JPH1078058A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents
ドラムブレーキ装置Info
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- JPH1078058A JPH1078058A JP23091396A JP23091396A JPH1078058A JP H1078058 A JPH1078058 A JP H1078058A JP 23091396 A JP23091396 A JP 23091396A JP 23091396 A JP23091396 A JP 23091396A JP H1078058 A JPH1078058 A JP H1078058A
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- normal
- drum
- emergency
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は摩擦材をブレーキドラムに圧接するこ
とにより制動力を得る構成とされたドラムブレーキ装置
に関し、全温度領域において確実な制動を行なうことを
課題とする。 【解決手段】摩擦材が配設されたブレーキシューをブレ
ーキドラム14に圧接して制動力を得る構成とされたドラ
ムブレーキ装置において、摩擦材を通常温度領域におい
て最大摩擦係数を有する通常用ブレーキライニング7,8
と、この通常温度領域より高い温度領域にて通常用ブレ
ーキライニング7,8 の有する摩擦係数より高い摩擦係数
を有する緊急用ブレーキライニング9,10とにより構成す
る。また、通常用ブレーキライニング7,8 をブレーキド
ラム14に圧接する第1の押圧手段25,28 と、ブレーキ操
作力が所定値以上となった場合に緊急用ブレーキライニ
ング9,10をブレーキドラム14に圧接する第2の押圧手段
24,26,29とを設ける。
とにより制動力を得る構成とされたドラムブレーキ装置
に関し、全温度領域において確実な制動を行なうことを
課題とする。 【解決手段】摩擦材が配設されたブレーキシューをブレ
ーキドラム14に圧接して制動力を得る構成とされたドラ
ムブレーキ装置において、摩擦材を通常温度領域におい
て最大摩擦係数を有する通常用ブレーキライニング7,8
と、この通常温度領域より高い温度領域にて通常用ブレ
ーキライニング7,8 の有する摩擦係数より高い摩擦係数
を有する緊急用ブレーキライニング9,10とにより構成す
る。また、通常用ブレーキライニング7,8 をブレーキド
ラム14に圧接する第1の押圧手段25,28 と、ブレーキ操
作力が所定値以上となった場合に緊急用ブレーキライニ
ング9,10をブレーキドラム14に圧接する第2の押圧手段
24,26,29とを設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドラムブレーキ装置
に係り、特に摩擦材をブレーキドラムに圧接することに
より制動力を得る構成とされたドラムブレーキ装置に関
する。
に係り、特に摩擦材をブレーキドラムに圧接することに
より制動力を得る構成とされたドラムブレーキ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のドラムブレーキ装置は、例えば特
開昭1−116323号公報に示されるように、摩擦材
となるブレーキライニングが配設された一対のブレーキ
シューを車体に固定されたバッキングプレートに設け、
このブレーキシューをホイールシリンダーにより駆動
し、上記バッキングプレートに設けられたアンカーブロ
ックを支点にしてブレーキシューを拡開させ、その外周
面を車輪に取り付けられたブレーキドラムに圧接させる
ことにより、車両の回転を制動するよう構成されてい
る。
開昭1−116323号公報に示されるように、摩擦材
となるブレーキライニングが配設された一対のブレーキ
シューを車体に固定されたバッキングプレートに設け、
このブレーキシューをホイールシリンダーにより駆動
し、上記バッキングプレートに設けられたアンカーブロ
ックを支点にしてブレーキシューを拡開させ、その外周
面を車輪に取り付けられたブレーキドラムに圧接させる
ことにより、車両の回転を制動するよう構成されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドラムブレ
ーキ装置は自己倍力作用(セルフ・エナージング作用)
が働くため、大きな制動力を得ることができる。しかる
に、ドラムブレーキ装置はディスクブレーキ装置に比べ
て放熱特性が低いため、長い降坂路等において頻繁にブ
レーキ操作を行なった場合等においては、摩擦熱により
ブレーキシューの摩擦材とブレーキドラムとの間の摩擦
係数が低下し、制動力が低下する可能性がある。これは
フェード現象として知られているものであり、一般的に
摩擦材が過熱することで、摩擦材の基材となる有機材料
が融解或いは変質して表面の摩擦係数が低下する現象を
いう。
ーキ装置は自己倍力作用(セルフ・エナージング作用)
が働くため、大きな制動力を得ることができる。しかる
に、ドラムブレーキ装置はディスクブレーキ装置に比べ
て放熱特性が低いため、長い降坂路等において頻繁にブ
レーキ操作を行なった場合等においては、摩擦熱により
ブレーキシューの摩擦材とブレーキドラムとの間の摩擦
係数が低下し、制動力が低下する可能性がある。これは
フェード現象として知られているものであり、一般的に
摩擦材が過熱することで、摩擦材の基材となる有機材料
が融解或いは変質して表面の摩擦係数が低下する現象を
いう。
【0004】このフェード現象を防止する手段として
は、例えば高温に耐えうるメタル製の摩擦材を用いるこ
とが考えられる。しかるに、メタル製の摩擦材を用いた
場合には、フェード現象の発生は抑制されるものの、ブ
レーキドラムが傷つき易くなり寿命が短くなり、また摺
動ノイズが発生し易くなるという新たな問題点が発生し
てしまう。
は、例えば高温に耐えうるメタル製の摩擦材を用いるこ
とが考えられる。しかるに、メタル製の摩擦材を用いた
場合には、フェード現象の発生は抑制されるものの、ブ
レーキドラムが傷つき易くなり寿命が短くなり、また摺
動ノイズが発生し易くなるという新たな問題点が発生し
てしまう。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてさなたれもので
あり、異なる温度領域において最大摩擦係数を有する複
数の摩擦材を設けると共にこの摩擦材を過熱状態に応じ
て選択的に用いることにより、全温度領域において確実
な制動を行いうるドラムブレーキ装置を提供することを
目的とする。
あり、異なる温度領域において最大摩擦係数を有する複
数の摩擦材を設けると共にこの摩擦材を過熱状態に応じ
て選択的に用いることにより、全温度領域において確実
な制動を行いうるドラムブレーキ装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、次の手段
を講じることにより解決することができる。請求項1記
載の発明では、ブレーキ操作力により、車体に取り付け
られると共に摩擦材が配設されたブレーキシューを車輪
と一体的に回転するブレーキドラムに圧接することによ
り制動力を得る構成とされたドラムブレーキ装置におい
て、前記摩擦材を、所定の温度領域において最大摩擦係
数を有する第1の摩擦材と、前記所定の温度領域より高
い温度領域にて前記第1の摩擦材の有する摩擦係数より
高い摩擦係数を有する第2の摩擦材とにより構成し、か
つ、前記第1の摩擦材を前記ブレーキドラムに圧接する
第1の押圧手段と、前記ブレーキ操作力が所定値以上と
なった場合に前記第2の摩擦材を前記ブレーキドラムに
圧接する第2の押圧手段とを設けたことを特徴とするも
のである。
を講じることにより解決することができる。請求項1記
載の発明では、ブレーキ操作力により、車体に取り付け
られると共に摩擦材が配設されたブレーキシューを車輪
と一体的に回転するブレーキドラムに圧接することによ
り制動力を得る構成とされたドラムブレーキ装置におい
て、前記摩擦材を、所定の温度領域において最大摩擦係
数を有する第1の摩擦材と、前記所定の温度領域より高
い温度領域にて前記第1の摩擦材の有する摩擦係数より
高い摩擦係数を有する第2の摩擦材とにより構成し、か
つ、前記第1の摩擦材を前記ブレーキドラムに圧接する
第1の押圧手段と、前記ブレーキ操作力が所定値以上と
なった場合に前記第2の摩擦材を前記ブレーキドラムに
圧接する第2の押圧手段とを設けたことを特徴とするも
のである。
【0007】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載のドラムブレーキ装置において、前記第1及び
第2の摩擦材を、前記ブレーキドラム内周面の円周方向
に対し並行配置したことを特徴とするものである。
項1記載のドラムブレーキ装置において、前記第1及び
第2の摩擦材を、前記ブレーキドラム内周面の円周方向
に対し並行配置したことを特徴とするものである。
【0008】上記した各手段は、次のように作用する。
請求項1記載の発明によれば、摩擦材は、所定の温度領
域において最大摩擦係数を有する第1の摩擦材と、所定
の温度領域より高い温度領域にて第1の摩擦材の有する
摩擦係数より高い摩擦係数を有する第2の摩擦材とによ
り構成される。また、第1の摩擦材は第1の押圧手段に
よりブレーキドラムに圧接され、また第2の押圧手段は
ブレーキ操作力が所定値以上となった場合に第2の摩擦
