JPH1059810A - 水中付着生物忌避剤およびそれを含有する防汚塗料 - Google Patents

水中付着生物忌避剤およびそれを含有する防汚塗料

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JPH1059810A
JPH1059810A JP21836896A JP21836896A JPH1059810A JP H1059810 A JPH1059810 A JP H1059810A JP 21836896 A JP21836896 A JP 21836896A JP 21836896 A JP21836896 A JP 21836896A JP H1059810 A JPH1059810 A JP H1059810A
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JP
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water
polyurethane resin
allyl isothiocyanate
resin
core
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JP21836896A
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English (en)
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Masaru Murata
勝 村田
Hironori Kataoka
裕紀 片岡
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境を汚染することなく安全で、かつ水中付着
生物に対する付着防止効果を長期にわたって発現できる
水中付着生物忌避剤を提供する。 【解決手段】芯部がイソチオシアン酸アリルを含有する
ゲル状ポリウレタン樹脂1で形成され、上記芯部がポリ
ウレア樹脂製の殻部2で被覆されたマイクロカプセル
(A)と、水溶性ポリウレタン樹脂、および、合成樹脂
の水性エマルジョンの少なくとも一方(B)を含有する
水中付着生物忌避剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中付着生物忌避
剤(以下「忌避剤」という)およびそれを含有する防汚
塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船底、漁網、水中の設備等、常に水と接
触する部分には、アオサ、アオノリ、フジツボ、ムラサ
キイガイ、カキ、ホヤ等の生物が付着して繁殖する。こ
れらの付着成分は、船舶の造波抵抗の増大による航行速
度の低下、漁網の目詰まり、水中の設備の劣化等を招
く。
【0003】従来、このような生物の付着を抑える忌避
剤として、有機錫化合物、亜酸化銅化合物、フェノール
系化合物等が知られている。そして、これら忌避剤を含
有する防汚塗料が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有機金属または重金属を含む忌避剤は、上記水中付
着生物だけでなく、他の生物に対しても害をおよぼし、
例えば、養殖魚介類の奇形や、特に魚介類を通して人体
への影響が問題となっている。また、上記フェノール系
化合物に対しても、同様に発ガン性が問題となってい
る。さらに、これら忌避剤は、その防汚効果を長期間維
持することができないという問題点もあった。
【0005】本発明は、環境を汚染することなく安全
で、かつ水中付着生物に対する付着防止効果が長期にわ
たって発現できる忌避剤、および、それを含有する防汚
効果の持続性に優れた防汚塗料の提供をその目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)および(B)を含有する忌
避剤を第1の要旨とする。 (A)芯部がイソチオシアン酸アリルを含有するゲル状
ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆する殻部
がポリウレア樹脂で形成されているマイクロカプセル。 (B)水溶性ポリウレタン樹脂、および、合成樹脂の水
性エマルジョンの少なくとも一方。
【0007】また、上記忌避剤が含有されている防汚塗
料を第2の要旨とする。
【0008】本発明者らは、その使用により環境汚染が
なく、しかも水中付着生物の付着を効果的にかつ長期に
わたって防止することのできる新たな忌避剤を得るため
に一連の研究を重ねた。その結果、安全性について何ら
問題のないイソチオシアン酸アリルを特殊なマイクロカ
プセルに内包させ、しかも、バインダー成分として、水
溶性ポリウレタン樹脂、および、合成樹脂の水性エマル
ジョンの少なくとも一方(B)を用いることにより、水
中付着生物に対する優れた付着防止効果が長期間にわた
って発揮できることを見出し本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は、芯部がイソチオシアン酸アリルを含有す
るゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆
する殻部がポリウレア樹脂で形成されているイソチオシ
アン酸アリルを内包したマイクロカプセル(A)ととも
に、バインダー成分として、水溶性ポリウレタン樹脂、
および、合成樹脂の水性エマルジョンの少なくとも一方
(B)を含有する忌避剤である。
【0009】そして、上記水溶性ポリウレタン樹脂とし
て、前記の特殊な熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(B
1)、および、水溶性ポリウレタン樹脂(B2)の少な
くとも一方を用いることにより、忌避効果の残効性が一
層向上する。
【0010】また、上記合成樹脂の水性エマルジョンと
して、特に、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂の水性エ
マルジョンを用いることにより、上記と同様、忌避効果
の残効性が一層向上する。
【0011】このような上記イソチオシアン酸アリルを
内包した特殊なマイクロカプセル(A)と、水溶性ポリ
