JPH1059781A - セラミックス基繊維複合材料 - Google Patents
セラミックス基繊維複合材料Info
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- JPH1059781A JPH1059781A JP8220153A JP22015396A JPH1059781A JP H1059781 A JPH1059781 A JP H1059781A JP 8220153 A JP8220153 A JP 8220153A JP 22015396 A JP22015396 A JP 22015396A JP H1059781 A JPH1059781 A JP H1059781A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】反応焼結で形成されたSiCをマトリックス材
料に適用した場合でも、部品表面の初期クラック発生に
対する破壊靭性に優れた材料特性を得る。 【解決手段】セラミックス基繊維複合材料を、反応焼結
で形成されたSiCを主相とするセラミックスのマトリ
ックス1と、このマトリックス1中に複合化させたSi
Cを主相とするセラミックスの繊維2とで構成する。こ
の繊維2とマトリックス1との間に界面層(BN層)を
配置する。繊維2を、材料内部F1よりも材料表面の少
なくとも一部を含む表層部F2で均質に分布させる。
料に適用した場合でも、部品表面の初期クラック発生に
対する破壊靭性に優れた材料特性を得る。 【解決手段】セラミックス基繊維複合材料を、反応焼結
で形成されたSiCを主相とするセラミックスのマトリ
ックス1と、このマトリックス1中に複合化させたSi
Cを主相とするセラミックスの繊維2とで構成する。こ
の繊維2とマトリックス1との間に界面層(BN層)を
配置する。繊維2を、材料内部F1よりも材料表面の少
なくとも一部を含む表層部F2で均質に分布させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セラミックス基
繊維複合材料に係り、特にマトリックスとして反応焼結
で形成された緻密質の炭化ケイ素(SiC)を用いた複
合材料の改善に関する。
繊維複合材料に係り、特にマトリックスとして反応焼結
で形成された緻密質の炭化ケイ素(SiC)を用いた複
合材料の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、セラミックス焼結体は、高温ま
での強度低下が少なく、硬度、電気絶縁性、耐摩耗性、
耐腐食性、軽量性等の諸特性が従来の金属材と比較して
優れているため、重電設備部品、航空機部品、自動車部
品、電子機器、精密機械部品、半導体装置材料などの電
子用材料や構造用材料として広い分野において使用され
ている。
での強度低下が少なく、硬度、電気絶縁性、耐摩耗性、
耐腐食性、軽量性等の諸特性が従来の金属材と比較して
優れているため、重電設備部品、航空機部品、自動車部
品、電子機器、精密機械部品、半導体装置材料などの電
子用材料や構造用材料として広い分野において使用され
ている。
【0003】しかし、このセラミックス焼結体は、圧縮
応力に比べて引張り応力に弱く、この引張り応力下で破
壊が一気に進行する、いわゆる脆性という欠点を有して
いるため、このような脆性を改善して高靭性化や破壊エ
ネルギーの増大を図ることが適用対象によっては必要と
なる。このような脆性改善の試みは、耐熱性及び高温強
度に加え、特に高信頼性が要求されるガスタービン部
品、航空機部品、自動車部品等のセラミックス構造部品
への適用に際し、強く要請されている。
応力に比べて引張り応力に弱く、この引張り応力下で破
壊が一気に進行する、いわゆる脆性という欠点を有して
いるため、このような脆性を改善して高靭性化や破壊エ
ネルギーの増大を図ることが適用対象によっては必要と
なる。このような脆性改善の試みは、耐熱性及び高温強
度に加え、特に高信頼性が要求されるガスタービン部
品、航空機部品、自動車部品等のセラミックス構造部品
への適用に際し、強く要請されている。
【0004】そこで、このような要請を受けて、破壊靭
性値、破壊エネルギー値、耐熱衝撃性等の向上を志向し
たセラミックス焼結体として、無機物質や金属からなる
繊維、ウィスカー、プレート、粒子等の複合素材をマト
リックス中に分散複合化させて形成したセラミックス基
複合材料が脚光を浴び、この実用化研究が内外の研究機
関等において精力的に進められている。特に、繊維を複
合化させてセラミックス基繊維複合材料とした場合に
は、破壊抵抗の改良効果が大きいため、その実用化が期
待されている。
性値、破壊エネルギー値、耐熱衝撃性等の向上を志向し
たセラミックス焼結体として、無機物質や金属からなる
繊維、ウィスカー、プレート、粒子等の複合素材をマト
リックス中に分散複合化させて形成したセラミックス基
複合材料が脚光を浴び、この実用化研究が内外の研究機
関等において精力的に進められている。特に、繊維を複
合化させてセラミックス基繊維複合材料とした場合に
は、破壊抵抗の改良効果が大きいため、その実用化が期
待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のセラミックス基
繊維複合材料では、モノリシックセラミックスと比べる
と繊維の複合化による破壊抵抗の改良効果で材料全体の
破壊エネルギーが大きくなるといった利点があるもの
の、これとは逆に、繊維の存在下で材料全体の初期マト
リックス破壊強度が低下するといった傾向があった。こ
の傾向は、破壊抵抗の改良効果をより一層発揮させるた
めにマトリックスと繊維との間に窒化ホウ素(BN)層
等の界面層を配置した場合でも、同様であった。
繊維複合材料では、モノリシックセラミックスと比べる
と繊維の複合化による破壊抵抗の改良効果で材料全体の
破壊エネルギーが大きくなるといった利点があるもの
の、これとは逆に、繊維の存在下で材料全体の初期マト
リックス破壊強度が低下するといった傾向があった。こ
の傾向は、破壊抵抗の改良効果をより一層発揮させるた
めにマトリックスと繊維との間に窒化ホウ素(BN)層
等の界面層を配置した場合でも、同様であった。
【0006】例えば、初期マトリックス破壊強度以下の
応力域は、損傷が殆ど発生しない弾性域とほぼ見做さ
れ、この範囲内では応力負荷に起因して損傷が進行する
といった時間依存の特性劣化が殆ど生じない。このこと
から、この初期マトリックス破壊強度が低いことは、低
い負荷応力レベルから損傷が進行して特性劣化しやすい
ことを意味し、部品設計上等の観点から好ましいもので
はない。
応力域は、損傷が殆ど発生しない弾性域とほぼ見做さ
れ、この範囲内では応力負荷に起因して損傷が進行する
といった時間依存の特性劣化が殆ど生じない。このこと
から、この初期マトリックス破壊強度が低いことは、低
い負荷応力レベルから損傷が進行して特性劣化しやすい
ことを意味し、部品設計上等の観点から好ましいもので
はない。
【0007】そこで、初期マトリックス破壊強度を高め
る有効な対策の1つとして、マトリックスを緻密化する
方法が知られている。例えば、耐熱性等に優れた高温材
料として近年脚光を浴びているSiCをマトリックス主
相に適用する場合には、緻密質セラミックスを形成可能
な反応焼結法が望ましい。
る有効な対策の1つとして、マトリックスを緻密化する
方法が知られている。例えば、耐熱性等に優れた高温材
料として近年脚光を浴びているSiCをマトリックス主
相に適用する場合には、緻密質セラミックスを形成可能
な反応焼結法が望ましい。
【0008】ところが、緻密質セラミックスである反応
焼結SiCをマトリックスに適用しようとすると、材料
(部品)表面がモノリシックセラミックスの特性に支配
されやすく、その材料表面での初期クラック発生に対す
る破壊靭性が低下するといった問題があった。このこと
は、材料表面近傍の微小局所領域で飛翔体の衝撃を受け
たときに、その衝撃力に伴う損傷が内部に深く進展した
り、いわゆるチッピング等の損傷が発生しやすい等の微
小局所領域の耐損傷性に問題があることを意味し、この
ために実用化可能な対象部品が限定されるといった不都
合があった。
焼結SiCをマトリックスに適用しようとすると、材料
(部品)表面がモノリシックセラミックスの特性に支配
されやすく、その材料表面での初期クラック発生に対す
る破壊靭性が低下するといった問題があった。このこと
は、材料表面近傍の微小局所領域で飛翔体の衝撃を受け
たときに、その衝撃力に伴う損傷が内部に深く進展した
り、いわゆるチッピング等の損傷が発生しやすい等の微
小局所領域の耐損傷性に問題があることを意味し、この
ために実用化可能な対象部品が限定されるといった不都
合があった。
【0009】一方、上記のように反応焼結SiCをマト
リックスに適用して初期マトリックス破壊強度を高めよ
うとすると、今度は逆に材料全体の破壊エネルギーが低
下するといった傾向があった。破壊エネルギーが低下す
ることは、部品信頼性又は損傷許容性等の観点から好ま
しいものではない。この傾向は、上述の界面層を設けた
場合でも同様であった。
リックスに適用して初期マトリックス破壊強度を高めよ
うとすると、今度は逆に材料全体の破壊エネルギーが低
下するといった傾向があった。破壊エネルギーが低下す
ることは、部品信頼性又は損傷許容性等の観点から好ま
しいものではない。この傾向は、上述の界面層を設けた
場合でも同様であった。
【0010】従って、従来の破壊エネルギーが大きなセ
ラミックス基繊維複合材料の大部分は初期マトリックス
破壊強度が比較的低い値を示し、その初期マトリックス
