JPH1063695A - 配線遅延計算装置及びパス遅延値検証装置 - Google Patents

配線遅延計算装置及びパス遅延値検証装置

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JPH1063695A
JPH1063695A JP8225215A JP22521596A JPH1063695A JP H1063695 A JPH1063695 A JP H1063695A JP 8225215 A JP8225215 A JP 8225215A JP 22521596 A JP22521596 A JP 22521596A JP H1063695 A JPH1063695 A JP H1063695A
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達次 加賀谷
Toshihiro Yorozui
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体集積回路の設計において仮想配線遅延
値を精度よく算出する。 【解決手段】 本発明では、共通部分が占める配線長の
率をA%、分岐部分が占める配線長の総和の率を”10
0−A”%とする、共通部分と分岐部分とから成り、各
分岐部分はファンアウト数nに対して均等に分岐されて
いる回路モデルを用いている。そして、配線遅延計算装
置は、予め、過去の設計データより統計手法でファンア
ウト数nごとに求められた係数Aのデータを用いて、上
記回路モデルの遅延計算式、即ち、{A/100+(1
00−A)/(100n2)}Rw(Cw+Cp)に基
づき、仮想配線遅延値を計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路
における仮想配線遅延値を電気的に計算する種々の装置
に関するものである。特に、本発明は、複数のマクロセ
ルから成る半導体集積回路の設計時において、各マクロ
セル間を接続する配線により生ずる遅延時間を予め計算
するために広く適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、半導体集積回路の設計時におい
ては、マクロセル内部で生じる信号の遅延時間Tgateの
みを求めて、それを仮想遅延値TPDとして設定してい
た。そのような一例として、特開平8−30648号公
報に開示されたものがある。
【0003】しかしながら、そのように素子のセル遅延
のみを計算するだけでは、仮想遅延値と実際の半導体集
積回路で得られる遅延値との間に著しい相違が生じるた
め、最近では、セル遅延Tgateのみならず、仮想配線遅
延Tlineをも計算で求めて、両者の和で以て仮想遅延値
TPD(=Tgate+Tline)を与える設計技術へと移行し
ている。
【0004】しかしながら、各マクロセル間をつなぐ配
線の経路ないし分岐や配線数は各設計毎に様々であり且
つ複雑であるため、上記仮想配線遅延値Tlineを計算す
るに際しては回路モデルを設定する必要がある。そこ
で、以下に示す2種類の回路モデルが考え出されてい
る。
【0005】(従来の技術1)先ず、その第1は、米国
Synopsys社のオンラインマニュアル(Ver.3.4a) Libra
ry Compiler Reference Vol.1のp.p.4・9〜4・12に開示さ
れた「Worst-Case RCTree」と呼ばれる回路モデルであ
る。
【0006】図16に、そのような回路モデルを示す。
同回路モデルでは、配線の最終端にマクロセルが接続す
るものであり、そこでは、配線分岐がないという回路モ
デルが設定されている。同図中、記号Rwはこの配線の
総仮想抵抗値、記号Cwはこの配線の総仮想容量値、記
号Cpはこの配線の接続先のマクロセルのピン容量値の
和である。この回路モデルにおいては、仮想配線遅延値
Tlineは、遅延計算式=Rw(Cw+Cp)を用いた計
算により与えられる。
【0007】図17は、図16の上記回路モデルに基づ
いて、仮想配線遅延値Tlineを計算する際の配線遅延計
算装置の構成を示す機能ブロック図である。同図中、符
号1は、図16で示した回路モデルを用いた場合の、設
計すべき回路の情報(ファンアウト数等)のデータを記
憶する回路図ファイルである。符号2は、仮想配線容量
の計算に必要な係数をテーブル値としてファイルするフ
ァイル手段である。係数ファイル手段2には、単位配
線長当りの配線抵抗値と、単位配線長当りの配線容量
値と、ファンアウト数ごとの仮想配線長とが記述され
ている。また、この係数ファイル手段2にはおいて、フ
ァンアウト数ごとの仮想配線長のかわりに、仮想配線長
を一次式で計算するときには、その一次式の係数を設定
するようにしても良い。
【0008】更に、符号3は配線の接続先のマクロセル
のピン容量値を抽出する手段、符号3Aは、複数の種類
のマクロセルのそれぞれのピン容量値をライブラリィと
して記憶するファイル手段、符号4は上記抽出手段3に
より抽出したピン容量値の和を計算する手段、符号5は
配線のファンアウト数を抽出する手段、符号6は仮想配
線容量値の計算に必要な係数を係数ファイル手段2より
抽出する手段、符号7は抽出手段6によって抽出された
係数をもとに仮想配線容量値を計算する手段、符号8は
仮想配線抵抗値の計算に必要な係数を係数ファイル手段
2より抽出する手段、符号9は抽出手段8により抽出さ
れた係数をもとに仮想配線抵抗値を計算する手段、符号
10は、求められた、ピン容量値の和と仮想配線容量値
と仮想配線抵抗値とより、上記遅延計算式に基づき仮想
配線遅延値を計算する手段を、それぞれ示す。符号11
は、算出された仮想配線遅延値を格納した出力ファイル
手段である。出力ファイル手段11に代えて、メモリ上
に上記仮想配線遅延値を格納してもよい。
【0009】図18は、図17で示した配線遅延装置の
動作を示すフローチャートであり、係数ファイル手段2
にファンアウト数ごとに仮想配線長が設定される場合
の、各配線の仮想遅延値の計算手順を示している。
【0010】計算手順は、はじめに、配線の接続先のマ
クロセルのピン容量値を抽出する。次に、抽出したピン
容量値より、ピン容量値の和Cpを計算する。次に、フ
ァンアウト数を抽出する。次に、抽出したファンアウト
数より、係数ファイル手段2の中から仮想配線長を抽出
する。次に、単位配線長当りの容量値を抽出する。次
に、単位配線長当りの抵抗値を抽出する。次に、その仮
想配線長と単位配線長当りの容量値とより、仮想配線容
量値Cwを計算する。次に、その仮想配線長と単位配線
長当りの抵抗値とより、仮想配線抵抗値Rwを計算す
る。次に、ピン容量値の和Cpと、仮想配線容量値Cw
と、仮想配線抵抗値Rwとを用いて、遅延計算式=Rw
(Cw+Cp)より、各配線の仮想遅延値を計算する。
【0011】尚、図17及び図18と、後述する図20
及び図21に示される配線遅延計算装置の構成・動作自
体は、非公知の技術と考えられる。
【0012】(従来技術2)第二の回路モデルは、前述
したオンラインマニュアルに同じく開示された「Balanc
ed-Case RC Tree」と呼ばれるものである。そのような
回路モデルを、図19に示す。同図の回路モデルでは、
両マクロセル間は配線分岐のみから成ると想定されてい
る。
【0013】同図中、符号nはファンアウト数を、符号
Rwはこの配線の総仮想抵抗値を、符号Cwはこの配線
の総仮想容量値を、符号Cpはこの配線の接続先のマク
ロセルのピン容量値の和を、各々示している。この回路
モデルでは、仮想配線遅延値Tlineは、遅延計算式=
(1/n2)Rw(Cw+Cp)を用いた計算によって
与えられる。
【0014】図20は、上記回路モデルを用いて仮想配
線遅延値を計算するための配線遅延計算装置の構成を示
す機能ブロック図である。同図中、符号12は、図19
で示した回路モデルを実際に設計すべき回路のマクロセ
ル間配線に適用する場合の、回路図情報(ファンアウト
数等)に関するデータを保持する回路図ファイル手段で
ある。符号13は、係数ファイル手段である。係数ファ
イル手段13内には、単位配線長当りの配線抵抗値
と、単位配線長当りの配線容量値と、ファンアウト
数ごとの仮想配線長が記述されている。また、ファン
アウト数ごとの仮想配線長の代わりに、仮想配線長を一
次式で計算するものとして、その一次式の係数を係数フ
ァイル手段13に設定することも可能である。符号14
は配線の接続先のマクロセルのピン容量値を抽出する手
段、符号15は抽出手段14で抽出されたピン容量値の
和Cpを計算する手段、符号16は配線のファンアウト
数nを抽出する手段、符号17は仮想配線容量値の計算
に必要な係数を抽出する手段、符号18は抽出手段17
によって抽出された係数をもとに仮想配線容量値Cwを
計算する手段、符号19は仮想配線抵抗値の計算に必要