ウレタン樹脂、および、合成樹脂の水性エマルジョンの
少なくとも一方(B)を含有する忌避剤を、いわゆる従
来の塗料成分に含有させた防汚塗料は、水中付着生物の
付着の防止対象となる部分等に塗布する等の形態をとっ
て利用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0013】本発明の忌避剤は、イソチオシアン酸アリ
ルを内包したマイクロカプセル(A)を忌避有効成分と
し、これとともに水溶性ポリウレタン樹脂、および、合
成樹脂の水性エマルジョンの少なくとも一方(B)を含
有するものである。
【0014】上記マイクロカプセル(A)は、芯部が殻
部で被覆された芯−殻構造であり、上記芯部がイソチオ
シアン酸アリルを含有するゲル状ポリウレタン樹脂で形
成され、上記殻部がポリウレア樹脂で形成されている。
【0015】上記芯部のゲル状ポリウレタン樹脂に含有
されるイソチオシアン酸アリルは、いわゆる植物精油に
属し、一般にわさびオイルと呼ばれ、CH2 =CHCH
2 −N=C=Sで表されるものである。例えば、従来か
ら忌避剤として使用されている金属化合物ではないため
生体内に蓄積する恐れ等は全くなく、その安全性につい
ては何ら問題がない。
【0016】そして、本発明の忌避剤において、イソチ
オシアン酸アリルを内包したマイクロカプセル(A)
は、芯部に含有されるイソチオシアン酸アリル、あるい
はこのイソチオシアン酸アリルを含む疎水性媒体中に、
多官能性イソシアネート、水不溶性のポリオールおよび
触媒を溶解して油相とし、これを乳化剤を添加した水
(水相)中に乳化分散した後、油滴界面およびその内部
で反応させることにより得られる。
【0017】上記反応では、20〜40℃で0.5〜2
時間程度で反応が完了し、従来に比べて極めて短時間お
よび低温下で、イソチオシアン酸アリルを内包したマイ
クロカプセルを製造することができる。
【0018】まず、油相を構成する各成分について述べ
る。
【0019】上記油相は、イソチオシアン酸アリル、あ
るいはイソチオシアン酸アリルを含む疎水性媒体と、多
官能性イソシアネートと、水不溶性のポリオールと、触
媒を用いて構成される。
【0020】上記イソチオシアン酸アリルはそのまま用
いてもよいが、上記のように疎水性媒体中に含有させて
もよい。好ましくは、残効性という点から、イソチオシ
アン酸アリルをそのまま用いることである。
【0021】上記疎水性媒体としては、イソチオシアン
酸アリルの揮発性防止剤として用いられ、例えば、安息
香酸ベンジル、フタル酸ジオクチル等のエステル類、鉱
物油類、綿実油類等の植物油類があげられる。
【0022】上記殻部およびゲル状の芯部を形成するた
めに用いられる多官能性イソシアネートとしては、フェ
ニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリ
フェニルメタントリイソシアネート等、さらには、上記
多官能性イソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビ
ュレット変性体や、トリメチロールプロパン、ヘキサン
トリオールのようなポリオールとの付加物であるイソシ
アネートプレポリマー等があげられる。これらは単独で
もしくは2種以上併せて用いられる。
【0023】上記トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール以外のポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪
族ポリオール、キシリレングリコール等の芳香族ポリオ
ール、ハイドロキノン、カテコール等の多価フェノー
ル、あるいはこれら多価フェノールとアルキレンオキシ
ドとの縮合物、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール等のポリオールプレポリマー等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。そして、これらポリオールのなかでも、残効性に優
れたイソチオシアン酸アリル内包マイクロカプセルが得
られるという点から、トリメチロールプロパンを用いる
ことが好ましい。
【0024】そして、上記多官能性イソシアネートのな
かでも、無黄変型のイソチオシアン酸アリル内包マイク
ロカプセルを得るという点および経済的であるという点
から、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネートを用いることが好ましい。
【0025】上記多官能性イソシアネートとともに用い
られる水不溶性のポリオールとしては、具体的には、ヒ
マシ油、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオー
ル、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエ
ステルジオール、ポリカーボネートジオール等のポリエ
ステルポリオール等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。そして、これら水不溶
性のポリオールのなかでも、反応性および残効性という
点からヒマシ油を用いることが好ましい。上記水不溶性
のポリオールの配合量は、上記多官能性イソシアネート
100重量部(以下「部」と略す)に対して10〜30
0部に設定することが好ましく、特に好ましくは50〜
200部である。この水不溶性のポリオールの配合量が
10部未満、あるいは300部を超えると、すなわち、
上記配合量の範囲外では、目的とする芯部がゲル状のイ
ソチオシアン酸アリル内包マイクロカプセルを得ること
が困難となる傾向がみられる。そして、これら水不溶性
のポリオールにおいては、水酸基を少なくとも2個有す
るものを使用する必要がある。すなわち、水酸基が1個
では架橋せずに芯部がゲル化状態にはならないからであ
る。また、水に溶解するポリオールを用いるとマイクロ
カプセルの生成が困難となり使用には適さない。このよ
うな点から、上述の水不溶性のポリオールが使用され
る。
【0026】さらに、上記多官能性イソシアネートおよ
び水不溶性のポリオールとともに用いられる触媒として
