フィルム状脱酸素剤を示す。
【図3】図3は、図2に示すフィルム状脱酸素剤の表面
の熱可塑性樹脂フィルム層を剥離して袋として使用する
態様を示す説明図である。
【図4】図4は、二枚の図1に示すフィルム状脱酸素剤
が貼着された状態を示す図面である。
【図5】図5は、熱可塑性樹脂フィルムの表面に、酸素
吸収性磁性材料(鉄粉)入りの熱可塑性樹脂系インクを
ドット印刷した状態を示す説明図である。
【図6】図6は、図5に示すフィルムの表面に形成され
たドット印刷部分に、酸素吸収性磁性材料(鉄粉)から
ドット表面に通じる孔を形成し、しかも該ドット部を被
覆するように、さらにフィルムを貼付した本発明に係る
フィルム状脱酸素剤の断面概念図である。
【図7】図7は、本発明に係るフィルム状脱酸素剤の製
造方法の説明図である。
【図8】図8は、本発明に係るフィルム状脱酸素剤を製
造する際に用いられる放電破壊工程の原理を説明する図
面である。
【図9】図9は、酸素吸収性磁性材料がフィルム(箔)
状であり、該箔の表面に多孔性フィルムが設けられた態
様を示す、本発明にフィルム状脱酸素剤の説明図であ
る。
【図10】図10は、本発明に係るフィルム状脱酸素剤
並びにその使用態様の説明図である。
【図11】図11は、本発明に係るフィルム状脱酸素剤
並びにその使用態様の説明図である。
【図12】図12は、本発明に係るフィルム状脱酸素剤
の製造方法の説明図である。
【図13】図13は、本発明に係るフィルム状脱酸素剤
の製造方法の説明図である。
【図14】図14(a)は、2層構造の本発明に係るフ
ィルム状脱酸素剤を示し、図14(b)は3層構造のフ
ィルム状脱酸素剤の説明図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c、10d、10e、10
f、10g、10h、10i、10j・・・・フィルム
状脱酸素剤 20、20a・・・・熱可塑性樹脂フィルム 30・・・・酸素吸収性磁性材料(鉄粉) 40・・・・孔 50・・・・フィルム(熱可塑性樹脂フィルム層) 50a・・・・フィルムの側方周縁部(固着部) 50b・・・・フィルムの底部(下方側)周縁部(固着
部) 50c・・・・フィルムの剥離開口部(上方側周縁部、
商品挿入口) 70・・・・ドット状印刷体 80・・・・酸素吸収性磁性材料の噴射装置 81・・・・酸素吸収性磁性材料の加熱装置 82・・・・磁石 83・・・・酸素吸収性磁性材料の噴射口 84・・・・フィルムの熱影響部 86・・・・搬送ローラ 6・・・・フィルムの表面(一方面) 7・・・・フィルムの他方面(裏面) 9・・・・開口 52・・・・フィルムの裏側 54・・・・多孔性フィルム 120・・・・磁化(熱)ロール 122,122a、122b・・・・非磁性(熱)ロー

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムと、該フィルム内に埋設された酸
    素吸収性磁性材料とからなり、該フィルムには、酸素吸
    収性磁性材料からフィルムの一方面にのみ開口する孔が
    形成されていることを特徴とするフィルム状脱酸素剤。
  2. 【請求項2】上記酸素吸収性磁性材料が、粉末状または
    箔状である請求項1に記載のフィルム状脱酸素剤。
  3. 【請求項3】上記フィルム状脱酸素剤の開口側表面に
    は、さらに、剥離可能な酸素非透過性フィルム層が形成
    されていることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記
    載のフィルム状脱酸素剤。
  4. 【請求項4】2枚の上記フィルム状脱酸素剤を、その開
    口側表面が互いに向き合うように剥離可能に貼着してな
    るフィルム状脱酸素剤。
  5. 【請求項5】該フィルムには、酸素吸収性磁性材料に加
    えて、さらに塩化ナトリウムが含有されていることを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載のフィルム状脱酸
    素剤。
  6. 【請求項6】酸素吸収性磁性材料と、熱可塑性樹脂とを
    加熱下に混練してフィルム状に押出し、 次いで、該フィルムを、磁化された熱ロールと非磁性の
    熱ロールとの間に挿通させて加熱軟化状態に保持してフ
    ィルム内の酸素吸収性磁性材料を該磁化熱ロール側に偏
    在化させ、 次いで、正負電極間に、得られた酸素吸収性磁性材料偏
    在化フィルムの酸素吸収性磁性材料が高濃度に偏在化し
    た面と、負電極とが対向するように配置して、 放電破壊によりフィルムの一方面から酸素吸収性磁性材
    料に至る孔を形成させることを特徴とするフィルム状脱
    酸素剤の製造方法。
  7. 【請求項7】上記酸素吸収性磁性材料と、熱可塑性樹脂
    と共に、さらに塩化ナトリウムを加熱下に混練してフィ
    ルム状に押出すことを特徴とする請求項6に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂フィルムの一方面に、酸素吸
