JPH1064840A - n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製造方法 - Google Patents
n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製造方法Info
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- JPH1064840A JPH1064840A JP24138196A JP24138196A JPH1064840A JP H1064840 A JPH1064840 A JP H1064840A JP 24138196 A JP24138196 A JP 24138196A JP 24138196 A JP24138196 A JP 24138196A JP H1064840 A JPH1064840 A JP H1064840A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イオン注入法で炭化珪素にn 型不純物層を形成
する場合において、シート抵抗の低いn型不純物層を得
る。 【解決手段】n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製
造方法であって、炭化珪素半導体層にシリコンが格子位
置を占有することが可能であり、イオン注入によって格
子欠陥が生じ難い高温でシリコンイオン20を注入する
工程と、このシリコンイオンを注入した炭化珪素半導体
層を不活性雰囲気中で前記シリコンイオンの注入によっ
て生じた格子欠陥を減少させるための熱処理する工程
と、前記シリコンイオンにほぼ相当する量の窒素イオン
30をイオン注入によって格子欠陥が生じ難い高温でイ
オン注入を行う工程とを有する。
する場合において、シート抵抗の低いn型不純物層を得
る。 【解決手段】n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製
造方法であって、炭化珪素半導体層にシリコンが格子位
置を占有することが可能であり、イオン注入によって格
子欠陥が生じ難い高温でシリコンイオン20を注入する
工程と、このシリコンイオンを注入した炭化珪素半導体
層を不活性雰囲気中で前記シリコンイオンの注入によっ
て生じた格子欠陥を減少させるための熱処理する工程
と、前記シリコンイオンにほぼ相当する量の窒素イオン
30をイオン注入によって格子欠陥が生じ難い高温でイ
オン注入を行う工程とを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化珪素を用いたパ
ワートランジスタ等の大電力用集積回路における、電気
抵抗の小さなn型不純物層を有する炭化珪素半導体の製
造方法に関する。
ワートランジスタ等の大電力用集積回路における、電気
抵抗の小さなn型不純物層を有する炭化珪素半導体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】シリコンは集積回路用半導体材料として広
く用いられており、実用化されているパワートランジス
タ等の大電力用集積回路もシリコンで作られている。一
般に、トランジスタの耐電圧 Vbの理論値と動作速度や
素子の発熱量に関連するオン抵抗Ron の理論値は一定の
関係があり、その関係はトランジスタの作られている半
導体の種類によって決まっている。図3にシリコン、炭
化珪素(炭化珪素の代表的な6H-SiC、および4H-SiCにつ
いて示した)で作られたトランジスタの理論的に計算さ
れる耐電圧とオン抵抗の関係を示したものである。同じ
オン抵抗、したがって同じ動作速度のトランジスタを作
る場合、シリコンを用いた場合、理論的に低い耐電圧の
トランジスタしか作ることができない。このことは、大
電力用の用途を考えると、シリコンでは耐電圧の点で不
十分であることもありうることを示している。
く用いられており、実用化されているパワートランジス
タ等の大電力用集積回路もシリコンで作られている。一
般に、トランジスタの耐電圧 Vbの理論値と動作速度や
素子の発熱量に関連するオン抵抗Ron の理論値は一定の
関係があり、その関係はトランジスタの作られている半
導体の種類によって決まっている。図3にシリコン、炭
化珪素(炭化珪素の代表的な6H-SiC、および4H-SiCにつ
いて示した)で作られたトランジスタの理論的に計算さ
れる耐電圧とオン抵抗の関係を示したものである。同じ
オン抵抗、したがって同じ動作速度のトランジスタを作
る場合、シリコンを用いた場合、理論的に低い耐電圧の
トランジスタしか作ることができない。このことは、大
電力用の用途を考えると、シリコンでは耐電圧の点で不
十分であることもありうることを示している。
【0003】シリコンにおけるこのような欠点を解決す
るために、半導体材料として炭化珪素を用いる試みがな
され、研究が進められている。図4に炭化珪素を用いた
パワートランジスタの代表的な断面構造を示す。トラン
ジスタのオン抵抗Ronは式(1)で示されるように、ソ
ース電極7とn+ 型不純物層4との接触抵抗Rcon 、n
+ 型不純物層4のシート抵抗Ri チャネル抵抗Rc、n-
ドリフト層2の抵抗Rd、およびn+ 型炭化珪素基板1の
抵抗Rs の総和で表わされる。 Ron =Rcon+Ri+Rc+Rd+Rs (1)
るために、半導体材料として炭化珪素を用いる試みがな
され、研究が進められている。図4に炭化珪素を用いた
パワートランジスタの代表的な断面構造を示す。トラン
ジスタのオン抵抗Ronは式(1)で示されるように、ソ
ース電極7とn+ 型不純物層4との接触抵抗Rcon 、n
+ 型不純物層4のシート抵抗Ri チャネル抵抗Rc、n-
ドリフト層2の抵抗Rd、およびn+ 型炭化珪素基板1の
抵抗Rs の総和で表わされる。 Ron =Rcon+Ri+Rc+Rd+Rs (1)
【0004】炭化珪素を用いたトランジスタではオン抵
抗が高く、発熱量が大きいという欠点があるが、その最
も大きい要因の一つにn+ 型不純物層のシート抵抗Riが
きわめて大きいことが挙げられる。
抗が高く、発熱量が大きいという欠点があるが、その最
も大きい要因の一つにn+ 型不純物層のシート抵抗Riが
きわめて大きいことが挙げられる。
【0005】炭化珪素へのn+ 型不純物層の形成は、一
般に窒素イオンを炭化珪素表面層にイオン注入すること
によって形成されるが、イオン注入時に不純物層には格
子欠陥が形成される。この格子欠陥が不純物層に残った
ままであるとシート抵抗Riが大きくなる。この格子欠陥
を消滅させるために、800〜1000℃の温度でイオ
ン注入し、さらに1500℃以上の温度でアニールする
ことが行われている(Technical Digest of the Intern
ational Conference of Silicon Carbide andRelated M
eterials, Kyoto, Japan, 1995 406 頁)。しかし、ア
ニール温度を1500℃以上とするためには、炭化珪素
ウエハの所望の領域のみに窒素イオンが注入されるよう
に、前記所望領域のみに開口したマスク材や、前記アニ
ール工程までに形成された種々の薄膜および配線層が前
記1500℃以上のアニール温度に耐えられる特殊な材
料に選択されなければならない。これは、これまでの集
積回路製造設備や集積回路を形成する材料がシリコンを
中心にした材料に適合するように設計されており、約1
200℃までの温度にしか耐えられないことを考慮する
と、シリコン用の設備や材料が流用不可能であり、全く
新規な設備や工程を構築しなければならないことを意味
している。このことは、前記1500℃以上のアニール
工程が炭化珪素半導体を用いる集積回路の製造コストを
著しく高騰させるという欠点を有することを示してい
る。
般に窒素イオンを炭化珪素表面層にイオン注入すること
によって形成されるが、イオン注入時に不純物層には格
子欠陥が形成される。この格子欠陥が不純物層に残った
ままであるとシート抵抗Riが大きくなる。この格子欠陥
を消滅させるために、800〜1000℃の温度でイオ
ン注入し、さらに1500℃以上の温度でアニールする
ことが行われている(Technical Digest of the Intern
ational Conference of Silicon Carbide andRelated M
eterials, Kyoto, Japan, 1995 406 頁)。しかし、ア
ニール温度を1500℃以上とするためには、炭化珪素
ウエハの所望の領域のみに窒素イオンが注入されるよう
に、前記所望領域のみに開口したマスク材や、前記アニ
ール工程までに形成された種々の薄膜および配線層が前
記1500℃以上のアニール温度に耐えられる特殊な材
料に選択されなければならない。これは、これまでの集
積回路製造設備や集積回路を形成する材料がシリコンを
