JPH1076485A - 墨つぼ - Google Patents

墨つぼ

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JPH1076485A
JPH1076485A JP23292696A JP23292696A JPH1076485A JP H1076485 A JPH1076485 A JP H1076485A JP 23292696 A JP23292696 A JP 23292696A JP 23292696 A JP23292696 A JP 23292696A JP H1076485 A JPH1076485 A JP H1076485A
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spring
case body
ink
tank
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Nobuyuki Yamamoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数が少ない簡素な構成で使い勝手のよ
い墨つぼを提供する。 【解決手段】 この墨つぼは、糸が巻回されたプーリー
とスプリングドラムとを収容した糸巻き収容部と、糸6
にインクを供給するタンク4を収容したタンク収容部
と、糸の引き出し口となるヘッド部からなる。ケース本
体部1は、糸巻き収容部の右半分、タンク収容部の後半
分、タンク収容部の底部およびヘッド部の底部からな
る。ケース本体部1には、スプリングの中心端に差し込
まれた軸と一体のハンドル3が取り付けられ、その反対
側の開口部はケース蓋2で覆われる。タンク4が載置さ
れた後、タンクカバー5をヘッド部分側からケース本体
部1に水平に差し込んで、墨つぼが組み立てられる。糸
6の交換時に糸6をプーリー16からヘッド側に引き出
す通路として、溝1aが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大工道具と
して用いられる墨つぼに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物や、建具、あるいは、鉄板、鉄骨
工事の施工において、長い直線を引くための道具とし
て、墨つぼが広く利用されている。従来の墨つぼは、糸
を巻いたリールをケース内に軸着し、綿等の液体含浸体
を有する墨室を経由して、細い孔から外部に糸を引き出
すものである。
【0003】引き出された糸の巻き取りは、実公平3−
54874号公報等に記載されているように、渦巻バネ
を用いて、引き出した糸を自動的にリールに巻き取る方
式が知られている。小型化の観点から、スプリングの巻
き込み量は、使用する糸の長さより少ない。したがっ
て、糸を長く繰り出すと、途中で渦巻きばねの巻き込み
が一杯となり、それ以上の糸の繰り出しができなくな
る。このようなときに、渦巻きばねのチャージを一旦解
除する。そうすると、さらに糸を引き出すことができ
る。このようにして糸を繰り出すと、後から引き出した
分は渦巻きばねの力で巻き取れるが、先に引き出した分
は、渦巻きばねの巻取軸に連結されたハンドルを手動で
回転させて糸を巻き取る。
【0004】しかし、この方式では、ハンドルおよび巻
取軸を一方向回転させるラチェット部材をクラッチレバ
ーでフリーにすることにより渦巻きばねのチャージを解
除する機構と、半周分ずつ渦巻きばねを緩ませる部材を
必要とし、構造が複雑であるだけでなく、操作もむずか
しかった。
【0005】特開平6−278055号公報等に記載さ
れているように、渦巻きばねの先端寄りに係止部を形成
し、糸巻きドラムの渦巻きばね収納部の内周に係止爪を
突設し、この係止爪と係止部の形状を常態では互いに係
止するが、渦巻きばねの巻き込みが一杯となったとき
に、係止爪に対し係止部が乗り越える形状に構成するこ
とにより、渦巻きばねを空転させる墨つぼが知られてい