材をブレーキドラムに圧接する。これにより、第1の摩
擦材と第2の摩擦材を選択的に用いて制動を行なうこと
が可能となる。
請求項1記載の発明によれば、摩擦材は、所定の温度領
域において最大摩擦係数を有する第1の摩擦材と、所定
の温度領域より高い温度領域にて第1の摩擦材の有する
摩擦係数より高い摩擦係数を有する第2の摩擦材とによ
り構成される。また、第1の摩擦材は第1の押圧手段に
よりブレーキドラムに圧接され、また第2の押圧手段は
ブレーキ操作力が所定値以上となった場合に第2の摩擦
材をブレーキドラムに圧接する。これにより、第1の摩
擦材と第2の摩擦材を選択的に用いて制動を行なうこと
が可能となる。
【0009】即ち、制動時における発熱量が少ない通常
走行時には、第1の押圧手段及び第1の摩擦材により制
動力を得ることができる。また、第1の摩擦材が過熱し
て制動力が低下した場合には、運転者によるブレーキ操
作力は増大するため、第2の押圧手段が作動し、よって
第2の摩擦材がブレーキドラムに圧接することにより制
動力を得ることができる。
走行時には、第1の押圧手段及び第1の摩擦材により制
動力を得ることができる。また、第1の摩擦材が過熱し
て制動力が低下した場合には、運転者によるブレーキ操
作力は増大するため、第2の押圧手段が作動し、よって
第2の摩擦材がブレーキドラムに圧接することにより制
動力を得ることができる。
【0010】このように、第1の摩擦材と第2の摩擦材
を選択的に用いて制動を行なうことができることによ
り、通常時(低温域)に用いる第1の摩擦材としてはブ
レーキドラムの耐久性や摺動ノイズ防止を考慮したもの
を選定することができ、またブレーキ操作力の増大時
(高温域)においては高温状態においても高い摩擦係数
を有するものを選定することができる。
を選択的に用いて制動を行なうことができることによ
り、通常時(低温域)に用いる第1の摩擦材としてはブ
レーキドラムの耐久性や摺動ノイズ防止を考慮したもの
を選定することができ、またブレーキ操作力の増大時
(高温域)においては高温状態においても高い摩擦係数
を有するものを選定することができる。
【0011】従って、通常時(低温域)においてはブレ
ーキドラムの耐久性向上及び摺動ノイズの発生を抑制す
ることができると共に、ブレーキ操作力の増大時(高温
域)においては確実な制動力を確保することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、第1及び第2の摩
擦材をブレーキドラム内周面の円周方向に対し並行配置
することにより、第1の摩擦材がブレーキドラムに当接
する当接面と、第2の摩擦材がブレーキドラムに当接す
る当接面とが分離され共有されない構成となるため、第
2の摩擦材によりブレーキドラム内周面が摩耗したとし
ても、第1の摩擦材による通常制動がこれにより影響受
けることを防止することができる。
ーキドラムの耐久性向上及び摺動ノイズの発生を抑制す
ることができると共に、ブレーキ操作力の増大時(高温
域)においては確実な制動力を確保することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、第1及び第2の摩
擦材をブレーキドラム内周面の円周方向に対し並行配置
することにより、第1の摩擦材がブレーキドラムに当接
する当接面と、第2の摩擦材がブレーキドラムに当接す
る当接面とが分離され共有されない構成となるため、第
2の摩擦材によりブレーキドラム内周面が摩耗したとし
ても、第1の摩擦材による通常制動がこれにより影響受
けることを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について図
面と共に説明する。図1は本発明の第1実施例であるド
ラムブレーキ装置1を示している。同図に示されるドラ
ムブレーキ装置1は、ツー・リーディング・シュー型の
ドラムブレーキ装置であり、大略するとバッキングプレ
ート2、一対の通常用ブレーキシュー3,4、一対の緊
急用ブレーキシュー5,6、第1の摩擦材となる通常用
ブレーキライニング7,8、第2の摩擦材となる緊急用
ブレーキライニング9,10、第1及び第2の押圧手段
を夫々構成するホイールシリンダー11,12、リター
ンスプリング13、及びブレーキドラム14等により構
成されている。
面と共に説明する。図1は本発明の第1実施例であるド
ラムブレーキ装置1を示している。同図に示されるドラ
ムブレーキ装置1は、ツー・リーディング・シュー型の
ドラムブレーキ装置であり、大略するとバッキングプレ
ート2、一対の通常用ブレーキシュー3,4、一対の緊
急用ブレーキシュー5,6、第1の摩擦材となる通常用
ブレーキライニング7,8、第2の摩擦材となる緊急用
ブレーキライニング9,10、第1及び第2の押圧手段
を夫々構成するホイールシリンダー11,12、リター
ンスプリング13、及びブレーキドラム14等により構
成されている。
【0013】バッキングプレート2は例えば鋼板をプレ
ス加工したものであり、車体に固定されている。このバ
ッキングプレート2には、通常用ブレーキシュー3,
4、緊急用ブレーキシュー5,6、及びホイールシリン
ダー11,12等が配設されている。
ス加工したものであり、車体に固定されている。このバ
ッキングプレート2には、通常用ブレーキシュー3,
4、緊急用ブレーキシュー5,6、及びホイールシリン
ダー11,12等が配設されている。
【0014】通常用ブレーキシュー3,4は、ブレーキ
ドラム14の形状と対応した円弧形状を有している。こ
の通常用ブレーキシュー3,4はその一端に支点部1
5,16が形成されており、この支点部15,16はホ
イールシリンダー11,12に夫々形成されたアンカー
部17,18に係合している。
ドラム14の形状と対応した円弧形状を有している。こ
の通常用ブレーキシュー3,4はその一端に支点部1
5,16が形成されており、この支点部15,16はホ
イールシリンダー11,12に夫々形成されたアンカー
部17,18に係合している。
【0015】後述するように、ホイールシリンダー1
1,12が駆動することにより、通常用ブレーキシュー
3,4は支点15,16を中心として回動変位する構成
とされている。また、一対の通常用ブレーキシュー3,
4の間にはリターンスプリング13が配設されており、
このリターンスプリング13により一対の通常用ブレー
キシュー3,4は常に内側に向け付勢されている。
1,12が駆動することにより、通常用ブレーキシュー
3,4は支点15,16を中心として回動変位する構成
とされている。また、一対の通常用ブレーキシュー3,
4の間にはリターンスプリング13が配設されており、
このリターンスプリング13により一対の通常用ブレー
キシュー3,4は常に内側に向け付勢されている。
【0016】緊急用ブレーキシュー5,6は、通常用ブ
レーキシュー3,4と同様にブレーキドラム14の形状
と対応した円弧形状を有している。この緊急用ブレーキ
シュー5,6は、バッキングプレート2の通常用ブレー
キシュー3,4が配設されていない位置(本実施例では
バッキングプレート2の上下位置)を選んで配設されて
いる。また、緊急用ブレーキシュー5,6は、後述する
ホイールシリンダー11,12に設けられた緊急用駆動
ロッド19,20に固定された構造となっている。
レーキシュー3,4と同様にブレーキドラム14の形状
と対応した円弧形状を有している。この緊急用ブレーキ
シュー5,6は、バッキングプレート2の通常用ブレー
キシュー3,4が配設されていない位置(本実施例では
バッキングプレート2の上下位置)を選んで配設されて
いる。また、緊急用ブレーキシュー5,6は、後述する
ホイールシリンダー11,12に設けられた緊急用駆動
ロッド19,20に固定された構造となっている。
【0017】通常用ブレーキライニング7,8は、通常
用ブレーキシュー3,4のブレーキドラム14と対向す
る面にリベットまたは接着剤により固定されている。こ
の通常用ブレーキライニング7,8は、ブレーキドラム
14との摩擦力を増大させる機能を奏するものであり、
摩擦力を増大させる部材を有機材により固めた構成とさ
れている。
用ブレーキシュー3,4のブレーキドラム14と対向す
る面にリベットまたは接着剤により固定されている。こ
の通常用ブレーキライニング7,8は、ブレーキドラム
14との摩擦力を増大させる機能を奏するものであり、
摩擦力を増大させる部材を有機材により固めた構成とさ
れている。
【0018】ここで、ブレーキライニングは摩擦部材及
び有機材の選定を適宜行なうこと等により、種々の特性
を持たせることが可能である。具体的には、通常温度に
おいて高い摩擦係数を有するブレーキライニングを製造
することも、また高温時において高い摩擦係数を有する
ブレーキライニングを製造することも可能である。
び有機材の選定を適宜行なうこと等により、種々の特性
を持たせることが可能である。具体的には、通常温度に
おいて高い摩擦係数を有するブレーキライニングを製造
することも、また高温時において高い摩擦係数を有する
ブレーキライニングを製造することも可能である。
【0019】しかるに、通常温度において高い摩擦係数
を有するブレーキライニングは、制動動作を頻繁に行な
う等により温度が上昇した時(高温時)においては、有
機材が溶融して前記したフェード現象が発生する可能性
がある。一方、高温時において高い摩擦係数を有するブ
レーキライニングは、一般に通常温度においては摩擦材
の硬度が高いため、制動を行なうことによりブレーキド
ラムに摩耗が発生したり異音(ノイズ)を発生するおそ
れがある。
を有するブレーキライニングは、制動動作を頻繁に行な