中心にした材料に適合するように設計されており、約1
200℃までの温度にしか耐えられないことを考慮する
と、シリコン用の設備や材料が流用不可能であり、全く
新規な設備や工程を構築しなければならないことを意味
している。このことは、前記1500℃以上のアニール
工程が炭化珪素半導体を用いる集積回路の製造コストを
著しく高騰させるという欠点を有することを示してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはイオン注
入時の格子欠陥消滅とイオン注入層の低抵抗化技術に関
する前記従来技術の欠点を鋭意検討する過程で、前記Te
chnical Digestに記載された温度より高い温度で窒素イ
オンを注入すれば格子欠陥は十分消滅すると考え、窒素
イオンを1050℃の温度で注入した。その結果、予想
したとおり注入後の格子欠陥はほとんど消滅し、しかも
注入された窒素イオンはその数の85%以上が炭化珪素
結晶の格子位置を占有し、注入層の結晶性と窒素の格子
置換率はきわめて良好の結果を得た。しかし、注入され
た窒素イオンはその数の85%以上が炭化珪素結晶の格
子位置を占有しているにもかかわらず、キャリアは、格
子位置を占有した窒素原子の数から推定されるキャリア
数の3%以下しか活性化されず、シート抵抗が20kΩ
/□と高い値となった。
入時の格子欠陥消滅とイオン注入層の低抵抗化技術に関
する前記従来技術の欠点を鋭意検討する過程で、前記Te
chnical Digestに記載された温度より高い温度で窒素イ
オンを注入すれば格子欠陥は十分消滅すると考え、窒素
イオンを1050℃の温度で注入した。その結果、予想
したとおり注入後の格子欠陥はほとんど消滅し、しかも
注入された窒素イオンはその数の85%以上が炭化珪素
結晶の格子位置を占有し、注入層の結晶性と窒素の格子
置換率はきわめて良好の結果を得た。しかし、注入され
た窒素イオンはその数の85%以上が炭化珪素結晶の格
子位置を占有しているにもかかわらず、キャリアは、格
子位置を占有した窒素原子の数から推定されるキャリア
数の3%以下しか活性化されず、シート抵抗が20kΩ
/□と高い値となった。
【0007】前記したように注入層の結晶性と窒素の格
子置換率が良好にもかかわらず、シート抵抗が高い理由
は次のように推察される。注入された窒素イオンは、当
該窒素イオンのイオン半径がシリコン原子の原子半径よ
り炭素原子の原子半径に近いため、注入された当該窒素
イオンは炭素原子と置換し、当該炭素原子が占有してい
た格子位置を占有し、当該炭素原子は格子間位置に位置
する。
子置換率が良好にもかかわらず、シート抵抗が高い理由
は次のように推察される。注入された窒素イオンは、当
該窒素イオンのイオン半径がシリコン原子の原子半径よ
り炭素原子の原子半径に近いため、注入された当該窒素
イオンは炭素原子と置換し、当該炭素原子が占有してい
た格子位置を占有し、当該炭素原子は格子間位置に位置
する。
【0008】一方、Japanese Journal Applied Physics
Vol.35 、Part1 、No.2B、1996、1231頁には、炭素原
子が炭化珪素結晶の格子間位置を占有すると、注入され
た窒素イオンに起因するドナー準位は深い準位になると
いう記載がある。深い準位が形成さた場合に、前記した
注入層の結晶性と窒素の格子置換率が良好にもかかわら
ず、シート抵抗が高い理由は、前記 Japanese Journal
Applied Physicsの記載を参照すると、注入された窒素
が炭化珪素結晶の炭素原子と置換することによって、当
該注入された窒素と置換した炭素原子が格子間位置を占
有することになり、ドナー準位が深い準位となって、キ
ャリアが活性化されにくくなるため注入層のシート抵抗
が高くなると推察される。
Vol.35 、Part1 、No.2B、1996、1231頁には、炭素原
子が炭化珪素結晶の格子間位置を占有すると、注入され
た窒素イオンに起因するドナー準位は深い準位になると
いう記載がある。深い準位が形成さた場合に、前記した
注入層の結晶性と窒素の格子置換率が良好にもかかわら
ず、シート抵抗が高い理由は、前記 Japanese Journal
Applied Physicsの記載を参照すると、注入された窒素
が炭化珪素結晶の炭素原子と置換することによって、当
該注入された窒素と置換した炭素原子が格子間位置を占
有することになり、ドナー準位が深い準位となって、キ
ャリアが活性化されにくくなるため注入層のシート抵抗
が高くなると推察される。
【0009】本発明者等は、シート抵抗が高くなる原因
が、前記のごとく、格子間位置を占有した炭素原子によ
るものであるならば、前記窒素イオンの注入にさらに1
100℃近い高温でのシリコンイオンの注入を付加する
ことによって、当該格子間位置を占有した炭素原子と前
記シリコンイオンとを結合させて炭化珪素を形成させ、
炭化珪素結晶に組み込めば、シート抵抗を低減させ得る
と考え、シリコンイオンと窒素イオンのイオン注入の順
番も含めて、注入層の結晶性、窒素イオンの位置、およ
びシート抵抗を鋭意検討した。
が、前記のごとく、格子間位置を占有した炭素原子によ
るものであるならば、前記窒素イオンの注入にさらに1
100℃近い高温でのシリコンイオンの注入を付加する
ことによって、当該格子間位置を占有した炭素原子と前
記シリコンイオンとを結合させて炭化珪素を形成させ、
炭化珪素結晶に組み込めば、シート抵抗を低減させ得る
と考え、シリコンイオンと窒素イオンのイオン注入の順
番も含めて、注入層の結晶性、窒素イオンの位置、およ
びシート抵抗を鋭意検討した。
【0010】そこで、1050℃の温度で窒素イオンの
注入した後に、1050℃の温度でシリコンイオンの注
入を付加したところ、イオン注入温度が1050℃と高
いので、炭化珪素結晶の欠陥は注入後において消滅した
が、窒素原子の格子置換率は窒素のみを注入した場合に
比べて低くなった。窒素原子の格子位置置換率が低下し
たので、シート抵抗は10MΩ/□と上昇した。
注入した後に、1050℃の温度でシリコンイオンの注
入を付加したところ、イオン注入温度が1050℃と高
いので、炭化珪素結晶の欠陥は注入後において消滅した
が、窒素原子の格子置換率は窒素のみを注入した場合に
比べて低くなった。窒素原子の格子位置置換率が低下し
たので、シート抵抗は10MΩ/□と上昇した。
【0011】逆に、あらかじめ1050℃の温度でシリ
コンイオンを注入した後に、続けて1050℃の温度で
窒素イオンを注入すると、炭化珪素結晶の欠陥は、前述
した窒素イオン、シリコンイオンの順に注入した場合に
比べてやや多く残ったが、窒素原子の格子置換率は窒素
イオン、シリコンイオンの順に注入した場合に比べて高
くなり、注入した窒素イオンの数の80〜90%が炭化
珪素の格子位置を占有した。そのため、窒素イオン、シ
リコンイオンの順にイオン注入した場合に比べてシート
抵抗が小さくなり、窒素のみをイオン注入した場合と同
等になった。したがって、シリコンイオン、窒素イオン
の順に注入し、欠陥量を減少させることができればシー
ト抵抗を低減できると考えた。
コンイオンを注入した後に、続けて1050℃の温度で
窒素イオンを注入すると、炭化珪素結晶の欠陥は、前述
した窒素イオン、シリコンイオンの順に注入した場合に
比べてやや多く残ったが、窒素原子の格子置換率は窒素
イオン、シリコンイオンの順に注入した場合に比べて高
くなり、注入した窒素イオンの数の80〜90%が炭化
珪素の格子位置を占有した。そのため、窒素イオン、シ
リコンイオンの順にイオン注入した場合に比べてシート
抵抗が小さくなり、窒素のみをイオン注入した場合と同
等になった。したがって、シリコンイオン、窒素イオン
の順に注入し、欠陥量を減少させることができればシー
ト抵抗を低減できると考えた。
【0012】本発明の第1の目的は、イオン注入法で炭
化珪素にn型不純物層を形成する場合において、シート
抵抗の低いn型不純物層を有する従来にない新規な炭化
珪素半導体の製造方法を提供することにある。
化珪素にn型不純物層を形成する場合において、シート
抵抗の低いn型不純物層を有する従来にない新規な炭化
珪素半導体の製造方法を提供することにある。
【0013】本発明の第2の目的は、イオン注入法で炭
化珪素にn型不純物層を形成する場合において、従来技
術の項で記載したような1500℃以上という高温の熱
処理を加えることなく、従来シリコンを用いた集積回路
の製造に用いられてきた1200℃を越えない温度でシ
ート抵抗の低いn型不純物層を有する従来にない新規な
炭化珪素半導体の製造方法を提供することにある。
化珪素にn型不純物層を形成する場合において、従来技
術の項で記載したような1500℃以上という高温の熱
処理を加えることなく、従来シリコンを用いた集積回路
の製造に用いられてきた1200℃を越えない温度でシ
ート抵抗の低いn型不純物層を有する従来にない新規な
