JPH1064712A - R−Fe−B系希土類焼結磁石 - Google Patents

R−Fe−B系希土類焼結磁石

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JPH1064712A
JPH1064712A JP9193803A JP19380397A JPH1064712A JP H1064712 A JPH1064712 A JP H1064712A JP 9193803 A JP9193803 A JP 9193803A JP 19380397 A JP19380397 A JP 19380397A JP H1064712 A JPH1064712 A JP H1064712A
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magnet
sintered
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sintered magnet
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Akira Kikuchi
亮 菊地
Kimio Uchida
公穂 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉および成形体の酸化や水分の吸着を防止
して焼結体の酸素量を低減するとともに磁気特性を劣化
させる焼結体の炭素量を低減することでR−Fe−B系
希土類焼結磁石に占める磁石特性に寄与しない非磁性化
合物の体積比率を非常に少なく抑え、同時に焼結体密度
を実質的にR−Fe−B系磁石の理論密度に略相当する
非常に高い密度域に緻密化することにより、従来に比べ
て大幅に高い磁気特性を有したR−Fe−B系希土類焼
結磁石を提供する。 【解決手段】 R−Fe−B系(RはYを含む希土類元
素のうち一種または二種以上)希土類焼結磁石であっ
て、含有酸素量が3000ppm以下、含有炭素量が
0.1wt%以下であるとともに焼結体密度が7.58
g/cm3以上に高密度化されたことを特徴とするR−
Fe−B系希土類焼結磁石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石特性に寄与し
ない非磁性化合物を形成する不可避不純物の酸素、炭素
の含有量を極力低減して主相比率を高めると同時に高密
度化を実現して従来よりも高い磁気特性を得られるよう
にしたR−Fe−B系希土類焼結磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類焼結磁石は、原料金属を溶解し、
鋳型に注湯して得られたインゴットを粉砕、成形、焼
結、熱処理、加工の粉末冶金技術を用いて製造される
が、その中でR−Fe−B系希土類焼結磁石(RはYを
含む希土類元素のうち一種または二種以上)は、高性能
磁石として注目されている。しかし、インゴットを粉砕
して得られた希土類焼結磁石用合金粉末は、化学的に非
常に活性であるため、大気中において極めて急激に酸化
し、磁気特性の劣化を招いてしまう。また、希土類焼結
磁石用合金粉末は、急激な酸化により発熱するだけでな
く甚だしい場合は、発火してしまうため安全性の面でも
問題があった。従来は、このような急激な酸化を防止す
る方法として、窒素、アルゴン等の不活性ガス中に長時
間放置し表面を安定化する処理が行われていたが、処理
に長時間を要するため量産性に問題があった。更に、希
土類焼結磁石用合金粉末は吸湿性があり、大気中に放置
すると大気中の水分を吸着し、製造された希土類焼結磁
石の特性を劣化させるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この問題に関し特開昭
61-114505号では、R−Fe−B系(RはYを
含む希土類元素のうち一種または二種以上)合金粉末と
有機溶媒との混合物を作成しこの混合物を磁場中にて圧
縮し有機溶媒をろ過して得た成形体を乾燥、焼結および
熱処理する永久磁石の製造方法が提案されている。この
製造方法によれば、湿式で成形するため酸化、水分の吸
着の問題が解決される。近年R−Fe−B系永久磁石で
