JPH1072286A - ダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置 - Google Patents
ダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置Info
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- JPH1072286A JPH1072286A JP23055096A JP23055096A JPH1072286A JP H1072286 A JPH1072286 A JP H1072286A JP 23055096 A JP23055096 A JP 23055096A JP 23055096 A JP23055096 A JP 23055096A JP H1072286 A JPH1072286 A JP H1072286A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基材との密着性のよい、高硬度の、平坦性の
よいダイヤモンド薄膜が形成できる装置を得る。 【解決手段】 熱電子放出手段12と、基材3に向けて
イオンを加速する加速電極15とを有するガスイオン源
10を備えるとともに、加速電極15に対して基材3に
電圧を印加する第1のバイアス手段20と熱電子放出手
段12に電圧を印加する第2のバイアス手段21とを備
え、第1、第2のバイアス手段はそれぞれ時間の関数と
して電圧を印加できるようにした。
よいダイヤモンド薄膜が形成できる装置を得る。 【解決手段】 熱電子放出手段12と、基材3に向けて
イオンを加速する加速電極15とを有するガスイオン源
10を備えるとともに、加速電極15に対して基材3に
電圧を印加する第1のバイアス手段20と熱電子放出手
段12に電圧を印加する第2のバイアス手段21とを備
え、第1、第2のバイアス手段はそれぞれ時間の関数と
して電圧を印加できるようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ダイヤモンドラ
イクカーボン薄膜を形成する装置に関するものであり、
特にガスイオン源を用いたダイヤモンドライクカーボン
薄膜形成装置に関する。
イクカーボン薄膜を形成する装置に関するものであり、
特にガスイオン源を用いたダイヤモンドライクカーボン
薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、金型、工具、摺動部材、光・
磁気ディスク装置の記録媒体などの表面を保護するハー
ドコーティング膜として、ダイヤモンドライクカーボン
(DLC)薄膜の利用が図られている。図33は、例え
ば特開昭63−185893号公報に示された従来のマ
イクロ波プラズマを用いたDLC薄膜形成装置の断面図
である。図において、1は内部を真空に保つ真空槽、1
01は真空槽1内で基材3を保持する基材ホルダー、6
は基材ホルダーに設けられて基材3を加熱するヒータ
ー、103、104は真空槽1内へ反応ガスを導入する
ための反応ガス導入口、102は真空槽1内へマイクロ
波を印加するための導波管、105は真空槽1内に磁界
を生じさせる電磁石である。
磁気ディスク装置の記録媒体などの表面を保護するハー
ドコーティング膜として、ダイヤモンドライクカーボン
(DLC)薄膜の利用が図られている。図33は、例え
ば特開昭63−185893号公報に示された従来のマ
イクロ波プラズマを用いたDLC薄膜形成装置の断面図
である。図において、1は内部を真空に保つ真空槽、1
01は真空槽1内で基材3を保持する基材ホルダー、6
は基材ホルダーに設けられて基材3を加熱するヒータ
ー、103、104は真空槽1内へ反応ガスを導入する
ための反応ガス導入口、102は真空槽1内へマイクロ
波を印加するための導波管、105は真空槽1内に磁界
を生じさせる電磁石である。
【0003】次に動作について説明する。真空槽1内で
基材ホルダー101に基材3を保持させる。次いで、ヒ
ーター6により基材3を300〜900℃に加熱すると
ともに、真空槽1内の真空度を10-3〜10-5Torr
に保持する。続いて反応ガス導入口103および104
からCH4、C2H2などの反応ガスを真空槽1内に供給
し、電磁石105により真空槽1内に磁場を印加すると
ともに、導波管102から出力300〜600Wのマイ
クロ波を印加して真空槽1内にマイクロ波プラズマを発
生させ、励起炭素が基材3上に到達することにより、基
材3上にDLC薄膜を形成する。
基材ホルダー101に基材3を保持させる。次いで、ヒ
ーター6により基材3を300〜900℃に加熱すると
ともに、真空槽1内の真空度を10-3〜10-5Torr
に保持する。続いて反応ガス導入口103および104
からCH4、C2H2などの反応ガスを真空槽1内に供給
し、電磁石105により真空槽1内に磁場を印加すると
ともに、導波管102から出力300〜600Wのマイ
クロ波を印加して真空槽1内にマイクロ波プラズマを発
生させ、励起炭素が基材3上に到達することにより、基
材3上にDLC薄膜を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のプ
ラズマCVDを用いたダイヤモンドライクカーボン(D
LC)薄膜形成装置では、基材の熱変形や変質を防止す
るために薄膜形成時の基材の温度を低くした場合、膜質
が悪くなったり、膜の付着強度が低くなるという問題が
あった。また、絶縁物であるDLC薄膜の形成中にチャ
ージアップによる放電のために、薄膜表面に荒れが発生
するという問題があった。本発明は、上記のような問題
点を解決するためになされたもので、基材との密着性の
良い、高硬度の、また平坦性のよいDLC薄膜を形成で
きるDLC薄膜形成装置を得ることを目的とする。
ラズマCVDを用いたダイヤモンドライクカーボン(D
LC)薄膜形成装置では、基材の熱変形や変質を防止す
るために薄膜形成時の基材の温度を低くした場合、膜質
が悪くなったり、膜の付着強度が低くなるという問題が
あった。また、絶縁物であるDLC薄膜の形成中にチャ
ージアップによる放電のために、薄膜表面に荒れが発生
するという問題があった。本発明は、上記のような問題
点を解決するためになされたもので、基材との密着性の
良い、高硬度の、また平坦性のよいDLC薄膜を形成で
きるDLC薄膜形成装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係るDLC薄
膜形成装置は、熱電子放出手段と、DLC膜が形成され
る基材に向けてイオンを加速する加速電極とを有するガ
スイオン源を備えるとともに、加速電極に対して基材に
時間の関数として電圧を印加できる第1のバイアス手段
と、加速電極に対して熱電子放出手段に時間の関数とし
て電圧を印加できる第2のバイアス手段を備えたもので
ある。
膜形成装置は、熱電子放出手段と、DLC膜が形成され
る基材に向けてイオンを加速する加速電極とを有するガ
スイオン源を備えるとともに、加速電極に対して基材に
時間の関数として電圧を印加できる第1のバイアス手段
と、加速電極に対して熱電子放出手段に時間の関数とし
て電圧を印加できる第2のバイアス手段を備えたもので