炭化珪素半導体の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のn型不純物層を
有する炭化珪素半導体の製造方法は、炭化珪素半導体層
にシリコンが格子位置を占有することが可能であり、か
つイオン注入によって格子欠陥が生じ難い高温でシリコ
ンイオンを注入する工程と、このシリコンイオンを注入
した炭化珪素半導体層を不活性雰囲気中で前記シリコン
イオンの注入によって生じた格子欠陥を減少させるため
の熱処理を行う工程と、前記シリコンイオンにほぼ相当
する量の窒素イオンをイオン注入によって格子欠陥が生
じ難い高温でイオン注入を行う工程とを有することを特
徴とする。
有する炭化珪素半導体の製造方法は、炭化珪素半導体層
にシリコンが格子位置を占有することが可能であり、か
つイオン注入によって格子欠陥が生じ難い高温でシリコ
ンイオンを注入する工程と、このシリコンイオンを注入
した炭化珪素半導体層を不活性雰囲気中で前記シリコン
イオンの注入によって生じた格子欠陥を減少させるため
の熱処理を行う工程と、前記シリコンイオンにほぼ相当
する量の窒素イオンをイオン注入によって格子欠陥が生
じ難い高温でイオン注入を行う工程とを有することを特
徴とする。
【0015】
【作用】本発明にかかるn型不純物層を有する炭化珪素
半導体の製造方法において、低抵抗であるn型不純物層
を形成できる理由は以下のようであると推定される。前
述したように、シート抵抗が高くなる原因が、格子間位
置を占有した炭素原子によるものであるので、高温での
窒素イオンの注入に、高温でのシリコンイオンの注入を
付加することによって、当該格子間位置を占有した炭素
原子と前記シリコンイオンとを結合させて炭化珪素を形
成させ、炭化珪素結晶に組み込めば、シート抵抗を低減
させ得る。
半導体の製造方法において、低抵抗であるn型不純物層
を形成できる理由は以下のようであると推定される。前
述したように、シート抵抗が高くなる原因が、格子間位
置を占有した炭素原子によるものであるので、高温での
窒素イオンの注入に、高温でのシリコンイオンの注入を
付加することによって、当該格子間位置を占有した炭素
原子と前記シリコンイオンとを結合させて炭化珪素を形
成させ、炭化珪素結晶に組み込めば、シート抵抗を低減
させ得る。
【0016】しかし、前記したようにシリコンイオンと
窒素イオンのイオン注入の順番が重要である。シリコン
を炭化珪素にあらかじめイオン注入すると、シリコンが
格子位置を占有することが可能な高温で注入したことに
よってたとえ最大限に欠陥が減少したとしても、注入さ
れた過剰なシリコンのために、炭素の格子位置に、当該
注入されたシリコンイオンの数だけの空孔が発生する。
このあとで窒素イオンを注入すると、窒素原子の原子半
径はシリコン原子の原子半径よりも炭素原子の原子半径
に近いために、注入された窒素原子は炭素の格子位置を
占有しやすく、前記したように、炭素の格子位置に空孔
がすでに生じているので、注入された窒素イオンはまわ
りの炭化珪素の結晶にダメージを与えることなく容易に
炭素の格子位置を占有することができる。しかも、後述
する窒素イオンの注入において注入された窒素イオンが
格子位置を占有する数に相当する注入量だけシリコンイ
オンを注入したので、前記窒素イオン注入後は前記炭素
の格子位置の空孔は窒素イオンによって占有され、余剰
の空孔はほとんど消滅し抵抗の上昇の原因とはならな
い。
窒素イオンのイオン注入の順番が重要である。シリコン
を炭化珪素にあらかじめイオン注入すると、シリコンが
格子位置を占有することが可能な高温で注入したことに
よってたとえ最大限に欠陥が減少したとしても、注入さ
れた過剰なシリコンのために、炭素の格子位置に、当該
注入されたシリコンイオンの数だけの空孔が発生する。
このあとで窒素イオンを注入すると、窒素原子の原子半
径はシリコン原子の原子半径よりも炭素原子の原子半径
に近いために、注入された窒素原子は炭素の格子位置を
占有しやすく、前記したように、炭素の格子位置に空孔
がすでに生じているので、注入された窒素イオンはまわ
りの炭化珪素の結晶にダメージを与えることなく容易に
炭素の格子位置を占有することができる。しかも、後述
する窒素イオンの注入において注入された窒素イオンが
格子位置を占有する数に相当する注入量だけシリコンイ
オンを注入したので、前記窒素イオン注入後は前記炭素
の格子位置の空孔は窒素イオンによって占有され、余剰
の空孔はほとんど消滅し抵抗の上昇の原因とはならな
い。
【0017】一方、窒素イオンを先に注入してしまう
と、窒素イオンを注入した時点では、当該窒素イオンの
注入量の85%が炭化珪素結晶の格子位置を占有する
が、当該窒素イオン注入のあとでさらにシリコンイオン
の注入を行うと注入によるイオン衝撃のためにいったん
格子位置を占有した窒素が格子間位置に出てしまい、窒
素の格子位置置換率が低下してしまう。このため、キャ
リアの発生に寄与できる窒素原子の数が減少してしま
い、シート抵抗が上昇する。このため、シリコンイオン
の注入は窒素イオンの注入に先だって行う必要がある。
と、窒素イオンを注入した時点では、当該窒素イオンの
注入量の85%が炭化珪素結晶の格子位置を占有する
が、当該窒素イオン注入のあとでさらにシリコンイオン
の注入を行うと注入によるイオン衝撃のためにいったん
格子位置を占有した窒素が格子間位置に出てしまい、窒
素の格子位置置換率が低下してしまう。このため、キャ
リアの発生に寄与できる窒素原子の数が減少してしま
い、シート抵抗が上昇する。このため、シリコンイオン
の注入は窒素イオンの注入に先だって行う必要がある。
【0018】ただ、発明の解決しようとする課題の項に
記載した実験では、シリコンイオンの注入に続行して窒
素イオンを注入するという連続した二重注入であったた
めにイオン注入後に欠陥がやや多く残ったが、これを防
止するためには、シリコンイオンを注入したあとで、窒
素イオンの注入の前にあらかじめシリコンイオンの注入
によって生じた格子欠陥を減少させるために1200を
越えない高温で熱処理し、欠陥を減少させておけばよ
い。
記載した実験では、シリコンイオンの注入に続行して窒
素イオンを注入するという連続した二重注入であったた
めにイオン注入後に欠陥がやや多く残ったが、これを防
止するためには、シリコンイオンを注入したあとで、窒
素イオンの注入の前にあらかじめシリコンイオンの注入
によって生じた格子欠陥を減少させるために1200を
越えない高温で熱処理し、欠陥を減少させておけばよ
い。
【0019】このように、シリコンイオンの注入をあら
かじめ行うので、後工程で注入される窒素イオンが占有
すべき炭素格子位置にあらかじめ空孔を形成しておくこ
とができ、さらにシリコンイオンの注入の後工程にアル
ゴン等の不活性雰囲気中の熱処理を行ってシリコンイオ
ンの注入時に発生した欠陥を最大限に除去したあとにイ
オン注入によって格子欠陥が生じ難い高温で窒素イオン
の注入を行うので、欠陥が除去された状態を保ったまま
窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素格子位置を占有でき、
しかも格子間位置を占有する炭素原子数を極力少なくで
きるので、窒素によるドナー準位が深い準位になること
がない。したがって、欠陥の除去率、窒素原子の格子位
置置換率、キャリアの活性化率のいずれも良好なn型不
純物層が形成されるので、当該n型不純物層は十分低抵
抗となる。
かじめ行うので、後工程で注入される窒素イオンが占有
すべき炭素格子位置にあらかじめ空孔を形成しておくこ
とができ、さらにシリコンイオンの注入の後工程にアル
ゴン等の不活性雰囲気中の熱処理を行ってシリコンイオ
ンの注入時に発生した欠陥を最大限に除去したあとにイ
オン注入によって格子欠陥が生じ難い高温で窒素イオン
の注入を行うので、欠陥が除去された状態を保ったまま
窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素格子位置を占有でき、
しかも格子間位置を占有する炭素原子数を極力少なくで
きるので、窒素によるドナー準位が深い準位になること
がない。したがって、欠陥の除去率、窒素原子の格子位
置置換率、キャリアの活性化率のいずれも良好なn型不
純物層が形成されるので、当該n型不純物層は十分低抵
抗となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した発明を
詳細に説明する。本具体化した発明において、炭化珪素
半導体としては6H、4H、15R等アルファ炭化珪素、3C
と呼ばれるベータ炭化珪素のいずれでもよく、また、当
該炭化珪素半導体はアチソン法、昇華法、CVD法、エピ
タキシャル法等種々の製造方法で製造されたものを使用
できる。
詳細に説明する。本具体化した発明において、炭化珪素
半導体としては6H、4H、15R等アルファ炭化珪素、3C