より高い磁気特性を得るための検討が盛んに行われてお
り、本発明者も特開昭61-114505号の湿式成形
法を用いて検討を行った。その結果、確かに含有酸素量
の低下はなされるものの、トルエン、アルコールといっ
た有機溶媒を用いると1週間程度の比較的短時間の内に
溶媒に浸漬した微粉あるいは成形体の酸素量が増加し得
られる焼結体の磁気特性が劣化し易いという問題点があ
ることが判明した。そこで、本発明の課題は、微粉およ
び成形体の酸化や水分の吸着を防止して焼結体の酸素量
を低減するとともに磁気特性を劣化させる焼結体の炭素
量を低減することでR−Fe−B系希土類焼結磁石に占
める磁石特性に寄与しない非磁性化合物の体積比率を非
常に少なく抑え、同時に焼結体密度を実質的にR−Fe
−B系磁石の理論密度に略相当する非常に高い密度域に
緻密化することにより、従来に比べて大幅に高い磁気特
性を有したR−Fe−B系希土類焼結磁石を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは特開昭61
-114505号の湿式成形法における微粉および成形
体の保存性が低い原因について種々検討を行ったとこ
ろ、以下のことが判明した。即ち、アルコール、アセト
ン等の親水性有機溶媒は、ある程度の水分を含んでお
り、この水分と微粉および成形体中の希土類元素が反応
し水酸化物を生成する。これが焼結時に酸化物となり希
土類焼結磁石の特性を劣化させる原因となる。また、ト
ルエン、ヘキサン等の疎水性有機溶媒は酸素の溶解度が
高く、これらの有機溶媒中の溶存酸素が微粉および成形
体中の希土類元素と反応し酸化物を生成させ、希土類焼
結磁石の特性を劣化させる。これらの問題を解消するた
めには、疎水性の液体であることと酸素の溶解度が小さ
いことが必要となる。本発明者らは、種々の物質につい
て検討した結果、これらの条件を満足するものとして、
鉱物油または合成油が適しており、これら鉱物油および
/または合成油を用いた場合に上記課題を解決できるこ
とを知見するに至った。さらに、本発明者らは酸素量お
よび炭素量を低減することで磁石特性に寄与しない非磁
性化合物の体積比率が非常に少なく抑えられておりかつ
R−Fe−B系希土類磁石の理論密度に略相当する焼結
体密度域に緻密化されている健全な焼結体組織を有した
R−Fe−B系希土類焼結磁石が得られること、すなわ
ち含有酸素量が3000ppm以下でかつ含有炭素量が
0.1wt%以下であり、かつ焼結体密度が7.58g
/cm3以上である場合に従来に比べて格段に高い磁気
特性を有したR−Fe−B系希土類焼結磁石が得られる
ことを見出した。すなわち本発明は、R−Fe−B系
(RはYを含む希土類元素のうち一種または二種以上)
希土類焼結磁石であって、含有酸素量が3000ppm
以下、含有炭素量が0.1wt%以下であるとともに焼
結体密度が7.58g/cm3以上に高密度化されたことを
特徴とするR−Fe−B系希土類焼結磁石である。本発
明磁石は磁石特性に寄与しない非磁性化合物の体積比率
を非常に少なく抑えており、同時にR−Fe−B系磁石
の略理論密度相当の焼結体密度を具有しているので従来
に比べて格段に高い磁気特性のR−Fe−B系希土類焼
結磁石を提供することができる。また、本発明は、成形
工程においてR−Fe−B系(RはYを含む希土類元素
のうち一種または二種以上)希土類焼結磁石用原料を配
向磁場の方向が圧縮方向に対して垂直である成形用金型
のキャビティに充填し磁気異方性が付与されてなるR−
Fe−B系希土類焼結磁石であって、含有酸素量が30
00ppm以下、含有炭素量が0.1wt%以下である
とともに焼結体密度が7.58g/cm3以上に高密度化さ
れており、最大エネルギー積を40MGOe以上とした
ことを特徴とするR−Fe−B系希土類焼結磁石であ
る。本発明によれば、いわゆる横磁場成形による40M
GOe以上のR−Fe−B系希土類焼結磁石を安定に提
供可能である。また、本発明は、成形工程においてR−
Fe−B系(RはYを含む希土類元素のうち一種または
二種以上)希土類焼結磁石用原料体を配向磁場の方向が
圧縮方向に対して平行である成形用金型のキャビティに
充填し磁気異方性が付与されてなるR−Fe−B系希土