ある。
【0006】さらに、第1のバイアス手段により基材に
印加する電圧は、直流あるいは時間的に変化する負電圧
としものである。また、第1のバイアス手段により基材
に印加する電圧は、正と負に交番する電圧としたもので
ある。
印加する電圧は、直流あるいは時間的に変化する負電圧
としものである。また、第1のバイアス手段により基材
に印加する電圧は、正と負に交番する電圧としたもので
ある。
【0007】また、第2のバイアス手段により熱電子放
出手段に印加する電圧は、直流あるいは時間的に変化す
る正電圧としたものである。また、第2のバイアス手段
により熱電子放出手段に印加する電圧は、正と負に交番
する電圧としたものである。
出手段に印加する電圧は、直流あるいは時間的に変化す
る正電圧としたものである。また、第2のバイアス手段
により熱電子放出手段に印加する電圧は、正と負に交番
する電圧としたものである。
【0008】さらに、正と負に交番する電圧は、負の時
間が正の時間よりも長いものである。また、正と負に交
番する電圧は、正の時間が負の時間よりも長いものであ
る。
間が正の時間よりも長いものである。また、正と負に交
番する電圧は、正の時間が負の時間よりも長いものであ
る。
【0009】また、第1のバイアス手段により基材に印
加する電圧と、第2のバイアス手段により熱電子放出手
段に印加する電圧とは、互いに同期した電圧としたもの
である。
加する電圧と、第2のバイアス手段により熱電子放出手
段に印加する電圧とは、互いに同期した電圧としたもの
である。
【0010】また、加速電極に対して熱電子放出手段に
時間の関数として電圧を印加できるバイアス手段を備え
るとともに、基材の電位を加速電極と同電位にしたもの
である。
時間の関数として電圧を印加できるバイアス手段を備え
るとともに、基材の電位を加速電極と同電位にしたもの
である。
【0011】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示すダ
イヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜形成装置の断
面図である。図において、1は内部を真空に保持する真
空槽、2は真空槽1内の排気を行う排気系、3は表面に
DLC薄膜が形成される例えば超硬合金のような基材で
あり、図示しないホルダーにより真空槽1内に保持され
ている。10は基材3に対向して設けられ、解離された
炭素と炭素イオン、および解離された水素と水素イオン
を発生させるガスイオン源、11は内部にDLC薄膜の
原材料である炭素(C)を含む炭化水素系の反応ガスが
導入される反応ガス導入室であり、イオンなどを放出で
き、かつ流路抵抗を大きくして真空槽1との間に差圧が
与えられるようにオリフィス(図示せず)が、基材3と
の対向部16に設けられている。
イヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜形成装置の断
面図である。図において、1は内部を真空に保持する真
空槽、2は真空槽1内の排気を行う排気系、3は表面に
DLC薄膜が形成される例えば超硬合金のような基材で
あり、図示しないホルダーにより真空槽1内に保持され
ている。10は基材3に対向して設けられ、解離された
炭素と炭素イオン、および解離された水素と水素イオン
を発生させるガスイオン源、11は内部にDLC薄膜の
原材料である炭素(C)を含む炭化水素系の反応ガスが
導入される反応ガス導入室であり、イオンなどを放出で
き、かつ流路抵抗を大きくして真空槽1との間に差圧が
与えられるようにオリフィス(図示せず)が、基材3と
の対向部16に設けられている。
【0012】12はタングステンワイヤーあるいはタン
タルワイヤーなどで構成され、反応ガス導入室11内に
設けられた熱電子放出手段、13は平行配置された細い
金属線で構成され、反応ガス導入室11内に設けられた
熱電子引出し電極、14は反応ガス導入室11につなが
って、その内部に反応ガスを導入する反応ガス導入管、
15は反応ガス導入室11の外側に設けられて基材3に
向けてイオンを加速する加速電極であり、反応ガス導入
室11、熱電子放出手段12、熱電子引出し電極13、
反応ガス導入管14および加速電極15でガスイオン源
10を構成している。
タルワイヤーなどで構成され、反応ガス導入室11内に
設けられた熱電子放出手段、13は平行配置された細い
金属線で構成され、反応ガス導入室11内に設けられた
熱電子引出し電極、14は反応ガス導入室11につなが
って、その内部に反応ガスを導入する反応ガス導入管、
15は反応ガス導入室11の外側に設けられて基材3に
向けてイオンを加速する加速電極であり、反応ガス導入
室11、熱電子放出手段12、熱電子引出し電極13、
反応ガス導入管14および加速電極15でガスイオン源
10を構成している。
【0013】20は加速電極15に対して基材3に時間
の関数として電圧を印加できる第1のバイアス手段、2
1は加速電極15に対して熱電子放出手段12に時間の
関数として電圧を印加できる第2のバイアス手段、22
は熱電子引出し電極13の電位を熱電子放出手段12に
対して正方向にバイアスする直流電源、23は熱電子放
出手段12を作動させるための交流電源である。加速電
極15および第1、第2のバイアス手段20、21の一
端は接地している。
の関数として電圧を印加できる第1のバイアス手段、2
1は加速電極15に対して熱電子放出手段12に時間の
関数として電圧を印加できる第2のバイアス手段、22
は熱電子引出し電極13の電位を熱電子放出手段12に
対して正方向にバイアスする直流電源、23は熱電子放
出手段12を作動させるための交流電源である。加速電
極15および第1、第2のバイアス手段20、21の一
端は接地している。
【0014】次に動作について説明する。まず、排気系
2により真空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度
に排気した後、図示しない基材温度調整機構により、基
材温度を100℃〜250℃に調整して、反応ガス導入
管14から反応ガス導入室11内へ反応性ガスである炭
化水素系のガスを導入し、ガスを熱電子引出し電極13
および熱電子放出手段12に向けて噴出させ、反応ガス
導入室11内の真空度を1×10-2〜1×10-1Tor
rに調整する。そして、交流電源23から熱電子放出手
段12に電力を供給し、2000℃程度に加熱すること
により、熱電子の供給が可能な状態にする。次いで、直
流電源22から50〜800V程度の電圧を印加して、
熱電子引出し電極13の電位を熱電子放出手段12に対
して正方向にバイアスし、熱電子放出手段12から1〜
3A程度の電子を熱電子引出し電極13に向けて、図中
矢印のように照射させる。反応ガス導入室11内の炭化
水素系のガスは、この電子の照射、および加熱された熱
電子放出手段12への接触などにより、励起、解離、お
よびイオン化される。
2により真空槽1内を1×10-6Torr程度の真空度
に排気した後、図示しない基材温度調整機構により、基
材温度を100℃〜250℃に調整して、反応ガス導入
管14から反応ガス導入室11内へ反応性ガスである炭