と呼ばれるベータ炭化珪素のいずれでもよく、また、当
該炭化珪素半導体はアチソン法、昇華法、CVD法、エピ
タキシャル法等種々の製造方法で製造されたものを使用
できる。
【0021】n型不純物層としてはバイポーラトランジ
スタ、パワートランジスタ、サイリスタ、金属酸化物半
導体型(MOS)トランジスタ、ダイオード等のデバイス
のエミッタ、コレクタ、ソース、ドレイン等を構成する
ためのn型不純物層、あるいは金属電極と低濃度n型不
純物層とをオーミック接合するために挿入するn型不純
物層があげられ、前記n型不純物層にドープされるn型
不純物としては窒素を用いることができる。
スタ、パワートランジスタ、サイリスタ、金属酸化物半
導体型(MOS)トランジスタ、ダイオード等のデバイス
のエミッタ、コレクタ、ソース、ドレイン等を構成する
ためのn型不純物層、あるいは金属電極と低濃度n型不
純物層とをオーミック接合するために挿入するn型不純
物層があげられ、前記n型不純物層にドープされるn型
不純物としては窒素を用いることができる。
【0022】前記n型不純物層の厚さは、前記トランジ
スタ等のn型不純物層としてエミッタ等の要素機能を果
たすのに必要かつ十分な厚さであればよく、前記要素機
能によって異なるが、好ましくは50nmから5μm程
度の厚さがよい。
スタ等のn型不純物層としてエミッタ等の要素機能を果
たすのに必要かつ十分な厚さであればよく、前記要素機
能によって異なるが、好ましくは50nmから5μm程
度の厚さがよい。
【0023】前記n型不純物である窒素イオン、あるい
は本発明の目的のためにシリコンイオンを注入するため
の装置は、半導体中に注入する不純物原子をイオン化す
るイオンビーム発生装置と、当該イオンビームを加速す
る加速装置と、当該イオンビーム発生装置によって発生
したイオンビームを集光し、イオン注入される試料が保
持された試料室に導き、当該試料面上で当該イオンビー
ムを走査して当該試料面に当該不純物イオンを注入する
ことができる機能を有するほかに、当該試料が1200
℃程度まで加熱保持できる装置とを有する高温イオン注
入装置であれば公知の装置で十分である。
は本発明の目的のためにシリコンイオンを注入するため
の装置は、半導体中に注入する不純物原子をイオン化す
るイオンビーム発生装置と、当該イオンビームを加速す
る加速装置と、当該イオンビーム発生装置によって発生
したイオンビームを集光し、イオン注入される試料が保
持された試料室に導き、当該試料面上で当該イオンビー
ムを走査して当該試料面に当該不純物イオンを注入する
ことができる機能を有するほかに、当該試料が1200
℃程度まで加熱保持できる装置とを有する高温イオン注
入装置であれば公知の装置で十分である。
【0024】前記イオン注入装置によって注入する窒素
イオンの加速電圧は、炭化珪素中に所望の深さのn型不
純物層が形成できるだけの加速電圧で通常20〜400keVが
用いられる。また、本発明の目的のために前記イオン注
入装置によって注入するシリコンイオンの加速電圧は、
前記所望の深さのn型不純物層の底部までシリコンイオ
ンを到達せしめることができる、したがって当該n型不
純物層の厚さによって決まる加速電圧で、通常 20〜400
keVが用いられる。
イオンの加速電圧は、炭化珪素中に所望の深さのn型不
純物層が形成できるだけの加速電圧で通常20〜400keVが
用いられる。また、本発明の目的のために前記イオン注
入装置によって注入するシリコンイオンの加速電圧は、
前記所望の深さのn型不純物層の底部までシリコンイオ
ンを到達せしめることができる、したがって当該n型不
純物層の厚さによって決まる加速電圧で、通常 20〜400
keVが用いられる。
【0025】本発明の目的のためのシリコンイオンの注
入は、後工程で注入される窒素イオンが炭化珪素の格子
位置を占有し、かつ前記占有によって炭化珪素中の炭素
原子が格子間位置に放出されないように、あらかじめ前
記後工程で注入され、炭素の格子位置を占有する窒素イ
オンの数だけ炭素の格子位置に空孔を形成するために行
うものであり、その方法としては、前記イオン注入装置
の試料室に試料を設置し、所定の真空度まで試料室を排
気したのち、加熱装置によって試料を所定の温度まで加
熱し、当該温度に保持した状態で前記加速電圧で加速さ
れたシリコンイオンビームを試料面に照射、かつ走査す
ることによってシリコンイオンを注入する通常の高温イ
オン注入法が一般的である。
入は、後工程で注入される窒素イオンが炭化珪素の格子
位置を占有し、かつ前記占有によって炭化珪素中の炭素
原子が格子間位置に放出されないように、あらかじめ前
記後工程で注入され、炭素の格子位置を占有する窒素イ
オンの数だけ炭素の格子位置に空孔を形成するために行
うものであり、その方法としては、前記イオン注入装置
の試料室に試料を設置し、所定の真空度まで試料室を排
気したのち、加熱装置によって試料を所定の温度まで加
熱し、当該温度に保持した状態で前記加速電圧で加速さ
れたシリコンイオンビームを試料面に照射、かつ走査す
ることによってシリコンイオンを注入する通常の高温イ
オン注入法が一般的である。
【0026】シリコンイオンの注入時に保つ所定の温度
は、炭化珪素半導体層にシリコンが格子位置を占有する
ことが可能であり、シリコン注入時に生ずるダメージを
極力少なくできる温度、かつ従来から通常行われている
シリコンを用いた集積回路の製造工程で用いられる最高
温度である1200℃を越えない温度であり、形成すべ
きn型不純物層のデバイス中で果たす機能、不純物層の
厚さ、およびn型不純物濃度に応じて1000〜120
0℃の間の温度が選ばれる。
は、炭化珪素半導体層にシリコンが格子位置を占有する
ことが可能であり、シリコン注入時に生ずるダメージを
極力少なくできる温度、かつ従来から通常行われている
シリコンを用いた集積回路の製造工程で用いられる最高
温度である1200℃を越えない温度であり、形成すべ
きn型不純物層のデバイス中で果たす機能、不純物層の
厚さ、およびn型不純物濃度に応じて1000〜120
0℃の間の温度が選ばれる。
【0027】シリコンイオンの加速電圧と注入量は、後
工程で行う窒素イオン注入において、当該窒素イオン注
入の温度、注入量等の条件に依存するが、当該窒素イオ
ン注入によって形成されるn型不純物層の全層でシリコ
ンの濃度が炭化珪素結晶の炭素の格子位置を占有する窒
素イオンの濃度と同等となるように選択される。すなわ
ち、前記窒素イオン注入工程において注入される窒素
は、注入条件にもよるが、その数の50〜90%が炭素
の格子位置を占有するのでシリコンイオン注入によって
注入されるシリコンの濃度分布が窒素濃度分布の50〜
90%になるようにシリコンイオンの注入量を選択する
のが好適である。この目的のために、前記シリコンイオ
ンの注入の加速電圧と注入量の組み合わせを複数組設定
し、前記加速電圧と注入量の組み合わせでシリコンイオ
ン注入を順次行うことが適当である場合にはそのような
多段の注入を行っても良い。
工程で行う窒素イオン注入において、当該窒素イオン注
入の温度、注入量等の条件に依存するが、当該窒素イオ
ン注入によって形成されるn型不純物層の全層でシリコ
ンの濃度が炭化珪素結晶の炭素の格子位置を占有する窒
素イオンの濃度と同等となるように選択される。すなわ
ち、前記窒素イオン注入工程において注入される窒素
は、注入条件にもよるが、その数の50〜90%が炭素
の格子位置を占有するのでシリコンイオン注入によって
注入されるシリコンの濃度分布が窒素濃度分布の50〜
90%になるようにシリコンイオンの注入量を選択する
のが好適である。この目的のために、前記シリコンイオ
ンの注入の加速電圧と注入量の組み合わせを複数組設定
し、前記加速電圧と注入量の組み合わせでシリコンイオ
ン注入を順次行うことが適当である場合にはそのような
多段の注入を行っても良い。
【0028】前記シリコンイオンの注入の後に行う熱処
理を行う工程は、当該シリコンイオン注入において発生
した欠陥を最大限に減少させるために行うもので、10
00〜1200℃の温度で行う。
理を行う工程は、当該シリコンイオン注入において発生
した欠陥を最大限に減少させるために行うもので、10
00〜1200℃の温度で行う。
【0029】雰囲気ガスは、不活性ガスを用いればよい
が、不活性ガスの中では高純度のアルゴンガスが良い。
酸素雰囲気、あるいは酸素と水蒸気の混合ガスを用いる
こともできる。好ましくは、酸素と水蒸気の混合ガス中
で熱処理する方が欠陥の減少に効果がある。この理由
は、イオン注入時のイオン衝撃によって生じた欠陥のう
ち、炭化珪素の表面に集中した欠陥層が酸化され、当該
酸化された欠陥層はフッ化水素酸によって容易に取り除
くことができるからである。酸素、あるいは酸素と水蒸
気の混合ガス中で熱処理する場合、酸化層が形成される
が、当該酸化層の除去を次工程の窒素注入の前に行う
か、窒素イオン注入後に行うかは製造するデバイスの構
