JPH1076352A - NiまたはFe−Ni合金薄板の連続鋳造方法 - Google Patents
NiまたはFe−Ni合金薄板の連続鋳造方法Info
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- JPH1076352A JPH1076352A JP23430796A JP23430796A JPH1076352A JP H1076352 A JPH1076352 A JP H1076352A JP 23430796 A JP23430796 A JP 23430796A JP 23430796 A JP23430796 A JP 23430796A JP H1076352 A JPH1076352 A JP H1076352A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】表面性状および形状が良好なNiまたはFe−
Ni合金薄板の連続鋳造方法を提供する。 【解決手段】表面が金属質の上ロール1と表面がセラミ
ックス質の下ロール2との上下2本の冷却ロールを配置
した双ロール横注ぎ連続鋳造装置を用い、Fe:0〜6
5%のNiまたはFe−Ni合金溶湯をロール間に供給
し、上ロールと接する溶湯表面に対してHe含有率が3
0vol%以上の雰囲気ガスを供給しながら20〜50
m/minの鋳造速度で前記NiまたはFe−Ni合金
薄板を鋳造する方法。
Ni合金薄板の連続鋳造方法を提供する。 【解決手段】表面が金属質の上ロール1と表面がセラミ
ックス質の下ロール2との上下2本の冷却ロールを配置
した双ロール横注ぎ連続鋳造装置を用い、Fe:0〜6
5%のNiまたはFe−Ni合金溶湯をロール間に供給
し、上ロールと接する溶湯表面に対してHe含有率が3
0vol%以上の雰囲気ガスを供給しながら20〜50
m/minの鋳造速度で前記NiまたはFe−Ni合金
薄板を鋳造する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、双ロール横注ぎ連
続鋳造装置により、NiまたはFe−Ni合金溶湯から
直接薄板を鋳造する方法に関する。
続鋳造装置により、NiまたはFe−Ni合金溶湯から
直接薄板を鋳造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】双ロールを用いる薄板連続鋳造方法に
は、熱延工程を省略することができるため、従来の連続
鋳造方法に比べて製造コストを低減することができると
いうメリットがあり、種々の方法が提案されている。
は、熱延工程を省略することができるため、従来の連続
鋳造方法に比べて製造コストを低減することができると
いうメリットがあり、種々の方法が提案されている。
【0003】双ロール法は、2本のロールの配置および
ロール間への給湯方向により、2本のロールを横方向に
配置しロールの上部から給湯する双ロール上注ぎ法(2
本のロール配置が水平方向に対して傾斜した斜め上注ぎ
法を含む)および2本のロールを縦方向に配置し横方向
から給湯する双ロール横注ぎ法(2本のロール配置が垂
直方向に対して傾斜した斜め横注ぎ法を含む)などに分
類される。
ロール間への給湯方向により、2本のロールを横方向に
配置しロールの上部から給湯する双ロール上注ぎ法(2
本のロール配置が水平方向に対して傾斜した斜め上注ぎ
法を含む)および2本のロールを縦方向に配置し横方向
から給湯する双ロール横注ぎ法(2本のロール配置が垂
直方向に対して傾斜した斜め横注ぎ法を含む)などに分
類される。
【0004】横注ぎ法は、下記〜のような特徴を有
する。
する。
【0005】タンディッシュと接続したノズルから横
方向に給湯するために、タンディッシュ内の湯面制御が
容易であり、広幅の均一給湯が可能である。また、溶湯
ヘッドが小さいため、操業が容易である。
方向に給湯するために、タンディッシュ内の湯面制御が
容易であり、広幅の均一給湯が可能である。また、溶湯
ヘッドが小さいため、操業が容易である。
【0006】設備の高さが低い。
【0007】薄板の搬送が水平方向であるために、薄
板の自重による負荷応力が小さい。したがって、高温強
度の低い材料を、薄板の割れや破断なしに安定して鋳造
することができる。
板の自重による負荷応力が小さい。したがって、高温強
度の低い材料を、薄板の割れや破断なしに安定して鋳造
することができる。
【0008】双ロールを用いる薄板連続鋳造方法では、
従来の方法に比べて鋳造後の下工程の圧延率が小さいた
め、板厚変動および表面性状について高度の品質が要求
される。このため、良質な薄板の製造方法や製造装置、
特に薄板品質に重要な影響を及ぼすロール表面について
は、材質および表面性状などが種々検討されている。た
とえば、本発明者らは、表面性状に優れた薄板を得るた
めの下記のような薄板連続鋳造用ロールを提案した。
従来の方法に比べて鋳造後の下工程の圧延率が小さいた
め、板厚変動および表面性状について高度の品質が要求
される。このため、良質な薄板の製造方法や製造装置、
特に薄板品質に重要な影響を及ぼすロール表面について
は、材質および表面性状などが種々検討されている。た
とえば、本発明者らは、表面性状に優れた薄板を得るた
めの下記のような薄板連続鋳造用ロールを提案した。
【0009】特開平8−150442号公報のロール
は、その表面は下層めっき層と表層めっき層の2層構
造、下層めっき層は厚さ10〜50μmのNi系合金、
表層めっき層は厚さ5〜30μmのCrからなり、めっ
き層の平均表面粗さが3〜15μmのものである。「鉄
と鋼」(Vol.71,No.10,A245-248,1985)には上ロールと
して軟鋼を、下ロールとしてステンレス鋼を、それぞれ
用いる異径双ロールによる横注ぎ法が示されている。
は、その表面は下層めっき層と表層めっき層の2層構
造、下層めっき層は厚さ10〜50μmのNi系合金、
表層めっき層は厚さ5〜30μmのCrからなり、めっ
き層の平均表面粗さが3〜15μmのものである。「鉄
と鋼」(Vol.71,No.10,A245-248,1985)には上ロールと
して軟鋼を、下ロールとしてステンレス鋼を、それぞれ
用いる異径双ロールによる横注ぎ法が示されている。
【0010】薄板の表面性状を改善するための方法とし
て、下記のような双ロール式連続鋳造方法が提案されて
いる。
て、下記のような双ロール式連続鋳造方法が提案されて