な係数を抽出する手段、符号20は抽出手段19によっ
て抽出された係数をもとに仮想配線抵抗値Rwを計算す
る手段、符号21はピン容量値の和Cpと仮想配線容量
値Cwと仮想配線抵抗値Rwとファンアウト数nとよ
り、上記の計算式に基づき仮想配線遅延値Tlineを計算
する手段を、各々示す。符号22は、仮想配線遅延値を
格納した出力ファイル手段である。この出力ファイル手
段22に代えて、メモリを用いてもよいことは勿論であ
る。
【0015】図21は、図20に示した配線遅延計算装
置の動作を示すフローチャートである。計算手順は、は
じめに、配線の接続先のマクロセルのピン容量値を抽出
する。次に、抽出したピン容量値より、ピン容量値の和
Cpを計算する。次に、ファンアウト数nを抽出する。
次に、抽出したファンアウト数nより、係数ファイル手
段13の中から仮想配線長を抽出する。次に、単位配線
長当りの容量値を抽出する。次に、単位配線長当りの抵
抗値を抽出する。次に、その仮想配線長と単位配線長当
りの容量値とより、仮想配線容量値Cwを計算する。次
に、その仮想配線長と単位配線長当りの抵抗値とより、
仮想配線抵抗値Rwを計算する。次に、ピン容量値の和
Cpと、仮想配線容量値Cwと、仮想配線抵抗値Rw
と、ファンアウト数nとを用いて、上述した遅延計算式
=(1/n2)Rw(Cw+Cp)より 、各配線の仮想
遅延値を計算する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の回路モデルで
は、図16で示される様に両マクロセル間配線には配線
分岐がないと想定されていたり、あるいは、図19で示
される様に両マクロセル間配線は配線分岐のみで構成さ
れていると想定されている。このような両極端な回路モ
デルを用いて仮想配線遅延値を計算した場合には、仮想
配線遅延値の精度が著しく低いという問題点がある。
【0017】即ち、図16の「Worst Case RC Tree」の
回路モデルでは、当該モデルを用いて計算した設計上の
仮想配線遅延値の方が、実際に製作された回路より求め
られる配線遅延値よりも常に大きくなりすぎるという問
題点が顕出している。この問題点は、他面では、本回路
モデルでは設計上の余裕度が大きく設定されていると換
言することもできる。このような設計上の余裕度は、回
路の動作速度が比較的遅いような場合には利点をもたら
すとも言えるが、昨今の様に回路の動作速度が増々高速
化しつつある傾向の下では、このような過分な設計上の
余裕度を有するような回路モデルは、寧ろ半導体集積回
路の設計技術においては好ましくない結果をもたらす。
即ち、従来技術1の回路モデルを用いて各配線長毎の配
線遅延時間を大きく設定していくと、最終的には半導体
集積回路全体のスペックを満足することができなくな
る。この場合には、ユーザは、スペックを完全に満足す
る様に、設計済みの配線の内で適当な部分を抽出して、
再度、設計し直していかなければならないこととなり、
回路設計自体が勢い非効率的、且つ複雑な設計方法とな
らざるを得ない。
【0018】他方、図19の「Balanced-Case RC Tre
e」の回路モデルでは、逆に、当該モデルを用いて計算
した配線遅延値が、常に実際の遅延値よりも小さくなっ
てしまうという問題点をもたらしている。従って、当該
回路モデルを用いて各配線長の仮想配線遅延値を設定し
ていき、設計上はスペックを満たすという結果が得られ
ていても、実際の製品上ではスペックを満たさず、半導
体集積回路が動作しないという問題点をもたらす。従っ
て、当該回路モデルを用いた設計ではリスクが大きくな
ってしまう。これは、本回路モデルでは、元々、配線遅
延値を0値として設計していたのが、配線の微細化に伴
い配線遅延値を無視しえなくなった結果、とりあえず配
線の遅延を考慮して設計しておこう、という消極的な設
計思想に起因しているものと考えられる。
【0019】本発明は、このような従来の回路モデルを
用いた設計技術が直面している問題点を克服するために
なされたものである。
【0020】その第1の目的とするところは、従来の回
路モデルよりも現実のマクロセル間配線により適合した
新たな回路モデルを提供し、この新規な回路モデルを用
いることにより、実際の配線遅延値に対する仮想配線遅
延値の計算精度を向上させることができる装置を提供す
ることにある。
【0021】又、この発明の第2の目的は、同一の新回
路モデルを採用しつつ、同一精度で以てより一層速く仮
想配線遅延値を算出できる装置を提供することにある。
【0022】又、この発明の第3の目的は、より高精度
を実現する観点から上記新回路モデルを改良して、より
高精度な仮想配線遅延値計算装置を提供することにあ
る。
【0023】更に、この発明の第4の目的は、上記改良
型の新回路モデルを採用しつつ、より速く且つより高精
度で以て仮想配線遅延値を算出できる装置を提供するこ
とにある。
【0024】更に、この発明の第5の目は、上記新回路
モデルや改良型の新回路モデルを用いた電気的計算に際
して、統計的手法により定まるデータを駆使することで
過去の設計データを積極的に活用可能とすることにあ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
半導体集積回路の設計に際して、第1マクロセルの出力
端からn個(n≧1)の第2マクロセルの入力端を配線
する配線長における仮想配線遅延値を算出する配線遅延
計算装置であって、前記配線長に対して、前記第1マク
ロセルの前記出力端と分岐点との間に接続された第1抵
抗及び前記分岐点と接地との間に接続された第1容量を
有する共通部分と、前記分岐点から前記n個の第2マク
ロセルのそれぞれを接続し、且つファンアウト数nに対
して均等に分岐するものと設定された分岐配線のそれぞ
れは、前記分岐点と対応する前記第2マクロセルの前記
入力端との間に接続された第2抵抗、対応する前記第2
マクロセルの前記入力端と前記接地との間に接続された
寄生容量としての第2容量及び対応する前記第2マクロ
セルの前記入力端と前記接地との間に接続されたピン容
量を有する、前記ファンアウト数(n)の分岐部分とか
ら構成される回路モデルについての所定のデータを電気
的に格納する記憶手段と、前記記憶手段より抽出した前
記所定のデータに基づいて、前記第1及び第2抵抗と前
記第1及び第2容量と前記ピン容量との時定数で規定さ
れる所定の遅延計算式より前記仮想配線遅延値を電気的
に算出する計算手段とを備えるものである。
【0026】記憶手段は、回路モデルに於ける所定のデ
ータを電気的に記憶している。そこで、計算手段は、上
記記憶手段より前記所定のデータを電気的に抽出し、当
該所定のデータに基づき上記回路モデルの設定により定
まる遅延計算式の実行を電気的に処理して仮想配線遅延
値を設計データとして与える。これにより、上記回路モ
デルを基礎とした当該配線長に於ける仮想配線遅延値の
算出が可能となる。上記回路モデルは現実のマクロセル
間の配線の構造により近いモデルであるので、実際の回
路の配線遅延値に極めて近い仮想配線遅延値が設計段階
において得られる。
【0027】請求項2の発明では、請求項1記載の配線
遅延計算装置において、前記回路モデルの前記配線長に
対して前記共通部分及び前記分岐部分が占めるパーセン
ト率はそれぞれ第1係数及び(100−第1係数)とし
て定義され、前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第1容
量及び前記第2容量の値はそれぞれ(第1係数・仮想配
線抵抗値/100)、((100−第1係数)・仮想配
線抵抗値/(100n))、(第1係数・仮想配線容量
値/100)及び((100−第1係数)・仮想配線容
量値/(100n))として定義されており、前記記憶
手段は、前記半導体集積回路の設計すべき前記配線長に
前記回路モデルを適用した際の回路図データを格納する
第1記憶手段と、前記第2マクロセルとして利用可能な
複数種類の半導体デバイスについての前記ピン容量に関
するデータをライブラリィとして格納する第2記憶手段
と、前記第1係数に関する情報を与える第1係数テーブ
ルデータ、単位配線長当たりの配線抵抗値を与える第2
係数テーブルデータ、単位配線長当たりの配線容量値を
与える第3係数テーブルデータ及び前記ファンアウト数
毎に仮想配線長を与える第4係数テーブルデータを記憶
する第3記憶手段とを備え、前記回路図データは、設計
すべき前記配線長に含まれている前記第2マクロセルの
種類情報及びピン情報と、設計すべき前記配線長の前記
ファンアウト数とに関するデータを備えており、前記仮
想配線長とは前記共通部分の長さ及び前記分岐部分の長
さの和に相当しており、前記第1及び前記第4係数テー
ブルデータは、共に統計的手法により予め決定されてい
