JPH1080938A - 偏肉及び微細な凹凸形状付成形品の射出成形方法及びその成形品 - Google Patents

偏肉及び微細な凹凸形状付成形品の射出成形方法及びその成形品

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JPH1080938A
JPH1080938A JP23828696A JP23828696A JPH1080938A JP H1080938 A JPH1080938 A JP H1080938A JP 23828696 A JP23828696 A JP 23828696A JP 23828696 A JP23828696 A JP 23828696A JP H1080938 A JPH1080938 A JP H1080938A
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JP
Japan
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injection molding
shape
thickness
thermoplastic resin
molding method
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JP23828696A
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English (en)
Inventor
Shuji Hoshina
修司 保科
Nobuyuki Hosonuma
信行 細沼
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏肉及び微細な凹凸形状を有する熱可塑性樹
脂射出成形品を、熱可塑性樹脂が本来持つ物性を低下さ
せず、外観不良や変形を伴わずに工業的に安定して生産
できるようにする。 【解決手段】 厚肉部の厚さaと薄肉部の厚さdの比b
/aが0.02〜0.5で、しかも表面に微細な凹凸形
状が付与された成形品の射出成形に際し、微細な凹凸形
状を転写させる金型表面を、使用する熱可塑性樹脂の軟
化温度以上に高周波誘導加熱して射出成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種熱可塑性樹脂
にて、偏肉構造と表面の微細な凹凸形状とを有する成形
品を射出成形する方法及びその成形品に関する。特に、
面照明装置用導光板の製造に適した射出成形方法及びそ
の成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】各種熱可塑性樹脂の射出成形に於いて
は、スクリュー等を利用して熱可塑性樹脂を加熱溶融
し、金型内へ充填後、冷却固化して任意の形状の成形品
を得る方法が一般に用いられている。このような射出成
形方法では、金型表面に溶融した熱可塑性樹脂が接触す
ると、その接触面で熱可塑性樹脂が急速に冷却され、熱
可塑性樹脂の流動性が著しく低下するため、金型表面に
施された微細な凹凸形状を成形品に転写させる場合、充
分な転写効果が得られない場合がある。特に、薄肉部の
厚さが1mm以下となる偏肉構造を有する成形品に於い
ては、充填不良現象等の問題を招くこともある。
【0003】従来、表面に微細な凹凸形状を有する偏肉
成形品を射出成形する方法に於いては、通常は射出圧力
や保圧を高くする、流動性の高い熱可塑性樹脂材料を用
いる、金型温度を高くする等の方法が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】射出圧力や保圧を高め
ていくと、溶融した熱可塑性樹脂を充填する時の流動抵
抗、及び冷却時の固化速度の不均一性が大きくなり、金
型内部に生じる圧力分布によって成形品中の残留応力が
増加し、成形品の変形あるいは反り等が発生する。ま
た、表面の形状が微細になるほど、又は薄肉部の厚みが
薄くなるほど射出圧力や保圧のみを高めただけでは転写
効果や充填効果が不足し、溶融した熱可塑性樹脂が固化
する前に微細な凹凸部に入り込ませて付形し、かつ流動
距離を長くするために、更に射出速度を大きくする必要
がある。但し、射出速度を大きくすると、溶融した熱可
塑性樹脂のせん断発熱によるシルバーストリークス、金
型表面と溶融した熱可塑性樹脂との摩擦抵抗によるジェ
ッティングやフローマーク等の外観不良が発生する。
【0005】流動性の高い熱可塑性樹脂を用いる場合、
通常は分子量を低下させて流動性を高める方法が採用さ
れ、微細な凹凸形状を転写させる効果、及び流動距離を
長くして薄肉部へ充填させる効果は得られるが、成形品
の機械的強度が低下し、高温高湿下や溶剤に接触する環
境下でクラック、クレージング等が発生するといった問
題が生じる。
【0006】金型温度を高くする事は、表面に微細な形
状を転写させ、かつ流動距離を長くして薄肉部へ充填さ
せる有効な手段であるが、金型の表面をJIS・K72
07法で規定された熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上