る。
【0006】しかし、この墨つぼでは、渦巻きばねを空
転させる機構とハンドルおよび巻取軸を一方向回転させ
るラチェット部材(一方向回動体および弾性傾斜突爪)
とを別々に設けており、部品点数が多い構造であるとい
う問題がある。
【0007】また、上述したいずれの従来技術の墨つぼ
も、分解が容易でなく、糸の交換,糸切れ,墨つぼ内部
での糸の絡まりの際には手数がかかるものであった。ま
た、糸を巻き付けたプーリー側から糸の引き出し口まで
糸を引き出すすことが容易でなく、多くの無駄な時間を
費やさねばならないという問題がある。
【0008】分解が容易で、糸にカルコを付けたままで
プーリーから糸の引き出し口まで糸を通すことが容易な
墨つぼは、特開平7−9365号公報等に記載されてい
る。しかし、この従来技術では、糸の交換時等に糸をく
ぐらせる溝が墨つぼの使用時に糸が通る溝につながり、
しかも折れ曲がった溝であるため、墨つぼの使用時に、
糸が折れ曲がり部の方に入り込んで引っかかってしまう
と使いづらいという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、部品点数が少ない簡素な構
成で使い勝手のよい墨つぼを提供することを目的とする
ものである。スプリングの巻き込みが一杯のときにもさ
らに糸を引き出すことができ、糸の交換時などにおい
て、分解と糸の引き出しが容易で、使用時に糸が引っか
かることのない引き出し構造の墨つぼを提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、ケース本体部と糸が巻回された糸
巻き部を有する墨つぼにおいて、前記糸巻き部に結合さ
れ前記糸を巻き取る付勢力を有するスプリング部と、該
スプリング部を卷き取る軸を有するハンドル部と、前記
ケース本体部と前記ハンドル部との間に、双方向の回転
が可能で、かつ、前記ハンドル部により前記スプリング
部を卷き取る方向の回転に比べて逆方向の回転に大きな
力を必要とする方向性を有する回転規制手段を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の墨つぼにおいて、前記方向性を有する回転規
制手段は、カム板と弾性部材とからなり、前記カム板
は、中心からの径方向の距離が一方の回転方向に緩やか
に増加する部分と逆の回転方向に急峻に増加する部分を
有し、該急峻に増加する部分は、径線に対して、前記逆
の回転方向側に傾斜したものであり、前記弾性部材は、
前記カム板に係合する突起を有し、前記カム板と前記弾
性部材の一方が前記ケース本体部に固定され、他方が前
記ハンドル部に固定されることを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項3に記載の発明においては、ケース
本体部と、糸が巻回された糸巻き部を有する墨つぼにお
いて、前記糸にインクを供給するインクタンクとケース
蓋とインクタンクカバーを有し、前記ケース本体部は、
前記糸巻き部が挿入され前記ケース蓋で覆われる第1の
開口部と、前記インクタンクが取り付けられ前記インク
タンクカバーで覆われてヘッド開口部となる第2の開口
部を有することを特徴とするものである。
【0013】請求項4に記載の発明においては、請求項
3に記載の墨つぼにおいて、前記ケース本体部は、前記
第1の開口部と前記第2の開口部との間に、前記ケース
本体部の外部から糸を挿通する溝を有することを特徴と
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の墨つぼの実施の
一形態の全体構成を示す斜視図である。図中、1はケー
ス本体部、1aは溝、2はケース蓋、3はハンドル、4
はタンク、5はタンクカバー、5aは糸引き出し溝、6
は糸、7はカルコである。
【0015】この実施の一形態の墨つぼは、糸が巻回さ
れたプーリーとスプリングドラムとを収容し、プーリー
の外形に沿うように、水平方向に中心軸を有するほぼ円