破壊強度を改善すれば破壊エネルギーが低下するといっ
た傾向があるため、この両者を同時に向上させた材料特
性を得ることが困難となっていた。このため、実用化可
能な対象部品も限定されるといった不都合があった。
ラミックス基繊維複合材料の大部分は初期マトリックス
破壊強度が比較的低い値を示し、その初期マトリックス
破壊強度を改善すれば破壊エネルギーが低下するといっ
た傾向があるため、この両者を同時に向上させた材料特
性を得ることが困難となっていた。このため、実用化可
能な対象部品も限定されるといった不都合があった。
【0011】また、上記のように初期マトリックス破壊
強度の改善に伴って耐損傷性や破壊抵抗が低下してしま
うと、セラミックスの優れた耐環境性についても、必ず
しも十分に発揮させることができない。
強度の改善に伴って耐損傷性や破壊抵抗が低下してしま
うと、セラミックスの優れた耐環境性についても、必ず
しも十分に発揮させることができない。
【0012】この発明は、このような従来の問題を考慮
してなされたもので、反応焼結で形成されたSiCをマ
トリックス材料に適用した場合でも、部品表面の初期ク
ラック発生に対する破壊靭性に優れた材料特性を得るこ
とを、第1の目的とする。
してなされたもので、反応焼結で形成されたSiCをマ
トリックス材料に適用した場合でも、部品表面の初期ク
ラック発生に対する破壊靭性に優れた材料特性を得るこ
とを、第1の目的とする。
【0013】また、この発明は、反応焼結で形成された
SiCをマトリックス材料に適用した場合でも、大きな
破壊エネルギーと大きな初期マトリックス破壊強度とを
同時に備えた材料特性を得ることを、第2の目的とす
る。
SiCをマトリックス材料に適用した場合でも、大きな
破壊エネルギーと大きな初期マトリックス破壊強度とを
同時に備えた材料特性を得ることを、第2の目的とす
る。
【0014】さらに、この発明は、反応焼結で形成され
たSiCをマトリックス材料に適用した場合にセラミッ
クスの優れた耐環境性を十分に発揮させることを、第3
の目的とする。
たSiCをマトリックス材料に適用した場合にセラミッ
クスの優れた耐環境性を十分に発揮させることを、第3
の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、ガスタービン部品等のセラミックス構造
部品への適用性を考慮に入れて部品形状対応性に優れた
繊維束等の織物構造体を繊維として採用し、反応焼結で
形成されたSiCをマトリックス材料に適用した場合の
破壊靭性を向上させる改善策について種々の研究を行っ
てきた。
達成するため、ガスタービン部品等のセラミックス構造
部品への適用性を考慮に入れて部品形状対応性に優れた
繊維束等の織物構造体を繊維として採用し、反応焼結で
形成されたSiCをマトリックス材料に適用した場合の
破壊靭性を向上させる改善策について種々の研究を行っ
てきた。
【0016】その結果、織物の場合には、マトリックス
中に繊維が均質に分布しないで材料内部の繊維間隔がば
らつくといった織物特有の繊維分布特性があり、その繊
維間に形成されるマトリックスの大きさが不均一となる
こと、特にマトリックスの大きな部分が部品表面近傍に
存在すれば、その表面で発生する損傷が内部に深く進展
しやすい事実を見出した。
中に繊維が均質に分布しないで材料内部の繊維間隔がば
らつくといった織物特有の繊維分布特性があり、その繊
維間に形成されるマトリックスの大きさが不均一となる
こと、特にマトリックスの大きな部分が部品表面近傍に
存在すれば、その表面で発生する損傷が内部に深く進展
しやすい事実を見出した。
【0017】このことから、部品表面近傍の微小局所領
域の耐損傷性を改善するには、部品表面近傍の繊維を部
品内部の繊維よりも均質に分布させることが有効である
との知見を得た。
域の耐損傷性を改善するには、部品表面近傍の繊維を部
品内部の繊維よりも均質に分布させることが有効である
との知見を得た。
【0018】従って、この発明に係るセラミックス基繊
維複合材料は、反応焼結で形成されたSiCを主相とす
るマトリックスと、このマトリックス中に複合化させた
セラミックスの繊維とで成り、この繊維は、材料表面の
少なくとも一部を含む表層部で材料内部よりも均質に分
布することを特徴とする。
維複合材料は、反応焼結で形成されたSiCを主相とす
るマトリックスと、このマトリックス中に複合化させた
セラミックスの繊維とで成り、この繊維は、材料表面の
少なくとも一部を含む表層部で材料内部よりも均質に分
布することを特徴とする。
【0019】材料表面の少なくとも一部とは、例えば耐
応力又は耐環境性が要求される条件下で少なくとも主要
な仕事が行われる有効仕事面を含むものである。
応力又は耐環境性が要求される条件下で少なくとも主要
な仕事が行われる有効仕事面を含むものである。
【0020】このように繊維分布特性を表層部と材料内
部とで制御することにより、部品表面近傍の微小局所領
域で発生する損傷の進展を材料表面の表層部内で有効に
阻止できることから、微小局所領域の耐損傷性にも優れ
た特性が得られる。
部とで制御することにより、部品表面近傍の微小局所領
域で発生する損傷の進展を材料表面の表層部内で有効に
阻止できることから、微小局所領域の耐損傷性にも優れ
た特性が得られる。
【0021】別の態様によれば、この発明は、前記繊維
とマトリックスとの間に当該マトリックスに対して上記
繊維のすべりを発現可能な界面層が存在することを特徴
とすする。この界面層の存在下で、繊維及びマトリック
ス間の界面状態が適性に制御され、その両者の結合力を
弱めて繊維のプルアウトやブリッジング等の複合効果を
より一層発揮させることができる。
とマトリックスとの間に当該マトリックスに対して上記
繊維のすべりを発現可能な界面層が存在することを特徴
とすする。この界面層の存在下で、繊維及びマトリック
ス間の界面状態が適性に制御され、その両者の結合力を
弱めて繊維のプルアウトやブリッジング等の複合効果を
より一層発揮させることができる。
【0022】前記材料内部に分布する繊維は、望ましく
は繊維束で構成された織物構造体で成るものとする。こ
の織物構造体によれば、部品形状対応性に優れ、対象部
品の適用範囲をより一層広くすることができる。
は繊維束で構成された織物構造体で成るものとする。こ
の織物構造体によれば、部品形状対応性に優れ、対象部
品の適用範囲をより一層広くすることができる。
【0023】前記表層部に分布する繊維は、望ましく
は、1):開繊された繊維束、2):前記材料内部に分
布する繊維よりも少ない本数の繊維束で構成された織物
構造体、3):前記材料内部に分布する繊維よりも細径
の繊維、4):実質的に単繊維の配列構造で構成された
繊維のいずれか又はその組合せで成るものとする。これ
により、材料内部の繊維よりも均質に分布させることが
できる。
は、1):開繊された繊維束、2):前記材料内部に分
布する繊維よりも少ない本数の繊維束で構成された織物
構造体、3):前記材料内部に分布する繊維よりも細径
の繊維、4):実質的に単繊維の配列構造で構成された
繊維のいずれか又はその組合せで成るものとする。これ
により、材料内部の繊維よりも均質に分布させることが
できる。
【0024】また、本発明者は、上記目的を達成するた
め、特にセラミックスの優れた耐環境性を十分に発揮さ
せる改善策について研究してきたところ、反応焼結で形
成されたSiCをマトリックス材料に適用するほか、材
料表面に50μm以上のマトリックス層又はモノシリッ
クセラミックス層を形成することが有効であるとの知見
を得た。
め、特にセラミックスの優れた耐環境性を十分に発揮さ
せる改善策について研究してきたところ、反応焼結で形
成されたSiCをマトリックス材料に適用するほか、材
料表面に50μm以上のマトリックス層又はモノシリッ
クセラミックス層を形成することが有効であるとの知見
を得た。
【0025】即ち、この発明では、前記表層部の材料表
面にコート層を設け、このコート層を、前記反応焼結で
形成されたSiCを主相とするマトリックス又はモノリ
シックセラミックスで構成したことを特徴とする。前記
コート層の厚さは、望ましくは50μm以上とする。
面にコート層を設け、このコート層を、前記反応焼結で
形成されたSiCを主相とするマトリックス又はモノリ
シックセラミックスで構成したことを特徴とする。前記
コート層の厚さは、望ましくは50μm以上とする。
【0026】また、本発明者は、上記目的を達成するた
め、反応焼結で形成されたSiCをマトリックス材料に
適用した場合に破壊抵抗を向上させる対策について種々
の研究を行ってきたところ、繊維とマトリックスとの結
合強度を界面層の存在下で制御して部品表面で部品内部
よりも大きくなるように制御することにより、特に部品
表面部の破壊エネルギーを改善すれば、材料全体として
は、反応焼結SiCで初期マトリックス破壊強度を高め
つつ、破壊抵抗を殆ど低下することなく改善できるとの
知見を得た。
め、反応焼結で形成されたSiCをマトリックス材料に
適用した場合に破壊抵抗を向上させる対策について種々
の研究を行ってきたところ、繊維とマトリックスとの結
合強度を界面層の存在下で制御して部品表面で部品内部
よりも大きくなるように制御することにより、特に部品
表面部の破壊エネルギーを改善すれば、材料全体として
は、反応焼結SiCで初期マトリックス破壊強度を高め
つつ、破壊抵抗を殆ど低下することなく改善できるとの
知見を得た。
【0027】即ち、この発明に係るセラミックス基繊維
複合材料は、反応焼結で形成されたSiCを主相とする
マトリックスと、このマトリックス中に複合化させたセ
ラミックスの繊維とで成り、この繊維とマトリックスと