るものであり、前記計算手段は、前記第1記憶手段より
前記第2マクロセルの前記種類情報及び前記ピン情報の
データを抽出し、当該抽出データに基づき前記第2記憶
手段より前記第2マクロセルのそれぞれの前記ピン容量
のデータを抽出する第1抽出手段と、前記第1抽出手段
により抽出された前記ピン容量の和のデータを電気的に
計算する第1計算手段と、前記第1記憶手段より前記フ
ァンアウト数のデータを抽出する第2抽出手段と、前記
第2抽出手段により抽出された前記ファンアウト数のデ
ータに基づき前記第3記憶手段より対応する前記第1、
前記第2、前記第3及び前記第4係数テーブルデータを
抽出して前記第2、前記第3及び前記第4係数テーブル
データをそれぞれ第2、第3及び第4係数データに決定
し、前記第2係数データと前記第4係数データとの積算
処理及び前記第3係数データと前記第4係数データとの
積算処理に基づき前記仮想配線抵抗値のデータ及び前記
仮想配線容量値のデータをそれぞれ電気的に計算すると
共に、前記第1係数テーブルデータに基づいて、設計す
べき前記配線長に於ける前記第1係数を与える第1係数
データを決定する第2計算手段と、前記第1及び第2計
算手段の出力信号に基づき、前記第1係数データ、前記
仮想配線抵抗値のデータ、前記仮想配線容量値のデー
タ、前記ピン容量の和のデータ及び前記ファンアウト数
のデータに基づき規定される前記所定の遅延計算式よ
り、前記仮想配線遅延値を電気的に算出する第3計算手
段とを備えている。
【0028】請求項3の発明では、請求項2記載の配線
遅延計算装置において、前記第1係数テーブルデータ
は、予め統計的手法により前記ファンアウト数毎に決定
されており、前記第2計算手段は、前記ファンアウト数
のデータに基づき当該ファンアウト数に対応した前記第
1係数テーブルデータがあるか否かを選択し、該当する
前記第1係数テーブルデータがある場合には当該第1係
数テーブルデータを計算に必要な前記第1係数のデータ
として決定する一方、該当する前記第1係数テーブルデ
ータがない場合には線形補間法により必要な前記第1係
数のデータを決定する第1係数決定手段を備えている。
【0029】請求項4の発明では、請求項2記載の配線
遅延計算装置において、前記第1係数テーブルデータ
は、予め統計的手法により決定された、全ての前記ファ
ンアウト数に共通な一定値のデータのみからなり、前記
第2計算手段は、前記ファンアウト数のデータに基づき
前記第1係数テーブルデータを選択して、当該第1係数
テーブルデータを計算に必要な前記第1係数のデータと
して決定する第1係数決定手段を備えている。
【0030】請求項5の発明では、請求項2乃至請求項
4の何れかに記載の配線遅延計算装置において、前記回
路モデルにおいて、それぞれの前記第2マクロセルの前
記ピン容量の値は(前記ピン容量の和のデータ)/(前
記ファンアウト数のデータ)で与えられるものと設定さ
れており、前記第3計算手段は、前記第1及び第2計算
手段の出力信号に基づき、前記第1係数データ、前記仮
想配線抵抗値のデータ、前記仮想配線容量値のデータ、
(前記ピン容量の和のデータ/(前記ファンアウト数の
データ)、及び前記ファンアウト数のデータによって規
定される前記所定の遅延計算式より、前記仮想配線遅延
値を電気的に算出する仮想配線遅延値計算手段を備えて
いる。
【0031】請求項6の発明では、請求項2乃至請求項
4の何れかに記載の配線遅延計算装置において、前記回
路モデルにおいて、それぞれの前記第2マクロセルの前
記ピン容量の値は前記第1抽出手段により抽出された対
応する前記ピン容量のデータで与えられるものと設定さ
れており、前記第3計算手段は、前記第1及び第2計算
手段の出力信号と前記第1抽出手段により抽出されたそ
れぞれの前記ピン容量のデータの出力信号とに基づき、
前記第1係数データ、前記仮想配線抵抗値のデータ、前
記仮想配線容量値のデータ、前記ピン容量の和のデー
タ、前記ファンアウト数のデータ及びそれぞれの前記ピ
ン容量のデータに基づき規定される前記所定の遅延計算
式より、前記仮想配線遅延値を電気的に算出する仮想配
線遅延値計算手段を備えている。
【0032】請求項7の発明は、半導体集積回路の設計
時に前記半導体集積回路のパス遅延値を計算するための
機能を備えたパス遅延値検証装置であって、請求項1乃
至請求項6の何れかに記載の前記配線遅延計算装置を利
用して前記半導体集積回路内の個々の配線長の仮想配線
遅延値を電気的に計算することを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】図19の回路モデルでは、マクロ
セル間の配線を最初から分岐点で始まるとした点に問題
がある。その点に、計算した配線遅延時間が実際よりも
常に短くなってしまう原因があるものと考えられる。
【0034】他方、図16の回路モデルでは、配線の接
続先の各マクロセルへの分岐点を無視している点に根本
的な問題がある。なる程、当該回路モデルでは遅延値の
計算値に余裕が生ずるという面があるが、そのような設
計上の余裕をもたせておく技術的思想では回路の動作速
度の高速化(従って、配線の微細化)には対応しきれな
くなるという問題点があることは、既述した通りであ
る。従って、図16の回路モデルにおける設計思想は、
高速動作の半導体集積回路の設計においては破綻をきた
す。従って、このような設計思想を根本的に捨てさせる
必要がある。
【0035】即ち、本発明の配線遅延計算装置では、あ
るマクロセル間の配線における各配線経路を、(1)共通
部分と(2)ファンアウト数n(n≧1)の分岐部分とか
ら成る新回路モデルに立脚して、ユーザが予め統計的手
法によりファンアウト数毎に、又は全ファンアウト数に
対して共通となるように決定した、配線の共通部分と分
岐部分との比率を示す係数Aのデータに基づき、上記回
路モデル上の共通部分と分岐部分のそれぞれの寄生抵抗
値及び寄生容量値とを与える仮想配線抵抗値及び仮想配
線容量値と、各分岐毎のピン容量値とのデータを用い
て、仮想配線遅延値を計算するようにしている。
【0036】以下、本発明の装置の各実施の形態を、図
面に基づいて説明する。
【0037】(実施の形態1)図1は、本願出願人が提
案する新規な回路モデルを示す図である。同図の回路モ
デルでは、マクロセル間の配線の総配線長に対して、共
通部分P1が占める配線長の率をA%、分岐部分P2が
占める配線長の総和の率を”100−A”%とする、共
通部分P1と分岐部分P2とがあるものと想定されてい
る。そして、同回路モデルでは、分岐部分P2は、ファ
ンアウト数nに対して均等に分岐するものと仮定されて
いる。かかる仮定は、設計の容易性、設計回路の評価の
しやすさを考慮したものである。ここで、「ファンアウ
ト数」とは、設計すべき回路において、あるマクロセル
(第1マクロセル)の出力端から信号が伝達すべき次の
マクロセル(第2マクロセル)の入力端をみたときの、
行先の数n(n≧1)を意味する。
【0038】共通部分P1は、図15に示すように、統
計的平均値として決定される概念であって、当該配線の
最初の分岐点までの配線長を示すものでない。
【0039】図1に示すように、共通部分P1は、寄生
抵抗,寄生容量として、第1マクロセルの出力端IN1
(図15)と分岐点BPとの間に接続された第1抵抗
(A/100)Rw及び分岐点BPと接地との間に接続
された第1容量(A/100)Cwを有する。
【0040】他方、分岐部P2を構成するn個(n≧
1)の分岐線BL1,BL2,…,BLnの各々は、寄
生抵抗及び寄生容量として、分岐点BPと接続先の対応
する第2マクロセルの入力ピンないし入力端IN2(図
15参照)との間に接続された第2抵抗((100−
A)/100)(Rw/n)、及び上記入力ピンIN2
と接地間に接続された第2容量((100−A)/10
0)(Cw/n)を有している。そして、各分岐線BL
i(1≦i≦n)の入力ピンIN2には、第2マクロセ
ルのピン容量(Cp/n)が接続されている。
【0041】同図中、記号Rwはこの配線の総仮想抵抗
値を、記号Cwはこの配線の総仮想容量値を、記号Cp
はこの配線の接続先のマクロセルのピン容量値の和を、
各々示している。この実施の形態1では、配線の接続先
の各マクロセル(第2マクロセル)のピン容量値には、
ピン容量値の和Cpの平均値(Cp/n)を用いてい
る。
【0042】図1の回路モデルにおける仮想配線遅延値
は、次の計算式、即ち、遅延計算式={A/100+
(100−A)/(100n2)}Rw(Cw+Cp)
に基づく計算によって与えられる。上式計算式の導出
は、次の通りである。
【0043】抵抗と容量の積(時定数)で以て配線遅延
値を表すと、
【0044】
【数1】
【0045】の様になる。ここで、j=(A/10
0),k=((100−A)/100)と定義すると、
数1は、
【0046】
【数2】
