JPH1077943A - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼状態検出装置

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JPH1077943A
JPH1077943A JP8235128A JP23512896A JPH1077943A JP H1077943 A JPH1077943 A JP H1077943A JP 8235128 A JP8235128 A JP 8235128A JP 23512896 A JP23512896 A JP 23512896A JP H1077943 A JPH1077943 A JP H1077943A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フューエルカット(FC)中にバックグラン
ドが増加することを防止することのできる内燃機関の燃
焼状態検出装置を提供する。 【解決手段】 イオン電流検出部19によって検出され
るイオン電流のピーク値をLC共振マスク部31、バン
ドパスフィルタ部32およびピークホールド部33を介
して点火時期制御部14に読み込む。そしてピーク値の
時間平均値をバックグランドとし、ピーク値がこのバッ
クグランド(BG)の所定係数倍より大きくなったとき
にノッキングが発生したと判断する。しかしFC中はイ
ンパルスノイズ(IM)が発生し易すいのでIMにより
BGが増加することを防止するためにBGをFC前の値
に制限する制限手段を設け、FC後に検出精度が悪化す
ることを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃焼状態
検出装置に係わり、特にフューエルカット後における検
出精度の悪化を抑制することのできる内燃機関の燃焼状
態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンを燃料とする内燃機関では、ピ
ストンで圧縮した混合気に点火栓で着火し、混合気を燃
焼させることによって出力を得ている。即ち正常な燃焼
においては、点火栓のギャップの近傍に混合気の火炎核
が形成され、この火炎核が燃焼室全体に伝播する。
【0003】点火栓による点火時期は内燃機関出力と密
接に関係しており、点火時期が遅すぎると火炎伝播速度
も遅くなるため燃焼は緩慢となり燃焼効率の低下を招
き、ひいては内燃機関出力も低下する。逆に点火時期を
早めると火炎の伝播が早まり燃焼最大圧力が上昇して内
燃機関出力は増加する。しかし点火時期を過度に早める
と、混合気が火炎の伝播を待たずに自己着火するノッキ
ングが発生し、内燃機関を損傷するおそれも生じる。
【0004】即ち、点火時期をノッキングが発生する直
前の領域(MBT=Minimum SparkAdvance for Best To
rque )として内燃機関を運転することが燃費、出力の
点で有利であり、ノッキングの発生を確実に検出するこ
とは極めて重要である。さらに点火栓による着火が失敗
する失火が発生した場合には未燃混合気が排気管に排出
され、排気管あるいは排気浄化用触媒中で燃焼しこれら
に損傷を与えるおそれがあるため、失火を検出すること
も重要である。
【0005】従来からノッキングを検出するためには振
動センサの一種であるノックセンサが使用されてきた
が、混合気の燃焼により燃焼室内にイオンが発生し、イ
オン電流が流れることを利用してノッキングおよび失火
の少なくとも一方を検出する装置も検討されている。図
1は内燃機関の点火回路の概略図であって、イグニッシ
ョンコイル11の1次コイル111の一端はバッテリ1
2の正電極に接続されている。そして他の一端はイグナ
イタに含まれるスイッチング用のトランジスタ13のコ
レクタ、エミッタを介して接地される。
【0006】なお、トランジスタ13のベースは点火時
期制御部14に接続され、点火時期制御部14からイグ
ニッション信号IGTが出力されたときに導通する。イ
グニッションコイル11の2次コイル112の一端もバ
ッテリ12の正電極に接続されているが、他端は逆流防
止用ダイオード15、ディストリビュータ16およびハ
イテンションケーブル17を介して点火栓18に接続さ
れる。
【0007】イオン電流検出部19はディストリビュー
タ16の出力に点火栓18と並列に接続される。イオン
電流は、保護ダイオード191を介して電流−電圧変換
抵抗192、バイアス電源193の直列回路に導かれ
る。電流−電圧変換抵抗192と保護ダイオード191
との接続点に発生する電圧は直流成分カット用のコンデ
ンサ194を介して、演算増幅器と抵抗とで構成される
増幅回路195に導かれる。
【0008】従ってイオン電流検出部19の出力端子1
96にはイオン電流の交流成分に比例した電圧信号が出
力される。図2は点火回路(図1)の各部の電圧波形図