の間に当該マトリックスに対して上記繊維のすべりを発
現可能な界面層が存在すると共に、この界面層は、材料
表面の少なくとも一部を含む表層部で材料内部よりも界
面せん断強度が小さいことを特徴とする。これは、例え
ば界面層の厚さを前記表層部で材料内部よりも大きいも
のとすることで制御できる。
複合材料は、反応焼結で形成されたSiCを主相とする
マトリックスと、このマトリックス中に複合化させたセ
ラミックスの繊維とで成り、この繊維とマトリックスと
の間に当該マトリックスに対して上記繊維のすべりを発
現可能な界面層が存在すると共に、この界面層は、材料
表面の少なくとも一部を含む表層部で材料内部よりも界
面せん断強度が小さいことを特徴とする。これは、例え
ば界面層の厚さを前記表層部で材料内部よりも大きいも
のとすることで制御できる。
【0028】この場合でも、上記と同様に耐環境性の観
点から、材料表面に50μm以上のマトリックス層又は
モノシリックセラミックス層を形成することが望ましい
と考えられる。
点から、材料表面に50μm以上のマトリックス層又は
モノシリックセラミックス層を形成することが望ましい
と考えられる。
【0029】即ち、本件の他の発明では、前記表層部の
材料表面にコート層を設け、このコート層を、前記反応
焼結で形成されたSiCを主相とするマトリックス又は
モノリシックセラミックスで構成している。前記コート
層の厚さは、望ましくは50μm以上である。
材料表面にコート層を設け、このコート層を、前記反応
焼結で形成されたSiCを主相とするマトリックス又は
モノリシックセラミックスで構成している。前記コート
層の厚さは、望ましくは50μm以上である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るセラミック
ス基繊維複合材料の実施形態を具体的に説明する。
ス基繊維複合材料の実施形態を具体的に説明する。
【0031】(第1実施形態)実施例1 実施例1では、直径14μmのSiC系セラミックス繊
維(日本カーボン株式会社製、商品名:ハイニカロン)
を500本、ヤーンとして束ねた繊維束(500F/
Y)で、この繊維束のモノフィラメント表面にCVD法
を用いて厚さ0.4μmのBN層(界面層)を形成した
ものを準備した。この繊維束を製織して平織クロスと、
開繊処理を施した平織クロスとを作製した。
維(日本カーボン株式会社製、商品名:ハイニカロン)
を500本、ヤーンとして束ねた繊維束(500F/
Y)で、この繊維束のモノフィラメント表面にCVD法
を用いて厚さ0.4μmのBN層(界面層)を形成した
ものを準備した。この繊維束を製織して平織クロスと、
開繊処理を施した平織クロスとを作製した。
【0032】次いで、平織クロスを材料内部を成す繊維
として5枚積層し、この積層体を挟む両側に表層部を成
す繊維として開繊処理を施した平織クロスを2枚づつ積
層して合計9枚の平織クロスの積層体(織物構造体)を
多孔質樹脂製成形型にセットし(繊維体積率(Vf=2
7%))、セラミックス原料のスラリーを含浸させ、成
形して乾燥させて成形体を得た。ここで、スラリーとし
て、中心粒径1μmのSiC粉末(70wt%)及びカ
ーボンブラック(30wt%)を固形分としたときに、
この固形分(50wt%)に純水(47wt%)及び界
面活性剤(3wt%)を混合したものを使用した。
として5枚積層し、この積層体を挟む両側に表層部を成
す繊維として開繊処理を施した平織クロスを2枚づつ積
層して合計9枚の平織クロスの積層体(織物構造体)を
多孔質樹脂製成形型にセットし(繊維体積率(Vf=2
7%))、セラミックス原料のスラリーを含浸させ、成
形して乾燥させて成形体を得た。ここで、スラリーとし
て、中心粒径1μmのSiC粉末(70wt%)及びカ
ーボンブラック(30wt%)を固形分としたときに、
この固形分(50wt%)に純水(47wt%)及び界
面活性剤(3wt%)を混合したものを使用した。
【0033】次いで、上記の成形体をSi溶融金属(純
度99.9%)に接触させ、真空中で5hr、1430
℃に加熱して溶融含浸させることにより、図1に示すよ
うに、反応焼結SiCのマトリックス1中に界面層を含
む繊維2が複合化されると共に、その繊維2が材料内部
F1よりも材料表面を含む表層部F2で均質に分布する
セラミックス基繊維複合材料が得られた(図中では便宜
上、界面層を省略した)。比較のため、従来の場合のセ
ラミックス基繊維複合材料の模式断面図を図2に示す。
度99.9%)に接触させ、真空中で5hr、1430
℃に加熱して溶融含浸させることにより、図1に示すよ
うに、反応焼結SiCのマトリックス1中に界面層を含
む繊維2が複合化されると共に、その繊維2が材料内部
F1よりも材料表面を含む表層部F2で均質に分布する
セラミックス基繊維複合材料が得られた(図中では便宜
上、界面層を省略した)。比較のため、従来の場合のセ
ラミックス基繊維複合材料の模式断面図を図2に示す。
【0034】従って、この複合材料は、緻密な反応焼結
SiCのマトリックス1により初期マトリックス破壊強
度を高めつつ、図1及び図2に示すように、材料内部F
1と表層部F2との互いの繊維分布特性の違いにより、
従来と比べて材料表面で発生した亀裂(初期クラック)
CKの材料内部F1への進展をより表面に近い表層部F
2で阻止できることから、部品表面の微小局所領域の耐
損傷性にも優れた特性を備えたものとなった。
SiCのマトリックス1により初期マトリックス破壊強
度を高めつつ、図1及び図2に示すように、材料内部F
1と表層部F2との互いの繊維分布特性の違いにより、
従来と比べて材料表面で発生した亀裂(初期クラック)
CKの材料内部F1への進展をより表面に近い表層部F
2で阻止できることから、部品表面の微小局所領域の耐
損傷性にも優れた特性を備えたものとなった。
【0035】この複合材料の特性を別の観点から考えて
みる。即ち、マトリックス1を介して材料表面から内部
に進展する亀裂を4本の繊維2を介して阻止可能な場合
を想定すると、図3に示す従来の場合では、表層部での
繊維分布が不均一であり、繊維2が不規則にばらつく。
その結果、深さ方向に隣接する繊維2の間隔が全て異な
るため、その間隔の比較的大きな部分に形成されたマト
リックス1を介して亀裂が表層部を越えて内部の深い範
囲P1まで進展しやすい。これに対し、図4に示す本発
明の場合には、表層部での繊維分布が均質であり、繊維
2が略均等な間隔で配列している。その結果、深さ方向
に隣接する繊維2の間隔が略同様に揃うため、表層部内
の比較的浅い範囲P2で亀裂の進展を阻止できる。
みる。即ち、マトリックス1を介して材料表面から内部
に進展する亀裂を4本の繊維2を介して阻止可能な場合
を想定すると、図3に示す従来の場合では、表層部での
繊維分布が不均一であり、繊維2が不規則にばらつく。
その結果、深さ方向に隣接する繊維2の間隔が全て異な
るため、その間隔の比較的大きな部分に形成されたマト
リックス1を介して亀裂が表層部を越えて内部の深い範
囲P1まで進展しやすい。これに対し、図4に示す本発
明の場合には、表層部での繊維分布が均質であり、繊維
2が略均等な間隔で配列している。その結果、深さ方向
に隣接する繊維2の間隔が略同様に揃うため、表層部内
の比較的浅い範囲P2で亀裂の進展を阻止できる。
【0036】そこで、この複合材料の特性を検証するた
め、所定サイズの試験片を切り出し、各種試験を行っ
た。
め、所定サイズの試験片を切り出し、各種試験を行っ
た。
【0037】その結果、下記の表1に示すように、得ら
れた複合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ
強度については、初期マトリックス破壊強度σ1が20
0MPa、最大強度σ2が480MPaであり、3点曲
げ試験の荷重変位曲線に基づく破壊エネルギーを調べた
ところ、有効破壊エネルギーγが6.5kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の安定的な破壊挙動を示した。ここで、複合材料のσ
1、σ2、γの関係を図5に示す(図中の曲線で囲まれ
た部分の面積がγに相当する)。
れた複合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ
強度については、初期マトリックス破壊強度σ1が20
0MPa、最大強度σ2が480MPaであり、3点曲
げ試験の荷重変位曲線に基づく破壊エネルギーを調べた
ところ、有効破壊エネルギーγが6.5kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の安定的な破壊挙動を示した。ここで、複合材料のσ
1、σ2、γの関係を図5に示す(図中の曲線で囲まれ
た部分の面積がγに相当する)。
【0038】また、φ5mmの窒化ケイ素球を圧子とし
て25kg重の荷重を印荷したときの亀裂発生状態を透過
X線写真で観察し、損傷領域の大きさを測定したとこ
ろ、約10.0mmであった。
て25kg重の荷重を印荷したときの亀裂発生状態を透過
X線写真で観察し、損傷領域の大きさを測定したとこ
ろ、約10.0mmであった。
【0039】実施例2 実施例2では、実施例1と同様の繊維束(500F/
Y)と、この繊維束を分糸して250本のヤーンとした
繊維束(250F/Y)とを使用し、この2種の繊維束
から個別に平織クロスを製織した。この後に繊維束(5
00F/Y)の平織クロスを材料内部を成す繊維として
5枚積層し、この積層体を挟む両側の夫々に表層部を成
す繊維として分糸した繊維束(250F/Y)の平織ク
ロスを2枚積層し、合計9枚の平織クロスの積層体から
