JPH1067569A - 耐火材料 - Google Patents

耐火材料

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JPH1067569A
JPH1067569A JP8222530A JP22253096A JPH1067569A JP H1067569 A JPH1067569 A JP H1067569A JP 8222530 A JP8222530 A JP 8222530A JP 22253096 A JP22253096 A JP 22253096A JP H1067569 A JPH1067569 A JP H1067569A
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JP
Japan
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zirconia
crystal
weight
mullite
spinel
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Application number
JP8222530A
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English (en)
Inventor
Ryosuke Nakamura
良介 中村
Masanori Ogata
昌徳 小形
Takenao Hisamoto
武尚 久本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinagawa Refractories Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ムライト・ジルコニア質原
料と同等の低熱膨張率をもち、同時にアルミナ・ジルコ
ニア質原料やスピネル・ジルコニア質原料と同等以上の
耐食性を有する耐火材料を安定的に提供することにあ
る。 【解決手段】 本発明の耐火材料は、ジルコニア、アル
ミナ、シリカ及びマグネシアの4成分を主要成分とする
焼結品または電融品であって、ジルコニアが10重量%
から35重量%未満、アルミナが43〜84重量%、シ
リカが5〜23重量%及びマグネシアが1〜15重量%
の組成を有し、構成鉱物相がジルコニア(ZrO2)結
晶、ムライト(3Al23・2SiO2)結晶及びスピネ
ル(MgO・Al23)結晶またはジルコニア結晶、ムラ
イト結晶、スピネル結晶及びコランダム(Al23)結晶
からなることを特徴とする。また、ジルコニアが35〜
60重量%配合されたものであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属の精錬炉
や鋳造用の耐火物に用いられる耐火材料に関し、更に詳
しくは、熱衝撃抵抗性及び耐侵食性が要求される耐火物
用の耐火材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、溶融金属精錬炉用の耐火物とし
て、アルミナ、マグネシア、ジルコニア等の種々の耐火
性酸化物骨材とカーボンとを組み合わせたカーボン含有
耐火物が使用されている。これらの耐火物の耐熱衝撃性
を改善させる方法としては、まず、カーボン量の増加が
挙げられる。しかし、カーボン量を増加しすぎると、耐
火物の耐侵食性が低下する。そこで、このようなカーボ
ン含有耐火物の熱衝撃抵抗性を改善させるもう一つの方
法として、低熱膨張性の酸化物骨材の使用がある。
【0003】このような低熱膨張性酸化物骨材として
は、例えば特公昭59−19067号公報には、主たる鉱物相
がムライト、バッデライト、コランダムよりなり、Al
2325〜85重量%、ZrO210〜70重量%、S
iO25〜25重量%の化学組成を有する耐火物原料が
開示されている。
【0004】また、特公昭61−2619号公報には、主たる
鉱物相がムライト、バッデライトよりなり、Al23
0〜80重量%、ZrO210〜65重量%、SiO2
〜25重量%の化学組成を有する耐火物原料が開示され
