JPH1077298A - 馬インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト - Google Patents

馬インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト

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JPH1077298A
JPH1077298A JP8235318A JP23531896A JPH1077298A JP H1077298 A JPH1077298 A JP H1077298A JP 8235318 A JP8235318 A JP 8235318A JP 23531896 A JP23531896 A JP 23531896A JP H1077298 A JPH1077298 A JP H1077298A
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JP
Japan
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receptor antagonist
interleukin
equine
horse
amino acid
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JP8235318A
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English (en)
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Hirotomo Katou
大智 加藤
Haruka Matsushiro
はるか 松代
Hiroko Hazama
弘子 間
Shigemi Takagi
茂美 高木
Toshihiro Watari
敏広 亘
Hajime Tsujimoto
元 辻本
Atsuhiko Hasegawa
篤彦 長谷川
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NIPPON SEIBUTSU KAGAKU KENKYUSHO
Original Assignee
NIPPON SEIBUTSU KAGAKU KENKYUSHO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 馬の関節性リウマチなどの炎症性疾患を
治療するため副作用のない治療薬を提供する。 【解決手段】 下記に示すアミノ酸配列を有し、馬イン
ターロイキン−1の作用を阻害する馬インターロイキン
−1レセプターアンタゴニストを有効成分とする馬の炎
症治療薬。 MEIRRRSVRHLISLLLFLFYSETACHPLGKRPCKMQAFRIWDVNQKTFYM
RNNQLVAGYLQESNTKLQEKIDVVPIEPDALFLGLHGRKLCLACVKSGDE
IRFQLEAVNITDLSKNKEENKRFTFIRSNSGPTTSFESAACPGWFLCTAQ
EADRPVSLTNKPKESFMVTKFYLQEDQ*

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は馬インターロイキン
−1レセプターアンタゴニスト及びそれをコードする遺
伝子に関する。さらに詳細には、馬における炎症性サイ
トカインの一つとして重要な役割を持つ馬インターロイ
キン−1の作用を阻害する物質として有用な馬インター
ロイキン−1レセプターアンタゴニスト、その製造法、
及びその使用に関するものである。
【0002】
【発明の背景と従来の技術】インターロイキン−1(以
下、IL−1と略す)は、単球・マクロファージを中心
とした種々の細胞から生産され、生体が受ける障害に対
して急性期の反応を引き起こす多彩な作用を持ったサイ
トカインである。その多彩な生物学的作用から種々の疾
患あるいは病態の形成に直接また間接的に関わっている
ことが近年知られるようになってきた。特にIL−1は
種々の炎症において、その慢性化とその結果としての組
織破壊に関して中心的な役割を果たしており、IL−1
の作用を抑制することが疾患あるいは病態の治療に役立
つという観点から、その抑制物質、すなわちIL−1阻
害剤が注目されている。
【0003】その中でも生体内に存在する生理的物質と
してのIL−1レセプターアンタゴニスト(以下、IL
−1raと略記する)が注目されている。ヒトIL−1
raは、IL−1阻害物質としてすでに1980年代に
単球性白血病の患者や発熱患者の尿中に存在することが
知られていた。1990年、ヒトIL−1raはHan