であって、上から順に、イグニッション信号IGT、1
次コイル接地端側(P点)電圧、2次コイル高電圧側
(S点)電圧、増幅回路入力(I点)電圧を表す。な
お、横軸は時間を表す。
【0009】時刻t1 においてイグニッション信号IG
Tが“H”レベルとなりトランジスタ13が導通状態と
なると、イグニッションコイル11の1次コイル111
の接地側端子Pの電圧は低下する。2次コイルの高電圧
側端子Sには時刻t1 の直後に負の高電圧パルスが発生
するが、点火栓18およびイオン電流検出部19への流
れ込みは逆流防止用ダイオード15に阻止される。
【0010】時刻t2 においてイグニッション信号IG
Tが“L”レベルとなりトランジスタ13が遮断状態と
なると、1次コイル111の接地側端子Pの電圧は急激
に上昇し、2次コイルの接地側端子Sに正の高電圧パル
スが発生する。この正の高電圧パルスは逆流防止用ダイ
オード15に阻止されることなく点火栓18に流れ込み
放電するが、イオン検出部19への流れ込みは保護ダイ
オード191によって阻止される。
【0011】さらに、点火栓18の放電後の時刻t3
4 にかけて、ハイテンションケーブル17等が浮遊イ
ンダクタンスおよび浮遊キャパシタンスを有することに
起因してイグニッションコイル11に残留しているエネ
ルギによるLC共振が発生する。気筒内の混合気は点火
栓18の放電により着火し、火炎が拡散するに応じて気
筒内にイオンが発生するためイオン電流が流れ始める。
イオン電流は気筒内圧力の上昇に応じて増加し、気筒内
圧力の低下とともに減少する。
【0012】そして、内燃機関にノッキングが発生した
場合には、イオン電流がピークに到達した後の減少時期
に特定の周波数(6〜7KHz)のノッキング信号が重
畳する。従って、イオン電流によってノッキングを検出
するためには、この特定周波数のノッキング信号だけを
検出し他の信号(例えばLC共振波形)は除去すること
が好ましいため、余分な信号がなくなる時刻以後の時刻
5 で開となりイオン電流減少後の適当な時刻(例えば
ATDC60゜)t6 で閉となるノッキングウインドを
設け、ノッキングウインドが開となっている期間のイオ
ン電流検出部19の出力に基づきノッキングを検出する
ことが好ましい。
【0013】また、失火が発生したときにはイオン電流
が流れないため、ノッキングウインド期間中のイオン電
流の有無によって失火を検出することも可能である。図
3はイオン電流によりノッキングを検出する燃焼状態検
出装置の構成図であって、イオン電流検出部19の増幅
回路195の出力は、LC共振マスク部31、バンドパ
スフィルタ(BPF)部32、積分(あるいはピークホ
ールド)部33を介して処理部34に取り込まれる。
【0014】なおLC共振マスク部31は、イグニッシ
ョンコイル11の2次コイル112の放電開始後に閉に
制御され、イオン電流消滅後の適当な時期に開に制御さ
れる。さらに、積分(あるいはピークホールド)部33
は、点火後内燃機関回転数および負荷に応じて定まる所
定時間後に開に制御され、開後クランク角度に換算して
約50°CAに相当する時間後に閉に制御される。
【0015】即ち、LC共振マスク部31が開となった
後にイオン電流検出部19に取り込まれるイオン電流を
BPF部32を使用してノッキング信号を分離後ノッキ
ング信号のピークを検出し、このピーク値と内燃機関回
転数に応じて決定される上限値および下限値(基準値)
とを比較することによりノッキングを検出する「内燃機
関におけるノッキング検出方法」が既に提案されている
(特開昭58−7536公報参照)。
【0016】しかし基準値は内燃機関回転数だけでなく
ノッキングの発生しない状態でのイオン電流検出部の出
力にも依存するため、例えばイオン電流検出部の出力の
移動平均値等をバックグランドとして記憶し、バックグ
ランドに基づいて基準値を補正することも検討されてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イオン
電流検出部19は極く微小なイオン電流を検出するため
に入力インピーダンスおよびゲインを非常に高くする必
要があり、点火栓18のコロナ放電等によるノイズを拾
いやすいものとなることは避けることができない。特
に、スロットル弁全閉状態での走行時(例えば降坂走行
時)におけるフューエルカット状態においてはスパイク
ノイズが発生し易く、イオン電流検出部19にもスパイ
クノイズが重畳する。
【0018】図4はスパイクノイズの影響の説明図であ
って、上から順にイオン電流検出部出力、BPF部出
力、ノッキングウインドおよびピークホールド部出力を
表す。なお、横軸は時間を表す。即ち、時刻t2 とt3
の間の時刻t23においてLC共振マスク部31が開とな
りイオン電流検出部19の出力がBPF部32に導かれ
る。そして時刻t5 からt6 の間でノッキングウインド
が開となる。
【0019】時刻t5 以前に発生したスパイクノイズは
