JPH1067313A - 車輌の車輪速度補正方法及び装置 - Google Patents

車輌の車輪速度補正方法及び装置

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JPH1067313A
JPH1067313A JP24572996A JP24572996A JPH1067313A JP H1067313 A JPH1067313 A JP H1067313A JP 24572996 A JP24572996 A JP 24572996A JP 24572996 A JP24572996 A JP 24572996A JP H1067313 A JPH1067313 A JP H1067313A
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wheel
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wheel speed
less
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Shirou Kadosaki
司朗 門崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌の直進状態を正確に判定し、車輌の非直
進走行時に車輪速度が不必要に補正されることを防止す
る。 【解決手段】 各車輪に設けられた車輪速度センサ(1
2)よりの出力に基づき各車輪の車輪速度Vwiを演算し
(S220)、各車輪の移動距離に対応する値Pi と他
の少なくとも一つの車輪の移動距離に対応する値との比
を補正係数Ki(n)として演算し(S40)、車輌の直進
状態を判定し(S60〜90)、車輌が直進状態にある
ときには補正係数にて各車輪の車輪速度を補正する(S
100、230)車輌の車輪速度補正方法及び装置。所
定の移動距離に於ける補正係数の変化量が基準値以下で
ある状態が基準回数以上継続し(S60〜80)、且つ
車輌のヨーレートの積分値Σγ(n) の大きさが基準値以
下であるときに(S90)車輌が直進状態にあると判定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の車輪速度の
演算に係り、更に詳細には車輌の車輪速度補正方法及び
装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の車輪速度補正装置の一
つとして、例えば実開平2−45461号公報に記載さ
れている如く、車輪速度検出手段と、車輌の直進状態を
検出する手段と、車輌が直進状態にあるときには車輪速
度の補正係数を演算する手段と、補正係数にて各車輪の
車輪速度を補正する手段とを有する車輪速度補正装置が
従来より知られている。
【0003】かかる車輪速度補正装置によれば、車輌が
直進状態にあるときに車輪速度の補正係数が演算され、
その補正係数にて各車輪の車輪速度が補正されるので、
各車輪の車輪径が相互に異なるような状況に於いても、
車輪速度が補正されない場合に比して正確に各車輪の車
輪速度を求め、これにより車輪のスリップ率等を正確に
求めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公開公報に記載さ
れた従来の車輪速度補正装置に於いては、車輌の直進状
態の検出は操舵角の大きさが小さいか否かにより行われ
る。しかし操舵角の大きさが小さくても外乱等により車
輌にヨー運動が生じることがあるので、車輌が実際には
直進状態にないにも拘らず直進状態と誤判定され、その
ため車輪速度が不必要に補正されることに起因して車輪
速度が却って不正確な値に補正されてしまう場合があ
る。
【0005】本発明は、操舵角の大きさに基づき車輌の
直進状態が判定されるよう構成された従来の車輪速度補
正装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたもので
あり、本発明の主要な課題は、車輌の直進状態を正確に
判定することにより、車輌の非直進走行時に車輪速度が
不必要に補正されることを防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、各車輪に設けられた車輪速度検出
手段よりの出力に基づき各車輪の車輪速度を演算し、前
記出力に基づき求められる各車輪の移動距離に対応する