いる。
【0011】特開平4−4954号公報の方法は、雰囲
気ガスの種類、溶鋼成分および鋳造速度を適正に組合わ
せて、しわ疵の少ないオーステナイト系ステンレス鋼の
薄板を製造するものである。
気ガスの種類、溶鋼成分および鋳造速度を適正に組合わ
せて、しわ疵の少ないオーステナイト系ステンレス鋼の
薄板を製造するものである。
【0012】特開平4−187346号公報の方法は、
ロール間に供給した溶融金属の表面に対して吸収性ガス
の含有率が60vol%以上の雰囲気ガスを供給するこ
とにより、割れや凹凸などのない優れた表面性状の薄板
を製造するものである。
ロール間に供給した溶融金属の表面に対して吸収性ガス
の含有率が60vol%以上の雰囲気ガスを供給するこ
とにより、割れや凹凸などのない優れた表面性状の薄板
を製造するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記双ロ
ール横注ぎ法の特徴を生かすべく、NiまたはFe−N
i合金(以下、合金という)を対象として、この方法に
よる薄板品質の改善方法について研究開発を進めてき
た。その結果、合金では、前記出願に示されるような冷
却ロールを横注ぎ法に適用しても、なお、次の1)およ
び2)のような問題点、さらに上記特開平4−4954
号公報または特開平4−187346号公報の方法を横
注ぎ法に適用しても、次の3)および4)のような問題
点があることがわかった。
ール横注ぎ法の特徴を生かすべく、NiまたはFe−N
i合金(以下、合金という)を対象として、この方法に
よる薄板品質の改善方法について研究開発を進めてき
た。その結果、合金では、前記出願に示されるような冷
却ロールを横注ぎ法に適用しても、なお、次の1)およ
び2)のような問題点、さらに上記特開平4−4954
号公報または特開平4−187346号公報の方法を横
注ぎ法に適用しても、次の3)および4)のような問題
点があることがわかった。
【0014】1)2本のロールの冷却条件、すなわちN
iまたはFe−Ni合金溶湯(以下、溶湯という)の接
触時間、ロール形状、表面性状および冷却水流量などの
条件を同一にしても、各ロール表面で生成する凝固シェ
ルの成長速度に違いが生じる。
iまたはFe−Ni合金溶湯(以下、溶湯という)の接
触時間、ロール形状、表面性状および冷却水流量などの
条件を同一にしても、各ロール表面で生成する凝固シェ
ルの成長速度に違いが生じる。
【0015】2)下ロールは上ロールに比べて摩耗が激
しい。
しい。
【0016】3)NiまたはFe−Ni合金薄板(以
下、薄板という)の上面側にしわ疵と称する欠陥が生じ
る。
下、薄板という)の上面側にしわ疵と称する欠陥が生じ
る。
【0017】4)薄板の上面側に波状の凹凸が生じる。
【0018】本発明は、前記1)〜4)の問題点を解決
するためになされたものである。本発明の目的は、特定
の表面条件の上下ロールを備えた双ロール横注ぎ薄板連
続鋳造装置を用いて、上下両面で均等な組織を有し、表
面性状が良好な薄板を長時間安定して製造することがで
きる連続鋳造方法を提供することにある。
するためになされたものである。本発明の目的は、特定
の表面条件の上下ロールを備えた双ロール横注ぎ薄板連
続鋳造装置を用いて、上下両面で均等な組織を有し、表
面性状が良好な薄板を長時間安定して製造することがで
きる連続鋳造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のNiまた
はFe−Ni合金薄板の連続鋳造方法を要旨とする。
はFe−Ni合金薄板の連続鋳造方法を要旨とする。
【0020】表面が金属質の上ロールと表面がセラミッ
クス質の下ロールとの上下2本の冷却ロールを有する双
ロール横注ぎ連続鋳造装置を用いて、Fe:0〜65w
t%を含有し、残部が実質的にNiのNiまたはFe−
Ni合金溶湯を前記の上下ロール間に供給し、上ロール
と接する前記のNiまたはFe−Ni合金溶湯表面に対
してHeの含有率が30vol%以上の雰囲気ガスを供
給しながら、20〜50m/minの鋳造速度で鋳造す
ることを特徴とするNiまたはFe−Ni合金薄板の連
続鋳造方法。
クス質の下ロールとの上下2本の冷却ロールを有する双
ロール横注ぎ連続鋳造装置を用いて、Fe:0〜65w
t%を含有し、残部が実質的にNiのNiまたはFe−
Ni合金溶湯を前記の上下ロール間に供給し、上ロール
と接する前記のNiまたはFe−Ni合金溶湯表面に対
してHeの含有率が30vol%以上の雰囲気ガスを供
給しながら、20〜50m/minの鋳造速度で鋳造す
ることを特徴とするNiまたはFe−Ni合金薄板の連
続鋳造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】図1および図2に基づいて、本発
明方法を実施するための装置の構成例を説明する。
明方法を実施するための装置の構成例を説明する。
【0022】図1は、本発明方法で用いる双ロール横注
ぎ薄板連続鋳造装置(同径ロール、水平横注ぎ)を示す
側面方向の概略縦断面図である。この装置は、上ロール
1、下ロール2、耐火物製ノズル7、タンディッシュ8
および雰囲気ガス9を上ロール1と接する溶湯6の表
面、すなわち溶湯6と上ロール1との接触開始点10に
対して供給する雰囲気ガス供給手段11を備えている。
ぎ薄板連続鋳造装置(同径ロール、水平横注ぎ)を示す
側面方向の概略縦断面図である。この装置は、上ロール
1、下ロール2、耐火物製ノズル7、タンディッシュ8
および雰囲気ガス9を上ロール1と接する溶湯6の表
面、すなわち溶湯6と上ロール1との接触開始点10に
対して供給する雰囲気ガス供給手段11を備えている。
【0023】この場合、上ロール1および下ロール2は
同径、いずれも軸方向は水平、これらの上下方向の配置
は垂直縦方向である。上ロール1と接する溶湯6の表面
(接触開始点10)に供給される雰囲気ガス9により、
タンディッシュ8内の溶湯6の表面全体もシールされ、
かつ溶湯6の下面および側面は下ロール2と接する耐火
物製ノズル7によりシールされている。
同径、いずれも軸方向は水平、これらの上下方向の配置
は垂直縦方向である。上ロール1と接する溶湯6の表面
(接触開始点10)に供給される雰囲気ガス9により、
タンディッシュ8内の溶湯6の表面全体もシールされ、
かつ溶湯6の下面および側面は下ロール2と接する耐火
