JPH1080264A - オゾン殺菌方法及びオゾン殺菌装置 - Google Patents

オゾン殺菌方法及びオゾン殺菌装置

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JPH1080264A
JPH1080264A JP8238089A JP23808996A JPH1080264A JP H1080264 A JPH1080264 A JP H1080264A JP 8238089 A JP8238089 A JP 8238089A JP 23808996 A JP23808996 A JP 23808996A JP H1080264 A JPH1080264 A JP H1080264A
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JP
Japan
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ozone
sterilized
sterilization
chamber
water
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JP8238089A
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Ryoji Muraki
良爾 村木
Kazuya Nagata
員也 永田
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OONITTO KK
Okayama Prefectural Government
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OONITTO KK
Okayama Prefectural Government
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Publication date
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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないオゾンで効率よく殺菌効果を発揮す
る。 【解決手段】 オゾン雰囲気下において被殺菌物6の表
面に結露を生じさせ、この結露水に吸収、溶解したオゾ
ンの酸化反応によって被殺菌物6の表面を殺菌するオゾ
ン殺菌方法で、被殺菌物6により表面に生じる結露水に
界面活性剤を添加してもよく、オゾン殺菌装置は、オゾ
ン発生部1と湿度調整部2とを備えた冷却可能な内殻室
3に加温可能な外殻室4を覆設して二重構造の殺菌室5
を構成し、この殺菌室5に被殺菌物6を内殻室3へ入れ
るための搬入手段を設けた構成や、被殺菌物の冷却室
と、オゾン発生部と湿度調整部とを備えた殺菌室とを、
被殺菌物の搬送手段で連結した装置構成でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オゾンを利用した
被殺菌物の殺菌方法及びその装置に関する。
【0002】空気中のオゾンは徐々に分解し、その過程
で生成する発生期の酸素が強力な酸化力を持ち、水中
(淡水中)のオゾンは酸性液下で幾分安定するがpHや温度
の上昇に伴って急速に分解し、その過程で生成するHOラ
ジカル,HO2ラジカル、特にHOラジカルが極めて強い酸化
力を発揮する。こうしたオゾンの強力な酸化力は、古く
から各種殺菌、脱臭のほか、漂白や有害物質の分解等に
利用されてきた。近年では、一般細菌、大腸菌群、カ
ビ、酵母又はウイルス等にも有効であることが分かり、
また分解後は酸素になって何ら有害な残留物を残さない
特徴を有するため、食品の保存を目的とした殺菌又は脱
臭、カビ防止等に、前記酸化力が利用されるようになっ
てきている。
【0003】空気中のオゾンに接触させて殺菌又は脱臭
する食品としては、原材料となる各種穀類(精白米等)、