ている。
【0005】更に、特公昭64−11589号公報には、アル
ミナ58〜78重量%、ジルコニア20〜40重量%、
不可避成分2重量%以下の化学組成を有する溶融アルミ
ナ・ジルコニア質原料が開示されている。
【0006】また、特公昭64−11590号公報には、アル
ミナ42〜77.5重量%、ジルコニア20〜40重量
%、チタニア0.5〜16重量%、不可避成分2重量%
以下の化学組成を有する溶融アルミナ・ジルコニア・チ
タニア質原料が開示されている。
【0007】更に、特開平5−279118号公報には、Zr
2、Al23及びMgOの3成分を主体成分とし、残
部が5重量%以下である焼結品または電融品であって、
ZrO2が20〜60重量%、MgOが1重量%以上
で、かつAl23/MgOのモル比が0.9以上であ
り、未安定化もしくは部分安定化ジルコニア(ZrO2)
結晶とスピネル(MgO・Al23)結晶または未安定化
ジルコニアもしくは部分安定化ジルコニア結晶とスピネ
ル結晶とコランダム(Al23)結晶から構成されること
を特徴とする耐火材料が開示されている。なお、該公報
には、前記特公昭64−11589号公報記載のアルミナ・ジ
ルコニア質原料よりも耐侵食性に優れていることも記載
されている。
【0008】また、特開平3−38027号公報には、高耐
用性スライディングノズルプレートの摺動面を構成する
耐火物としてAl23−SiO2−MgO−ZrO2系の
耐火物が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知文献によ
れば、ムライト・ジルコニア質原料は、ムライト結晶と
未安定化ジルコニア結晶またはムライト結晶と、コラン
ダム結晶と、未安定化ジルコニア結晶から構成され、ア
ルミナ・ジルコニア質原料は、コランダム結晶と未安定
化ジルコニア結晶から構成され、スピネル・ジルコニア
質原料は、スピネル結晶と未安定化ジルコニア結晶また
はスピネル結晶と、コランダム結晶と、未安定化ジルコ
ニア結晶から構成されている。これらはそれぞれ未安定
化ジルコニア結晶に生ずる1000〜1200℃の温度
での単斜晶から正方晶への結晶相転移に伴う体積変化
(収縮)の効果により、熱膨張率が低いという長所を有し
ている。
【0010】しかし、ムライト・ジルコニア質原料は、
アルミナ・ジルコニア質原料やスピネル・ジルコニア質
原料に比べ熱膨張率は小さいが、ムライトを主構成鉱物
相とすることから多用すると、耐溶損性に劣ることが知
られている。また、アルミナ・ジルコニア質原料は、ム
ライト・ジルコニア質原料に比べシリカを含まないこと
から耐溶損性には優れているが、アルミナの熱膨張率は
ムライトの熱膨張率より大きく、ムライト・ジルコニア
質原料に比べてアルミナ・ジルコニア質原料の熱膨張特
性は劣る。更に、スピネル・ジルコニア質原料は、アル
ミナ・ジルコニア質原料に比べて塩基性スラグに対する
耐溶損性は高いが、スピネルの熱膨張率はコランダムの
熱膨張とほぼ同等であるので、熱膨張特性はアルミナ・
ジルコニア質原料とほぼ同等である。従って、ムライト
・アルミナ質原料を使用した耐火物は、熱衝撃抵抗性が
良好であるが、耐食性は不十分なものであった。
【0011】また、アルミナ・ジルコニア質原料及びス
ピネル・ジルコニア質原料を使用した耐火物は、耐侵食
性は改善されているものの、熱衝撃抵抗性は良くない。
【0012】そのため、より高度な溶融金属の精錬、鋳
造に対応するためには、熱衝撃抵抗性と耐侵食性を高い
レベルで兼ね備えた耐火材料が必要とされている。
【0013】従って、本発明の目的は、ムライト・ジル
コニア質原料と同等の低熱膨張率をもち、同時にアルミ
ナ・ジルコニア質原料やスピネル・ジルコニア質原料と
同等以上の耐食性を有する耐火材料を安定的に提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、公知のムライト・ジルコニア質原料中の
ムライト結晶の一部をスラグに対する耐溶損性が高く、
かつ熱膨張率がコランダム結晶と同等のスピネル結晶に
変えることにより、低熱膨張率という特性を充分生かし