物製ノズル7によりシールされている。
【0024】タンディッシュ8内の溶湯6は、下ロール
2と摺動して溶湯6のシール機能も有する耐火物製ノズ
ル7により、回転する上ロール1と同下ロール2との間
に供給され、冷却および圧接されて薄板5となる。
2と摺動して溶湯6のシール機能も有する耐火物製ノズ
ル7により、回転する上ロール1と同下ロール2との間
に供給され、冷却および圧接されて薄板5となる。
【0025】図2は、本発明方法で用いる双ロール横注
ぎ薄板連続鋳造装置(異径ロール、斜め横注ぎ)を示す
側面方向の概略縦断面図である。この装置の構成および
薄板5の製造過程は図1の場合と同じであるが、この場
合上ロール1の径は下ロール2の径よりも小さい異径で
ある。これらの配置方向は、図示のとおり垂直方向に対
して斜め縦方向に傾斜している。
ぎ薄板連続鋳造装置(異径ロール、斜め横注ぎ)を示す
側面方向の概略縦断面図である。この装置の構成および
薄板5の製造過程は図1の場合と同じであるが、この場
合上ロール1の径は下ロール2の径よりも小さい異径で
ある。これらの配置方向は、図示のとおり垂直方向に対
して斜め縦方向に傾斜している。
【0026】図1および図2において、符号5Uは薄板
5の上面、符号5Lは同じく下面である。
5の上面、符号5Lは同じく下面である。
【0027】本発明方法で用いる装置は、上記のような
双ロール横注ぎ連続鋳造装置において、さらに上ロール
1にはその表面3が金属質のもの、下ロール2にはその
表面4がセラミックス質のものを備えている。
双ロール横注ぎ連続鋳造装置において、さらに上ロール
1にはその表面3が金属質のもの、下ロール2にはその
表面4がセラミックス質のものを備えている。
【0028】本発明方法は、Fe:0〜65wt%を含
有し、残部が実質的にNiの溶湯、即ち純NiまたはF
e−Ni合金の溶湯6を上記の上下ロール1,2間に供
給し、上ロール1と接する溶湯6の表面に対してHeの
含有率が30vol%以上の雰囲気ガス9を供給しなが
ら、20〜50m/minの鋳造速度でNiまたはFe
−Ni合金薄板5を鋳造するものである。
有し、残部が実質的にNiの溶湯、即ち純NiまたはF
e−Ni合金の溶湯6を上記の上下ロール1,2間に供
給し、上ロール1と接する溶湯6の表面に対してHeの
含有率が30vol%以上の雰囲気ガス9を供給しなが
ら、20〜50m/minの鋳造速度でNiまたはFe
−Ni合金薄板5を鋳造するものである。
【0029】横注ぎ法においては、上ロール1の表面が
金属質および下ロール2の表面がセラミックス質のロー
ルが最適であり、これらを組合せて使用し、雰囲気ガス
および鋳造速度条件を適切に選択することにより、上下
面5U、5L に凝固組織の粗さの差がなく、表面性状
に優れた薄板5を長時間安定して製造することが可能で
ある。以下にその作用を説明する。
金属質および下ロール2の表面がセラミックス質のロー
ルが最適であり、これらを組合せて使用し、雰囲気ガス
および鋳造速度条件を適切に選択することにより、上下
面5U、5L に凝固組織の粗さの差がなく、表面性状
に優れた薄板5を長時間安定して製造することが可能で
ある。以下にその作用を説明する。
【0030】薄板の上下各面において、凝固シェルの厚
さや凝固組織の粗さなどの組織の差異を生じさせず、上
下各面均等に凝固させるには、前記横注ぎ法の非対称性
に対応した凝固冷却条件を選択することが重要である。
さや凝固組織の粗さなどの組織の差異を生じさせず、上
下各面均等に凝固させるには、前記横注ぎ法の非対称性
に対応した凝固冷却条件を選択することが重要である。
【0031】本発明方法における上下各ロールの表面材
質は、種々の表面材質としたロールを適用して得られた
前記組成の薄板の凝固組織を調査し、その粗さを比較し
た結果に基づくものである。凝固組織の粗さの評価に
は、薄板の表面から0.05mmの位置におけるデンド
ライト1次アーム間隔(μm)を用いた。これらを表1
〜表3により説明する。
質は、種々の表面材質としたロールを適用して得られた
前記組成の薄板の凝固組織を調査し、その粗さを比較し
た結果に基づくものである。凝固組織の粗さの評価に
は、薄板の表面から0.05mmの位置におけるデンド
ライト1次アーム間隔(μm)を用いた。これらを表1
〜表3により説明する。
【0032】表1に、上ロール表面の比較材(セラミッ
クス質)および望ましい金属質、その条件およびその場
合に得られた薄板上面の凝固組織の粗さを示す。表2
に、下ロール表面の比較材(金属質)および望ましいセ
ラミックス質、その条件およびその場合に得られた薄板
下面の凝固組織の粗さを示す。
クス質)および望ましい金属質、その条件およびその場
合に得られた薄板上面の凝固組織の粗さを示す。表2
に、下ロール表面の比較材(金属質)および望ましいセ
ラミックス質、その条件およびその場合に得られた薄板
下面の凝固組織の粗さを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1および表2に示すように、上ロール表
面材質を金属メッキとし、下ロール表面材質をセラミッ
クス溶射とした上下ロールの組合わせで、薄板の上下面
で均等な凝固組織が得られることがわかる。
面材質を金属メッキとし、下ロール表面材質をセラミッ
クス溶射とした上下ロールの組合わせで、薄板の上下面
で均等な凝固組織が得られることがわかる。
【0036】上ロール表面の材質として具備すべき必要
条件は、溶湯との濡れがよく、雰囲気ガス膜が回転する
ロールとともに溶湯内に引き込まれにくいこと、あるい
は熱伝導率が高く、ガス膜が溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間に介在しても凝固遅れを引き起こさないこと
である。これらの条件を満たすのが表1に示すような金
属質である。
条件は、溶湯との濡れがよく、雰囲気ガス膜が回転する
ロールとともに溶湯内に引き込まれにくいこと、あるい
は熱伝導率が高く、ガス膜が溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間に介在しても凝固遅れを引き起こさないこと
である。これらの条件を満たすのが表1に示すような金
属質である。
【0037】特に上ロールにおいて表層下のロール母材
を保護するために、厚さ3mm以下のNiめっき、また