値と他の少なくとも一つの車輪の移動距離に対応する値
との比を補正係数として演算し、車輌の直進状態を判定
し、車輌が直進状態にあるときには前記補正係数にて各
車輪の車輪速度を補正する車輌の車輪速度補正方法に於
いて、所定の移動距離に於ける前記補正係数の変化量が
基準値以下である状態が基準回数以上継続し、且つ車輌
のヨーレートの積分値の大きさが基準値以下であるとき
に車輌が直進状態にあると判定されることを特徴とする
車輌の車輪速度補正方法(請求項1の構成)、又は各車
輪に設けられた車輪速度検出手段と、車輌のヨーレート
を検出する手段と、前記車輪速度検出手段よりの出力に
基づき各車輪の車輪速度を演算する手段と、前記出力に
基づき求められる各車輪の移動距離に対応する値と他の
少なくとも一つの車輪の移動距離に対応する値との比を
補正係数として演算し、車輌の直進状態を判定し、車輌
が直進状態にあるときには前記補正係数にて各車輪の車
輪速度を補正する手段とを有する車輌の車輪速度補正装
置に於いて、所定の移動距離に於ける前記補正係数の変
化量が基準値以下である状態が基準回数以上継続し、且
つ車輌のヨーレートの積分値の大きさが基準値以下であ
るときに車輌が直進状態にあると判定されることを特徴
とする車輌の車輪速度補正装置(請求項5の構成)によ
って達成される。
【0007】一般に、車輌が直進走行状態にあるときに
は、各車輪に設けられた車輪速度検出手段よりの出力に
基づき求められる各車輪の移動距離の各車輪間の比は実
質的に一定であるので、各車輪の所定の移動距離に於け
る補正係数の変化量は小さく、また車輌のヨーレートは
実質的に0であるのでヨーレートの積分値の大きさも小
さい。
【0008】上記請求項1又は5の構成によれば、所定
の移動距離に於ける補正係数の変化量が基準値以下であ
る状態が基準回数以上継続し、且つ車輌のヨーレートの
積分値の大きさが基準値以下であるときに車輌が直進状
態にあると判定されるので、操舵角の大きさに基づき車
輌の直進状態が判定される場合に比して車輌の直進状態
が正確に判定される。
【0009】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1、5の構成に於て、
所定の移動距離に於ける前記補正係数の変化量が基準値
以下である状態が基準回数以上継続し、且つ車輌のヨー
レートの積分値の大きさが基準値以下であり、且つ各車
輪が前記所定の移動距離移動する時間が基準値以下であ
るときに車輌が直進状態にあると判定されるよう構成さ
れる(それぞれ請求項2、6の構成)。
【0010】一般に、車輌がS字走行するような場合に
は旋回方向が逆転するので、車輌のヨーレートの積分値
は実質的に0になり、また車輌のヨーレートの積分値に
はヨーレートの検出誤差が蓄積し易いので、積分時間が
長過ぎると車輌が実際には直進走行していないにも拘ら
ずヨーレートの積分値の大きさが小さい値になることが
ある。
【0011】上記請求項2又は6の構成によれば、所定
の移動距離に於ける補正係数の変化量が基準値以下であ
る状態が基準回数以上継続し、且つ車輌のヨーレートの
積分値の大きさが基準値以下であることに加えて、各車
輪が所定の移動距離移動する時間が基準値以下であると
きに、換言すれば積分時間が基準値以下であるときに車
輌が直進状態にあると判定されるので、ヨーレートの積
分値に検出誤差が蓄積しヨーレートの積分値の大きさが
小さい値になることに起因して車輌が実際には直進走行
していないにも拘らず車輌が直進走行していると判定さ
れることが防止され、これにより請求項1又は5の構成
の場合に比して更に一層正確に車輌の直進状態が判定さ
れる。
【0012】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1、5の構成に於て、
所定時間に於ける前記補正係数の変化量が基準値以下で
ある状態が基準時間以上継続し、且つ車輌のヨーレート
の積分値が基準値以下であり、且つ前輪又は後輪の前記
補正係数の左右輪間の差の大きさが基準値以下であると
きに車輌が直進状態にあると判定されるよう構成される
(それぞれ請求項3、7の構成)。
【0013】一般に、左右輪の車輪径が実質的に同一の
状態にて車輌が直進走行する場合には、左右輪の補正係
数は実質的に互いに同一の値になるで、補正係数の左右
輪間の差の大きさは小さい値になる。上記請求項3又は
7の構成によれば、所定時間に於ける前記補正係数の変
化量が基準値以下である状態が基準時間以上継続し、且