numら、Eisenbergらによってヒト単球培養
細胞上清中より精製・同定されるにいたった(Hannum et
al., Nature, 343, p336-340; Eisenberg etal., Nat
ure, 343, p341-346; Carter et al., Nature, 344, p
633-638) 。ヒトIL−1raは分子量約17kDaの
分泌タンパク質で、152個のアミノ酸から構成されて
いる。そのアミノ酸配列はヒトIL−1αと19%、I
L−1βと26%の相同性を有する(Carter et al., Na
ture, 344, p633-638; Eisenberg et al., Nature, 34
3, p341-346)。
【0004】IL−1raはIL−1レセプターにおい
てIL−1と拮抗し、IL−1とほぼ等しい結合定数を
持って結合するが、IL−1活性は示さない。したがっ
て、IL−1raが存在するとIL−1はレセプターに
結合できないため、IL−1の作用が阻害されることに
なる。
【0005】実際にこれまでにヒトの疾患・病態におい
てIL−1とIL−1raのバランスの崩れた状態と考
えられる病態、例えば慢性関節リウマチ、敗血性ショッ
ク、急性骨髄性白血病、炎症性腸疾患などで組換えIL
−1ra投与による病態の改善が数多く報告されている
(田中, 塩澤. 医学のあゆみ, 174, p1218-1222)。
【0006】これらの報告の中で注目すべきことはその
多くで投与量の多少に関わらず重篤な副作用がなく、ま
た、それに対する抗体産生が見られなかったという事実
である。これはIL−1raが元来生体内に存在する生
理活性物質であることに由来するものと考えられ、治療
薬として有用な点である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】馬は産業動物としても
飼育されているが、一方、競走馬として重要視されてい
る。したがって、競走馬が、たとえば関節性リウマチな
どの重篤な炎症性疾患に陥いると競走馬としての生命を
奪われ、たとえ軽微な炎症であっても競馬に影響するた
め、炎症を治療するため副作用のない治療薬が必要とな
る。したがって、安全で強力な効果を持つIL−1ra
が注目される。
【0008】しかしながら、馬IL−1raは馬を飼育
して、もしくは馬由来の培養細胞を用いて大量に生産す
る技術は確率されておらず、また精製する試みさえされ
ていない。したがって、患馬に治療剤として使用するの
に必要な十分量を入手することは困難である。また、ヒ
トなど他の種のIL−1raを流用することも考えられ
るが、投与の際にそれらに対して免疫反応を惹起し、ま
た、抗体を誘導する危険性があり、さらに、馬における
効果は低いと予想される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、馬IL−1raを安価に供給すべく馬IL
−1raをコードする遺伝子をクローニングし、さらに
該遺伝子を有する発現ベクターを作製し、本発明の完成
にいたった。
【0010】すなわち、本発明は、馬IL−1の作用を
阻害し、配列番号1に示すアミノ酸配列を有する馬IL
−1raを提供するものである。
【0011】前記のアミノ酸は、馬インターロイキン−
1の作用を阻害するものであればその配列の一部が欠失
もしくは置換、あるいは1〜複数個のアミノ酸の付加、
さらにはこれらの操作の組み合わせによって作成された
アミノ酸配列を有するものであってもよく、これらは遺
伝子組換え技術によって造成された組換えIL−1ra
遺伝子を用いて得ることができる。
【0012】本発明の上記のアミノ酸配列を有する馬I
L−1raの生物活性を有するタンパク質は、配列番号
1の塩基配列を持つ遺伝子断片、あるいは馬IL−1r
aをコードするゲノム遺伝子から転写・翻訳されたもの
である必要はかならずしもなく、例えば、化学合成法等
により生産されるものであっても良い。また、配列番号
1の塩基配列も、化学合成法、DNA複製法、逆転写
法、転写法などいずれの方法によって得たものであって
も良い。
【0013】本発明はさらに当該遺伝子を用いての遺伝
子組換え技術による馬IL−1raの製造方法を提供す
る。
【0014】馬IL−1ra生産細胞は次のようにして
作出することができる。
【0015】宿主細胞が真核細胞の場合は、例えば、配
列番号1に示すアミノ酸配列を有する馬IL−1ra遺
伝子断片を有するDNA断片をウイルス等のプロモータ
と結合させ、真核細胞を形質転換させて馬IL−1ra
生産細胞を作出することができる。また、バキュロウイ
ルス等の組換えウイルスベクターを用いた場合は、たと
えば、Smithらの方法(Smith et al., Mol. Cell.