化水素系のガスを導入し、ガスを熱電子引出し電極13
および熱電子放出手段12に向けて噴出させ、反応ガス
導入室11内の真空度を1×10-2〜1×10-1Tor
rに調整する。そして、交流電源23から熱電子放出手
段12に電力を供給し、2000℃程度に加熱すること
により、熱電子の供給が可能な状態にする。次いで、直
流電源22から50〜800V程度の電圧を印加して、
熱電子引出し電極13の電位を熱電子放出手段12に対
して正方向にバイアスし、熱電子放出手段12から1〜
3A程度の電子を熱電子引出し電極13に向けて、図中
矢印のように照射させる。反応ガス導入室11内の炭化
水素系のガスは、この電子の照射、および加熱された熱
電子放出手段12への接触などにより、励起、解離、お
よびイオン化される。
【0015】このとき、基材3および熱電子放出手段1
2にバイアス電圧を印加する。加速電極15の電位を基
準として、第1のバイアス手段20により基材3に印加
する電圧V1(t)、および第2のバイアス手段により
熱電子放出手段12に印加する電圧V2(t)のいくつ
かの例を図2〜図5に示す。V1(t)、V2(t)と
も電圧は±数kV以内、周波数は数十Hz〜数十kHz
とする。V2(t)が正のときは反応ガス導入室11か
らイオン(正電荷)を取り出すことができ、逆に、負の
ときは電子を取り出すことができる。したがって、正負
のバイアス電圧の大きさ、正負の電圧を与える時間の比
率を制御することにより、膜形成に関係する炭素イオ
ン、水素イオンの運動エネルギーおよびイオン量、ある
いは、基材3上のチャージアップを中和するための電子
の運動エネルギーおよび電子量を効率よく制御すること
ができる。ここでチャージアップについて説明する。D
LCは絶縁物であるため、成膜時にイオンにより正電荷
になるチャージアップ現象が生じる。電荷がたまると放
電し、膜面が荒らされる。これを抑制するために電子を
供給して帯電を中和し、膜の平坦度をよくするわけであ
る。
2にバイアス電圧を印加する。加速電極15の電位を基
準として、第1のバイアス手段20により基材3に印加
する電圧V1(t)、および第2のバイアス手段により
熱電子放出手段12に印加する電圧V2(t)のいくつ
かの例を図2〜図5に示す。V1(t)、V2(t)と
も電圧は±数kV以内、周波数は数十Hz〜数十kHz
とする。V2(t)が正のときは反応ガス導入室11か
らイオン(正電荷)を取り出すことができ、逆に、負の
ときは電子を取り出すことができる。したがって、正負
のバイアス電圧の大きさ、正負の電圧を与える時間の比
率を制御することにより、膜形成に関係する炭素イオ
ン、水素イオンの運動エネルギーおよびイオン量、ある
いは、基材3上のチャージアップを中和するための電子
の運動エネルギーおよび電子量を効率よく制御すること
ができる。ここでチャージアップについて説明する。D
LCは絶縁物であるため、成膜時にイオンにより正電荷
になるチャージアップ現象が生じる。電荷がたまると放
電し、膜面が荒らされる。これを抑制するために電子を
供給して帯電を中和し、膜の平坦度をよくするわけであ
る。
【0016】さらに、ガスイオン源10から引出された
イオン、電子が基材3へ入射する運動エネルギーおよび
量をV1(t)により効率よく制御できる。すなわち、
V1(t)が負のときはイオンにエネルギーを付与して
基材3へ入射することができ、逆に、正のときは電子を
供給することができるため、正負のバイアス電圧の大き
さ、正負の電圧を与える時間の比率を制御することによ
り、炭素イオン、水素イオン、電子の運動エネルギーお
よびそれらの量を制御することができる。また、V1
(t)とV2(t)の間で同期をとり、トータル的に
(V1(t)−V2(t))を制御することにより、炭
素イオン、水素イオン、電子の運動エネルギーおよびそ
れらの量を制御することができる。
イオン、電子が基材3へ入射する運動エネルギーおよび
量をV1(t)により効率よく制御できる。すなわち、
V1(t)が負のときはイオンにエネルギーを付与して
基材3へ入射することができ、逆に、正のときは電子を
供給することができるため、正負のバイアス電圧の大き
さ、正負の電圧を与える時間の比率を制御することによ
り、炭素イオン、水素イオン、電子の運動エネルギーお
よびそれらの量を制御することができる。また、V1
(t)とV2(t)の間で同期をとり、トータル的に
(V1(t)−V2(t))を制御することにより、炭
素イオン、水素イオン、電子の運動エネルギーおよびそ
れらの量を制御することができる。
【0017】図2の場合、V1(t)とV2(t)間で
同期をとり、ガスイオン源10から大量のイオンを引出
すとともに、基材3への入射時には薄膜形成に適したエ
ネルギーレベルに制御した場合を示している。まず、励
起電離状態の反応ガス導入室11内からイオンを大量に
取り出すために、図2(b)に示すようにV2(t)を
正方向に大きなバイアス電圧とすることにより、このバ
イアス電圧に比例してイオンを大量に引出すことができ
る。同時に、図2(a)に示すようにV1(t)を正方
向にバイアスすることにより、イオンを減速させ、トー
タル的には、つまり(V1(t)−V2(t))は図2
(c)に示すようになり、ガスイオン源10から引出さ
れたイオンの運動エネルギーを適切なレベルに制御し
て、基材3へ入射させる。なお、V2(t)が負の期間
はガスイオン源10から電子が引出され、(V1(t)
−V2(t))により基板3へ入射する。
同期をとり、ガスイオン源10から大量のイオンを引出
すとともに、基材3への入射時には薄膜形成に適したエ
ネルギーレベルに制御した場合を示している。まず、励
起電離状態の反応ガス導入室11内からイオンを大量に
取り出すために、図2(b)に示すようにV2(t)を
正方向に大きなバイアス電圧とすることにより、このバ
イアス電圧に比例してイオンを大量に引出すことができ
る。同時に、図2(a)に示すようにV1(t)を正方
向にバイアスすることにより、イオンを減速させ、トー
タル的には、つまり(V1(t)−V2(t))は図2
(c)に示すようになり、ガスイオン源10から引出さ
れたイオンの運動エネルギーを適切なレベルに制御し
て、基材3へ入射させる。なお、V2(t)が負の期間
はガスイオン源10から電子が引出され、(V1(t)
−V2(t))により基板3へ入射する。
【0018】図3は、基板3との薄膜の密着力を増すた
めに、基材3への注入などによりミキシング層を形成す
る場合、イオンスパッタをする場合などのように、イオ
ンの運動エネルギーを大きなエネルギーレベルにした場
合を示す。反応ガス導入室11からイオンを大量に引出
すために、図3(b)に示すようにV2(t)を正方向
に大きなバイアス電圧にする。同時に、同図(a)に示
すようにV1(t)を負のバイアス電圧にすることによ
り、さらにイオンにエネルギーを付与し、トータル的に
は同図(c)に(V1(t)−V2(t))として示す
ように大きな運動エネルギーをイオンに与えて、イオン
スパッタが可能なエネルギーレベルに制御し、基材3へ
入射する。
めに、基材3への注入などによりミキシング層を形成す
る場合、イオンスパッタをする場合などのように、イオ
ンの運動エネルギーを大きなエネルギーレベルにした場