ながら、耐侵食性を改善できるとの考えから、種々検討
し、その結果、目的とする耐火材料を完成したものであ
る。
【0015】即ち、本発明の耐火材料は、ジルコニア、
アルミナ、シリカ及びマグネシアの4成分を主要成分と
する焼結品または電融品であって、ジルコニアが10重
量%から35重量%未満、アルミナが43〜84重量
%、シリカが5〜23重量%及びマグネシアが1〜15
重量%の組成を有し、構成鉱物相がジルコニア(Zr
2)結晶、ムライト(3Al23・2SiO2)結晶及び
スピネル(MgO・Al23)結晶またはジルコニア結
晶、ムライト結晶、スピネル結晶及びコランダム(Al2
3)結晶からなることを特徴とする(以下、「第1発
明」という)。
【0016】更に、本発明の耐火材料は、ジルコニア、
アルミナ、シリカ及びマグネシアの4成分を主要成分と
する焼結品または電融品であって、ジルコニアが35〜
60重量%、アルミナが28〜55重量%、シリカが9
〜17重量%及びマグネシアが1〜10重量%の組成を
有し、構成鉱物相がジルコニア結晶、ムライト結晶及び
スピネル結晶またはジルコニア結晶、ムライト結晶、ス
ピネル結晶及びコランダム結晶からなることを特徴とす
る(以下、「第2発明」という)。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の第1発明並びに第2発明
の構成鉱物相としてジルコニア結晶、ムライト結晶及び
スピネル結晶またはジルコニア結晶、ムライト結晶、ス
ピネル結晶及びコランダム結晶が共存する耐火材料を合
成すべく種々検討を行ったところ、下記の知見が得られ
た:ジルコニア質原料と、アルミナ質原料、シリカ質原
料と、マグネシア質原料を用いて、ジルコニア含有量を
40重量%の一定として配合物を作成し、成形後、15
00℃で3時間焼成したところ、スピネル結晶はジルコ
ニア結晶とコランダム結晶と共に比較的容易に得られる
が、同時に必要とするムライト結晶は認められないこと
が多い;また、アルミナ質原料と、シリカ質原料の一部
または全部にムライト原料を用いた場合や、アルミナ質
原料とマグネシア質原料の一部または全部にスピネル原
料を用いた場合、またはすでにジルコニア結晶とムライ
ト結晶の共存するスピネル・ジルコニア質原料を用いた
場合についても同様に混合、成形し、1500℃で3時
間焼成後の構成鉱物相を確認したところ、スピネル結晶
はジルコニア結晶やコランダム結晶と共に得られるが、
ムライト結晶は大部分の試料に認められず、特定の配合
にのみ、ジルコニア結晶、コランダム結晶及びスピネル
結晶と共に認められた。
【0018】このように、ジルコニア共存下でムライト
結晶とスピネル結晶を同時に生成させるには、単にジル
コニア−アルミナ−マグネシア−シリカからなる組成を
有するものであれば容易にできるというものではなく、
これらが特定の組成範囲でなければならないことが判っ
た。特に、ジルコニア含有量が異なる場合、ムライト結
晶とスピネル結晶を同時に生成するには、他の3成分の
量比を変化させる必要があり、即ち、ジルコニア量によ
ってムライト結晶の生成に違いがあることが判った。
【0019】従って、ジルコニア結晶、ムライト結晶及
びスピネル結晶またはジルコニア結晶、ムライト結晶、
スピネル結晶及びコランダム結晶を同時に安定に生成さ
せるためには、耐火材料のジルコニア含有量によって、
シリカ、マグネシア、アルミナの含有量を変える必要が
あり、(1)ジルコニアが10重量%から35重量%未
満、アルミナが43〜84重量%、シリカが5〜23重
量%、マグネシアが1〜15重量%;または(2)ジルコ
ニアが35〜60重量%、アルミナが28〜55重量
%、シリカが9〜17重量%、マグネシアが1〜10重
量%の組成にすることが必要である。
【0020】本発明の構成鉱物相がジルコニア結晶、ム
ライト結晶及びスピネル結晶またはジルコニア結晶、ム
ライト結晶、スピネル結晶及びコランダム結晶からなる
耐火材料は、以下のような長所を有している: (a)シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニアの各成
分の組成を調整することにより、構成鉱物相がジルコニ