類焼結磁石であって、含有酸素量が3000ppm以
下、含有炭素量が0.1wt%以下であるとともに焼結
体密度が7.58g/cm3以上に高密度化されており、最
大エネルギー積を40MGOe以上としたことを特徴と
するR−Fe−B系希土類焼結磁石である。本発明によ
れば、いわゆる縦磁場成形による40MGOe以上のR
−Fe−B系希土類焼結磁石を安定に提供可能である。
【0005】以下に、本発明を詳述する。本発明におけ
る希土類焼結磁石用合金はR−Fe−B系であればよい
が、望ましくはR−Fe(Co)−B−M系が良く、R
はYを含む希土類元素のうち一種または二種以上を25
〜35重量%、Bは0.8〜1.2重量%、MはAl、
Nb、Ti、V、Zr、Mo、W、Ga、Cu、Zn、
Ge、Snのうち一種または二種以上を5重量%以下、
残部が不可避的な混入物をのぞきFeまたはFeとCo
からなる。合金系として、Nd−Fe−B−Al−N
b、Nd−Fe−Co−B−Al−Nb、Nd−Fe−
B−Al−Ga、Nd−Fe−Co−B−Al−Ga、
Nd−Dy−Fe−B−Al−Nb、Nd−Dy−Fe
−Co−B−Al−Nb、Nd−Dy−Fe−B−Al
−Ga、Nd−Fe−Dy−Co−B−Al−Ga等が
例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0006】本発明磁石を製作する好適な手段は本発明
磁石用の原料微粉末を鉱物油または合成油に浸漬させて
酸化を防止する方法である。ジェットミル等による乾式
粉砕の場合は、ジェットミルの微粉の排出口に鉱物油ま
たは合成油を満たした容器を設置し、微粉を大気に触れ
させずに不活性または還元性雰囲気中で鉱物油または合
成油中に直接回収し、スラりー状の混合物とすることが
望ましい。微粉の表面は鉱物油または合成油によって大
気から遮断され、酸化が防止される。なお、鉱物油と合
成油との混合油を用いてもよいことは言うまでもない。
【0007】このようにして得られた微粉末と鉱物油ま
たは合成油との混合物を湿式成形するのに好適なプレス
装置の1例を図1に示す。図1に示すプレス装置を用い
た湿式成形の例を以下説明する。断続できる配向磁場中
に配置された金型1のキャビティ内に微粉末と鉱物油ま
たは合成油の混合物を充填し配向磁場を印加することに
より微粉末を配向させ、上パンチ5を下降させ圧力をか
けると鉱物油または合成油は、下パンチ2上に置かれた
フィルター4を通し下パンチ2に設けられた溶媒排出用
穴3を通し排出され粉末が圧縮、成形される。微粉末と
鉱物油または合成油の混合物を圧縮している間は配向磁
場を印加してもしなくても構わないが、粉末の配向を維
持するためおよび金型1と上・下パンチ5、2のクリア
ランスから鉱物油または合成油とともに微粉末が吹き出
すのを防止するためには圧縮が完了するまで配向磁場を
印加した状態を維持することが望ましい。図1は配向磁
場の方向が圧縮方向に対し垂直の場合を示しているが、
圧縮方向に平行になるように配向磁場の発生機構、つま
り配向磁場用コイル6およびポールピース7を設けても
構わない。また配向磁場の発生方法もこれらに限られる
ものではない。また、微粉末と鉱物油または合成油の混
合物の金型1のキャビティ内への充填を加圧しつつ行う
ことが望ましい。これは、加圧充填を行った方が残留磁
束密度(Br)、最大エネルギ−積((BH)max)
が高い値となるからである。特に、図1の配向磁場の方
向が、圧縮方向に対し垂直な場合(いわゆる横磁場成形
の場合)は勿論のこと、圧縮方向に対し平行な場合(い
わゆる縦磁場成形の場合)においても加圧充填を行うこ
とで(BH)max≧40MGOeのものを安定に得る
ことができる。すなわち、加圧充填によってR−Fe−
B系希土類焼結磁石により良好な磁気異方性が付与され
るのである。
【0008】得られた成形体は、大気中に放置すると鉱
物油または合成油が気化するのに伴い表面から乾燥し鉱
物油または合成油で濡れていない部分が生じ徐々に酸化
され焼結により得られる希土類焼結磁石の特性を劣化さ
せる。これを防止するため、成形体は成形直後に鉱物油
または合成油もしくは非酸化性または還元性雰囲気のガ
ス中で焼結炉に挿入するまで保存することが望ましい。
