JPH1077337A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH1077337A
JPH1077337A JP23170596A JP23170596A JPH1077337A JP H1077337 A JPH1077337 A JP H1077337A JP 23170596 A JP23170596 A JP 23170596A JP 23170596 A JP23170596 A JP 23170596A JP H1077337 A JPH1077337 A JP H1077337A
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polyester
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dicarboxylic acid
reaction
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Kazumoto Miyajima
一元 宮嶋
Hideyori Kurihara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の連続溶融重合法による製造法にくら
べ、重合速度が大幅に増大し、また、カルボキシル末端
の少ない品質良好なポリエステルが製造できるポリエス
テルの製造方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカ
ルボン酸ないしそのエステル形成性誘導体、脂環族ジカ
ルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸とジオール成分とか
ら、連続溶融重合法によってポリエステルを製造する方
法において、エステル交換反応又はエステル化反応によ
って得られたポリエステル単量体及び/又はその低重合
体、及び/又はひきつづき重合反応せしめて得られる高
重合体を重合反応槽1へと輸送する輸送配管15中へ不
活性ガスを導入することを特徴とするポリエステルの製
造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続溶融重合法に
よるポリエステルの製造方法、特に固相重合法によら
ず、不活性ガスを反応物輸送配管中に導入して連続的に
製造するポリエステルの重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートで代表されるポリエステルはそのす
ぐれた物理的、化学的性質を有するため、種々の用途に
広く用いられている。特に、繊維、フィルム、その他の
成形品において、強度や弾性率等の機械特性、耐熱性等
に優れているため、衣料、タイヤコード等の産業用繊
維、およびエンジニアリングプラスチックとして用いら
れている。
【0003】一般に、このような各種の用途に使用され
るポリエステルは、直接重合法またはエステル交換法に
よって製造される。ここで、前者の直接重合法は、酸成
分とジオール成分との直接エステル化反応によりポリエ
ステル先駆体を形成し、次いで該ポリエステル先駆体を
減圧下で重縮合させて製造する方法である。他方、後者
のエステル交換法は、酸成分の低級アルキルエステルと
ジオールとをエステル交換反応させてポリエステル先駆
体を形成し、次いで該ポリエステル先駆体を減圧下で重
縮合させて製造する方法である。
【0004】上記のポリエステルの重合は、従来はバッ
チ式重合方式によるものが多く用いられていたが、スケ
ールメリットを生かし、安価にポリエステルを製造する
ために、連続重合方式への切り替えが進められてきてお
り、歩留まりの低下、品質の向上、重合度の均一化、操
業性の工場等そのメリットは極めて大きいものがある。
【0005】しかしながら、上述のような方法で製造さ
れたポリエステルは、重縮合反応において、高温で長時
間に渡って反応させる必要があるため、得られたポリエ
ステルが着色したり、分子量の分布範囲が大きくなる。
また、分解反応が起こり、カルボキシル末端基量が増大
するため耐加水分解性に問題がある。したがって、速い
重合速度で、重合反応槽における滞留時間をできるだけ
短縮させて製造することが望まれている。
【0006】このような観点に立脚して、従来より重合
反応槽における重合反応に要する時間を短縮させるため
の方法が多く提案され、実用化されてきた。
【0007】このような方法の一つとして、溶融重合に
よって短い時間で低重合度のポリエステルを得た後、更
に固相重合して重合度を上げる方法がある。しかしなが
ら、この方法は、多大のエネルギーを消費し、しかも固
相重合設備を必要とするため、設備コストが上昇し、コ
スト面で好ましくない。
【0008】このような理由から、前記の方法とは別