は、有機スズ化合物が用いられ、例えば、トリ−n−ブ
チルチンアセテート、n−ブチルチントリクロライド、
ジメチルチンジクロライド、ジブチルチンジラウレー
ト、トリメチルチンハイドロオキサイド等があげられ
る。これら触媒はそのまま用いてもよいし、酢酸エチル
等の溶剤に、濃度が0.1〜20重量%(以下「%」と
略す)となるように溶解して、油相中、イソシアネート
成分である多官能性イソシアネート100部に対して、
固形分として0.01〜1部となるよう添加してもよ
い。このように、上記触媒の配合量は、そのまま、ある
いは溶剤に溶解した状態のいずれの場合においても、固
形分として、多官能性イソシアネート100部に対して
0.01〜1部となるように設定することが好ましく、
特に好ましくは0.05〜0.5部である。すなわち、
触媒の配合量が、0.01部未満のように少な過ぎる
と、芯部のゲル状ポリウレタン樹脂が形成されるまで
に、多官能性イソシアネートが殻部の形成反応に使用さ
れて先に殻部が形成されてしまい、逆に1部を超える
と、芯部の形成が極端に速くなり、目的とするイソチオ
シアン酸アリル内包マイクロカプセルが得られ難いとい
う傾向がみられるからである。
【0027】上記触媒を添加することにより、油相中の
多官能性イソシアネートと水不溶性のポリオールとの反
応が、多官能性イソシアネートと、水相中の水との反応
よりも速やかに反応する。したがって、芯−殻構造のマ
イクロカプセルの形成において、芯部が、イソチオシア
ン酸アリルを含有するゲル状のポリウレタン樹脂に形成
され、その芯部の外周(殻部)がポリウレア樹脂に形成
されることから、本発明の特殊な構造を有するイソチオ
シアン酸アリル内包マイクロカプセルが得られる。
【0028】なお、上記各成分から構成される油相中に
は、溶剤を含有しない方が好ましい。すなわち、溶剤を
含有するとつぎのような問題が生じるからである。溶
剤自身の有する臭気により、製品として好ましいものが
得られない。水溶性溶剤では、マイクロカプセル形成
時に水溶性溶剤が水相に移行し、この移行に伴い、イソ
チオシアン酸アリルも油相から水相に移行してしまい目
的とするイソチオシアン酸アリル内包マイクロカプセル
を得るのが困難となるからである。
【0029】ついで、上記油相を乳化分散させる水相に
ついて述べる。
【0030】上記水相に添加される乳化剤としては、ア
ニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の各水溶性高
分子物質、各種界面活性剤を用いることができる。
【0031】上記アニオン性高分子物質としては、アラ
ビアゴム、アルギン酸等の天然高分子、カルボキシメチ
ルセルロース、硫酸化セルロース、フタル化ゼラチン等
の半合成高分子、カルボキシ変性ポリビニルアルコー
ル、スチレンスルホン酸系重合体および共重合体、無水
マレイン酸系共重合体等の合成高分子があげられる。
【0032】また、上記カチオン性高分子物質として
は、カチオン化デンプン等があげられる。
【0033】上記ノニオン性高分子物質としては、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、キサンタンガム等があげられ、上記両性
高分子物質としては、ゼラチンがあげられる。
【0034】さらに、上記各種界面活性剤としては、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤、アル
キルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性
剤、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の
両性界面活性剤があげられる。
【0035】そして、これら乳化剤は、一般に、水に対
して、水溶液濃度が1〜20%となるよう添加して調製
し、水相とする。
【0036】本発明において、イソチオシアン酸アリル
内包マイクロカプセル(A)は、例えば、つぎのように
して製造される。すなわち、上述の各成分を用いて、油
相液および水相をそれぞれ調製する。そして、上記調製
した油相液を、上記水相に加え、所定の条件で攪拌し反
応させることにより、芯部が殻部で被覆された芯−殻構
造で、しかも、上記芯部がイソチオシアン酸アリルを含
有するゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記殻部が
ポリウレア樹脂で形成された特殊なイソチオシアン酸ア
リル内包マイクロカプセルが分散されたイソチオシアン
酸アリル内包マイクロカプセル分散液が製造される。つ
づいて、この分散液から所定の方法によって水分を分離
することによりイソチオシアン酸アリル内包マイクロカ
プセル(A)が得られる。
【0037】上記油相液と水相との混合割合は、重量比
で、油相1に対して水相0.5〜50となるように設定
することが好ましい。特に好ましくは油相1に対して水
相0.8〜1.5である。すなわち、油相1に対して水
相が0.5未満では、水を連続相とすることが困難であ
る。また、水相が50を超えると、マイクロカプセル濃
度の低過ぎる製品しか得られないという傾向がみられる
からである。
【0038】上記攪拌条件としては、一般に、500〜
5000rpmに設定され、特に好ましくは1000〜
3000rpmである。さらに、上記反応条件として
は、前述のように、20〜40℃で0.5〜2時間程度
の短時間に設定される。
【0039】また、イソチオシアン酸アリル内包マイク
ロカプセル分散液中から水分を分離してイソチオシアン
酸アリル内包マイクロカプセルを得る方法としては、特
に限定するものではなく、従来公知の方法、例えば、遠
心分離法、加圧濾過法、減圧吸引濾過法等があげられ
る。さらに、上記分離により得られたイソチオシアン酸
アリル内包マイクロカプセルを、従来公知の方法、例え
ば、加熱乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等によっ
て適宜に乾燥する。
【0040】このように、特殊なイソチオシアン酸アリ
ル内包マイクロカプセルが得られる生成機構について、
本発明者らは、一連のマイクロカプセルの研究により得
た知見から、つぎのように推察している。すなわち、上