ア結晶、ムライト結晶及びスピネル結晶またはジルコニ
ア結晶、ムライト結晶、スピネル結晶及びコランダム結
晶からなる耐火材料が安定して得られる; (b)スピネル結晶はムライト結晶やコランダム結晶より
も塩基性スラグに対する耐溶損性が高いために、ムライ
ト結晶とジルコニア結晶から構成されるムライト・ジル
コニア質原料よりも耐侵食性が高い; (c)ジルコニア結晶、ムライト結晶及びスピネル結晶ま
たはジルコニア結晶、ムライト結晶、スピネル結晶及び
コランダム結晶が共存することにより、アルミナ・ジル
コニア質原料やスピネル・ジルコニア質原料よりも低熱
膨張率となる。また、構成鉱物のひとつである未安定化
ジルコニアに生ずる1000〜1200℃の温度での単
斜晶から正方晶への結晶相転移に伴う体積変化(収縮)の
効果により、低い熱膨張率を示す。
【0021】なお、成分範囲の限定理由は次の通りであ
る。成分範囲は、安定した目的とする耐火材料を得るた
めには前記したようにジルコニア含有量によって他の成
分の最適範囲が異なる。そのため、成分の限定にはZr
210〜35重量%の場合(第1発明)と、35〜60
重量%の場合(第2発明)とに分けて考えることが必要と
なる。
【0022】第1発明において、 ジルコニア:10重量%から35重量%未満、好まし
くは15重量%から35重量%未満 ここで、ジルコニアが10重量%未満であると、ジルコ
ニアに生ずる1000〜1200℃の温度での単斜晶か
ら正方晶への結晶相転移に伴う体積変化(収縮)の効果が
少なく、耐火材料に所望の低熱膨張率を付与することが
できないために好ましくない。また、35重量%以上で
もジルコニアの結晶相転移に伴う収縮は得られるが、本
発明の目的である低熱膨張率の特性を生かし、なおかつ
侵食抵抗性を付与するためにはムライト結晶とスピネル
結晶を同時に生成させる必要がある。合成実験の結果か
ら、スピネル結晶の生成はジルコニア含有量の影響をほ
とんど受けず、マグネシア量が1重量%以上であれば生
成する。しかし、ムライト結晶を安定的に生成させるた
めのシリカ量の適正範囲がジルコニア量によって変化す
るため、第1発明においてはジルコニア量の上限を35
重量%未満に限定した。 シリカ:5〜23重量% ジルコニア量が10重量%から35重量%未満の範囲で
ある場合、シリカ量が5重量%未満ではムライト結晶が
全く生成しないか、または生成しても僅かであり、耐火
材料に低熱膨張率を付与することができないために好ま
しくない。また、シリカ量が23重量%を超えると、ム
ライト結晶の生成量が過大となり、耐火材料に低熱膨張
率を付与することはできるが、耐溶損性に劣る。 マグネシア:1〜15重量% マグネシア量が1重量%未満では、アルミナと反応して
スピネル結晶が生成しないか、または生成するスピネル
結晶の量が少な過ぎるため、耐火材料へのスピネル結晶
による耐侵食性の付与効果が充分ではなく、また、15
重量%を超えると、スピネル結晶の生成量が過大とな
り、また、ペリクレース結晶が生成することもあり、耐
火材料の耐侵食性は向上するものの、スピネル・ジルコ
ニア質原料に近い熱膨張特性となり、目的とする低熱膨
張率を耐火材料に付与することができないめたに好まし
くない。 アルミナ:43〜84重量% アルミナ量は、ジルコニア、シリカ及びマグネシアの残
部であって、且つムライト結晶及びスピネル結晶または
ムライト結晶、スピネル結晶及びコランダム結晶を生成
するのに充分な量である。
【0023】第2発明において、 ジルコニア:35〜60重量%、好ましくは35〜5
5重量% 上述のように、ジルコニア量が35重量%未満でも、ジ
ルコニアの結晶相転移に伴う収縮が得られる。また、本
発明の目的である低熱膨張率の特性を生かし、なおかつ
侵食抵抗性を耐火材料に付与するためにはムライト結晶
とスピネル結晶を同時に生成させる必要がある。合成実
験の結果から、スピネル結晶の生成はジルコニア含有量
に影響をほとんど受けず、マグネシア量が1重量%以上
で生成される。しかし、ムライト結晶を安定に生成させ
るためのシリカ量の適正範囲はジルコニア量によって変
化するため、第2発明では、ジルコニア量の下限を35