ピークホールド部33に影響を与えないものの、スパイ
クノイズは周波数スペクトル幅が広くBPF部によって
は排除できないので時刻t5 からt6 の間に発生したス
パイクノイズによってピークホールド部33の出力は増
加する。従って、フューエルカット状態ではノッキング
が発生することはないにも係わらずノイズによってバッ
クグランドが増加することは避けることができない。
【0020】そして、いったん学習値が増加するとフュ
ーエルカット解除後にノッキングが発生し易い走行状態
となったとき(例えば登坂走行時)にノッキング検出が
遅れ内燃機関に損傷を与えるおそれが増大する。また、
バックグランドが増加した場合には失火判定においても
判定精度が悪化する。本発明は上記課題に鑑みなされた
ものであって、フューエルカット中にバックグランドが
増加することを防止することのできる内燃機関の燃焼状
態検出装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る内燃機
関の燃焼状態検出装置は、内燃機関の燃焼室内に設置さ
れる一対の電極に電圧を印加し燃焼室内の混合気が燃焼
する際に発生するイオンを介してこの一対の電極間を流
れるイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、イオ
ン電流検出手段で検出されたイオン電流に基づいてバッ
クグランドを算出するバックグランド算出手段と、イオ
ン電流検出手段で検出されたイオン電流の信号レベルと
バックグランドに基づいて決定される基準値とを比較す
ることにより内燃機関気筒内の燃焼状態を検出する燃焼
状態検出手段と、内燃機関がフューエルカット中はバッ
クグランド算出手段で算出されるバックグランドをフュ
ーエルカット前の値以下に制限する制限手段と、を具備
する。
【0022】本装置にあっては、フューエルカット中に
ノイズによりバックグランドレベルが上昇することが抑
制されるため、フューエルカット後に検出精度が悪化す
ることがない。第2の発明に係る内燃機関の燃焼状態検
出装置は、制限手段が、フューエルカット中はバックグ
ランド算出手段によるバックグランドの算出を中止する
ものである。
【0023】本装置にあっては、フューエルカット中は
バックグランドの更新がなされず、バックグランドレベ
ルはフューエルカット前の値に保持される。第3の発明
に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、制限手段が、フ
ューエルカット中は点火時期制御装置からの点火信号の
出力を禁止するものである。本装置にあっては、フュー
エルカット中はノイズ発生の原因である点火指令信号の
出力が禁止されるため、フューエルカット中はバックグ
ランドレベルの更新はおこなわれるもののその値はフュ
ーエルカット前の値以下となる。
【0024】第4の発明に係る内燃機関の燃焼状態検出
装置は、制限手段が、フューエルカット中はイオン電流
検出手段によるイオン電流の検出を禁止するものであ
る。本装置にあっては、フューエルカット中はイオン電
流の検出が禁止されるため、フューエルカット中はバッ
クグランドレベルの更新はおこなわれるもののその値は
フューエルカット前の値以下となる。
【0025】
【発明の実施の形態】図5は本発明に係る内燃機関の燃
焼状態検出装置の実施例の構成図であって、内燃機関5
においてピストン500、吸気弁510および排気弁5
20で画成される燃焼室501には、エアクリーナ51
1から吸入される吸入空気と燃料噴射弁515から噴射
される燃料の混合気が供給される。
【0026】なお吸入空気量はエアフローメータ512
で計測され、吸気管513の途中に配置されるスロット
ル弁514で調整される。ピストン500で圧縮された
混合気は、ピストン500の上死点近傍において点火栓
18の放電により着火し、燃焼により膨張してピストン
500を押し下げ駆動力を発生する。
【0027】燃焼後の排気ガスは排気弁520から排気
管521に排出されるが、排気ガス中の酸素濃度は排気
管521に設置される空燃比センサ522によって検出
される。また内燃機関5を冷却する冷却水の温度はウオ
ータジャケット502に挿入された冷却水温度センサ5
03によって検出される。
【0028】燃焼室501内を流れるイオン電流は点火
栓18、イオン検出部19を介してLC共振マスク部3
1に導かれる。LC共振マスク部31の出力は、ノッキ
ングに特有の周波数成分(6〜7KHz)だけを通過さ
せるバンドパフィルタ32を介してバンドパフィルタ3
2の出力のピーク値を保持するピークホールド部33に
供給される。なお、ピークホールド部33に代えてバン
ドパフィルタ32の出力を積分する積分部を使用するこ
とも可能である。なお、ピークホールド部33は点火時
期制御部14に接続される。
【0029】点火時期制御部14はマイクロコンピュー
タシステムであって、バス140を中心として、アナロ
