JPH1067927A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH1067927A
JPH1067927A JP4528197A JP4528197A JPH1067927A JP H1067927 A JPH1067927 A JP H1067927A JP 4528197 A JP4528197 A JP 4528197A JP 4528197 A JP4528197 A JP 4528197A JP H1067927 A JPH1067927 A JP H1067927A
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JP
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polycarbonate resin
weight
phenyl group
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silicone oil
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JP4528197A
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English (en)
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Toshihiko Saijo
俊彦 西條
Koji Ishihata
浩司 石畑
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリカーボネート樹脂が本来有している透明
性を損なうことなく優れた摺動性を有するポリカーボネ
ート樹脂組成物を提供する 【解決手段】 (A)ポリカーボネート樹脂95.0〜
99.9重量%及び(B)屈折率(nd)が1.42〜
1.58であるフェニル基含有シリコーンオイル0.1
〜5.0重量%よりなる樹脂組成物100重量部に
(C)精製安定化ロジンエステル1〜20重量部を配合
してなるポリカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂組成物に関する。更に詳しくは、透明で且つ摺動性
に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリカーボネート樹脂は透明
性、耐熱性、耐衝撃性に優れた性能を有することから射
出成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形等によって多
くの用途に供給されている。近年、摺動性を必要とする
製品部位にポリカーボネート樹脂を利用することが試み
られている。しかしながら、このような製品部位には、
通常のポリカーボネート樹脂では摺動性が不十分であ
る。そこで、ポリカーボネート樹脂の摺動性を改良する
目的で潤滑油を配合した組成物が提案されている(特開
昭50−101441号公報)。しかしながら、この組
成物を用いて得られる成形品は、摺動性は呈するものの
不透明である。また、透明性を維持させながら摺動性を
改良する目的で、フェニル基を有する特定のポリオルガ
ノシロキサンを配合した組成も提案されている(特公昭
59−39449号公報、特公平1−40856号公
報)。しかしながら、この組成物を用いて得られる成形
品も白く濁り十分な透明性は得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
カーボネート樹脂が本来有している透明性を損なうこと
なく優れた摺動性を有するポリカーボネート樹脂組成物
を提供することにある。本発明者は、上記目的を達成せ
んとして鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂に特
定のフェニル基含有シリコーンオイルを配合すると共
に、更に特定量の精製安定化ロジンとアルコール化合物
及び/又はエポキシ化合物とからなる精製安定化ロジン
エステルを併用することによって、ポリカーボネート樹
脂本来の透明性を損なわずに摺動性を改良し得ることを
見出し、本発明を完成させた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)ポリカー
ボネート樹脂95.0〜99.9重量%及び(B)屈折
率(nd)が1.42〜1.58であるフェニル基含有
シリコーンオイル0.1〜5.0重量%よりなる樹脂組
成物100重量部に(C)精製安定化ロジンエステル1
〜20重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成
物に係るものである。
【0005】本発明で用いる(A)成分であるポリカー
ボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であ
る。ここで使用する二価フェノールの代表的な例として
は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(通称ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サ
ルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン
等があげられる。好ましい二価フェノールは2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフ
ェノールAである。カーボネート前駆体としてはカルボ
ニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメ
ート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカ
ーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等があ
げられる。上記二価フェノールとカーボネート前駆体を
反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当って
は、必要に応じて触媒、分子量調整剤、酸化防止剤等を
用いてもよく、前記二価フェノールを単独で又は二種以