記油相を構成する成分の一つである触媒の存在により、
この触媒を含有する油相液を水相に添加し攪拌すると、
油相中の多官能性イソシアネートと水不溶性のポリオー
ルとの反応が、多官能性イソシアネートと水との反応よ
りも速やかに反応する。このため、芯−殻構造のマイク
ロカプセルの形成において、まず、芯部となるイソチオ
シアン酸アリルを含有するゲル状のポリウレタン樹脂が
反応生成し、その後、その表面で、多官能性イソシアネ
ートと水とが反応してポリウレア樹脂が反応生成して殻
部が形成されるものと考えられる。
【0041】本発明に用いるイソチオシアン酸アリル内
包マイクロカプセル(A)の他の製法として、上記製法
以外に下記の方法があげられる。すなわち、有機スズ化
合物を含有する前記油性液を、少なくとも2個のアミノ
基を有する多価アミン化合物および乳化剤を含有する水
性液に添加して乳化分散させる方法である。この方法に
よると、上記水性液中に多価アミンを含有するため、油
滴界面において、油相中の多官能性イソシアネートと水
性液中の多価アミンとが極めて速く反応して、ポリウレ
ア樹脂製の殻部が形成され、遅れて、有機スズ化合物の
触媒作用により、多官能性イソシアネートと水不溶性ポ
リオールとが反応して、殻部の内部のゲル化が始まり、
イソチオシアン酸アリルを含有するゲル状ポリウレタン
樹脂製芯部が形成され、イソチオシアン酸アリル含有の
ゲル状ポリウレタン樹脂からなる芯部が殻部で形成され
た本発明に用いるイソチオシアン酸アリル内包マイクロ
カプセル(A)が得られる。
【0042】このようにして得られるイソチオシアン酸
アリル内包マイクロカプセル(A)の模式図を図1に示
す。図示のように、芯部であるイソチオシアン酸アリル
を含有するゲル状ポリウレタン樹脂1の外周を、ポリウ
レア樹脂製の殻部2によって被包された、芯−殻構造と
なっている。また、イソチオシアン酸アリル内包マイク
ロカプセル(A)の粒子径については特に限定するもの
ではないが、一般に、0.5〜500μmの範囲に設定
される。
【0043】上記イソチオシアン酸アリル内包マイクロ
カプセル(A)において、芯部がゲル化状態であること
は、得られたイソチオシアン酸アリル内包マイクロカプ
セルの断面を電子顕微鏡で観察することにより確認する
ことができる。また、得られたイソチオシアン酸アリル
内包マイクロカプセルを用いて溶媒により残存水不溶性
ポリオールの抽出操作を行った結果、抽出物が得られな
いことから、水不溶性のポリオールが多官能性イソシア
ネートと完全に反応し、内部がゲル化状態となっている
と判断される。さらに、イソチオシアン酸アリルと、多
官能性イソシアネートと、水不溶性のポリオールと、触
媒を、20〜40℃で混合し、0.5〜2時間放置する
と流動性がなくなりゲル化状態となることからも推察さ
れる。
【0044】そして、本発明の忌避剤として使用する場
合、上記イソチオシアン酸アリル内包マイクロカプセル
分散液に後述の(B)を加え、水性液のまま用いてもよ
いし、上記イソチオシアン酸アリル内包マイクロカプセ
ル分散液に後述の(B)を加えた水性液から、前記の方
法により水分を分離して用いてもよい。
【0045】上記バインダー成分として作用する(B)
のうち、上記水溶性ポリウレタン樹脂としては、下記の
(B1)および(B2)の少なくとも一方を用いること
が好ましい。
【0046】(B1)下記の(a1)と(b1)とを反
応させてなる反応生成物の、末端イソシアネート基をブ
ロック化剤でブロックした熱反応水溶性ポリウレタン樹
脂。 (a1)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポ
リオールの少なくとも一方。 (b1)ジイソシアネート成分。 (B2)下記の(a2)と(b2)とを反応させてなる
反応生成物の、末端イソシアネート基を、水およびアミ
ンの少なくとも一方で架橋してなる水溶性ポリウレタン
樹脂。 (a2)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポ
リオールの少なくとも一方。 (b2)ジイソシアネート成分。
【0047】まず、熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(B
1)について述べる。
【0048】上記(a1)のポリエーテルポリオールと
しては、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの
ブロック重合物、またはこれらのランダム付加重合物、
グリセリンのプロピレンオキシド、エチレンオキシドあ
るいはそのランダム付加重合物、プロピレンオキシドの
付加重合物等があげられる。
【0049】上記(a1)のポリエステルポリオールと
しては、無水マレイン酸と1,4−ブタンジオールとの
ポリエステルポリオール、無水マレイン酸と1,6−ヘ
キサンジオールとのポリエステルポリオール等があげら
れる。
【0050】上記(b1)であるイソシアネート成分と
しては、脂肪族ジイソシアネートが黄変防止の点から好
ましく用いられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(HMDI)、トリメチルキシレンジイソシア
ネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)等があげられる。
【0051】さらに、上記(B1)における、上記(a
1)と(b1)とを反応させてなる反応生成物の、末端
イソシアネート基をブロックするブロック化剤として
は、無水重亜硫酸ソーダ、メチルエチルケトオキシム等
があげられる。
【0052】上記熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(B
1)は、例えば、つぎのようにして得られる。すなわ
ち、上記(a1)と(b1)とを90〜100℃で反応
させ(末端イソシアネート基が約3〜4%となるま
で)、この未反応の末端イソシアネート基を上記ブロッ
ク化剤で封鎖し、冷却した後、必要に応じて活性剤を添
加する。つぎに、これに水を添加して乳化体とする。
【0053】このようにして得られる熱反応水溶性ポリ
ウレタン樹脂(B1)としては、熱反応性の点から、重
量平均分子量が5000〜2万のものが好ましい。
