JPH1079031A - 電子署名データの認証方法および装置 - Google Patents

電子署名データの認証方法および装置

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JPH1079031A
JPH1079031A JP8252247A JP25224796A JPH1079031A JP H1079031 A JPH1079031 A JP H1079031A JP 8252247 A JP8252247 A JP 8252247A JP 25224796 A JP25224796 A JP 25224796A JP H1079031 A JPH1079031 A JP H1079031A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の承認者が電子署名で承認を行う場合
に、署名データが各承認過程で盗まれ、悪用されること
を防止するシステムの開発。 【解決手段】 入力された電子署名データを順次合成し
た電子署名データを用いて認証処理を行う。合成電子署
名データは、あらかじめ登録されている署名人の電子署
名データを合成電子署名データを合成したのと同じ方法
で合成して作成した参照用合成電子署名データと照合さ
せて各署名の認証を一括して行う。電子署名の方式とし
ては書き出し点からの相対座標と筆圧の時系列データか
らなる動的電子署名が特に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の署名人の端
末機器からの動的電子署名によって承認するコンピュー
タネットワークシステムにおける電子署名の有効性を判
定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、コンピュータネットワークでもっ
とも注目を浴びているのがインターネットである。イン
ターネットは、1969年のアメリカ国防総省高等研究計画
局が運用を開始したアルパネット(ARPAnet)から始ま
っている。最初は単純なコンピュータとコンピュータを
つなぐネットワークであったが、70年にはデータを複数
のパケットにして送るパケット交換網で四つの大学を結
ぶネットワークが始動した。ここで使用された通信規約
すなわちプロトコルがTCP/IP(Transmission Control P
rotocol/Internet Protocol)とよばれるものである。
【0003】とくにIPはTCP/IPの中核をなすプロトコル
であり、OSI基本参照モデルの第3層(ネットワーク
層)に相当し、データを指定された宛先(アドレス)ま
で運ぶサービスを行うものである。初め軍事目的で開設
されたアルパネットは軍事部分が分離され、インターネ
ットとして一般に公開されるようになった。とくに91年
に商用インターネット協会が設立され、アメリカ政府の
管轄外で資金提供される部分での商用利用を制限しない
という合意が成立されてからは、ビジネス利用面で飛躍
的に発展をしてきた。
【0004】一般に端末からホストコンピュータに接続
するためには、少なくともプロトコル、電話番号、ユー
ザーID、パスワードの4項目を知っていなければなら
ない。とくにユーザーIDとパスワードはユーザー個人
に与えられた識別子であり、許された個人しか使用する
ことができない。ところが、個人の機密であるユーザー
IDとパスワードを解読し、不正にホストコンピュータ
に接続される危険性がある。
【0005】そこで最近では、とくに重要なデータを通
信上で盗用されたり、コンピュータ資源を悪用されない
ように、ユーザーIDやパスワードといった従来のセキ
ュリティチェックのほかに、バイオメトリックを用いた
セキュリティチェックを行い、本人の確認を行うように
なってきている。バイオメトリックとは人体的特徴のこ
とであり、指紋、目の虹彩、声紋、筆跡などがある。
【0006】そのなかでも筆跡による本人確認の方法
は、パターン認識の技術の進歩とともに、コンピュータ
ネットワークシステムでも利用されるようになってきて
いる。文字を読み取るツールとしてはイメージスキャナ