う等により温度が上昇した時(高温時)においては、有
機材が溶融して前記したフェード現象が発生する可能性
がある。一方、高温時において高い摩擦係数を有するブ
レーキライニングは、一般に通常温度においては摩擦材
の硬度が高いため、制動を行なうことによりブレーキド
ラムに摩耗が発生したり異音(ノイズ)を発生するおそ
れがある。
【0020】このように、ブレーキライニングは種々の
温度特性を有するものを製造できるものの、使用が予想
させる全ての温度領域において安定した摩擦係数を維持
し、かつ良好な制動特性を実現できるものは存在しな
い。尚、上記及び以下の説明において、通常温度とは、
例えば長い坂路を頻繁に制動を効かせて降りるような過
剰な制動状態ではなく、通常運転を行なった状態(以
下、この状態を通常状態という)に想定される制動処理
によりドラムブレーキ装置に発生する熱の温度をいう。
温度特性を有するものを製造できるものの、使用が予想
させる全ての温度領域において安定した摩擦係数を維持
し、かつ良好な制動特性を実現できるものは存在しな
い。尚、上記及び以下の説明において、通常温度とは、
例えば長い坂路を頻繁に制動を効かせて降りるような過
剰な制動状態ではなく、通常運転を行なった状態(以
下、この状態を通常状態という)に想定される制動処理
によりドラムブレーキ装置に発生する熱の温度をいう。
【0021】そこで、本実施例で使用する通常用ブレー
キライニング7,8は、通常温度において最大摩擦係数
を有するよう、その温度特性が設定されている。一方、
緊急用ブレーキライニング9,10は、緊急用ブレーキ
シュー5,6のブレーキドラム14と対向する面にリベ
ットまたは接着剤により固定されている。この緊急用ブ
レーキライニング9,10もブレーキドラム14との摩
擦力を増大させる機能を奏するものであり、摩擦力を増
大させる部材を有機材により固めた構成とされている。
キライニング7,8は、通常温度において最大摩擦係数
を有するよう、その温度特性が設定されている。一方、
緊急用ブレーキライニング9,10は、緊急用ブレーキ
シュー5,6のブレーキドラム14と対向する面にリベ
ットまたは接着剤により固定されている。この緊急用ブ
レーキライニング9,10もブレーキドラム14との摩
擦力を増大させる機能を奏するものであり、摩擦力を増
大させる部材を有機材により固めた構成とされている。
【0022】また、この緊急用ブレーキライニング9,
10は、通常温度領域より高い温度領域(高温領域)に
て通常用ブレーキライニング7,8の有する摩擦係数よ
り高い摩擦係数を有するよう、その温度特性が設定され
ている。ここで、図4に本実施例で用いている通常用ブ
レーキライニング7,8の温度特性と、緊急用ブレーキ
ライニング9,10の温度特性を示す。同図において、
実線で示す特性は通常用ブレーキライニング7,8の温
度特性であり、破線で示すのが緊急用ブレーキライニン
グ9,10の温度特性である。また、横軸は温度を示
し、縦軸は各ライニングの摩擦係数を示している。
10は、通常温度領域より高い温度領域(高温領域)に
て通常用ブレーキライニング7,8の有する摩擦係数よ
り高い摩擦係数を有するよう、その温度特性が設定され
ている。ここで、図4に本実施例で用いている通常用ブ
レーキライニング7,8の温度特性と、緊急用ブレーキ
ライニング9,10の温度特性を示す。同図において、
実線で示す特性は通常用ブレーキライニング7,8の温
度特性であり、破線で示すのが緊急用ブレーキライニン
グ9,10の温度特性である。また、横軸は温度を示
し、縦軸は各ライニングの摩擦係数を示している。
【0023】同図に示されるように、通常用ブレーキラ
イニング7,8は通常温度領域である温度T1〜T2の
間に最大摩擦係数を有した特性となっている。これに対
し、緊急用ブレーキライニング9,10は、通常温度領
域より高い高温領域T3〜T4において、通常用ブレー
キライニング7,8の摩擦係数より高い摩擦係数を有す
る温度特性を有している。
イニング7,8は通常温度領域である温度T1〜T2の
間に最大摩擦係数を有した特性となっている。これに対
し、緊急用ブレーキライニング9,10は、通常温度領
域より高い高温領域T3〜T4において、通常用ブレー
キライニング7,8の摩擦係数より高い摩擦係数を有す
る温度特性を有している。
【0024】従って、制動に際し通常用ブレーキライニ
ング7,8と緊急用ブレーキライニング9,10を選択
的に使用することにより、広い温度領域において確実な
制動を行なうことができ、かつノイズ及び摩耗の発生を
抑制することが可能となる(これについては、後に詳述
する)。
ング7,8と緊急用ブレーキライニング9,10を選択
的に使用することにより、広い温度領域において確実な
制動を行なうことができ、かつノイズ及び摩耗の発生を
抑制することが可能となる(これについては、後に詳述
する)。
【0025】再び図1に戻り、ドラムブレーキ装置1の
構成説明を続ける。前記した通常用ブレーキシュー3,
4の支点部15,16が形成された端部と異なる側の端
部近傍には、ホイールシリンダー11,12に設けられ
た通常用駆動ロッド21,22が接続されている。
構成説明を続ける。前記した通常用ブレーキシュー3,
4の支点部15,16が形成された端部と異なる側の端
部近傍には、ホイールシリンダー11,12に設けられ
た通常用駆動ロッド21,22が接続されている。
【0026】図2は、ホイールシリンダー11が配設さ
れた位置近傍を拡大して示す図である。以下、図2を用
いてホイールシリンダー11の構造について説明する。
尚、ホイールシリンダー12はホイールシリンダー11
と同一構成であるため、以下の説明ではホイールシリン
ダー11のみについて説明し、ホイールシリンダー12
の説明は省略するものとする。
れた位置近傍を拡大して示す図である。以下、図2を用
いてホイールシリンダー11の構造について説明する。
尚、ホイールシリンダー12はホイールシリンダー11
と同一構成であるため、以下の説明ではホイールシリン
ダー11のみについて説明し、ホイールシリンダー12
の説明は省略するものとする。
【0027】ホイールシリンダー11は、前記した緊急
用駆動ロッド19,通常用駆動ロッド21に加え、シリ
ンダーハウジング23,スプール24,通常用ピストン
25,緊急用ピストン26,及びコイルスプリング27
等により構成されている。シリンダーハウジング23
は、その内部に通常用シリンダー28と緊急用シリンダ
ー29とを形成した構成とれさている。通常用シリンダ
ー28は、その内部にスプール24が挿入された構成と
されている。このスプール24は略有底筒状の形状を有
しており、通常用シリンダー28の内部を図中矢印X
1,X2方向に液密に移動可能な構成とされている。
用駆動ロッド19,通常用駆動ロッド21に加え、シリ
ンダーハウジング23,スプール24,通常用ピストン
25,緊急用ピストン26,及びコイルスプリング27
等により構成されている。シリンダーハウジング23
は、その内部に通常用シリンダー28と緊急用シリンダ
ー29とを形成した構成とれさている。通常用シリンダ
ー28は、その内部にスプール24が挿入された構成と
されている。このスプール24は略有底筒状の形状を有
しており、通常用シリンダー28の内部を図中矢印X
1,X2方向に液密に移動可能な構成とされている。
【0028】また、通常用シリンダー28のスプール2
4が配設された位置より図中矢印X2方向にずれた位置
には、油圧導入孔32が形成されている。この油圧導入
孔32は、図示しないマスターシリンダーに接続されて
おり、運転者がブレーキペダルを踏み込み操作すること
により、踏み込み量に応じたマスターシリンダー油圧が
供給される構成とされている。
4が配設された位置より図中矢印X2方向にずれた位置
には、油圧導入孔32が形成されている。この油圧導入
孔32は、図示しないマスターシリンダーに接続されて
おり、運転者がブレーキペダルを踏み込み操作すること
により、踏み込み量に応じたマスターシリンダー油圧が
供給される構成とされている。
【0029】また、スプール24の内部には通常用ピス
トン25が矢印X1,X2方向に液密に移動可能な構成
で配設されており、この通常用ピストン25は通常用駆
動ロッド21の矢印X2方向端部に接続されている。ま
た、通常用駆動ロッド21の矢印X1方向端部は、スプ
ール24に形成された挿通孔30,シリンダーハウジン
グ23に形成された挿通孔31を挿通して通常用ブレー
キシュー4に接続されている。
トン25が矢印X1,X2方向に液密に移動可能な構成
で配設されており、この通常用ピストン25は通常用駆
動ロッド21の矢印X2方向端部に接続されている。ま
た、通常用駆動ロッド21の矢印X1方向端部は、スプ
ール24に形成された挿通孔30,シリンダーハウジン
グ23に形成された挿通孔31を挿通して通常用ブレー
キシュー4に接続されている。
【0030】従って、通常用ピストン25が矢印X1方
向に移動することにより、通常用ブレーキシュー4はブ
レーキドラム14に向け移動し、通常用ブレーキライニ
ング8をブレーキドラム14に押圧する。これにより、
通常用ブレーキライニング8とブレーキドラム14との
間に摩擦力が発生し、この摩擦力により制動が行なわれ
る。また、この摩擦力により通常用ブレーキライニング
8とブレーキドラム14との間には摩擦熱が発生するこ
とは前記した通りである。
向に移動することにより、通常用ブレーキシュー4はブ
レーキドラム14に向け移動し、通常用ブレーキライニ
ング8をブレーキドラム14に押圧する。これにより、