柱形状をした図示左側の糸巻き収容部と、糸6に墨汁な
どのインクを供給するタンク4を収容し、タンクの外形
に沿うように垂直方向に中心軸を有するほぼ円柱形状を
した図示中央のタンク収容部と、糸の引き出し口となる
開口部を有し傾斜した接地端となる図示左側のヘッド部
からなる。しかし、ケースの形状は適宜の形状を採用す
ることができ、上述した形状に限られるものではない。
【0016】ケース本体部1は、上述した糸巻き収容部
の右半分と、タンク収容部の後半分と、タンク収容部の
底部およびヘッド部の底部からなる。ケース本体部1の
糸巻き収容部側には、スプリングの中心端に差し込まれ
た軸と一体となったハンドル3が取り付けられ、その反
対側の開口部は、縁部に回し込んで嵌合されるケース蓋
2で覆われている。タンク4は、ケース本体部1のタン
ク収容部の開口部およびこれに連なるヘッド部分の開口
部からタンク収容部分の底部の上に載置される。その
後、タンクカバー5をヘッド部分側からケース本体部1
に水平に差し込んで、墨つぼが組み立てられる。
【0017】ケース本体部1は、図示左側の糸巻き収容
部の右半分と、図示右側のタンク収容部の後半分とが、
仕切部を境にして分けられている。この仕切部には、図
7,図8を参照して後述するように、糸6の交換時に糸
6をプーリーからヘッド側に引き出す通路とするため
に、糸巻き収容部側の開口部とタンク収容部側の開口部
との間に、溝1aが設けられている。図1では、ケース
本体部1の外表面において、糸巻き収容部側の開口部の
周縁の一端とタンク収容部側の開口部の上部後端との間
に溝1aが示されている。溝1aは、垂直下方に仕切部
を貫いている。この溝1aは、外表面近傍においては、
溝の壁面同士が接触して閉じているが、ケース材料に弾
性があるため、糸を通すことができ、実質的にケースの
外部に開放されている。そして、墨つぼの使用時には、
この溝1aの下方部分が糸巻き収容部側からタンク収容
部側に糸を通す部分となる。
【0018】実際には、糸巻き収容部の右半分,タンク
収容部の後半分の右側,仕切部の右半分とが一体的に成
型され、これにタンク収容部の後半分の左側および仕切
部の左半分からなるものが図示しないビスによって組み
立てられて一体化されている。したがって、溝1aは、
左右の仕切部の境界に沿って設けられている。
【0019】タンクカバー5のヘッド部分から糸6が引
き出され、糸の先端はカルコ7に結びつけられている。
実際に線を引く際には、ヘッド部分の糸引き出し溝5a
に合わせて糸が引き出される。また、ヘッド部分は、カ
ルコ7の針側が収納できるような凹部を有する開口にな
っている。ハンドル3には、外周の一部分に指先を入れ
るための円形穴が設けられ回しやすいようにしてある。
【0020】図2は、図1に示した墨つぼを分解した第
1の斜視図であり、糸の巻き取りをする軸に沿った部分
図である。図中、図1と同様な部分には同じ符号を付し
て説明を省略する。1bは固定カム板、3aは軸、3b
は周溝、11は逆転防止ばね、11aは取付穴、12は
スプリングドラム、13はスプリング、14はスプリン
グドラム蓋、15は軸受け、16はプーリーである。
【0021】ケース本体部1の糸巻き収容部側に設けら
れた中心穴の周囲には、固定カム板1bが成型されてい
る。この固形カム板1bとハンドル3との間に、逆転防
止ばね11が挟み込まれてハンドル3の軸3aが中心穴
に通される。逆転防止ばね11は、図4を参照して後述
するように、その取付穴11aにハンドル3の裏面に設
けられた、嵌め込み突起3cが嵌合されハンドル3と一
体化されて回転する。
【0022】軸3aは、半割りにされており、スプリン
グ13の中心側の末端部に差し込まれ、さらにスプリン
グドラム蓋14の中心を貫通して軸受け15に差し込ま
れる。軸3aの中間の長さの部分には、僅かな段差が設
けられているが、この部分に周溝3bが切られている。
軸受け15は、ほぼ円筒形状であり、その中心穴には内