Biol., 3, p2156-2165 )に基づいて、組換えウイルス
ベクターを作出することができる。すなわち、馬IL−
1raタンパク質をコードするDNA断片をバキュロウ
イルスの多核体プロモータと連結し、そのトランスファ
ーベクターをバキュロウイルスDNAとともに昆虫細胞
に導入し、得られた組換えバキュロウイルスの内、馬I
L−1raの活性を生産する組換えウイルスクローンを
選択し、その組換えクローンを昆虫細胞もしくは昆虫に
感染させ、馬IL−1raタンパク質を生産することが
できる。
【0016】また、宿主細胞が原核細胞である場合は、
例えば発現ベクターに馬IL−1raタンパク質をコー
ドするDNA断片を連結し、真核細胞を形質転換させて
馬IL−1ra生産細胞を作出することができる。
【0017】これらの遺伝子組換え操作は、既知の手法
に従って行えば良く、特に限定されない。遺伝子操作技
術・細胞工学技術によって、たとえばシグナル配列の付
加や改良、宿主−ベクター系の好適選択、遺伝子の発現
制御部位の改良等により発現効率の調節などを図ること
ができる。また、宿主の選択により糖鎖が結合されたも
のとして得ても良い。
【0018】本発明はまた、上記形質転換された細胞を
培養し、生産される馬IL−1raタンパク質を分離回
収することによって該タンパク質を製造する方法を提供
することを特徴とする。培養細胞からの上記タンパク質
の分離は通常の方法を用いることができるが、アフィニ
ティカラムクロマトグラフィーによる方法、特には特異
抗体を結合させた担体を用いる方法が好ましく用いられ
る。
【0019】本発明によれば、形質転換させた細胞等を
用いて馬IL−1raタンパク質を大量に生産すること
ができ、馬の炎症治療薬として用いることができる。
【0020】なお、以上の操作は、サムブロックら(Sa
mbrook et al, 1989, Molecular cloning: a laborator
y manual. 2nd edition, Cold Spring Harbor, New Yor
k: Cold Spring Harbor Press )等の既知の遺伝子操作
技術・細胞工学技術にしたがって行うことができる。
【0021】本発明はさらに、本馬IL−1raを有効
成分として含有する医薬組成物を提供することを特徴と
する。この医薬組成物は炎症治療薬として好ましくは用
いられる。また、本馬IL−1raを用いれば、公知の
手法により特異抗体を得ることもできる。本特異抗体は
馬IL−1raを測定する手法に特に有効で、それによ
り、馬の炎症性疾患に関する情報を提供することができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】配列番号1のアミノ酸配列を有す
る馬IL−1raの生物活性を有するタンパク質は以下
のようにして同定することができる。
【0023】すなわち、馬の末梢単核球をLPS(リポ
ポリサッカライド)で刺激し、それらの細胞RNAを抽
出する。そのRNAに対してcDNAを作製し、ヒト・
マウスですでに報告されている遺伝子配列を元に作製し
た合成DNAプライマーを用いてPCR(ポリメラーゼ
チェーン リアクション)法により目的とする遺伝子
領域を増幅した。これを市販のベクターに組み込んで塩
基配列を決定し、ヒト・マウス・ウサギのIL−1ra
遺伝子と相同性のあるクローンを選択し、さらに、タン
パク質をコードする全塩基配列を決定するために、上記
cDNAを組み込んだcDNAライブラリーを作成し、
PCRクローニングしたDNA断片をプローブとしてス
クリーニングしcDNAクローンを得る。さらに、PC
R法により、残りのcDNA断片をクローニングし、以
上のクローニングされたcDNA断片の塩基配列を決定
する。それらを組み合わせることにより、cDNAの全
体の塩基配列を明らかにする。さらに、クローン化され
たcDNAのタンパク質をコードする遺伝子断片を融合
タンパク質として大腸菌で発現させ、生物活性を確認す
ればよい。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0025】(1)cDNAの合成 IL−1raはヒトでは主としてリポポリサッカライド
(以下、LPSと略記する)の刺激により単球、マクロ