造や機能によって適宜選択できる。
が、不活性ガスの中では高純度のアルゴンガスが良い。
酸素雰囲気、あるいは酸素と水蒸気の混合ガスを用いる
こともできる。好ましくは、酸素と水蒸気の混合ガス中
で熱処理する方が欠陥の減少に効果がある。この理由
は、イオン注入時のイオン衝撃によって生じた欠陥のう
ち、炭化珪素の表面に集中した欠陥層が酸化され、当該
酸化された欠陥層はフッ化水素酸によって容易に取り除
くことができるからである。酸素、あるいは酸素と水蒸
気の混合ガス中で熱処理する場合、酸化層が形成される
が、当該酸化層の除去を次工程の窒素注入の前に行う
か、窒素イオン注入後に行うかは製造するデバイスの構
造や機能によって適宜選択できる。
【0030】n型不純物である窒素のイオン注入の方法
としては、前記したイオン注入装置の試料室に試料を設
置し、所定の真空度まで試料室を排気した後、加熱装置
によって試料を所定の温度まで加熱し、当該温度に保持
した状態で前記加速電圧で加速された窒素イオンビーム
を試料面に照射、かつ走査することによって窒素イオン
を注入する通常の高温イオン注入法で行えばよい。
としては、前記したイオン注入装置の試料室に試料を設
置し、所定の真空度まで試料室を排気した後、加熱装置
によって試料を所定の温度まで加熱し、当該温度に保持
した状態で前記加速電圧で加速された窒素イオンビーム
を試料面に照射、かつ走査することによって窒素イオン
を注入する通常の高温イオン注入法で行えばよい。
【0031】窒素イオンの加速電圧と注入量は、所定の
電気的特性を有するn型不純物層が得られるように不純
物濃度、および不純物層の厚さを考慮して決定される。
また、所定の不純物濃度、および不純物層の厚さを得る
ために、前記窒素イオンの注入の加速電圧と注入量の組
み合わせを複数組設定し、前記加速電圧と注入量の組み
合わせで窒素イオン注入を順次行うことが必要である場
合にはそのような多段の注入を行っても良い。
電気的特性を有するn型不純物層が得られるように不純
物濃度、および不純物層の厚さを考慮して決定される。
また、所定の不純物濃度、および不純物層の厚さを得る
ために、前記窒素イオンの注入の加速電圧と注入量の組
み合わせを複数組設定し、前記加速電圧と注入量の組み
合わせで窒素イオン注入を順次行うことが必要である場
合にはそのような多段の注入を行っても良い。
【0032】窒素イオンの注入時に保つ所定の温度は、
窒素イオン注入時に生ずるダメージを極力少なくできる
温度、かつ従来から通常行われているシリコンを用いた
集積回路の製造工程で用いられる最高温度である120
0℃を越えない温度であり、形成すべきn型不純物層の
デバイス中で果たす機能、不純物層の厚さ、およびn型
不純物濃度に応じて1000〜1200℃の間の適当な
温度が選ばれる。
窒素イオン注入時に生ずるダメージを極力少なくできる
温度、かつ従来から通常行われているシリコンを用いた
集積回路の製造工程で用いられる最高温度である120
0℃を越えない温度であり、形成すべきn型不純物層の
デバイス中で果たす機能、不純物層の厚さ、およびn型
不純物濃度に応じて1000〜1200℃の間の適当な
温度が選ばれる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)図4は本発明の実施例で用いた炭化珪素を
用いたパワートランジスタの断面構造を示す。図4にお
いてn- 型不純物層は、n+ 型ドリフト層2からなる炭
化珪素基板上にエピタキシャル成長されたp型の炭化珪
素不純物層3の表面部に形成されている。そこで本実施
例でも、n型の炭化珪素基板2上にエピタキシャル成長
させた厚さ4μmのp型の6H炭化珪素不純物層3を形
成させた試料を用いて実験を行った(図1)。
用いたパワートランジスタの断面構造を示す。図4にお
いてn- 型不純物層は、n+ 型ドリフト層2からなる炭
化珪素基板上にエピタキシャル成長されたp型の炭化珪
素不純物層3の表面部に形成されている。そこで本実施
例でも、n型の炭化珪素基板2上にエピタキシャル成長
させた厚さ4μmのp型の6H炭化珪素不純物層3を形
成させた試料を用いて実験を行った(図1)。
【0034】この試料をイオン注入装置に挿入後、10
50℃に加熱保持し、n型不純物層を形成しようとする
p型の6H炭化珪素不純物層3に、最初、シリコンイオ
ン(Si+ )20を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧
でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×1015
個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコンイオ
ンを注入した層4を形成した(図(1))。前記シリコ
ンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素濃度分布
と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の格子位置を占
有する割合(これは実験的に本実施例の場合85%と測
定されている)を考慮して、前記シリコンの濃度が、前
記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるところで窒
素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
50℃に加熱保持し、n型不純物層を形成しようとする
p型の6H炭化珪素不純物層3に、最初、シリコンイオ
ン(Si+ )20を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧
でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×1015
個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコンイオ
ンを注入した層4を形成した(図(1))。前記シリコ
ンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素濃度分布
と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の格子位置を占
有する割合(これは実験的に本実施例の場合85%と測
定されている)を考慮して、前記シリコンの濃度が、前
記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるところで窒
素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
【0035】次に、前記シリコンイオンの注入された炭
化珪素試料をアルゴン雰囲気中1150℃で150分熱
処理して前記シリコンイオン注入中に発生した格子欠陥
を最大限消滅させた(図1(2))。
化珪素試料をアルゴン雰囲気中1150℃で150分熱
処理して前記シリコンイオン注入中に発生した格子欠陥
を最大限消滅させた(図1(2))。
【0036】このあと再びイオン注入装置に前記試料を
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した((図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020 個にな
るように決定した。
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した((図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020 個にな
るように決定した。
【0037】このあと表面に4個のアルミニウム電極を
パターニングし、4端子測定法で窒素注入層のシート抵
抗を測定した。
パターニングし、4端子測定法で窒素注入層のシート抵
抗を測定した。
【0038】(実施例2)実施例1と同様にn型の炭化
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、最初にシ
リコンイオン(Si+ )20を50 kV、120kV、280 kVの
加速電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×
1015個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコン
イオンを注入した層4を形成した(図1(1))。前記
シリコンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素イ
オン濃度分布と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の
格子位置を占有する割合を鑑みて、前記シリコンの濃度