    収性磁性材料を含有した熱可塑性樹脂系インクにてパタ
    ーン印刷して酸素吸収性磁性材料偏在化フィルムを形成
    し、 次いで、 正負電極間に、得られた酸素吸収性磁性材料偏在化フィ
    ルムの酸素吸収性磁性材料が高濃度に偏在化した面と、
    負電極とが対向するように該偏在化フィルムを配置し
    て、 放電破壊により該偏在化フィルムの一方面から酸素吸収
    性磁性材料に至る孔を形成させることを特徴とするフィ
    ルム状脱酸素剤の製造方法。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂フィルムの一方面に、酸素吸
    収性磁性材料を載置し、少なくとも一対の加熱ローラ間
    で加熱下に加圧して、該酸素吸収性磁性材料がフィルム
    表面に突出せず、かつ少なくともその一部が露出するよ
    うに該熱可塑性樹脂フィルム内に埋設することを特徴と
    するフィルム状脱酸素剤の製造方法。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂フィルムの一方面に、真空
    蒸着法またはスパッタリング法にて酸素吸収性磁性材料
    の薄膜を形成し、次いで、この磁性材料の薄膜上に表裏
    面を貫通する多数の孔を備えた多孔性樹脂フィルムを貼
    着することを特徴とするフィルム状脱酸素剤の製造方
    法。
  11. 【請求項11】第1熱可塑性樹脂フィルムの一方面に、
    真空蒸着法またはスパッタリング法にて酸素吸収性磁性
    材料の薄膜を形成し、 次いで、 この酸素吸収性磁性薄膜上に第2熱可塑性樹脂フィルム
    を貼着し、 次いで、 正負電極間に、得られた積層フィルムを配置して、 放電破壊により積層フィルムの一方面から酸素吸収性磁
    性薄膜に至る多数の孔を形成させることを特徴とするフ
    ィルム状脱酸素剤の製造方法。
  12. 【請求項12】加熱軟化した熱可塑性樹脂フィルムの裏
    面側に磁石を配置し、表面側に酸素吸収性磁性材料を配
    置し、当該磁石の磁力が該酸素吸収性磁性材料に作用し
    ている状態で、該フィルムの表面側から該フィルムに向
    かって該酸素吸収性磁性材料を該フィルムに衝突させる
    ことにより、 該酸素吸収性磁性材料が該フィルム表面に突出せず、か
    つ少なくともその一部が露出するように該フィルム内に
    埋設することを特徴とするフィルム状脱酸素剤の製造方
    法。
  13. 【請求項13】熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度に加
    熱された酸素吸収性磁性材料を、熱可塑性樹脂フィルム
    上に自然落下または吹付により、該フィルムに衝突させ
    ることにより、当該酸素吸収性磁性材料が衝突した前記
    フィルムの熱影響部を溶融・軟化させ、 当該熱影響部に衝突した前記酸素吸収性磁性材料が該フ
    ィルム表面に突出せず、かつ少なくともその一部が露出
    するように該フィルム内に埋設することを特徴とするフ
    ィルム状脱酸素剤の製造方法。
  14. 【請求項14】上記フィルム状脱酸素剤の製造を、窒素
    ガス雰囲気下または希ガス雰囲気下で行う請求項6〜1
    3の何れかに記載の方法。
  15. 【請求項15】上記請求項1〜5の何れかに記載のフィ
    ルム状脱酸素剤を用いて、脱気条件下、窒素ガス雰囲気
    下または希ガス雰囲気下で被包装物を包装することを特
    徴とする被包装物の包装方法。
JP13385597A 1996-06-03 1997-05-23 フィルム状脱酸素剤、その製造方法並びに該脱酸素剤を用いた包装方法 Pending JPH1057807A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003008094A1 (en) * 2001-07-16 2003-01-30 Nitto Denko Corporation Sheet for treating gaseous ingredient and electroluminescent element employing the same
US7732060B2 (en) 2000-03-31 2010-06-08 Nitto Denko Corporation Sheet for treating gaseous ingredient and electroluminescent element employing the same
JP2014050988A (ja) * 2012-09-05 2014-03-20 Dainippon Printing Co Ltd 機能性物質層積層フィルム、及び該積層フィルムを適用した包装体

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