ファージで生産されることが報告されている(Andersso
n et al., Eur. J. Immunol., 22, p2617-2623)。した
がって、馬IL−1raのcDNAを作製するために、
正常な馬から血液を採取し、単球を含む末梢血単核球
(以下、PBMCと略記する)を分離・精製した。
【0026】すなわち、血液をリン酸緩衝生理食塩水
(以下、PBSと略記する)で希釈し、Ficoll−
Hypaque(LymphoprepTM、Pharm
acia社製)に重層した後、1750rpm x40
minで遠心し、血漿とFicollとの界面に存在す
るPBMCを回収した。
【0027】回収したPBMCを10% FCS、50
μg/ml ゲンタマイシンを含むRPMI1640
(日水製薬株式会社製)に細胞濃度 1×105 /ml
になるように浮遊させ、5μg/ml LPSを加
え、24時間、37℃、5% CO2 下で培養した。細
胞を遠心で集め、直ちにInvitrogen 社から
販売されているFast TRACKTM mRNA I
solationキットに添付されているLysisバ
ッファで細胞を溶解した。次に、本キットに添付されて
いるプロトコールにしたがってmRNAを分離し、エタ
ノール沈殿状態とした。
【0028】次に、得られたmRNAを滅菌蒸留水に溶
解し、そのうちの1μgを鋳型とし、Pharmaci
a 社より販売されているcDNA Synthesi
sキットを用いて、添付のプロトコール通りに反応を行
い、cDNAを合成した。cDNAは100μlの滅菌
蒸留水に溶解した。
【0029】(2) PCRによる増幅 (2−1) 3S5Rフラグメントの増幅 ヒトおよびマウスのIL−1ra遺伝子の間でよく保存
されている領域の塩基配列をもとに、下記の塩基配列を
有するDNAプライマー、3Sおよび5Rを合成した。
【0030】 3S: 5'-TGCAAGCCTTCAGAATCTGGGA-3' 5R: 5'-ATCGCTGTGCAGAGGAACCA-3' なお、これらのプライマーはヒトIL−1ra遺伝子の
塩基配列に次のように対応する。すなわち、3Sは10
4番目から125番目の塩基配列に、5Rは429番目
から449番目の塩基配列に対応する。
【0031】前記「(1)」で合成したcDNAのうち
1μl、3Sプライマー(0.4μM)、5Rプライマ
ー(0.4μM)、Taq DNAポリメラーゼ(1.
5U)を用いて、市販のPerkin Elmer G
ene Ampキットにて全量100μlで、94℃
1分、55℃ 1分、72℃ 1分からなる行程を1サ
イクルとして30サイクルからなるPCRを行った。P
CRの産物を3%アガロースゲルで電気泳動を行い、臭
化エチジウムにて染色後、紫外線照射下で約300bp
のバンドを切り出し、Takara suprec−0
1カラムにて添付のプロトコールに従いcDNAを回収
した。
【0032】(2−2) PCR産物のクローニング 前記「(2−1)」で得られたPCR産物を、TA−c
loningキット(Invitrogen社製)にて
PCRIIプラスミドベクターへ組み込んだ後、大腸菌
INVαF’株(OneShotキット,Invitr
ogen社製)へ遺伝子導入し、50μg/mlのアン
ピシリン、36μg/mlの5−ブロム−4−クロロ−
3−インドリル−β−D−ガラクトシドおよび40μg
/mlのイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(以
下、IPTGと略する)を含んだ2×YT培地で作成し
たアガープレートで選択した。37℃で一晩培養し、現
れてきたコロニーのうち白いものをランダムに選択し、
引き続き、50μg/mlのアンピシリンを含んだ2m
lの2×YT培地で一晩培養した。遠心により大腸菌を
集菌した後、0.1M塩化ナトリウム、10mMトリス
塩酸(pH8.0)、1mMエチレンジアミン4酢酸
(以下、EDTAと略記する)、5%トリトンX−10
0を含むバッファに大腸菌を浮遊させ、250μgのリ
ゾチームを加えて大腸菌の細胞壁を破壊した。大腸菌の
浮遊液を100℃の温浴で40秒間熱することで溶菌
し、12000gで10分間遠心し、ペレットを除い
た。上清に1/10容の3M酢酸ナトリウム(pH5.