歯状に複数の爪部材が設けられており、この爪部材が周
溝3bに係合することによって、軸3aが簡単に外れな
いようにしている。
【0023】スプリング13が収容されたスプリングド
ラム12およびスプリングドラム蓋14の外周面の3箇
所には僅かな高さの突起が設けられており、スプリング
ドラム12およびスプリングドラム蓋14にプーリー1
6をはめ込むとき、この突起とプーリー16の内周面の
凹部とが嵌合することにより、3者が一体的に回転する
ようになっている。プーリ16には糸6が巻回されてお
り、プーリ16は着脱可能である。
【0024】図3は、図1に示した墨つぼを分解した第
2の斜視図であり、糸の経路に沿った部分図である。図
中、図1,図2と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。1cは糸案内部、4aはインク供給口、4
bはインク滴下部である。
【0025】ケース本体部1の糸巻き収容部側の開口部
からプーリー16がケース内部に挿入され、ケース蓋2
を回し込み、ケース蓋2の外周面に設けられた鍵溝によ
りケース蓋2を固定する。ケース蓋2の外周面の一部
は、ケース本体部1の内部に回し込まれるが、その図示
右下部は切り欠かれていて、プーリー16から引き出さ
れた糸6のタンク収容部側への通路を確保している。こ
の切り欠きに対向するケース本体部1側の仕切部には溝
1aがある。
【0026】タンク4は、上部にインク供給口4aを有
し、下部にインク滴下部4bを有する。インク滴下部4
bの先端には、糸を通す溝が形成されている。ケース本
体部の底部には、図示を省略したが、インク滴下部4b
に対向してスポンジなどインク含浸体による受け部材が
設けられている。インク滴下部4bの溝には、糸6が掛
けられ、図示を省略したばねの付勢力に抗してタンク4
を押し付けると、インク滴下部4b内部の弁が開き、イ
ンク滴下部4bからインクが流出し、糸6にインクが供
給されるとともに受け部材にインクが吸収される。
【0027】糸6は、ヘッド収容部の底面に設けられた
溝とヘッド収容部の底部に立設された糸案内部1cに設
けられた溝を通される。ケース本体部1にタンク4を載
置した後にタンクカバー5をはめ込んで、糸6は、タン
クカバー5のヘッド部から引き出される。なお、本明細
書では、墨汁を含めて、顔料や染料を用いた液体をイン
クと呼んでいる。色は、黒に限られるものではなく、赤
や白など、墨付けするのに適した適宜の色を選択するこ
とができる。
【0028】図4は、図2に示したハンドルと逆転防止
ばねとの結合関係の説明図である。図中、図2と同様な
部分には同じ符号を付して説明を省略する。3cは嵌め
込み突起、11bはアーム、11cは係合突起である。
【0029】逆転防止ばね11は、120度間隔でリン
グ面上に設けられた取付穴11aの位置を基点とした3
本のアーム11bが円周方向に沿って設けられたもの
で、各アーム11bの先端部には係合突起11cが設け
られ、係合突起11cはリングの中心方向に突設して滑
らかな曲面の先端を持っている。この逆転防止ばね11
は、弾性を有する合成樹脂で製作されているため、アー
ム11bは、弾性変形して基点を中心にリングの中心方
向に僅かに回動できるようしてある。ハンドル3と逆転
防止ばね11とは、ハンドル3の裏面に突設された嵌め
込み突起3bと逆転防止ばね11の取付穴11aとで係
合する。
【0030】図5は、図2に示した逆転防止ばねと固定
カム板の拡大図である。図5(A)は逆転防止ばね、図
5(B)は固定カム板の拡大図である。図中、図4と同
様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。図5
(A)においては、逆転防止ばね11を図4とは逆の
面、すなわち、ハンドル3側から見た図である。同様
に、図5(B)においては、固定カム板1bをハンドル
3側から見ている。
【0031】図5(B)に示すように、固定カム板1b
は、周縁の形状が同一の3つの領域からなり、その1つ