上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊維複合材料
を取得し、その切り出し試験片に対して上記と同様の試
験を行った。
Y)と、この繊維束を分糸して250本のヤーンとした
繊維束(250F/Y)とを使用し、この2種の繊維束
から個別に平織クロスを製織した。この後に繊維束(5
00F/Y)の平織クロスを材料内部を成す繊維として
5枚積層し、この積層体を挟む両側の夫々に表層部を成
す繊維として分糸した繊維束(250F/Y)の平織ク
ロスを2枚積層し、合計9枚の平織クロスの積層体から
上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊維複合材料
を取得し、その切り出し試験片に対して上記と同様の試
験を行った。
【0040】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が210MPa、σ2が470MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.5kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の安定的な破壊挙動を示した。また、実施例1と同様に
亀裂発生状態を測定したところ、約8.2mmであっ
た。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が210MPa、σ2が470MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.5kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の安定的な破壊挙動を示した。また、実施例1と同様に
亀裂発生状態を測定したところ、約8.2mmであっ
た。
【0041】実施例3 実施例3では、実施例1と同様のモノフィラメント直径
が14μmの繊維束と、直径8.5μmのSiC系セラ
ミックス繊維(宇部興産株式会社製、商品名:チラノ)
を500本、束ねてヤーンとし、そのモノフィラメント
表面にCVD法を用いて0.4μmのBN層を形成した
繊維束(500F/Y)とを使用し、この2種の繊維束
から個別に平織クロスを製織した。この後にモノフィラ
メント直径14μmの繊維束の平織クロスを材料内部を
成す繊維として5枚積層し、この積層体を挟む両側にモ
ノフィラメント直径が8.5μmの平織クロスを表層部
を成す繊維として2枚積層し、合計9枚の平織クロスの
積層体から上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊
維複合材料を取得し、その切り出し試験片に対して上記
と同様の試験を行った。
が14μmの繊維束と、直径8.5μmのSiC系セラ
ミックス繊維(宇部興産株式会社製、商品名:チラノ)
を500本、束ねてヤーンとし、そのモノフィラメント
表面にCVD法を用いて0.4μmのBN層を形成した
繊維束(500F/Y)とを使用し、この2種の繊維束
から個別に平織クロスを製織した。この後にモノフィラ
メント直径14μmの繊維束の平織クロスを材料内部を
成す繊維として5枚積層し、この積層体を挟む両側にモ
ノフィラメント直径が8.5μmの平織クロスを表層部
を成す繊維として2枚積層し、合計9枚の平織クロスの
積層体から上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊
維複合材料を取得し、その切り出し試験片に対して上記
と同様の試験を行った。
【0042】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が230MPa、σ2が470MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.2kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の準安定的な破壊挙動を示した。また、実施例1と同様
に亀裂発生状態を測定したところ、約7.1mmであっ
た。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が230MPa、σ2が470MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.2kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の準安定的な破壊挙動を示した。また、実施例1と同様
に亀裂発生状態を測定したところ、約7.1mmであっ
た。
【0043】実施例4 実施例4では、実施例1と同様の繊維束(500F/
Y)と、この繊維糸を4本合糸して2000本のヤーン
とした繊維束(2000F/Y)とを使用し、この2種
の繊維束から積層ブレーディング法を用いて円筒状プリ
フォームを作製した。このとき、円筒状プリフォームの
表層部を成す内周2層及びその外周2層を繊維束(50
0F/Y)で、また材料内部を成す内部4層を繊維束
(2000F/Y)で作製した。この後に円筒状プリフ
ォームから上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊
維複合材料を取得し、その切り出し試験片に対して上記
と同様の試験を行った。
Y)と、この繊維糸を4本合糸して2000本のヤーン
とした繊維束(2000F/Y)とを使用し、この2種
の繊維束から積層ブレーディング法を用いて円筒状プリ
フォームを作製した。このとき、円筒状プリフォームの
表層部を成す内周2層及びその外周2層を繊維束(50
0F/Y)で、また材料内部を成す内部4層を繊維束
(2000F/Y)で作製した。この後に円筒状プリフ
ォームから上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊
維複合材料を取得し、その切り出し試験片に対して上記
と同様の試験を行った。
【0044】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が190MPa、σ2が450MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが5.9kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の準安定的な破壊挙動を示した。また、同様に亀裂発生
状態を測定したところ、約12.5mmであった。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が190MPa、σ2が450MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが5.9kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の準安定的な破壊挙動を示した。また、同様に亀裂発生
状態を測定したところ、約12.5mmであった。
【0045】実施例5 実施例5では、実施例4と同様の2種の繊維束を使用
し、この2種の繊維束から円筒状プリフォームを作製し
た。このとき、繊維束(500F/Y)からフィラメン
トワインディング法を用いて円筒状プリフォームの表層
部を成す内周2層及びその外周2層を、また繊維束(2
000F/Y)から積層ブレーディング法を用いて材料
内部を成す内部4層を作製した。この後に円筒状プリフ
ォームから上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊
維複合材料を取得し、その切り出し試験片に対して上記
と同様の試験を行った。
し、この2種の繊維束から円筒状プリフォームを作製し
た。このとき、繊維束(500F/Y)からフィラメン
トワインディング法を用いて円筒状プリフォームの表層
部を成す内周2層及びその外周2層を、また繊維束(2
000F/Y)から積層ブレーディング法を用いて材料
内部を成す内部4層を作製した。この後に円筒状プリフ
ォームから上記と略同様のプロセスでセラミックス基繊
維複合材料を取得し、その切り出し試験片に対して上記
と同様の試験を行った。
【0046】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が230MPa、σ2が440MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.1kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の準安定的な破壊挙動を示した。また、同様に亀裂発生
状態を測定したところ、約10.5mmであった。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が230MPa、σ2が440MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.1kJ/m2 であ
り、破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有
の準安定的な破壊挙動を示した。また、同様に亀裂発生
状態を測定したところ、約10.5mmであった。
【0047】比較例1 比較例1では、上記実施例1と同様の開繊処理を施さな
い繊維束を材料内部及び表層部を成す共通の繊維として
使用し、その他の条件については実施例1と同様にし
た。
い繊維束を材料内部及び表層部を成す共通の繊維として