2)と等量のイソプロパノールを加え、核酸を沈殿と
し、12000gで5分間遠心して沈殿を回収した。沈
殿を70%エタノールで洗浄し乾燥させた後、20μg
/mlのRNaseを含むTEバッファ(10mMトリ
ス塩酸(pH8.0)、1mM EDTA)に溶解し
た。プラスミドDNAを制限酵素EcoRIで消化し、
アガロースゲルで電気泳動することにより、cDNAが
組み込まれているプラスミドDNAを持つ大腸菌クロー
ンを選択した。
【0033】(2−3) 塩基配列の決定 cDNAが組み込まれていたクローンを2×YT培地で
50ml培養し、プラスミドDNAをQiagen P
lasmid Midiキット(Bio101、In
c.社製)にて添付のプロトコール通り操作し、抽出・
精製した。組み込まれたcDNAの塩基配列をAuto
Read Seaquencingキット(Phar
macia社製)を用い、キットに含まれるプライマー
を利用して添付のプロトコールに従って決定した。
【0034】(3)cDNAライブラリーの作製および
スクリーニング cDNAライブラリーはStratagene社のLa
mbda ZAP II Vectorキットを用い、
添付のプロトコール通り行った。
【0035】すなわち、前記「(1)」で得られたcD
NAにキットに添付されているEcoRI/NotIリ
ンカーを結合し、制限酵素EcoRIで切断したλZA
P−IIベクターと混合し、ライゲーションを行い、c
DNAをベクターに組み込んだ。さらに、Gigapa
ck Plus キット(Stratagene社製)
を用いて添付のプロトコールに従いパッケージングを行
い、cDNAライブラリーを作成した。前記「(2−
2)」で得られた馬IL−1ra cDNA断片を32
で標識したものをプローブとして用い、プラークハイブ
リダイゼーション法によりこのcDNAライブラリーを
スクリーニングした。
【0036】すなわち、ファージプラークを転写したフ
ィルターを作成し、そのフィルターを100mM/ml
鮭精子DNA、標識プローブを含むハイブリダイゼーシ
ョン溶液(50%ホルムアミド、1%SDS、5%アイ
リッシュクリーム、4×SSPE(1×SSPEは0.
18M 塩化ナトリウム、0.01M リン酸ナトリウ
ム,1mM EDTA))で37℃で18時間保温し
た。フィルターを0.1%SDSを含む4xSSC(1
xSSCは0.15M 塩化ナトリウム、0.015M
クエン酸ナトリウム)で、1時間ずつ3回洗浄した。
フィルターをX線フィルムと重ね、−70℃でオートラ
ジオグラフィーを行った。
【0037】陽性クローンを3回同様の方法でプラック
クローニングし、Lambda ZAP II Vec
torキットのプロトコール通り、R408ヘルパーフ
ァージを用いてインサートを持ったプラスミドクローン
を取り出した。本プラスミドクローンはpEra2と命
名した。
【0038】pEra2のcDNAインサートの塩基配
列を前記「(2−3)」に示した方法で決定した。
【0039】(4) 5’領域のクローニング 前記「(3)」で作成したEcoRI/NotIリンカ
ーを結合したcDNAを、pUC118プラスミドベク
ターのEcoRI部位に組み込み、それを鋳型として、
pUC118特異的プライマーOUTおよび馬IL−1
ra特異的プライマーra4Rを用いて前記「(2−
2)」と同様にPCRを行い、クローニングした。OU
T、ra4Rプライマーの塩基配列は以下の通りであ
る。
【0040】 OUT; 5'-CAGGGTTTTCCCAGTCACGA-3' ra4R; 5'-GCTCAGGTCAGTGATGTTAAC-3' 以上のcDNAの塩基配列は前記「(2−3)」に示し
た方法で決定した。
【0041】(5)塩基配列の比較 以上の方法で決定されたcDNA断片の塩基配列を結合
し、馬IL−1racDNAの全塩基配列を決定した。
塩基配列と予想されるアミノ酸配列を配列番号1に示
す。予想されるアミノ酸配列をヒト、マウス、ウサギの
IL−1raのアミノ酸配列と比較し、それらを並記し
た図を図2に示す。また、計算される相互の相同性を表
1に示す。馬IL−1raはヒト、マウス、ウサギのI
L−1raとそれぞれ、75.7%、75.3%、およ
び76.3%の相同性を示した。また、ヒト、マウス、
ウサギのIL−1raで保存されているN型糖鎖の部
位、5つのシステイン残基の部位も保存されていた。
【0042】(6)馬IL−1raの生物活性 (6−1) グルタチオン−S−転移酵素(以下、GS
Tと略す)−馬IL−1ra融合タンパク質の生産 馬IL−1ra cDNAのアミノ酸コード領域から、
予想されるシグナルペプチドをコードする領域を除いた