グ入力インターフェイス(I/F)141、ディジタル
入力I/F142、出力I/F143、CPU144お
よびメモリ145から構成される。即ちピークホールド
部33の出力はアナログ入力I/F141に接続される
が、アナログ入力I/F141にはエアフローメータ5
12、冷却水温度センサ502および空燃比センサ52
2も接続される。
【0030】出力I/F143からは燃料噴射弁515
に対する開弁指令が出力されるほか、点火指令信号IG
Tおよびイオン電流取り込み制御信号が出力される。即
ち点火指令信号IGTはイグニッションコイル11で昇
圧され、ディストリビュータ16およびハイテンション
ケーブル17を介して点火栓18に送られる。なお、デ
ィストリビュータ16は例えば30°CA(クランク
角)ごとにパルス信号を発生するクランク角センサ16
1および例えば720°CAごとにパルス信号を発生す
る基準角センサ162を内蔵し、それぞれの出力はディ
ジタル入力I/F142を介して点火時期制御部14に
取り込まれ、内燃機関回転数Neの算出、燃料噴射弁5
15の開閉時期制御および点火指令信号IGTの出力時
期制御に使用される。
【0031】また、イオン電流取り込み制御信号はLC
共振マスク部31をLC共振が発生している間オフとし
てLC共振波形が取り込まれることを防止するほか、ノ
ッキングウインドが開となっている間のピークホールド
部33の動作を許容する。ノッキングあるいは失火が発
生したか否かの判定は、点火時期制御部14においてノ
ッキングウインドが開となっている間にピークホールド
部33にホールドされたピーク値がバックグランドに基
づいて決定される基準値より大であるか否かを判定する
ことにより行われる。
【0032】従って、本質的に燃焼のないフューエルカ
ット中にバックグランドが増加してフーエルカット解除
後に燃焼状態の検出精度が悪化するという課題を解決す
るという本発明の目的は、フューエルカット中はバック
グランドをフューエルカット前の値以下に制限すること
によって達成される。そして、フューエルカット中はバ
ックグランドをフューエルカット前の値以下に制限する
具体的方法としては、以下の3つの方法がある。 (1)フューエルカット中はバックグランドの更新を停
止して、バックグランドをフューエルカット前の値に維
持する、または所定の値、例えばバックグランドの最小
値に固定する。 (2)フューエルカット中は点火指令信号IGTの出力
を停止し、スパイクノイズの発生自体を抑制する。 (3)フューエルカット中はイオン電流検出部19の出
力を強制的に接地してスパイクノイズによる出力がバッ
クグランド算出手段に入力されることを防止する。
【0033】以下3つの実施例について順に説明する。 (1)第1実施例 図6は、第1実施例において点火時期制御装置14のC
PU144で実行される第1のノッキング制御ルーチン
のフローチャートであって、フューエルカット中はバッ
クグランドの更新を停止するものである。なお、このル
ーチンは内燃機関5の各気筒の点火時期演算タイミング
毎に実行され、各変数は気筒毎に定められる。
【0034】ステップ60においてピークホールド部3
3にホールドされたイオン電流のピークVKNを読み込
み、ステップ61においてフューエルカット中(FC
中)であるかを判定する。ステップ61で否定判定され
たとき、即ちフューエルカット中でないときは、ステッ
プ62に進みバックグランドVBG算出処理を実行する
が、処理の内容は後述する。
【0035】ステップ63において、イオン電流のピー
クVKNがバックグランドVBGの予め定められた第1
の係数(K1)倍以上であるかを判定する。そして肯定
判定されたとき、即ちノッキングが発生していると判断
されるときは、ステップ64においてイオン電流のピー
クVKNがバックグランドVBGの予め定められた第2
の係数(K2)倍以上であるかを判定する。ここで、0
<K1<K2とする。
【0036】ステップ64で肯定判定されたとき、即ち
ノッキングが大きいときには、ステップ65で点火時期
補正値ΔTIを予め定められた大遅角量(−DTH)に
設定してステップ68に進む。ステップ64で否定判定
されたとき、即ちノッキングは発生しているものの小さ
いと判断されるときは、ステップ66で点火時期補正値
ΔTIを予め定められた小遅角量(−DTL)に設定し
てステップ68に進む。
【0037】なお、ステップ63で否定判定されたと
き、即ち実際にノッキングが発生していないと判断され
るときは、ステップ67で点火時期補正値ΔTIを予め
定められた進角量LTに設定してステップ68に進む。
ここで0<LT<<DTL<DTHとするが、これはノ
ッキングが発生していないときに徐々に点火時期を進角
し、ノッキングが発生したときには一挙に点火時期を遅
角させてノッキングを抑制するためである。さらに本実
施例においてはノッキングレベルが高いときには遅角量
を大きくして抑制効果を高めている。