使用し、その他の条件については実施例1と同様にし
た。
【0048】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が170MPa、σ2が480MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.3kJ/m2 を示し
た。また、実施例と同様にして亀裂発生状態を測定した
ところ、約18.2mmで、比較的大きな損傷領域を示
した。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が170MPa、σ2が480MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.3kJ/m2 を示し
た。また、実施例と同様にして亀裂発生状態を測定した
ところ、約18.2mmで、比較的大きな損傷領域を示
した。
【0049】比較例2 比較例2では、上記実施例2と同様の分糸しない繊維束
(500F/Y)を材料内部及び表層部を成す共通の繊
維として使用し、その他の条件については実施例2と同
様にした。
(500F/Y)を材料内部及び表層部を成す共通の繊
維として使用し、その他の条件については実施例2と同
様にした。
【0050】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が170MPa、σ2が480MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.3kJ/m2 を示し
た。また、同様に亀裂発生状態を測定したところ、約1
8.2mmで、比較的大きな損傷領域を示した。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が170MPa、σ2が480MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが6.3kJ/m2 を示し
た。また、同様に亀裂発生状態を測定したところ、約1
8.2mmで、比較的大きな損傷領域を示した。
【0051】比較例3 比較例3では、上記実施例4と同様の合糸した繊維束
(2000F/Y)を材料内部及び表層部を成す共通の
繊維として使用し、その他の条件については実施例4と
同様にした。
(2000F/Y)を材料内部及び表層部を成す共通の
繊維として使用し、その他の条件については実施例4と
同様にした。
【0052】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が150MPa、σ2が430MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが4.8kJ/m2 を示し
た。また、同様に亀裂発生状態を測定したところ、約1
9.3mmで、比較的大きな損傷領域を示した。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が150MPa、σ2が430MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが4.8kJ/m2 を示し
た。また、同様に亀裂発生状態を測定したところ、約1
9.3mmで、比較的大きな損傷領域を示した。
【0053】比較例4 比較例4では、上記実施例5と同様の合糸した繊維束
(2000F/Y)を材料内部及び表層部を成す共通の
繊維として使用し、その他の条件については実施例5と
同様にした。
(2000F/Y)を材料内部及び表層部を成す共通の
繊維として使用し、その他の条件については実施例5と
同様にした。
【0054】その結果、表1に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が180MPa、σ2が420MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが4.5kJ/m2 を示し
た。また、同様に亀裂発生状態を測定したところ、約1
9.1mmで、比較的大きな損傷領域を示した。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が180MPa、σ2が420MPaで
あり、有効破壊エネルギーγが4.5kJ/m2 を示し
た。また、同様に亀裂発生状態を測定したところ、約1
9.1mmで、比較的大きな損傷領域を示した。
【0055】
【表1】
【0056】(第2実施形態)第2実施形態では、上記
実施例1と同様の条件で、得られた複合材料を加工する
際に、図6の模式断面図に示すように、表層部F2の表
面を覆うコート層F3として、クロス積層体の表面部に
マトリックス層を残し、その厚さを変えた複数の試験片
を作製し、上記と同様の試験を行った。
実施例1と同様の条件で、得られた複合材料を加工する
際に、図6の模式断面図に示すように、表層部F2の表
面を覆うコート層F3として、クロス積層体の表面部に
マトリックス層を残し、その厚さを変えた複数の試験片
を作製し、上記と同様の試験を行った。
【0057】実施例6 実施例6では、マトリックス層(表面コート層)の厚さ
を30μmとした。その結果、下記の表2に示すよう
に、得られた複合材料の密度は3.0g/cm3、室温
3点曲げ強度については、σ1が220MPa、σ2が
480MPaであり、有効破壊エネルギーγが6.5k
J/m2 を示した。また、亀裂発生状態は、約13.8
mmであり、マトリックス層が存在しない上記実施例1
と比べると、やや大きな損傷発生領域を示した。
を30μmとした。その結果、下記の表2に示すよう
に、得られた複合材料の密度は3.0g/cm3、室温
3点曲げ強度については、σ1が220MPa、σ2が
480MPaであり、有効破壊エネルギーγが6.5k
J/m2 を示した。また、亀裂発生状態は、約13.8
mmであり、マトリックス層が存在しない上記実施例1
と比べると、やや大きな損傷発生領域を示した。
【0058】実施例7 実施例7では、マトリックス層の厚さを50μmとし
た。その結果、表2に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が230MPa、σ2が470MPaであり、
有効破壊エネルギーγが6.4kJ/m2 を示した。ま
た、亀裂発生状態は、約14.5mmであり、マトリッ
クス層の厚さを大きくすることにより、やや大きな損傷
領域を示した。
た。その結果、表2に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が230MPa、σ2が470MPaであり、
有効破壊エネルギーγが6.4kJ/m2 を示した。ま
た、亀裂発生状態は、約14.5mmであり、マトリッ
クス層の厚さを大きくすることにより、やや大きな損傷
領域を示した。
【0059】実施例8 実施例8では、マトリックス層の厚さを80μmとし
た。その結果、表2に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が230MPa、σ2が450MPaであり、
有効破壊エネルギーγが6.1kJ/m2 を示した。ま
た、亀裂発生状態は、約16.2mmであり、マトリッ
クス層の厚さを大きくすることにより、やや大きな損傷
領域を示した。
た。その結果、表2に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が230MPa、σ2が450MPaであり、
有効破壊エネルギーγが6.1kJ/m2 を示した。ま
た、亀裂発生状態は、約16.2mmであり、マトリッ
クス層の厚さを大きくすることにより、やや大きな損傷
領域を示した。
【0060】実施例9 実施例9では、マトリックス層の厚さを100μmとし
た。その結果、表2に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が410MPaであり、
有効破壊エネルギーγが5.8kJ/m2 であり、亀裂
発生状態は、約19.0mmであった。
た。その結果、表2に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が410MPaであり、
有効破壊エネルギーγが5.8kJ/m2 であり、亀裂
発生状態は、約19.0mmであった。
【0061】実施例10 実施例10では、マトリックス層の厚さを200μmと
した。その結果、表2に示すように、得られた複合材料
の密度は3.1g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が400MPaであり、
有効破壊エネルギーγが5.8kJ/m2 であり、亀裂
発生状態は、約19.1mmであった。
した。その結果、表2に示すように、得られた複合材料
の密度は3.1g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が400MPaであり、
有効破壊エネルギーγが5.8kJ/m2 であり、亀裂
発生状態は、約19.1mmであった。
【0062】
【表2】
【0063】その他として、マトリックス層の代わり
に、モノリシックセラミックス層を表層部のコート層と
して設けた場合も、上記と略同様の結果が得られた。
に、モノリシックセラミックス層を表層部のコート層と
して設けた場合も、上記と略同様の結果が得られた。
【0064】(第3実施形態)実施例11 実施例11では、上記実施例1と同様の繊維束を使用
し、そのモノフィラメント表面にCVD法を用いて厚さ
0.4μmのBN層を形成した繊維束と、厚さ0.8μ