粉製品(小麦粉等)、麺類、各種果実や野菜(イチゴ、も
やし等)を挙げることができる。これらの食品の殺菌に
利用される空気中のオゾン、特に乾燥空気中のオゾンは
半減期が10時間前後と長く、効率的な殺菌が難しいこと
から、オゾンを活性炭又はオゾン分解触媒に通過させて
分解を促進するような補助手段が併用されるのが通例で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】空気中のオゾンの殺菌
力は、空気の相対湿度RHが45%以下ではほとんど殺菌
効果を示さないが、RHが80%を越えると強い殺菌作用
が働き始め、RHが90%で最高に達することが明らかに
されている。このことから、空気中のオゾンを用いるよ
りも、水中(淡水中)のオゾン、すなわちオゾン水を用い
た方が効率的な殺菌が望めることが想像される。しか
し、有精卵のように、殻を通じた卵細胞の呼吸を妨げる
ような処理、すなわち周囲を液体で満たすことができな
い食品は、オゾン水に浸漬させるような殺菌処理を施す
ことができない。
【0005】空気中のオゾンによる殺菌能力を改善する
ため、上記RHの違いによる殺菌効果を鑑みて、荷電さ
せたオゾン水を空気中に噴霧することで、被殺菌物とオ
ゾンとの接触効率を高めようとする殺菌装置が提案され
ている(オゾン水荷電噴霧方式と呼ばれる)。この方式の
問題点は、オゾンが難溶性であるために、必要なオゾン
濃度のオゾン水を生成するには、溶解量を越える大量の
オゾンが必要になることである。これは、たいへん不経
済であり、毒性のあるオゾンを大量に扱うために危険で
もあり、装置も大型化する問題がある。
【0006】そこで、空気中のオゾンを利用した食品の
殺菌又は脱臭、カビ防止等、特に有精卵の表面を殺菌す
ることを目的として、少ないオゾンで効率よく殺菌効果
を発揮させるためのオゾン殺菌方法及び同装置を開発す
べく、検討することにした。
【0007】
【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、オゾン雰囲気下において被殺菌物の表面に結露を生
じさせ、この結露水に吸収、溶解したオゾンの酸化反応
によって被殺菌物の表面を殺菌するオゾン殺菌方法であ
る。具体的には、オゾン雰囲気下にこのオゾン雰囲気温
度より表面温度を低くした被殺菌物を搬入してこの被殺
菌物の表面に結露を生じさせ、この結露水に吸収、溶解
したオゾンの酸化反応によって被殺菌物の表面を殺菌す
る方法を挙げることができる。この結露を利用した殺菌
方法は、特に有精卵の表面殺菌に有効である。被殺菌物
によっては、この被殺菌物の表面に生じる結露水に界面
活性剤を添加する。界面活性剤は、界面活性剤を含む溶
液を被殺菌物に噴霧又は塗布する方法等によって添加す
るのが好ましい。界面活性剤を使用する際の被殺菌物と
しては、金属製、プラスチック製、セラミックス製の器
具、容器等がある。
【0008】一般に、空気中のオゾンは濃度が低いため
濃度差推進力が小さくなり、難溶性となる。このオゾン
の溶解速度を上げるには(1)濃度勾配、(2)気液界面積、
(3)物質移動係数、をそれぞれ大きくしてやればよい。
本発明では、被殺菌物の表面に無数かつ独立した微小な
水滴又は極めて薄い水膜(界面活性剤使用時)、すなわち
結露水を生じさせ、各水滴又は水膜にオゾンを吸収、溶
解させる。個々の水滴又は水膜について見れば、稀薄な
オゾンに対しても相対的には極めて微量であるから濃度
勾配が大きくなったのと同じであり(前記(1)を充足)、
また非常に微小であることから各水滴又は水膜における
表面積/容積比が大きくなる(前記(2)を充足)ので、オゾ
ンが容易かつ迅速に吸収、溶解して酸化力の強いHOラジ
カルを生成するのである。また、水滴又は水膜からなる
結露水には不純物が少なく、副産物の毒性、変位原性の
虞も少ない。
【0009】結露は、被殺菌物の表面形状とは無関係
に、どんなに複雑に入り組んで奥まった個所であっても
発生するため、HOラジカルによる酸化力も被殺菌物の隅