【0047】となる。
【0048】ここで、n>=1,0<=(A/100)
<=1,0<=(100−A/100)<=1の範囲で
は、
【0049】
【数3】
【0050】と近似できるので、
【0051】
【数4】
【0052】と近似できる。従って、遅延計算式は、上
述の式で表わされることとなる。
【0053】ユーザは、予め、過去の設計データより統
計的手法を用いて、ファンアウト数nごとに係数Aを求
める。もし、あるファンアウト数nに対して設計データ
が無いときには、ユーザは、その周りのファンアウト数
について既に求められている係数より線形補間すること
で、そのようなファンアウト数nに対する係数Aを求め
ることができる。そして、ユーザは、そのようにして求
めた各ファンアウト数n毎の係数Aのデータをファイル
しておく。
【0054】そこで、本装置は、設計対象の配線のファ
ンアウト数nに対応する係数Aを選択して、上述の計算
式、即ち、遅延計算式={A/100+(100−A)
/(100n2)}Rw(Cw+Cp)を用いて、仮想
配線遅延値Tlineを計算する。
【0055】以下では、図1に示した配線の新回路モデ
ルに基づいて仮想配線遅延値を電気的に計算する方法に
ついて、詳述する。
【0056】図2は、そのような新回路モデルに基づい
た電気的計算方法を実行するためのシステムを示すブロ
ック図である。同システムは、CPU71を中核とし
て、他に、記憶装置としてのディスク装置72及びメモ
リ装置73、キーボードやマウス等の入力装置74及び
CRTモニタやプリンタ等の出力装置75を備える。ユ
ーザは、入力装置74を用いて、CPU71を介してデ
ィスク装置72へ、後述する各種のファイル用データを
入力する。
【0057】図2に示したシステムを用いて構成される
のが、本発明の配線遅延計算装置である。
【0058】図3は、図1の回路モデルを基礎として仮
想配線遅延値を電気的に計算するための配線遅延計算装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【0059】同図において、符号23は、設計すべき半
導体集積回路中のあるマクロセル間の配線に対して図1
で示した回路モデルを用いる場合の、回路図情報データ
(例えば、当該配線内に用いられる第2マクロセルの種
類(タイプ)や、つながっているピン情報や当該配線の
ファンアウト数n等)を与えるデータ信号を電気的に格
納する回路図ファイル手段であり、符号76は、第2マ
クロセルとして利用可能な複数の種類の半導体デバイス
のそれぞれに固有なピン容量値に関するデータ信号をラ
イブラリィとして電気的に保有するピン容量値ファイル
手段であり、符号24は図1で示した回路モデルを用い
た配線遅延値の計算に必要な各係数テーブルデータ信号
を電気的に格納する係数ファイル手段である。これらの
ファイル手段23,24,76に格納されている各種デ
ータ信号は、いずれも図2の入力装置74を用いて、ユ
ーザにより予め入力されたものである。ここで、係数フ
ァイル手段24内には、単位配線長当りの配線抵抗値
(第2係数テーブルデータ)と、単位配線長当りの配
線容量値(第3係数テーブルデータ)と、ファンアウ
ト数毎の仮想配線長(第4係数テーブルデータ)と、
ファンアウト数毎の係数A(第1係数データ)に関する
データが記述されている。これらの係数テーブルデータ
の内で、及びは、過去の設計データを用いた統計的
手法によって、予めユーザにより決定される。又、係数
テーブルデータ,は、トランジスタの各寸法値や、
Al配線が一層か二層か等に依存しているが、半導体製
作プロセスや配線数が決まるならば固定値として決定で
きるものである。又、係数テーブルデータの仮想配線
長とは、図1のモデルで言えば、共通部分と全ての分岐
部分とから成る、全配線長である。
【0060】尚、上記係数ファイル手段の係数テーブル
データとしては、ファンアウト数毎の仮想配線長を個
別に設定する代わりに、仮想配線長を一次式(y=αx
+β)で計算するものとして、その一次式の係数(α
(n))をファンアウト数n毎に設定するようにしても
良い。
【0061】符号27は、回路図ファイル手段23より
ファンアウト数nのデータを抽出する手段、符号25は
上記手段23より第2マクロセルの種類情報やピン情報
等のデータを抽出し、これらのデータに基づいて、ピン
容量値ファイル手段76より、対応する配線の接続先の
各マクロセルのピン容量値を抽出する手段、符号26は
ピン容量値抽出手段25により抽出された各接続先のピ
ン容量値の和Cpを電気的に計算する手段、符号28
は、ファンアウト数nのデータに基づいて、係数ファイ
ル手段24より仮想配線容量値の計算に必要な係数テー
ブルデータ,を抽出する手段、符号29は上記抽出
手段28により抽出された係数テーブルデータ,を
基に仮想配線容量値Cpを電気的に計算する手段、符号
30は、ファンアウト数nのデータに基づいて、係数フ
ァイル手段24より仮想配線抵抗値の計算に必要な係数
テーブルデータ,を抽出する手段、符号31は上記
抽出手段30により抽出された係数テーブルデータ,
を基に仮想配線抵抗値を電気的に計算する手段、符号
32は、上記手段24より抽出した係数テーブルデータ
に基づき、ファンアウト数nに対応する係数Aを決め
る手段である。比率決定手段32は、基本的には、ファ
ンアウト数nに対応する係数Aを係数ファイル手段24
より選択して決めるのであるが、もし係数ファイル手段
24内に当該ファンアウト数nに対応する係数Aがない
場合には、その周りのファンアウト数の係数テーブルデ
ータA(n−a),A(n+b)を抽出し、これらの係
数テーブルデータA(n−a),A(n+b)を用いた
線形補間法により、当該ファンアウト数nに対応する係
数Aのデータを求める。例えば、ファンアウト数nが3
のときにはA(3)=20%であり、ファンアウト数n
が5のときにはA(5)=16%であるものとすると、
データの無いファンアウト数4における係数データA
(4)は、線形補間により18%と決定される。
【0062】符号33は、各手段26,29,31,3
2によって求められた、ピン容量値の和Cpと仮想配線
容量値Cwと仮想配線抵抗値Rwと係数Aとファンアウ
ト数nとの各データを用いて、上述した計算式、即ち、
遅延計算式={A/100+(100−A)/(100
2)}Rw(Cw+Cp)に基づいて、仮想配線遅延
値Tlineを電気的に計算する手段を示す。
【0063】符号34は、手段33により求められた仮
想配線遅延値のデータ信号を格納した出力ファイル手段
である。尚、出力ファイル手段34の代わりに、メモリ
(例えば図2のメモリ装置73)上に仮想配線遅延値の
データ信号を格納してもよい。
【0064】図4は、図3に示した配線遅延計算装置の
動作を示すフローチャートであり、図3の係数ファイル
手段24にファンアウト数n毎に仮想配線長のデータが
設定される場合の、各配線の仮想遅延値の計算手順を示
す。
【0065】計算手順は、はじめに、手段25が、回路
図ファイル手段23より、回路図情報データ(ピン情
報,第2マクロセルの種類情報等)を抽出し、これらの
抽出データに基づいて、ピン容量値ファイル手段76よ
り、対応する、配線の接続先の各マクロセルのピン容量
値を一つずつ抽出する。次に、手段26が上記手段25
により抽出された各ピン容量値のデータの和算を電気的
に実行することにより、ピン容量値の和Cpを計算す
る。
【0066】次に、手段27が回路図ファイル手段23
よりファンアウト数nのデータを抽出する。
【0067】次に、手段32は、係数ファイル手段24
にアクセスして、手段27により抽出されたファンアウ
ト数nのデータに基づき当該手段24のファイル中の係
数Aのテーブルデータを選択し、選択した係数Aのテー
ブルデータを係数Aのデータ(第1係数データ)として
抽出する。この場合、対応する係数Aのテーブルデータ
が上記ファイル中に見つからないときには、同手段32
は、既述した通り、線形補間法を用いて係数Aのデータ
を決定する。
【0068】次に、手段28は、手段27により抽出さ
れたファンアウト数nのデータに基づき、係数ファイル
手段24のファイル中から、対応する仮想配線長の係数
テーブルデータを第4係数データとして抽出する。更
に、同手段28は、同ファイル中から単位配線長当りの
容量値の係数テーブルデータを第3係数データとして
抽出する。次に、手段30は、単位配線長当りの抵抗値
の係数テーブルデータを第2係数データとして係数フ
ァイル手段24より抽出する。尚、仮想配線抵抗Rwの
計算に必要な仮想配線長の係数テーブルデータは、手
段28による先行するステップにおいて既に第4係数デ
ータとして抽出され、CPU71内の図示しないレジス
タに格納されているので、手段30は当該レジスタにア
クセスして上記係数データを用いることができる。