通常用ブレーキライニング8とブレーキドラム14との
間に摩擦力が発生し、この摩擦力により制動が行なわれ
る。また、この摩擦力により通常用ブレーキライニング
8とブレーキドラム14との間には摩擦熱が発生するこ
とは前記した通りである。
【0031】一方、緊急用シリンダー29は、通常用シ
リンダー28に対して直交する方向に延出するよう形成
されており、その内部には緊急用ピストン26が配設さ
れている。この緊急用ピストン26は、緊急用シリンダ
ー29内を図中矢印Y1,Y2方向に液密に移動しうる
構成とされている。
リンダー28に対して直交する方向に延出するよう形成
されており、その内部には緊急用ピストン26が配設さ
れている。この緊急用ピストン26は、緊急用シリンダ
ー29内を図中矢印Y1,Y2方向に液密に移動しうる
構成とされている。
【0032】また、緊急用ピストン26は、緊急用駆動
ロッド19の矢印Y1方向端部が接続した構成とされて
いる。また、緊急用駆動ロッド19の矢印Y2方向端部
は、シリンダーハウジング23に形成された挿通孔33
を挿通して緊急用ブレーキシュー5に接続されている。
ロッド19の矢印Y1方向端部が接続した構成とされて
いる。また、緊急用駆動ロッド19の矢印Y2方向端部
は、シリンダーハウジング23に形成された挿通孔33
を挿通して緊急用ブレーキシュー5に接続されている。
【0033】従って、緊急用ピストン26が矢印Y2方
向に移動することにより、緊急用ブレーキシュー5はブ
レーキドラム14に向け移動し、緊急用ブレーキライニ
ング9をブレーキドラム14に押圧する。これにより、
緊急用ブレーキライニング9とブレーキドラム14との
間に摩擦力が発生し、この摩擦力により制動が行なわれ
る。
向に移動することにより、緊急用ブレーキシュー5はブ
レーキドラム14に向け移動し、緊急用ブレーキライニ
ング9をブレーキドラム14に押圧する。これにより、
緊急用ブレーキライニング9とブレーキドラム14との
間に摩擦力が発生し、この摩擦力により制動が行なわれ
る。
【0034】また、緊急用ピストン26とシリンダーハ
ウジング23との間には、リターンバネ34が配設され
ている。このリターンバネ34は、常に緊急用ピストン
26を矢印Y1方向に付勢する機能を奏している。よっ
て、通常状態において、緊急用ピストン26はリターン
バネ34により矢印Y1方向に変位しており、緊急用ブ
レーキライニング9とブレーキドラム14とは離間した
状態となっている。
ウジング23との間には、リターンバネ34が配設され
ている。このリターンバネ34は、常に緊急用ピストン
26を矢印Y1方向に付勢する機能を奏している。よっ
て、通常状態において、緊急用ピストン26はリターン
バネ34により矢印Y1方向に変位しており、緊急用ブ
レーキライニング9とブレーキドラム14とは離間した
状態となっている。
【0035】一方、コイルスプリング27はシリンダー
ハウジング23の側壁部23aとスプール24の底部2
4aとの間に配設されており、スプール24を常に矢印
X2方向に付勢する機能を奏している。従って、通常状
態においてスプール24は矢印X2方向に移動してお
り、この移動した状態においてスプール24は緊急用シ
リンダー29を閉塞した状態(図2に示す状態)となっ
ている。
ハウジング23の側壁部23aとスプール24の底部2
4aとの間に配設されており、スプール24を常に矢印
X2方向に付勢する機能を奏している。従って、通常状
態においてスプール24は矢印X2方向に移動してお
り、この移動した状態においてスプール24は緊急用シ
リンダー29を閉塞した状態(図2に示す状態)となっ
ている。
【0036】よって、この通常状態においてマスターシ
リンダーからブレーキオイルが油圧導入孔32に供給さ
れても、緊急用ピストン26は駆動することはなく、緊
急用ブレーキライニング9がブレーキドラム14に押圧
され制動力が発生することはない。
リンダーからブレーキオイルが油圧導入孔32に供給さ
れても、緊急用ピストン26は駆動することはなく、緊
急用ブレーキライニング9がブレーキドラム14に押圧
され制動力が発生することはない。
【0037】続いて、主に図2及び図3を用いて、上記
構成とされたドラムブレーキ装置1の動作について説明
する。尚、以下の説明においてもホイールシリンダー1
1及びこれに接続した構成要素の動作について説明し、
ホイールシリンダー12及びこれに接続した構成要素の
動作の説明は省略するものとする。
構成とされたドラムブレーキ装置1の動作について説明
する。尚、以下の説明においてもホイールシリンダー1
1及びこれに接続した構成要素の動作について説明し、
ホイールシリンダー12及びこれに接続した構成要素の
動作の説明は省略するものとする。
【0038】先ず、ドラムブレーキ装置1の動作説明に
先立ち、通常状態とフェード現象が発生した状態(以
下、緊急状態という)における運転者のブレーキ操作に
ついて説明する。前記したように、通常状態とは例えば
長い坂路を頻繁に制動を効かせて降りるような過剰な制
動状態ではなく、通常運転を行なっている状態である。
よって、ドラムブレーキ装置1は通常温度となってお
り、フェード現象が発生するようなことはない。
先立ち、通常状態とフェード現象が発生した状態(以
下、緊急状態という)における運転者のブレーキ操作に
ついて説明する。前記したように、通常状態とは例えば
長い坂路を頻繁に制動を効かせて降りるような過剰な制
動状態ではなく、通常運転を行なっている状態である。
よって、ドラムブレーキ装置1は通常温度となってお
り、フェード現象が発生するようなことはない。
【0039】フェード現象が発生すると(以下、フェー
ド現象が発生した状態を緊急状態という)、運転者はブ
レーキペダルを踏み込んでも車両の制動が行なわれない
ため、通常状態では行なうことのない強い踏み込み力で
ブレーキペダルを操作する。従って、通常状態において
はマスターシリンダーからホイールシリンダー11に供
給されるマスターシリンダー油圧は低く、一方、フェー
ド現象が発生した緊急状態においてはマスターシリンダ
ーからホイールシリンダー11に供給されるマスターシ
リンダー油圧は非常に高い圧力となる。上記の事項を前
提として、ドラムブレーキ装置1の動作について説明す
る。
ド現象が発生した状態を緊急状態という)、運転者はブ
レーキペダルを踏み込んでも車両の制動が行なわれない
ため、通常状態では行なうことのない強い踏み込み力で
ブレーキペダルを操作する。従って、通常状態において
はマスターシリンダーからホイールシリンダー11に供
給されるマスターシリンダー油圧は低く、一方、フェー
ド現象が発生した緊急状態においてはマスターシリンダ
ーからホイールシリンダー11に供給されるマスターシ
リンダー油圧は非常に高い圧力となる。上記の事項を前
提として、ドラムブレーキ装置1の動作について説明す
る。
【0040】先ず、通常状態におけるドラムブレーキ装
置1の動作について説明する。通常状態において運転者
によりブレーキペダルが踏み込まれ、マスターシリンダ
ーからホイールシリンダー11にブレーキオイルが供給
されると、シリンダハウジング23,スプール24,及
び通常用ピストン25の内壁にはマスターシリンダー油
圧が印加される。
置1の動作について説明する。通常状態において運転者
によりブレーキペダルが踏み込まれ、マスターシリンダ
ーからホイールシリンダー11にブレーキオイルが供給
されると、シリンダハウジング23,スプール24,及
び通常用ピストン25の内壁にはマスターシリンダー油
圧が印加される。
【0041】このマスターシリンダー油圧により通常用
ピストン25はリターンスプリング13の弾性力に抗し
て図中矢印X1方向に移動し、これにより通常用ブレー
キシュー4は支点部16を中心としてブレーキドラム1
4に向かう方向に回動し、通常用ブレーキライニング8
はブレーキドラム14に押圧される(図1参照)。これ
により、通常用ブレーキライニング8とブレーキドラム
14との間に摩擦力が発生し、車両は制動される。
ピストン25はリターンスプリング13の弾性力に抗し
て図中矢印X1方向に移動し、これにより通常用ブレー
キシュー4は支点部16を中心としてブレーキドラム1
4に向かう方向に回動し、通常用ブレーキライニング8
はブレーキドラム14に押圧される(図1参照)。これ
により、通常用ブレーキライニング8とブレーキドラム
14との間に摩擦力が発生し、車両は制動される。
【0042】また、上記のようにホイールシリンダー1
1にブレーキオイルが供給されることにより、スプール
24の開口部分の端面35にもマスターシリンダー油圧
は印加され、スプール24は矢印X1方向に移動付勢さ
れる。いま、マスターシリンダー油圧によりスプール2
4を矢印X1方向に移動付勢する力をf(以下、マスタ
ーシリンダー力fという)とし、またコイルスプリング
27がスプール24を矢印X2方向に移動付勢する力を
F(以下、スプリング力Fという)とすると、F>fの
場合にはスプール24は移動することなく通常状態を維
持し、緊急用シリンダー29は閉塞された状態を維持す
る。
1にブレーキオイルが供給されることにより、スプール
24の開口部分の端面35にもマスターシリンダー油圧
は印加され、スプール24は矢印X1方向に移動付勢さ
れる。いま、マスターシリンダー油圧によりスプール2
4を矢印X1方向に移動付勢する力をf(以下、マスタ
ーシリンダー力fという)とし、またコイルスプリング
27がスプール24を矢印X2方向に移動付勢する力を
F(以下、スプリング力Fという)とすると、F>fの