【0009】次に成形体を焼結するが、常温から焼結温
度である950〜1150℃まで急激に昇温すると成形
体内温度が急激に上昇し、成形体中に残留した鉱物油ま
たは合成油と成形体内の希土類元素が反応することによ
り希土類炭化物を生成し、焼結に十分な量の液相の発生
が妨げられ十分な密度の焼結体が得られず磁気特性の劣
化を招くおそれがある。これを防止するためには、温度
100〜500℃、圧力10-1Torr以下の条件下で
30分以上保持する脱鉱物油または脱合成油処理を施す
ことが望ましい。この処理により成形体中に残留した鉱
物油または合成油を十分に除去することができる。な
お、保持は100〜500℃の温度範囲であれば一点で
ある必要はなく二点以上であってもよい。また10-1T
orr以下の圧力下で室温から500℃までの昇温速度
を10℃/min以下、好ましくは5℃/min以下とする脱
鉱物油または脱合成油処理を施すことによっても、温度
100〜500℃、圧力10-1Torr以下の条件下で
30分以上保持する処理と同様な効果を得ることができ
る。以上の処理によって鉱物油あるいは合成油を除去さ
れた成形体は、表面が非常に活性になっているため、こ
れを大気に触れさせずに焼結炉に入炉し、焼結する。本
発明では、以上に説明したように、鉱物油あるいは合成
油によって、微粉砕以降の工程での微粉や成形体の酸化
を防止することができる。また、先に示した脱鉱物油、
脱合成油処理を行うことで、成形体中の鉱物油や合成油
を除去することができる。このため、焼結過程で生成す
る希土類の酸化物や炭化物の量は少なく、前者は焼結体
の酸素量換算で3000ppm以下、後者は焼結体の炭
素量換算で0.1wt%以下とすることができる。焼結
時の生成酸化物や炭化物は、それ自体非磁性介在物とし
て磁気的に有害であり、焼結時の結晶の粒成長を妨げる
とともに焼結体密度を低下させる。酸化物や炭化物の生
成量が非常に少なく抑えられた本発明磁石の焼結体では
緻密化が容易に促進され、7.58g/cm3以上とい
う極めて高い密度が得られる。
【0010】鉱物油または合成油としては、分留点が3
50℃以下、動粘度が成形性の点から室温において10
cSt以下、さらに好ましくは5cSt以下が良い。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって具体的に説明
するが、本発明の内容は、これらに限定されるものでは
ない。 (実施例1)希土類焼結磁石用の出発原料として、電解
鉄、フェロボロン、Ndを所定量秤量し、高周波溶解炉
にて溶解、鋳造することにより、重量%でNd=31.
0%、B=1.0%、Al=0.3%、残部Feなるイ
ンゴットを製造した。このインゴットを粗粉砕し、次い
でジェットミルを用い雰囲気の酸素量が10ppmの窒素
中で微粉砕した。微粉末の平均粒経は4.1μmであっ
た。粉砕して得られた微粉末を窒素雰囲気で分留点が2
00〜300℃、室温での動粘度が2cStの鉱物油
(出光興産製、商品名:MC OIL P−02)に浸
漬した。これを配向磁場の方向が圧縮方向に対して垂直
であるいわゆる横磁場型の図1に示すプレス装置を用い
て湿式成形を行った。すなわち、鉱物油に浸漬された微
粉末を金型1のキャビティ内に充填し、配向磁場用コイ
ル6に電流を流し配向磁場強度15kOeで鉱物油中の微
粉末を配向させ、その状態のまま上パンチ5により加圧
した。加圧された鉱物油の大部分はフィルター4を通し
下パンチ2に設けられた溶媒排出用穴3を通し排出され
た。その後配向磁場電流を切り、成形体を取り出してこ
れを直ちに鉱物油に浸漬させた。得られた成形体を鉱物
油から取り出し焼結炉に挿入し圧力5×10-2Torrで室
温から150℃まで1.56℃/minで昇温し、その温度
で1時間保持の後500℃まで1.5℃/minで昇温、成
形体中の鉱物油を除去し、圧力5×10-4Torrで500
から1100℃まで20℃/minで昇温、2時間保持しそ
の後炉冷した。得られた焼結体を900℃で1時間、6
00℃で1時間熱処理した後、焼結体の酸素量、炭素
量、磁気特性、焼結体密度を測定したところ表1に示す
ように十分な特性(焼結体酸素量=1890ppm、炭素
量=0.03wt%、Br=13.5kG、iHc=11.