重量%に限定した。また、ジルコニア量が60重量%を
超えると、結晶相転移に伴う体積変化が過大となり、組
織崩壊を招いて事実上使用できなくなるために好ましく
ない。 シリカ:9〜17重量% ジルコニア量が35〜60重量%の範囲にある場合、シ
リカ量が9重量%未満ではムライト結晶の生成量が少な
く、耐火材料に低熱膨張率を付与することができない。
また、シリカ量が17重量%を超えると、ムライト結晶
の生成量が過大となり、耐火材料に低熱膨張率を付与す
ることはできるものの、耐溶損性を付与することができ
ないために好ましくない。 マグネシア:1〜10重量% マグネシア量が1重量%未満では、アルミナと反応して
もスピネル結晶が生成しないか、または生成するスピネ
ル結晶の量が少な過ぎるため、耐火材料へのスピネル結
晶による耐侵食性の付与効果が充分ではなく、また、1
0重量%を超えると、スピネル結晶の生成量が過大とな
り、耐火材料の耐侵食性は向上するものの、スピネル・
ジルコニア質原料に近い熱膨張特性となり、目的とする
低熱膨張率を耐火材料に付与することができないめたに
好ましくない。 アルミナ:28〜55重量% アルミナ量は、ジルコニア、シリカ及びマグネシアの残
部であって、且つムライト結晶及びスピネル結晶または
ムライト結晶、スピネル結晶及びコランダム結晶を生成
するのに充分な量である。
【0024】本発明の耐火材料を製造するに当たって
は、製造された耐火材料中のジルコニア結晶が、100
0〜1200℃の温度での単斜晶から正方晶への結晶相
転移に伴う体積変化(収縮)を起こす未安定化物もしくは
部分安定化物でなければならない。
【0025】また、ジルコニア、アルミナ、シリカ及び
マグネシア以外の成分、例えばチタニア、カルシア等は
低融性鉱物を生成するために、8重量%以下の量である
ことが好ましい。
【0026】本発明の耐火材料を製造するための使用す
る各成分の原料は、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウムのような、Al
23、SiO2、MgO、ZrO2のほぼ単一組成物に限
定されるものではなく、例えばジルコニア及びシリカの
2成分からなるジルコン(ZrO2・SiO2)を用いて
も、ジルコンは加熱によりZrO2とSiO2に解離する
性質があることを利用できる。また、アルミナ及びシリ
カの2成分を主体とする粘土やボーキサイト、シリマナ
イト等の天然原料やムライト等の合成原料のようなAl
23・SiO2質原料も使用可能である。更に、アルミ
ナ及びマグネシアまたはアルミナ、マグネシア及びシリ
カを含む原料としては、スピネル(Al23・MgO)原
料や、コージライト質(Al23・MgO・SiO2系)
原料、フォルステライト質(MgO・SiO2系)原料等
と単一組成原料を組み合わせても用いることができる。
【0027】また、本発明の耐火材料は、1400〜1
600℃で2〜5時間の焼結した焼結品が好ましいが、
ジルコニア結晶、ムライト結晶及びスピネル結晶または
ジルコニア結晶、ムライト結晶、スピネル結晶及びコラ
ンダム結晶という鉱物の組み合わせによって得られるも
のであり、電融法による製造方法でも同様の組成と構成
鉱物相を有する耐火材料を得ることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の耐火材料を更
に説明する。 実施例1 表1に示す原料を用いて、表2に記載する配合割合に
て、目的とするジルコニア結晶、ムライト結晶及びスピ
ネル結晶またはジルコニア結晶、ムライト結晶、スピネ
ル結晶及びコランダム結晶の共存する耐火材料が得られ
るか、否かを検討した。得られた結果を表2に記載す
る。
【0029】
【表1】
【0030】表1中、ZRM原料は、ムライト・ジルコ
ニア原料を表し、SPZ原料は、スピネル・ジルコニア
原料を表す。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表2中、組成は、原料の配合比より算出し
た値であり、構成鉱物中のジルコニア(M)は、単斜晶ジ
ルコニアを、ジルコニア(C)は、正方晶ジルコニアをそ