が、前記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるとこ
ろで窒素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、最初にシ
リコンイオン(Si+ )20を50 kV、120kV、280 kVの
加速電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×
1015個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコン
イオンを注入した層4を形成した(図1(1))。前記
シリコンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素イ
オン濃度分布と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の
格子位置を占有する割合を鑑みて、前記シリコンの濃度
が、前記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるとこ
ろで窒素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
【0039】次に、前記シリコンイオンの注入された炭
化珪素試料を乾燥酸素雰囲気中1150℃で150分熱
処理して前記シリコンイオン注入中に発生した欠陥を最
大限消滅させた(図1(2))。
化珪素試料を乾燥酸素雰囲気中1150℃で150分熱
処理して前記シリコンイオン注入中に発生した欠陥を最
大限消滅させた(図1(2))。
【0040】このあと再びイオン注入装置に前記試料を
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した(図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020個になる
ように決定した。
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した(図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020個になる
ように決定した。
【0041】その後、前記シリコンイオン注入後の乾燥
酸素雰囲気中での熱処理中に成長した熱酸化膜をフッ化
アンモニウム-フッ化水素酸混合液(バファードフッ
酸)に浸漬することにより除去し、このあと表面に4個
のアルミニウム電極をパターニングし、4端子測定法で
窒素注入層のシート抵抗を測定した。
酸素雰囲気中での熱処理中に成長した熱酸化膜をフッ化
アンモニウム-フッ化水素酸混合液(バファードフッ
酸)に浸漬することにより除去し、このあと表面に4個
のアルミニウム電極をパターニングし、4端子測定法で
窒素注入層のシート抵抗を測定した。
【0042】(実施例3)実施例1と同様にn型の炭化
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、最初にシ
リコンイオン(Si+ )20を50 kV、120kV、280 kVの
加速電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×
1015個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコン
イオンを注入した層4を形成した(図1(1))。前記
シリコンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素イ
オン濃度分布と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の
格子位置を占有する割合を鑑みて、前記シリコンの濃度
が、前記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるとこ
ろで窒素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、最初にシ
リコンイオン(Si+ )20を50 kV、120kV、280 kVの
加速電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×
1015個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコン
イオンを注入した層4を形成した(図1(1))。前記
シリコンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素イ
オン濃度分布と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の
格子位置を占有する割合を鑑みて、前記シリコンの濃度
が、前記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるとこ
ろで窒素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
【0043】次に、前記シリコンイオンの注入された炭
化珪素試料を、酸素を沸騰した純水中を通すことによっ
て製造した酸素-水蒸気混合ガス雰囲気中1100℃で
120分熱処理して前記シリコンイオン注入中に発生し
た欠陥を最大限消滅させた(図1(2))。酸素-水蒸
気混合ガス雰囲気中で熱処理したことにより熱酸化膜の
成長が促進され、表面層の欠陥を効率よく酸化すること
ができたので、熱処理時間は前記実施例1、および実施
例2より低い熱処理温度、および短い熱処理時間で十分
な欠陥消滅効果が得られた。
化珪素試料を、酸素を沸騰した純水中を通すことによっ
て製造した酸素-水蒸気混合ガス雰囲気中1100℃で
120分熱処理して前記シリコンイオン注入中に発生し
た欠陥を最大限消滅させた(図1(2))。酸素-水蒸
気混合ガス雰囲気中で熱処理したことにより熱酸化膜の
成長が促進され、表面層の欠陥を効率よく酸化すること
ができたので、熱処理時間は前記実施例1、および実施
例2より低い熱処理温度、および短い熱処理時間で十分
な欠陥消滅効果が得られた。
【0044】このあと再びイオン注入装置に前記試料を
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した(図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020個になる
ように決定した。
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した(図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020個になる
ように決定した。
【0045】その後、前記シリコンイオン注入後の乾燥
酸素雰囲気中での熱処理中に成長した熱酸化膜をフッ化
アンモニウム-フッ化水素酸混合液(バファードフッ
酸)に浸漬することにより除去し、このあと表面に4個
のアルミニウム電極をパターニングし、4端子測定法で
窒素注入層のシート抵抗を測定した。
酸素雰囲気中での熱処理中に成長した熱酸化膜をフッ化
アンモニウム-フッ化水素酸混合液(バファードフッ
酸)に浸漬することにより除去し、このあと表面に4個
のアルミニウム電極をパターニングし、4端子測定法で
窒素注入層のシート抵抗を測定した。
【0046】(実施例4)実施例1と同様にn型の炭化
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、最初にシ
リコンイオン(Si+ )20を50 kV、120kV、280 kVの
加速電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×
1015個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコン
イオンを注入した層4を形成した(図1(1))。前記
シリコンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素イ
オン濃度分布と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の
格子位置を占有する割合を鑑みて、前記シリコンの濃度
が、前記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるとこ
ろで窒素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、最初にシ
リコンイオン(Si+ )20を50 kV、120kV、280 kVの
加速電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、1.2×
1015個、2.5×1015 個、4.8×1015 個注入し、シリコン