3kOe、(BH)max=41.5MGOe、 ρs=7.5
9g/cm3)が得られた。 (実施例3)希土類焼結磁石用の出発原料として、電解
鉄、フェロボロン、Ndを所定量秤量し、高周波溶解炉
にて溶解、鋳造することにより、重量%でNd=29
%、B=1.0%、Al=0.3%、残部Feなるイン
ゴットを製造した。このインゴットを実施例1と同様の
工程により熱処理した焼結体とし、焼結体の酸素量、炭
素量、磁気特性、焼結体密度を測定したところ表1に示
すように十分な特性が得られた。 (実施例5)実施例1で得られた成形体を実施例1と同
じ鉱物油中に1ヶ月保存し、実施例1と同様の工程によ
り熱処理した焼結体とし、焼結体の酸素量、炭素量、磁
気特性、焼結体密度を測定したところ表1に示すように
十分な特性が得られた。 (実施例6)実施例3で得られた成形体を実施例3と同
じ鉱物油中に1週間および1ヶ月保存し、実施例3と同
様の工程により熱処理した焼結体とし、焼結体の酸素
量、炭素量、磁気特性、焼結体密度を測定したところ表
1に示すように十分な特性が得られた。
【0012】(比較例1)実施例1と同じインゴットを
実施例1と同様の粉砕を行い、鉱物油中に回収せず大気
中に開放したところ、即座に発火し微粉の回収を行うこ
とはできなかった。 (比較例2)実施例1と同じインゴットを実施例1と同
様の粉砕を行い、窒素ガス中で気密容器に回収し、48
時間大気圧の窒素ガス中で安定化処理をした微粉末を大
気中、配向磁場強度15kOe、成形圧1ton/cm2で成形
し、得られた成形体を5×10-4Torrで室温から110
0℃まで20℃/minで昇温、2時間保持後炉冷した。得
られた焼結体を900℃で1時間、600℃で1時間熱
処理した後、焼結体の酸素量、炭素量、磁気特性、焼結
体密度を測定したところ表1に示すように、実施例より
酸素量が高く、磁気特性、焼結体密度も実施例より低い
結果となった。 (比較例3)実施例1と同じインゴットを実施例1と同
様の粉砕を行い、窒素ガス中で気密容器に回収し、48
時間大気圧の窒素ガス中で安定化処理をした微粉末を大
気中、配向磁場強度15kOe、成形圧1ton/cm2で成形
し、得られた成形体を圧力5×10-4Torrで室温から1
100℃まで20℃/minで昇温、2時間保持後炉冷し
た。得られた焼結体を900℃で1時間、600℃で1
時間熱処理した後、焼結体の酸素量、炭素量、磁気特
性、焼結体密度を測定したところ表1に示すように、実
施例より酸素量が高く、焼結体密度、磁気特性も実施例
より低い結果となった。 (比較例4)実施例1と同じインゴットを実施例1と同
様に粉砕、n−ヘキサン中への回収、湿式成形を行い、
得られた成形体を圧力5×10-4Torrで室温から110
0℃まで20℃/minで昇温、2時間保持後炉冷した。得
られた焼結体を900℃で1時間、600℃で1時間熱
処理した後、焼結体の酸素量、炭素量、磁気特性、焼結
体密度を測定したところ表1に示すように、酸素量は実
施例よりやや高い程度であるが炭素量が高く焼結体密度
が小さくなっており、磁気特性も実施例より低い結果と
なった。 (比較例5)実施例1と同じインゴットを実施例1と同
様に粉砕し、n−ヘキサン中に回収、湿式成形を行い、
n−ヘキサン中に1週間および1ヶ月保存した後、実施
例1と同様の工程で熱処理した焼結体とした。得られた
焼結体の酸素量、炭素量、磁気特性、焼結体密度を測定
したところ炭素量、焼結体密度は実施例1と同等である
が、酸素量が実施例1に比べ高く、磁気特性も実施例1
より低い結果となった。
【0013】
【表1】
【0014】(実施例7)希土類焼結磁石用の出発原料
として、電解鉄、フェロボロン、Ndを所定量秤量し、
高周波溶解炉にて溶解、鋳造することにより、重量%で
Nd=31%、B=1.0%、Al=0.3%、残部F
eなるインゴットを製造した。このインゴットを粗粉砕
し、次いでジェットミルを用い雰囲気の酸素量が10pp
mの窒素中で微粉砕した。微粉末の平均粒経は4.0μ
mであった。粉砕して得られた微粉末を窒素雰囲気で分
留点が200〜300℃、室温での動粘度が2cStの
合成油(出光興産製,商品名ダフニクリーナーH)に浸
漬した。これを実施例1と同一の条件で成形、焼結、熱
処理を行い、焼結体の酸素量、炭素量、磁気特性、焼結
体密度を測定したところ表2に示すように十分な特性が
得られた。
【0015】(実施例8)希土類焼結磁石用の出発原料
として、電解鉄、フェロボロン、Ndを所定量秤量し、
高周波溶解炉にて溶解、鋳造することにより、重量%で
Nd=31.0%、B=1.0%、Al=0.3%、残
部Feなるインゴットを製造した。このインゴットを粗
粉砕し、次いでジェットミルを用い雰囲気の酸素量が1
0ppmの窒素中で微粉砕した。微粉末の平均粒経は4.