【0069】次に、手段29は、その仮想配線長のデー
タと単位配線長当りの容量値のデータの積算処理の
電気的実行により、仮想配線容量値Cwを計算する。次
に、手段31は、その仮想配線長のデータと単位配線
長当りの抵抗値のデータとの積算処理の電気的実行に
より、仮想配線抵抗値Rwを計算する。
【0070】次に、手段33は、ピン容量値の和と、仮
想配線容量値と、仮想配線抵抗値と、ファンアウト数
と、係数Aの各データとを用いて、次の計算式、即ち、
遅延計算式={A/100+(100−A)/(100
2)}Rw(Cw+Cp)に基づき、各配線の仮想遅
延値を計算し、出力ファイル手段34に計算したデータ
を出力する。即ち、ここでは各分岐先BLi(1≦i≦
n)毎の遅延計算値は上述の遅延計算式で求められる値
に等しいので(各ピン容量値は等しいと設定されている
ため)、一回計算すれば、その計算値が各配線の仮想配
線遅延値として用いられる。この点は、後述する実施の
形態3,4と比較して、計算スピードの点で有利であ
る。
【0071】以上の構成とすることにより、従来の回路
モデルを用いた場合よりも格段に高精度で仮想配線遅延
値を計算することができ、従来生じていたような設計終
了後の設計のやり直しという問題点を払拭することがで
きる。
【0072】この実施の形態1の遅延計算装置を用いて
得られた仮想配線遅延値と実際に製作された回路の配線
遅延値とを、従来の技術1の回路モデル(Worst-Case R
C Tree)及び従来の技術2の回路モデル(Balanced-Cas
e RC Tree)を用いて得られる結果をも併せて、図5に
示す。同図の横軸(FO)は、ファンアウト数nを示
す。
【0073】図5より明かな通り、実施の形態1により
得られる仮想配線遅延値は、広いファンアウト数の範囲
にわたって、殆ど実際の回路の配線遅延値と一致してい
ることが理解されるであろう。
【0074】以上の対比結果より、本発明の有効性が顕
著に実証されている。
【0075】(実施の形態2)ここで用いる回路モデル
とその遅延計算式は、実施の形態1で既述したのと同じ
である。但し、ここでは、ユーザは、予め、過去の設計
データより統計的手法を用いて、どのファンアウト数に
も共通な係数Aを求めることとしている。これは、実験
を繰り返した結果、各ファンアウト数の係数A同士の間
にはそれ程差がないので、係数Aを固定値としても十分
に良好な結果が得られることがわかった、という事実に
立脚している。
【0076】そのような実験結果の一例を、図6に示
す。同図の横軸はファンアウト数nであり、縦軸は遅延
計算式中の係数Aに依存する部分である。同図より理解
されるように、係数Aをファンアウト数毎に個別化した
場合と一定値に統一した場合とでは、差が殆どない。従
って、本図は、係数Aがファンアウト数に依存せず、常
に同じものを係数Aに使えることを意味している。
【0077】実施の形態1では、ファンアウト数毎に係
数Aを選択して仮想配線遅延値を計算していたのに対し
て、実施の形態2における配線遅延計算装置は、共通な
係数Aのデータを全てのファンアウト数に対してそのま
ま用いて、既述の遅延計算式={A/100+(100
−A)/(100n2)}Rw(Cw+Cp)に基づい
て仮想配線遅延値を計算する。以下に、その詳細を説明
する。
【0078】図7は、図1の回路モデルに基づいて配線
遅延を計算する、実施の形態2に係る遅延計算装置の構
成を示す機能ブロック図である。同図中、符号35は、
図3の回路図ファイル手段23に相当する手段である。
符号36は、以下の係数データをテーブル値として有す
る係数ファイル手段である。本係数ファイル手段36に
は、単位配線長当りの配線抵抗値と、単位配線長当
りの配線容量値と、ファンアウト数毎の仮想配線長
と、どのファンアウト数にも共通な係数A(第1係数
テーブル)とが、記述されている。従って、上記の第
1係数テーブルデータのみが、図1の係数ファイル手段
24中の対応する第1係数テーブルデータと異なってい
る。同じく、この係数ファイル手段36には、ファンア
ウト数毎の仮想配線長のかわりに、仮想配線長を一次式
で計算することとした際の、その一次式の係数を設定す
ることもできる。符号77は、図3のピン容量値ファイ
ル手段76に対応する。符号37は、図3の抽出手段2
5に相当しており、符号38は図3の手段26に、符号
39は図3の抽出手段27に、符号40は図3の抽出手
段28に、符号41は図3の仮想配線容量値計算手段2
9に、符号42は図3の係数抽出手段30に、符号43
は図3の仮想配線抵抗値計算手段31に、それぞれ対応
している。
【0079】他方、符号44は、どのファンアウト数に
も共通な係数Aのテーブルデータを係数ファイル手段
36のファイル中より第1係数データとして抽出する手
段であり、符号45は、ピン容量値の和Cpのデータと
仮想配線容量値Cwのデータと仮想配線抵抗値Rwのデ
ータと一定値である係数Aを与えるデータとファンアウ
ト数nを与えるデータとを用いて、既述の遅延計算式=
{A/100+(100−A)/(100n2)}Rw
(Cw+Cp)に基づいて、仮想配線遅延値を計算する
手段を示す。符号46は図3の出力ファイル手段34に
相当しており、この出力ファイル手段に代えて、図1の
メモリ装置73を用いてもよい。
【0080】図8は、図7に示す配線遅延値計算装置の
動作を示すフローチャートであり、係数ファイル手段3
6に、ファンアウト数毎に仮想配線長がユーザにより予
め設定される場合の、各配線の仮想遅延値の計算手順を
示す。
【0081】計算手順は、はじめに、図5の手段37
が、回路図ファイル手段35より抽出した第2マクロセ
ルの種類等のデータに基づいて、ピン容量値ファイル手
段77のファイル中より、配線の接続先の各マクロセル
(第2マクロセル)のピン容量値Cpi(1≦i≦n)
を抽出する。次に、手段38は、抽出されたピン容量値
Cpiのデータの和演算ΣCpiを電気的に行うことに
より、ピン容量値の和Cpを電気的に計算する。次に、
手段39が、回路図ファイル手段35のファイル中よ
り、当該設計回路の配線のファンアウト数n(n≧1)
のデータを抽出する。次に、手段44は、ファンアウト
数nのデータに基づき、係数ファイル手段36のファイ
ル中より共通な係数Aのテーブルデータを第1係数デー
タ(A)として抽出する。次に、手段40は、抽出され
たファンアウト数nのデータより、係数ファイル手段3
6のファイル中から仮想配線長の係数テーブルデータ
を第4係数データとして抽出し、更に単位配線長当りの
容量値の係数テーブルデータをも第3係数データとし
て抽出する。次に、手段42は、単位配線長当りの抵抗
値の係数テーブルデータを係数ファイル手段36のフ
ァイル中から第2係数データとして抽出する。係数デー
タは、CPU71の図示しないレジスタに既に格納さ
れているので、手段42はそれを利用する。
【0082】その後、手段41は、抽出された仮想配線
長と単位配線長当りの容量値とのデータの積算によ
り、仮想配線容量値を電気的に計算する。次に、手段4
3は、抽出済みの仮想配線長と単位配線長当りの抵抗
値とのデータの積算を実行することにより、仮想配線
抵抗値を電気的に計算する。
【0083】次に、手段45は、ピン容量値の和と、仮
想配線容量値と、仮想配線抵抗値と、ファンアウト数
と、係数A(一定値)との各データを用いて、遅延計算
式={A/100+(100−A)/(100n2)}
Rw(Cw+Cp)に基づき、各配線の仮想遅延値を電
気的に計算する。
【0084】本実施の形態2によれば、係数Aの決定ス
テップが簡単化されているので、実施の形態1と同一の
精度を維持しつつ(図6参照)、実施の形態1よりも速
く計算することができるという効果が得られる。
【0085】(実施の形態3)ここでは、配線の接続先
のマクロセル(第2マクロセル)毎にピン容量値Cpi
(1≦i≦n)を個々に決定するという計算方法を採用
している。このように、きめ細かくピン容量値を決定し
ていくことにより、より高速化に対応することが可能と
なる。
【0086】図9は、図1とは別の新たな回路モデルで
あり、本回路モデルでも共通部分と分岐部分とが想定さ
れている。同図中、記号Rwはこの配線の総仮想抵抗
値、記号Cwはこの配線の総仮想容量値、記号Cp1,
Cp2,…,Cpn(Cpi)は、それぞれこの配線の
接続先の各マクロセルのピン容量値である。ここでも、
この配線の総配線長に対して、共通部分が占める配線長
の率をA%とし、分岐部分が占める配線長の総和の率
を”100−A”%とすると共に、分岐部分はファンア
ウト数nで均等に分岐するものと想定している点は、実
施の形態1の場合と同じである。一般的に、記号Cpi
は、この配線の接続先の内の第i番目の第2マクロセル
のピン容量値として定義される。