mのBN層を形成した繊維束とを作製し、この2種の繊
維束から個別に平織クロスを製織した。
し、そのモノフィラメント表面にCVD法を用いて厚さ
0.4μmのBN層を形成した繊維束と、厚さ0.8μ
mのBN層を形成した繊維束とを作製し、この2種の繊
維束から個別に平織クロスを製織した。
【0065】そして、厚さ0.4μmのBN層を形成し
た繊維束の平織クロスを材料内部を成す繊維として5枚
積層し、この積層体を挟む両側に厚さ0.8μmのBN
層を形成した繊維束の平織クロスを表層部を成す繊維と
して2枚積層し、合計9枚の平織クロスの積層体を多孔
質樹脂製成形型にセットし(繊維体積率(Vf=27
%))、これにセラミックス原料のスラリーを含浸さ
せ、成形して乾燥させて成形体を得た。スラリーとして
は、中心粒径1〜3μmのSiC粉末(70wt%)及
びカーボンブラック(30wt%)を固形分としたとき
に、この固形分(50wt%)に純水(47wt%)及
び界面活性剤(3wt%)を混合したものを使用した。
た繊維束の平織クロスを材料内部を成す繊維として5枚
積層し、この積層体を挟む両側に厚さ0.8μmのBN
層を形成した繊維束の平織クロスを表層部を成す繊維と
して2枚積層し、合計9枚の平織クロスの積層体を多孔
質樹脂製成形型にセットし(繊維体積率(Vf=27
%))、これにセラミックス原料のスラリーを含浸さ
せ、成形して乾燥させて成形体を得た。スラリーとして
は、中心粒径1〜3μmのSiC粉末(70wt%)及
びカーボンブラック(30wt%)を固形分としたとき
に、この固形分(50wt%)に純水(47wt%)及
び界面活性剤(3wt%)を混合したものを使用した。
【0066】次いで、上記の成形体をSi溶融金属(純
度99.9%)に接触させ、真空中で5hr、1430
℃に加熱して溶融含浸させることにより、図7の模式断
面図で示すように、マトリックス1に反応焼結SiCを
合成させると共に、そのマトリックス1中に界面層(B
N層)を含む繊維2を複合化させ、その界面層の厚さを
材料内部F1よりも表層部F2で大きくしたセラミック
ス基繊維複合材料を得た(図中の符号3aは表層部F2
の界面層、符号3bは材料内部F1の界面層を示す)。
比較のため、図8に従来の場合のセラミックス基繊維複
合材料の模式断面図を示す(図中の符号3は界面層を示
す)。
度99.9%)に接触させ、真空中で5hr、1430
℃に加熱して溶融含浸させることにより、図7の模式断
面図で示すように、マトリックス1に反応焼結SiCを
合成させると共に、そのマトリックス1中に界面層(B
N層)を含む繊維2を複合化させ、その界面層の厚さを
材料内部F1よりも表層部F2で大きくしたセラミック
ス基繊維複合材料を得た(図中の符号3aは表層部F2
の界面層、符号3bは材料内部F1の界面層を示す)。
比較のため、図8に従来の場合のセラミックス基繊維複
合材料の模式断面図を示す(図中の符号3は界面層を示
す)。
【0067】従って、この複合材料は、緻密な反応焼結
SiCのマトリックス1により、材料全体の初期マトリ
ックス破壊強度を高めつつ、マトリックス1と繊維2と
の間の界面せん断強度が材料内部F1よりも表層部F2
で小さくなるように界面層3a、3bの厚さを制御した
ため、材料全体の破壊エネルギーを殆ど低下することな
く改善した特性を備えたものとなった。
SiCのマトリックス1により、材料全体の初期マトリ
ックス破壊強度を高めつつ、マトリックス1と繊維2と
の間の界面せん断強度が材料内部F1よりも表層部F2
で小さくなるように界面層3a、3bの厚さを制御した
ため、材料全体の破壊エネルギーを殆ど低下することな
く改善した特性を備えたものとなった。
【0068】そこで、この複合材料の特性を検証するた
め、所定サイズの試験片を切り出し、各種試験を行っ
た。
め、所定サイズの試験片を切り出し、各種試験を行っ
た。
【0069】その結果、下記の表3に示すように、得ら
れた複合材料の密度は3.0g/cm3 であり、室温3
点曲げ強度を調べたところ、初期マトリックス破壊強度
σ1が130MPa、最大強度σ2が480MPa、有
効破壊エネルギーγが5.8kJ/m2 であり、破壊は
完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の安定的な
破壊挙動を示した。
れた複合材料の密度は3.0g/cm3 であり、室温3
点曲げ強度を調べたところ、初期マトリックス破壊強度
σ1が130MPa、最大強度σ2が480MPa、有
効破壊エネルギーγが5.8kJ/m2 であり、破壊は
完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の安定的な
破壊挙動を示した。
【0070】また、圧子印荷後の損傷発生領域を透過X
線写真で観察し、サイズを測定したところ、約8.5m
mであった。
線写真で観察し、サイズを測定したところ、約8.5m
mであった。
【0071】更に、大気中で1300℃、10hr暴露
後(以下、「1300℃暴露後」)の3点曲げ強度を調
べたところ、σ1が170MPa、σ2が380MP
a、γが4.1kJ/m2 であった。
後(以下、「1300℃暴露後」)の3点曲げ強度を調
べたところ、σ1が170MPa、σ2が380MP
a、γが4.1kJ/m2 であった。
【0072】実施例12 実施例12では、実施例11と同様の厚さ0.4μmの
BN層を形成した繊維束と、BNにCを組み合わせたC
VD法を用いて、繊維束のモノフィラメント表面に厚さ
0.4μmのBN層及びこのBN層の中央部に厚さ10
nmのC層を中間層として介在させた繊維束とを使用
し、この2種の繊維束から個別に平織クロスを製織し
た。
BN層を形成した繊維束と、BNにCを組み合わせたC
VD法を用いて、繊維束のモノフィラメント表面に厚さ
0.4μmのBN層及びこのBN層の中央部に厚さ10
nmのC層を中間層として介在させた繊維束とを使用
し、この2種の繊維束から個別に平織クロスを製織し
た。
【0073】次いで、BN層を形成した繊維束の平織ク
ロスを材料内部を成す繊維として5枚積層し、この積層
体を挟む両側に、BN層にC層を介在させた繊維束の平
織クロスを表層部を成す繊維として2枚積層し、合計9
枚の平織クロスの積層体から上記と略同様のプロセスを
用いてセラミックス基繊維複合材料を取得し、その切り
出し試験片に対して上記と同様の試験を行った。
ロスを材料内部を成す繊維として5枚積層し、この積層
体を挟む両側に、BN層にC層を介在させた繊維束の平
織クロスを表層部を成す繊維として2枚積層し、合計9
枚の平織クロスの積層体から上記と略同様のプロセスを
用いてセラミックス基繊維複合材料を取得し、その切り
出し試験片に対して上記と同様の試験を行った。
【0074】その結果、表3に示すように、得られた複
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が170MPa、σ2が470MPa、
γが6.2kJ/m2 であり、破壊は完全な破断まで一
気に至らない複合材料特有の安定的な破壊挙動を示し
た。
合材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度に
ついては、σ1が170MPa、σ2が470MPa、
γが6.2kJ/m2 であり、破壊は完全な破断まで一
気に至らない複合材料特有の安定的な破壊挙動を示し
た。
【0075】また、実施例11と同様に測定した亀裂発
生状態は約8.1mmであった。
生状態は約8.1mmであった。
【0076】従って、マトリックスと繊維との間の結合
強度の制御については、界面層にC層等の中間層を介在
させることにより、上述の界面層の厚さを変える方法と
略同様の結果が得られた。
強度の制御については、界面層にC層等の中間層を介在
させることにより、上述の界面層の厚さを変える方法と
略同様の結果が得られた。
【0077】比較例5 比較例5では、厚さ0.4μmのBN層を形成した繊維
束の平織クロスを材料内部及び表層部を成す共通の繊維
として使用し、その他については上記実施例11と同様
の条件とした。その結果、この比較例5では、表3に示
すように、得られた複合材の密度は3.0g/cm3 、
室温3点曲げ強度については、σ1が170MPa、σ
2が480MPa、γが6.3kJ/m2 であった。ま
た亀裂発生状態を同様に測定したところ、約18.2m
mであった。
束の平織クロスを材料内部及び表層部を成す共通の繊維
として使用し、その他については上記実施例11と同様
の条件とした。その結果、この比較例5では、表3に示
すように、得られた複合材の密度は3.0g/cm3 、
室温3点曲げ強度については、σ1が170MPa、σ
2が480MPa、γが6.3kJ/m2 であった。ま
た亀裂発生状態を同様に測定したところ、約18.2m
mであった。
【0078】
【表3】
【0079】(第4実施形態)第4実施形態では、上記
実施例11と同様の条件で、得られた複合材料を加工す
る際に、図9の模式断面図に示すように、表層部F2の
表面を覆うコート層F3として、クロス積層体の表面部
にマトリックス層を残し、その厚さを変えた複数の試験
片を作製し、上記と同様の試験を行った。
実施例11と同様の条件で、得られた複合材料を加工す
る際に、図9の模式断面図に示すように、表層部F2の
表面を覆うコート層F3として、クロス積層体の表面部
にマトリックス層を残し、その厚さを変えた複数の試験
片を作製し、上記と同様の試験を行った。
【0080】実施例13 実施例13では、マトリックス層の厚さを30μmとし
た。その結果、下記の表4に示すように、得られた複合