に、薄膜重合反応槽を用いる方法が提案されている。こ
の方法においては、重縮合反応において副生するグリコ
ール類を速やかに分離・除去するために、反応物を薄層
にし、激しく撹拌を行なうことが行われいる。そして、
これによって、反応物の蒸発面積を大きくし、蒸発を容
易にすることで、反応速度を大きくする方法が採られて
いる。
【0009】ここで、従来より該薄膜重合反応槽に関し
て、その反応方法としては、 撹拌翼を設けて、反応物を撹拌させ蒸発面積を増加
させる方法、 濡れ壁を用いて反応物を自然流下させ蒸発面積を増
加させる方法、 反応物を細い糸状体にし、副生物の蒸発面積を大き
くする方法等 が用いられている。
【0010】先ず、の反応方法に関しては、各メーカ
ーより撹拌効率が高く、反応物の自由表面積を大きくと
ることができるように工夫された撹拌翼を有する反応槽
が多く提案され、市販されている。しかしながら、これ
らの反応槽は多大な撹拌動力を必要とすることからエネ
ルギー消費の点で好ましくない。また、デッドスペース
が発生し易く、該デッドスペースに長時間滞留する反応
物は、熱分解反応により品質が劣化するという問題を有
している。
【0011】また、及びの反応方法に関しては、蒸
発面積を大きくする必要上、これに呼応した比較的大き
な設備が必要となり、また、反応処理量についても多く
の制限を受ける。
【0012】そこで、薄膜重合反応槽以外を用いる技術
として、重合反応槽に直接不活性ガスを導入する連続溶
融重合方法が、例えば特公昭51−44039号公報に
提案されている。該方法は、特定の反応槽の反応液中に
不活性ガスを小さな気泡状気体として吹き込むことで反
応液を撹拌しながら、アルキレングリコール等の副生蒸
気を反応液中の不活性ガス気泡中に拡散させるものであ
る。しかしながら、該方法は、不活性ガスにより反応液
を撹拌するため、溶融粘度が高くなると、均一に不活性
ガスを反応液中に注入することが難しい。したがって、
流下する原料液を遠心力によって分散させて槽内壁に衝
突させる必要があり、エネルギー消費、デッドスペース
の形成等の問題を惹起する。
【0013】また、特公平4−58806号公報には、
加熱した不活性ガス雰囲気中に、口金よりビス−(β−
ヒドロキシアルキル)テレフタレートおよび/またはそ
の低重合体である初期縮合物を連続して押し出す方法が
提案されているが、口金の孔径が大きい場合、十分な反
応速度が得られず、実用的とは言い難い。
【0014】更に、特開平7−278278号公報に
は、反応器より内液の一部を連続的に抜き出し、且つ、
これを該反応器に循環ポンプと循環配管を付設して内液
を循環させ、該循環配管中へ反応に対して不活性な気体
を連続的に注入して、物質移動係数と気液接触面積を増
加させる方法が提案されている。しかしながら、該方法
は、不活性気体と反応器の内液とを一緒に循環させる
必要があること、循環させる反応内液の1時間当たり
の循環量として反応内液量の3倍量以上が好ましい条件
であることから、反応物の溶融粘度が高くなってくるこ
と、循環させるために多大な動力が必要であること、
バッチ式の反応器であること、およびスケールアッ
プに制限が生じること等の問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた諸問題に
鑑み、本発明が解決しようとする課題は、連続溶融重合
法において、重縮合反応速度を大幅に促進でき、しか
も、ポリマーの耐加水分解性を悪化させるカルボキシル
末端の少ない、品質良好なポリエステルの製造方法を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決する手段】ここに、請求項1に係る発明と
して、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸
ないしそのエステル形成性誘導体、脂環族ジカルボン
酸、又は脂肪族ジカルボン酸とジオール成分とから、連
続溶融重合法によってポリエステルを製造する方法にお
いて、エステル交換反応又はエステル化反応によって得
られたポリエステル単量体及び/又はその低重合体、及
び/又はひきつづき重合反応せしめて得られる高重合体
を重合反応槽へと輸送する輸送配管中へ不活性ガスを導
入することを特徴とするポリエステルの製造方法が提供
される。
【0017】次に、請求項2に係る発明として、前記の
不活性ガスの導入に際して、前記の反応物の輸送配管中
で反応物と不活性ガスとを強制的に混合させる請求項1
記載のポリエステルの製造方法が提供される。
【0018】また、請求項3に係る発明として、不活性
ガスを予めジオール成分に分散させて前記の輸送配管中
へ導入する請求項1又は請求項2記載のポリエステルの
製造方法が提供される。
【0019】そして、請求項4に係る発明として、重合