の領域についてみると、中心点Oから偏心した円弧であ
る円弧部Cが大部分を占め、中心点Oからの径線に垂直
な直線となった直線部Bが一部にあり、この直線部Bと
隣の領域の円弧部分の端部とを直線的に結ぶ急峻な傾斜
部Aからなる。円弧部Cにおいては、直線部Bとの境界
点で中心点からの径の長さが最も短かく、時計回り方向
に緩やかに径の長さが長くなり、隣の領域の傾斜部Aと
の境界点で径の長さが最も長くなる。傾斜部Aの直線
は、直線部Bとの境界点において中心点Oからの径線に
対して、反時計回り方向に傾斜し、図示の例では30度
傾斜している。なお、直線部Bを持たず、傾斜部Aと円
弧部Cだけから構成されていてもよい。
【0032】逆転防止ばね11と固定カム板1bとは、
大まかな構成としては、一方向回転のみが可能で逆方向
回転が不可能な従来のラチェット機構に類似している。
しかし、固定カム板1bの傾斜部Aの直線は反時計回り
方向に傾斜しているため、図4等に示した軸3bに大き
な回転力が加わったときには、軸3bの逆方向回転が可
能となるものである。このような機構により、糸6の引
き出し,自動巻き込み、スプリングの巻き込みが一杯と
なった際の空転、その後のハンドル3によるスプリング
13のチャージが可能となる。
【0033】図6は、糸の引き出しおよび巻取機構の動
作説明図である。図6(A)は糸を引き出すとき、およ
び、糸を巻き戻す際の説明図であり、図6(B)はスプ
リングの巻き込みが一杯となった際の説明図であり、図
6(C)はハンドルによるスプリングのチャージをする
際の説明図である。図中、図2,図4と同様な部分には
同じ符号を付して説明を省略する。なお、逆転防止ばね
11と固定カム板1bとは図5と同様のものであり、逆
転防止ばね11の図示を一部省略しているだけである。
しかし、スプリング13,プーリー16,糸6は、動作
説明用に記載したものであり、実際の形状および寸法を
表わすものではない。
【0034】図2に示したプーリー16は、スプリング
ドラム蓋14およびスプリングドラム12と係合してお
り、スプリングドラム12にはスプリング13の外側の
末端部が固定されている。したがって、プーリー16
は、スプリング13の外側の末端部と連動して回転す
る。また、図4に示したように、逆転防止ばね11は、
ハンドル3の裏面に固定され、ハンドルの軸3aは図2
に示したように、スプリング13の中心側の末端部に取
り付けられている。したがって、逆転防止ばね11は、
スプリング13の内側の末端部と連動して回転する。
【0035】図6(A)は通常の状態である。糸6を引
き出すときは、プーリー16は反時計回り方向に回転す
る。それとともに、スプリング13の外側の末端部も反
時計回り方向に回転し、中心側の末端部も同方向に回転
しようとするが、逆転防止ばね11の係合突起11c
は、固定カム板1bの図5(B)に示した直線部Bにあ
り、傾斜部Aに当接して回転を阻まれるため、中心側の
末端部は回転しない。したがって、糸6を引き出すにつ
れ、スプリング13はチャージされる。このとき、糸6
を離せば、チャージされたスプリング13の巻き戻し方
向の付勢力で糸6は、再び、引き戻され、プーリー16
に自動的に巻き取られる。
【0036】図6(B)に示すように、スプリング13
が卷き締まった後に、さらに糸6を長く引き出したい場
合、糸6を引き出す力を強めれば、逆転防止ばね11の
係合突起11cは、固定カム板1bの図5(B)に示し
た傾斜部Aを自動的に乗り越えることになり、ハンドル
3は反時計回り方向に逆回転し、スプリング13が開放
され、プーリー16は反時計回り方向に回転し、さらに
糸6を長く引き出すことができる。
【0037】このようにして糸6を繰り出すと、スプリ
ング13の巻き付け量に比べて長い糸6が引き出された
ことになるため、糸の自動巻取り時に、途中でスプリン
グ13の付勢力がなくなるが、その後は、ハンドル3を
手動で回転させて糸を巻き取る。
【0038】このときは、図6(C)に示すように、糸