つ車輌のヨーレートの積分値が基準値以下であることに
加えて、前輪又は後輪の補正係数の左右輪間の差の大き
さが基準値以下であるときに車輌が直進状態にあると判
定されるので、請求項1又は5の構成の場合に比して更
に一層正確に車輌の直進状態が判定される。
【0014】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1、5の構成に於て、
所定時間に於ける前記補正係数の変化量が基準値以下で
ある状態が基準時間以上継続し、且つ車輌のヨーレート
の積分値が基準値以下であり、且つ操舵角の大きさが基
準値以下であるときに車輌が直進状態にあると判定され
るよう構成される(それぞれ請求項4、8の構成)。
【0015】請求項4又は8の構成によれば、所定時間
に於ける補正係数の変化量が基準値以下である状態が基
準時間以上継続し、且つ車輌のヨーレートの積分値が基
準値以下であることに加えて、操舵角の大きさが基準値
以下であるときに車輌が直進状態にあると判定されるの
で、請求項1又は5の構成の場合に比して更に一層正確
に車輌の直進状態が判定される。
【0016】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1又は5の構成に於いて、
補正係数は各車輪の移動距離に対応する値と全ての車輪
の平均移動距離に対応する値との比として演算されるよ
う構成される。
【0017】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項1又は5の構成に於いて、補正係数は少なくと
も一つの車輪の所定の移動距離毎に演算されるよう構成
される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明す
る。
【0019】図1は本発明による車輌の車輪速度補正方
法及び装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【0020】図1に於いて、10i (i=fr、fl、rr、
rl)はそれぞれ右前輪、左前輪、右後輪、左後輪を示し
ており、これらの車輪にはそれぞれ車輪速度センサ12
i が設けられている。車輪速度センサ12i は1パルス
が車輪の一定の微小回転角度に対応するパルス信号Pi
を車輪速度補正装置14へ出力し、従ってパルス信号P
i のパルス数は車輪の回転角度、従って車輪の移動距離
を表し、単位時間当りのパルス信号Pi のパルス数は車
輪速度に対応する。
【0021】車輪速度補正装置14は車輪速度演算ブロ
ック14Aと補正係数演算ブロック14Bと車輪速度補
正ブロック14Cとを有する。後に詳細に説明する如
く、車輪速度演算ブロック14Aはパルス信号Pi に基
づき各車輪の車輪速度Vwiを演算し、補正係数演算ブロ
ック14Bはパルス信号Pi 及びヨーレートセンサ16
により検出される車輌のヨーレートγに基づき車輌の直
進状態を判別すると共に、車輌が直進状態にあるときに
は各車輪の車輪速度Vwiに対する補正係数KMiを演算
し、車輪速度補正ブロック14Cは車輪速度Vwi及び補
正係数KMi の積として補正後の各車輪の車輪速度Vwi
を演算する。
【0022】尚車輪速度補正装置14は、例えば中央処
理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(RO
M)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力
ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスに
より互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュ
ータであってよい。
【0023】次に図2に示されたフローチャートを参照
して第一の実施形態に於ける補正係数演算ルーチンにつ
いて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる
演算ルーチンは図には示されていないイグニッションス
イッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実
行される。
【0024】まずステップ10に於いては車輪速度セン
サ12i より出力されるパルス信号等の読み込みが行わ
れ、ステップ20に於いてはΣγ(n-1) を1サイクル前
のヨーレートγの積分値として下記の数1に従ってヨー
