JPH107646A - アシルオキシスルホン酸エステル誘導体の製造法 - Google Patents

アシルオキシスルホン酸エステル誘導体の製造法

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JPH107646A
JPH107646A JP8159818A JP15981896A JPH107646A JP H107646 A JPH107646 A JP H107646A JP 8159818 A JP8159818 A JP 8159818A JP 15981896 A JP15981896 A JP 15981896A JP H107646 A JPH107646 A JP H107646A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 1,2−ジオール化合物をアミンやアルコー
ルなどの求核剤と反応させる合成中間体であるアシルオ
キシスルホン酸エステルへの変換をより効果的に行う。 【解決手段】 ジオール化合物をオルトエステルと反応
させオルトエステル化合物に変換後、スルホン酸で開環
させて効率的に1位にスルホネート基、2位にエステル
基を同時導入しアシルオキシスルホン酸エステル(1)
を得る。 [Xは水素、無置換もしくはフェニル基を置換基とする
〜Cのアルキル基、無置換もしくはC〜C
アルキル基を置換基とするフェニル基、ハロゲン基、シ
アノ基等、RはC〜Cのアルキル基、無置換又は
〜Cのアルキル基、ニトロ基、ハロゲンから選ば
れた基を置換基とするフェニル基、Rは水素、C
のアルキル基又は無置換もしくはC〜Cのアル
キル基を置換基とするフェニル基を表す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1,2−ジオール化
合物から医薬、農薬において重要な中間体であるアシル
オキシスルホン酸エステルの製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】1,2−ジオール化合物は工業的に入手
容易なうえに、最近では光学活性な化合物も入手可能と
なり、その重要性がますます増加している。しかしなが
ら、1,2−ジオール化合物は、アミンやアルコールな
どの求核剤との反応では不活性なためこれらと反応させ
るためには、より有用な合成中間体に変換させる必要が
ある。従来、この変換方法としては、次のようなものが
知られている。即ち、ジオール化合物の水酸基の一方に
スルホン酸クロライドと反応させてトシル化した後、残
る水酸基をアセチル化する方法(特公昭57−1653
52号)、ジオール化合物を45%w/v臭化水素/酢
酸で処理して末端の水酸基を臭素化し残る水酸基をアセ
チル化する方法(Org.Synth.,63,14
0)、ジオール化合物を塩化チオニルを使用し環状サル
フェートとすることで反応性を上げる方法(J.Am.
Cem.Soc.1988,110,7538)、ジブ
チル錫ジメトキシドを用いてジオール化合物の選択的ア
シル化、アルキル化する方法(SYNLETT,199
3,913)等が挙げられる。ジオール化合物を、オル
ト酢酸メチル処理した後、トリメチルシリルクロライド
や、アセチルブロマイド等と反応させてハロゲノアシル
オキシ化合物を得る方法(Tetrahedron,V
ol.48,No.48,pp10515−1053
0,1992)、またジオール体にフェニルアルデヒド
を反応して環化、これをN−ブロモスクシンイミドで開
く反応(J.Chem.Soc.,Chem.Comm
un.,1988,1004)等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の合成法には工業的に次のような問題点がある。即ち、
ジオール化合物の水酸基の一方をトシル化した後、残る
水酸基をアセチル化する方法では、トシル化の選択性が
悪いうえに、一度モノトシル体を単離した後にアセチル
化せねばならず効率的でない、ジオール化合物を45%
w/v臭化水素/酢酸で処理して末端の水酸基を臭素化
し残る水酸基をアセチル化する方法では、強い酸性条件
化での反応であるので酸に弱い基質については使用でき
ない、ジオール化合物を塩化チオニルを使用し環状サル
フェートとすることで反応性を上げる方法では、酸化の
際に加水分解が起こり収率が下がる場合や、基質にアミ
ンを含むものには使用できない、ジブチル錫ジメトキシ
ドを用いてジオール化合物の選択的アシル化、アルキル
化する方法では、等量のすず化合物を使用する点で高価
であり、実用的でない、ジオール化合物からオルトエス
テルを経る反応で、オルト酢酸メチルを用いトリメチル
シリルクロライド、アセチルブロマイド等で開く反応で
は、オルトエステル体を開環させハロゲン置換はしてい
るものの、ハロゲンよりも結晶性が良く脱離基としてよ
り優れているアルキルスルホネートやフェニルスルホネ
ートとしたものはなかった。また、開環に使用する試薬
が、アセチルブロマイド、トリメチルシリルクロライド
と言った高価なものであることからコストの面で不利と
いえる、ジオール体にフェニルアルデヒドを反応して環
化、これをN−ブロモスクシンイミドで開く反応におい
ても、使用する試薬が高価であるため実用的でない。し
たがって、より効果的で、有用な合成中間体への変換方
法が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者等は従来の技術の
もつ欠点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ジオー
ル化合物をオルトエステル化合物とし、スルホン酸で開
環させることで効率的に、1位にスルホネート基、2位
にエステル基を同時に導入する方法を見いだし本発明を
完成した。
【0005】本発明は即ち、下記式(1)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Xは水素、無置換もしくはフェニ
ル基を置換基として有するC1〜C4のアルキル基、無置
換もしくはC1〜C4のアルキル基を置換基として有する
フェニル基、ハロゲン基、シアノ基、−COOR2(R2