【0054】つぎに、水溶性ポリウレタン樹脂(B2)
について述べる。
【0055】上記(a2)のポリエーテルポリオールと
しては、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキ
シドプロピレンオキシドのランダム付加重合物、あるい
はこれらのランダム付加重合物、プロピレンオキシドの
付加重合物、ビスフェノールAのエチレンオキシドの付
加重合物、ビスフェノールAのプロピレンオキシドの付
加重合物、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプ
ロパン等があげられる。
【0056】上記(a2)のポリエステルポリオールと
しては、ブチレンアジペート、ヘキシレンカーボネー
ト、エチレンテレフタレート等があげられる。
【0057】上記(b2)であるイソシアネート成分と
しては、トリレンジイソシアネート−80(TDI−8
0)、HMDI、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、IPDI等があげられる。
【0058】さらに、上記(B2)における、上記(a
2)と(b2)とを反応させてなる反応生成物の、末端
イソシアネート基を架橋させるアミンとしては、エチレ
ンジアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン等があ
げられる。
【0059】上記水溶性ポリウレタン樹脂(B2)は、
例えば、つぎのようにして得られる。すなわち、上記
(a2)に対して、(b2)を溶媒中で反応させ(70
〜75℃)、所望の末端イソシアネート基量まで反応さ
せる。つぎに、冷却し、必要に応じて活性剤を添加し、
さらに大量の水を添加して、上記末端イソシアネート基
を水架橋させる。このときジアミンを添加して効率的に
架橋させることもできる。
【0060】このようにして得られる水溶性ポリウレタ
ン樹脂(B2)としては、洗濯耐久性の点から、重量平
均分子量が3万以上のものが好ましい。さらに好ましく
は重量平均分子量が10万以上のものである。
【0061】そして、水溶性ポリウレタン樹脂(B)と
して、上記(B1)および(B2)のうち、耐久性とい
う点から、特に(B1)を用いることが好ましい。上記
(B1)成分については、ほかにバインダー力を高める
ために、前記の有機スズ化合物をマイクロカプセル分散
液に対し0.5〜1.0%添加することが好ましい。
【0062】上記(B1)および(B2)の少なくとも
一方の添加量は、イソチオシアン酸アリル含有マイクロ
カプセル(A)が分散した液の固形分に対して、固形分
で30〜100%、より好ましくは50〜80%の割合
に設定される。
【0063】上記バインダー成分である(B)のうち、
合成樹脂の水性エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂、酢酸ビニ
ル−エチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、アクリル−ス
チレン共重合樹脂、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル
共重合樹脂、酢酸ビニル−マレート共重合樹脂、アクリ
ル−エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン
樹脂等の水性エマルジョンがあげられる。これら合成樹
脂は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかで
も、耐久性という点から、酢酸ビニル−エチレン共重合
樹脂の水性エマルジョンを用いることが好ましい。
【0064】上記合成樹脂の水性エマルジョンは、濃度
30〜60%のものとして使用され、その添加量は、前
記イソチオシアン酸アリル含有マイクロカプセル(A)
が分散した液の固形分に対して、固形分比で、30〜1
00%に設定することが好ましく、より好ましくは50
〜80%の割合に設定される。
【0065】本発明の忌避剤は、先に述べたように、イ
ソチオシアン酸アリル含有マイクロカプセル(A)ある
いはこのカプセルが分散した液に、上記(B1)および
(B2)の少なくとも一方、あるいは、上記合成樹脂の
水性エマルジョンを添加することに得られる。
【0066】そして、本発明の防汚塗料は、前述のイソ
チオシアン酸アリル内包マイクロカプセル(A)と、上
記水溶性ポリウレタン樹脂および合成樹脂の水性エマル
ジョンの少なくとも一方(B)を含有するものである。
すなわち、本発明の防汚塗料は、上記特定のイソチオシ
アン酸アリル内包マイクロカプセル(A)を忌避有効成
分とし、これにバインダー作用を奏する、上記水溶性ポ
リウレタン樹脂および合成樹脂の水性エマルジョンの少
なくとも一方(B)を含有する忌避剤を、塗料形成剤等
に配合して調製され、例えば、船底、漁網、水中の設備
等に塗布され使用される。
【0067】なお、上記忌避剤を配合する塗料形成剤と
しては、例えば、ロジン、ポリ塩化ビニル共重合体、リ
ン酸トリクレジル、4−メチル−2−ペンタノン、キシ
レン等があげられる。
【0068】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0069】まず、実施例に先立って、イソチオシアン
酸アリルを内包したマイクロカプセル分散液を製造し
た。
【0070】
【製造例1】イソチオシアン酸アリル100部、ヘキサ
メチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの
付加物(日本ポリウレタン社製、コロネートHL)12
0部(イソシアネート成分)、ジブチルチンジラウレー
ト(触媒)の10%酢酸エチル溶液1部、ヒマシ油12
0部(水不溶性のポリオール)を混合溶解して油相液を
調製した。ついで、この油相液を、25℃の部分ケン化
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセ
ノールKM−11、ケン化度80%)の10%水溶液3
50部に加え、オートホモミキサー(特殊機化工業社
製)により1000rpmで5分間攪拌することにより
乳化液を得た。引き続き、この乳化液を、25℃で1.