【0038】そして、ステップ68で第1の点火時期制
御処理を実行してこのルーチンを終了するが、第1の点
火時期制御処理については後述する。なお、ステップ6
1で肯定判定されたとき、即ちフューエルカット中であ
るときはステップ69に進み、予め定められたフューエ
ルカット中点火時期TIFCを出力してこのルーチンを終
了する。
【0039】図7は第1のノッキング制御ルーチンのス
テップ62で実行されるバックグランド算出処理のフロ
ーチャートであって、ステップ620で次式に基づいて
更新量DLBGが算出される。 DLBG←|VBGi-1 −VKN|/4 ここでVBGi-1 は前回の演算で算出されたバックグラ
ンドであり、更新量DLBGは前回の演算までのバック
グランドと今回のピーク値VKNとの差の絶対値の1/
4の値として算出される。
【0040】ステップ621およびステップ622にお
いて更新量DLBGが予め定められた上限ガード値GD
LBG以下に制限される。ステップ623およびステッ
プ624において今回のピーク値VKNがVBG i-1 ×
1以上の所定係数(例えば1.5)以上であるか、VB
i-1 ×所定係数以下VBGi-1 以上であるか、VBG
i-1 以下であるかが判定される。
【0041】そしてVBGi-1 ×所定係数以上であると
きは、ステップ625で次式によりバックグランドVB
Gを更新する。 VBG←VBGi-1 +DLBG VBGi-1 ×所定係数以下VBGi-1 以上であるとき
は、ステップ626で次式によりバックグランドVBG
を更新する。
【0042】VBG←VBGi-1 +DLBG+α VBGi-1 以下であるときは、ステップ627で次式に
よりバックグランドVBGを更新する。 VBG←VBGi-1 +DLBG−α ここで、αはバックグランドVBGを適切な範囲の値と
するための調整係数である。
【0043】最後に、ステップ628において次回の演
算に備えてVBGi-1 を今回算出されたバックグランド
VBGに設定してこの処理を終了する。図8は第1のノ
ッキング制御ルーチンのステップ68で実行される第1
の点火時期制御処理のフローチャートであって、ステッ
プ680でクランク角センサ507から出力されるパル
スに基づいて決定される内燃機関回転数Neおよびエア
フローメタ512で検出される吸入空気量Qaを読み込
み、ステップ681で内燃機関回転数Neおよび吸入空
気量Qaの関数として次式により基準点火時期TBが算
出される。
【0044】TB←TB(Ne,Qa) ステップ682で前回算出された点火時期TIi-1 に点
火時期補正値ΔTIを加算して今回の点火時期TIを算
出する。 TI←TIi-1 +ΔTI なお、本実施例においては正数を加算したときに点火時
期は進角し、正数を減算したときに点火時期は遅角する
ものとする。
【0045】そして、ステップ683および684で今
回の点火時期TIが最進角点火時期である基準点火時期
TBと予め定められた最遅角点火時期TDの間にあるか
が判定される。即ち、今回の点火時期TIが基準点火時
期TB以上に進角していればステップ683で肯定判定
され、ステップ685で今回の点火時期TIを基準点火
時期TBに置き換えてステップ687に進む。
【0046】逆に、今回の点火時期TIが最遅角点火時
期TD以下に遅角していればステップ684で肯定判定
され、ステップ686で今回の点火時期TIを最遅角点
火時期TDに置き換えてステップ687に進む。なお、
今回の点火時期TIが基準点火時期TBと最遅角点火時
期TDの間にあるときは直接ステップ687に進む。そ
して、ステップ687で出力I/F553を介してイグ
ニッションコイル11に点火指令信号IGTを出力し、
ステップ688で次回の演算に備えて前回算出された点
火時期TIi-1 を今回の点火時期TIに更新してこの処
理を終了する。
【0047】即ち第1実施例においては、フューエルカ
ット中はバックッグランド処理の実行が停止され、イン
パルスノイズによりピークホールド部33にホールドさ
れたイオン電流のピークVKNが増加した場合にもバッ
クグランドがフューエルカット前の値に保持される。こ
こで、ステップ61で肯定判定された場合にバックグラ
ンドVBGをバックグランド最小値VBGmin(スパイク
ノイズが発生していない時のフューエルカット中のバッ
クグランド値)に設定するステップを設けてもよい。こ
れにより、フューエルカット中のバックグランドはバッ
クグランド最小値に維持される。 (2)第2実施例 図9は、第2実施例において点火時期制御装置14のC
PU144で実行される第2のノッキング制御ルーチン
のフローチャートであって、フューエルカット中は点火
指令信号の出力を禁止するものである。なおこの第2の
ノッキング制御ルーチンは第1のノッキング制御ルーチ
ンからステップ61およびステップ69を削除し、第1
の点火時期制御処理に代えて第2の点火時期制御処理を
行う。