6を指で押さえて引き戻されないようにした上で、ハン
ドル3を時計回り方向に回す。このとき、逆転防止ばね
11の係合突起11cは、固定カム板1bの周面に係合
しながら滑り方向である時計回り方向に回転する。同時
に、スプリング13の中心側の末端部も時計回り方向に
回転する。一方、糸6を引き止めているため、プーリー
16の回転が阻止されてスプリング13の外側の末端部
は回転しない。その結果、スプリング13がチャージさ
れる。滑り方向であるため、ハンドル3は軽快に回すこ
とができる。スプリング13のチャージをした後に、糸
6を離して巻き戻す。なお、糸6を指で押さえることな
く、ハンドル3を時計回り方向に回しながら、同時に糸
6を巻き戻してもよい。
【0039】上述した説明では、ケース本体部1側に固
定カム板1bを固定し、ハンドル3側に逆転防止ばね1
1を固定したが、逆に、ケース本体部1側に逆転防止ば
ね11を固定し、ハンドル3側に固定カム板1bを固定
してもよい。この場合には、逆転防止ばね11は回転せ
ず、固定カム板1bが回転する。ただし、このままで
は、回転が容易となる回転方向が反時計回りの方向にな
るので、図5に示した逆転防止ばね11および固定カム
板1bを裏返した形状に変更する必要がある。
【0040】図7は、使用状態における糸の経路の説明
図である。図7(A)は墨つぼの内部構造を示す説明
図、図7(B)は図7(A)に示した矢視Aの切断線か
ら見た断面図である。糸の経路を説明するため、構造は
簡略的に図示している。図中、図1ないし図3と同様な
部分には同じ符号を付して説明を省略する。1dないし
1gは第1ないし第4のガイドピン、5bはガイドピン
である。溝1aの詳細は、図7(A)ではわかりにくい
ので、図7(B)に示してある。
【0041】図7(B)に示すように、ケース本体部1
の糸巻き収容部側とタンク収容部側との間に設けられた
仕切部には、溝1aが設けられている。溝1aは、糸巻
き収容部側の開口部とタンク収容部側の開口部との間を
つなぎ、ケース本体部1のケース外部に開放された溝で
あり、糸6の交換時などに糸6をプーリー16からヘッ
ド側に引き出す通路となる。この溝1aの上部は、左右
からくびれて接触しており、この溝1aの下方部分は、
墨つぼの使用時に糸6の通路となる。
【0042】ケース本体部1内の糸6の通路には、第1
ないし第4のガイドピン1dが設けられている。第1の
ガイドピン1dは、糸巻き収容部側とタンク収容部側と
を結ぶ仕切部の溝の糸巻き収容部側に設けられ、第2,
第3のガイドピン1e,1fは、インク滴下部4bに至
る直前および直後に設けられている。第4のガイドピン
1gは、ケース本体部1内のヘッド部先端に設けられた
溝の下側に設けられている。また、タンクカバー5のヘ
ッド部の端部にある糸引き出し溝5aにもガイドピン5
bが設けられている。糸6は、プーリー16から、第
1,第2のガイドピン1d,1e、インク滴下部4b、
第3のガイドピン1fを通って、ヘッド部から引き出さ
れる。
【0043】図8は、糸が切れた場合や糸を交換する場
合などにおける糸の引き出し手順の説明図である。図8
(A)は、プーリーのセット時、図8(B)は糸を糸巻
き収容部側の開口部から溝を通してタンク収容部の開口
部側に引き出した状態、図8(C)はタンク4のセット
時、図8(D)はタンクカバーのセット時の説明図であ
る。図中、図1,図7と同様な部分には同じ符号を付し
て説明を省略する。図2に示したスプリングドラム1
2,スプリングドラム蓋14の図示を省略するなど、構
造は簡略的に図示している。
【0044】まず最初に、図8(D)を参照し、プーリ
ー16を取り外すときの説明をする。ケース本体部1の
糸巻き収容部側の開口部からケース蓋2を外せば、糸が
卷かれたプーリー16を取り外すことができる。このプ
ーリー16に新しい糸6を卷くか、プーリー16ごと糸
6を交換する。新しい糸6にあらかじめカルコ7を取り
付けても差し支えない。なお、カルコ7を付けた古い糸