れぞれ表す。
【0034】配合1及び2では、ジルコニア量を40重
量%とし、配合1は、シリカ量及びマグネシア量の全量
がそれぞれムライト化及びスピネル化する場合の理論ア
ルミナ量としたものであり、配合2は、アルミナ量が過
剰となるように設定した。これらの配合物を混合、成形
し、1500℃で3時間焼成した後の構成鉱物をX線回
折装置を用いて確認したところ、ジルコニア結晶とスピ
ネル結晶の生成は認められたが、ムライト結晶は得られ
なかった。
【0035】配合3及び4は、シリカ源としてムライト
原料、配合5及び6は、アルミナ源にスピネル原料を用
いたものであるが、焼成後の構成鉱物は、ジルコニア結
晶、スピネル結晶及びコランダム結晶のみで、ムライト
結晶の生成は認められなかった。
【0036】配合7及び8は、配合1と同様にシリカ量
及びマグネシア量が全量ムライト並びにスピネルを生成
するものとして、その生成比率が1:2または2:1と
なるように配合を構成した。その結果、配合7ではムラ
イト結晶は生成しないが、シリカ量の多い配合8ではス
ピネル結晶と共にムライト結晶の生成が認められた。
【0037】配合9〜17は、既にジルコニア結晶とム
ライト結晶の共存するムライト・ジルコニア質原料と、
スピネル結晶とジルコニア結晶が共存するスピネル・ジ
ルコニア質原料の配合比率を変化させ、混合、成形し、
1500℃で3時間焼成後の構成鉱物を確認したもので
ある。スピネル結晶は全ての配合において認められる
が、ムライト結晶はムライト・ジルコニア質原料の配合
比率の高い配合9〜13に、ジルコニア結晶(M)、ジル
コニア結晶(C)、コランダム結晶及びスピネル結晶と共
に認められた。
【0038】このように、ジルコニア結晶の存在下でム
ライト結晶とスピネル結晶を同時に生成させるには、単
に、アルミナ−シリカ−マグネシア−ジルコニアからな
る組成であれば容易に可能であるというものではなく、
特定の組成範囲でなければならないことが判った。
【0039】実施例2 上記表2の結果から、更に、アルミナ−シリカ−マグネ
シア−ジルコニアの比率を種々調整した結果、ジルコニ
ア含有量が異なる場合、ムライト結晶とスピネル結晶を
同時に生成させるには、他の3成分、即ち、アルミナ、
シリカ及びマグネシアの組成を変化させなければならな
いことが判った。なお、本例においては、表1に示すア
ルミナ原料、シリカ原料、マグネシア原料及びジルコニ
ア原料を所定割合で混合し、加圧形成した後、1500
℃で3時間加熱、焼成することにより試料を得た。得ら
れた試料の構成鉱物を表3に示す。
【0040】また、上述のようにして得られた試料から
10mm×10mm×45mmの供試体を切り出し、得
られた供試体の1100℃及び1500℃での熱膨張率
(%)を測定した。更に、同様の供試体を、CaO/Si
2モル比が3.0の転炉スラグと共にマグネシア質るつ
ぼに入れて1600℃で2時間加熱した後、供試体を切
断し、切断面から供試体の残存寸法を測定することによ
り、供試体の溶損量を調べた。なお、溶損量は、配合1
9の溶損量を100として溶損指数として示す。得られ
た結果を表3に併記する。
【0041】なお、表3中の配合18は、従来のアルミ
ナ・ジルコニア質耐火材料、配合19は、従来のムライ
ト・ジルコニア質耐火材料、配合20は、従来のスピネ
ル・ジルコニア質耐火原料に相当するものである。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】上記表3において、ジルコニア量が10重
量%以上35重量%未満の場合の配合26、27、3
2、39、40、43、44、45及び46の中で、シ
リカ量が5重量%以上の配合27、32、40、43、
44、45及び46でムライトの生成が認められた。
【0047】また、配合42、50及び51からシリカ
量が23重量%を超えるとムライト結晶の生成が過大と
なり、得られる耐火材料の熱膨張率は小さいが、耐侵食
性に劣る。
【0048】一方、配合26、27、32、33、4
2、43及び51を比較すると、マグネシア量が1重量
%以上でスピネル結晶の生成が認められた。