【0048】即ち、ステップ90においてピークホール
ド部33にホールドされたイオン電流のピークVKNを
読み込み、ステップ92でバックグランドVBG算出処
理を実行するが、処理の内容は既に図7に基づいて説明
した。ステップ93において、イオン電流のピークVK
NがバックグランドVBGの予め定められた第1の係数
(K1)倍以上であるかを判定する。そして肯定判定さ
れたとき、即ちノッキングが発生していると判断される
ときは、ステップ94においてイオン電流のピークVK
NがバックグランドVBGの予め定められた第2の係数
(K2)倍以上であるかを判定する。ここで、0<K1
<K2とする。
【0049】ステップ94で肯定判定されたとき、即ち
ノッキングが大きいときには、ステップ95で点火時期
補正値ΔTIを予め定められた大遅角量(−DTH)に
設定してステップ98に進む。ステップ94で否定判定
されたとき、即ちノッキングは発生しているものの小さ
いと判断されるときは、ステップ96で点火時期補正値
ΔTIを予め定められた小遅角量(−DTL)に設定し
てステップ98に進む。
【0050】なお、ステップ93で否定判定されたと
き、即ち実際にノッキングが発生していないと判断され
るときは、ステップ97で点火時期補正値ΔTIを予め
定められた進角量LTに設定してステップ98に進む。
そして、ステップ98で第2の点火時期制御処理を実行
してこのルーチンを終了するが、第2の点火時期制御処
理については後述する。
【0051】図10は第2のノッキング制御ルーチンの
ステップ98で実行される第2の点火時期制御処理のフ
ローチャートであって、ステップ980でクランク角セ
ンサ507から出力されるパルスに基づいて決定される
内燃機関回転数Neおよびエアフローメタ512で検出
される吸入空気量Qaを読み込み、ステップ981で内
燃機関回転数Neおよび吸入空気量Qaの関数として次
式により基準点火時期TBが算出される。
【0052】TB←TB(Ne,Qa) ステップ982で前回算出された点火時期TIi-1 に点
火時期補正値ΔTIを加算して今回の点火時期TIを算
出する。 TI←TIi-1 +ΔTI そして、ステップ983および984で今回の点火時期
TIが最進角点火時期である基準点火時期TBと予め定
められた最遅角点火時期TDの間にあるかが判定され
る。
【0053】即ち、今回の点火時期TIが基準点火時期
TB以上に進角していればステップ983で肯定判定さ
れ、ステップ985で今回の点火時期TIを基準点火時
期TBに置き換えてステップ987に進む。逆に、今回
の点火時期TIが最遅角点火時期TD以下に遅角してい
ればステップ984で肯定判定され、ステップ986で
今回の点火時期TIを最遅角点火時期TDに置き換えて
ステップ987に進む。なお、今回の点火時期TIが基
準点火時期TBと最遅角点火時期TDの間にあるときは
直接ステップ987に進む。
【0054】ステップ987でフューエルカット中であ
るかが判定され、フューエルカット中でなければステッ
プ988で出力I/F143を介してイグニッションコ
イル11に点火指令信号IGTを出力してステップ98
9に進む。一方フューエルカット中であれば直接ステッ
プ989に進む。そして、ステップ689で次回の演算
に備えて前回算出された点火時期TIi- 1 を今回の点火
時期TIに更新してこの処理を終了する。
【0055】即ち第2実施例においては、フューエルカ
ット中は点火指令信号の出力が停止されるためインパル
スノイズの発生自体が抑制される。従って、第2の実施
例ではフューエルカット中にもバックグランドの更新は
継続されるものの、インパルスノイズは発生しないため
イオン電流ピークVKNは "0" でありバックグランド
は徐々に減少し、フューエルカット中はバックグランド
はフューエルカット前の値以下に制限される。 (3)第3実施例 図11は第3実施例において使用される点火回路であっ
て、図1のイオン電流検出部19の出力にトランジスタ
111が追加される。
【0056】即ち、トランジスタ111のコレクタはイ
オン電流検出部19の出力端子196に接続され、ベー
スは点火時期制御装置14に接続され、エミッタは接地
されている。即ち、トランジスタ111のオン/オフは
点火時期制御装置14から出力されるゲート制御信号G
ATによって制御され、ゲート制御信号GATが開であ
ればトランジスタ111は遮断状態となりイオン電流検
出部19の出力はそのままLC共振マスク部31に供給
される。ゲート制御信号GATが閉であればトランジス
タ111が導通状態となりLC共振マスク部31の入力
は "0" に保持される。
【0057】図12は、第3実施例において使用される
第3のノッキング制御ルーチンであって、第1のノッキ
ング制御ルーチンからステップ61および69が削除さ
れる。即ち、ステップ120においてピークホールド部
33にホールドされたイオン電流のピークVKNを読み