に保持したまま成形品を金型から離型し取り出すことは
不可能である。成形品を金型から離型して取り出すため
には、使用する熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度より低い
温度まで冷却固化する必要があり、更に生産性を向上さ
せるために結露寸前の温度まで金型温度を冷却する手法
が用いられている。しかし、射出成形に用いる金型は、
重量、容量ともに成形品形状よりも何倍も大きい鋼鉄製
のものが一般的であり、熱媒及び冷媒を交互に循環させ
加熱、冷却を繰り返すためには多くの熱量と時間を必要
とし、工業的に安定に生産するには困難である。
【0007】本発明の目的は、熱可塑性樹脂を用いて微
細な凹凸形状を有する偏肉成形品を、熱可塑性樹脂が本
来持つ物性を低下させず、外観不良や変形等を伴わずに
工業的に安定して生産する方法、及びその方法により得
られる成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、高周波誘導加熱の原
理を利用することにより、金型の表面部分のみを選択的
に熱可塑性樹脂の軟化温度以上に加熱することができ、
しかも成形品を金型から離型して取り出す時には荷重た
わみ温度より低い温度に急冷することが可能となること
を見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち本発明は、熱可塑性樹脂を用いて、少
なくとも一方の面に微細な凹凸形状が付与され、かつ厚
肉部の厚さaと薄肉部の厚さbの比b/aが0.02〜
0.5の範囲にある偏肉成形品を射出成形する方法に於
いて、該凹凸形状を転写させる金型表面を予め該熱可塑
性樹脂の軟化温度以上に高周波誘導加熱して射出成形す
る偏肉及び微細な凹凸形状付成形品の射出成形方法であ
る。
【0010】本発明は、上記薄肉部の厚さbが0.1〜
5mmの範囲にある場合に好ましく適用される。
【0011】本発明に於いては、上記の微細な凹凸形状
がプリズム形状を構成単位として配列されて成り、かつ
プリズム形状の高さcと配列ピッチdとの比d/cが
0.2〜500であることが好ましく適用される。
【0012】上記の微細な凹凸形状が立方体状、直方体
状、円筒状、楕円筒状の何れかの形状を構成単位として
配列されて成り、かつ構成単位の形状の高さcと配列ピ
ッチdとの比d/cが2〜50であることも好ましく適
用される。
【0013】また、上記の微細な凹凸形状面が梨地状
で、JIS・B0601−1994法により測定した該
凹凸形状面の表面粗さの最大高さ(Ry)が1〜100
μmとなることも好ましく適用される。
【0014】更に、上記の微細な凹凸形状が球面状また
は非球面状の形状を構成単位として配列されて成り、か
つ形状の高さcと配列ピッチdとの比d/cが0.2〜
500であることも好ましく適用される。
【0015】本発明に於いては、熱可塑性樹脂としてメ
タクリル樹脂またはポリカーボネイト樹脂が好ましく適
用される。
【0016】一方、本発明は、上記射出成形方法により
得られる偏肉及び微細な凹凸形状付板状成形品、特に面
照明光源用導光板を提供するものでもある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる金型表面の加
熱方法は、高周波誘導加熱である。高周波誘導加熱によ
ると、金型表面の表層部分のみを選択的に短時間で加熱
することができ、金型全体の熱膨張、収縮等による変形
がなく、成形品の寸法精度も向上させることができる。
以下、図面を用いて説明する。
【0018】図1に示すように、金型の固定側11と移
動側12の中間に高周波誘導加熱のインダクター13を
設置し高周波を発振させると、例えば図2に示す様に金
型表面(図1のA点)のみ急激に温度が上昇し、金型内
部(図1のB点)は高周波誘導加熱により殆ど温度が上
昇しないことが確認できる。図2の場合、金型は冷却水
により冷却しておらず、単純に高周波誘導加熱による金
型の温度分布の経時変化の例を示すものである。即ち、
高周波誘導加熱により金型表面付近を選択的に加熱すれ
ば金型表面付近を急加熱急冷却できるので、射出成形サ
イクルをさほど延長することがない。
【0019】本発明に用いられる金型の材質は、高周波
により誘導加熱現象を生じさせる必要上、磁性材料が用
いられる。
【0020】本発明に用いられる高周波誘導加熱方法に
於ける周波数は、金型表面の加熱される部分の厚みを制
御しやすい点で、1KHz〜1MHzの範囲が特に好ま
しい。
【0021】本発明に於ける軟化温度とは、JIS・K
7207のB法(試験片に加える曲げ応力4.6kgf
/cm2 )に規定された方法で測定した熱可塑性樹脂の
荷重たわみ温度より10度低い温度として定義する。本
発明では、金型表面の温度をこのように定義した軟化温
度以上にする必要がある。また、軟化温度は使用する熱
可塑性樹脂により変化させる必要がある。
【0022】金型表面の温度を、熱可塑性樹脂を射出成
形する前に予め前記の軟化温度以上にしておけば、溶融