【0087】この新規な回路モデルを用いた場合の仮想
配線遅延値は、周知のElmore遅延モデルを用いる
と、遅延計算式=(A/100)Rw(Cw+Cp)+
{(100−A)/100}2(1/n2)Rw・Cw+
{(100−A)/(100n)}Rw・Cpiで与え
られる。
【0088】ユーザは、予め、過去の設計データより統
計的手法を用いて、ファンアウト数nごとに係数Aを求
め、それらのデータを後述する各種ファイル手段(記憶
手段)にライブラリィないしテーブル値として入力して
おく。本装置は、それらの記憶手段から当該ファンアウ
ト数nに対応した係数Aのデータを選択し決定する。そ
の際、データがないファンアウト数nについては、本装
置は、まわりの求められた係数より、当該ファンアウト
数nに対応する係数Aのデータを線形補間法で求める。
そして、本装置は、遅延計算式=(A/100)Rw
(Cw+Cp)+{(100−A)/100}2(1/
2)Rw・Cw+{(100−A)/(100n)}
Rw・Cpiを用いて、仮想配線遅延値を電気的に計算
する。以下、その詳細を説明する。
【0089】図10は、図9の回路モデルで配線遅延を
計算する遅延計算装置の構成を示す機能ブロック図であ
る。同図中、符号47は図3の回路図ファイル手段23
に相当するものである。符号48は、図9で示した回路
モデルで配線遅延値を計算するために必要な各種係数テ
ーブルデータを保有する係数ファイル手段である。即
ち、同係数ファイル手段48のファイル中には、単位
配線長当りの配線抵抗値と、単位配線長当りの配線容
量値と、ファンアウト数毎の仮想配線長と、ファン
アウト数毎の係数Aとが、テーブル値として記述されて
いる。尚、この係数ファイル手段48のファイル中に
は、ファンアウト数毎の仮想配線長に代えて、仮想配線
長を一次式で計算するとしたときの、その一次式の係数
を設定しても良い。
【0090】符号78は、図3の符号76に対応する、
ピン容量値のライブラリィをなすファイル手段であり、
符号49は配線の接続先の各マクロセルのピン容量値C
piを抽出する手段、符号50は手段49で抽出された
ピン容量値Cpiの和Cpを計算する手段である。又、
符号51は図3の手段27に、符号52は図3の抽出手
段28に、符号53は図3の仮想配線容量値計算手段2
9に、符号54は図3の抽出手段30に、符号55は図
3の仮想配線抵抗値計算手段31に、符号56は図3の
手段32に、それぞれ対応している。手段56は、ファ
ンアウト数nに対応する係数Aのデータを選択して決め
るが、係数ファイル内に対応する係数Aのデータがない
場合には、まわりのファンアウト数の係数データを用い
て、当該ファンアウト数nに対応する係数Aのデータを
線形補間法で決定する。
【0091】符号57は、配線の接続先の第i番目の第
2マクロセルのピン容量値Cpiと、ピン容量値の和C
pと、仮想配線容量値Cwと、仮想配線抵抗値Rwと、
係数Aと、ファンアウト数nとを用いて、遅延計算式=
(A/100)Rw(Cw+Cp)+{(100−A)
/100}2(1/n2)Rw・Cw+{(100−A)
/(100n)}Rw・Cpiに基づき、仮想配線遅延
値を電気的に計算する手段を示す。符号58は、計算手
段57により求められた仮想配線遅延値のデータを格納
した出力ファイル手段である。同手段58の代わりに、
メモリ上に仮想配線遅延値のデータを格納してもよい。
【0092】図11は、図10の配線遅延計算装置の動
作を示すフローチャートであり、係数ファイル手段48
にファンアウト数nごとに仮想配線長のデータが設定さ
れる場合の、各配線の仮想遅延値の計算手順を示す。
【0093】計算手順は、はじめに、手段49が、回路
図ファイル手段47のファイル中より、当該配線の接続
先の各マクロセルの種類の情報を与えるデータ等を抽出
し、これらの抽出データに基づき、ピン容量値ファイル
手段78の中から、配線の接続先の各マクロセルのピン
容量値Cpiのデータを抽出する。次に、手段50は、
抽出されたピン容量値Cpiの和算の実行により、ピン
容量値の和Cpを電気的に計算する。
【0094】次に、手段51は、回路図ファイル手段4
7よりファンアウト数nを与えるデータを抽出する。次
に、手段56は、抽出されたファンアウト数nに基づ
き、係数ファイル手段48のファイル中より対応する係
数Aのテーブルデータを選択し、選択した係数Aのテー
ブルデータを係数Aのデータとして抽出する。次に、手
段52は、抽出されたファンアウト数nのデータに基づ
き、係数ファイル手段48の中から仮想配線長のデータ
を抽出する。更に、同手段52は、単位配線長当りの容
量値のデータを抽出する。次に、手段54は、単位配線
長当りの抵抗値のデータを、同様に抽出する。
【0095】次に、手段53は、仮想配線長のデータと
単位配線長当りの容量値のデータの積算により、仮想配
線容量値を計算する。更に、手段55は、仮想配線長の
データと単位配線長当りの抵抗値のデータの積算によ
り、仮想配線抵抗値を電気的に計算する。
【0096】次に、手段57は、配線の接続先の第i番
目のマクロセルのピン容量値Cpiと、ピン容量値の和
Cpと、仮想配線容量値Cwと、仮想配線抵抗値Rw
と、ファンアウト数nと、係数Aとのデータを用いて、
遅延計算式=(A/100)Rw(Cw+Cp)+
{(100−A)/100}2{(1/n2)Rw・Cw
+{(100−A)/(100n)}Rw・Cpiに基
づき、各配線の仮想遅延値を電気的に計算する。即ち、
本実施の形態3では、各分岐線BLi(1≦i≦n)毎
に、上記遅延計算式を用いて仮想配線遅延値Tline
(i)を計算することとなる。従って、実施の形態1,
2よりも計算時間は長くなってしまうが、逆に各配線の
仮想配線遅延値の計算精度はより向上する。
【0097】以上に述べた通り、実施の形態3によれ
ば、各ピン容量値Cpiを平均値とせずに個別に決定し
ているので、実施の形態1,2よりも一層高精度で仮想
配線遅延値を計算することが可能となり、設計すべき回
路の動作がより高速化した場合でも高精度で半導体集積
回路を設計することができる。
【0098】(実施の形態4)実施の形態4は、実施の
形態3に実施の形態2の技術的思想を適用したものであ
る。
【0099】ここでの回路モデルとその遅延計算式は、
実施の形態3と同じである。しかも、ユーザは、予め、
過去の設計データより統計的手法を用いて、どのファン
アウト数にも共通な係数Aを求める。実施の形態3で
は、ファンアウト数nごとに係数Aを選択して仮想配線
遅延値を計算していたが、本装置は、共通な係数A(一
定値)をそのまま用いて、遅延計算式=(A/100)
Rw(Cw+Cp)+{(100−A)/100}
2(1/n2)Rw・Cw+{(100−A)/(100
n)}Rw・Cpiに基づき、仮想配線遅延値を計算す
る。その技術的裏付け(有効性)は、図6に基づいてい
る。
【0100】図12は、上記回路モデルに基づき仮想配
線遅延を計算する遅延計算装置の構成を示す機能ブロッ
ク図である。同図中、符号59は、図10の回路図ファ
イル手段47に対応するものである。符号60は図9の
回路モデルに基づき配線遅延値を計算するために必要な
各種係数テーブルデータを有する係数ファイル手段であ
る。同係数ファイル手段60のファイル中には、単位
配線長当りの配線抵抗値と、単位配線長当りの配線容
量値と、ファンアウト数ごとの仮想配線長と、どの
ファンアウト数にも共通な係数Aとが、テーブルデータ
として記述されている。同様に、この係数ファイル手段
60に対しては、ファンアウト数nごとの仮想配線長の
代わりに、仮想配線長を一次式で計算するための、その
一次式の係数を設定するようにしても良い。符号61,
符号79,符号62,符号63,符号64,符号65,
符号66及び符号67は、それぞれ図10の手段49,
78,50,51,52,53,54,55に相当して
おり、又、手段68は図7の手段44に相当する手段で
ある。
【0101】又、手段69は、ピン容量値の和と、仮想
配線容量値と、仮想配線抵抗値と、係数Aと、ファンア
ウト数とを用いて、遅延計算式=(A/100)Rw
(Cw+Cp)+{(100−A)/100}2(1/
2)Rw・Cw+{(100−A)/(100n)}
Rw・Cpiに基づき、仮想配線遅延値を電気的に計算
する手段である。符号70は、仮想配線遅延値を格納し
た出力ファイルであり、同手段70に代えて、メモリ装
置上に仮想配線遅延値を格納してもよい。
【0102】図13は、図12の装置の動作を示すフロ
ーチャートであり、係数ファイル手段60にファンアウ
ト数毎に仮想配線長が設定される場合の、各配線の仮想
遅延値の計算手順を示す。
【0103】計算手順は、はじめに、手段61が手段5
9より抽出した回路図データに基づき手段79にアクセ
スし、配線の接続先の各マクロセルのピン容量値を抽出