々にまで行き渡り、表面全域を余すところなく殺菌でき
る。また、結露水を構成する水滴はほぼ一様な大きさで
あり、被殺菌物の表面においては均質な殺菌が可能とな
る。この水滴の大きさは、被殺菌物の表面温度がオゾン
雰囲気の露点温度に達するまでにオゾン雰囲気から奪っ
た熱量と結露水の凝縮潜熱とが、オゾン雰囲気と被殺菌
物との温度差による顕熱流れの熱量に等しいことから計
算できる。傾向としては、オゾン雰囲気の露点温度と被
殺菌物との温度差が大きいほど水滴は大きく、水膜は厚
くなり、オゾン雰囲気のRHが低い又は被殺菌物の比熱
が小さいほど水滴は小さく、水膜は薄くなる。これらか
ら、結露水の大きさや界面活性剤使用時の水膜の厚さ
は、被殺菌物の形状、重量、比熱から予め計算して制御
することが可能となる。
【0010】水滴からなる結露水全体を巨視的に見れ
ば、被殺菌物の表面は水の膜に覆われたようであるが、
実際には、上述のとおり、結露水は非常に微小な水滴が
無数に付着している状態である。このため、各水滴の間
には残された隙間が、特に有精卵に対して卵細胞の呼吸
のための通気経路として役立つのである。逆に、被殺菌
物の表面を完全に水膜で覆いたい場合には、結露水に界
面活性剤を添加すれば各水滴の表面張力が弱くなって連
結し、薄い水膜を形成させることができる。界面活性剤
は、予め被殺菌物の表面に塗布しておいてもよいし、オ
ゾン雰囲気中に噴霧しておき、結露水自体に界面活性剤
が含まれるようにしておいてもよい。
【0011】上記オゾン殺菌方法を実現する装置構成と
しては、オゾン発生部と湿度調整部とを備えた冷却可能
な内殻室に加温可能な外殻室を覆設して二重構造の殺菌
室を構成し、この殺菌室に被殺菌物を内殻室へ入れるた
めの搬入手段を設けたオゾン殺菌装置を挙げることがで
きる。この装置では、内殻室を冷やすことで搬入した被
殺菌物の表面温度を下げ、次いで内殻室の冷却を停止し
た後に外殻室を加温しながら、オゾン発生部からオゾ
ン、湿度調節部から適度な湿気を内殻室へ送り込み、間
接的に内殻室を暖めることで被殺菌物の表面に結露を生
じさせ、殺菌する手順を採る。この手順では、外殻室の
加温により暖められた内殻室の壁面は結露を生じず、空
気中のオゾンを無駄なく被殺菌物の表面の結露水に吸
収、溶解させることができる。
【0012】被殺菌物の表面に結露を生じさせるには、
被殺菌物の表面温度のほか、殺菌室の湿度、露点温度が
関係し、また殺菌室の露点温度、オゾン雰囲気のオゾン
濃度は殺菌能力に関係してくる。これらは、殺菌の程
度、処理時間の長短等の処理条件に合わせて適宜調整を
図るのがよく、これら露点温度又は湿度の調整により、
内殻室の壁面に結露を生じさせず被殺菌物の表面にのみ
結露を生じさせることが可能となる。
【0013】上記オゾン殺菌装置のほか、被殺菌物の冷
却室と、オゾン発生部と湿度調整部とを備えた殺菌室と
を、被殺菌物の搬送手段で連結した装置構成でもよい。
前記冷却室、殺菌室は、記載順に被殺菌物の搬送方向に
並設する。必要により、殺菌室後方には、被殺菌物の水
洗室(特に界面活性剤使用時に、界面活性剤を洗い流す)
や乾燥室を配しておくのがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図を参照し
ながら説明する。図1は、オゾン発生部1と湿度調整部
2とを備えた冷却可能な内殻室3に加温可能な外殻室4
を覆設した二重構造の殺菌室5からなる鶏卵用オゾン殺
菌装置の構成図で、内殻室3を冷却している殺菌手順1
を表している。なお、図1では各部の制御機構、及び被
殺菌物となる鶏卵6の搬入口又は搬出口は省略してい
る。この例の殺菌装置は、主として有精卵からなる鶏卵
6の表面を殺菌するもので、本発明の殺菌方法において
最も効用のある利用方法である。
【0015】オゾン発生部1は内殻室3へオゾンを生
成、供給してオゾン雰囲気を創り出すもので、既存の各
種オゾン発生装置が利用できる。湿度調整部2は内殻室
3の湿度を調整する。冷却部7及び冷風ファン8は内殻
室3に冷風を送り込んで被殺菌物である鶏卵6を冷や