込み、ステップ122でバックグランドVBG算出処理
を実行するが、処理の内容は既に図7に基づいて説明し
た。
【0058】ステップ123において、イオン電流のピ
ークVKNがバックグランドVBGの予め定められた第
1の係数(K1)倍以上であるかを判定する。そして肯
定判定されたとき、即ちノッキングが発生していると判
断されるときは、ステップ124においてイオン電流の
ピークVKNがバックグランドVBGの予め定められた
第2の係数(K2)倍以上であるかを判定する。ここ
で、0<K1<K2とする。
【0059】ステップ124で肯定判定されたとき、即
ちノッキングが大きいときには、ステップ125で点火
時期補正値ΔTIを予め定められた大遅角量(−DT
H)に設定してステップ128に進む。ステップ124
で否定判定されたとき、即ちノッキングは発生している
ものの小さいと判断されるときは、ステップ126で点
火時期補正値ΔTIを予め定められた小遅角量(−DT
L)に設定してステップ128に進む。
【0060】なお、ステップ123で否定判定されたと
き、即ち実際にノッキングが発生していないと判断され
るときは、ステップ127で点火時期補正値ΔTIを予
め定められた進角量LTに設定してステップ128に進
む。そして、ステップ128で第1の点火時期制御処理
を実行してこのルーチンを終了するが、第1の点火時期
制御処理の内容は既に図8に基づいて説明した。
【0061】図13は、第3実施例において点火時期制
御部14で実行されるゲート制御ルーチンのフローチャ
ートであって、クランク角センサ161からパルスが出
力されるたび、例えば30°CAたびに角気筒毎に実行
される。ステップ131でTDC(上死点)であるかが
判定され、TDCであればステップ132でゲート開処
理を実行してステップ133に進む。逆にTDCでなけ
れば直接ステップ133に進む。
【0062】ステップ133でATDC(上死点後)6
0°であるかが判定され、ATDC60°であればゲー
ト閉処理を実行してこのルーチンを終了する。逆にAT
DC60°でなければ直接このルーチンを終了する。図
14はゲート制御ルーチンのステップ132で実行され
るゲート開処理のフローチャートであって、ステップ1
320でフューエルカット中であるかが判定される。
【0063】ステップ1320で否定判定されたとき、
即ちフューエルカット中でなければステップ1321に
進みATDC10°タイミングまで待ち、ATDC10
°タイミングとなればステップ1322でゲート制御信
号GATをオフ指令に設定してステップ1323に進
む。ステップ1320で肯定判定されたとき、即ちフュ
ーエルカット中であればゲート制御信号GATをオフ指
令に設定することのなく直接ステップ1323に進む。
【0064】ステップ1323でATDC15°タイミ
ングまで待ち、ATDC15°タイミングとなればステ
ップ1324でノッキングウインドを開としてこの処理
を終了する。図15はゲート制御ルーチンのステップ1
34で実行されるゲート閉処理のフローチャートであっ
て、ステップ1340でゲート制御信号GATをオン指
令に設定し、ステップ1341でノッキングウインドを
閉としてこの処理を終了する。
【0065】即ち上記のゲート制御ルーチンを実行する
と、フューエルカット中でなければトランジスタ111
はATDC10°タイミングでオフとなりATDC60
°タイミングでオンとなり、ATDC10°〜ATDC
60°の間イオン電流検出部19の出力はLC共振マス
ク部31に入力される。しかしフューエルカット中であ
ればトランジスタ111はオン状態を継続するためイオ
ン電流検出部19の出力は強制的に接地されLC共振マ
スク部31の入力は "0" となる。
【0066】なおノッキングウインドはフューエルカッ
ト中であるか否かに係わらずATDC15°〜ATDC
60°の間開となる。即ち第3実施例においては、フュ
ーエルカット中はイオン電流検出部の出力が強制的に
"0" とされるためインパルスノイズが点火時期制御部
に取り込まれることがない。従って、フューエルカット
中にもバックグランドの更新は継続されるものの、イオ
ン電流検出部の出力は "0" でありバックグランドは徐
々に減少し、フューエルカット中はバックグランドはフ
ューエルカット前の値以下に制限される。
【0067】上記3つの実施例においてバックグランド
をイオン電流のピーク値の移動平均値としたが、イオン
電流のピーク値のばらつき値(分散)あるいは中央値
(メディアン)とすることもできる。図16は本発明の
効果の説明図であって、横軸はイオン電流のピーク値P
NK、縦軸は発生度数である。
【0068】そして、実線はフューエルカット前のイオ
ン電流のピーク値PNKの分布を、破線は本発明を適用
しない場合のフューエルカット後のイオン電流のピーク
値PNKの分布を示す。即ち、本発明を適用しない場合
は、フューエルカット前はイオン電流の平均値VB