は薄板との接触による疵防止のために厚さ5〜30μm
のCrの表層硬質めっきを施工してもよい。また、めっ
き層境界部の熱応力を緩和するためには、ロール母材ま
たはロール母材上の下層めっきと表層硬質めっきとの間
に、さらに厚さ10〜50μmのNi系合金の中間層め
っきを施した多層めっき構造とするのが望ましい。
を保護するために、厚さ3mm以下のNiめっき、また
は薄板との接触による疵防止のために厚さ5〜30μm
のCrの表層硬質めっきを施工してもよい。また、めっ
き層境界部の熱応力を緩和するためには、ロール母材ま
たはロール母材上の下層めっきと表層硬質めっきとの間
に、さらに厚さ10〜50μmのNi系合金の中間層め
っきを施した多層めっき構造とするのが望ましい。
【0038】下ロール表面の材質として具備すべき必要
条件は、上ロール表面の材質に比べて熱伝導率が低く緩
冷却が可能なこと、および耐火物製ノズルと摺動しても
摩耗しにくいことである。これらの条件を満たすのが表
2に示すようなセラミックス質である。
条件は、上ロール表面の材質に比べて熱伝導率が低く緩
冷却が可能なこと、および耐火物製ノズルと摺動しても
摩耗しにくいことである。これらの条件を満たすのが表
2に示すようなセラミックス質である。
【0039】セラミックス質としては、特にZrO2 、
Al2O3、Cr2O3、SiO2 、BNおよびSi3N4の
ようなセラミックスの単体またはこれらの混合物を溶射
施工したものが望ましい。溶射層の施工厚さは、上ロー
ル側に生成する凝固シェルと同等の冷却条件を得ること
ができるように50〜500μmの範囲で決定する。
Al2O3、Cr2O3、SiO2 、BNおよびSi3N4の
ようなセラミックスの単体またはこれらの混合物を溶射
施工したものが望ましい。溶射層の施工厚さは、上ロー
ル側に生成する凝固シェルと同等の冷却条件を得ること
ができるように50〜500μmの範囲で決定する。
【0040】表3に、表1および表2に示す条件におい
て、使用前後のロール径(薄板の鋳込幅に対応する表面
部分の両端および中央部の平均値)の変化から求めた各
ロールの摩耗速度を示す。
て、使用前後のロール径(薄板の鋳込幅に対応する表面
部分の両端および中央部の平均値)の変化から求めた各
ロールの摩耗速度を示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示すように、上ロール表面は、厚さ
2mmのNiめっき(M1)、または厚さ2mmのNi
めっきに硬質めっきを施した(M2)の金属質としても
摩耗速度が2μm/hr以下となる。一方、下ロール表
面を厚さ120μmのセラミック溶射(C1またはC
2)とした場合のみ、摩耗速度が0.3μm/hrとな
る。従って、上ロール表面を金属質、下ロール表面をセ
ラミックス質とした組合せでは下ロール表面の摩耗が軽
減されるため、ロール表面の摩耗速度も上下でほぼ均等
である。
2mmのNiめっき(M1)、または厚さ2mmのNi
めっきに硬質めっきを施した(M2)の金属質としても
摩耗速度が2μm/hr以下となる。一方、下ロール表
面を厚さ120μmのセラミック溶射(C1またはC
2)とした場合のみ、摩耗速度が0.3μm/hrとな
る。従って、上ロール表面を金属質、下ロール表面をセ
ラミックス質とした組合せでは下ロール表面の摩耗が軽
減されるため、ロール表面の摩耗速度も上下でほぼ均等
である。
【0043】本発明方法におけるロール周速度は、前記
組合わせの上下一対のロールを用いた横注ぎ法により、
種々のロール周速度で薄板を連続鋳造し、得られた薄板
の表面性状を比較した結果に基づくものである。図3に
結果を示す。
組合わせの上下一対のロールを用いた横注ぎ法により、
種々のロール周速度で薄板を連続鋳造し、得られた薄板
の表面性状を比較した結果に基づくものである。図3に
結果を示す。
【0044】図3は、薄板の表面欠陥の上面しわ疵の発
生に及ぼす鋳造速度の影響を示す図である。図3に示す
ように、鋳造速度が50m/minを超える場合には、
薄板の上面側に周期的なしわ疵の発生が見られ、鋳造速
度が大きいほどしわ疵が多発する傾向が認められる。一
方、鋳造速度が50m/min以下ではしわ疵の発生が
ない。このしわ疵の発生原因や周期は前述のとおりであ
り、50m/min以下の低鋳造速度では、上ロールと
接する動的な溶湯メニスカスが安定し、溶湯表面の振動
が生じないために、しわ疵を防止することができる。
生に及ぼす鋳造速度の影響を示す図である。図3に示す
ように、鋳造速度が50m/minを超える場合には、
薄板の上面側に周期的なしわ疵の発生が見られ、鋳造速
度が大きいほどしわ疵が多発する傾向が認められる。一
方、鋳造速度が50m/min以下ではしわ疵の発生が
ない。このしわ疵の発生原因や周期は前述のとおりであ
り、50m/min以下の低鋳造速度では、上ロールと
接する動的な溶湯メニスカスが安定し、溶湯表面の振動
が生じないために、しわ疵を防止することができる。
【0045】図4は、NiまたはFe−Ni合金薄板の
表面欠陥の下面噛み込み疵の発生に及ぼす鋳造速度の影
響を示す図である。
表面欠陥の下面噛み込み疵の発生に及ぼす鋳造速度の影
響を示す図である。
【0046】図4に示すように、鋳造速度が20m/m
in未満では、噛み込み疵と称する欠陥が薄板の下面側
に生じる場合がしばしば見られた。噛み込み疵は、ロー
ル周速度が小さく、耐火物製ノズル内の溶鋼流動が緩や
かであるために、下ロールと接するノズル先端部(溶
湯、ノズルおよび下ロールの3重境界部)に凝固シェル
が生成し、これがノズルにいったん固着した後、ノズル
から離れて薄板内に取り込まれた欠陥であり、所定の鋳
造速度20m/min以上では発生しない。
in未満では、噛み込み疵と称する欠陥が薄板の下面側
に生じる場合がしばしば見られた。噛み込み疵は、ロー
ル周速度が小さく、耐火物製ノズル内の溶鋼流動が緩や
かであるために、下ロールと接するノズル先端部(溶
湯、ノズルおよび下ロールの3重境界部)に凝固シェル
が生成し、これがノズルにいったん固着した後、ノズル
から離れて薄板内に取り込まれた欠陥であり、所定の鋳
造速度20m/min以上では発生しない。
【0047】したがって、薄板の上面側のしわ疵および
下面側の噛み込み疵を同時に防止できる鋳造速度の範囲
は20〜50m/minである。
下面側の噛み込み疵を同時に防止できる鋳造速度の範囲