5時間、100〜500rpmで攪拌し反応を完結させ
ることによりイソチオシアン酸アリル内包のマイクロカ
プセル分散液を得た。このマイクロカプセル分散液から
マイクロカプセルの粒子を遠心分離により取り出し、電
子顕微鏡(日本電子社製、JSM−T300)で観察し
たところ、粒子径5μmの粒子が観察された。さらに、
このマイクロカプセルを割ったものを電子顕微鏡で観察
したところ、芯部がゲル化状態であることが確認され
た。このことから、イソチオシアン酸アリルを含有する
ゲル状のポリウレタン樹脂(芯部)が、ポリウレア樹脂
製の殻部によって被包された芯−殻構造をとる特殊マイ
クロカプセルであることがわかる(図1参照)。
【0071】また、得られたイソチオシアン酸アリル内
包マイクロカプセルを用い、テトラヒドロフランにて残
存ヒマシ油(水不溶性のポリオール)の抽出操作を行っ
たところ、ヒマシ油は検出されなかった。この結果から
も、ヒマシ油が芯部に存在せず、イソシアネート成分と
完全に反応しており、芯部がゲル状のポリウレタン樹脂
であることがわかる。
【0072】さらに、上記調製した油相液を、25℃で
1.5時間そのまま放置したところ、流動性がなくなり
ゲル化状態となった。
【0073】これらのことから、製造例1で得られたイ
ソチオシアン酸アリル内包マイクロカプセルの、芯部は
ゲル化していることは明らかである。
【0074】
【製造例2〜6】イソチオシアン酸アリル、イソシアネ
ート成分、触媒および水不溶性のポリオールとして、下
記の表1に示す材料を同表に示す割合で用い、上記製造
例1と同様にして目的とするイソチオシアン酸アリル内
包マイクロカプセル分散液を作製した。そして、この分
散液から得られたイソチオシアン酸アリル内包マイクロ
カプセルを遠心分離により取り出して、製造例1と同
様、電子顕微鏡の観察により粒子径を測定し下記の表1
に併せて示した。
【0075】また、製造例1と同様にしてマイクロカプ
セルを割り電子顕微鏡写真を撮ったところ、いずれも芯
部がゲル化していることが確認された。さらに、上記と
同様にして、水不溶性のポリオールの抽出操作、および
油相液のみを反応させたところ、製造例1と同様の結果
が得られた。これらのことから、製造例2〜6のイソチ
オシアン酸アリル内包マイクロカプセルの、芯部はゲル
化していることは明らかである。
【0076】
【表1】
【0077】
【比較製造例1】製造例1で油相液を調製する際に、水
不溶性のポリオールであるヒマシ油、および触媒である
ジブチルチンジラウレートを用いなかった。それ以外は
製造例1と同様の操作を行った。得られた乳化液を遠心
分離したところ、マイクロカプセルは得られなかった。
さらに、この乳化液を、25℃で8時間攪拌して反応を
完結させることにより、イソチオシアン酸アリルを内包
したマイクロカプセルの分散液を得た。そして、この分
散液からマイクロカプセルの粒子を遠心分離により取り
出し、製造例1と同様にして電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、粒子径4μmの粒子が観察された。そして、このマ
イクロカプセルを割ったものを電子顕微鏡で観察したと
ころ、芯部にイソチオシアン酸アリルのみが存在してお
り、単に、イソチオシアン酸アリルが内包された芯−殻
構造をとるマイクロカプセルであることがわかる。
【0078】また、上記油相液を、25℃で10時間そ
のまま放置したが、ゲル化状態とはならず液状のままで
あった。
【0079】これらのことから、比較製造例1で得られ
たマイクロカプセルは、芯部がイソチオシアン酸アリル
のみである従来のマイクロカプセルであることが明らか
である。
【0080】つぎに、上記イソチオシアン酸アリル内包
マイクロカプセル分散液に、水溶性ポリウレタン樹脂
(B)を配合した例について述べる。
【0081】
【実施例1】 〔水溶性ポリウレタン樹脂の製造〕グリセリンに、エチ
レンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加重合させ
たもの、および、プロピレンオキシドとエチレンオキシ
ドのランダム付加重合体の混合物(重量比20:80)
を、HMDIと反応させて(90〜100℃)ポリウレ
タン化し、末端イソシアネート基を、メチルエチルケト
オキシム(MEKO)でブロックし、さらに冷却して水
を添加して熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(重量平均分
子量1万5千)が分散した分散体(B1)を作製した。
【0082】〔水中付着生物忌避剤1の製造〕つぎに、
前記製造例1のイソチオシアン酸アリル内包マイクロカ
プセルを含有した分散液(マイクロカプセル固形分20
%)100部に対して、上記熱反応水溶性ポリウレタン
樹脂が分散した分散体(B1)を40部添加し、さらに
ジブチルチンジラウレートを0.8%添加し、攪拌する
ことによって目的とする忌避剤1を得た。この忌避剤1
の固形分濃度は25%であった。
【0083】
【実施例2〜6】まず、下記に示す製法に従って、水溶
性ポリウレタン樹脂α〜εを作製した。
【0084】〔水溶性ポリウレタン樹脂α〕グリセリン
にプロピレンオキシドを付加重合させたもの、および、
プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム付加
重合体の混合物(重量比20:80)を、HMDIと反
応させて(90〜100℃)ポリウレタン化し、末端イ
ソシアネート基を、無水重亜硫酸ソーダでブロックし、
さらに冷却して水を添加して水溶性ポリウレタン樹脂α
が分散した分散体α(B1)を作製した。
【0085】〔水溶性ポリウレタン樹脂β〕無水マレイ