イオンを注入した層4を形成した(図1(1))。前記
シリコンイオンの注入量は、後工程で注入される窒素イ
オン濃度分布と当該窒素イオンが炭化珪素結晶の炭素の
格子位置を占有する割合を鑑みて、前記シリコンの濃度
が、前記窒素イオンが注入される深さ領域のいたるとこ
ろで窒素の濃度のほぼ85%になるように決定された。
【0047】次に、前記シリコンイオンの注入された炭
化珪素試料を、1100℃に加熱された電気炉中に所定
の流量の水素ガスを酸素ガスとともに所定の流量導入、
燃焼させることによって製造した酸素-水蒸気混合ガス
雰囲気中で120分熱処理(パイロジェニック法)して
前記シリコンイオン注入中に発生した欠陥を最大限消滅
させた(図1(2))。酸素-水蒸気混合ガス雰囲気中
で熱処理したことにより熱酸化膜の成長が促進され、表
面層の欠陥を効率よく酸化することができたので、熱処
理時間は前記実施例1、および実施例2より低い熱処理
温度、および短い熱処理時間で十分な欠陥消滅効果が得
られた。
化珪素試料を、1100℃に加熱された電気炉中に所定
の流量の水素ガスを酸素ガスとともに所定の流量導入、
燃焼させることによって製造した酸素-水蒸気混合ガス
雰囲気中で120分熱処理(パイロジェニック法)して
前記シリコンイオン注入中に発生した欠陥を最大限消滅
させた(図1(2))。酸素-水蒸気混合ガス雰囲気中
で熱処理したことにより熱酸化膜の成長が促進され、表
面層の欠陥を効率よく酸化することができたので、熱処
理時間は前記実施例1、および実施例2より低い熱処理
温度、および短い熱処理時間で十分な欠陥消滅効果が得
られた。
【0048】このあと再びイオン注入装置に前記試料を
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した(図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020個になる
ように決定した。
装着して1050℃に加熱保持し、窒素分子イオン(N
2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速電圧でそれ
ぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014 個、1.5×
1015 個、2.8×1015個注入し、シリコンと窒素の両イオ
ンを注入したn型不純物層4を形成した(図1
(3))。前記窒素分子イオンの注入量は、ドーピング
された窒素原子の濃度分布が深さ約250nmにわたっ
てほぼ1立方センチメートルあたり 2.5×1020個になる
ように決定した。
【0049】その後、前記シリコンイオン注入後の乾燥
酸素雰囲気中での熱処理中に成長した熱酸化膜をフッ化
アンモニウム-フッ化水素酸混合液(バファードフッ
酸)に浸漬することにより除去し、このあと表面に4個
のアルミニウム電極をパターニングし、4端子測定法で
窒素注入層のシート抵抗を測定した。
酸素雰囲気中での熱処理中に成長した熱酸化膜をフッ化
アンモニウム-フッ化水素酸混合液(バファードフッ
酸)に浸漬することにより除去し、このあと表面に4個
のアルミニウム電極をパターニングし、4端子測定法で
窒素注入層のシート抵抗を測定した。
【0050】(比較例1)実施例1と同様にn型の炭化
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、窒素分子
イオン(N2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速
電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014
個、1.5×1015 個、2.8×1015 個注入し、窒素イオン
を注入した層4を形成した。前記窒素分子イオンの注入
量は、ドーピングされた窒素原子の濃度分布が深さ約2
50nmにわたってほぼ1立方センチメートルあたり
2.5×1020 個になるように決定した。
珪素基板2上にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、窒素分子
イオン(N2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速
電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014
個、1.5×1015 個、2.8×1015 個注入し、窒素イオン
を注入した層4を形成した。前記窒素分子イオンの注入
量は、ドーピングされた窒素原子の濃度分布が深さ約2
50nmにわたってほぼ1立方センチメートルあたり
2.5×1020 個になるように決定した。
【0051】その後、表面に4個のアルミニウム電極を
パターニングし、4端子測定法で窒素注入層のシート抵
抗を測定した。
パターニングし、4端子測定法で窒素注入層のシート抵
抗を測定した。
【0052】(比較例2)実施例1と同様にn型の炭化
珪素基板上2にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、窒素分子
イオン(N2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速
電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014
個、1.5×1015 個、2.8×1015 個注入し、窒素イオン
を注入した層4を形成した。前記窒素分子イオンの注入
量は、ドーピングされた窒素原子の濃度分布が深さ約2
50nmにわたってほぼ1立方センチメートルあたり2
.5×1020 個になるように決定した。
珪素基板上2にエピタキシャル成長させた厚さ4μmの
p型の6H炭化珪素不純物層3を形成した試料をイオン
注入装置に挿入後、1050℃に加熱保持し、窒素分子
イオン(N2 + )30を50 kV、120 kV、280 kVの加速
電圧でそれぞれ1平方センチメートルあたり、7.0×1014
個、1.5×1015 個、2.8×1015 個注入し、窒素イオン
を注入した層4を形成した。前記窒素分子イオンの注入
量は、ドーピングされた窒素原子の濃度分布が深さ約2
50nmにわたってほぼ1立方センチメートルあたり2
.5×1020 個になるように決定した。
【0053】その後、注入時に生じた欠陥を消滅させる
ため1200℃アルゴン雰囲気中で30分熱処理した。
このあと、表面に4個のアルミニウム電極をパターニン
グし、4端子測定法で窒素注入層のシート抵抗を測定し
た。
ため1200℃アルゴン雰囲気中で30分熱処理した。
このあと、表面に4個のアルミニウム電極をパターニン
グし、4端子測定法で窒素注入層のシート抵抗を測定し
た。
【0054】図2に前記実施例および比較例のシート抵
抗測定結果を比較した。図2に比較したように、試料を
1050℃に保ってあらかじめシリコンイオンを注入
し、アルゴン、酸素、あるいは酸素-水蒸気混合ガス雰
囲気中での熱処理によって当該シリコンイオン注入時に
発生する欠陥を最大限消滅させたのち、再び試料の温度
を1050℃に保って窒素イオンを注入すれば、比較例
に示した窒素イオンのみを注入する方法(窒素イオンの
みを注入し、1200℃の熱処理を行ったものを含む)
に比較して効果的にシート抵抗を低減できることが明確
となった。
抗測定結果を比較した。図2に比較したように、試料を
1050℃に保ってあらかじめシリコンイオンを注入
し、アルゴン、酸素、あるいは酸素-水蒸気混合ガス雰
囲気中での熱処理によって当該シリコンイオン注入時に
発生する欠陥を最大限消滅させたのち、再び試料の温度
を1050℃に保って窒素イオンを注入すれば、比較例
に示した窒素イオンのみを注入する方法(窒素イオンの
みを注入し、1200℃の熱処理を行ったものを含む)
に比較して効果的にシート抵抗を低減できることが明確
となった。
【0055】以上説明したように、本発明による炭化珪
素へのn型不純物層の製造方法を用いれば、効果的にシ
ート抵抗を低減でき、従来技術による問題点を回避でき
る。しかもシリコンを用いた集積回路の製造工程におけ
る最高温度である1200℃を越えないので、本発明に
よる炭化珪素へのn型不純物層の製造方法は製造コスト
を高騰させることなく炭化珪素集積回路の製造工程に組
み込むことができる。
素へのn型不純物層の製造方法を用いれば、効果的にシ
ート抵抗を低減でき、従来技術による問題点を回避でき
る。しかもシリコンを用いた集積回路の製造工程におけ
る最高温度である1200℃を越えないので、本発明に
よる炭化珪素へのn型不純物層の製造方法は製造コスト
を高騰させることなく炭化珪素集積回路の製造工程に組
み込むことができる。
【0056】
【発明の効果】前記したように、本発明にかかる炭化珪
素への低抵抗なn型不純物層を有する新規な炭化珪素半