は20〜50m/minである。
【0048】本発明方法において、上ロールに接する溶
湯表面に供給する雰囲気ガスは、前記組合わせの上下ロ
ールを用い、上記鋳造速度による横注ぎ法により、種々
の雰囲気ガスで薄板を連続鋳造し、得られた薄板の鋳造
方向板厚の不均一度を比較した結果に基づくものであ
る。図5に結果を示す。
湯表面に供給する雰囲気ガスは、前記組合わせの上下ロ
ールを用い、上記鋳造速度による横注ぎ法により、種々
の雰囲気ガスで薄板を連続鋳造し、得られた薄板の鋳造
方向板厚の不均一度を比較した結果に基づくものであ
る。図5に結果を示す。
【0049】図5は、NiまたはFe−Ni合金薄板の
鋳造方向板厚の不均一度に及ぼす雰囲気ガスの影響を示
す図である。
鋳造方向板厚の不均一度に及ぼす雰囲気ガスの影響を示
す図である。
【0050】図5に示すように、雰囲気ガス中のHe含
有量が30vol%未満の範囲では板厚の不均一度が5
%を超えている。これは上面側に波状の凹凸が生じてい
るためである。一方、He含有量が30%以上の範囲で
は板厚の不均一度が2%以下となり、薄板の上面側に発
生する波状の凹凸が防止できることがわかる。
有量が30vol%未満の範囲では板厚の不均一度が5
%を超えている。これは上面側に波状の凹凸が生じてい
るためである。一方、He含有量が30%以上の範囲で
は板厚の不均一度が2%以下となり、薄板の上面側に発
生する波状の凹凸が防止できることがわかる。
【0051】波状の凹凸の発生原因は、前述したように
次のとおりである。前記の動的な溶湯表面の振動がない
場合でも、雰囲気ガスが上ロールの回転とともに溶湯内
に常時引込まれ、上ロールと溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間に不均一に介在して熱抵抗となり、冷却むら
を引き起こす。冷却むらにより、上面側の凝固シェルの
成長が不均一となり、薄板上面に凹凸を生じたものが波
状の凹凸である。
次のとおりである。前記の動的な溶湯表面の振動がない
場合でも、雰囲気ガスが上ロールの回転とともに溶湯内
に常時引込まれ、上ロールと溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間に不均一に介在して熱抵抗となり、冷却むら
を引き起こす。冷却むらにより、上面側の凝固シェルの
成長が不均一となり、薄板上面に凹凸を生じたものが波
状の凹凸である。
【0052】上記のような冷却むらは、高熱伝導を有す
る雰囲気ガスを用いることにより緩和される。
る雰囲気ガスを用いることにより緩和される。
【0053】上ロールと溶湯(あるいは凝固シェル)と
の間に介在するガスによる冷却むらを緩和するには、雰
囲気ガスの熱伝導率が少なくとも0.060W/mK以
上であることが必要である。
の間に介在するガスによる冷却むらを緩和するには、雰
囲気ガスの熱伝導率が少なくとも0.060W/mK以
上であることが必要である。
【0054】通常用いられる雰囲気ガスであるArおよ
びN2の熱伝導率がそれぞれ0.018W/mKおよび
0.026W/mKであるのに対し、Heの熱伝導率は
ArやN2 ガスの5倍以上の0.150W/mKであ
る。雰囲気ガスとして100vol%のHeを用いるこ
とで雰囲気ガスの熱抵抗が小さくなり、前記の冷却むら
を緩和することが可能である。
びN2の熱伝導率がそれぞれ0.018W/mKおよび
0.026W/mKであるのに対し、Heの熱伝導率は
ArやN2 ガスの5倍以上の0.150W/mKであ
る。雰囲気ガスとして100vol%のHeを用いるこ
とで雰囲気ガスの熱抵抗が小さくなり、前記の冷却むら
を緩和することが可能である。
【0055】雰囲気ガス中のHe含有量が30vol%
以上の範囲のときでも、雰囲気ガスの熱伝導率が実質的
に0.060W/mK以上となり、上ロールと溶湯(あ
るいは凝固シェル)との間に介在する雰囲気ガスが大き
な熱抵抗とはならないために、波状の凹凸を防止するこ
とができる。
以上の範囲のときでも、雰囲気ガスの熱伝導率が実質的
に0.060W/mK以上となり、上ロールと溶湯(あ
るいは凝固シェル)との間に介在する雰囲気ガスが大き
な熱抵抗とはならないために、波状の凹凸を防止するこ
とができる。
【0056】薄板上面の波状の凹凸は、合金では特に発
生しやすく、他の鋼種、例えばSUS304鋼に代表さ
れるオーステナイト系ステンレス鋼ではほとんど発生し
ない。この理由の詳細は明らかではなないが、本発明者
らが種々の合金種の凝固収縮率を測定した結果、合金は
SUS304鋼に代表されるオーステナイト系ステンレ
ス鋼に比べて凝固収縮率が大きいことがわかった。した
がって、合金では上ロール表面に生成した凝固シェルの
変形が生じやすく、上ロールと溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間に不均一な厚さのガスが介在して冷却むらを
引き起こすために、波状の凹凸が発生するものと推察さ
れる。
生しやすく、他の鋼種、例えばSUS304鋼に代表さ
れるオーステナイト系ステンレス鋼ではほとんど発生し
ない。この理由の詳細は明らかではなないが、本発明者
らが種々の合金種の凝固収縮率を測定した結果、合金は
SUS304鋼に代表されるオーステナイト系ステンレ
ス鋼に比べて凝固収縮率が大きいことがわかった。した
がって、合金では上ロール表面に生成した凝固シェルの
変形が生じやすく、上ロールと溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間に不均一な厚さのガスが介在して冷却むらを
引き起こすために、波状の凹凸が発生するものと推察さ
れる。
【0057】本発明のNiまたはFe−Ni合金のFe
含有量を、前記のように限定した理由を説明する。
含有量を、前記のように限定した理由を説明する。
【0058】NiまたはFe−Ni合金は、一般的にγ
単層凝固であるために割れ感受性が強い。また、冷却過
程のγ→α変態時の膨張による寸法変化により割れが生
じやすい。特にFe含有量が65Wt%を超えると、α・
γ変態点が450℃以上と高く、変態時の膨張量も大き
くなる。従って、鋳造直後の薄板にわずかな温度むら
(冷却過程で)が生じるだけで表面割れが発生するた
め、Fe含有量を0〜65Wt%に限定した。
単層凝固であるために割れ感受性が強い。また、冷却過