【0049】しかし、配合39、40、44、45、4
6、48及び50の結果から、マグネシア量が15重量
%を超えると、得られる耐火材料は耐侵食性には優れる
が、熱膨張率が大きくなる。また、配合44及び50の
ようにマグネシア量が19重量%を超えるとペリクレー
ス結晶の生成が認められ、熱膨張率が大きくなる。
【0050】ジルコニア量が35〜60重量%である配
合23、24、29、31、34、35、36、38及
び52の結果から、配合36においてシリカ量が9重量
%以下でも僅かにムライト結晶の生成が認められるが低
熱膨張率の効果は少ない。
【0051】また、配合41及び47の結果から、シリ
カ量が17重量%を超えるとムライト結晶の生成が過大
となり、耐侵食性に劣る。
【0052】一方、スピネル結晶の生成は、配合21、
25、28、30、35、36、41及び47の結果か
ら、マグネシア量が1重量%未満では認められないが、
1重量%以上で認められた。配合38のようにジルコニ
ア量が65重量%以上では、マグネシア量が1重量%未
満でもスピネル結晶は認められるが、生成量は極僅かで
あり、耐侵食性の効果は殆どない。
【0053】また、マグネシア量が15重量%以上であ
る配合52は、ペリクレース結晶の生成が認められ、耐
侵食性には優れるが、熱膨張率が大きく好ましくない。
【0054】表3の結果から明らかなように、構成鉱物
がジルコニア結晶(M)及びジルコニア結晶(C)、ムライ
ト結晶、及びスピネル結晶またはジルコニア結晶(M)及
びジルコニア結晶(C)、ムライト結晶、スピネル結晶、
及びコランダム結晶からなる本発明の耐火材料は、低熱
膨張性で、且つ耐侵食性に優れたものであることが判
る。
【0055】
【発明の効果】本発明の耐火材料の開発にあたり、ジル
コニア−アルミナ−シリカ−マグネシア系の耐火材料に
ついて、種々の焼結材料を造り、その特性評価を行っ
た。その結果、(1)ジルコニアが10重量%から35重
量%未満、アルミナが43〜84重量%、シリカが5〜
23重量%及びマグネシアが1〜15重量%;及び(2)
ジルコニアが35〜60重量%、アルミナが28〜55
重量%、シリカが9〜17重量%及びマグネシアが1〜
10重量%の組成範囲で、且つ構成鉱物相としてジルコ
ニア結晶、ムライト結晶及びスピネル結晶またはジルコ
ニア結晶、ムライト結晶、コランダム結晶及びスピネル
結晶が共存する耐火材料は、従来のムライト・ジルコニ
ア質耐火材料に比べて低膨張性を損なうことなしに耐溶
損性の向上が認められ、また、アルミナ・ジルコニア質
耐火材料やスピネル・ジルコニア質耐火材料に比べて耐
溶損性を損なうことなしに膨張性を改善できるものであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニア、アルミナ、シリカ及びマグ
    ネシアの4成分を主要成分とする焼結品または電融品で
    あって、ジルコニアが10重量%から35重量%未満、
    アルミナが43〜84重量%、シリカが5〜23重量%
    及びマグネシアが1〜15重量%の組成を有し、構成鉱
    物相がジルコニア(ZrO2)結晶、ムライト(3Al23
    ・2SiO2)結晶及びスピネル(MgO・Al23)結晶
    またはジルコニア結晶、ムライト結晶、スピネル結晶及
    びコランダム(Al23)結晶からなることを特徴とする
    耐火材料。
  2. 【請求項2】 ジルコニア、アルミナ、シリカ及びマグ
    ネシアの4成分を主要成分とする焼結品または電融品で
    あって、ジルコニアが35〜60重量%、アルミナが2
    8〜55重量%、シリカが9〜17重量%及びマグネシ
    アが1〜10重量%の組成を有し、構成鉱物相がジルコ
    ニア(ZrO2)結晶、ムライト(3Al23・2SiO2)
    結晶及びスピネル(MgO・Al23)結晶またはジルコ
    ニア結晶、ムライト結晶、スピネル結晶及びコランダム
    (Al23)結晶からなることを特徴とする耐火材料。
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