ン酸と1,6−ヘキサンジオールとのポリエステルポリ
オールと、ポリエチレングリコールの混合物(重量比
5:1)を、HMDIと反応させて(90〜100℃)
ポリウレタン化し、末端イソシアネート基を、無水重亜
硫酸ソーダでブロックし、さらに冷却して水を添加して
水溶性ポリウレタン樹脂βが分散した分散体β(B1)
を作製した。
【0086】〔水溶性ポリウレタン樹脂γ〕グリセリン
にプロピレンオキシドを付加重合させたもの、および、
グリセリンにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシ
ドをランダム付加重合させたもの(エチレンオキシドと
プロピレンオキシドの重量比13:87)の混合物(重
量比50:50)を、HMDIと反応させて(90〜1
00℃)ポリウレタン化し、末端イソシアネート基を、
無水重亜硫酸ソーダでブロックし、さらに冷却して水を
添加して水溶性ポリウレタン樹脂γが分散した分散体γ
(B1)を作製した。
【0087】〔水溶性ポリウレタン樹脂δ〕ブチレンア
ジペートと、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの
ランダム付加重合体と、ポリカプロラクトンの混合物
(重量比12:4:1)を、HMDIと反応させて(9
0〜100℃)ポリウレタン化し、水を添加して、末端
イソシアネート基の一部をアミノエチルスルホン酸ソー
ダと反応させ、さらに冷却して水溶性ポリウレタン樹脂
δが分散した分散体δ(B2)を作製した。
【0088】〔水溶性ポリウレタン樹脂ε〕ポリテトラ
メチレングリコールと、プロピレンオキシドとエチレン
オキシドのランダム付加重合体と、ポリエチレングリコ
ールと、1,4−ブタンジオールと、トリメチロールプ
ロパンの混合物(重量比50:4:4:4:1.5)
を、水添MDIと反応させて(90〜100℃)ポリウ
レタン化し、さらに活性剤(ジスチレン化フェノールの
エチレンオキシド付加物)を固形分100部に対して5
部添加して、ついで、大量の水を添加し乳化させ、末端
イソシアネート基をエチレンジアミンで架橋させて水溶
性ポリウレタン樹脂εが分散した分散体ε(B2)を作
製した。
【0089】前記製造例2〜6で作製した各イソチオシ
アン酸アリル内包マイクロカプセル分散液(マイクロカ
プセル固形分20%)100部に対して、上記各水溶性
ポリウレタン樹脂α〜εが分散した分散体α〜εを固形
分が10部となるよう40部添加した。実施例2〜6に
おいて、前記各製造例2〜6に対して用いた水溶性ポリ
ウレタン樹脂α〜ε(分散体α〜ε)の組み合わせを、
各水溶性ポリウレタン樹脂α〜εの重量平均分子量とと
もに下記の表2に示す。なお、実施例2〜4に関して
は、上記分散体を添加した後、さらにジブチルチンジラ
ウレートを0.8%添加し、攪拌することによって目的
とする忌避剤2〜6を得た。上記忌避剤の固形分濃度は
25%であった。
【0090】
【表2】
【0091】つぎに、イソチオシアン酸アリル内包マイ
クロカプセル分散液に、合成樹脂の水性エマルジョンが
配合された例について述べる。
【0092】
【実施例7】前記実施例1のイソチオシアン酸アリル内
包マイクロカプセルが分散した液(マイクロカプセル固
形分20%)100部に対して、酢酸ビニル−エチレン
共重合樹脂の水性エマルジョン(濃度50%、ヘキスト
合成社製「モビニール180E」)を固形分が10部と
なるように20部添加した。この分散液の固形分濃度は
25%であった。
【0093】
【実施例8〜14、比較例1〜3】後記の表3および表
4に示す各成分を同表に示す割合で配合して、日本工業
規格の定める標準防汚染塗料A,B(JIS K563
0)を作製した(比較例2,3)。また、前記実施例1
〜7で得られた忌避剤については、その含有する水分を
除去し、これとともに、後記の表3および表4に示す各
成分を同表に示す割合で配合して防汚塗料を作製した
(表3および表4中の防汚塗料A〜Gが実施例8〜14
にそれぞれ対応する)。
【0094】また、前記比較製造例1で得られたイソチ
オシアン酸アリル内包マイクロカプセル分散液に前記水
溶性ポリウレタン樹脂αを加え、固形分濃度を25%と
し、比較となる忌避剤を作製した(比較例1)。
【0095】なお、上記実施例1〜7および比較例1で
得られた忌避剤を用いた防汚塗料の配合は、上記日本工
業規格の定める標準防汚染塗料A,Bとの防汚効果を比
較検討するため、上記標準防汚染塗料A,Bの配合に準
じた。なお、上記標準防汚塗料Aに含まれる忌避剤は亜
酸化銅100%であり、上記標準防汚塗料Bに含まれる
忌避剤はトリブチルスズ100%であった。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】そして、上記で作製した防汚塗料を鋼板に
塗布し、実際の海洋における防汚効果を確認し評価し
た。この試験方法は、JIS K5630の鋼船船底塗
料防汚性浸海試験方法に準じた。上記試験に用いた鋼板
は、一辺300mm×300mmで、厚み3.2mmの
熱間圧延軟鋼板を使用した。ついで、上記防汚塗料を塗
布した試験用鋼板を、三重県英虞湾において、海面下5
0cmの位置に所定期間(30日、60日、120日、
180日および240日)浸漬した。そして、上記鋼板
表面に対する付着生物の付着具合を目視により判定し評
価した。その結果、付着生物の付着が全く認められなか
ったものを◎、有機物の層が認められるものを○、付着
生物の付着が若干認められるものを△、付着生物の付着
が多いものを◇、付着生物の付着が著しく多いものを×
として表示した。これらの結果を下記の表5に示す。
【0099】
【表5】