やイメージOCRなどがあるが、筆跡用には一般にスタ
イラスペンが用いられる。
【0007】図1はスタイラスペンを用いたオンライン
手書き文字認識装置の外観図である。スタイラスペン1
でタブレット2上に文字を書くと、その信号が図示され
ていない認識部に渡され、文字認識が行われる。タブレ
ットとスタイラスペンは使いやすさを左右する重要部分
であるため、最近ではタブレットを液晶画面にしたり、
スタイラスペンから出ている信号ケーブルをなくして無
線式にしたものが使用されている。認識部は、具体的に
はパソコンが使用され、ソフトウェアによって文字認識
が行われる。認識部での処理は前処理・正規化、特徴抽
出、識別判定の処理からなっている。
【0008】手書き文字は同一人でも必ずしも一定して
いない。書く方向、大きさ、ハードウェア上の雑音等の
障害が常にある。そこでこれらの雑音を除去したり、標
準の文字パターンと比較するための正規化を行っている
のが認識部の前処理・正規化である。具体的に前処理で
は、余分な点列の除去(相対移動量に基づくサンプリン
グ)、手ぶれやタブレットの分解能に依存するランダム
雑音の除去(荷重移動による平滑化)、タブレットの誤
作動に起因する独立データの除去などを行う。
【0009】前処理が終わったあと、図2に示すように
入力文字の大きさと位置の正規化を施す。以上の処理の
のちに特徴を抽出し、識別判定を行う。認識方式として
は、基本ストロークの系列をオートマトンで処理するも
のと、ストローク間のパターンマッチングを全体的に行
うものとがある。
【0010】オンライン手書き文字認識は上記の2方式
に大別されるが、筆記者に対する制約面では以下のよう
にランク分けされる。 (1)筆順・画数ともに所定のもののみを受け入れる。 (2)筆順もしくは画数に一方の自由度をもたせる。 (3)筆順・画数に対する制約をなくす。 (4)楷書体に限らず、崩し字や続け字も認識する。 以上のようにいくつかの認識のパターンはあるが、署名
をパスワードとして使用する場合には、自由度は小さい
ほどよい。自由度が小さいほど、厳密なセキュリティチ
ェックが行えるからである。
【0011】基本ストローク方式は、入力文字の各スト
ロークを、あらかじめ定めた複数の基本ストロークの一
つで近似し、基本ストロークの系列を特徴として認識を
行うものである。図3の(a)のようにタブレットから
得られた座標点列を適当な間隔でサンプリングし、隣合
うサンプル点を直線で結んで、これを図3の(b)の8
ないし16方向にコード化する。こうして得られた特徴
抽出オートマトンに入力し、受理されたオートマトンの
ストロークコードを出力する。そしてこれを入力とする
別の識別オートマトンによって答文字を決定する。基本
ストローク方式は簡単ではあるが、略字や続け字に対処
することが難しい。
【0012】一方、パターンマッチング方式は、ストロ
ークの位置座標そのものを特徴として用いる。個々のス
トロークならびに複数ストロークのつながりを座標値を
成分とするベクトルで表現し、パターンマッチングで認
識を行う。多くのものは、図4で示すように一つのスト
ロークを3〜6個の特徴点(代表点)で近似する。
【0013】座標のほかに各ストロークの書き始め点と
書き終わり点における運動の方向角度(接線ベクトル)
を特徴に併用するものや、ペンの移動方向のみを用いた
ものがある。たとえば図5の例は、辞書のストローク列
A、B、C、Dともっともよく対応のとれた入力文字の
ストローク列2、1、3、4を発見し、これらの距離総
和が画数を変数とする、ある閾値以内であれば答とす
る。すなわち、照合では筆順は自由である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】今日、情報システムの
コンピュータネットワーク化が急速に拡大し、規模は拡
大しており、またその利用者数も増大している。ネット
ワーク化が発展していくと、ますますネットワーク上の
情報は危険にさらされることになす。そこで、セキュリ
ティ管理の重要性がこれまで以上にクローズアップされ
るようになってきている。
【0015】本来、管理者や特定のユーザーだけに許さ
れているアクセス権限が、それ以外の人物によって犯さ