は無置換もしくはフェニル基を置換基として有するC1
〜C4のアルキル基)又は−OR2(R2は前記に同じ)
を表す。)で表される1,2−ジオール化合物に、酸触
媒存在下、オルトエステルを反応させて、下記式(2)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R3は水素、C1〜C4のアルキル
基又は無置換もしくはC1〜C4のアルキル基を置換基と
して有するフェニル基を表し、R4はC1〜C4のアルキ
ル基を表す)で表されるオルトエステル化合物を生成
後、該エステル化合物に、下記式(3)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R1はC1〜C4のアルキル基、無
置換又はC1〜C4のアルキル基、ニトロ基、ハロゲンか
ら選ばれた基を置換基として有するフェニル基を表す)
で表されるスルホン酸を反応させる事を特徴とする、下
記式(4)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、X、R1、R3は前記に同じ)で表
されるアシルオキシスルホン酸エステルの製法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の工程を図示し、更に詳細
に説明する。
【0015】
【化9】
【0016】上記の1,2−ジオール化合物(1)を無
溶媒又は溶媒中、酸触媒存在下に、オルトエステルと反
応するとオルトエステル化合物(2)が得られる。使用
する1,2−ジオール化合物としては、1,2−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、4−フェニルブ
タン、3−フェニル−1,2−プロパンジオール、3−
クロロ−1,2−プロパンジオール、1,2−ジヒドロ
キシブチロニトリル、1,2−ジヒドロキシブタン酸メ
チルエステル、1,2−ジヒドロキシブタン酸エチルエ
ステル、1,2−ジヒドロキシブタン酸n−ブチルエス
テル、1,2−ジヒドロキシプロパンメチルエーテル、
1,2−ジヒドロキシプロパンエチルエーテル、1,2
−ジヒドロキシプロパンベンジルエーテル等が挙げられ
る。
【0017】使用する溶媒としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチル
エーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジグライム等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢
酸ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン等の塩素系溶
媒、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0018】使用する酸触媒としては、塩酸、硫酸、燐
酸等の鉱酸、酢酸、安息香酸等の有機酸、メタンスルホ
ン酸、P-トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸、三フ
ッ化ホウ素/エーテル錯体、四塩化錫等のルイス酸が挙
げられる。酸触媒の使用量は、1,2−ジオール化合物
1モルに対して0.01モル%から10モル%で、好ま
しくは、0.1モル%から1モル%である。
【0019】使用するオルトエステルは、オルト蟻酸メ
チル、オルト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢
酸エチル、オルト安息香酸メチル等が挙げられる。オル
トエステルの使用量は、1,2−ジオール化合物1モル
に対して1モルから30モルで、好ましくは、1モルか
ら3モルである。過剰に使用しても収率には影響はない
が、経済的に不利である。反応温度は−50℃から溶媒
の還流温度までで、好ましくは0℃から30℃である。
【0020】この様にして得られたオルトエステル化合
物(2)の反応溶液から、副成したアルコールを減圧又
は常圧で留去したのち、単離することなく無溶媒又は溶
媒中でスルホン酸を反応させるとアシルオキシスルホン
酸エステル(4)が得られる。
【0021】使用する溶媒としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチル
エーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジグライム等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢
酸ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン等の塩素系溶
媒、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0022】使用するスルホン酸としては、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、フェニルスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等のトルエンスルホン酸、ニトロベ
ンゼンスルホン酸、2,4,6−トリクロロベンゼンス
ルホン酸等が挙げられる。スルホン酸の使用量は、1,
2−ジオール化合物1モルに対して1モルから30モル
で、好ましくは、1モルから3モルである。反応温度は
−50℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは−10
℃から30℃である。
【0023】原料として光学活性な1,2−ジオール化
合物を用いる場合は、光学活性なアシルオキシスルホン
酸エステルを合成することができる。例えば、式中のX
がハロゲンの場合、S体の1,2−ジオール化合物を用
いれば、S体のアシルオキシスルホン酸エステルが得ら
れる。R体の場合も同様である。光学純度の高い1,2
−ジオール化合物を用いると、反応中顕著なラセミ化反
応は起こらず光学純度の高いアシルオキシスルホン酸エ