場合にはスプール24は移動することなく通常状態を維
持し、緊急用シリンダー29は閉塞された状態を維持す
る。
【0043】また、F<fの場合には、マスターシリン
ダー油圧によるスプール24を移動付勢する力fの方が
コイルスプリング27の弾性力よりも強いため、スプー
ル24はコイルスプリング27の弾性力に抗して矢印X
2方向に移動し、緊急用シリンダー29と通常用シリン
ダー28とは連通された状態となる。
ダー油圧によるスプール24を移動付勢する力fの方が
コイルスプリング27の弾性力よりも強いため、スプー
ル24はコイルスプリング27の弾性力に抗して矢印X
2方向に移動し、緊急用シリンダー29と通常用シリン
ダー28とは連通された状態となる。
【0044】しかるに通常状態では、前記した理由によ
りマスターシリンダーからホイールシリンダー11に供
給されるマスターシリンダー油圧は低いため、スプール
24は移動することなく通常状態(図2に示す状態)を
維持する。このため、緊急用シリンダー29はスプール
24に閉塞された状態を維持し、緊急用ブレーキシュー
5はリターンバネ34により矢印Y1方向に変位した位
置を維持し、緊急用ブレーキライニング9はブレーキド
ラム14から離間した状態を維持する。
りマスターシリンダーからホイールシリンダー11に供
給されるマスターシリンダー油圧は低いため、スプール
24は移動することなく通常状態(図2に示す状態)を
維持する。このため、緊急用シリンダー29はスプール
24に閉塞された状態を維持し、緊急用ブレーキシュー
5はリターンバネ34により矢印Y1方向に変位した位
置を維持し、緊急用ブレーキライニング9はブレーキド
ラム14から離間した状態を維持する。
【0045】続いて、緊急状態におけるドラムブレーキ
装置1の動作について説明する。前記したように、フェ
ード現象が発生した状態の緊急状態では、運転者はブレ
ーキペダルを踏み込んでも車両の制動が行なわれないた
め、通常状態では行なうことのない強い踏み込み力でブ
レーキペダルを操作する。このため、緊急状態ではシリ
ンダハウジング23,スプール24,及び通常用ピスト
ン25の内壁には高圧のマスターシリンダー油圧が印加
される。
装置1の動作について説明する。前記したように、フェ
ード現象が発生した状態の緊急状態では、運転者はブレ
ーキペダルを踏み込んでも車両の制動が行なわれないた
め、通常状態では行なうことのない強い踏み込み力でブ
レーキペダルを操作する。このため、緊急状態ではシリ
ンダハウジング23,スプール24,及び通常用ピスト
ン25の内壁には高圧のマスターシリンダー油圧が印加
される。
【0046】このように、ホイールシリンダー11に高
圧のブレーキオイルが供給されることにより、スプール
24の開口部分の端面35に印加されるマスターシリン
ダー力fも増大する。そして、マスターシリンダー力f
がスプリング力Fより大きくなると(f>F)、スプー
ル24はコイルスプリング27の弾性力に抗して矢印X
2方向に移動し、図3に示されるように、緊急用シリン
ダー29と通常用シリンダー28とは連通された状態と
なる。
圧のブレーキオイルが供給されることにより、スプール
24の開口部分の端面35に印加されるマスターシリン
ダー力fも増大する。そして、マスターシリンダー力f
がスプリング力Fより大きくなると(f>F)、スプー
ル24はコイルスプリング27の弾性力に抗して矢印X
2方向に移動し、図3に示されるように、緊急用シリン
ダー29と通常用シリンダー28とは連通された状態と
なる。
【0047】これにより、マスターシリンダー油圧は緊
急用ピストン26にも印加される状態となり、緊急用ピ
ストン26は矢印Y2方向に移動し、これに伴い緊急用
ブレーキシュー5も移動して緊急用ブレーキライニング
9はブレーキドラム14に押圧される。従って、緊急用
ブレーキライニング9とブレーキドラム14との間に摩
擦力が発生し、車両の制動が行なわれる。
急用ピストン26にも印加される状態となり、緊急用ピ
ストン26は矢印Y2方向に移動し、これに伴い緊急用
ブレーキシュー5も移動して緊急用ブレーキライニング
9はブレーキドラム14に押圧される。従って、緊急用
ブレーキライニング9とブレーキドラム14との間に摩
擦力が発生し、車両の制動が行なわれる。
【0048】ところでフェード現象が発生している緊急
状態においては、ブレーキドラム14は非常に高い温度
となっており、従ってこの熱は緊急用ブレーキライニン
グ9にも熱伝導する。しかるに、緊急用ブレーキライニ
ング9は、図4を用いて説明したように、通常温度領域
より高い高温領域T3〜T4において、通常用ブレーキ
ライニング7,8の摩擦係数より高い摩擦係数を有する
温度特性を有した材料が選定されている。従って、通常
用ブレーキライニング7,8ではフェード現象が発生す
るような高温領域においても、緊急用ブレーキライニン
グ9は摩擦力を発揮でき、確実に車両を制動することが
できる。
状態においては、ブレーキドラム14は非常に高い温度
となっており、従ってこの熱は緊急用ブレーキライニン
グ9にも熱伝導する。しかるに、緊急用ブレーキライニ
ング9は、図4を用いて説明したように、通常温度領域
より高い高温領域T3〜T4において、通常用ブレーキ
ライニング7,8の摩擦係数より高い摩擦係数を有する
温度特性を有した材料が選定されている。従って、通常
用ブレーキライニング7,8ではフェード現象が発生す
るような高温領域においても、緊急用ブレーキライニン
グ9は摩擦力を発揮でき、確実に車両を制動することが
できる。
【0049】上述してきたように、本実施例に係るドラ
ムブレーキ装置1では、通常用ブレーキライニング7,
8と緊急用ブレーキライニング9,10を選択的に用い
て制動を行なうことができる。よって、通常状態で用い
る通常用ブレーキライニング7,8としてはブレーキド
ラム14の耐久性や摺動ノイズ防止を考慮したものを選
定することができ、また緊急状態においては高温状態で
も高い摩擦係数を有するものを選定することができる。
これにより、通常状態においてはブレーキドラム14の
耐久性向上及び摺動ノイズの発生を抑制することがで
き、また緊急時においては確実な制動力を確保すること
ができ安全性を向上することができる。
ムブレーキ装置1では、通常用ブレーキライニング7,
8と緊急用ブレーキライニング9,10を選択的に用い
て制動を行なうことができる。よって、通常状態で用い
る通常用ブレーキライニング7,8としてはブレーキド
ラム14の耐久性や摺動ノイズ防止を考慮したものを選
定することができ、また緊急状態においては高温状態で
も高い摩擦係数を有するものを選定することができる。
これにより、通常状態においてはブレーキドラム14の
耐久性向上及び摺動ノイズの発生を抑制することがで
き、また緊急時においては確実な制動力を確保すること
ができ安全性を向上することができる。
【0050】続いて、本発明の第2実施例について説明
する。図5は本発明の第2実施例であるドラムブレーキ
装置1Aを示しており、また図6は図5におけるA−A
矢視図を示している。本実施例では、リーディング・ト
レーリング型のディスクブレーキ装置を例に挙げて説明
するものとする。尚、図5及び図6において、図1乃至
図4を用いて説明した第1実施例に係るドラムブレーキ
装置1の構成と対応する構成については同一符号を附し
てその説明を省略する。
する。図5は本発明の第2実施例であるドラムブレーキ
装置1Aを示しており、また図6は図5におけるA−A
矢視図を示している。本実施例では、リーディング・ト
レーリング型のディスクブレーキ装置を例に挙げて説明
するものとする。尚、図5及び図6において、図1乃至
図4を用いて説明した第1実施例に係るドラムブレーキ
装置1の構成と対応する構成については同一符号を附し
てその説明を省略する。
【0051】前記した第1実施例に係るドラムブレーキ
装置1は、通常用ブレーキライニング7,8と緊急用ブ
レーキライニング9,10とを同一円周上に配設した構
成としていた。このため、ブレーキドラム14における
通常用ブレーキライニング7,8の当接位置と緊急用ブ
レーキライニング9,10の当接位置が共有されること
となる。従って、緊急状態が発生し緊急用ブレーキライ
ニング9,10が作動した場合には、ブレーキドラム1
4の内周面は緊急用ブレーキライニング9,10により
摩耗し、緊急状態から復帰し通常状態に戻り通常用ブレ
ーキライニング7,8が、ブレーキドラム14の内周面
に当接した際に発生する制動力が低下するおそれがあ
る。
装置1は、通常用ブレーキライニング7,8と緊急用ブ
レーキライニング9,10とを同一円周上に配設した構
成としていた。このため、ブレーキドラム14における
通常用ブレーキライニング7,8の当接位置と緊急用ブ
レーキライニング9,10の当接位置が共有されること
となる。従って、緊急状態が発生し緊急用ブレーキライ
ニング9,10が作動した場合には、ブレーキドラム1
4の内周面は緊急用ブレーキライニング9,10により
摩耗し、緊急状態から復帰し通常状態に戻り通常用ブレ
ーキライニング7,8が、ブレーキドラム14の内周面
に当接した際に発生する制動力が低下するおそれがあ
る。
【0052】そこで、本実施例に係るドラムブレーキ装
置1Aでは、通常用ブレーキライニング7A,8Aと緊
急用ブレーキライニング9A,10Aをブレーキドラム
14の内周面の円周方向に対し並行配置したことを特徴
とするものである。以下、具体的構成について説明す
る。
置1Aでは、通常用ブレーキライニング7A,8Aと緊
急用ブレーキライニング9A,10Aをブレーキドラム