し、加温部9及び温風ファン10は外殻室4と内殻室3と
の空間11に温風を送り込み、間接的に内殻室3における
オゾン雰囲気を加温する。殺菌処理において重要な内殻
室3の露点温度、湿度、そしてオゾン濃度は、それぞれ
温度センサ12、湿度センサ13、濃度センサ14により常時
監視している。オゾン分解部15は、殺菌処理後に残存す
るオゾンを分解し、安全に鶏卵6を取り出せるようにす
る。
【0016】殺菌手順1では、冷風ファン8が冷却部7
から冷風を内殻室3へ送り込み、鶏卵6を冷やしてい
る。鶏卵6は、棚27に載せられて個々には間隔を設けて
いる。この冷却の際、冷風を内殻室3の一方から送り込
み、他方から吸い出して循環させているので、冷風が直
接鶏卵6に衝突して冷やすほか、前記冷風が鶏卵6の熱
を奪い、効率よく鶏卵6を冷却することができる。この
鶏卵6の冷却は、後手順における結露のためで、内殻室
3の露点温度やRHが高いなど条件が整えば、鶏卵6を
特に冷却しなくても表面に結露を生じさせることができ
る。
【0017】図2は、図1の殺菌装置において、内殻室
3の冷却を停止後、加温ファン10が加温部9から温風を
外殻室4と内殻室3との空間11へ送り出して加温し、か
つ内殻室3の湿度を調整しながらオゾンを供給している
状態を表した殺菌手順2の図1相当図である。この例の
殺菌室5は、外殻室4を断熱材、内殻室3にを熱伝導の
優れた材料で構成しており、内殻室3の冷却を停止して
から外殻室4と内殻室3との空間11に温風を送り込む
と、内殻室3、ひいては内殻室3内のオゾン雰囲気が加
温される。更に、内殻室3は湿度が調整され、露点温度
が高くなる結果、熱容量が大きく未だ冷やされた状態に
ある鶏卵6の表面に結露が発生することになる。供給さ
れたオゾンは、この結露水に吸収、溶解して分解し、HO
ラジカルが酸化反応を示して鶏卵の表面を殺菌するので
ある。
【0018】上記殺菌の過程において、重要となる内殻
室3を占めるオゾン雰囲気の露点温度、湿度、そしてオ
ゾン濃度は、それぞれセンサ12,13,14により常時監視さ
れ、被殺菌物、本例における鶏卵6の大きさ、個数、す
なわち質量、表面積、比熱に合わせた殺菌効果が上げら
れるように制御機構(図示せず)により操作され、処理時
間の間一定に保たれる。特に、露点温度、湿度を最適に
設定することにより、内殻室3の壁面内側には結露を生
じさせず、鶏卵6の表面にのみ結露を生じさせることが
可能となり、より少ないオゾンで実効ある殺菌処理が実
現できるようになるのである。
【0019】図3は、内殻室3に供給されたオゾンが結
露水に吸収、溶解する状態を表した鶏卵6の表面16付近
の拡大断面図である。なお、オゾン17、結露水を構成す
る水滴18の大きさは、説明のためにスケールを無視して
描いている。図3に見られるように、鶏卵6の表面16に
形成される結露水はそれぞれが独立した微小な水滴18の
集合体で、各水滴18間には隙間19が残されており、鶏卵
6の卵細胞20は前記隙間19を通じて酸素21の吸入が可能
となっている。また、オゾン17は各水滴18に対して相対
的に高い濃度を誇っており、溶解速度を高めて非常に効
率よく吸収、溶解して分解する。こうして水滴18中で生
成されるHOラジカル22が、強い酸化力を示して殺菌効果
を見せるのである。
【0020】図4は、図2の殺菌手順2を終え、内殻室
3に残留するオゾンをオゾン分解部15により分解して酸
素に還元している状態を表した殺菌手順3の図1相当図
である。殺菌処理中のオゾン雰囲気における露点温度、
湿度、そしてオゾン濃度を最適に調整すれば、理論的に
は供給したオゾン全てが消費されるはずであるが、実際
には結露水に吸収、溶解せず、内殻室3に残留するオゾ
ンがある。オゾンは毒性が強いために、オゾンが残留す
る状態では内殻室3を開放して鶏卵6を取り出すことが
できない。そこで、安全のために、殺菌処理後に内殻室
3とオゾン分解部15とを連通して、残留するオゾンの分
解を図るのである。このオゾンの分解には、空気中でオ