合を示す。反応ガス導入室11からイオンを大量に引出
すために、図3(b)に示すようにV2(t)を正方向
に大きなバイアス電圧にする。同時に、同図(a)に示
すようにV1(t)を負のバイアス電圧にすることによ
り、さらにイオンにエネルギーを付与し、トータル的に
は同図(c)に(V1(t)−V2(t))として示す
ように大きな運動エネルギーをイオンに与えて、イオン
スパッタが可能なエネルギーレベルに制御し、基材3へ
入射する。
【0019】図4はV1(t)、V2(t)を交番電圧
とするが、両者を同期させて同じ大きさとし、トータル
として零にした場合である。この場合は、V2(t)が
正負に交番して、それぞれイオンと電子がガスイオン源
10から取り出されるが、V1(t)により減速され
て、イオンおよび電子が反応ガス導入室11内で有して
いた運動エネルギーにより、基材3へ入射する。図5は
図4の場合と類似であるが、(V1(t)−V2
(t))が一定の負電圧となるようにした場合であり、
イオンにエネルギーが与えられる。
とするが、両者を同期させて同じ大きさとし、トータル
として零にした場合である。この場合は、V2(t)が
正負に交番して、それぞれイオンと電子がガスイオン源
10から取り出されるが、V1(t)により減速され
て、イオンおよび電子が反応ガス導入室11内で有して
いた運動エネルギーにより、基材3へ入射する。図5は
図4の場合と類似であるが、(V1(t)−V2
(t))が一定の負電圧となるようにした場合であり、
イオンにエネルギーが与えられる。
【0020】なお、図2〜図5では矩形波と正弦波を示
したが、三角波など他の波形でもよい。以上のようにし
て得られたDLC薄膜のラマン分析結果を図6に示す。
図より、1550cm-1付近に主ピークを持ち、140
0cm-1付近にショルダーバンドを有する非対称なラマ
ンバンドが観察され、DLCの典型的なスペクトルを示
しており、高品質のDLC薄膜が形成されたことがわか
る。なお、比較のためにグラファイト薄膜のスペクトル
を並示した。
したが、三角波など他の波形でもよい。以上のようにし
て得られたDLC薄膜のラマン分析結果を図6に示す。
図より、1550cm-1付近に主ピークを持ち、140
0cm-1付近にショルダーバンドを有する非対称なラマ
ンバンドが観察され、DLCの典型的なスペクトルを示
しており、高品質のDLC薄膜が形成されたことがわか
る。なお、比較のためにグラファイト薄膜のスペクトル
を並示した。
【0021】なお、DLC薄膜を形成の前処理として、
基材3表面のクリーニング処理を行ってもよい。その場
合は、イオンクリーニングに適した、例えばアルゴンガ
スを反応ガス管14から反応ガス導入室11へ導入し、
反応ガス導入室11の真空度を1×10-2から1×10
-1Torrにする。そして熱電子放出手段12を作動さ
せ、熱電子引出し電極13に向けて電子を照射すること
により、上記ガスのイオン化を行い、第2のバイアス手
段21により、励起電離状態の反応ガス導入室11内か
らイオンを効率よく取り出し、第1のバイアス手段20
によりそのイオンの基材3へ入射する運動エネルギー、
量を制御する。この際、第1、第2のバイアス手段2
0、21のトータル電圧(V1(t)−V2(t))を
−0.5〜−3kV程度にすることにより、効果的にク
リーニング処理ができる。以上のクリーニング処理によ
り、基材3表面の水分、油脂成分、表面酸化物などの不
純物を除去することができ、基材3とDLC薄膜の密着
性が向上する。
基材3表面のクリーニング処理を行ってもよい。その場
合は、イオンクリーニングに適した、例えばアルゴンガ
スを反応ガス管14から反応ガス導入室11へ導入し、
反応ガス導入室11の真空度を1×10-2から1×10
-1Torrにする。そして熱電子放出手段12を作動さ
せ、熱電子引出し電極13に向けて電子を照射すること
により、上記ガスのイオン化を行い、第2のバイアス手
段21により、励起電離状態の反応ガス導入室11内か
らイオンを効率よく取り出し、第1のバイアス手段20
によりそのイオンの基材3へ入射する運動エネルギー、
量を制御する。この際、第1、第2のバイアス手段2
0、21のトータル電圧(V1(t)−V2(t))を
−0.5〜−3kV程度にすることにより、効果的にク
リーニング処理ができる。以上のクリーニング処理によ
り、基材3表面の水分、油脂成分、表面酸化物などの不
純物を除去することができ、基材3とDLC薄膜の密着
性が向上する。
【0022】実施の形態2.図7は、実施の形態2にお
いて、DLC成膜時に第1のバイアス手段20により基
材3へ印加するV1(t)の電圧波形を示す。装置の構
成など、図1の場合と同様の部分の説明は省略する。V
1(t)は直流あるいは半波整流もしくは全波整流され
た負の電圧であり、イオンにエネルギーを与えて、密着
性のよい、高硬度なDLC薄膜を得るものである。この
とき、V2(t)は、イオンあるいは電子をガスイオン
源10から取り出す電圧として、例えば図8(a)〜
(c)のいずれかに示す電圧とする。また、V1
(t)、V2(t)がいずれも直流ではなく、時間的に
変動する電圧の場合は、両者を同期させるのが好まし
い。
いて、DLC成膜時に第1のバイアス手段20により基
材3へ印加するV1(t)の電圧波形を示す。装置の構
成など、図1の場合と同様の部分の説明は省略する。V
1(t)は直流あるいは半波整流もしくは全波整流され
た負の電圧であり、イオンにエネルギーを与えて、密着
性のよい、高硬度なDLC薄膜を得るものである。この
とき、V2(t)は、イオンあるいは電子をガスイオン
源10から取り出す電圧として、例えば図8(a)〜
(c)のいずれかに示す電圧とする。また、V1
(t)、V2(t)がいずれも直流ではなく、時間的に
変動する電圧の場合は、両者を同期させるのが好まし
い。
【0023】実施の形態3.図9はDLC成膜時に、第
1のバイアス手段20により基材3へ印加するV1
(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様部分の説明
は省略する。同図(a)は正弦波を示し、(b)〜
(d)はこれを負側にバイアスした波形を示す。
(a)、(b)では電圧が正と負に交番し、(c)、
(d)では時間tにより変化する負電圧になっている。
ガスイオン源10から取り出したイオンに、電圧が負の
期間にエネルギーを与え、正の期間に電子にエネルギー
を与える。図10は図9の正弦波に代えて矩形波を用い
た場合を示し、図9の場合と同様の効果がある。なお、
これらの場合において、V2(t)は、イオンあるいは
電子をガスイオン源10から取り出す電圧として、例え
ば図8(b)あるいは(c)のような電圧とすればよ
い。
1のバイアス手段20により基材3へ印加するV1
(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様部分の説明
は省略する。同図(a)は正弦波を示し、(b)〜
(d)はこれを負側にバイアスした波形を示す。
(a)、(b)では電圧が正と負に交番し、(c)、
(d)では時間tにより変化する負電圧になっている。
ガスイオン源10から取り出したイオンに、電圧が負の
期間にエネルギーを与え、正の期間に電子にエネルギー