6ごとプーリー16を取り出すこともできるが、この場
合には、図8(A)ないし図8(D)に沿って説明する
再組立時の糸の引き出しと逆の手順で古い糸を取り出す
ことができる。
【0045】図8(A)において、糸6を交換する際に
は、ケース本体部1の糸巻き収容部側の開口部から、糸
6が巻かれたプーリー16を図2に示したスプリングド
ラム12,スプリングドラム蓋14にはめ込む。図8
(B)に示すように、糸6は、糸巻き収容部側の開口部
から、溝1aのくびれ部分をくぐらせて、タンク収容部
の開口部側に引き出す。図8(C)に示すように、イン
ク滴下部4bの先端の溝で糸6を押さえてタンク4をセ
ットすると、糸6は第1ないし第3のガイドピン1d,
1e,1fに掛け渡され、糸案内部1cの溝を通され
る。図8(D)に示すように、タンクカバー2をセット
すると、糸の交換が終了し、墨つぼが再組立される。
【0046】上述した説明では、ケース本体部1のケー
ス外部から溝1aに糸を通したが、溝1aをケース外部
に開放しない溝、言い換えれば細穴とした場合にも、こ
の細穴を通して、糸巻き収容部側の開口部とタンク収容
部側の開口部との間に糸を挿通することができる。両開
口部は大きく開いているため、カルコ7を付けていない
場合には、挿通が比較的容易である。
【0047】図5等を参照して説明した逆転防止ばねと
固定カム板は、一般的な方向性を有する回転規制手段と
して他の用途にも用いることができる。特に、スプリン
グの付勢力を用いて長尺体を引き出したり卷き取ったり
する用途に用いると好適である。
【0048】すなわち、ケース本体部内に長尺体の巻回
部を有すものにおいて、巻回部に結合され長尺体を巻き
取る付勢力を有するスプリング部と、このスプリング部
を卷き取る軸を有するハンドル部を設け、さらに、ケー
ス本体部とハンドル部との間に双方向の回転が可能で、
かつ、ハンドル部によりスプリング部を卷き取る方向の
回転に比べて逆方向の回転に大きな力を必要とする方向
性を有する回転規制手段を設け、この方向性を有する回
転規制手段として上述した逆転防止ばねと固定カム板を
採用してもよい。墨つぼと同様に、スプリング部が卷き
締まった後にも、長尺体を引き出すことができ、かつ、
巻き戻す際には、スプリング部にチャージを与えること
が可能である。より具体的には、長尺体を目盛りを付し
たテープ状体とすれば、巻き尺に用いることができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、糸巻き部に結合され糸を巻き
取る付勢力を有するスプリング部と、このスプリング部
を卷き取る軸を有するハンドル部と、ケース本体部とハ
ンドル部との間に、双方向の回転が可能で、かつ、ハン
ドル部によりスプリング部を卷き取る方向の回転に比べ
て逆方向の回転に大きな力を必要とする方向性を有する
回転規制手段を設けたことから、スプリングの巻き込み
が一杯のときにもさらに糸を引き出すことができ、ハン
ドルの手動回転による、スプリングのチャージおよび糸
の巻き取りをすることもでき、使い勝手がよいという効
果がある。
【0050】請求項2に記載の発明によれば、方向性を
有する回転規制手段は、カム板と弾性部材とからなり、
カム板は、中心からの径方向の距離が一方の回転方向に
緩やかに増加する部分と逆の回転方向に急峻に増加する
部分を有し、急峻に増加する部分は、径線に対して、逆
の回転方向側に傾斜したものであり、弾性部材は、カム
板に係合する突起を有し、カム板と弾性部材の一方がケ
ース本体部に固定され、他方がハンドル部に固定される
ことから、部品点数が少ない簡素な構成で方向性を有す
る回転規制手段を実現することができるという効果があ
る。
【0051】請求項3に記載の発明によれば、糸にイン
クを供給するインクタンクとケース蓋とインクタンクカ
バーを有し、ケース本体部は、糸巻き部が挿入されケー
ス蓋で覆われる第1の開口部と、インクタンクが取り付
けられインクタンクカバーで覆われてヘッド開口部とな