14の内周面の円周方向に対し並行配置したことを特徴
とするものである。以下、具体的構成について説明す
る。
【0053】本実施例に係るドラムブレーキ装置1A
は、図2(ブレーキドラム14の図示は省略している)
に示されるように、通常用ブレーキライニング7A,8
Aと緊急用ブレーキライニング9A,10Aをブレーキ
ドラム14の内周面の円周方向に対し並行配置されてお
り、これに伴い通常用ブレーキシュー3A,4Aと緊急
用ブレーキシュー5A,6Aもブレーキドラム14の内
周面の円周方向に対し並行に配置されている。
は、図2(ブレーキドラム14の図示は省略している)
に示されるように、通常用ブレーキライニング7A,8
Aと緊急用ブレーキライニング9A,10Aをブレーキ
ドラム14の内周面の円周方向に対し並行配置されてお
り、これに伴い通常用ブレーキシュー3A,4Aと緊急
用ブレーキシュー5A,6Aもブレーキドラム14の内
周面の円周方向に対し並行に配置されている。
【0054】また、一対の通常用ブレーキシュー3A,
4Aの間にはリターンスプリング13Aが配設されてお
り、また一対の緊急用ブレーキシュー5A,6Aの間に
はリターンスプリング13Bが配設されている。従っ
て、一対の通常用ブレーキシュー3A,4A及び緊急用
ブレーキシュー5A,6Aは、リターンスプリング13
A及びリターンスプリング13Bにより常に内側に向け
て付勢される構成とされている。更に、一対の通常用ブ
レーキシュー3A,4Aの間には通常用ホイールシリン
ダー40が配設されると共に、一対の緊急用ブレーキシ
ュー5A,6Aの間には緊急用ホイールシリンダー41
が配設されている。
4Aの間にはリターンスプリング13Aが配設されてお
り、また一対の緊急用ブレーキシュー5A,6Aの間に
はリターンスプリング13Bが配設されている。従っ
て、一対の通常用ブレーキシュー3A,4A及び緊急用
ブレーキシュー5A,6Aは、リターンスプリング13
A及びリターンスプリング13Bにより常に内側に向け
て付勢される構成とされている。更に、一対の通常用ブ
レーキシュー3A,4Aの間には通常用ホイールシリン
ダー40が配設されると共に、一対の緊急用ブレーキシ
ュー5A,6Aの間には緊急用ホイールシリンダー41
が配設されている。
【0055】図7は、ホイールシリンダー40,41が
配設された位置近傍を拡大して示す図である。ホイール
シリンダー40は、緊急用駆動ロッド19A,シリンダ
ーハウジング23,スプール24,通常用ピストン2
5,コイルスプリング27,及び支持ロッド42等によ
り構成されている。
配設された位置近傍を拡大して示す図である。ホイール
シリンダー40は、緊急用駆動ロッド19A,シリンダ
ーハウジング23,スプール24,通常用ピストン2
5,コイルスプリング27,及び支持ロッド42等によ
り構成されている。
【0056】このホイールシリンダー40は第1実施例
で説明したホイールシリンダー11と略同一の構成とさ
れており、その内部コイルスプリング27に付勢された
スプール24が挿入された構成とされている。また、通
常用シリンダー28のスプール24が配設された位置よ
り図中矢印X2方向にずれた位置には、図示しないマス
ターシリンダーに接続された油圧導入孔32が形成さて
おり、運転者がブレーキペダルを踏み込み操作すること
により、踏み込み量に応じたマスターシリンダー油圧が
供給される構成とされている。
で説明したホイールシリンダー11と略同一の構成とさ
れており、その内部コイルスプリング27に付勢された
スプール24が挿入された構成とされている。また、通
常用シリンダー28のスプール24が配設された位置よ
り図中矢印X2方向にずれた位置には、図示しないマス
ターシリンダーに接続された油圧導入孔32が形成さて
おり、運転者がブレーキペダルを踏み込み操作すること
により、踏み込み量に応じたマスターシリンダー油圧が
供給される構成とされている。
【0057】また、スプール24の内部には通常用ピス
トン25が矢印X1,X2方向に液密に移動可能な構成
で配設されており、この通常用ピストン25は通常用駆
動ロッド21Aの矢印X2方向端部に接続されると共に
通常用駆動ロッド21Aの矢印X1方向端部には通常用
ブレーキシュー4Aが接続されている。更に、シリンダ
ハウジング23の通常用駆動ロッド21Aの配設側と異
なる側には支持ロッド42が配設されており、この支持
ロッド42の矢印X2方向端部は他方の通常用ブレーキ
シュー3Aに接続されている。
トン25が矢印X1,X2方向に液密に移動可能な構成
で配設されており、この通常用ピストン25は通常用駆
動ロッド21Aの矢印X2方向端部に接続されると共に
通常用駆動ロッド21Aの矢印X1方向端部には通常用
ブレーキシュー4Aが接続されている。更に、シリンダ
ハウジング23の通常用駆動ロッド21Aの配設側と異
なる側には支持ロッド42が配設されており、この支持
ロッド42の矢印X2方向端部は他方の通常用ブレーキ
シュー3Aに接続されている。
【0058】従って、通常用ピストン25が矢印X1方
向に移動することにより、通常用ブレーキシュー3A,
4Aはブレーキドラム14に向け移動し、通常用ブレー
キライニング7A,8Aをブレーキドラム14に押圧す
る。これにより、通常用ブレーキライニング7A,8A
とブレーキドラム14との間に摩擦力が発生し、この摩
擦力により制動が行なわれる。
向に移動することにより、通常用ブレーキシュー3A,
4Aはブレーキドラム14に向け移動し、通常用ブレー
キライニング7A,8Aをブレーキドラム14に押圧す
る。これにより、通常用ブレーキライニング7A,8A
とブレーキドラム14との間に摩擦力が発生し、この摩
擦力により制動が行なわれる。
【0059】一方、緊急用ホイールシリンダー41は、
前記した通常用ホイールシリンダー40にブレーキドラ
ム14の内周方向に対してずらして配設することによ
り、通常用ホイールシリンダー40に対し並行配置され
た構成とされている。この、緊急用ホイールシリンダー
41は、緊急用シリンダー29と急用ピストン26とに
より構成されており、この緊急用ピストン26は緊急用
シリンダー29内を図中矢印X1,X2方向に液密に移
動しうる構成とされている。
前記した通常用ホイールシリンダー40にブレーキドラ
ム14の内周方向に対してずらして配設することによ
り、通常用ホイールシリンダー40に対し並行配置され
た構成とされている。この、緊急用ホイールシリンダー
41は、緊急用シリンダー29と急用ピストン26とに
より構成されており、この緊急用ピストン26は緊急用
シリンダー29内を図中矢印X1,X2方向に液密に移
動しうる構成とされている。
【0060】緊急用ピストン26は緊急用駆動ロッド1
9Aの矢印X1方向端部が接続した構成とされると共
に、緊急用駆動ロッド19Aの矢印X2方向端部は緊急
用ブレーキシュー6Aに接続されている。また、緊急用
ホイールシリンダー40の緊急用駆動ロッド19Aが配
設された側と異なる側には支持ロッド47が接続されて
おり、この支持ロッド47の矢印X2方向端部には緊急
用ブレーキシュー5Aに接続されている。従って、緊急
用ピストン26が矢印X1方向に移動することにより、
緊急用ブレーキシュー5A,6Aはブレーキドラム14
に向け移動し、緊急用ブレーキライニング9A,10A
をブレーキドラム14に押圧する。これにより、緊急用
ブレーキライニング9A,10Aとブレーキドラム14
との間に摩擦力が発生し、この摩擦力により制動が行な
われる。
9Aの矢印X1方向端部が接続した構成とされると共
に、緊急用駆動ロッド19Aの矢印X2方向端部は緊急
用ブレーキシュー6Aに接続されている。また、緊急用
ホイールシリンダー40の緊急用駆動ロッド19Aが配
設された側と異なる側には支持ロッド47が接続されて
おり、この支持ロッド47の矢印X2方向端部には緊急
用ブレーキシュー5Aに接続されている。従って、緊急
用ピストン26が矢印X1方向に移動することにより、
緊急用ブレーキシュー5A,6Aはブレーキドラム14
に向け移動し、緊急用ブレーキライニング9A,10A
をブレーキドラム14に押圧する。これにより、緊急用
ブレーキライニング9A,10Aとブレーキドラム14
との間に摩擦力が発生し、この摩擦力により制動が行な
われる。
【0061】上記構成とされた通常用ホイールシリンダ
ー40と緊急用ホイールシリンダー41は、連結部材4
3により接合されており、この連結部材43には連通孔
44が形成されている。この連通孔44の矢印Y1方向
端部は通常用シリンダー28に形成された連通ポート4
5に接続されており、またY2方向端部は緊急用シリン
ダー29に形成された連通ポート46に接続されてい
る。
ー40と緊急用ホイールシリンダー41は、連結部材4
3により接合されており、この連結部材43には連通孔
44が形成されている。この連通孔44の矢印Y1方向
端部は通常用シリンダー28に形成された連通ポート4
5に接続されており、またY2方向端部は緊急用シリン
ダー29に形成された連通ポート46に接続されてい
る。
【0062】一方、コイルスプリング27はスプール2
4を常に矢印X2方向に付勢する機能を奏しており、従
って通常状態においてスプール24は矢印X2方向に移
動している。この移動した状態において、スプール24
は通常用シリンダー28に形成された連通ポート45を
閉塞した状態(図7に示す状態)となっている。よっ
て、この通常状態においてマスターシリンダーからブレ
ーキオイルが油圧導入孔32に供給されても、緊急用ピ
ストン26は駆動することはなく、緊急用ブレーキライ
ニング9A,10Aがブレーキドラム14に押圧され制