上を併用してもよい。また、三官能以上の多官能性芳香
族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっ
ても、二種以上のポリカーボネート樹脂の混合物であっ
てもよい。
【0006】ポリカーボネート樹脂の分子量は特に制限
する必要はないが、あまりに低いと強度が十分でなく、
あまりに高いと溶融粘度が高くなり成形し難くなるの
で、粘度平均分子量で表して通常10,000〜40,
000、好ましくは15,000〜30,000であ
る。ここでいう粘度平均分子量(M)とは塩化メチレン
100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶
解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して
求めたものである。 ηsp/C=[η]+0.45×[η]2 C [η]=1.23×10-40.83 (但し[η]は極限粘度、Cはポリマー濃度で0.7)
【0007】ポリカーボネート樹脂を製造する基本的な
手段を簡単に説明する。カーボネート前駆物質としてホ
スゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤及び有機溶媒
の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化
ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化
物又はピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶
媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために
例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を
用いることができ、分子量調節剤として例えばフェノー
ルやp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置換
フェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反
応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反
応中のpHは10以上に保つのが好ましい。
【0008】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガ
スの存在下に所定割合の二価フェノールを炭酸ジエステ
ルと加熱しながら攪拌し、生成するアルコール又はフェ
ノール類を留出させる方法により行う。反応温度は生成
するアルコール又はフェノール類の沸点等により異なる
が、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初
期から減圧にして生成するアルコール又はフェノール類
を留出させながら反応を完結させる。また、反応を促進
するために通常エステル交換反応に用いられる触媒を用
いることができる。このエステル交換反応に用いられる
炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等があげ
られる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好
ましい。
【0009】(B)成分として使用するシリコーンオイ
ルは、フェニル基含有シリコーンオイルである。通常シ
リコーンオイルで代表的なものにジメチルシリコーンオ
イルがある。ジメチルシリコーンオイルは温度による粘
度変化が小さく、化学的にも安定であり、耐熱性、耐候
性が高い等の性質を有しているために表面潤滑剤や離型
剤等として幅広く用いられている。しかしながら、ポリ
カーボネート樹脂とジメチルシリコーンオイルとの屈折
率(nd)の差が大きいため、ポリカーボネート樹脂に
ジメチルシリコーンオイルを配合すると、得られる組成
物は不透明になる。本発明で用いるシリコーンオイルは
ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部をフェニル
基で置換したものであり、かかるフェニル基含有シリコ
ーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルに比べて耐熱
性が向上すると共に融点が消失するため、低温特性が向
上し、−70℃まで流動性を保持する。また、フェニル
基の置換量が高くなるにつれて屈折率が高くなり、有機
樹脂との相溶性が向上するため、樹脂の透明性を保持し
たり、樹脂への分散性も向上するようになる。
【0010】本発明で用いるフェニル基含有シリコーン
オイルは、フェニル基の置換量が多く、屈折率(nd)
が1.42〜1.58のものである。ポリカーボネート
樹脂にフェニル基含有シリコーンオイルを添加した場
合、屈折率(nd)が1.42未満だと得られた組成物
は不透明になり、屈折率(nd)が1.58を越えた場
合もまた、組成物は不透明になり、本発明の特徴である
精製安定化ロジンエステルの添加によっても不透明性が
改善されなくなる。特に下記式[1]〜[4]で示され
るフェニル基含有シリコーンオイルが好ましい。
【0011】
【化5】
【0012】[式中、Phはフェニル基、xとyは7〜
50重量%のフェニル基含有量を与える値]
【0013】
【化6】
【0014】[式中、Phはフェニル基、nとmは7〜
50重量%のフェニル基含有量を与える値]
【0015】
【化7】
【0016】[式中、Phはフェニル基]
【0017】
【化8】
【0018】[式中、Phはフェニル基、pとqは7〜
80重量%のフェニル基含有量を与える値] また、フェニル基含有シリコーンオイルの市販品として
は東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のメチル
フェニルシリコーンオイルSH−710(屈折率1.5
33)があり、容易に入手できる。
【0019】本発明において(C)成分として使用され
る精製安定化ロジンエステルは、精製安定化ロジンとア
ルコール化合物またはエポキシ化合物とからなるエステ
ル化合物であり、その色調ガードナーの値が2以下のも