する。次に、手段62は、抽出されたピン容量値Cpi
の和算ΣCpiを実行することにより、ピン容量値の和
Cpを計算する。
【0104】次に、手段63は、手段59よりファンア
ウト数nのデータを抽出する。次に、手段68は、抽出
されたファンアウト数nのデータに基づき、手段60の
ファイル中より、共通な係数Aのデータを抽出する。次
に、手段64は、抽出したファンアウト数nより、係数
ファイル手段60のファイル中から仮想配線長のデータ
を抽出する。次に、同手段64は、単位配線長当りの容
量値のデータをも抽出する。次に、手段66は、同様に
して、単位配線長当りの抵抗値のデータを抽出する。
【0105】次に、手段65は、仮想配線長のデータと
単位配線長当りの容量値のデータの積算より、仮想配線
容量値を電気的に計算する。次に、手段67は、仮想配
線長のデータと単位配線長当りの抵抗値のデータの積算
により、仮想配線抵抗値を電気的に計算する。
【0106】次に、手段69は、配線の接続先の第i番
目のマクロセルのピン容量値Cpiと、ピン容量値の和
Cpと、仮想配線容量値Cwと、仮想配線抵抗値Rw
と、ファンアウト数nと、係数Aとの各データを用い
て、遅延計算式=(A/100)Rw(Cw+Cp)+
{(100−A)/100}2(1/n2)Rw・Cw+
{(100−A)/(100n)}Rw・Cpiに基づ
き、各配線の仮想遅延値を電気的に計算し、計算値を手
段70に出力する。
【0107】以上の通り、本実施の形態4によれば、実
施の形態3の利点を生かしつつ、これに実施の形態2の
利点を加味することができるので、より高精度で、より
高速な仮想配線遅延値の計算を可能とすることができ
る。
【0108】(実施の形態5)上述した各実施の形態1
〜4の配線遅延計算装置を、複数のマクロセルとそれら
の複数の配線とを備えた全体の半導体集積回路(図14
参照)に関して、パス遅延値を計算する機能を有する装
置(パス遅延時間検証装置)における、仮想配線遅延値
を計算する部分に、適用することができる。これによ
り、パス遅延値の計算の際に、精度良く計算した仮想配
線遅延値を用いることができ、パス遅延値の見積り精度
を向上させることができる。
【0109】(まとめ)実施の形態1から4における本
発明の装置は、配線の共通部分と分岐部分との比率を示
す係数Aの値により、従来の技術1の回路モデルと従来
の技術2の回路モデルという、2つの両極端な回路モデ
ルの間に位置する回路モデルを用いることができ、実配
線遅延値に近い仮想配線遅延値を計算することができ
る。
【0110】実施の形態1及び実施の形態3では、ファ
ンアウト数ごとの係数Aのデータを用いることにより、
精度よく仮想配線遅延値を見積もることができる。
【0111】実施の形態2では、実施の形態1の技術的
思想に対して共通な係数Aを用いるという修正を施すこ
とにより、係数Aを選択する手順をなくすことができる
ので、実施の形態1と同様程度の計算精度を維持しつつ
も、実施の形態1よりも速く計算することができる。
【0112】実施の形態4では、実施の形態3の技術的
思想に対して共通な係数Aを用いるという修正を施して
いるので、係数Aを選択する手順がなくなり、実施の形
態3と同程度の計算精度を維持しつつ、実施の形態3よ
りも速く計算することができる。
【0113】実施の形態5では、パス遅延値の計算の際
に上述の仮想配線遅延値計算装置を用いることで、パス
遅延値の精度を向上させることができる。
【0114】
【発明の効果】請求項1ないし請求項6の各発明によれ
ば、実際の回路のマクロセル間配線の構造に従来の回路
モデルよりもより一層近い構造を有する回路モデルを用
いた仮想配線遅延値の計算を、電気的に行うことが可能
となり、計算上の仮想配線遅延値を実際の回路の配線長
の実測配線遅延値に極めて近い値とすることができる。
即ち、本発明では、設計段階における配線遅延の計算精
度を従来の回路モデルを用いて得られる場合よりも飛躍
的に向上させることが可能となり、半導体集積回路の動
作速度の高速化に対しても高精度で設計可能な配線遅延
装置を提供することができる。
【0115】請求項2の発明によれば、回路モデルにお
ける共通部分と分岐部分との比率を決定する第1係数の
データを、過去の設計データから統計的手法により求め
られたものを用いることができ、回路モデルの構造をよ
り現実の回路の配線長に近いものとして実現することが
できる。しかも、第1〜第2抵抗、第1〜第2容量を上
記第1係数と共に仮想配線抵抗値、仮想配線容量値を用
いて定めると共に、上記仮想配線抵抗値と仮想配線容量
値も、単位配線長当りの配線抵抗値、単位配線長当
りの配線容量値、仮想配線長の各データによって定め
ている。これらのデータ〜もまた、製作プロセスや
用いる半導体デバイスにより固定的に定めうるもの、又
は過去の設計データを用いた統計的手法より定めうるも
のである。従って、過去の設計データに基礎付けられ
た、本回路モデルとそれより導かれる遅延計算式とを用
いることが可能となり、確実に計算精度を向上させるこ
とができる。
【0116】請求項3の発明では、上記第1係数のデー
タとして、ファンアウト数毎に統計的手法を用いて決定
したものを用いているので、仮想配線遅延値の計算精度
をより確実に高めることができる。
【0117】請求項4の発明では、請求項3の発明で得
られる計算精度をほぼ維持しつつ計算ステップの簡略化
を図っているので、より高速で仮想配線遅延値を計算す
ることができる。
【0118】請求項5の発明では、回路モデル上の個々
のピン容量値のデータを平均値として算出することとし
ているので、請求項6の発明よりも遅延計算式を単純な
式とすることができるので、その点でより実用的な仮想
配線遅延値の計算技術を提供することができる。
【0119】請求項6の発明によれば、回路モデルにお
いて各々のピン容量値を用いているので、請求項1〜5
の発明よりもより一層に高精度で仮想配線遅延値を計算
することが可能となる。
【0120】請求項7の発明によれば、パス遅延値の計
算の際に高精度で計算した仮想配線遅延値を用いている
ので、パス遅延値の見積り精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1,2に適用される新
規な回路モデルを示す図である。
【図2】 本発明が適用されるシステムの構成を示す図
である。
【図3】 図1に示した回路モデルを用いた、実施の形
態1における遅延計算装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】 図1に示した回路モデルを用いて、ファンア
ウト数ごとの係数Aで、以て仮想配線遅延値を計算する
手順を示す図である。
【図5】 本発明による配線遅延値の計算の有効性を示
す図である。
【図6】 実施の形態2の技術的思想の根拠を示す図で
ある。
【図7】 実施の形態2における遅延計算装置の構成を
示すブロック図である。
【図8】 実施の形態2における仮想配線遅延値を計算
する手順を示す図である。
【図9】 実施の形態3,4で用いられる新規な回路モ
デルを示す図である。
【図10】 実施の形態3における遅延計算装置の構成
を示すブロック図である。
【図11】 実施の形態3における仮想配線遅延値を計
算する手順を示す図である。
【図12】 実施の形態4における遅延計算装置の構成
を示すブロック図である。
【図13】 実施の形態4における仮想配線遅延値を計
算する手順を示す図である。
【図14】 実施の形態5におけるパス遅延検証装置が
適用される半導体集積回路の一例を示す図である。
【図15】 本発明で用いる回路モデルにおける、共通
部分の概念を示す図である。
【図16】 従来の技術1としての回路モデルを示す図
である。
【図17】 図16に示した回路モデルを用いて、仮想
配線遅延を計算する遅延計算装置の構成を示すブロック
図である。
【図18】 図16に示した回路モデルを用いて、仮想
配線遅延値を計算する手順を示す図である。
【図19】 従来の技術2としての回路モデルを示す図
である。
【図20】 図19に示した回路モデルを用いて、仮想
配線遅延を計算する遅延計算装置の構成を示すブロック
図である。
【図21】 図19に示した回路モデルを用いて、仮想
配線遅延値を計算する手順を示す図である。
【符号の説明】
23 回路図ファイル手段、24 係数ファイル手段、
25 ピン容量抽出手段、26,29,31,33 計
算手段、27 ファンアウト数抽出手段、32ファンア
ウト数決定手段及びパス遅延値検証装置。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路の設計に際して、第1マ
    クロセルの出力端からn個(n≧1)の第2マクロセル
    の入力端を配線する配線長における仮想配線遅延値を算