【0100】上記表5の結果から、全実施例および比較
例2,3においては30日浸漬後では、付着生物の付着
は全く認められなかったが、比較例1では有機物層が認
められた。そして、180日浸漬後、実施例では付着生
物の付着は全く認められないか、もしくは有機物層が認
められた程度であった。これに対して全比較例は、12
0日浸漬後に至っては付着生物の付着が多い、もしくは
著しく多い状態であった。さらに、240日浸漬後を比
較すると、実施例では有機物層が認められたか、もしく
は付着生物の付着が若干認められた程度であったのに対
して、比較例では全て付着生物の付着が著しく多い状態
であった。このことから、実施例のイソチオシアン酸ア
リル内包マイクロカプセル(A)、および、水溶性ポリ
ウレタン樹脂、あるいは、酢酸ビニル−エチレン共重合
樹脂の水性エマルジョン(B)を含有した防汚塗料は、
240日浸漬後のような長期にわたって優れた残効性を
発揮することがわかる。
【0101】
【発明の効果】以上のように、本発明は、イソチオシア
ン酸アリルを含有するゲル状ポリウレタン樹脂からなる
芯部が、ポリウレア樹脂からなる殻部で被覆された特殊
な芯部構造を有するイソチオシアン酸アリル内包マイク
ロカプセル(A)と、水溶性ポリウレタン樹脂、およ
び、合成樹脂の水性エマルジョンの少なくとも一方
(B)を含有する忌避剤である。このような特殊な芯部
構造をとることにより、ゲル状ポリウレタン樹脂に含有
されたイソチオシアン酸アリルはポリウレタン樹脂から
経時的に徐々にしか放出されず、したがって、イソチオ
シアン酸アリルの殻部の通過量が抑制され、さらに、バ
インダー成分として作用する、上記(B)を配合するこ
とにより、従来にはないより一層優れた残効性を備える
ようになる。このため、防汚性およびその残効性に優れ
た忌避剤となる。特に、イソチオシアン酸アリルを内包
した特殊なマイクロカプセル(A)および上記(B)
を、いわゆる従来の塗料成分に含有させた防汚塗料は、
水中付着生物の付着防止対象となる部分等に塗布する等
の形態をとって利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる、イソチオシアン酸アリル内包
マイクロカプセルの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゲル状ポリウレタン樹脂 2 ポリウレア樹脂製の殻部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)および(B)を含有するこ
    とを特徴とする水中付着生物忌避剤。 (A)芯部がイソチオシアン酸アリルを含有するゲル状
    ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆する殻部
    がポリウレア樹脂で形成されているマイクロカプセル。 (B)水溶性ポリウレタン樹脂、および、合成樹脂の水
    性エマルジョンの少なくとも一方。
  2. 【請求項2】 (B)の水溶性ポリウレタン樹脂が、下
    記の(B1)および(B2)の少なくとも一方である請
    求項1記載の水中付着生物忌避剤。 (B1)下記の(a1)と(b1)とを反応させてなる
    反応生成物の、末端イソシアネート基をブロック化剤で
    ブロックした熱反応水溶性ポリウレタン樹脂。 (a1)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポ
    リオールの少なくとも一方。 (b1)ジイソシアネート成分。 (B2)下記の(a2)と(b2)とを反応させてなる
    反応生成物の、末端イソシアネート基を、水およびアミ
    ンの少なくとも一方で架橋してなる水溶性ポリウレタン
    樹脂。 (a2)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポ
    リオールの少なくとも一方。 (b2)ジイソシアネート成分。
  3. 【請求項3】 (B)の合成樹脂の水性エマルジョン
    が、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂の水性エマルジョ
    ンである請求項1または2記載の水中付着生物忌避剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水
    中付着生物忌避剤が含有されていることを特徴とする防
    汚塗料。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114947A (ja) * 2000-10-06 2002-04-16 Takeda Chem Ind Ltd 塗料組成物および塗料組成物の調製方法
EP1142959A4 (en) * 1999-08-25 2002-11-06 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd MOLDED RESIN COMPOSITION IN GEL FORM, CHEMICAL PRODUCT IN PACKAGED VOLATILE GEL, AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME.
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KR100903591B1 (ko) 2007-03-16 2009-06-18 주식회사 에코웰 항균성 코팅액 조성물 및 이의 용도

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