ゾンの分解を促進する活性炭やオゾン分解触媒が利用で
きる。
【0021】本例では、有精卵の表面を殺菌する例を示
したが、この殺菌装置では金属製、プラスチック製、又
はセラミックス製の器具や容器など、結露の発生により
不具合が生じないものを被殺菌物とすることができる。
特に、前記器具、容器の表面には、鶏卵の表面のように
卵細胞の呼吸のために水滴の隙間は必要ないので、例え
ば予め器具、容器を界面活性剤を溶解させた液に浸漬さ
せて、被殺菌物の表面に結露による水膜を形成するよう
にするのがよい。この結露水の水膜における水滴の量
も、相対的には空気中のオゾンに比べて微量なので、オ
ゾンの溶解速度が高く、容易かつ迅速にHOラジカルを生
成することができる。
【0022】本発明によるオゾン殺菌装置の形態として
は、上記例のようにバッチ処理形式のほか、図5に見ら
れるような、連続した搬送手段であるベルトコンベア23
上に冷却室24、オゾン発生部と湿度調整部とを備えた殺
菌室25を並設した準連続方式も可能である。必要によ
り、殺菌室25の後方(図5中右側)には、被殺菌物の表面
に発生した結露水を早期に取り除くための乾燥室26を配
してもよい。この例の殺菌装置では、冷却室24、乾燥室
26は一部開放していても問題はないが、殺菌室25におい
てはオゾンを充満させることから、安全のために殺菌処
理の実施中には殺菌室25を密閉状態(例えば、対面する
搬入口、搬出口(共に図示せず)にそれぞれシャッタを設
ける)にしなければならない。このため、完全なる連続
方式ではなく、準連続方式となるのである。
【0023】
【実施例】本発明のオゾン殺菌方法の有効性を確認する
ため、図1に示した殺菌装置を用い、有精卵の殺菌につ
いて試験した。有精卵は、表面に付着する雑菌が人体へ
害を与えることが懸念される食品である。しかし、消毒
液に浸漬させたり、高濃度の薬品燻蒸による殺菌は、有
精卵を死滅させてしまうし、低濃度の薬品燻蒸では十分
な殺菌が施せない、という殺菌の難しさを有している。
こうした有精卵に対し、本発明のオゾン殺菌方法の有用
性を確認するものが以下の試験である。
【0024】試料としての有精卵は、予め完全に殺菌が
施されたものを、黄色ブドウ球菌を培養した食塩水に浸
漬させた後、室温25℃、湿度60%のもとで1時間乾燥さ
せたものを用いた。この乾燥は、有精卵表面の水分を取
り除くことが目的で、菌が死滅しない程度とした。こう
して用意した有精卵は、(1)図1に示す殺菌装置を用い
て、(a)オゾン濃度を変数として、表面を結露させた上
でオゾン殺菌する(試料1)、(b)水蒸気曝露時間を変数
として、表面を結露させた上でオゾン殺菌する(試料
2)、(c)オゾン濃度を変数として、表面を結露させずに
オゾン殺菌する(試料3)、そして比較試料として(2)オ
ゾン殺菌せずに放置しておく(試料4)、の4種類に分
け、各試料それぞれの表面から細菌検査用フードスタン
プ(日水製薬株式会社製、培養面積は10cm2)により菌を
採取し、インキュベータ内において、30℃で2日間培養
した後に発生したコロニーの数を比較した。
【0025】オゾン殺菌装置の運転条件は以下の通りで
ある。表面温度を室温25℃にした有精卵を、温度25℃、
湿度60%にした内殻室(容積18,000cm3)へ収納後密閉し、
約60℃の水蒸気を10,000cm3/minの割合で所定時間送り
込んで有精卵を曝露、表面を結露させてから、乾燥空気
から作った所定濃度のオゾンを3分間送り込んで殺菌す
る。水蒸気の送り込みによる有精卵の表面の結露を観察
したところ、前記条件による水蒸気を内殻室へ1分間送
り込むと、内殻室内の温度は28℃、湿度は100%近くに
まで達し、有精卵の表面には肉眼で水滴の大きさが判別
つかない程度の結露が確認できた。また、本試験の条件
下では、水蒸気曝露時間が90secを越えると、結露が目
視できる程度の水滴を形成し始めることがわかった。
【0026】試料1では水蒸気の送り込み時間を60sec
固定とし、試料1-1はオゾン濃度30ppm、試料1-2は