    出する配線遅延計算装置であって、 前記配線長に対して、前記第1マクロセルの前記出力端
    と分岐点との間に接続された第1抵抗及び前記分岐点と
    接地との間に接続された第1容量を有する共通部分と、
    前記分岐点から前記n個の第2マクロセルのそれぞれを
    接続し、且つファンアウト数nに対して均等に分岐する
    ものと設定された分岐配線のそれぞれは、前記分岐点と
    対応する前記第2マクロセルの前記入力端との間に接続
    された第2抵抗、対応する前記第2マクロセルの前記入
    力端と前記接地との間に接続された寄生容量としての第
    2容量及び対応する前記第2マクロセルの前記入力端と
    前記接地との間に接続されたピン容量を有する、前記フ
    ァンアウト数(n)の分岐部分とから構成される回路モ
    デルについての所定のデータを電気的に格納する記憶手
    段と、 前記記憶手段より抽出した前記所定のデータに基づい
    て、前記第1及び第2抵抗と前記第1及び第2容量と前
    記ピン容量との時定数で規定される所定の遅延計算式よ
    り前記仮想配線遅延値を電気的に算出する計算手段と
    を、備える配線遅延計算装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の配線遅延計算装置におい
    て、 前記回路モデルの前記配線長に対して前記共通部分及び
    前記分岐部分が占めるパーセント率はそれぞれ第1係数
    及び(100−第1係数)として定義され、 前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第1容量及び前記第
    2容量の値はそれぞれ(第1係数・仮想配線抵抗値/1
    00)、((100−第1係数)・仮想配線抵抗値/
    (100n))、(第1係数・仮想配線容量値/10
    0)及び((100−第1係数)・仮想配線容量値/
    (100n))として定義されており、 前記記憶手段は、 前記半導体集積回路の設計すべき前記配線長に前記回路
    モデルを適用した際の回路図データを格納する第1記憶
    手段と、 前記第2マクロセルとして利用可能な複数種類の半導体
    デバイスについての前記ピン容量に関するデータをライ
    ブラリィとして格納する第2記憶手段と、 前記第1係数に関する情報を与える第1係数テーブルデ
    ータ、単位配線長当たりの配線抵抗値を与える第2係数
    テーブルデータ、単位配線長当たりの配線容量値を与え
    る第3係数テーブルデータ及び前記ファンアウト数毎に
    仮想配線長を与える第4係数テーブルデータを記憶する
    第3記憶手段とを備え、 前記回路図データは、設計すべき前記配線長に含まれて
    いる前記第2マクロセルの種類情報及びピン情報と、設
    計すべき前記配線長の前記ファンアウト数とに関するデ
    ータを備えており、 前記仮想配線長とは前記共通部分の長さ及び前記分岐部
    分の長さの和に相当しており、 前記第1及び前記第4係数テーブルデータは、共に統計
    的手法により予め決定されているものであり、 前記計算手段は、 前記第1記憶手段より前記第2マクロセルの前記種類情
    報及び前記ピン情報のデータを抽出し、当該抽出データ
    に基づき前記第2記憶手段より前記第2マクロセルのそ
    れぞれの前記ピン容量のデータを抽出する第1抽出手段
    と、 前記第1抽出手段により抽出された前記ピン容量の和の
    データを電気的に計算する第1計算手段と、 前記第1記憶手段より前記ファンアウト数のデータを抽
    出する第2抽出手段と、 前記第2抽出手段により抽出された前記ファンアウト数
    のデータに基づき前記第3記憶手段より対応する前記第
    1、前記第2、前記第3及び前記第4係数テーブルデー
    タを抽出して前記第2、前記第3及び前記第4係数テー
    ブルデータをそれぞれ第2、第3及び第4係数データに
    決定し、前記第2係数データと前記第4係数データとの
    積算処理及び前記第3係数データと前記第4係数データ
    との積算処理に基づき前記仮想配線抵抗値のデータ及び
    前記仮想配線容量値のデータをそれぞれ電気的に計算す
    ると共に、前記第1係数テーブルデータに基づいて、設
    計すべき前記配線長に於ける前記第1係数を与える第1
    係数データを決定する第2計算手段と、 前記第1及び第2計算手段の出力信号に基づき、前記第
    1係数データ、前記仮想配線抵抗値のデータ、前記仮想
    配線容量値のデータ、前記ピン容量の和のデータ及び前
    記ファンアウト数のデータに基づき規定される前記所定
    の遅延計算式より、前記仮想配線遅延値を電気的に算出
    する第3計算手段とを、備える配線遅延計算装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の配線遅延計算装置におい
    て、 前記第1係数テーブルデータは、予め統計的手法により
    前記ファンアウト数毎に決定されており、 前記第2計算手段は、 前記ファンアウト数のデータに基づき当該ファンアウト
    数に対応した前記第1係数テーブルデータがあるか否か
    を選択し、該当する前記第1係数テーブルデータがある
    場合には当該第1係数テーブルデータを計算に必要な前
    記第1係数のデータとして決定する一方、該当する前記
    第1係数テーブルデータがない場合には線形補間法によ
    り必要な前記第1係数のデータを決定する第1係数決定
    手段を備える、配線遅延計算装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の配線遅延計算装置におい
    て、 前記第1係数テーブルデータは、予め統計的手法により
    決定された、全ての前記ファンアウト数に共通な一定値
    のデータのみからなり、 前記第2計算手段は、 前記ファンアウト数のデータに基づき前記第1係数テー
    ブルデータを選択して、当該第1係数テーブルデータを
    計算に必要な前記第1係数のデータとして決定する第1
    係数決定手段を備える、配線遅延計算装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4の何れかに記載の
    配線遅延計算装置において、 前記回路モデルにおいて、それぞれの前記第2マクロセ
    ルの前記ピン容量の値は(前記ピン容量の和のデータ)
    /(前記ファンアウト数のデータ)で与えられるものと
    設定されており、 前記第3計算手段は、 前記第1及び第2計算手段の出力信号に基づき、前記第
    1係数データ、前記仮想配線抵抗値のデータ、前記仮想
    配線容量値のデータ、(前記ピン容量の和のデータ/
    (前記ファンアウト数のデータ)、及び前記ファンアウ
    ト数のデータによって規定される前記所定の遅延計算式
    より、前記仮想配線遅延値を電気的に算出する仮想配線
    遅延値計算手段を、備える配線遅延計算装置。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至請求項4の何れかに記載の
    配線遅延計算装置において、 前記回路モデルにおいて、それぞれの前記第2マクロセ
    ルの前記ピン容量の値は前記第1抽出手段により抽出さ
    れた対応する前記ピン容量のデータで与えられるものと
    設定されており、 前記第3計算手段は、 前記第1及び第2計算手段の出力信号と前記第1抽出手
    段により抽出されたそれぞれの前記ピン容量のデータの
    出力信号とに基づき、前記第1係数データ、前記仮想配
    線抵抗値のデータ、前記仮想配線容量値のデータ、前記
    ピン容量の和のデータ、前記ファンアウト数のデータ及
    びそれぞれの前記ピン容量のデータに基づき規定される
    前記所定の遅延計算式より、前記仮想配線遅延値を電気
    的に算出する仮想配線遅延値計算手段を、備える配線遅
    延計算装置。
  7. 【請求項7】 半導体集積回路の設計時に前記半導体集
    積回路のパス遅延値を計算するための機能を備えたパス
    遅延値検証装置であって、 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の前記配線遅延計
    算装置を利用して前記半導体集積回路内の個々の配線長
    の仮想配線遅延値を電気的に計算することを特徴とす
    る、パス遅延値検証装置。
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