ステルを合成することができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0025】実施例1 3−クロロ−1,2−プロパンジオール 55.27g
(0.5mol)、pートルエンスルホン酸 0.23
8g(1.25mmol,0.25mol%)を塩化メ
チレン 250ml中に溶解し、室温、窒素雰囲気下で
攪拌、そこにオルト酢酸メチル 77.72g(0.6
46mol)の塩化メチレン 溶液50mlを20分か
けて滴下し、滴下終了後4時間攪拌した。溶媒を減圧留
去すると、83.23g の粗生成物が得られた。この
粗生成物はそのまま次の反応に用いた。上記の反応で得
られたオルトエステル体 0.340g(2.0mmm
ol) を、t−ブチルメチルエーテル 4ml中に溶
解、そこにp−トルエンスルホン酸 0.371g
(2.15mmol)を加え、室温で19時間反応し
た。反応終了後、有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液で
処理、水洗後、溶媒を留去、HPLCによる定量では収
率75.2%で1−p−トルエンスルホキシ−2−アセ
トキシ−3−クロロプロパン 0.670gを得た。
【0026】実施例2 実施例1と同様の方法で得られたオルトエステル体
0.340g(2.0mmmol)を、酢酸エチル 4
ml中に溶解、そこにpートルエンスルホン酸 0.3
71g(2.15mmol)を加え、室温で17時間反
応した。反応終了後、有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶
液で処理、水洗後、溶媒を留去、HPLCによる定量で
は収率86.0%で1−p−トルエンスルホキシ−2−
アセトキシ−3−クロロプロパン 0.655gを得
た。
【0027】実施例3 実施例1と同様の方法で得られたオルトエステル体
3.340g(20mmol)を、塩化メチレン 30
ml中に溶解し、−18℃まで冷却。そこにメタンスル
ホン酸 2.00g(28mmol)を滴下した。滴下
終了後も液温を−15℃〜−12℃に保ち8時間反応し
た。反応終了後、有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液で
処理、水洗後、溶媒を留去、HPLCによる定量では収
率66.8%で1−メタンスルホキシ−2−アセトキシ
−3−クロロプロパン 4.86gを得た。
【0028】実施例4 ジオール化合物を光学活性なR−3−クロロ−1,2,
−プロパンジオール(光学純度98%ee)に代えて実
施例1と同様に反応した。反応終了後、有機層を飽和炭
酸ナトリウム水溶液で処理、水洗後、溶媒を留去、収率
78.2%でR−1−p−トルエンスルホキシ−2−ア
セトキシ−3−クロロプロパンを得た。これをメタノー
ル中青酸カリを作用させ、4−クロロ−3−ヒドロキシ
ブチロニトリルに誘導し、ガスクロマトグラフィーによ
り光学純度を測定したところ98%eeであった。
【0029】実施例5 ジオール化合物として1,2−ジヒドロキシブタン酸メ
チルエステルを用いた以外は実施例1と同様に反応を行
った。HPLCによる定量では収率65.2%で1−p
−トルエンスルホキシ−2−アセトキシブタン酸エステ
ルを得た。
【0030】実施例6 ジオール化合物として1,2−ジヒドロキシプロパンエ
チルエーテルを用いた以外は実施例1と同様に反応を行
った。HPLCによる定量では収率67.4%で1−p
−トルエンスルホキシ−2−アセトキシプロパンエチル
エーテルを得た。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、1,2−ジオール化合
物をアミンやアルコールなどの求核剤と反応させるため
のより有用な合成中間体への変換を、より効果的に実施
することができる。また、高光学純度の1,2−ジオー
ル化合物を用いると、反応中顕著なラセミ化反応を起こ
すことなく高光学純度のアシルオキシスルホン酸エステ
ルの合成ができる。本反応は2段階であるがワンポット
で行え、しかもハロゲンよりも脱離能の高いスルホネー
トをより安価な原料で導入することができるという利点
を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (1)(式中、Xは水素、無置換もしくはフェニル基を
    置換基として有するC1〜C4のアルキル基、無置換もし
    くはC1〜C4のアルキル基を置換基として有するフェニ
    ル基、ハロゲン基、シアノ基、−COOR2(R2は無置
    換もしくはフェニル基を置換基として有するC1〜C4
    アルキル基)又は−OR2(R2は前記に同じ)を表
    す。)で表される1,2−ジオール化合物に、酸触媒存
    在下、オルトエステルを反応させて、下記式(2) 【化2】 (2)(式中、R3は水素、C1〜C4のアルキル基又は
    無置換もしくはC1〜C4のアルキル基を置換基として有
    するフェニル基を表し、R4はC1〜C4のアルキル基を
    表す)で表されるオルトエステル化合物を生成後、該エ
    ステル化合物に、下記式(3) 【化3】 (3)(式中、R1はC1〜C4のアルキル基、無置換又
    はC1〜C4のアルキル基、ニトロ基、ハロゲンから選ば
    れた基を置換基として有するフェニル基を表す)で表さ
    れるスルホン酸を反応させる事を特徴とする、下記式
    (4) 【化4】 (4)(式中、X、R1、R3は前記に同じ)で表される
    アシルオキシスルホン酸エステルの製法。
  2. 【請求項2】 式(4)、式(2)中の、R3がメチル
    基である請求項1に記載のアシルオキシスルホン酸エス
    テルの製法。
  3. 【請求項3】 式(4)中の、R1がメチル基又はp−
    トルイル基である請求項1又は2に記載のアシルオキシ
    スルホン酸エステルの製法。
  4. 【請求項4】 1,2−ジオール化合物が光学活性体で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性アシルオ
    キシスルホン酸エステルの製法。
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