レートの積分値Σγ(n) が演算され、ステップ30に於
いては右前輪の車輪速度センサ12frよりのパルス信号
Pfrのパルス数が基準値Nc (例えば正の一定の整数)
以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われた
ときにはそのままステップ10へ戻り、肯定判別が行わ
れたときにはステップ40へ進む。
【数1】Σγ(n) =Σγ(n-1) +γ
【0025】ステップ40に於いては下記の数2に従っ
て各車輪の補正係数Ki(n)が演算され、ステップ50に
於いては各車輪のパルス数Pi がクリアされる。
【数2】 Ki(n)=(Pfr+Pfl+Prr+Prl)/4/Pi
【0026】ステップ60に於いては現在の補正係数K
i(n)と1サイクル前の補正係数Ki(n-1)との偏差の絶対
値が基準値C1 (微小な正の定数)以下であるか否かの
判別が行われ、何れかの車輪について否定判別が行われ
たときにはステップ110へ進み、全ての車輪について
肯定判別が行われたときにはステップ70に於いてカウ
ンタのカウント値jが1インクリメントされる。
【0027】ステップ80に於いてはカウント値jが基
準値Nm (例えば正の一定の整数)であるか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ120
へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ90へ進
む。ステップ90に於いてはヨーレートの積分値Σγ
(n) の絶対値が基準値C2 (正の定数)以下であるか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステッ
プ110へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ
100に於いて補正係数KMi が現在の補正係数Ki(n)
に設定される。
【0028】ステップ110に於いてはカウンタのカウ
ント値jが0にリセットされると共に、ヨーレートの積
分値Σγ(n) が0にリセットされる。ステップ120に
於いては次ぎのサイクルのための補正係数Ki(n-1)が現
在の補正係数Ki(n)にセットされると共に、次ぎのサイ
クルのためのヨーレートの積分値Σγ(n-1) が現在の積
分値Σγ(n) にセットされる。
【0029】次に図3に示されたフローチャートを参照
して第一の実施形態に於ける車輪速度演算補正ルーチン
について説明する。尚図3に示されたフローチャートに
よる演算補正ルーチンは所定時間毎の割り込みにより実
行される。
【0030】まずステップ210に於いては車輪速度セ
ンサ12i より出力されるパルス信号の読み込みが行わ
れ、ステップ220に於いてはパルス信号Pi のパルス
数に基づき周知の要領にてパルス数に比例する値として
各車輪の車輪速度Vwiが演算され、ステップ230に於
いては下記の数3に従って補正後の各車輪の車輪速度V
wiが演算される。
【数3】Vwi=KMi *Vwi
【0031】かくして図示の第一の実施形態によれば、
ステップ20及び30に於いて右前輪の車輪速度センサ
12frよりのパルス信号Pfrのパルス数が基準値Nc 以
上になるまでのヨーレートの積分値Σγ(n) が演算さ
れ、パルス信号Pfrのパルス数が基準値Nc 以上になる
とステップ40に於いて各車輪の補正係数Ki(n)が演算
される。
【0032】そしてステップ60〜80に於いて現在の
補正係数Ki(n)と1サイクル前の補正係数Ki(n-1)との
偏差の絶対値が基準値C1 以下である旨の判別がNm 回
連続したか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたと
きにはステップ90に於いてヨーレートの積分値Σγ
(n) の絶対値が基準値C2 以下であるか否かの判別が行
われ、肯定判別が行われたときにはステップ100に於
いて補正係数KMi が現在の補正係数Ki(n)に設定され
る。
【0033】従って第一の実施形態によれば、右前輪が
所定の移動距離以上移動する間に於ける各車輪の補正係
数Ki(n)の変化量が基準値C1 以下である状態が基準回
数Nm 継続し、且つ車輌のヨーレートの積分値Σγ(n)
の大きさが基準値C2 以下であるときに車輌が直進状態
にあると判定されるので、例えば操舵角の大きさに基づ
き車輌の直進状態が判定される場合に比して車輌に作用