のが好ましい。
【0020】かかる精製安定化ロジンとは、未精製のロ
ジンを精製処理してなるものであり、具体的には、蒸
留、再結晶または抽出等の操作を行い、不鹸化物や夾雑
物を除いたものを意味する。このように、未精製ロジン
を精製処理することにより、精製安定化ロジンを得るこ
とができるが、かかる精製処理の前あるいは後に不均化
反応、水素化反応または脱水素化反応を行うことがで
き、精製安定化ロジンの色調が向上するため、好ましく
採用される。
【0021】具体的には、未精製ロジンを不均化反応
し、次いで精製処理し、その後、水素化反応する方法
(特開昭64−85265号公報)、未精製ロジンを不
均化反応し、次に精製処理し、その後、脱水素化反応す
る方法(特開平5−271622号公報)、未精製ロジ
ンを精製処理後、水素化反応し、次に脱水素化反応する
方法または未精製ロジンを水素化反応し、次いで精製処
理し、その後、脱水素化反応する方法(特開平6−32
9991号公報)等が挙げられる。
【0022】このようにして得られた精製安定化ロジン
とアルコール化合物またはエポキシ化合物とをエステル
化反応することにより、精製安定化ロジンエステルを得
ることができる。
【0023】精製安定化ロジンとアルコール化合物との
反応により、精製安定化ロジンエステルを得る方法とし
て、具体的には、原料の未精製ロジンをそのままあるい
は不均化反応させた後に精製処理し、次にエステル化反
応させ、その後水素化反応する方法(特開昭63−18
6783号公報)、未精製ロジンを不均化反応し、次に
精製処理を行い、その後エステル化反応を行い、さらに
脱水素化反応する方法(特開平5−171112号公
報)、未精製ロジンを水素化反応し、次に精製処理を行
い、その後エステル化反応および脱水素化反応を行う方
法(特開平7−11194号公報)等が挙げられる。ま
た、得られた精製安定化ロジンエステルに、色調向上の
ために、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデ
シルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニ
ルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物を配合
することも好ましく採用される(特開平3−27767
5号公報、特開平5−279631号公報参照)。
【0024】前記ロジンエステルの原料として使用され
る前記アルコール化合物としては、特に限定はなく各種
公知の多価アルコールが使用できる。例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、オクタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ジプロピレングリコール等の飽和および不飽和の
各種公知の2価アルコール、ビスフェノールAに酸化エ
チレンまたは酸化プロピレンを付加して得られた2価ア
ルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリ
トール、ジグリセリン等の4価アルコール;ジペンタエ
リスリトール等の6価アルコール;エチレングリコール
やグリセリン等の脂肪族多価アルコールを開始剤とした
酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等
の重合体や共重合体等のポリエーテルポリオール類等が
例示できる。これらアルコール化合物は単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用できる。これらアルコール化
合物のうち芳香環を有するものは、得られるロジンエス
テル自体の加熱安定性が良好で色調悪化が極めて少ない
ため特に好ましく、さらには該ロジンエステルを含有す
る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の機械的性質や耐
熱性の点でも特に好ましい。
【0025】前記ロジンエステルの原料として使用され
る前記エポキシ化合物としては、特に限定されず各種公
知のモノエポキシ化合物や多価エポキシ化合物等が使用
できる。モノエポキシ化合物としては、例えばn−ブチ
ルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル等のアルキルグリシジルエーテル;フェニルグ
リシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル;バ
ーサティック酸グリシジルエステル、前記ロジンのグリ
シジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステ
ル;スチレンオキサイド、シクロへキセンオキサイド等
が挙げられる。
【0026】ジエポキシ化合物としては、例えばエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジ
オールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル等の非環状脂肪族ジグリシジルエーテ
ル;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA系高分子量エ
ポキシ樹脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジ
グリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンジグリシジルエーテル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジ
ルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、
2,2−ビス(4−(β−ヒドロキシプロポキシ)フェ
ニル)プロパンジグリシジルエーテル、レゾルシノール
ジグリシジルエーテル等の芳香族または環状脂肪族ジグ
リシジルエーテル、無水フタル酸ジグリシジルエステ
ル、ヘキサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステル等