導体装置の製造方法によれば、低抵抗なn型不純物層を
製造することができる。また、1500℃以上という高
温の熱処理を加えることなく、従来シリコンを用いた集
積回路の製造に用いられてきた1200℃を越えない温
度でシート抵抗の低いn型不純物層を製造することがで
きる。
素への低抵抗なn型不純物層を有する新規な炭化珪素半
導体装置の製造方法によれば、低抵抗なn型不純物層を
製造することができる。また、1500℃以上という高
温の熱処理を加えることなく、従来シリコンを用いた集
積回路の製造に用いられてきた1200℃を越えない温
度でシート抵抗の低いn型不純物層を製造することがで
きる。
【図1】炭化珪素へのn型不純物層の製造工程を示す図
である。
である。
【図2】実施例および比較例のシート抵抗測定結果を比
較した図である。
較した図である。
【図3】シリコン、および炭化珪素(6H-SiC、および4H
-SiC)で作られたトランジスタの理論的に計算される耐
電圧とon抵抗の関係を示した図である。
-SiC)で作られたトランジスタの理論的に計算される耐
電圧とon抵抗の関係を示した図である。
【図4】炭化珪素を用いたパワートランジスタの代表的
な断面構造を示す図である。
な断面構造を示す図である。
1 n型炭化珪素基板 2 n型ドリフト層 3 p型不純物層 4 n型不純物層 5 酸化膜 6 ゲート電極 7 ソース電極 8 ドレイン電極 9 ゲート電極 10 ソース端子 11 ドレイン端子 12 電流の道すじ 20 シリコンイオン 30 窒素分子イオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日置 辰視 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 野田 正治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 n型不純物層を有する炭化珪素半導体の
製造方法であって、炭化珪素半導体層にシリコンが格子
位置を占有することが可能であり、かつイオン注入によ
って格子欠陥が生じ難い高温でシリコンイオンを注入す
る工程と、 このシリコンイオンを注入した炭化珪素半導体層を不活
性雰囲気中で前記シリコンイオンの注入によって生じた
格子欠陥を減少させるための熱処理を行う工程と、前記
シリコンイオンにほぼ相当する量の窒素イオンをイオン
注入によって格子欠陥が生じ難い高温でイオン注入を行
なう工程とを有することを特徴とするn型不純物層を有
する炭化珪素半導体の製造方法。 - 【請求項2】 n型不純物層を有する炭化珪素半導体の
製造方法であって、炭化珪素半導体層に1000〜12
00℃の温度でシリコンイオンを注入する工程と、 このシリコンイオンを注入した炭化珪素半導体層を10
00〜1200℃の不活性雰囲気中で熱処理する工程
と、 前記シリコンイオンにほぼ相当する量の窒素イオンを1
000〜1200℃の温度でイオン注入する工程とを有
することを特徴とするn型不純物層を有する炭化珪素半
導体の製造方法。 - 【請求項3】 n型不純物層を有する炭化珪素半導体装
置の製造方法であって、炭化珪素半導体層に1000〜
1200℃の温度でシリコンイオンを注入する工程と、 このシリコンイオンを注入した炭化珪素半導体層を10
00〜1200℃の少なくとも酸素を有する雰囲気中で
熱処理する工程と、 前記シリコンイオンにほぼ相当する量の窒素イオンを1
000〜1200℃の温度でイオン注入する工程と、 前記少なくとも酸素を有する雰囲気中で熱処理を行うこ
とによって生成した酸化物を除去する工程とを有するこ
とを特徴とするn型不純物層を有する炭化珪素半導体の
製造方法。 - 【請求項4】 前記少なくとも酸素を有する雰囲気が酸
素ガスまたは酸素と水蒸気の混合ガスである請求項3お
よび4のn型不純物層を有する炭化珪素半導体の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24138196A JPH1064840A (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24138196A JPH1064840A (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1064840A true JPH1064840A (ja) | 1998-03-06 |
Family
ID=17073446
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24138196A Pending JPH1064840A (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1064840A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003077855A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-14 | Denso Corp | 熱処理装置、熱処理方法 |
| JP2007027630A (ja) * | 2005-07-21 | 2007-02-01 | Kansai Electric Power Co Inc:The | バイポーラ型半導体装置およびその製造方法 |
| JP2010182762A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Oki Semiconductor Co Ltd | 半導体素子及びこの製造方法 |
| CN102403223A (zh) * | 2011-10-25 | 2012-04-04 | 丹东安顺微电子有限公司 | 改善贮存时间Ts一致性的功率晶体管制造方法 |
| WO2014100849A1 (de) | 2012-12-28 | 2014-07-03 | Miba Gleitlager Gmbh | Mehrschichtgleitlager |
| JP2019117871A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | トヨタ自動車株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
| JP2020113565A (ja) * | 2019-01-08 | 2020-07-27 | トヨタ自動車株式会社 | 炭化珪素半導体装置の製造方法 |
| CN115513172A (zh) * | 2022-11-22 | 2022-12-23 | 广东芯粤能半导体有限公司 | 半导体结构及其制备方法 |
-
1996
- 1996-08-23 JP JP24138196A patent/JPH1064840A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003077855A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-14 | Denso Corp | 熱処理装置、熱処理方法 |
| JP2007027630A (ja) * | 2005-07-21 | 2007-02-01 | Kansai Electric Power Co Inc:The | バイポーラ型半導体装置およびその製造方法 |
| JP2010182762A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Oki Semiconductor Co Ltd | 半導体素子及びこの製造方法 |
| CN102403223A (zh) * | 2011-10-25 | 2012-04-04 | 丹东安顺微电子有限公司 | 改善贮存时间Ts一致性的功率晶体管制造方法 |
| WO2014100849A1 (de) | 2012-12-28 | 2014-07-03 | Miba Gleitlager Gmbh | Mehrschichtgleitlager |
| JP2019117871A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | トヨタ自動車株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
| JP2020113565A (ja) * | 2019-01-08 | 2020-07-27 | トヨタ自動車株式会社 | 炭化珪素半導体装置の製造方法 |
| CN115513172A (zh) * | 2022-11-22 | 2022-12-23 | 广东芯粤能半导体有限公司 | 半导体结构及其制备方法 |
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