を与える。図10は図9の正弦波に代えて矩形波を用い
た場合を示し、図9の場合と同様の効果がある。なお、
これらの場合において、V2(t)は、イオンあるいは
電子をガスイオン源10から取り出す電圧として、例え
ば図8(b)あるいは(c)のような電圧とすればよ
い。
【0024】実施の形態4.図11は、DLC成膜時の
V1(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様部分の
説明は省略する。V1(t)の正の半波および負の半波
はともに正弦波の半波形状であるが、負の期間が正の期
間に比べて長くなっている。したがって、主としてイオ
ンにエネルギーを与えるとともに、チャージアップ対策
としての効果もある。図12は図11の正弦波に代えて
矩形波を用いた場合を示し、図11の場合と同様の効果
がある。なお、図11(a)、(b)および図12
(a)、(b)の場合、V2(t)はイオンあるいは電
子をガスイオン源10から取り出す電圧として、例えば
図8(b)、(c)あるいは図13(a)、(b)のい
ずれかに示す電圧を用い、また、図11(c)、(d)
および図12(c)、(d)の場合、V2(t)は例え
ば図14(a)または(b)に示す電圧を用いればよ
い。
V1(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様部分の
説明は省略する。V1(t)の正の半波および負の半波
はともに正弦波の半波形状であるが、負の期間が正の期
間に比べて長くなっている。したがって、主としてイオ
ンにエネルギーを与えるとともに、チャージアップ対策
としての効果もある。図12は図11の正弦波に代えて
矩形波を用いた場合を示し、図11の場合と同様の効果
がある。なお、図11(a)、(b)および図12
(a)、(b)の場合、V2(t)はイオンあるいは電
子をガスイオン源10から取り出す電圧として、例えば
図8(b)、(c)あるいは図13(a)、(b)のい
ずれかに示す電圧を用い、また、図11(c)、(d)
および図12(c)、(d)の場合、V2(t)は例え
ば図14(a)または(b)に示す電圧を用いればよ
い。
【0025】実施の形態5.図15は、DLC成膜時の
V1(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様の部分
の説明は省略する。V1(t)の正の半波および負の半
波はともに正弦波の半波形状であるが、図11とは逆
に、正の期間が負の期間に比べて長くなっている。した
がって、主として基材3に電子を供給できるため、チャ
ージアップ対策を十分に行うことができるとともに、イ
オンにもエネルギーを与えることができる。図16は図
15の正弦波に代えて矩形波を用いた場合を示し、図1
5の場合と同様の効果がある。なお、図15(a)、
(b)および図16(a)、(b)の場合、V2(t)
はイオンあるいは電子をガスイオン源10から取り出す
電圧として、例えば図17(a)〜(d)のいずれかに
示す電圧を用い、また、図15(c)、(d)および図
16(c)、(d)の場合、V2(t)は例えば図18
(a)または(b)に示す電圧を用いればよい。また、
図7〜図18に正弦波状あるいは矩形波状の波形を示し
たが、三角波など他の波形でもよい。
V1(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様の部分
の説明は省略する。V1(t)の正の半波および負の半
波はともに正弦波の半波形状であるが、図11とは逆
に、正の期間が負の期間に比べて長くなっている。した
がって、主として基材3に電子を供給できるため、チャ
ージアップ対策を十分に行うことができるとともに、イ
オンにもエネルギーを与えることができる。図16は図
15の正弦波に代えて矩形波を用いた場合を示し、図1
5の場合と同様の効果がある。なお、図15(a)、
(b)および図16(a)、(b)の場合、V2(t)
はイオンあるいは電子をガスイオン源10から取り出す
電圧として、例えば図17(a)〜(d)のいずれかに
示す電圧を用い、また、図15(c)、(d)および図
16(c)、(d)の場合、V2(t)は例えば図18
(a)または(b)に示す電圧を用いればよい。また、
図7〜図18に正弦波状あるいは矩形波状の波形を示し
たが、三角波など他の波形でもよい。
【0026】実施の形態6.図19は実施の形態6を示
すDLC薄膜形成装置の断面図である。図1と比べて、
第1のバイアス手段(20)が設けられておらず、基材
3の電位が加速電極15と同電位になっている。その他
については図1の場合と同様であるので説明を省略す
る。この実施の形態においては、DLC薄膜形成時に、
基材3へ入射するイオンおよび電子のエネルギーは第2
のバイアス手段21のみにより制御されるので、操作が
単純になるとともに、装置が簡略化される。
すDLC薄膜形成装置の断面図である。図1と比べて、
第1のバイアス手段(20)が設けられておらず、基材
3の電位が加速電極15と同電位になっている。その他
については図1の場合と同様であるので説明を省略す
る。この実施の形態においては、DLC薄膜形成時に、
基材3へ入射するイオンおよび電子のエネルギーは第2
のバイアス手段21のみにより制御されるので、操作が
単純になるとともに、装置が簡略化される。
【0027】実施の形態7.図20は、DLC成膜時
に、第2のバイアス手段21により熱電子放出手段12
へ印加するV2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と
同様の部分の説明は省略する。V2(t)は直流あるい
は半波整流もしくは全波整流された正の電圧であり、ガ
スイオン源から効率よくイオンを引出すことができると
ともに、イオンにエネルギーを与えることができる。な
お、これらの場合において、V1(t)はイオンにエネ
ルギーを与える電圧として、例えば図21(a)〜
(c)のいずれかの波形の電圧を用いる。
に、第2のバイアス手段21により熱電子放出手段12
へ印加するV2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と
同様の部分の説明は省略する。V2(t)は直流あるい
は半波整流もしくは全波整流された正の電圧であり、ガ
スイオン源から効率よくイオンを引出すことができると
ともに、イオンにエネルギーを与えることができる。な
お、これらの場合において、V1(t)はイオンにエネ
ルギーを与える電圧として、例えば図21(a)〜
(c)のいずれかの波形の電圧を用いる。
【0028】実施の形態8.図22は、DLC成膜時の
V2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様部分の
説明は省略する。同図(a)は正弦波を示し、(b)〜
(d)はこれを正側にバイアスした波形を示す。
(a)、(b)では電圧が正と負に交番し、(c)、
(d)では時間tにより変化する正電圧になっている。
電圧が正の期間にガスイオン源10からイオンを取り出
し、負の期間に電子を取り出す。図23は図22の正弦
波に代えて矩形波を用いた場合を示し、図22の場合と