の芳香族または環状脂肪族ジグリシジルエステル;3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロへキセ
ンジオキサイド等の環状脂肪族環状オキシラン等のジエ
ポキシ化合物が挙げられる。
【0027】トリエポキシ化合物としては、例えばトリ
メチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリ
グリシジルエーテル、トリスヒドロキシエチルイソシア
ヌレートトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフ
ェニルトリグリシジルエーテル、トリメリット酸トリグ
リシジルエステル等が挙げられる。またテトラエポキシ
化合物としては、例えば1,1,2,2−テトラ(4−
ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテ
ル、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル等が
挙げられる。その他のポリエポキシ化合物としては、ソ
ルビトールポリグリシジルエーテル、フェノールノボラ
ック型樹脂のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらエポキシ化合物は単独でまたは2種以上を組み合
わせて使用できる。これらエポキシ化合物のうち芳香環
を有するものは、得られるロジンエステル自体の加熱安
定性が良好で色調悪化が極めて少ないため特に好まし
く、さらには該ロジンエステルを含有する芳香族ポリカ
ーボネート樹脂組成物の機械的性質や耐熱性の点でも特
に好ましい。
【0028】上記アルコール化合物またはエポキシ化合
物と前記精製安定化ロジンとの反応は、特に制限されず
公知の反応条件を採用して容易に行うことができる。例
えば、アルコール化合物と精製安定化ロジンとの反応
は、通常、アルコール化合物の水酸基と該ロジンのカル
ボキシル基の当量比[−OH(eq)/−COOH(e
q)]が0.8〜2.0程度となるよう仕込んだ後、不
活性気流下に150℃〜280℃程度に加熱し、生成水
を系外に留去しながら公知のエステル化触媒の存在下ま
たは不存在下にエステル化すれば良い。また、エポキシ
化合物と該精製安定化ロジンとの反応の具体例として
は、通常ポリエポキシ化合物中の1個のエポキシ基を水
酸基2個に相当するとして、OH(水酸基およびエポキ
シ基に由来する水酸基の合計)/COOH比を0.8〜
22の範囲内で精製安定化ロジンとポリエポキシ化合物
を所定量仕込み、エポキシ開環触媒の存在下または不存
在下に、通常、窒素気流下において、反応温度120〜
200℃程度で開環付加反応させる。OH(エポキシ基
に由来する水酸基)/COOH比が2より小さい場合に
はエポキシ基が完全に開環したと思われる段階で、さら
に反応温度を230〜260℃に上げて、水酸基(エポ
キシ基の開環によって生じた水酸基を含む)と精製安定
化ロジンをエステル化反応させ、酸価5以下、好ましく
は3以下となるまでエステル化反応を続行すれば良い。
上記反応は溶剤の存在下または不存在下に行うことがで
きる。該溶媒としては、ベンゼン、キシレン、トルエン
等の芳香族炭化水素等が挙げられる。なお、エステル化
工程においては必要により、例えば各種公知の有機燐系
化合物等の安定剤やエステル化促進剤等を添加できるこ
とはもとよりである。
【0029】本発明の樹脂組成物中(B)のフェニル基
含有シリコーンオイルを配合する割合は、(A)のポリ
カーボネーオ樹脂と(B)のシリコーンオイルの合計量
を100重量%として0.1〜5.0重量%、好ましく
は0.5〜3.0重量%である。(B)のシリコーンオ
イルが0.1重量%未満では得られる成形品の摺動性が
不十分であり、5.0重量%を越えると透明性が不十分
になる。(C)の精製安定化ロジンエステルの添加量
は、ポリカーボネート樹脂と(B)のシリコーンオイル
よりなる樹脂組成物100重量部に対して、1〜20重
量部、好ましくは3〜15重量部である。精製安定化ロ
ジンエステルの量が1重量部未満では得られる成形品の
透明性が十分でなく、20重量部を越えると成形品の強
度及び熱的特性(荷重撓み温度)等が低下し実用に耐え
ない。
【0030】また、本発明のポリカーボネート組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤(例え
ば、臭素化ビスフェノール、臭素化ポリスチレン、臭素
化ポリカーボネート、トリフェニルホスフェート、ホス
ホン酸アミド、赤リン酸等)、難燃助剤(例えば、三酸
化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等)、核剤(例
えば、ステアリン酸ナトリウム、エチレン−アクリル酸
ナトリウム等)、安定剤(例えば、リン酸エステル、亜
リン酸エステル等)、酸化防止剤(例えばヒンダードフ
ェノール系化合物等)、紫外線吸収剤、光安定剤、着色
剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等を配合してもよい。
【0031】本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製
造するには、任意の方法が採用される。例えば(A)の
ポリカーボネート樹脂、(B)のフェニル基含有シリコ
ーンオイル、(C)の精製安定化ロジンエステル及び適
宜その他の添加剤や樹脂を同時に又は任意の順序で、例
えばV型ブレンダー等の混合手段を用いて充分に混合し
た後ベント式二軸ルーダー等でペレット化する方法等の
一般に工業的に用いられる方法が適宜用いられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
製造例1(精製安定化ロジンエステルの調製) (1)不均化反応 酸価172.5、軟化点75℃、色調ガードナー6の未
精製中国産のガムロジン1000部に触媒として5%パ
ラジウムカーボン(含水率50%)0.3部を加え、窒
素シールド下、280℃で4時間撹拌して不均化反応を
行い、酸価157.3、軟化点77℃、色調ガードナー
8の不均化ロジンを得た。
【0033】(2)精製 上記不均化ロジンを窒素シール下に3mmHgの減圧下で蒸
留し、酸価178.3、軟化点85℃、色調ガードナー
4の一般恒数を有する表1に示す主留を精製不均化ロジ