れるという事件が発生している。従来技術で見てきたよ
うに、この主な原因は本人認証をパスワードで行ってい
ることにある。パスワードでの本人認証では他人から見
破られる可能性が高く、実際に事故はそれによって起こ
っている。
【0016】これを解決するために、最近はバイオメト
リックを用いた本人認証の方法が用いられるようになっ
てきている。これによって、よりいっそう本人認証の精
度が高くなっている。しかし、この方法もネットワーク
化の状況下のもとでは絶対といい難い状況になりつつあ
る。それは、以下のような理由による。
【0017】バイオメトリックを使う場合、あらかじめ
本人の特徴である人体的特徴(ただしここでは筆跡に限
定)をあらかじめ登録しておき、この登録されたデータ
とパスワードとして入力された被照合データとを比較
し、被照合データが本人に由来しているかを判定する。
ところが、ネットワーク化により被照合データが盗用さ
れる恐れが増大している。
【0018】とくにインターネットでは、通信情報は多
くの中継点を通過するから、その危険性はより増大して
いる。従来技術でも述べてきたようにインターネットの
初期の目的は、軍事用であり、どこかの回線や中継局が
破壊されても、別のルートを通して通信が可能にするこ
とが義務づけられていた。たとえば図6の(a)のよう
に、A点とB点を1対1の接続では、途中の回線が切れ
てしまうと、通信が不可能となる。
【0019】それに対してインターネットの場合、図6
の(b)のように複数の中継局と回線を使用する場合に
は、どのパスを通してもA点とB点が通信できる。仮に
(1)のパスで通常は通信を行っている場合、何らかの原
因で中継点C1とB点間で障害が生じて通信ができなく
なったとする。その場合、この(1)の経路しか通信がで
きないとすれば、従来のケースではこの間の復旧を待た
ない限り通信ができないが、インターネットの場合には
中継点C1から中継点C2に通信経路を変えて通信するこ
とができる。
【0020】すなわち、(2)の経路が新たな代替経路と
して可能となる。もちろん、回線が混んでいる場合に
は、さらに別の経路を選んで通信することも可能であ
る。それは、常に最適な回路が選択される。それが、イ
ンターネットの特徴であり、利点である。だがその一
方、多くの中継点を情報が通過するということは、情報
がその途中で盗まれる恐れが増大するというデメリット
もある。
【0021】大規模なコンピュータネットワークとして
は上記のインターネットがあるが、小規模なものとして
はLAN、さらにLANとLANを接続したWANなど
が今やどの企業にも設置されている。このような状況
下、このような電子通信システムが承認過程においても
利用されるようになっている。たとえば昔なら交通費や
出張費の請求は指定の用紙に掛かった費用を手書きし、
事務に渡し、その承認を係長、課長、部長の承認を得て
初めて経費が支払われるという過程がとられていた。し
かし最近は、この承認過程を電子メールで行う企業も増
えている。このような複数人の承認を得るという過程
は、とくに稟議制が確立している日本では多く、多方面
に渡って電子承認の方法が利用されるようになってきて
いる。
【0022】少額の交通費程度の承認ならともかく、企
業の今後の経営方針を決定する重要な案件の承認などに
なると、承認が本人によって行われたかを厳密にチェッ
クする必要性が要求されるようになってきている。そこ
でこのチェックをバイオメトリックによる本人認証方法
をとられるようになってきている。
【0023】しかし、このようにバイオメトリックによ
る本人認証の方法がより確実だといっても、バイオメト
リックデータが盗難に遭い、それがのちに悪用されると
いう危険性がすべてクリアされたわけではない。とくに
複数人の承認を電子メールで行う場合には、各承認過程
で個人の署名データが盗まれる危険性があり、そのデー
タがのちに悪用される危険性がよりいっそう高くなって
いる。そこで本発明の課題は、複数の承認者が電子署名
で承認を行う場合に、署名データが各承認過程で盗ま
れ、悪用されることを防止する方法を新たに開発するこ