領域、すなわちORFの塩基配列70番目から534番
目に相当するDNA断片をPCR法で調製した。下記の
プライマーEEraS、EEraRを合成した。
【0043】 EEraS; 5'-CGGAATTCGCCTGCCACCCTTTGGGGAA-3' EEraR; 5'-CGCTCGAGCTACTGGTCCTCCTGGAGGT-3' ベクターと結合するため、プライマーEEraSおよび
EEraRはそれぞれ、5’端にEcoRIもしくはX
hoIの制限酵素部位を付加してあり、その塩基配列を
下線で示した。さらに、プライマーEEraSは、Ec
oRI部位で結合したとき、GSTタンパク質と馬IL
−1raとがフレームがあうよう設計されている。
【0044】PCRはpEra2を鋳型として前記
「(2−1)」と同様に行った。PCR産物のDNA断
片を、EcoRIおよびXhoIで切断し、前記「(2
−1)」と同様にアガロースゲルを用いて精製した。発
現ベクターはpGEXベクター(Pharmacia社
製)を利用し、同社のBulk and RediPa
ck GST Purification Modul
esキットを用いて添付のプロトコールに従い、発現・
精製した。
【0045】すなわち、pGEX発現ベクターをEco
RIおよびXhoIで切断し、上記精製PCR断片を組
み込んだ。大腸菌DH5α株(BRL社製)へ遺伝子導
入し、前記「(2−2)」と同様の方法でcDNAの組
み込まれているクローンを選択した。cDNAの組み込
まれているクローンを2mlの2xYT培地で一晩培養
し、0.1mM IPTGを加え、2時間発現誘導し
た。大腸菌を遠心して集め、1%TritonX−10
0を加えたPBSに懸濁し、超音波処理で溶菌した後、
キットに添付されているグルタチオンセファロース4B
RediPackカラムを用いてプロトコールに従っ
て精製し、馬IL−1ra融合タンパク質サンプルとし
た。またコントロールとして、インサートの入っていな
いクローンより同様の方法でGSTタンパク質サンプル
を得た。
【0046】(6−2) バイオアッセイ IL−1raの生物活性は、、ヒトIL−1により増殖
が抑制されるヒトメラノーマ由来A375−S2細胞を
用いたバイオアッセイにより検討した。
【0047】なお、この定量系は馬細胞を用いた系では
ないが、対象とするサイトカイン・リンフォカイン等が
種特異性が低い場合に異種で用いられているアッセイ系
を利用し生物活性を測定する方法は、例えばインターロ
イキン4(Howard et al.,J.Exp.Med.,155,914,(1982)
)、インターロイキン7(Conlon et al.,Blood,74,136
8,(1989))など、多数のサイトカイン・リンフォカイン
等の活性測定で採用されている一般的な方法である。
【0048】すなわち、10%FCS、50μg/ml
ゲンタマイシンを含むDMEM培養液に1×105 /m
lの濃度になるようにA375−S2細胞を浮遊させ、
0.8U/mlヒト組換えIL−1βを加えた上で、そ
れぞれ蛋白質濃度0.125mg/mlに調製したの
ち、3倍段階希釈したGSTタンパク質サンプルあるい
は馬IL−1ra融合タンパク質サンプルを添加した。
アッセイは一希釈につきトリプリケイトで行った。
【0049】以上のように調整した培養液でA375−
S2細胞を37℃、5%CO2 下で72時間培養した。
細胞の増殖は次のように判定した。
【0050】すなわち、培養後、培養上清を除き、細胞
シートをPBSで洗浄後、20%エタノール水溶液に溶
解した0.05%クリスタルバイオレット溶液にて10
分間染色した。余分なクリスタルバイオレットを水洗に
より除いた後、100%メタノールを細胞に添加するこ
とで細胞に結合したクリスタルバイオレットを溶出し、
ELISAプレートリーダーを用いてクリスタルバイオ
レットの吸収波長である540nmの吸光度を測定した
(図3)。
【0051】GSTタンパク質添加では540nmの吸
光度は低く、すなわち、細胞増殖が抑制されていた。こ
の抑制は培養液中に加えたヒト組換えIL−1βの作用
によるが、その抑制効果はGSTタンパク質添加では解
除されなかったことを示す。一方、IL−1ra融合タ
ンパク質サンプルを加えた場合、濃度依存的にヒト組換
えIL−1βの増殖抑制作用は阻害され、すなわち、細
胞が増殖して高い吸光度を示した。以上のことから本遺
伝子がIL−1の作用を抑制する活性、すなわち、IL
−1ra活性を有すると判断された。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、馬IL−1ra遺伝子
を遺伝子工学的手法により発現させ、馬IL−1raタ