反応槽の気相部へ不活性ガスを導入する請求項1〜3の
何れかに記載のポリエステルの製造方法が提供される。
【0020】最後に、請求項5に係る発明として、1つ
の重合反応槽でポリエステルを製造する請求項1〜4の
何れかに記載のポリエステルの製造方法が提供される。
【0021】ここで、本発明においては、ポリエステル
および反応物としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、ポリブチレンイソフタ
レート等の単量体、低重合体、高重合体を挙げることが
できる。また、芳香族ジカルボン酸成分を主成分とする
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体として
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、および
/またはそれらの低級アルキルエステル(アルキル基の
炭素数は通常1〜4個)等を挙げることができる。更
に、脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン
酸としては、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸等が
挙げられ、好ましくは、テレフタル酸、1,4−ナフタ
レンジカルボン酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレ
ートが挙げられる。なお、これらの芳香族ジカルボン酸
成分、脂環族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成
分は、1種のみで用いても、2種以上を併せて用いても
よい。
【0022】ジオール成分としては、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサン
ジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリ
コール、プロピレングリコール等が例示でき、なかでも
好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコールが挙げられる。これらのグ
リコール成分は、1種のみで用いても、2種以上を併せ
て用いてもよい。
【0023】また、ポリエステルには、トリメリット
酸、ピロメリット酸、グリセロール等の三官能以上の多
官能化合物、安息香酸、イソシアン酸フェニル等の単官
能化合物等の化合物を共重合することができる。
【0024】本発明において、ポリエステルを製造する
際、触媒の存在下または不存在下で行われる。触媒を用
いて反応する場合、通常用いられている触媒のいずれを
用いてもよい。例えば、マンガン化合物、チタン化合
物、スズ化合物、亜鉛化合物、マグネシウム化合物等が
用いられる。また、必要に応じて、一般に使用されてい
る他の熱可塑性樹脂、添加剤、無機充填剤、有機充填剤
等の一種または二種以上を、本発明の重縮合反応槽の出
側で直接、成形機、押出機、混合器等で練り込むことも
できる。また、ぺレット化した後、再溶融させてこれら
を練り込むことも勿論できる。他の熱可塑性樹脂として
は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール等が例
示される。また、添加剤としては、公知の酸化防止剤、
帯電防止剤、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ
化合物等の難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン等の難燃助剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、着色剤、結
晶核剤等が例示される。また、無機充填剤としては、ガ
ラス繊維、タルク、マイカ、ガラスフレークス、カーボ
ン繊維、シリカ、アルミナ繊維、ミルドガラスファイバ
ー、クレー、カーボンブラック、カオリン、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化アンチモン、アルミナ等の金属化合
物、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属化合物等が
例示される。有機充填剤としては、芳香族ポリエステル
繊維、液晶性ポリエステル繊維等が例示される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。第1図は、本
発明を実施するためのポリエステルの製造工程の概略フ
ロー図を例示している。
【0026】該図において、符号1は第1(前段)重合
反応槽、符号2は第2(後段)重合反応槽をそれぞれ示
す。また、符号3と4は、各重合反応槽に設けられた凝