とである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、電子署名を用いて認証処理を行うコンピ
ュータネットワークシステムにおいて、複数の署名が必
要な場合、入力された電子署名データを順次合成した電
子署名データを用いて認証処理を行う方法および装置で
ある。電子署名の方式としては書き出し点からの相対座
標と筆圧の時系列データからなる動的電子署名が特に有
効である。
【0025】合成電子署名データは、あらかじめ登録さ
れている署名人の電子署名データを合成電子署名データ
を合成したのと同じ方法で合成して作成した参照用合成
電子署名データと照合させて各署名の認証を一括して行
う。
【0026】従来の方式では、個人認証のための電子署
名データは個々の電子署名データを個々にチェックし、
すべての電子署名データが登録済みの電子署名データと
同じかを判定して個人認証を決定していた。これに対し
て本発明では、送信されてくる電子署名データは合成さ
れた一つの電子署名データになっている。
【0027】すなわち、端末からの電子署名データは各
個人が署名したデータそのものではなく、各過程で合成
され、だれの電子署名データかはわからない状態になっ
ている。そこでホストコンピュータでの照合処理では、
データベースに登録されている個人の電子署名データを
合成し、送信されてきた合成電子署名データ(被照合合
成署名データ)とマッチングして、送信されてきた署名
データがすべて本人の署名であるか否かを判定し、承認
の有効性を決定する。
【0028】一方、端末側では、各端末間で送信されて
きた書類の承認を行うために電子署名を行うのだが、次
の端末に書類を送るときに、電子署名データそのものを
送信するのではなく、前の端末で承認されたことを示す
合成電子署名データを次々に合成し、個々の電子署名デ
ータがわからない状態にして送信する。すなわち、次の
端末で電子署名データを受け取った人は、その電子署名
データが生の電子署名データ(個々の署名データ)でな
いために、それを盗んで保管し、別の機会に悪用しよう
としてもできない状態になっている。
【0029】本発明の承認過程は複数の人を対象にして
いる。このため、端末から端末へ個人の署名データがそ
のままの形で受け渡されると、承認を行うべき人でない
第三者がたまたま端末で署名データを受け取り、それを
保管してのちにそれを悪用する危険性がある。そこでこ
の危険性を回避するために、電子署名データの合成とい
うものを行っている。もちろん第三者でなく、承認者本
人の場合でも悪用しようとすればできるが、その危険性
の回避にも当然なり得る。
【0030】複数人の承認過程は、 端末1→端末2→端末3→………→端末n→ホストコン
ピュータ という流れになる。通常、端末2以降は合成署名データ
であるから生の署名データではないが、端末1の電子署
名データは生のまま端末2に送られることになり、端末
2で盗難になる恐れがある。
【0031】そこで、最初の発起人(発案者)の電子署
名データにはダミーの電子署名データを追加しておき、
端末1から端末2に送る場合には、ダミーの署名データ
が合成された形になっている。このようにすれば、どの
時点の電子署名データも生の電子署名データはなく、個
々の電子署名データが盗難に遭う恐れはない。当然、ホ
ストで個人の電子署名データを合成するときには、この
ダミーデータも含んだ形式で合成し、被照合合成電子署
名データとマッチングを行う。
【0032】
【発明の実施の形態】スタイラスペンからの情報とし
て、書き出しのスタート点からの相対座標(x,y)と
筆圧pが取り出され、具体的には、単位時間ごとの表1
のような情報である。このような時系列の電子署名デー
タを動的電子署名データと呼ぶ。
【0033】
【表1】
【0034】動的電子署名データの2次元の位置座標を
(x,y)とし、筆圧をpとすると、サンプリングされ
た時系列の署名データは、 (x(t),y(t),p(t)) で表される。ここでサンプリングデータは離散的時間t
でデジタル化された値であるから、時間tは、 t=1,2,3,………,n である。ただし、単位はシステムによって異なる。