ンパク質を大量に製造することができ、馬の炎症治療薬
として用いることができる。
【0054】
【配列番号1】 (-13)GCGGCCGCACAGG ATGGAAATCCGCAGGCGTTCTGTCAGACACCTAATCTCTCTCCTCCTTTTCTTGTTCTAC 60 M E I R R R S V R H L I S L L L F L F Y 20 TCAGAGACAGCCTGCCACCCTTTGGGGAAGAGACCCTGCAAGATGCAAGCCTTCAGAATC 120 S E T A C H P L G K R P C K M Q A F R I 40 TGGGATGTTAACCAGAAGACCTTCTACATGAGGAATAACCAACTAGTTGCTGGATACTTG 180 W D V N Q K T F Y M R N N Q L V A G Y L 60 CAAGAATCAAATACTAAATTACAAGAGAAGATAGATGTGGTGCCCATTGAGCCTGATGCT 240 Q E S N T K L Q E K I D V V P I E P D A 80 CTATTCCTGGGACTCCATGGGAGGAAGCTGTGCCTGGCCTGTGTCAAGTCTGGTGATGAG 300 L F L G L H G R K L C L A C V K S G D E 100 ATTAGGTTCCAATTGGAGGCAGTTAACATCACTGACCTGAGCAAGAACAAGGAGGAGAAC 360 I R F Q L E A V N I T D L S K N K E E N 120 AAGCGCTTCACCTTCATCCGCTCAAACAGTGGCCCCACCACCAGCTTCGAGTCTGCCGCC 420 K R F T F I R S N S G P T T S F E S A A 140 TGCCCTGGCTGGTTCCTCTGCACGGCGCAGGAGGCAGACCGGCCCGTCAGCCTCACCAAC 480 C P G W F L C T A Q E A D R P V S L T N 160 AAGCCCAAAGAGTCCTTCATGGTCACCAAGTTCTACCTCCAGGAGGACCAGTAGAACTGC 540 K P K E S F M V T K F Y L Q E D Q * 177 CCGTAGCTCCGCTTCCCCTATTCCCAGCACGTCGATGACTCCAGAGACTGCCTCTCCACC 600 CCAGGGTCTCCTGGGGCTCTGAGGAGCAGCCTTGGCAGGGTGGGCCCTCAGAAGGAGGTA 660 CACGAGCCCTCGTAACAGGACTCTGTCTCCAGCCTCCTCAGCTATCCCACCCTCCATGCT 720 GCTTCCACCATGGTCTTTCTAAAGTGCAGCTCAAACCACGGCCCTACTTAAAGCCCTTCA 780 GTGTCGTCTGTACCTTCAGGATAAAATCCGGGCCACCTGGCCAGCCTGGATGCCCTCTGC 840 TCTCCTCTCTCAAGTCTTCCTTCTCCCTCACCCCACTGTCCCTGCCCGAGATCCCTCAGG 900 CCACTCACTGGCCCCCCACCAATGGCTCTCATACCTTGTTTTGGAATCTGATGCTGTTCT 960 GTAGGGAAGACTTTTAGAGTCTGTGGCAAAATGGAAAATAAGAATTTCATGAAACTTTCT 1020 AAAGCCAGCTTTATCCAATTTGAAGGAGAGTCCTTTATTTGGAGATTATTTCCTTTTTGC 1080 AAAGGGGTGGGGATCAAAATATTCCTGTGTTTGTGAAGTGATAGTGAAGGGAGGTTCCCT 1140 TGTTAGTGTCCATTCTTGTTTTTGTAATACCCTAACCGGTAAAAATGAACAGTTAGTGTA 1200 CTATGTTTGTCCCTTATTCTTTCTTTCTGAAACGTTCCTGTAAGTCTGGACCCACTGCCC 1260 GGGCCTGAGCACCACCTCCATTGCAGACCTTTCACAGCTGCCCACAGTGCTTTCCCCTCC 1320 CATCAAAGGTTCCCCTGCTCCCACGGCACAGCACAAATGTGGCTCCTCCAAGGCCTTTCC 1380 TGATCTCCCGGGAGGAATGAATCGCTCCTTGACCATTTTAGCACTTCTGACGCTCTGAAA 1440 CTTGTTTGAAAGGTGGTTATGCCTCTGTCTGTCTCCTGCCCCAAACTGTGAGCTCCTGGA 1500 AGCAGGGAACATGACTGGCATGTGTCTCAGCTTCCCCCAGGGCCAAGCACATGGCCTGTT 1560 TTACAATAAAACCTTGA 1577