オゾン濃度60ppm、試料1-3はオゾン濃度90ppmとし
た。試料2ではオゾン濃度30ppmと固定し、水蒸気を送
り込む時間を試料2-1で30sec、試料2-2で60sec、試
料2-3で90sec、試料2-4で120secとした。試料3で
は水蒸気曝露を省略し、試料3-1はオゾン濃度30ppm、
試料3-2はオゾン濃度60ppm、試料3-3はオゾン濃度9
0ppmとした。また、試料1、試料3の試験日に対応して
試料4-1、試料2の試験日に対応して試料4-2を用意
した。各試料はそれぞれ4個の有精卵a,b,c,dを用
意し、それぞれについてコロニー数を計数して、更に平
均値を求めた。
【0027】
【表1】
【0028】表1は、試料1、試料3、試料4の試験結
果をまとめた一覧である。なお、表内のコロニー数の数
値は、試料1はフードスタンプ10cm2内のコロニー数、
試料3又は4はフードスタンプ1cm2内のコロニー数を1
0cm2に換算した数である。試料1、試料3、そして比較
対照である試料4とを比べると、明らかにオゾン殺菌の
効果が現れている。従来のオゾン殺菌方法による試料3
では試料4の約半数、本発明のオゾン殺菌方法による試
料1では1/50(試料1-1:オゾン濃度30ppm)〜1/100(試
料1-2:オゾン濃度60ppm、試料1-3:オゾン濃度90p
pm)と激減している。これから、試料1では、ほぼ完全
な殺菌が実現できたと言える。
【0029】また、試料1と試料3とを比較してみる
と、本発明のオゾン殺菌方法による試料1では、オゾン
濃度60ppm以上で十分な殺菌効果が得られる(試料1-1
と試料1-2又は1-3とを比較対照)のに対し、従来の
オゾン殺菌方法による試料3では、試料3-1から試料
3-2へのコロニー数の平均値上昇分よりも、試料3-2
から試料3-3へのコロニー数の平均値上昇分の方が大
きいことから、オゾン濃度を十分に高くしなければ殺菌
効果が上がらないことがわかる。これは、本発明のオゾ
ン殺菌方法では少量のオゾンを用意すれば十分であるこ
とを意味し、小規模なオゾン発生装置からなるコンパク
トな殺菌装置を構築できることを証明している。
【0030】
【表2】
【0031】表2は、試料2と試料4との試験結果をま
とめた一覧である。なお、表内のコロニー数の数値は、
試料2のグループはフードスタンプ10cm2内のコロニー
数、試料4のグループはフードスタンプ1cm2内のコロ
ニー数を10cm2に換算した数である。試料1及び試料3
と試験日が違い、菌の増殖状態が異なるためか、本発明
のオゾン殺菌方法による試料2における殺菌効果は、試
料4に比べて1/10程度と低めであるが、それでも上記試
験における試料3の結果よりも良好であり、本発明のオ
ゾン殺菌方法による殺菌効果の有効性が再確認できる。
【0032】試験条件で区分される試料2における水蒸
気曝露時間の違いによる殺菌効果を比較すると、水蒸気
曝露時間が60secである試料2-1が最も良好であり、水
蒸気曝露時間が90secを越えると、逆に殺菌効果が落ち
てくることが結果から読み取れる。この結果と、上述し
た結露の観察と突き合わせれば、肉眼で水滴が確認でき
るほどの結露になると、オゾンの吸収、溶解が難しくな
るため、本発明のオゾン殺菌方法における本来の作用が
働かないためと考えられる。これは、単純に水蒸気曝露
時間が問題となるのではなく、被殺菌物である有精卵の
表面に水滴が形成されるほどの水蒸気を供給すると本発
明のオゾン殺菌方法の有効性が得られなくなることを意
味している。
【0033】今回の試験により、第一に、本発明の結露
を利用したオゾン殺菌方法の有用性が証明された。被殺
菌物や殺菌処理時の諸条件にもよるが、従来のオゾン殺
菌方法に比べ、菌数を1/10〜1/100程度にまで低減させ
ることができる。また、第二に、必要なオゾンの量が従
来に比べて少なくて済み、殺菌装置の小型化が可能にな
って、運用コストも低減させる。そして、第三に、本発
明の特徴である被殺菌物の結露に関し、少なくとも肉眼
で水滴が確認できる程度までの水蒸気曝露は好ましくな