程のγ→α変態時の膨張による寸法変化により割れが生
じやすい。特にFe含有量が65Wt%を超えると、α・
γ変態点が450℃以上と高く、変態時の膨張量も大き
くなる。従って、鋳造直後の薄板にわずかな温度むら
(冷却過程で)が生じるだけで表面割れが発生するた
め、Fe含有量を0〜65Wt%に限定した。
【0059】次に、その他の望ましい条件について説明
する。
する。
【0060】上下各ロールの母材の材質は問わないが、
冷却水による効果的な内部冷却を行うために銅合金を用
いるのが望ましい。
冷却水による効果的な内部冷却を行うために銅合金を用
いるのが望ましい。
【0061】下ロール表面材質の熱伝導率に対応する上
ロール表面材質の熱伝導率の比は、5以上であることが
望ましい。下ロール表面材質を前記のセラミックス溶射
とした場合、その熱伝導率は2W/mK以下であるの
で、上ロール表面材質は熱伝導率が10W/mK以上の
金属めっき質とすることが望ましい。
ロール表面材質の熱伝導率の比は、5以上であることが
望ましい。下ロール表面材質を前記のセラミックス溶射
とした場合、その熱伝導率は2W/mK以下であるの
で、上ロール表面材質は熱伝導率が10W/mK以上の
金属めっき質とすることが望ましい。
【0062】薄板表面の割れ等の欠陥を防止するため
に、上ロールの表面粗さRaの範囲は3〜15μm、下
ロールの表面粗さRaの範囲は1.5〜6.0μmとす
るのが望ましい。
に、上ロールの表面粗さRaの範囲は3〜15μm、下
ロールの表面粗さRaの範囲は1.5〜6.0μmとす
るのが望ましい。
【0063】鋳造速度の望ましい範囲は、25〜40m
/minである。この範囲では、薄板の上面側のしわ疵
および下面側の噛みこみ疵の発生を防止する効果がより
確実に得られ、連続鋳造をさらに長時間安定して行うこ
とが可能となる。
/minである。この範囲では、薄板の上面側のしわ疵
および下面側の噛みこみ疵の発生を防止する効果がより
確実に得られ、連続鋳造をさらに長時間安定して行うこ
とが可能となる。
【0064】本発明方法における雰囲気ガスのHe含有
量の望ましい範囲は、50vol%以上100vol%
以下である。この範囲では、薄板の上下面での冷却が均
一となる効果がより確実に得られる。
量の望ましい範囲は、50vol%以上100vol%
以下である。この範囲では、薄板の上下面での冷却が均
一となる効果がより確実に得られる。
【0065】雰囲気ガスを構成するHe以外のガス種は
問わないが、溶湯と雰囲気ガスとの酸化などの反応を防
止し、より良質な表面の薄板を得るためには、雰囲気ガ
スはHeとH2 または不活性ガスであるArとの混合ガ
スとすることが望ましい。
問わないが、溶湯と雰囲気ガスとの酸化などの反応を防
止し、より良質な表面の薄板を得るためには、雰囲気ガ
スはHeとH2 または不活性ガスであるArとの混合ガ
スとすることが望ましい。
【0066】薄板の寸法の望ましい範囲は、厚さ1.2
〜3.5mm程度、幅200〜1300mm程度であ
る。
〜3.5mm程度、幅200〜1300mm程度であ
る。
【0067】本発明方法は、斜め横注ぎ、水平横注ぎお
よび対ロールの異径または同径を問わず、すなわち溶湯
の供給方向および双ロールの配向関係やロールの径を問
わず、一方のロールでは溶湯の接触開始位置が雰囲気ガ
スと接する自由表面を持ち、もう一方のロールでは溶湯
の接触開始位置が耐火物製ノズルと摺動する双ロール薄
板連続鋳造法にはすべて適用することができる。
よび対ロールの異径または同径を問わず、すなわち溶湯
の供給方向および双ロールの配向関係やロールの径を問
わず、一方のロールでは溶湯の接触開始位置が雰囲気ガ
スと接する自由表面を持ち、もう一方のロールでは溶湯
の接触開始位置が耐火物製ノズルと摺動する双ロール薄
板連続鋳造法にはすべて適用することができる。
【0068】
(試験1)図2に示す双ロール横注ぎ連続鋳造装置を用
いて、厚さ1.7mm×幅250mmの65wt%のF
eを含有し、残部が実質的にNiのFe−Ni合金薄板
を鋳造し、薄板の形状、表面欠陥の有無、上下面の凝固
組織の均等性およびロール周面の損傷などを調査した。
いて、厚さ1.7mm×幅250mmの65wt%のF
eを含有し、残部が実質的にNiのFe−Ni合金薄板
を鋳造し、薄板の形状、表面欠陥の有無、上下面の凝固
組織の均等性およびロール周面の損傷などを調査した。
【0069】上ロールには、厚さ20mmの銅合金製ス
リーブを母材とし、厚さ2mmのNiめっきを施した
後、ショットブラストにより表面粗さRa:10μmの
粗面加工を施したものを用いた。
リーブを母材とし、厚さ2mmのNiめっきを施した
後、ショットブラストにより表面粗さRa:10μmの
粗面加工を施したものを用いた。
【0070】下ロールには、厚さ20mmの銅合金製ス
リーブを母材とし、下地処理として厚さ50μmのNi
めっきおよび厚さ50μmのNi−Cr溶射を施し、さ
らに厚さ120μmのZrO2−8wt%Y2O3 の溶射
を施工した後、バフ研摩により表面粗さRa:3μmに
調整したものを用いた。
リーブを母材とし、下地処理として厚さ50μmのNi
めっきおよび厚さ50μmのNi−Cr溶射を施し、さ
らに厚さ120μmのZrO2−8wt%Y2O3 の溶射
を施工した後、バフ研摩により表面粗さRa:3μmに
調整したものを用いた。
【0071】上ロールの直径は500mm、胴長は25
0mm、下ロールの直径は600mm、胴長は400m
mであり、上下ロールはそれぞれ内部を水冷した。
0mm、下ロールの直径は600mm、胴長は400m
mであり、上下ロールはそれぞれ内部を水冷した。
【0072】タンディシュ内の溶湯温度は過熱度50℃
に調整し、鋳造速度は25m/minとした。
に調整し、鋳造速度は25m/minとした。
【0073】上ロールと接する溶湯表面には、50vo
l%Heと50vol%N 2との混合ガスを用い、15
リットル/minの流量で供給した。溶湯の底部および
側部は下ロール周面に摺動する耐火物(溶融シリカ)製
ノズルによりシールした。鋳造された薄板は、波状の凹
凸がなく板形状に優れており、ほぼ上下面の凝固組織は
均等、かつ割れおよびしわ疵などの表面欠陥も皆無であ
り、健全であった。また、ロール周面の損傷や薄板の焼
き付きもなく、安定した鋳造が可能であった。
l%Heと50vol%N 2との混合ガスを用い、15