する外乱等に拘らず車輌の直進状態を正確に判定し、こ
れにより各車輪の補正後の車輪速度を正確に求めること
ができる。
【0034】図4乃至図6はそれぞれ本発明による車輌
の車輪速度補正装置の第二乃至第四の実施形態に於ける
補正係数演算ルーチンを示すフローチャートである。尚
これらの図に於いて図2に示されたステップと同一のス
テップには図2に於いて付されたステップ番号と同一の
ステップ番号が付されている。
【0035】図4に示された第二の実施形態に於いて
は、ステップ20に於いてヨーレートの積分値Σγ(n)
が演算されると共に、タイマのカウント値Tが1インク
リメントされる。またステップ90の次ぎに実行される
ステップ95に於いてタイマのカウント値Tが基準値T
c (正の定数)以下であるか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判
別が行われたときにはステップ100へ進む。更にステ
ップ110に於いてカウンタのカウント値jが0にリセ
ットされ、ヨーレートの積分値Σγ(n) が0にリセット
されると共にタイマのカウント値Tが0にリセットされ
る。
【0036】従ってこの第二の実施形態によれば、ステ
ップ90に於いてヨーレートの積分値Σγ(n) の大きさ
が基準値C2 以下である旨の判別が行われても、ステッ
プ95に於いてタイマのカウント値Tが基準値Tc を越
えている旨の判別が行われたときには、換言すればヨー
レートの積分値を演算するための積分時間が基準値を越
えているときには、補正係数KMi は現在の補正係数K
i(n)に更新されないので、ヨーレートの積分値に検出誤
差が蓄積しヨーレートの積分値の大きさが小さい値にな
ることに起因して車輌が実際には直進走行していないに
も拘らず車輌が直進走行していると判定され不必要な車
輪速度の補正が行われることを防止し、これにより第一
の実施形態に比して更に一層正確に車輪速度を補正する
ことができる。
【0037】図5に示された第三の実施形態に於いて
は、ステップ90に於いて肯定判別が行われると、ステ
ップ92に於いて右前輪の補正係数Kfr(n) と左前輪の
補正係数Kfl(n) との偏差の絶対値が基準値C3 (正の
定数)以下であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行
われたときにはステップ100へ進み、否定判別が行わ
れたときにはステップ94へ進む。ステップ94に於い
ては右後輪の補正係数Krr(n) と左後輪の補正係数Krl
(n) との偏差の絶対値が基準値C4 (正の定数)以下で
あるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときに
はステップ100へ進み、否定判別が行われたときには
ステップ110へ進む。
【0038】従ってこの第三の実施形態によれば、ステ
ップ90に於いてヨーレートの積分値Σγ(n) の大きさ
が基準値C2 以下である旨の判別が行われても、左右前
輪の補正係数Ki(n)の差の大きさが基準値C3 以下では
ない旨の判別又は左右後輪の補正係数Ki(n)の差の大き
さが基準値C4 以下ではない旨の判別が行われたときに
は、補正係数KMi は現在の補正係数Ki(n)に更新され
ないので、第一の実施形態に比して更に一層正確に車輪
速度を補正することができる。
【0039】尚第三の実施形態に於いては、左右前輪及
び左右後輪の両方について左右輪の補正係数の差の大き
さがそれぞれ基準値以下であることが直進判定の条件に
される訳ではないので、左右前輪及び左右後輪の両方の
左右輪の車輪径に比較的大きい差がある状況でない限り
車輌の直進状態を正確に判定することができる。
【0040】図6に示された第四の実施形態に於いて
は、図には示されていないが操舵輪である前輪の操舵角
θが操舵角センサにより検出され、操舵角θを示す信号
が車輪速度補正装置14の補正係数演算ブロック14B
へ入力される。またステップ90に於いて肯定判別が行
われると、ステップ96に於いて操舵角θの絶対値が基
準値θc (正の定数)以下であるか否かの判別が行わ
れ、肯定判別が行われたときにはステップ100へ進
み、否定判別が行われたときにはステップ110へ進
む。
【0041】従ってこの第四の実施形態によれば、ステ
ップ90に於いてヨーレートの積分値Σγ(n) の大きさ
が基準値C2 以下である旨の判別が行われても、ステッ
プ96に於いて操舵角θの大きさが基準値以下ではない