材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度につ
いては、σ1が200MPa、σ2が490MPaであ
り、有効破壊エネルギーγは6.9kJ/m2 であり、
破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の準
安定的な破壊挙動を示した。また、1300℃、10h
r暴露後の3点曲げ強度については、σ1が200MP
a、σ2が450MPa、γが6.0kJ/m2 であ
り、マトリックス層が存在しない上記実施例11と比べ
ると、耐酸化性について改良効果を示した。
た。その結果、下記の表4に示すように、得られた複合
材料の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度につ
いては、σ1が200MPa、σ2が490MPaであ
り、有効破壊エネルギーγは6.9kJ/m2 であり、
破壊は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の準
安定的な破壊挙動を示した。また、1300℃、10h
r暴露後の3点曲げ強度については、σ1が200MP
a、σ2が450MPa、γが6.0kJ/m2 であ
り、マトリックス層が存在しない上記実施例11と比べ
ると、耐酸化性について改良効果を示した。
【0081】実施例14 実施例14では、マトリックス層の厚さを50μmとし
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が210MPa、σ2が500MPaであり、
有効破壊エネルギーγは6.8kJ/m2 であり、破壊
は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の準安定
的な破壊挙動を示した。また、1300℃暴露後の3点
曲げ強度については、σ1が200MPa、σ2が46
0MPa、γが6.0kJ/m2 であり、マトリックス
層の厚さを大きくすることにより、耐酸化性が向上する
傾向を示した。
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が210MPa、σ2が500MPaであり、
有効破壊エネルギーγは6.8kJ/m2 であり、破壊
は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の準安定
的な破壊挙動を示した。また、1300℃暴露後の3点
曲げ強度については、σ1が200MPa、σ2が46
0MPa、γが6.0kJ/m2 であり、マトリックス
層の厚さを大きくすることにより、耐酸化性が向上する
傾向を示した。
【0082】実施例15 実施例15では、マトリックス層の厚さを80μmとし
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が210MPa、σ2が480MPaであり、
有効破壊エネルギーγは6.8kJ/m2 であり、破壊
は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の準安定
的な破壊挙動を示した。また、1300℃暴露後の3点
曲げ強度については、σ1が200MPa、σ2が44
0MPa、γが5.9kJ/m2 を示した。
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が210MPa、σ2が480MPaであり、
有効破壊エネルギーγは6.8kJ/m2 であり、破壊
は完全な破断まで一気に至らない複合材料特有の準安定
的な破壊挙動を示した。また、1300℃暴露後の3点
曲げ強度については、σ1が200MPa、σ2が44
0MPa、γが5.9kJ/m2 を示した。
【0083】実施例16 実施例16では、マトリックス層の厚さを100μmと
した。その結果、表4に示すように、得られた複合材料
の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が490MPaであり、
有効破壊エネルギーγが6.8kJ/m2 であり、13
00℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が240
MPa、σ2が470MPa、γが6.0kJ/m2 で
あった。
した。その結果、表4に示すように、得られた複合材料
の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が490MPaであり、
有効破壊エネルギーγが6.8kJ/m2 であり、13
00℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が240
MPa、σ2が470MPa、γが6.0kJ/m2 で
あった。
【0084】実施例17 実施例17では、マトリックス層の厚さを200μmと
した。その結果、表4に示すように、得られた複合材料
の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が300MPa、σ2が420MPaであり、
有効破壊エネルギーγは、6.2kJ/m2 であり、1
300℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が30
0MPa、σ2が400MPa、γが5.5kJ/m2
であった。
した。その結果、表4に示すように、得られた複合材料
の密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が300MPa、σ2が420MPaであり、
有効破壊エネルギーγは、6.2kJ/m2 であり、1
300℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が30
0MPa、σ2が400MPa、γが5.5kJ/m2
であった。
【0085】実施例18 実施例18では、マトリックス層の厚さを100μmと
し、その他については上記実施例12と同様の条件とし
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が490MPaであり、
有効破壊エネルギーγは6.8kJ/m2であり、13
00℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が240
MPa、σ2が470MPa、γが5.8kJ/m2 で
あった。
し、その他については上記実施例12と同様の条件とし
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が490MPaであり、
有効破壊エネルギーγは6.8kJ/m2であり、13
00℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が240
MPa、σ2が470MPa、γが5.8kJ/m2 で
あった。
【0086】その他として、上記実施例12と同様の条
件で、マトリックス層の厚さを30、50、80、10
0、200μmとした場合についても、その各厚さに対
応して、上記実施例13〜17(16を除く)と略同様
の結果が得られた。
件で、マトリックス層の厚さを30、50、80、10
0、200μmとした場合についても、その各厚さに対
応して、上記実施例13〜17(16を除く)と略同様
の結果が得られた。
【0087】また、マトリックス層の代わりに、モノリ
シックセラミックス層を表層部のコート層として設けた
場合も、上記と略同様の結果が得られた。
シックセラミックス層を表層部のコート層として設けた
場合も、上記と略同様の結果が得られた。
【0088】比較例6 比較例6では、マトリックス層の厚さを100μmと
し、その他については上記比較例5と同様の条件とし
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が400MPaであり、
有効破壊エネルギーγは5.2kJ/m2 であり、13
00℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が250
MPa、σ2が380MPa、γが4.8kJ/m2 を
示した。
し、その他については上記比較例5と同様の条件とし
た。その結果、表4に示すように、得られた複合材料の
密度は3.0g/cm3 、室温3点曲げ強度について
は、σ1が250MPa、σ2が400MPaであり、
有効破壊エネルギーγは5.2kJ/m2 であり、13
00℃暴露後の3点曲げ強度については、σ1が250
MPa、σ2が380MPa、γが4.8kJ/m2 を
示した。
【0089】
【表4】
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、材料表面の少なくとも一部を含む表層部で材料内部
よりも繊維が均質に分布するように、例えば表層部の繊
維を開繊された繊維等で構成したため、反応焼結で形成
されたSiCを主相とするマトリックスで初期マトリッ
クス破壊強度を高めつつ、特に表層部の繊維分布特性に
より、部品表面の初期クラック発生に対する破壊靭性に
優れた材料特性が得られる。従って、部品表面近傍の微
小局所領域の耐損傷性が大幅に改善されることから、部
品信頼性及び損傷許容性をより一層高め、対象部品への
適用範囲を更に拡大することができる。
ば、材料表面の少なくとも一部を含む表層部で材料内部
よりも繊維が均質に分布するように、例えば表層部の繊
維を開繊された繊維等で構成したため、反応焼結で形成