【0035】いま署名人aの時系列電子署名データを (x(t),y(t),p(t))(a) 署名人bの時系列電子署名データを (x(t),y(t),p(t))(b) で表す。
【0036】このaとbの電子署名データを合成してで
きる時系列電子署名データを (x(t),y(t),p(t))(a,b) とする。このとき、合成方法によっては合成された時系
列署名データが合成順序により異なる。すなわち、 (x(t),y(t),p(t))(a,b) と (x(t),y(t),p(t))(b,a) は異なる。
【0037】本発明では送信されてくる電子署名データ
がどの順番で来たかを判断する材料として、ユーザーI
Dとかパスワード(電子署名データとは別もの)などで
個人を判定できるようにする。図7はユーザーIDを個
人識別にして一例である。図の例では、書類が承認され
てきた順番 U(a,b,c,……,n) に従って、ホストコンピュータは登録済み電子署名デー
タを合成する。なお実施例では、承認パスという項目を
電子ドキュメントデータに含めてある。この点に関して
はあとで触れるが、いずれの方法を採るにしろ、承認者
の順番がわかるようにしておかなければならない。
【0038】本発明の電子署名データ照合システムにお
いては、あらかじめ各人の電子署名データがホストコン
ピュータのデータベースに登録されている。このデータ
ベースを電子署名データベースという。図7の例では、
端末Aから端末Bに承認データが送られる際に、発起人
(または単に最初の承認者)であるユーザーaの電子署
名データは生のまま送られている。したがって、ユーザ
ーaの電子署名データが端末Bで盗まれる恐れがある。
そこで、端末Aではユーザーaの電子署名データ (x,y,p)(a) とダミーの電子署名データ (x,y,p)(dm) とを合成してから送信する。
【0039】すなわち、この場合には端末Aから送られ
る電子署名データは (x,y,p)(dm,a) となる。発案者の場合には通常、署名は必要ないから (x,y,p)(dm) でもよい。当然、ホストコンピュータの電子署名データ
ベースにもダミーの電子署名データも登録されている。
【0040】複数人による電子署名データ照合システム
では、承認されてきた順番 U(a,b,c,……,n) に従って登録電子署名データ (X,Y,P)(M) が合成され、送られてきた合成電子署名データ (x,y,p)(a,b,c,……,n) と比較される。
【0041】ダミーの電子署名データも含んだ場合、ホ
ストコンピュータで合成される合成電子署名データは (X,Y,P)(dm,a,b,……,n) となり、送信されてきた合成電子署名データ (x,y,p)(dm,a,b,……,n) と比較される。
【0042】比較はすでに確立されているパターンマッ
チング手法で行え、マッチングの結果、類似していると
判断された場合には、その合成電子署名データは真(正
当な署名)とみなす。それ以外は偽(不当な署名)とみ
なし、その旨をメッセージにして各端末に送り、再度、
承認を要求する。
【0043】以上のように、本発明の複数人による電子
承認過程は個々の電子署名データを合成、すなわち電子
署名データを多重化することによって、個々の電子署名
データが盗まれ、悪用されることができないようになっ
ている。しかも合成電子署名データであるから、この合
成電子署名データを途中の端末等で盗み、のちに悪用し
ようとしても、構成要素である電子署名データの時系列
(この場合は承認の順序)によって結果が異なるため
に、再利用が難しく、システムの安全性がよりいっそう
増していることになる。
【0044】
【実施例】本発明の実施例を、電子ドキュメント化され
た契約書類や社内書類を用いて説明する。まず本発明の
アイデアを具現化した応用プログラムは、応用プログラ
ムデータを用いて承認過程の一連の処理をする。この承
認過程の応用プログラムデータは、承認者のリストデー
タ、合成承認電子署名データ、電子ドキュメントデー
タ、それに承認状態データを含んでいる。以上の内容
は、図8にまとめてある。この点をさらに詳しく説明す
る。なお以下でいう“署名データ”は電子署名データ、
すなわち電子ペン(スタイラスペンなど)によって署名
された署名データである。