同様の効果がある。なお、これらの場合において、V1
(t)はイオンあるいは電子にエネルギーを与える電圧
として、例えば図24(a)または(b)に示す電圧と
する。
V2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様部分の
説明は省略する。同図(a)は正弦波を示し、(b)〜
(d)はこれを正側にバイアスした波形を示す。
(a)、(b)では電圧が正と負に交番し、(c)、
(d)では時間tにより変化する正電圧になっている。
電圧が正の期間にガスイオン源10からイオンを取り出
し、負の期間に電子を取り出す。図23は図22の正弦
波に代えて矩形波を用いた場合を示し、図22の場合と
同様の効果がある。なお、これらの場合において、V1
(t)はイオンあるいは電子にエネルギーを与える電圧
として、例えば図24(a)または(b)に示す電圧と
する。
【0029】実施の形態9.図25は、DLC成膜時の
V2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様の部分
の説明は省略する。V2(t)の正の半波および負の半
波はともに正弦波の半波形状であるが、正の期間が負の
期間に比べて長くなっている。したがって、主としてイ
オンにエネルギーを与えてガスイオン源10から取り出
すとともに、電子も供給できる。図26は図25の正弦
波に代えて矩形波を用いた場合を示し、図25の場合と
同様の効果がある。なお、図25(a)、(b)および
図26(a)、(b)の場合、V1(t)はイオンある
いは電子にエネルギーを与える電圧として、例えば図2
1(b)、(c)あるいは図27(a)、(b)のいず
れかに示す電圧を用い、また、図25(c)、(d)お
よび図26(c)、(d)の場合、V1(t)は例えば
図28(a)または(b)に示す電圧を用いればよい。
V2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様の部分
の説明は省略する。V2(t)の正の半波および負の半
波はともに正弦波の半波形状であるが、正の期間が負の
期間に比べて長くなっている。したがって、主としてイ
オンにエネルギーを与えてガスイオン源10から取り出
すとともに、電子も供給できる。図26は図25の正弦
波に代えて矩形波を用いた場合を示し、図25の場合と
同様の効果がある。なお、図25(a)、(b)および
図26(a)、(b)の場合、V1(t)はイオンある
いは電子にエネルギーを与える電圧として、例えば図2
1(b)、(c)あるいは図27(a)、(b)のいず
れかに示す電圧を用い、また、図25(c)、(d)お
よび図26(c)、(d)の場合、V1(t)は例えば
図28(a)または(b)に示す電圧を用いればよい。
【0030】実施の形態10.図29は、DLC成膜時
のV2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様の部
分は説明を省略する。V2(t)の正の半波および負の
半波はともに正弦波の半波形状であるが、図25とは逆
に、負の期間が正の期間よりも長くなっている。したが
って、ガスイオン源10から、主として電子を供給して
チャージアップ対策を十分に行うことができ、勿論イオ
ンも供給できる。図30は図29の正弦波に代えて矩形
波を用いた場合を示し、図29の場合と同様の効果があ
る。
のV2(t)の電圧波形を示す。図1の場合と同様の部
分は説明を省略する。V2(t)の正の半波および負の
半波はともに正弦波の半波形状であるが、図25とは逆
に、負の期間が正の期間よりも長くなっている。したが
って、ガスイオン源10から、主として電子を供給して
チャージアップ対策を十分に行うことができ、勿論イオ
ンも供給できる。図30は図29の正弦波に代えて矩形
波を用いた場合を示し、図29の場合と同様の効果があ
る。
【0031】なお、図29(a)、(b)および図30
(a)、(b)の場合、V1(t)はイオンあるいは電
子にエネルギーを与える電圧として、例えば図24
(a)、(b)あるいは図31(a)、(b)のいずれ
かに示す電圧を用い、また、図29(c)、(d)およ
び図30(c)、(d)の場合、V1(t)は例えば図
32(a)または(b)に示す電圧を用いればよい。ま
た、図20〜図31に正弦波状あるいは矩形波状の波形
を示したが、三角波など他の波形としてもよい。
(a)、(b)の場合、V1(t)はイオンあるいは電
子にエネルギーを与える電圧として、例えば図24
(a)、(b)あるいは図31(a)、(b)のいずれ
かに示す電圧を用い、また、図29(c)、(d)およ
び図30(c)、(d)の場合、V1(t)は例えば図
32(a)または(b)に示す電圧を用いればよい。ま
た、図20〜図31に正弦波状あるいは矩形波状の波形
を示したが、三角波など他の波形としてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明によるDLC薄
膜形成装置は、加速電極に対して基材に電圧を印加する
第1のバイアス手段と、熱電子放出手段に電圧を印加す
る第2のバイアス手段とを備え、それぞれ時間の関数と
して電圧を印加できるよう構成したので、これら第1、
第2のバイアス手段による電圧を制御することにより、
イオンにエネルギーを与えたり、あるいはチャージアッ
プ対策として電子を基材に供給したり、また、それらの
度合いを制御できるため、密着性が良く、高硬度で、平
坦性のよい高品質のDLC薄膜が形成できる効果があ
る。
膜形成装置は、加速電極に対して基材に電圧を印加する
第1のバイアス手段と、熱電子放出手段に電圧を印加す
る第2のバイアス手段とを備え、それぞれ時間の関数と
して電圧を印加できるよう構成したので、これら第1、
第2のバイアス手段による電圧を制御することにより、
イオンにエネルギーを与えたり、あるいはチャージアッ
プ対策として電子を基材に供給したり、また、それらの
度合いを制御できるため、密着性が良く、高硬度で、平
坦性のよい高品質のDLC薄膜が形成できる効果があ
る。
【0033】さらに第1のバイアス手段で基材に負電圧
を印加することにより、イオンにエネルギーを与え、密
着性のよい、高硬度のDLC薄膜が得られる。また、第
1のバイアス手段の電圧を正負に交番する電圧にするこ
とにより、イオンにエネルギーを与えたり、基材に電子
を供給してチャージアップを中和したりすることができ
る。
を印加することにより、イオンにエネルギーを与え、密
着性のよい、高硬度のDLC薄膜が得られる。また、第
1のバイアス手段の電圧を正負に交番する電圧にするこ
とにより、イオンにエネルギーを与えたり、基材に電子
を供給してチャージアップを中和したりすることができ
る。
【0034】また、第2のバイアス手段で熱電子放出手
段に正電荷を印加することにより、イオンにエネルギー
を与えるとともにガスイオン源からイオンを効率よく引
出すことができる。また、第2のバイアス手段の電圧を
正負に交番する電圧にすることにより、イオンにエネル
ギーを与えたり、ガスイオン源から電子を供給したりす
ることができる。
段に正電荷を印加することにより、イオンにエネルギー
を与えるとともにガスイオン源からイオンを効率よく引