2μmであった。粉砕して得られた微粉末を窒素雰囲気
で分留点が200〜300℃、室温での動粘度が2.0
cStの鉱物油(出光興産製,商品名:MC OIL
P−02)に浸漬した。次いで、図1に示すのと同じ構
造の上・下パンチを有するが、配向磁場の方向が圧縮方
向に平行になるように配向磁場用コイルとポールピース
を設けたいわゆる縦磁場型のプレス装置を用いキャビテ
ィー内に上記浸漬原料を注入して成形した。具体的に
は、原料注入口を有するダイスを用い、10kOeの磁
場を印加したキャビティに注入口を経由して10kgf
/cm2の圧力で浸漬原料を加圧注入した。注入後、印
加磁場を維持したまま1ton/cm2の加圧力で成形
し、成形体を得た。得られた成形体は以後実施例1と同
一の条件で焼結、熱処理を行い、焼結体の酸素量、炭素
量、磁気特性、焼結体密度を測定したところ表2に示す
ように十分な特性が得られた。
【0016】(実施例9)希土類焼結磁石用の出発原料
として、電解鉄、フェロボロン、フェロニオブ、Nd、
Dyを所定量秤量し、高周波溶解炉にて溶解、鋳造する
ことにより、重量%でNd=29.0%、Dy=2.0
%、B=1.0%、Al=0.3%、Nb=0.3%、
残部Feなるインゴットを製造した。このインゴットを
粗粉砕し、次いでジェットミルを用い雰囲気の酸素量が
10ppmの窒素中で微粉砕した。微粉末の平均粒経は
4.0μmであった。粉砕して得られた微粉末を窒素雰
囲気で分留点が200〜300℃、室温での動粘度が
2.0cStの鉱物油(出光興産製,商品名:MC O
IL P−02)に浸漬した。次いで実施例8と同一の
条件で成形し、さらに同一の条件で焼結、熱処理を行い
焼結体の酸素量、炭素量、磁気特性、焼結体密度を測定
したところ表2に示すように十分な特性が得られた。
【0017】(実施例10)希土類焼結磁石用の出発原
料として、電解鉄、Co、Ga、フェロボロン、フェロ
ニオブ、Nd、Pr、Dyを所定量秤量し、高周波溶解
炉にて溶解、鋳造することにより、重量%でNd=3
0.0%、Pr=0.5%、Dy=1.0%、B=1.
0%、Al=0.3%、Nb=0.3%、Co=2.0
%、Ga=0.1%、残部Feなるインゴットを製造し
た。このインゴットを粗粉砕し、次いでジェットミルを
用い雰囲気の酸素量が10ppmの窒素中で微粉砕した。
微粉末の平均粒経は4.1μmであった。粉砕して得ら
れた微粉末を窒素雰囲気で分留点が200〜300℃、
室温での動粘度が2.0cStの鉱物油(出光興産製,
商品名:MC OIL P−02)に浸漬した。次いで
実施例8と同一の条件で成形し、さらに同一の条件で焼
結、熱処理を行い焼結体の酸素量、炭素量、磁気特性、
焼結体密度を測定したところ表2に示すように十分な特
性が得られた。
【0018】(実施例11)希土類焼結磁石用の出発原
料として、電解鉄、フェロボロン、フェロニオブ、N
d、Dyを所定量秤量し、高周波溶解炉にて溶解、鋳造
することにより、重量%でNd=29.0%、Dy=
2.0%、B=1.0%、Al=0.3%、Nb=0.