【0045】合成承認電子署名データは複数の電子署名
データを合成したものである。電子署名データの合成
は、承認が行われる順番で合成される。したがって、次
の承認者が受け取る署名データは前承認者の生の署名デ
ータではなく、合成された形式で受け取ることになり、
各個人電子署名データをその生の状態では見られない。
逆にいえば、電子署名データを盗んで保管し、別の機会
に悪用しようとしてもできない状態になっている。
【0046】電子署名データの合成の仕方は色々ある。
たとえば、表1の電子署名データは f(xt,yt,pt) ここでt=1,2,……,n のベクトルと考えることができる。時間tの各成分を横
に列べてK(=3×n)次元のベクトルVとすることが
できる。いま承認者a、bのベクトルをVa、Vbとする
と、合成電子署名データVは V=Va+Vb で作ることができる。
【0047】しかし上記の方法は、常にスタート点から
の対応する各成分を単純に合成しているために、承認者
の数が増えるとベクトルがフラット(凹凸のない平滑な
値)になる恐れがある。フラットになると合成電子署名
データに特徴がなくなるために、照合の対象とするには
不適当である。
【0048】そこで一般にこのような合成には、DPマ
ッチング合成法が用いられる。いま承認者a、bの電子
署名データのサンプリングスペクトルが図9のようにな
っているとする。DPマッチング合成法では、スペクト
ル成分の絶対値がもっとも大きな点、すなわち図のA点
とB点を重ねの基準にして合成を行う。この方法では署
名のスタート点Sa,Sbはずれることになるから、合成
された電子署名データの成分は増える。
【0049】しかし、合成電子署名データがフラットに
なることがないため、合成電子署名データの特徴は失わ
れない。もっとも、承認者が2、3名程度の少数の場合
には、単純にスタート点Sa、Sbから重ねてもさほど問
題はない。この点に関しては、使用するシステムによっ
てどのような方法を採るかは任意に選択できる。別の言
い方をするなら、それぞれ本発明を応用するシステムの
ニーズに合わせて合成法を選べばよい。
【0050】電子ドキュメントデータは通常、ワードプ
ロセッサ(ワープロ)やDTPなどのツールを用いて、
初期化処理において準備される。この中にはテキストデ
ータ(文書データ)や図形データが含まれる。承認状態
データには、承認パス、承認終了コード、承認時刻(日
時)などが含まれる。承認パスは承認した人の承認順序
であり、合成署名データはこの順番で合成されている。
この順番は、承認者リストの順番と必ずしも一致しなく
てもよいが、通常、承認者リストの順番が承認の順番と
なる。次に電子ドキュメントデータの承認過程を説明す
る。
【0051】複数人の承認を必要とする電子ドキュメン
トが起案されると、起案者は初期化プログラムにより、
電子ドキュメントデータを用意する。起案者はワープロ
やDTPなどで電子ドキュメントを作成したあと、承認
者のリストを作るとともに、承認者が正当なメンバーで
あるかどうかをホストコンピュータの署名データベース
にアクセスして確かめる(メンバーチェック)。これに
よって、承認状態データが初期化される。
【0052】当然この状態では、合成承認電子署名デー
タも初期化されている。合成承認電子署名データは、セ
キュリティを向上させるために、初期状態で乱数系列か
らなる数値列を用いてもよい。すなわち、乱数でダミー
署名を挿入しておくわけである。もちろんこの場合、照
合するときには初期化で用いた数値列も考慮しておかな
ければならない。したがって、どの数値列を用いたか
を、ホスト側にメンバーチェックの際に伝えておく必要
がある。
【0053】初期化処理が終了すると、第1番目の承認
者のもとへ応用プログラムデータが送信される。応用プ
ログラムデータが第1番目の承認者の端末(通常、パソ
コン)へ送信されたあと、第1番目の承認者がコンピュ
ータにアクセスすると、そのデータが送信されているこ
とがわかる。承認者は応用プログラムを用いてその電子
ドキュメントデータ、承認者リストデータ、および承認
状態データを見ることができる。これにより、その電子
ドキュメントデータに対して第1番目の承認者に承認要