ンとした。
【0034】(3)エステル化反応 上記精製不均化ロジン500部をフラスコに仕込み、窒
素シール下に180℃に昇温し、溶融攪拌下に200℃
でグリセリン60部を加えた後、280℃まで昇温し、
同温度でエステル化を行い、酸価2.5、軟化点99
℃、色調ガードナー5の精製不均化ロジンエステルを得
た。
【0035】(4)水素化反応 上記精製不均化ロジンエステル200部と5%パラジウ
ムカーボン(含水率50%)0.4部を振とう式オート
クレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水
素にて100kg/cm2 に加圧し260℃まで昇温し、同
温度で3時間、水素化反応を行い、酸価2.8、軟化点
99℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー15
0)の精製安定化ロジンエステルを得た。
【0036】
【表1】
【0037】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
り、評価は下記の方法によった。
【0038】(1)動摩擦力;表面性測定機 HEIDON-1
4型を使用して測定した。なお条件は試験片45mm×5
0mm×2mmの成形品、試験片移動速度100mm/分、ボ
ール圧子径10mm、ボール圧子材質スチール製、荷重2
00g とした。 (2)全光線透過率;測定機に村上色彩技術研究所製反
射・透過率計(HR−100型)を使用し、ASTM
D−1003に準拠して測定した。試験片は動摩擦力測
定と同一形状の試験片を用いた。
【0039】[実施例1〜3及び比較例1〜6] (A)ポリカーボネート樹脂、(B)シリコーンオイル
及び(C)精製安定化ロジンエステルを表2記載の割合
で配合し、スクリュー径30mmφのベント付二軸押出機
[日本製鋼所(株)製TEX−30XSST]によりシ
リンダー温度270℃で溶融混練し、ストランドカット
によりペレット化した。得られたペレットを120℃で
5時間熱風循環式乾燥機により乾燥した後射出成形機
[住友重機械工業(株)製SG−150U]により、シ
リンダー温度280℃、金型温度80℃で射出成形し、
45mm×50mm×2mmの板状の試験片を成形した。この
試験片を用いて動摩擦力及び全光線透過率を評価し、結
果を表2に示した。なお、表2記載の実施例及び比較例
で使用した各成分は以下のものである。
【0040】(A)PC;粘度平均分子量が22,40
0のポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製] (B)オイルA;屈折率(nd)が1.533のメチル
フェニルシリコーンオイル[東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製SH710] (B)オイルB;屈折率(nd)が1.404のジメチ
ルシリコーンオイル[東レ・ダウ・コーニング・シリコ
ーン(株)製SH200] (C)製造例1;上記製造例1で調製された精製安定化
ロジンエステル
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】表2より明らかなように本発明のポリカ
ーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂本来の
透明性を維持しつつ、優れた摺動性を有しており、従来
ポリカーボネート樹脂が適用されなかった分野への進出
を可能にするものであり、その奏する工業的効果は格別
なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂95.0〜
    99.9重量%及び(B)屈折率(nd)が1.42〜
    1.58であるフェニル基含有シリコーンオイル0.1
    〜5.0重量%よりなる樹脂組成物100重量部に
    (C)精製安定化ロジンエステル1〜20重量部を配合
    してなるポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリカーボネート樹脂の分子量
    が、粘度平均分子量で表して10,000〜40,00
    0である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)フェニル基含有シリコーンオイル
    が、下記式[1]〜[4]で示される化合物から選ばれ
    た少なくとも1種のフェニル基含有シリコーンオイルで
    ある請求項1又は2記載のポリカーボネート樹脂組成
    物。 【化1】 [式中、Phはフェニル基、xとyは7〜50重量%の
    フェニル基含有量を与える値] 【化2】 [式中、Phはフェニル基、nとmは7〜50重量%の
    フェニル基含有量を与える値] 【化3】 [式中、Phはフェニル基] 【化4】 [式中、Phはフェニル基、pとqは7〜80重量%の
    フェニル基含有量を与える値]
  4. 【請求項4】 精製安定化ロジンエステルが、精製安定
    化ロジンと芳香環を有するアルコール化合物及び/又は
    芳香環を有するエポキシ化合物とからなるエステル化合
    物である請求項1〜3のいずれか1項記載のポリカーボ
    ネート樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202825A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Teijin Chem Ltd 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2015199954A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 三菱化学株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品
JP2020158593A (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 荒川化学工業株式会社 樹脂組成物、及び成形品

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