旨の判別が行われたときには、補正係数KMi は現在の
補正係数Ki(n)に更新されないので、第一の実施形態に
比して更に一層正確に車輪速度を補正することができ
る。
【0042】尚図示の第一乃至第三の実施形態によれ
ば、操舵角θの大きさが基準値以下であることが直進判
定の条件にされる訳ではないので、路面に比較的大きい
キャンバや左右方向の傾斜があり、これに起因して車輌
に作用する横方向の力を相殺すべくステアリングホイー
ルが実質的に一定の操舵角の位置に操作され、これによ
り車輌は実際に直進走行状態にあるにも拘らず操舵角の
大きさが基準値を越える状況に於いても車輪速度を正確
に且つ確実に補正することができる。
【0043】また第一及び第二の実施形態によれば、ヨ
ーレートの積分値Σγ(n) の大きさが基準値C2 以下で
あることが直進判定の一つの条件であるので、左右前輪
及び左右後輪の両方の左右輪の車輪径に同一の大小関係
にて比較的大きい差があり、車輪径の小さい前後輪が旋
回内輪となるよう車輌が定常円旋回することにより、四
輪全ての回転速度が実質的に同一になる状況に於いて、
誤って車輌の直進状態が判定されることを確実に防止す
ることができる。
【0044】また第一乃至第四の実施形態によれば、補
正係数Ki(n)は数2に従って各車輪の移動距離に対応す
る値と全ての車輪の平均移動距離に対応する値との比と
して演算されるので、補正係数が各車輪の移動距離に対
応する値と他の一つ又は二つの車輪の平均移動距離に対
応する値との比として演算される場合に比して正確に補
正係数を演算することができる。
【0045】更に第一乃至第四の各実施形態によれば、
補正係数Ki(n)は右前輪が所定の移動距離以上移動する
毎に演算されるので、各車輪がそれぞれ所定の移動距離
以上移動する毎に補正係数が演算される場合に比して補
正係数の演算を単純に行うことができる。
【0046】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0047】例えば上述の各実施形態に於いては、所定
の移動距離はステップ30に於いて右前輪の車輪速度セ
ンサ12frよりのパルス信号のパルス数に基づき判定さ
れるようになっているが、所定の移動距離は右前輪以外
の一つ又は複数の車輪の車輪速度センサよりのパルス信
号のパルス数に基づき判定されされてもよい。
【0048】また上述の第二の実施形態と第三の実施形
態、第二の実施形態と第四の実施形態、第三の実施形態
と第四の実施形態、第二乃至第四の実施形態が組み合わ
され、これにより各実施形態の場合によりも更に一層正
確に車輪速度が補正されるよう構成されてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の方法又は請求項5の装置によれば、所定
の移動距離に於ける補正係数の変化量が基準値以下であ
る状態が基準回数以上継続し、且つ車輌のヨーレートの
積分値の大きさが基準値以下であるときに車輌が直進状
態にあると判定されるので、操舵角の大きさに基づき車
輌の直進状態が判定される場合に比して車輌の直進状態
を正確に判定し、これにより車輪速度を正確に補正する
ことができる。
【0050】また請求項2乃至4の方法又は請求項6乃
至8の装置によれば、車輌が実際には直進走行していな
いにも拘らず車輌が直進走行していると誤判定され不必
要な車輪速度の補正が行われる虞れを更に一層低減し、
これにより請求項1の方法又は請求項5の装置に比して
更に一層正確に車輪速度を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌の車輪速度補正方法及び装置
の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態の補正係数演算ルーチンを示す
フローチャートである。
【図3】第一の実施形態の車輪速度演算補正ルーチンを
示すフローチャートである。
【図4】第二の実施形態の補正係数演算ルーチンを示す
フローチャートである。
【図5】第三の実施形態の補正係数演算ルーチンの一部
を示すフローチャートである。
【図6】第四の実施形態の補正係数演算ルーチンの一部
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10fl〜10rr…車輪 12fl〜12rr…車輪速度センサ 14…車輪速度補正装置 16…ヨーレートセンサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪に設けられた車輪速度検出手段より