求が発生していることがわかる。第1番目の承認者は内
容を吟味検討して、コンピュータを使って承認処理を行
う。当然このとき、端末には電子署名を行うための周辺
装置(タブレット、電子ペン等)が接続されていなけれ
ばならない。
【0054】タブレットから入力された電子署名データ
は、承認処理プログラム中の規格化処理により処理され
る。規格化処理では、電子署名データの形状や大きさの
規格化、形状の長軸方向補正、サンプリング数の規格
化、それに(x,y,p)の各成分の高次のフーリエ成分の除
去などを行う。規格化処理によって得られた電子署名デ
ータは応用プログラムデータの中の合成署名データと加
算され、その結果が新たな合成署名データとなる。さら
に承認処理プログラムは、第1番目の承認者が承認した
ことを示すサインを承認状態データに付け、応用プログ
ラムデータを第2番目の承認者に送信し、承認処理を終
了する。
【0055】第2番目以降の承認処理も第1番目と同様
な承認処理が行われ、すべての承認者の承認が完了する
と、応用プログラムデータは照合処理によって処理され
る。この段階での合成署名データは、すべての承認者の
電子署名データが合成された形になっている。照合処理
は、ホストコンピュータに登録されている照合処理プロ
グラムが司る。
【0056】承認処理では、まず承認者の電子署名デー
タが登録されている電子署名データベースから電子署名
データを読み取り、承認者リストの承認者全員の電子署
名データを合成して合成登録電子署名データを作成す
る。もちろんこのとき、合成手法が署名の順番に影響を
受けるものである場合には、承認順序も考慮した形で合
成を行う。
【0057】次に、送信されてきた合成電子署名データ
と合成登録電子署名データをパターンマッチングの手法
を用いて照合し、ある一定範囲の誤差内で一致している
かを判定し、承認の合否(有効性)を決定する。承認過
程で承認者以外の承認署名がある場合には、マッチング
の結果は照合不一致(類似性なし)と判断されるだろ
う。当然のことながら、承認過程において承認者が書類
に対して不許可(不承認)の場合には、電子メールなり
電話で承認対象者からその旨が発案者に伝えられること
になるだろうから、その場合には照合処理まで行かない
こともある。
【0058】以上の処理を図解したものが図10であ
る。図では3人の承認者がいる場合を例にしているが、
何人いても処理の流れはかわらない。発案者によって作
成(初期化)された応用プログラムデータは各承認者に
送信され、承認されるごとに署名が行われ、その署名デ
ータが合成電子署名データに加算されながら承認者の間
を移動する。照合処理はホストコンピュータでの処理で
あり、照合処理で使われる署名データベース(DB)は
ホストコンピュータに接続されている。ホストコンピュ
ータは必ずしも大型のコンピュータである必要はなく、
LANのような場合にはパソコンサーバーであってもよ
い。要は、セキュリティ管理がしっかりした場所に設置
された中央のコンピュータであることが重要になる。
【0059】
【発明の効果】企業内の同一敷地内での通信手段として
はLANがある。さらにLANとLANとを結んでネッ
トワーク化されたものがWANである。さらに、世界的
な広がりをもってネットワークを可能にしているのがイ
ンターネットである。コンピュータネットワークは、コ
ンピュータを計算の分野のみに留まらず、通信の分野に
まで広がりをもたせ、通信分野の通信手段をも変えてき
た。
【0060】かつての承認過程では、必ず承認者のとこ
ろに原書類(起案されたままの書類)が行き、その書類
に目を通してから同一書類に複数の人が承認のための署
名をした。このため、1通の書類がすべての承認者から
承認されるまでには、1月、2月と掛かることすらあっ
た。
【0061】ところがコンピュータネットワークの発達
により、より迅速な処理が要求されるようになり、電子
署名による承認を取り入れる企業が増えてきている。コ
ンピュータネットワークによる承認は、以前のように源
書類を人手によって回しながら承認していく場合と違っ
て、危険性もある。その一つに電子署名データが盗ま
れ、のちに悪用される危険性が挙げられる。複数の人に