されたSiCを主相とするマトリックスで初期マトリッ
クス破壊強度を高めつつ、特に表層部の繊維分布特性に
より、部品表面の初期クラック発生に対する破壊靭性に
優れた材料特性が得られる。従って、部品表面近傍の微
小局所領域の耐損傷性が大幅に改善されることから、部
品信頼性及び損傷許容性をより一層高め、対象部品への
適用範囲を更に拡大することができる。
【0091】また、別の態様によれば、この発明では、
材料表面の少なくとも一部を含む表層部で材料内部より
も界面層の界面せん断強度が小さくなるように、例えば
界面層の厚さを表層部で材料内部よりも大きくなるよう
に制御したため、反応焼結で形成されたSiCを主相と
するマトリックスで初期マトリックス破壊強度を高めつ
つ、特に表層部の界面層により、材料全体の破壊エネル
ギーを改善できる。従って、大きな破壊エネルギーと大
きな初期マトリックス破壊強度とを同時に備えた材料特
性が得られ、対象部品への適用範囲を広くすることがで
きる。
材料表面の少なくとも一部を含む表層部で材料内部より
も界面層の界面せん断強度が小さくなるように、例えば
界面層の厚さを表層部で材料内部よりも大きくなるよう
に制御したため、反応焼結で形成されたSiCを主相と
するマトリックスで初期マトリックス破壊強度を高めつ
つ、特に表層部の界面層により、材料全体の破壊エネル
ギーを改善できる。従って、大きな破壊エネルギーと大
きな初期マトリックス破壊強度とを同時に備えた材料特
性が得られ、対象部品への適用範囲を広くすることがで
きる。
【0092】さらに、この発明において、表層部の材料
表面をコート層で被覆すれば、セラミックスの優れた耐
環境性をより一層発揮させることができる。
表面をコート層で被覆すれば、セラミックスの優れた耐
環境性をより一層発揮させることができる。
【図1】この発明に係るセラミックス基繊維複合材料
で、繊維分布が表層部で均質な場合の概念を説明する概
略断面図。
で、繊維分布が表層部で均質な場合の概念を説明する概
略断面図。
【図2】繊維分布が不均一な場合の概念を説明する概略
断面図。
断面図。
【図3】繊維分布が不均一な場合の説明図。
【図4】繊維分布が均質な場合の説明図。
【図5】初期マトリックス破壊強度、最大強度、破壊エ
ネルギーの関係を示す説明図。
ネルギーの関係を示す説明図。
【図6】表層部にコート層を設けた場合の概念を説明す
る概略断面図。
る概略断面図。
【図7】この発明に係る別のセラミックス基繊維複合材
料で、界面層の厚さを表層部で厚くした場合の概念を説
明する概略断面図。
料で、界面層の厚さを表層部で厚くした場合の概念を説
明する概略断面図。
【図8】界面層の厚さが一定の場合の概念を説明する概
略断面図。
略断面図。
【図9】表層部にコート層を設けた場合の概念を説明す
る概略断面図。
る概略断面図。
1 マトリックス 2 繊維 3a、3b 界面層 F1 材料内部 F2 表層部 F3 コート層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/56 101X 35/80 G (72)発明者 早川 義則 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内
Claims (13)
- 【請求項1】 反応焼結で形成されたSiCを主相とす
るマトリックスと、このマトリックス中に複合化させた
セラミックスの繊維とで成り、この繊維は、材料表面の
少なくとも一部を含む表層部で材料内部よりも均質に分
布することを特徴とするセラミックス基繊維複合材料。 - 【請求項2】 前記繊維とマトリックスとの間に当該マ
トリックスに対して上記繊維のすべりを発現可能な界面
層が存在する請求項1記載のセラミックス基繊維複合材
料。 - 【請求項3】 前記材料内部に分布する繊維は、繊維束
で構成された織物構造体で成る請求項1又は2記載のセ
ラミックス基繊維複合材料。 - 【請求項4】 前記表層部に分布する繊維は、開繊され
た繊維束で成る請求項3記載のセラミックス基繊維複合
材料。 - 【請求項5】 前記表層部に分布する繊維は、前記材料
内部に分布する繊維よりも少ない本数の繊維束で構成さ
れた織物構造体で成る請求項3記載のセラミックス基繊
維複合材料。 - 【請求項6】 前記表層部に分布する繊維は、前記材料
内部に分布する繊維よりも細径の繊維で構成された織物
構造体で成る請求項3記載のセラミックス基繊維複合材
料。 - 【請求項7】 前記表層部に分布する繊維は、実質的に
単繊維の配列構造で構成された繊維で成る請求項3記載
のセラミックス基繊維複合材料。 - 【請求項8】 前記表層部の材料表面にコート層を設
け、このコート層を、前記反応焼結で形成されたSiC
を主相とするマトリックス又はモノリシックセラミック
スで構成した請求項1乃至7のいずれか1項記載のセラ
ミックス基繊維複合材料。 - 【請求項9】 前記コート層の厚さは、50μm以上で
ある請求項8記載のセラミックス基繊維複合材料。 - 【請求項10】 反応焼結で形成されたSiCを主相と
するマトリックスと、このマトリックス中に複合化させ
たセラミックスの繊維とで成り、この繊維とマトリック
スとの間に当該マトリックスに対して上記繊維のすべり
を発現可能な界面層が存在すると共に、この界面層は、
材料表面の少なくとも一部を含む表層部で材料内部より
も界面せん断強度が小さいことを特徴とするセラミック
ス基繊維複合材料。 - 【請求項11】 前記界面層の厚さは、前記表層部で材
料内部よりも大きい請求項10記載のセラミックス基繊
維複合材料。 - 【請求項12】 前記表層部の材料表面にコート層を設
け、このコート層を、前記反応焼結で形成されたSiC
を主相とするマトリックス又はモノリシックセラミック
スで構成した請求項10又は11記載のセラミックス基
繊維複合材料。 - 【請求項13】 前記コート層の厚さは、50μm以上
である請求項12記載のセラミックス基繊維複合材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8220153A JPH1059781A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | セラミックス基繊維複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8220153A JPH1059781A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | セラミックス基繊維複合材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1059781A true JPH1059781A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16746726
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8220153A Pending JPH1059781A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | セラミックス基繊維複合材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1059781A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004075410A (ja) * | 2002-08-12 | 2004-03-11 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 保護層を有するセラミックス基複合材料とその製造方法 |
| JP2016141585A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | イビデン株式会社 | 流体用整流部材 |
| JP2016141581A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | イビデン株式会社 | 流体用整流部材 |
| JP2016141582A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | イビデン株式会社 | 流体用整流部材 |
-
1996
- 1996-08-21 JP JP8220153A patent/JPH1059781A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004075410A (ja) * | 2002-08-12 | 2004-03-11 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 保護層を有するセラミックス基複合材料とその製造方法 |
| JP2016141585A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | イビデン株式会社 | 流体用整流部材 |
| JP2016141581A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | イビデン株式会社 | 流体用整流部材 |
| JP2016141582A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | イビデン株式会社 | 流体用整流部材 |
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