リットル/minの流量で供給した。溶湯の底部および
側部は下ロール周面に摺動する耐火物(溶融シリカ)製
ノズルによりシールした。鋳造された薄板は、波状の凹
凸がなく板形状に優れており、ほぼ上下面の凝固組織は
均等、かつ割れおよびしわ疵などの表面欠陥も皆無であ
り、健全であった。また、ロール周面の損傷や薄板の焼
き付きもなく、安定した鋳造が可能であった。
【0074】(試験2)図1に示す双ロール横注ぎ連続
鋳造装置を用いて、厚さ1.4mm×幅250mmの5
5wt%のFeを含有し、残部が実質的にNiのFe−
Ni合金薄板を鋳造し、薄板の形状、表面欠陥の有無、
上下面の凝固組織の均等性およびロール周面の摩耗速度
などを調査した。
鋳造装置を用いて、厚さ1.4mm×幅250mmの5
5wt%のFeを含有し、残部が実質的にNiのFe−
Ni合金薄板を鋳造し、薄板の形状、表面欠陥の有無、
上下面の凝固組織の均等性およびロール周面の摩耗速度
などを調査した。
【0075】上ロールには、厚さ2mmのNiめっきを
施した厚さ20mmの銅合金製スリーブを母材とし、シ
ョットブラストにより表面粗さRa:6μmの粗面加工
を施した後、厚さ30μmのNi−Wおよび厚さ10μ
mのCrの各硬質めっきを施工したものを用いた。
施した厚さ20mmの銅合金製スリーブを母材とし、シ
ョットブラストにより表面粗さRa:6μmの粗面加工
を施した後、厚さ30μmのNi−Wおよび厚さ10μ
mのCrの各硬質めっきを施工したものを用いた。
【0076】下ロールには、厚さ20mmの銅合金製ス
リーブを母材とし、下地処理として厚さ50μmのNi
めっきおよび厚さ50μmのNi−Cr溶射を施し、さ
らに厚さ120μmのAl2O3− 25wt%ZrO2を
溶射層を施工した後、バフ研摩により表面粗度Ra:4
μmに調整したものを用いた。
リーブを母材とし、下地処理として厚さ50μmのNi
めっきおよび厚さ50μmのNi−Cr溶射を施し、さ
らに厚さ120μmのAl2O3− 25wt%ZrO2を
溶射層を施工した後、バフ研摩により表面粗度Ra:4
μmに調整したものを用いた。
【0077】上ロールの直径は600mm、胴長は25
0mm、下ロールの直径は600mm、胴長は400m
mであり、上下ロールはそれぞれ内部を水冷した。
0mm、下ロールの直径は600mm、胴長は400m
mであり、上下ロールはそれぞれ内部を水冷した。
【0078】タンディシュ内の溶湯温度は過熱度30℃
に調整し、鋳造速度は40m/minとした。
に調整し、鋳造速度は40m/minとした。
【0079】上ロールと接する溶湯表面には、100v
ol%のHeガスを用い、10リットル/minの流量
で供給した。溶湯の底部および側部は、下ロール周面に
摺動する耐火物(溶融シリカ)製ノズルによりシールし
た。
ol%のHeガスを用い、10リットル/minの流量
で供給した。溶湯の底部および側部は、下ロール周面に
摺動する耐火物(溶融シリカ)製ノズルによりシールし
た。
【0080】鋳造された薄板は、形状および表面品質と
もに試験1の本発明例と同様に健全、かつ上下面の凝固
組織はほぼ均等であった。ロール周面の損傷や鋳片の焼
き付きもなく、安定した鋳造が可能であった。
もに試験1の本発明例と同様に健全、かつ上下面の凝固
組織はほぼ均等であった。ロール周面の損傷や鋳片の焼
き付きもなく、安定した鋳造が可能であった。
【0081】さらに、溶湯中のNi含有量、上下ロール
の表面材質の組合わせ、鋳造速度および雰囲気ガスを種
々変化させた試験を行い、ロール表面の摩耗状況と薄板
の表面欠陥の有無および形状を調査した。表4に、上下
ロール、雰囲気ガスおよび鋳造速度の各条件と薄板の表
面性状の調査結果とを示す。
の表面材質の組合わせ、鋳造速度および雰囲気ガスを種
々変化させた試験を行い、ロール表面の摩耗状況と薄板
の表面欠陥の有無および形状を調査した。表4に、上下
ロール、雰囲気ガスおよび鋳造速度の各条件と薄板の表
面性状の調査結果とを示す。
【0082】
【表4】
【0083】表4に示すように、表面が金属質の上ロー
ルと表面がセラミックス質の下ロールとの組合わせの場
合に、鋳造速度の範囲が20〜50m/min、かつ雰
囲気ガス中のHeの含有率の範囲が30vol%以上の
条件である本発明例では、鋳造された薄板は形状および
表面性状ともに健全であった。一方、表4の比較例に示
すように、本発明方法範囲外の条件では、薄板表面の割
れ、上面側のしわ疵または波状凹凸などが発生した。
ルと表面がセラミックス質の下ロールとの組合わせの場
合に、鋳造速度の範囲が20〜50m/min、かつ雰
囲気ガス中のHeの含有率の範囲が30vol%以上の
条件である本発明例では、鋳造された薄板は形状および
表面性状ともに健全であった。一方、表4の比較例に示
すように、本発明方法範囲外の条件では、薄板表面の割
れ、上面側のしわ疵または波状凹凸などが発生した。
【0084】(試験3)図2に示す双ロール横注ぎ連続
鋳造装置を用いて、厚さ1.6mm×幅250mmに
0.2Wt%のFeと99.5Wt%のNiを含有し、残部
が不可避不純物からなる純Niの薄板を鋳造し、薄板の
形状、表面欠陥の有無、上下面の凝固組織の均一性およ
びロール周面の損傷などを調査した。
鋳造装置を用いて、厚さ1.6mm×幅250mmに
0.2Wt%のFeと99.5Wt%のNiを含有し、残部
が不可避不純物からなる純Niの薄板を鋳造し、薄板の
形状、表面欠陥の有無、上下面の凝固組織の均一性およ
びロール周面の損傷などを調査した。
【0085】上ロールには、厚さ20mmの銅合金製ス
リーブを母材ちし、厚さ2mmのNiめっきを施した
後、ショットブラストにより表面粗さRa:10μmの
粗面加工を施したものを用いた。
リーブを母材ちし、厚さ2mmのNiめっきを施した
後、ショットブラストにより表面粗さRa:10μmの
粗面加工を施したものを用いた。
【0086】下ロールには、厚さ20mmの銅合金製ス
リーブを母材とし、下地処理として厚さ50mmのNi
めっきおよび厚さ50μmのNi−Cr溶射を施し、さ
らに厚さ120μmのAl 2O 3−25Wt%ZrO 3の
溶射を施工した後、バフ研磨により表面粗さRa:4μ
mに調整したものを用いた。
リーブを母材とし、下地処理として厚さ50mmのNi
めっきおよび厚さ50μmのNi−Cr溶射を施し、さ
らに厚さ120μmのAl 2O 3−25Wt%ZrO 3の