縮器(コンデンサ)、符号5と6は、該凝縮器で凝縮さ
れた気体を取り出すための抽気装置をそれぞれ示し、通
常スチームエジェクター等が好適に用いられる。更に、
符号7と8は、反応物と不活性ガスを混合するための混
合器をそれぞれ示す。そして、符号9と10は、各重合
反応槽で得られた各反応物を次工程へ移送するためのギ
アポンプをそれぞれ示す。
【0027】ここで、符号11と12は、不活性ガスの
加熱装置をそれぞれ示し、符号13と14は不活性ガス
の各送出ポンプ、符号15と16は反応液の各輸送配
管、及び符号17と18は不活性ガスの各供給配管をそ
れぞれ示す。なお、前記の混合器7と8は、それぞれ輸
送配管15と16に付設されている。
【0028】以上のように構成されたポリエステルの重
合工程において、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジ
カルボン酸ないしそのエステル形成性誘導体、脂環族ジ
カルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸とジオール成分と
から、図示しないエステル交換反応槽又はエステル化反
応槽によって製造されたポリエステル単量体及び/又は
その低重合体、及び/又はひきつづき重合反応せしめて
得られる高重合体をその重合原料として使用する。そし
て、該重合原料は、反応物の輸送配管15を通して、第
1重合反応槽1から供給される。また、例えば窒素から
なる不活性ガスは、供給配管17から送出ポンプ13を
介して、前記の輸送配管15へ送られるのであるが、そ
の際、不活性ガスは適当な温度に加熱装置11によって
加温される。このとき、輸送配管15には、前述のよう
に混合器7が設けられているため、ポンプ13を経て供
給された不活性ガスは、該混合器7により輸送配管15
中を流れる反応液と強制的に混合される。ここで、本発
明における反応物の「輸送配管」とは、「ポリエステル
単量体、低重合体、高重合体を重合反応槽へ輸送する配
管」のことを指すものとする。
【0029】なお、混合器7については、特に設けるこ
とが必須であるということではない。しかしながら、混
合器7は、不活性ガスの反応物中への分散性を向上させ
るため、輸送配管15に設置することが好ましい。ここ
で、混合器7としては、上記の目的が達成できる限り、
特に制限されるものではなく、ノリタケ社、スルザー
社、東レ社等の静的混合器(スタティックミキサー)、
スクリューや撹袢翼を設けた駆動型混合器等の動的混合
器を1個もしくはそれ以上設置することが好ましい。
【0030】以上に述べたような構成とすることで、不
活性ガスを含んだポリエステル単量体及び/又はその低
重合体、及び/又はひきつづき重合反応せしめて得られ
る高重合体からなる気液混相流が輸送配管15中で形成
され、該気液混相流は、第1重合反応槽1に供給され
て、第1重合反応槽1中で不活性ガスの効果により急速
に重縮合反応を進行させられる。このようにして重縮合
反応によって得られた反応物は、第1重合反応槽1から
ギアポンプ9を介して、第2重合反応槽2へ送られる。
【0031】このとき、第1重合反応槽1における場合
と同様にして、第1重合反応槽1で得られた反応物と、
ポンプ14を介して供給された不活性ガスとは、第2重
合反応槽2手前の反応物の輸送配管16に設けられた混
合器8によって混合される。次いで、第2重合反応槽2
にて急速に重縮合反応を起こした後、ギアポンプ10を
用いてポリエステルとして取り出す。なお、本発明の連
続重縮合によるポリエステルの製造法においては、反応
時の圧力は特に制限されるものではなく、真空、常圧あ
るいは常圧以上の圧力下における重合反応においても適
用は可能であることを付言しておく。
【0032】ここで、不活性ガスを反応物輸送配管中に
導入する最大の利点は、従来の重合反応槽に直接導入す
る方法とは異なり、重合反応槽自体には、特別な細工を
施すことなく低エネルギー、安価な設備コストで、容易
に導入できることである。更に、反応物の輸送配管中へ
不活性ガスを導入することで均一に無理なく反応物との
混合ができ、これによって、物質移動係数および蒸発面
積の増大による重合速度の増大効果を得られること等が
挙げられる。
【0033】なお、不活性ガスを反応物の輸送配管中に
導入する速度およびその流量については、安定して連続
運転が行なえる範囲で望ましい量を導入すればよい。こ
のとき、反応物の温度を低下させないように、導入する
不活性ガスは加熱器等で加温して導入することが好まし
い。さらには、ジオール成分等とあらかじめ混合して反
応物の輸送配管へ導入することも好ましい。この場合、
ジオール成分と共に不活性ガスを供給することによっ
て、実質反応モル比の増加と高い不活性ガスの分散が期
待でき、重縮合反応を促進する効果が大きくなる。ま