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はcDNAの全長の塩基配列を決定した方
法を模式的に示す。
【図2】図2はヒト、マウス、のIL−1ra遺伝子と
馬IL−1ra遺伝子の塩基配列から予想されるアミノ
酸配列を相同部分が最大となるように並記した結果を示
した。
【図3】図3は大腸菌で発現させた馬IL−1raの生
物活性を測定した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 A61K 37/02 ABE C12P 21/02 AER // A61K 39/395 C12N 5/00 B C07K 14/545 ZNA 9282−4B 15/00 A (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 高木 茂美 神奈川県町田市成瀬5092−3 エステ・ス クエア成瀬壱番館601号 (72)発明者 亘 敏広 神奈川県秦野市南が丘2−2−2−304 (72)発明者 辻本 元 東京都杉並区成田東5−4−24 (72)発明者 長谷川 篤彦 東京都武蔵野市吉祥寺北町4ー7ー16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示すアミノ酸配列を有
    し、馬インターロイキン−1の作用を阻害する馬インタ
    ーロイキン−1レセプターアンタゴニスト
  2. 【請求項2】 配列番号1記載の馬インターロイキン
    −1レセプターアンタゴニストと同一のアミノ酸配列、
    またはその一部が欠失もしくは置換、あるいは付加、さ
    らにはこれらの操作の組み合わせによって作成されたア
    ミノ酸配列を有し、馬インターロイキン−1の作用を阻
    害する、遺伝子組換え技術によって発現された組換えイ
    ンターロイキン−1レセプターアンタゴニスト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の馬インターロ
    イキン−1レセプターアンタゴニストのアミノ酸配列を
    コードする遺伝子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の遺伝子を含む発現ベ
    クター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発現ベクターにより
    形質転換された宿主。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載の馬インターロ
    イキン−1レセプターアンタゴニストを有効成分として
    含有する医薬組成物。
  7. 【請求項7】 馬の消炎症薬である請求項7に記載の
    医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2に記載の馬インターロ
    イキン−1レセプターアンタゴニストを抗原とする抗
    体。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の宿主を培養または飼
    育し、産生された馬インターロイキン−1レセプターア
    ンタゴニストを採取することを特徴とする馬インターロ
    イキン−1レセプターアンタゴニストの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025435A3 (en) * 1999-09-07 2001-10-18 Univ Colorado State Res Found In vivo treatment of joint disease using interleukin-1 receptor antagonists

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WO2001025435A3 (en) * 1999-09-07 2001-10-18 Univ Colorado State Res Found In vivo treatment of joint disease using interleukin-1 receptor antagonists

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