動力が発生することはない。
4を常に矢印X2方向に付勢する機能を奏しており、従
って通常状態においてスプール24は矢印X2方向に移
動している。この移動した状態において、スプール24
は通常用シリンダー28に形成された連通ポート45を
閉塞した状態(図7に示す状態)となっている。よっ
て、この通常状態においてマスターシリンダーからブレ
ーキオイルが油圧導入孔32に供給されても、緊急用ピ
ストン26は駆動することはなく、緊急用ブレーキライ
ニング9A,10Aがブレーキドラム14に押圧され制
動力が発生することはない。
【0063】続いて、記構成とされたドラムブレーキ装
置1Aの動作について説明する。先ず、通常状態におけ
るドラムブレーキ装置1Aの動作について説明する。通
常状態において運転者によりブレーキペダルが踏み込ま
れ、マスターシリンダーからホイールシリンダー40に
ブレーキオイルが供給されると、シリンダハウジング2
3,スプール24,及び通常用ピストン25の内壁には
マスターシリンダー油圧が印加される。
置1Aの動作について説明する。先ず、通常状態におけ
るドラムブレーキ装置1Aの動作について説明する。通
常状態において運転者によりブレーキペダルが踏み込ま
れ、マスターシリンダーからホイールシリンダー40に
ブレーキオイルが供給されると、シリンダハウジング2
3,スプール24,及び通常用ピストン25の内壁には
マスターシリンダー油圧が印加される。
【0064】このマスターシリンダー油圧により通常用
ピストン25はリターンスプリング13の弾性力に抗し
て図中矢印X1方向に移動し、通常用ブレーキライニン
グ7A,8Aはブレーキドラム14に押圧され、これに
より通常用ブレーキライニング8とブレーキドラム14
との間に摩擦力が発生して車両は制動される。
ピストン25はリターンスプリング13の弾性力に抗し
て図中矢印X1方向に移動し、通常用ブレーキライニン
グ7A,8Aはブレーキドラム14に押圧され、これに
より通常用ブレーキライニング8とブレーキドラム14
との間に摩擦力が発生して車両は制動される。
【0065】また通常状態では、前記したようにマスタ
ーシリンダーからホイールシリンダー40に供給される
マスターシリンダー油圧は低いため、スプール24は移
動することなく通常状態を維持する。このため、連通ポ
ート45はスプール24に閉塞された状態を維持し、緊
急用ブレーキシュー5A,6Aはブレーキドラム14か
ら離間した状態を維持する。
ーシリンダーからホイールシリンダー40に供給される
マスターシリンダー油圧は低いため、スプール24は移
動することなく通常状態を維持する。このため、連通ポ
ート45はスプール24に閉塞された状態を維持し、緊
急用ブレーキシュー5A,6Aはブレーキドラム14か
ら離間した状態を維持する。
【0066】続いて、緊急状態におけるドラムブレーキ
装置1Aの動作について説明する。前記したように緊急
状態では、運転者は強い踏み込み力でブレーキペダルを
操作するため、シリンダハウジング23,スプール2
4,及び通常用ピストン25の内壁には高圧のマスター
シリンダー油圧が印加される。
装置1Aの動作について説明する。前記したように緊急
状態では、運転者は強い踏み込み力でブレーキペダルを
操作するため、シリンダハウジング23,スプール2
4,及び通常用ピストン25の内壁には高圧のマスター
シリンダー油圧が印加される。
【0067】このように、ホイールシリンダー40に高
圧のブレーキオイルが供給されることによりマスターシ
リンダー力fは増大し、そしてマスターシリンダー力f
がスプリング力Fより大きくなった時点(f>F)で、
スプール24はコイルスプリング27の弾性力に抗して
矢印X2方向に移動して連通ポート45を開口し、緊急
用シリンダー29と通常用シリンダー28とは連通孔4
4を介して連通された状態となる。
圧のブレーキオイルが供給されることによりマスターシ
リンダー力fは増大し、そしてマスターシリンダー力f
がスプリング力Fより大きくなった時点(f>F)で、
スプール24はコイルスプリング27の弾性力に抗して
矢印X2方向に移動して連通ポート45を開口し、緊急
用シリンダー29と通常用シリンダー28とは連通孔4
4を介して連通された状態となる。
【0068】これにより、マスターシリンダー油圧は緊
急用ピストン26にも印加される状態となり、緊急用ピ
ストン26は矢印X1方向に移動し、これに伴い緊急用
ブレーキシュー5A,6Aも移動して緊急用ブレーキラ
イニング9A,10Aはブレーキドラム14に押圧さ
れ、従って緊急用ブレーキライニング9A,10Aとブ
レーキドラム14との間に摩擦力が発生して車両の制動
が行なわれる。
急用ピストン26にも印加される状態となり、緊急用ピ
ストン26は矢印X1方向に移動し、これに伴い緊急用
ブレーキシュー5A,6Aも移動して緊急用ブレーキラ
イニング9A,10Aはブレーキドラム14に押圧さ
れ、従って緊急用ブレーキライニング9A,10Aとブ
レーキドラム14との間に摩擦力が発生して車両の制動
が行なわれる。
【0069】この際、本実施例で用いている緊急用ブレ
ーキライニング9A,10Aも通常温度領域より高い高
温領域T3〜T4において、通常用ブレーキライニング
7,8の摩擦係数より高い摩擦係数を有する温度特性を
有した材料が選定されているため(図4参照)、通常用
ブレーキライニング7A,8Aではフェード現象が発生
するような高温領域においても、緊急用ブレーキライニ
ング9A,10Aは摩擦力を発揮でき、確実に車両を制
動することができる。
ーキライニング9A,10Aも通常温度領域より高い高
温領域T3〜T4において、通常用ブレーキライニング
7,8の摩擦係数より高い摩擦係数を有する温度特性を
有した材料が選定されているため(図4参照)、通常用
ブレーキライニング7A,8Aではフェード現象が発生
するような高温領域においても、緊急用ブレーキライニ
ング9A,10Aは摩擦力を発揮でき、確実に車両を制
動することができる。
【0070】上述してきたように、本実施例に係るドラ
ムブレーキ装置1Aにおいても、第1実施例と同様に通
常状態で用いる通常用ブレーキライニング7A,8Aと
してはブレーキドラム14の耐久性や摺動ノイズ防止を
考慮したものを選定することができ、また緊急状態にお
いては高温状態でも高い摩擦係数を有するものを選定す
ることができる。これにより、通常状態においてはブレ
ーキドラム14の耐久性向上及び摺動ノイズの発生を抑
制することができ、また緊急時においては確実な制動力
を確保することができ安全性を向上することができる。
ムブレーキ装置1Aにおいても、第1実施例と同様に通
常状態で用いる通常用ブレーキライニング7A,8Aと
してはブレーキドラム14の耐久性や摺動ノイズ防止を
考慮したものを選定することができ、また緊急状態にお
いては高温状態でも高い摩擦係数を有するものを選定す
ることができる。これにより、通常状態においてはブレ
ーキドラム14の耐久性向上及び摺動ノイズの発生を抑
制することができ、また緊急時においては確実な制動力
を確保することができ安全性を向上することができる。
【0071】また、本実施例に係るドラムブレーキ装置
1Aでは、通常用ブレーキライニング7A,8A及び緊
急用ブレーキライニング9A,10Aをブレーキドラム
14内周面の円周方向に対し並行配置したことにより、
通常用ブレーキライニング7A,8Aがブレーキドラム
14に当接する当接面と、緊急用ブレーキライニング9
A,10Aがブレーキドラム14に当接する当接面とが
分離され共有されない構成となる。
1Aでは、通常用ブレーキライニング7A,8A及び緊
急用ブレーキライニング9A,10Aをブレーキドラム
14内周面の円周方向に対し並行配置したことにより、
通常用ブレーキライニング7A,8Aがブレーキドラム
14に当接する当接面と、緊急用ブレーキライニング9
A,10Aがブレーキドラム14に当接する当接面とが
分離され共有されない構成となる。
【0072】これにより、緊急状態時において硬度が高
い緊急用ブレーキライニング9A,10Aがブレーキド
ラム14に当接してブレーキドラム14の内周面が摩耗
したとしても、通常用ブレーキライニング7A,8Aは
緊急用ブレーキライニング9A,10Aの当接位置と異
なる位置でブレーキドラム14と当接するため、通常制
動がこれにより影響受けることを防止することができ
る。よって、緊急状態から通常状態に復帰した後ちにお
ける制動動作を円滑かつ確実に行うことが可能となる。
い緊急用ブレーキライニング9A,10Aがブレーキド
ラム14に当接してブレーキドラム14の内周面が摩耗
したとしても、通常用ブレーキライニング7A,8Aは
緊急用ブレーキライニング9A,10Aの当接位置と異
なる位置でブレーキドラム14と当接するため、通常制
動がこれにより影響受けることを防止することができ
る。よって、緊急状態から通常状態に復帰した後ちにお
ける制動動作を円滑かつ確実に行うことが可能となる。
【0073】尚、上記した実施例では、第1実施例にお
いてツー・リーディング・シュー型のディスクブレーキ
装置1を例に挙げ、また第2実施例においてはリーディ
ング・トレーリング型のディスクブレーキ装置1Aを例
に挙げて説明したが、第1及び第2実施例に記載した発
明は、ツー・リーディング・シュー型及びリーディング
・トレーリング型の双方のディスクブレーキ装置に適用
できるものであり、更にこれに限らず他の構成のディス
クブレーキ装置にも適用できるものである。
いてツー・リーディング・シュー型のディスクブレーキ
装置1を例に挙げ、また第2実施例においてはリーディ