出すことができる。また、第2のバイアス手段の電圧を
正負に交番する電圧にすることにより、イオンにエネル
ギーを与えたり、ガスイオン源から電子を供給したりす
ることができる。
【0035】さらに、第1のバイアス手段による正負交
番電圧の負の時間を正の時間よりも長くすることによ
り、主としてイオンにエネルギーを与えることができ、
逆に、正の時間を長くすることにより、主として電子を
基材に供給できる。また、第2のバイアス手段による正
負交番電圧の正の時間を負の時間よりも長くすることに
より、主としてイオンにエネルギーを与えることがで
き、逆に、負の時間を長くすることにより、主として電
子をイオン源から供給できる。
番電圧の負の時間を正の時間よりも長くすることによ
り、主としてイオンにエネルギーを与えることができ、
逆に、正の時間を長くすることにより、主として電子を
基材に供給できる。また、第2のバイアス手段による正
負交番電圧の正の時間を負の時間よりも長くすることに
より、主としてイオンにエネルギーを与えることがで
き、逆に、負の時間を長くすることにより、主として電
子をイオン源から供給できる。
【0036】また、第1、第2のバイアス手段の電圧を
互いに同期させることにより両電圧トータルの電圧とし
て制御することができ、イオンに与えるエネルギーおよ
び基材に供給する電子量などを制御できる。また、基材
の電位を加速電位と同電位にすることにより、装置を比
較的簡略にすることができる。
互いに同期させることにより両電圧トータルの電圧とし
て制御することができ、イオンに与えるエネルギーおよ
び基材に供給する電子量などを制御できる。また、基材
の電位を加速電位と同電位にすることにより、装置を比
較的簡略にすることができる。
【図1】 この発明の実施の形態1を示すDLC薄膜形
成装置の断面図である。
成装置の断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における第1、第2
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における第1、第2
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における第1、第2
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における第1、第2
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
のバイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図6】 薄膜のラマン分析結果を示すラマンスペクト
ル図である。
ル図である。
【図7】 この発明の実施の形態2における第1のバイ
アス手段による電圧を示す波形図である。
アス手段による電圧を示す波形図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における第2のバイ
アス手段による電圧を示す波形図である。
アス手段による電圧を示す波形図である。
【図9】 この発明の実施の形態3における第1のバイ
アス手段による電圧を示す波形図である。
アス手段による電圧を示す波形図である。
【図10】 この発明の実施の形態3における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図11】 この発明の実施の形態4における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図12】 この発明の実施の形態4における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図13】 この発明の実施の形態4における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図14】 この発明の実施の形態4における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図15】 この発明の実施の形態5における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図16】 この発明の実施の形態5における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図17】 この発明の実施の形態5における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図18】 この発明の実施の形態5における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図19】 この発明の実施の形態6を示すDLC薄膜
形成装置の断面図である。
形成装置の断面図である。
【図20】 この発明の実施の形態7における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図21】 この発明の実施の形態7における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図22】 この発明の実施の形態8における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図23】 この発明の実施の形態8における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図24】 この発明の実施の形態8における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図25】 この発明の実施の形態9における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図26】 この発明の実施の形態9における第2のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図27】 この発明の実施の形態9における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図28】 この発明の実施の形態9における第1のバ
イアス手段による電圧を示す波形図である。
イアス手段による電圧を示す波形図である。
【図29】 この発明の実施の形態10における第2の
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図30】 この発明の実施の形態10における第2の
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図31】 この発明の実施の形態10における第1の
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図32】 この発明の実施の形態10における第1の
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
バイアス手段による電圧を示す波形図である。
【図33】 従来のDLC薄膜形成装置の断面図であ
る。
る。