3%、残部Feなるインゴットを製造した。このインゴ
ットを粗粉砕し、次いでジェットミルを用い雰囲気の酸
素量が10ppmの窒素中で微粉砕した。微粉末の平均粒
経は3.8μmであった。粉砕して得られた微粉末を窒
素雰囲気で分留点が200〜300℃、室温での動粘度
が2.5cStの合成油(出光興産製,商品名:ダフニ
クリーナーH)に浸漬した。次いで実施例8と同一の条
件で成形し、さらに同一の条件で焼結、熱処理を行い焼
結体の酸素量、炭素量、磁気特性、焼結体密度を測定し
たところ表2に示すように十分な特性が得られた。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のR−Fe
−B系希土類焼結磁石は特長ある下記の優れた効果を有
しており、各種磁石応用製品の高性能化等に多大に貢献
し得る極めて有用なものである。 (1)微粉および成形体の酸化や水分の吸着を防止して
焼結体の酸素量を低減するとともに磁気特性を劣化させ
る焼結体の炭素量を低減することでR−Fe−B系希土
類焼結磁石に占める磁石特性に寄与しない非磁性化合物
の体積比率を非常に少なく抑え、同時に焼結体密度を実
質的にR−Fe−B系磁石の理論密度に略相当する7.
58g/cm3以上の高密度域に緻密化することによ
り、従来に比べて大幅に高い磁気特性を有したR−Fe
−B系希土類焼結磁石を提供することを可能とした。 (2)成形手段として横磁場成形のみを用い、微粉およ
び成形体の酸化や水分の吸着を防止して焼結体の酸素量
を低減するとともに磁気特性を劣化させる焼結体の炭素
量を低減することでR−Fe−B系希土類焼結磁石に占
める磁石特性に寄与しない非磁性化合物の体積比率を非
常に少なく抑え、同時に焼結体密度を実質的にR−Fe
−B系磁石の理論密度に略相当する7.58g/cm3
以上の高密度域に緻密化することにより、40MGOe
以上の高い磁気特性を有したR−Fe−B系希土類焼結
磁石を提供することを可能とした。 (3)成形手段として縦磁場成形のみを用い、微粉およ
び成形体の酸化や水分の吸着を防止して焼結体の酸素量
を低減するとともに磁気特性を劣化させる焼結体の炭素
量を低減することでR−Fe−B系希土類焼結磁石に占
める磁石特性に寄与しない非磁性化合物の体積比率を非
常に少なく抑え、同時に焼結体密度を実質的にR−Fe
−B系磁石の理論密度に略相当する7.58g/cm3
以上の高密度域に緻密化することにより、40MGOe
以上の高い磁気特性を有したR−Fe−B系希土類焼結
磁石を提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造
に好適なプレス装置の1例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 金型、2 下パンチ、3 溶媒排出用穴、4 フィ
ルター、5 上パンチ、6 配向磁場用コイル、7 ポ
ールピース。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系(RはYを含む希土類元
    素のうち一種または二種以上)希土類焼結磁石であっ
    て、含有酸素量が3000ppm以下、含有炭素量が
    0.1wt%以下であるとともに焼結体密度が7.58
    g/cm3以上に高密度化されたことを特徴とするR−
    Fe−B系希土類焼結磁石。
  2. 【請求項2】 成形工程においてR−Fe−B系(Rは
    Yを含む希土類元素のうち一種または二種以上)希土類
    焼結磁石用原料を配向磁場の方向が圧縮方向に対して垂
    直である成形用金型のキャビティに充填し磁気異方性が
    付与されてなるR−Fe−B系希土類焼結磁石であっ
    て、含有酸素量が3000ppm以下、含有炭素量が
    0.1wt%以下であるとともに焼結体密度が7.58
    g/cm3以上に高密度化されており、最大エネルギー
    積を40MGOe以上としたことを特徴とするR−Fe
    −B系希土類焼結磁石。
  3. 【請求項3】 成形工程においてR−Fe−B系(Rは
    Yを含む希土類元素のうち一種または二種以上)希土類
    焼結磁石用原料を配向磁場の方向が圧縮方向に対して平
    行である成形用金型のキャビティに充填し磁気異方性が
    付与されてなるR−Fe−B系希土類焼結磁石であっ
    て、含有酸素量が3000ppm以下、含有炭素量が
    0.1wt%以下であるとともに焼結体密度が7.58
    g/cm3以上に高密度化されており、最大エネルギー
    積を40MGOe以上としたことを特徴とするR−Fe
    −B系希土類焼結磁石。
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