いことが確認できた。この被殺菌物の結露は、凹凸の多
い被殺菌物の表面において隅々まで殺菌処理を施すため
の大切な処理であり、そのための条件設定が重要なので
ある。
【0034】
【発明の効果】本発明により、オゾンの使用量を抑え
て、極めて効率的に被殺菌物を殺菌処理できるようにな
る。特に、有精卵に対して、卵細胞の呼吸用の隙間を残
しながら鶏卵の表面全域を均一に殺菌処理でき、従来で
は難しかった被殺菌物の殺菌処理を短時間で終えること
ができるようになる。使用するオゾンの量が少ないとい
うことは、オゾンの生成、分解に要する費用が少なくて
済むということであり、安全性が向上することを意味
し、取扱いの面からも優れた殺菌装置を提供することが
できるようになる。
【0035】また、殺菌処理の程度が、発生する結露の
量という変数を介して制御可能になる利点もある。単純
に、空気中のオゾン又は水中(淡水中)のオゾンを利用し
た殺菌処理では、被殺菌物に対して殺菌効果を上げるオ
ゾンの量が把握しにくく、同一の被殺菌物内においても
殺菌のムラができたり、被殺菌物が変われば殺菌処理の
程度が変わってしまう問題があった。本発明では、被殺
菌物の表面積、比熱を勘案し、殺菌室の露点温度、湿
度、そしてオゾン濃度を一定に保つことにより、HOラジ
カルを生成する結露の水滴を均一に発生させることがで
き、常に一定の殺菌処理が可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】殺菌手順1を表した鶏卵用オゾン殺菌装置の構
成図である。
【図2】殺菌手順2を表した鶏卵用オゾン殺菌装置の図
1相当図である。
【図3】オゾンが結露水に吸収、溶解する状態を表した
鶏卵の表面付近の拡大断面図である。
【図4】殺菌手順3を表した鶏卵用オゾン殺菌装置の図
1相当図である。
【図5】ベルトコンベア上に冷却室、殺菌室を並設した
準連続方式による殺菌装置の構成図である。
【符号の説明】
1 オゾン発生部 2 湿度調整部 3 内殻室 4 外殻室 5 殺菌室 6 鶏卵 7 冷却部 8 冷却ファン 9 加温部 10 加温ファン 11 空間 12 温度センサ 13 湿度センサ 14 濃度センサ 15 オゾン分解部 16 鶏卵の表面 17 オゾン 18 結露水を構成する水滴 19 水滴の隙間 20 鶏卵の卵細胞 21 酸素 22 HOラジカル 23 ベルトコンベア 24 冷却室 25 殺菌室 26 乾燥室 27 棚

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾン雰囲気下において被殺菌物の表面
    に結露を生じさせ、該結露水に吸収、溶解したオゾンの
    酸化反応によって被殺菌物の表面を殺菌するオゾン殺菌
    方法。
  2. 【請求項2】 オゾン雰囲気下に該オゾン雰囲気温度よ
    り表面温度を低くした被殺菌物を搬入して該被殺菌物の
    表面に結露を生じさせ、該結露水に吸収、溶解したオゾ
    ンの酸化反応によって被殺菌物の表面を殺菌するオゾン
    殺菌方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の被殺菌物の表面に
    生じる結露水に界面活性剤を添加するオゾン殺菌方法。
  4. 【請求項4】 オゾン発生部と湿度調整部とを備えた冷
    却可能な内殻室に加温可能な外殻室を覆設して二重構造
    の殺菌室を構成し、該殺菌室に被殺菌物を内殻室へ入れ
    るための搬入手段を設けてなるオゾン殺菌装置。
  5. 【請求項5】 被殺菌物の冷却室と、オゾン発生部と湿
    度調整部とを備えた殺菌室とを、被殺菌物の搬送手段で
    連結してなるオゾン殺菌装置。
JP8238089A 1996-09-09 1996-09-09 オゾン殺菌方法及びオゾン殺菌装置 Pending JPH1080264A (ja)

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