よる電子承認は、多数の端末を経由するために、署名デ
ータの盗難の危険性も高い。とくに企業間での商業契約
やテレビ会議の合意などに伴う電子署名では、その危険
性はいっそう高いことになる。このような危険性に対し
て、従来の方式ではこの危険性を回避することはできな
かった。
【0062】その点、本発明は、電子署名データの合成
という方法を採っているために、個々の電子署名データ
を独立して盗み出すことができない、というメリットを
もっている。しかも本発明では、電子署名データの合成
を時系列で行っているために、合成署名データから個々
の署名データを分解して取り出すことが難しく、より安
全なシステムとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術におけるスタイラスペンを用いたオン
ライン手書き文字認識装置の説明図である。
【図2】従来技術における文字の正規化の説明図であ
る。
【図3】従来技術の基本ストローク方式による文字認識
の説明図である。
【図4】従来技術のパターンマッチング方式による文字
認識(ストロークの代表点近似)の説明図である。
【図5】従来技術のパターンマッチング方式による文字
認識(特徴点パターンマッチング)の説明図である。
【図6】従来の通信網の説明図である。
【図7】本発明における、電子承認の過程と合成署名デ
ータの流れを示す図である。
【図8】本発明の実施例における応用プログラムデータ
の構成の説明図である。
【図9】本発明の実施例における電子署名データの合成
法の説明図である。
【図10】本発明の実施例における署名データの流れと
照合処理の説明図である。
【符号の説明】
1 スタイラスペン 2 タブレット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子署名を用いて認証処理を行うコンピ
    ュータネットワークシステムにおいて、複数の署名が必
    要な情報に対して、入力された電子署名データを順次合
    成した電子署名データを用いて認証処理を行うことを特
    徴とする電子署名データの認証方法。
  2. 【請求項2】 電子署名を用いて認証処理を行うコンピ
    ュータネットワークシステムにおいて、複数の署名が必
    要な情報に対して、入力された電子署名データを順次合
    成した電子署名データにたいして、あらかじめ登録され
    ている署名人の電子署名データを合成電子署名データを
    合成したのと同じ方法で合成して作成した参照用合成電
    子署名データと照合させて各署名の認証を一括して行う
    認証処理を行うことを特徴とする電子署名データの認証
    方法。
  3. 【請求項3】 前記電子署名が書き出し点からの相対座
    標と筆圧の時系列データからなる動的電子署名であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の電子署名データ
    の認証方法。
  4. 【請求項4】 電子署名を用いて認証処理を行うコンピ
    ュータネットワークシステムにおいて、複数の署名が必
    要な情報に対して、入力された電子署名データを順次合
    成した電子署名データにたいして、あらかじめ登録され
    ている署名人の電子署名データを合成電子署名データを
    合成したのと同じ方法で合成して作成した参照用合成電
    子署名データと照合させて各署名の認証を一括して行う
    認証処理手段を備えたことを特徴とする電子署名データ
    の認証システム。
  5. 【請求項5】 コンピュータに、複数の署名が必要な情
    報に対して、入力された電子署名データを順次合成した
    電子署名データにたいして、あらかじめ登録されている
    署名人の電子署名データを合成電子署名データを合成し
    たのと同じ方法で合成して作成した参照用合成電子署名
    データと照合させて各署名の認証を一括して行う認証処
    理手順を実行するプログラムを記録した媒体。
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