ング・トレーリング型のディスクブレーキ装置1Aを例
に挙げて説明したが、第1及び第2実施例に記載した発
明は、ツー・リーディング・シュー型及びリーディング
・トレーリング型の双方のディスクブレーキ装置に適用
できるものであり、更にこれに限らず他の構成のディス
クブレーキ装置にも適用できるものである。
【0074】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
種々の効果を実現することができる。請求項1記載の発
明によれば、第1の摩擦材と第2の摩擦材を選択的に用
いて制動を行なうことができることにより、通常時(低
温域)に用いる第1の摩擦材としてはブレーキドラムの
耐久性や摺動ノイズ防止を考慮したものを選定すること
ができ、またブレーキ操作力の増大時(高温域)におい
ては高温状態においても高い摩擦係数を有するものを選
定することができる。このため、通常時(低温域)にお
いてはブレーキドラムの耐久性向上及び摺動ノイズの発
生を抑制することができると共に、ブレーキ操作力の増
大時(高温域)においては確実な制動力を確保すること
ができる。
種々の効果を実現することができる。請求項1記載の発
明によれば、第1の摩擦材と第2の摩擦材を選択的に用
いて制動を行なうことができることにより、通常時(低
温域)に用いる第1の摩擦材としてはブレーキドラムの
耐久性や摺動ノイズ防止を考慮したものを選定すること
ができ、またブレーキ操作力の増大時(高温域)におい
ては高温状態においても高い摩擦係数を有するものを選
定することができる。このため、通常時(低温域)にお
いてはブレーキドラムの耐久性向上及び摺動ノイズの発
生を抑制することができると共に、ブレーキ操作力の増
大時(高温域)においては確実な制動力を確保すること
ができる。
【0075】また、請求項2記載の発明によれば、第1
の摩擦材がブレーキドラムに当接する当接面と、第2の
摩擦材がブレーキドラムに当接する当接面とが分離され
共有されない構成となるため、第2の摩擦材によりブレ
ーキドラム内周面が摩耗したとしても、第1の摩擦材に
よる通常制動がこれにより影響受けることを防止するこ
とができる。
の摩擦材がブレーキドラムに当接する当接面と、第2の
摩擦材がブレーキドラムに当接する当接面とが分離され
共有されない構成となるため、第2の摩擦材によりブレ
ーキドラム内周面が摩耗したとしても、第1の摩擦材に
よる通常制動がこれにより影響受けることを防止するこ
とができる。
【図1】本発明の第1実施例であるドラムブレーキ装置
の全体構成図である。
の全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施例であるドラムブレーキ装置
のホイールシリンダ近傍を拡大して示す図である(緊急
用シリンダ非駆動時)。
のホイールシリンダ近傍を拡大して示す図である(緊急
用シリンダ非駆動時)。
【図3】本発明の第1実施例であるドラムブレーキ装置
のホイールシリンダ近傍を拡大して示す図である(緊急
用シリンダ駆動時)。
のホイールシリンダ近傍を拡大して示す図である(緊急
用シリンダ駆動時)。
【図4】通常用ブレーキライニングの摩擦係数特性と、
緊急用ブレーキライニングの摩擦係数特性とを比較して
示す図である。
緊急用ブレーキライニングの摩擦係数特性とを比較して
示す図である。
【図5】本発明の第2実施例であるドラムブレーキ装置
の全体構成図である。
の全体構成図である。
【図6】図6におけるA−A矢視図である。
【図7】本発明の第2実施例であるドラムブレーキ装置
のホイールシリンダ近傍を拡大して示す図である。
のホイールシリンダ近傍を拡大して示す図である。
1,1A ドラムブレーキ装置 2 バッキングプレート 3,3A,4,4A 通常用ブレーキシュー 5,5A,6,6A 緊急用ブレーキシュー 7,7A,8,8A 通常用ブレーキライニング 9,9A,10,10A 緊急用ブレーキライニング 11,12 ホイールシリンダー 13,13A,13B リターンスプリング 14 ブレーキドラム 19,19A,20 緊急用駆動ロッド 21,21A,22 通常用駆動ロッド 23 シリンダーハウジング 24 スプール 25 通常用ピストン 26 緊急用ピストン 27 コイルスプリング 28 通常用シリンダー 29 緊急用シリンダー 32 油圧導入孔 34 リターンバネ 40 通常用ホイールシリンダ 41 緊急用ホイールシリンダ 43 連結部材 44 連結孔 45,46 連結ポート
Claims (2)
- 【請求項1】 ブレーキ操作力により、車体に取り付け
られると共に摩擦材が配設されたブレーキシューを車輪
と一体的に回転するブレーキドラムに圧接することによ
り制動力を得る構成とされたドラムブレーキ装置におい
て、 前記摩擦材を、所定の温度領域において最大摩擦係数を
有する第1の摩擦材と、前記所定の温度領域より高い温
度領域にて前記第1の摩擦材の有する摩擦係数より高い
摩擦係数を有する第2の摩擦材とにより構成し、 かつ、前記第1の摩擦材を前記ブレーキドラムに圧接す
る第1の押圧手段と、前記ブレーキ操作力が所定値以上
となった場合に前記第2の摩擦材を前記ブレーキドラム
に圧接する第2の押圧手段とを設けたことを特徴とする
ドラムブレーキ装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のドラムブレーキ装置にお
いて、 前記第1及び第2の摩擦材を、前記ブレーキドラム内周
面の円周方向に対し並行配置したことを特徴とするドラ
ムブレーキ装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23091396A JPH1078058A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ドラムブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23091396A JPH1078058A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ドラムブレーキ装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1078058A true JPH1078058A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16915255
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23091396A Pending JPH1078058A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ドラムブレーキ装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1078058A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20030045366A (ko) * | 2001-12-03 | 2003-06-11 | 안종철 | 차량용 드럼브레이크 |
| JP2005319913A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Toyota Motor Corp | ディスクブレーキ装置 |
| JP2005319905A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Toyota Motor Corp | ディスクブレーキ装置 |
| JP2006200711A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-03 | Toyota Motor Corp | ドラムブレーキ装置 |
| KR20230123109A (ko) * | 2022-02-16 | 2023-08-23 | 주식회사 티와이엠 | 트랙터의 트랜스미션용 드래그 제동장치 |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP23091396A patent/JPH1078058A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20030045366A (ko) * | 2001-12-03 | 2003-06-11 | 안종철 | 차량용 드럼브레이크 |
| JP2005319913A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Toyota Motor Corp | ディスクブレーキ装置 |
| JP2005319905A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Toyota Motor Corp | ディスクブレーキ装置 |
| JP2006200711A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-03 | Toyota Motor Corp | ドラムブレーキ装置 |
| KR20230123109A (ko) * | 2022-02-16 | 2023-08-23 | 주식회사 티와이엠 | 트랙터의 트랜스미션용 드래그 제동장치 |
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