1 真空槽、3 基材、10 ガスイオン源、11 反
応ガス導入室、12 熱電子放出手段、13 熱電子引
出し電極、15 加速電極、20 第1のバイアス手
段、21 第2のバイアス手段。
応ガス導入室、12 熱電子放出手段、13 熱電子引
出し電極、15 加速電極、20 第1のバイアス手
段、21 第2のバイアス手段。
Claims (9)
- 【請求項1】 基材にダイヤモンドライクカーボン薄膜
を形成する薄膜形成装置において、内部を所定の真空度
に保持して上記基材を収容する真空槽と、上記基材に対
向して設けられ、解離された炭素と炭素イオン、および
解離された水素と水素イオンを発生させるガスイオン源
とを備え、このガスイオン源は、上記基材に向かってオ
リフィスが設けられ、かつガスが導入される反応ガス導
入室と、この反応ガス導入室内に設けられて熱電子を放
出する熱電子放出手段と、この熱電子放出手段から熱電
子を引出す熱電子引出し電極と、上記反応ガス導入室の
外側に設けられ、上記基材に向けて上記イオンを加速す
る加速電極とからなり、この加速電極に対して上記基材
に時間の関数として電圧を印加できる第1のバイアス手
段と、上記加速電極に対して上記熱電子放出手段に時間
の関数として電圧を印加できる第2のバイアス手段とを
備えたことを特徴とするダイヤモンドライクカーボン薄
膜形成装置。 - 【請求項2】 第1のバイアス手段により、加速電極に
対して基材に印加する電圧は、直流あるいは時間的に変
化する負電圧であることを特徴とする請求項1記載のダ
イヤモンドライクカーボン薄膜形成装置。 - 【請求項3】 第1のバイアス手段により、加速電極に
対して基材に印加する電圧は、正と負に交番する電圧で
あることを特徴とする請求項1記載のダイヤモンドライ
クカーボン薄膜形成装置。 - 【請求項4】 第2のバイアス手段により、加速電極に
対して熱電子放出手段に印加する電圧は、直流あるいは
時間的に変化する正電圧であることを特徴とする請求項
1記載のダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置。 - 【請求項5】 第2のバイアス手段により、加速電極に
対して熱電子放出手段に印加する電圧は、正と負に交番
する電圧であることを特徴とする請求項1記載のダイヤ
モンドライクカーボン薄膜形成装置。 - 【請求項6】 正と負に交番する電圧は、負の時間が正
の時間よりも長いことを特徴とする請求項3または請求
項5記載のダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置。 - 【請求項7】 正と負に交番する電圧は、正の時間が負
の時間よりも長いことを特徴とする請求項3または請求
項5記載のダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置。 - 【請求項8】 第1のバイアス手段により、加速電極に
対して基材に印加する電圧と、第2のバイアス手段によ
り、加速電極に対して熱電子放出手段に印加する電圧と
は、互いに同期した電圧であることを特徴とする請求項
1記載のダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置。 - 【請求項9】 基材にダイヤモンドライクカーボン薄膜
を形成する薄膜形成装置において、内部を所定の真空度
に保持して上記基材を収容する真空槽と、上記基材に対
向して設けられ、解離された炭素と炭素イオン、および
解離された水素と水素イオンを発生させるガスイオン源
とを備え、このガスイオン源は、上記基材に向かってオ
リフィスが設けられ、かつガスが導入される反応ガス導
入室と、この反応ガス導入室内に設けられて熱電子を放
出する熱電子放出手段と、この熱電子放出手段から熱電
子を引出す熱電子引出し電極と、上記反応ガス導入室の
外側に設けられ、上記基材に向けて上記イオンを加速す
る加速電極とからなり、上記加速電極に対して上記熱電
子放出手段に時間の関数として電圧を印加できるバイア
ス手段を備えるとともに、上記基材の電位を上記加速電
極と同電位にしたことを特徴とするダイヤモンドライク
カーボン薄膜形成装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23055096A JPH1072286A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置 |
| KR1019970043101A KR19980019178A (ko) | 1996-08-30 | 1997-08-29 | 다이아몬드 라이크 카본 박막 형성장치 및 형성방법 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23055096A JPH1072286A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1072286A true JPH1072286A (ja) | 1998-03-17 |
Family
ID=16909524
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23055096A Pending JPH1072286A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ダイヤモンドライクカーボン薄膜形成装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1072286A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000044033A1 (en) * | 1999-01-22 | 2000-07-27 | Sony Corporation | Method and apparatus for film deposition |
| CN116043185A (zh) * | 2021-10-28 | 2023-05-02 | 东莞新科技术研究开发有限公司 | 一种金属基板的镀膜方法 |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP23055096A patent/JPH1072286A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000044033A1 (en) * | 1999-01-22 | 2000-07-27 | Sony Corporation | Method and apparatus for film deposition |
| US7011866B1 (en) | 1999-01-22 | 2006-03-14 | Sony Corporation | Method and apparatus for film deposition |
| CN116043185A (zh) * | 2021-10-28 | 2023-05-02 | 东莞新科技术研究开发有限公司 | 一种金属基板的镀膜方法 |
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