b 、判定値VBGb ×K1=THb であるのに対し、
フューエルカット後はスパイクノイズの影響によりイオ
ン電流の平均値VBGa に、判定値VBGa×K1=T
a まで増加してしまい燃焼状態の検出精度が悪化す
る。
【0069】これに対し、本発明を適用すればフューエ
ルカット中はノイズによってバックグランドがフューエ
ルカット前の値より大きくなることが防止されるため、
燃焼状態の検出精度が悪化することがない。
【0070】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装
置によれば、フューエルカット中はバックグランドをフ
ューエルカット前の値以下に制限することにより、フュ
ーエルカット中にノイズによってバックグランドがフュ
ーエルカット前の値より大きくなることが防止されるた
め、フューエルカット後に検出精度が悪化することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の点火回路の概念図である。
【図2】点火回路の各部の電圧波形図である。
【図3】イオン電流によるノッキング検出装置の構成図
である。
【図4】スパイクノイズの影響の説明図である。
【図5】本発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に実
施例の構成図である。
【図6】第1のノッキング制御ルーチンのフローチャー
トである。
【図7】バックグランド算出処理のフローチャートであ
る。
【図8】第1の点火時期制御処理のフローチャートであ
る。
【図9】第2のノッキング制御ルーチンのフローチャー
トである。
【図10】第2の点火時期制御処理のフローチャートで
ある。
【図11】第3実施実施例で使用される点火回路であ
る。
【図12】第3のノッキング制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【図13】ゲート制御ルーチンのフローチャートであ
る。
【図14】ゲート開処理のフローチャートである。
【図15】ゲート閉処理のフローチャートである。
【図16】本発明の効果の説明図である。
【符号の説明】
11…イグニッションコイル 14…点火時期制御部 140…バス 141…アナログ入力インターフェイス 142…ディジタル入力インターフェイス 143…出力インターフェイス 144…CPU 145…メモリ 16…ディストリビュータ 161…クランク角センサ 162…基準角センサ 17…ハイテンションケーブル 18…点火栓 19…イオン電流検出部 31…LC共振マスク部 32…バンドパスフィルタ部 33…ピークホールド部 5…内燃機関 500…ピストン 501…燃焼室 502…ウオータジャケット 503…冷却水温度センサ 510…吸気弁 511…エアクリーナ 512…エアフローメータ 513…吸気管 514…スロットス弁 515…燃料噴射弁 520…排気弁 521…排気管 522…空燃比センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室内に設置される一対の
    電極に電圧を印加し、燃焼室内の混合気が燃焼する際に
    発生するイオンを介してこの一対の電極間を流れるイオ
    ン電流を検出するイオン電流検出手段と、 前記イオン電流検出手段で検出されたイオン電流に基づ
    いてバックグランドを算出するバックグランド算出手段
    と、 前記イオン電流検出手段で検出されたイオン電流の信号
    レベルと前記バックグランド算出手段で算出されたバッ
    クグランドに基づいて決定される基準値とを比較するこ
    とにより内燃機関気筒内の燃焼状態を検出する燃焼状態
    検出手段と、 内燃機関がフューエルカット中は前記バックグランド算
    出手段で算出されるバックグランドをフューエルカット
    前の値以下に制限する制限手段と、を具備する内燃機関
    の燃焼状態検出装置。
  2. 【請求項2】 前記制限手段が、フューエルカット中は
    前記バックグランド算出手段によるバックグランドの算
    出を中止するものである請求項1に記載の内燃機関の燃
    焼状態検出装置。
  3. 【請求項3】 前記制限手段が、フューエルカット中は
    点火時期制御装置からの点火信号の出力を禁止するもの
    である請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  4. 【請求項4】 前記制限手段が、フューエルカット中は
    前記イオン電流検出手段によるイオン電流の検出を禁止
    するものである請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態検
    出装置。
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