る第2の開口部を有することから、糸巻き部およびイン
クタンクの着脱時の分解が容易で、糸が切れた時、糸の
交換時においても、分解が容易で、かつ、第1の開口部
と第2の開口部の間の通路に糸を通すのみで糸を引き出
すことができるという効果がある。ヘッド開口部には、
糸が切れた時や糸の交換時のために特別な糸の通路を要
しないため、墨つぼの使用時にこのような特別な通路に
糸が引っかかることがないという効果がある。
【0052】請求項4に記載の発明によれば、ケース本
体部は、第1の開口部と第2の開口部との間に、ケース
本体部の外部から糸を挿通する溝を有することから、第
1の開口部と第2の開口部の間に糸を容易に通すことが
できるという効果がある。糸にカルコが付いている状態
でも差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の墨つぼの実施の1形態の全体構成を示
す斜視図である。
【図2】墨つぼを分解した第1の斜視図であり、糸の巻
き取りをする軸に沿った部分図である。
【図3】墨つぼを分解した第2の斜視図であり、糸の経
路に沿った部分図である。
【図4】ハンドルと逆転防止ばねとの結合関係の説明図
である。
【図5】逆転防止ばねと固定カム板の拡大図である。
【図6】糸の引き出しおよび巻取機構の動作説明図であ
る。
【図7】使用状態における糸の経路の説明図である。
【図8】糸が切れた場合や糸を交換する場合などにおけ
る糸の引き出し手順の説明図である。
【符号の説明】
1…ケース本体部、1a…溝、1b…固定カム板、2…
ケース蓋、3…ハンドル、3a…軸、4…タンク、5…
タンクカバー、6…糸、7…カルコ、11…逆転防止ば
ね、12…スプリングドラム、13…スプリング、14
…スプリングドラム蓋、15…軸受け、16…プーリ
ー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース本体部と糸が巻回された糸巻き部
    を有する墨つぼにおいて、前記糸巻き部に結合され前記
    糸を巻き取る付勢力を有するスプリング部と、該スプリ
    ング部を卷き取る軸を有するハンドル部と、前記ケース
    本体部と前記ハンドル部との間に、双方向の回転が可能
    で、かつ、前記ハンドル部により前記スプリング部を卷
    き取る方向の回転に比べて逆方向の回転に大きな力を必
    要とする方向性を有する回転規制手段を設けたことを特
    徴とする墨つぼ。
  2. 【請求項2】 前記方向性を有する回転規制手段は、カ
    ム板と弾性部材とからなり、前記カム板は、中心からの
    径方向の距離が一方の回転方向に緩やかに増加する部分
    と逆の回転方向に急峻に増加する部分を有し、該急峻に
    増加する部分は、径線に対して、前記逆の回転方向側に
    傾斜したものであり、前記弾性部材は、前記カム板に係
    合する突起を有し、前記カム板と前記弾性部材の一方が
    前記ケース本体部に固定され、他方が前記ハンドル部に
    固定されることを特徴とする請求項1に記載の墨つぼ。
  3. 【請求項3】 ケース本体部と、糸が巻回された糸巻き
    部を有する墨つぼにおいて、前記糸にインクを供給する
    インクタンクとケース蓋とインクタンクカバーを有し、
    前記ケース本体部は、前記糸巻き部が挿入され前記ケー
    ス蓋で覆われる第1の開口部と、前記インクタンクが取
    り付けられ前記インクタンクカバーで覆われてヘッド開
    口部となる第2の開口部を有することを特徴とする墨つ
    ぼ。
  4. 【請求項4】 前記ケース本体部は、前記第1の開口部
    と前記第2の開口部との間に、前記ケース本体部の外部
    から糸を挿通する溝を有することを特徴とする請求項3
    に記載の墨つぼ。
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