た、導入する不活性ガスとしては反応に悪影響を及ぼさ
ず、重合反応槽における反応温度において気体であるこ
とが好ましく、N2、Ar、He等を例示でき、なかで
も、容易に得られることや低コストの点から見て、特に
窒素が望ましい。そして、このような不活性ガスは、反
応物の輸送配管中に導入すると共に、反応器の気相部中
に導入することが好ましい。
【0034】以上に述べたようにして最終的に得られた
ポリエステルは、引き続いて連続的に製糸工程へ供給し
紡糸することで繊維化したり、製膜工程へ供給すること
で薄膜化することができる。また、一旦、造粒化工程等
でペレット化し、繊維化工程、薄膜化工程、樹脂成型工
程等へ送ることもできる。
【0035】なお、上記のポリエステルの製造工程にお
いて、反応副生物等を含んだ不活性ガスは、公知の方法
によって重合反応槽より各重合反応槽の凝縮器、フィル
ター、燃焼装置、吸収装置等で反応副生物等と分離する
ことができる。そして、分離した不活性ガスは循環ポン
プ等を設けて、前記の輸送配管15及び/又は16へ還
流させることで、循環使用することができる。このよう
に再循環使用することの利点としては、反応副生物を系
外にほとんど排出することなく運転できることが挙げら
れ、運転コストの低減が図られるのは勿論であるが、系
外へそのまま放出することがないため、環境破壊の防止
と公害防止という面からも大きなメリットを生じる。
【0036】ここで、念のために付言すると、本発明の
ポリエステルの製造工程において、ポリエステルの重合
度が高くなる段階では、これに伴い反応物の溶融粘度が
高くなる。したがって、不活性ガスが反応物液中を移動
する液相での移動速度が小さくなる。この場合は薄膜重
合反応槽を用いることによって、反応物を薄膜状に展延
し、反応物の移動距離を短くすることが好ましく、これ
によって、さらに高い重縮合反応速度が得られる。
【0037】なお、重合反応槽の数については、特に制
限することはないが、本発明の方法を用いることにより
極めて効率的にポリエステルが得られため、重合反応槽
1つで、十分にポリエステルの製品価値がある品質良好
な高重合度ポリエステルを製造できるのである。このと
き、重合反応槽中での不活性ガスの分散を向上させる目
的で、撹拌翼、分散板、邪魔板等を必要に応じて重合反
応槽中に設けることが好ましい。
【0038】
【実施例】以下に代表的なポリエステルであるポリエチ
レンテレフタレートについての実施例に基づいて本発明
の方法を詳しく説明する。
【0039】なお、以下の実施例等においていう「固有
粘度〔η〕」とは、オルソクロロフェノール中25℃で
測定した溶融粘度から算出した値であリ、末端カルボキ
シル基濃度(〔COOH〕)は、エイ・コニクッス
(A.Conix)の方法{(Makromol.Che
m,26,226(1958)}によって測定した、ポリ
マー106gあたりの当量数(eq/T)である。な
お、以下の実施例等において、「部」とは、重量で表わ
した割合を示すものとする。
【0040】[実施例1]第1図に示すプロセスを用
い、テレフタル酸(TA)86部及びエチレングリコー
ル(EG)55部を連続エステル化反応装置にて、常圧
下、278℃でエステル化させて得られたポリエチレン
テレフタレート低重合体(平均重合度は約8)に三酸化
アンチモンを0.04重量部加えた反応物を輸送配管1
5を通して104kg/hの供給速度で第1重合反応槽
1に連続的に供給した。このとき、加熱装置11によっ
て275℃に加熱された不活性ガス(窒素)を供給配管
17よりポンプ13を介して供給速度4Nm3/hで供
給し、前記の反応物と静的混合器7で混合した。そし
て、第1重合反応槽1において、平均反応温度275
℃、真空度20mmHgで重合反応を行なった。このと
き、第1重合反応槽1で得られたプレポリマーは、固有
粘度〔η〕=0.42、〔COOH〕=20eq/Tで
あった。
【0041】次いで、該プレポリマーは、ギアポンプ1
0によって1軸の掻き揚げ翼を有する横型の第2重合反
応槽2へ輸送配管16を通して送液される。その際、第
1重合反応槽1の場合と同様に、供給配管18よりポン
プ14を介して、加熱装置12によって281℃に加熱
された供給速度1Nm3/hの不活性ガス(窒素)と前
記のプレポリマーとを静的混合器8で混合した後、第2
重合反応槽2へ供給し、平均反応温度282℃、真空度
2mmHgで重合反応を行なった。そして、得られた反
応物を、ギアポンプ10を介して連続的に抜き出し、チ
ップ化した。このようにして得られたポリエチレンテレ
フタレートは、〔η〕=0.72, 〔COOH〕=16
eq/Tであって、色相も極めて良好であった。
【0042】[実施例2]実施例1において、加熱装置
12によって289℃に加熱された窒素を5Nm3/h
の供給速度で導入し、第2重合反応槽の平均反応温度を