    の出力に基づき各車輪の車輪速度を演算し、前記出力に
    基づき求められる各車輪の移動距離に対応する値と他の
    少なくとも一つの車輪の移動距離に対応する値との比を
    補正係数として演算し、車輌の直進状態を判定し、車輌
    が直進状態にあるときには前記補正係数にて各車輪の車
    輪速度を補正する車輌の車輪速度補正方法に於いて、所
    定の移動距離に於ける前記補正係数の変化量が基準値以
    下である状態が基準回数以上継続し、且つ車輌のヨーレ
    ートの積分値の大きさが基準値以下であるときに車輌が
    直進状態にあると判定されることを特徴とする車輌の車
    輪速度補正方法。
  2. 【請求項2】請求項1の車輌の車輪速度補正方法に於い
    て、所定の移動距離に於ける前記補正係数の変化量が基
    準値以下である状態が基準回数以上継続し、且つ車輌の
    ヨーレートの積分値の大きさが基準値以下であり、且つ
    各車輪が前記所定の移動距離移動する時間が基準値以下
    であるときに車輌が直進状態にあると判定されることを
    特徴とする車輌の車輪速度補正方法。
  3. 【請求項3】請求項1の車輌の車輪速度補正方法に於い
    て、所定時間に於ける前記補正係数の変化量が基準値以
    下である状態が基準時間以上継続し、且つ車輌のヨーレ
    ートの積分値が基準値以下であり、且つ前輪又は後輪の
    前記補正係数の左右輪間の差の大きさが基準値以下であ
    るときに車輌が直進状態にあると判定されることを特徴
    とする車輌の車輪速度補正方法。
  4. 【請求項4】請求項1の車輌の車輪速度補正方法に於い
    て、所定時間に於ける前記補正係数の変化量が基準値以
    下である状態が基準時間以上継続し、且つ車輌のヨーレ
    ートの積分値が基準値以下であり、且つ操舵角の大きさ
    が基準値以下であるときに車輌が直進状態にあると判定
    されることを特徴とする車輌の車輪速度補正方法。
  5. 【請求項5】各車輪に設けられた車輪速度検出手段と、
    車輌のヨーレートを検出する手段と、前記車輪速度検出
    手段よりの出力に基づき各車輪の車輪速度を演算する手
    段と、前記出力に基づき求められる各車輪の移動距離に
    対応する値と他の少なくとも一つの車輪の移動距離に対
    応する値との比を補正係数として演算し、車輌の直進状
    態を判定し、車輌が直進状態にあるときには前記補正係
    数にて各車輪の車輪速度を補正する手段とを有する車輌
    の車輪速度補正装置に於いて、所定の移動距離に於ける
    前記補正係数の変化量が基準値以下である状態が基準回
    数以上継続し、且つ車輌のヨーレートの積分値の大きさ
    が基準値以下であるときに車輌が直進状態にあると判定
    されることを特徴とする車輌の車輪速度補正装置。
  6. 【請求項6】請求項5の車輌の車輪速度補正装置に於い
    て、所定の移動距離に於ける前記補正係数の変化量が基
    準値以下である状態が基準回数以上継続し、且つ車輌の
    ヨーレートの積分値の大きさが基準値以下であり、且つ
    各車輪が前記所定の移動距離移動する時間が基準値以下
    であるときに車輌が直進状態にあると判定されることを
    特徴とする車輌の車輪速度補正装置。
  7. 【請求項7】請求項5の車輌の車輪速度補正装置に於い
    て、所定時間に於ける前記補正係数の変化量が基準値以
    下である状態が基準時間以上継続し、且つ車輌のヨーレ
    ートの積分値が基準値以下であり、且つ前輪又は後輪の
    前記補正係数の左右輪間の差の大きさが基準値以下であ
    るときに車輌が直進状態にあると判定されることを特徴
    とする車輌の車輪速度補正装置。
  8. 【請求項8】請求項5の車輌の車輪速度補正装置に於い
    て、所定時間に於ける前記補正係数の変化量が基準値以
    下である状態が基準時間以上継続し、且つ車輌のヨーレ
    ートの積分値が基準値以下であり、且つ操舵角の大きさ
    が基準値以下であるときに車輌が直進状態にあると判定
    されることを特徴とする車輌の車輪速度補正装置。
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