溶射を施工した後、バフ研磨により表面粗さRa:4μ
mに調整したものを用いた。
【0087】上ロールの直径は500mm、胴長は25
0mm、下ロールの直径は600mm、胴長は400m
mであり、上下ロールはそれぞれ内部を水冷した。
0mm、下ロールの直径は600mm、胴長は400m
mであり、上下ロールはそれぞれ内部を水冷した。
【0088】タンデッシュ内のNi溶湯温度は過熱度5
0℃に調整し、鋳造速度は30m/minとした。
0℃に調整し、鋳造速度は30m/minとした。
【0089】上ロールと接するNi溶湯表面には、70
Vol%Heと30Vol%N2との混合ガスを用い、15リ
ットル/minの流量で供給した。Ni溶湯の低部およ
び側部は下ロール周面に摺動する耐火物(溶融シリカ)
製ノズルにとりシールした。
Vol%Heと30Vol%N2との混合ガスを用い、15リ
ットル/minの流量で供給した。Ni溶湯の低部およ
び側部は下ロール周面に摺動する耐火物(溶融シリカ)
製ノズルにとりシールした。
【0090】鋳造された純Ni薄板は、波状の凹凸がな
く板形状に優れており、ほぼ上下面の凝固組織は均等、
かつ割れおよびしわ疵などの表面欠陥も皆無であり、健
全であった。また、ロール周面の損傷や薄板の焼き付き
もなく、安定した鋳造が可能であった。
く板形状に優れており、ほぼ上下面の凝固組織は均等、
かつ割れおよびしわ疵などの表面欠陥も皆無であり、健
全であった。また、ロール周面の損傷や薄板の焼き付き
もなく、安定した鋳造が可能であった。
【0091】
【発明の効果】本発明方法によれば、上下ロールの冷却
速度が均等となる効果、上ロールに接する溶湯表面が安
定する効果および上ロールと溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間の冷却が均一になる効果により、薄板の上下
面の微小割れおよび光沢差、上面側のしわ疵ならびに上
面側の波状凹凸の発生を防止し、表面性状および形状が
良好な薄板の連続鋳造が可能である。
速度が均等となる効果、上ロールに接する溶湯表面が安
定する効果および上ロールと溶湯(あるいは凝固シェ
ル)との間の冷却が均一になる効果により、薄板の上下
面の微小割れおよび光沢差、上面側のしわ疵ならびに上
面側の波状凹凸の発生を防止し、表面性状および形状が
良好な薄板の連続鋳造が可能である。
【0092】表面がセラミックス質である下ロールを使
用することにより、下ロール表面の摩耗を防止して、上
記効果を長時間維持することができる。
用することにより、下ロール表面の摩耗を防止して、上
記効果を長時間維持することができる。
【図1】双ロール横注ぎ法(同径ロール、水平横注ぎ)
を用いる本発明の薄板連続鋳造装置の例を示す側面方向
の概略縦断面図である。
を用いる本発明の薄板連続鋳造装置の例を示す側面方向
の概略縦断面図である。
【図2】双ロール横注ぎ法(異径ロール、斜め横注ぎ)
を用いる本発明の薄板連続鋳造装置の例を示す側面方向
の概略縦断面図である。
を用いる本発明の薄板連続鋳造装置の例を示す側面方向
の概略縦断面図である。
【図3】NiまたはFe−Ni合金薄板の表面欠陥の上
面しわ疵の発生に及ぼす鋳造速度の影響を示す図であ
る。
面しわ疵の発生に及ぼす鋳造速度の影響を示す図であ
る。
【図4】NiまたはFe−Ni合金薄板の表面欠陥の下
面噛み込み疵の発生に及ぼす鋳造速度の影響を示す図で
ある。
面噛み込み疵の発生に及ぼす鋳造速度の影響を示す図で
ある。
【図5】NiまたはFe−Ni合金薄板の上面側の凹凸
形状に及ぼす雰囲気ガスの影響を示す図である。
形状に及ぼす雰囲気ガスの影響を示す図である。
1:上ロール、 2:下ロール、 3:上ロール表面、 4:下ロール表面、 5:NiまたはFe−Ni合金薄板、 5U:薄板5の上面、 5L:薄板5の下面、 6:Niまたは合金溶湯、 7:耐火物製ノズル、 8:タンディッシュ、 9:雰囲気ガス、 10:Niまたは合金溶湯と上ロールとの接触開始点、 11:雰囲気ガス供給手段。
Claims (1)
- 【請求項1】表面が金属質の上ロールと表面がセラミッ
クス質の下ロールとの上下2本の冷却ロールを有する双
ロール横注ぎ連続鋳造装置を用いて、Fe:0〜65w
t%を含有し、残部が実質的にNiのNiまたはFe−
Ni合金溶湯を前記の上下ロール間に供給し、上ロール
と接する前記のNiまたはFe−Ni合金溶湯表面に対
してHeの含有率が30vol%以上の雰囲気ガスを供
給しながら、20〜50m/minの鋳造速度で鋳造す
ることを特徴とするNiまたはFe−Ni合金薄板の連
続鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23430796A JPH1076352A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | NiまたはFe−Ni合金薄板の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23430796A JPH1076352A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | NiまたはFe−Ni合金薄板の連続鋳造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1076352A true JPH1076352A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16968957
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23430796A Pending JPH1076352A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | NiまたはFe−Ni合金薄板の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1076352A (ja) |
-
1996
- 1996-09-04 JP JP23430796A patent/JPH1076352A/ja active Pending
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