290℃、真空度3mmHgで重合反応を行なった他
は、実施例1と同じ条件とした。得られたポリエチレン
テレフタレートの〔η〕=0.86, 〔COOH〕=1
8eq/Tであり、色相も極めて良好であった。
【0043】[実施例3]実施例1において、静的混合
器7,8を設けずに窒素を導入した以外の条件は実施例
1と同じとした。このとき、第2重合反応槽より得られ
たポリエチレンテレフタレートの〔η〕=0.65,
〔COOH〕=17eq/Tであり、色相も極めて良好
であった。
【0044】[実施例4]実施例1において、ポンプ1
3より供給する窒素を供給速度0.8Nm3/hとし、ポ
ンプ14より供給する窒素を供給速度0.3Nm3/hと
して重合反応を行なった以外の条件は実施例1と同じと
した。このとき、第2重合反応槽より得られたポリエチ
レンテレフタレートは、〔η〕=0.63, 〔COO
H〕=19eq/Tであり、色相も極めて良好であっ
た。
【0045】[実施例5]実施例1において、反応物輸
送配管15へ窒素を供給するに際して、その供給速度を
400Nm3/hとし、第1重合反応槽1で平均反応温
度282℃、常圧で重合反応を行ない、ギヤポンプ9を
経て混合器8へ供給することなく反応物を連続的に抜き
出しチップ化した。第1重合反応槽1より得られたポリ
エチレンテレフタレートは、〔η〕=0.57, 〔CO
OH〕=10eq/Tであり、色相も極めて良好であ
り、重合槽1つで十分に商品価値あるポリエチレンテレ
フタレートが得られた。
【0046】[比較例1]、不活性ガスの導入は全く行
なわなかった点を除き、実施例1と同様のプロセス(図
1)を用いて実施例1と同じ条件で、重合反応を行なっ
た。このとき、第1重合反応槽より得られたプレポリマ
ーは、〔η〕=0.20, 〔COOH〕=95eq/T
であった。また、最終的に得られたポリエチレンテレフ
タレートは、〔η〕=0.50, 〔COOH〕=39e
q/Tであり、〔η〕があまり上昇していないのみなら
ず、分解のために〔COOH〕が上昇しており、色相も
良くなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、従来の連続溶融重合法
による製造法にくらべ、重合速度が大幅に増大し、ま
た、カルボキシル末端の少ない品質良好なポリエステル
が製造でき、繊維、フィルム、その他成形素材として極
めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのポリエステルの連続重
合製造プロセスの概略工程図である。
【符号の説明】
1 第1重合反応槽 2 第2重合反応槽 3、4 凝縮器 5、6 抽気装置 15、16 輸送配管 17、18 不活性ガス供給配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカ
    ルボン酸ないしそのエステル形成性誘導体、脂環族ジカ
    ルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸とジオール成分とか
    ら、連続溶融重合法によってポリエステルを製造する方
    法において、 エステル交換反応又はエステル化反応によって得られた
    ポリエステル単量体及び/又はその低重合体、及び/又
    はひきつづき重合反応せしめて得られる高重合体を重合
    反応槽へと輸送する輸送配管中へ不活性ガスを導入する
    ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の不活性ガスの導入に際して、前記
    の反応物の輸送配管中で反応物と不活性ガスとを強制的
    に混合させる請求項1記載のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガスを予めジオール成分に分散さ
    せて前記の輸送配管中へ導入する請求項1又は請求項2
    記載のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 重合反応槽の気相部へ不活性ガスを導入
    する請求項1〜3の何れかに記載のポリエステルの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 1つの重合反応槽でポリエステルを製造
    する請求項1〜4の何れかに記載のポリエステルの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004507596A (ja) * 2000-09-02 2004-03-11 ツィマー・アクチエンゲゼルシャフト ポリマーグラニュールの分子量を増加させる方法

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