した熱可塑性樹脂が金型表面に接触した時の冷却速度を
低下させることができるため、溶融した熱可塑性樹脂が
固化する前に微細凹凸部に入り込み転写性を向上させ、
かつ金型内部に充填された熱可塑性樹脂の流動距離を長
くして薄肉部への充填性を高めることができる。また、
金型内部を流動する溶融樹脂の抵抗が少なくなるため、
射出速度や射出圧力を必要以上に大きくせず射出成形す
ることが可能となり、溶融した熱可塑性樹脂を充填する
際のせん断発熱によるシルバーストリークス、金型表面
と溶融した熱可塑性樹脂との摩擦抵抗によるジェッティ
ングやフローマーク等の外観不良、及び成形品中の残留
応力による反りや変形を低減することができる。
【0023】本発明の射出成形方法は、少なくとも一方
の面に微細な凹凸形状が付与され、かつ厚肉部の厚さa
と薄肉部の厚さbの比b/aが0.02〜0.5の範囲
にある偏肉成形品を射出成形するのに適したものであ
る。特に、薄肉部の厚みが0.1〜5mmの範囲にある
偏肉成形品を得る射出成形方法として好ましい。更に、
薄肉部の厚みが0.1〜1mmの範囲にある偏肉成形品
を得る方法として、より好ましく用いられる。偏肉成形
品の厚みは、市販のマイクロメーター、ノギス等の計測
器で測定する事ができる。
【0024】偏肉成形品表面の微細な凹凸形状は市販の
光学顕微鏡又は電子顕微鏡により観察することができ
る。得られる観察像から、微細な凹凸形状は、凹凸形状
単位の規則的な配列によって構成されているか、不均一
に表面が粗されているのかが判断できる。
【0025】凹凸形状単位が規則的に配列して微細凹凸
形状が構成されている場合、その構成単位はプリズム形
状で、かつプリズム形状の高さcと配列ピッチdとの比
d/cが0.2〜500の範囲にあることが好ましい。
図3(A)に示すように、プリズム形状の高さcとはプ
リズム頂角部分の高さ、配列ピッチdとは隣り合うプリ
ズム頂点間の距離と定義する。d/cが0.2〜500
の範囲内にあれば、形状の高さと配列ピッチは、縦又は
横方向で任意に変化しても良い。またプリズム形状の配
列は、例えば図3(B)のような直線状、図3(C)の
ような曲線状、更に図3(D)のようなドット状の配列
でも良い。
【0026】また、微細凹凸形状の構成単位として立方
体状、直方体状、円筒状、楕円筒状の何れかの形状で、
かつ形状の高さcと配列ピッチdとの比d/cが2〜5
0である場合も好ましい。図4に示すように、形状の高
さcとは立方体状、直方体状、円筒状、楕円筒状の何れ
かの高さc、配列ピッチdとは隣り合う形状の中心位置
間の距離と定義する。d/cが2〜50の範囲内にあれ
ば、形状の高さcと配列ピッチdは、縦又は横方向で任
意に変化しても良い。形状の高さcと配列ピッチdは、
光学顕微鏡又は電子顕微鏡の観察像から視覚的に測定す
ることができる。
【0027】微細な凹凸形状の構成単位が球面状または
非球面状の形状で、かつ当該形状における形状の高さc
と配列ピッチdとの比d/cが0.2〜500である場
合も好ましい。図5(A)に示すように、形状の高さc
とは球面又は非球面部分の高さ、配列ピッチdとは隣り
合う形状の中心位置間の距離と定義する。d/cが0.
2〜500の範囲内にあれば、形状の高cさと配列ピッ
チdは、縦又は横方向で任意に変化しても良い。球面状
または非球面形状の高さcと配列ピッチdは、光学顕微
鏡又は電子顕微鏡の観察像から視覚的に測定することが
できる。また、球面状または非球面形状の配列は、例え
ば図5(B)のような直線状、図5(C)のような曲線
状、更に図5(D)のようなドット状の配列でも良い。
【0028】これらの各種の形状の高さcと配列ピッチ
dは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡の観察像から視覚的に
測定することができる。
【0029】更に、微細な凹凸形状面が梨地状である場
合も好ましく、この場合、JIS・B0601−199
4法により表面粗さの最大高さ(Ry)を測定した時に
1〜100μmの範囲にあることが好ましい。梨地状面
の表面粗さは、市販の表面粗さ計を用いて測定すること
ができる。
【0030】本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、具体
的にはメタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリス
チレン、ゴム補強ポリスチレン、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルメタク
リレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリオレフ
ィン樹脂ナイロン6、ナイロン66、変性ポリフェニレ
ンエーテル等が挙げられる。好ましく採用されるもの
は、メタクリル樹脂又はポリカーボネイト樹脂である。
特に好ましく採用されるものはメタクリル樹脂である。
【0031】メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルを
主体とする樹脂が挙げられ、これにはメチルメタクリレ
ートの単独重合体、又はメチルメタクリレートとメチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、
ビニルピリジン、ビニルモルホリン、ビニルピリドンテ
トラヒドロフルフリルアクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリル
アミド、2−ヒドロキシアクリレート、エチレングリコ
ールモノアクリレート、グリセリンモノアクリレート、
無水マレイン酸、スチレン、もしくはα−メチルスチレ
ンなどの共重合可能なモノマーのいずれか一つ以上との
共重合体、及び耐熱性アクリル樹脂、低吸湿性アクリル
樹脂などが含まれる。これらは単独で用いてもよいしブ
レンドしてもよい。透明性を維持して耐衝撃性を同時に
持たせるためには耐衝撃性アクリル樹脂が用いられ、そ
のゴム弾性体は特開昭53−58554号公報、同55
−94917号公報、同61−32346号公報等に開
示されている。簡単に説明すると、アクリル系重合体芯
材料のまわりに弾性層及び非弾性層を交互に生成させる
多段階逐次重合法により製造される多段重合体である。
【0032】本発明の射出成形方法によって得られる偏
肉成形品の形状、及び投影面積は特に限定されないが、
好ましくは板状の形状で、対角サイズが8インチ以上の
偏肉成形品である。
【0033】また、本発明の射出成形方法によって得ら
れる成形品としては、面照明光源装置用導光板が好まし
い。液晶表示装置等に用いられる面照明光源装置は、特
に明るさに対する要求が高く、使用される導光板につい
ても微細凹凸形状の転写性が高く、薄肉部の厚さが小さ
く、残留応力による成形歪みが小さいことが望まれてい
る。導光板の少なくとも一方の表面に金型に施した微細
凹凸形状を転写させ、かつ入光部から遠ざかるにつれて
厚みが薄くなる楔形にすることにより、導光板表面の発
光効率を高めることができ、また残留応力による成形歪
みを小さくすることにより面照明光源装置の輝度が低下
せず均一にすることができる。従って、本発明による面
照明光源装置用導光板は、微細凹凸形状の転写性が良い
ため発光効率が高く、残留応力による成形歪みが小さい
ため輝度の低下がなく、諸性能に非常に優れている。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例で本発明を更に具体
的に説明する。なお、各実施例及び比較例で用いた評価
及び試験方法は次の通りである。
【0035】(1)表面に微細凹凸形状を有する偏肉成
形品の成形 図6に示されるように、表面に微細な凹凸形状を有する
厚さ0.3mmの強磁性金属板64を固定側61に組み
込んだ入れ子式金型を、射出成形機(住友重機械工業社
製「SG−100型」)に取り付け、金属板64の表面
から5mmの位置にインダクター63を近付けた後、2
5KHz、30KWの高周波電源により6秒間金属板6
4の表面を誘導加熱する。その後、すばやくインダクタ
ー63を金型間(固定側61と移動側62間)より抜き
出し、移動側62を前進させて金型を閉じて射出成形を
行う。金型は、入れ子を変更することにより、投影面
積、及び厚肉部と薄肉部の厚みの比を任意に変えること
ができる。インダクター63は、断面積10mm3 の銅
管を互いに絶縁された状態で5mm間隔で渦巻き状に配
置して皿形にし、それらを重ね合わせて耐熱シリコン樹
脂で注型して平板状に固定固化し作成する。この方法に
より、図7に示すような片面に微細凹凸形状を有する楔
形の偏肉成形品を得る。熱可塑性樹脂としてはメタクリ
ル樹脂を用いた。
【0036】(2)偏肉成形品の充填率の測定 上記(1)の方法に於いて、完全充填しない範囲で射出
速度、保圧力を変化させて射出成形を行い、得られる成
形品の重量を電磁式はかり(研精工業社製「FA−60
00型」)で測定する。完全充填した成形品の重量に対
する比を求め、充填率として定義する。充填率が大きい
ほど流動距離が長く、薄肉部への充填が可能となり好ま
しいと判断できる。
【0037】(3)偏肉成形品の表面形状の転写率の測
定 上記(1)で用いた微細凹凸形状を有する金属板64
(図6参照)、及び上記(1)の方法で得られた偏肉成
形品の表面及び断面形状をレーザー顕微鏡(レーザーテ
ック社製「1LM21W型」)で観察し、2次元平面像
と3次元立体像を得る。得られた像から、金属板凹部の
容積と成形品凸部の容積を求め、次の計算式によって定
義される転写率を導出する。実質的には、転写率が0.
7以上であれば微細凹凸形状が転写された成形品として
好ましいと判断できる。
【0038】(転写率)=(成形品凸部の容積)/(金
属板凹部の容積) (4)成形品の反り量の測定 上記(1)の方法で得られた成形品を金属定盤上に置
き、図7に示すゲート位置71近くの成形品の角(72
の位置)に質量200gの立方体形状のおもりを載せ
る。この時、ゲート対面の位置(73の位置)で成形品
と定盤との間にできる隙間をダイヤルゲージにて測定す
る。実質的には、反り量が0.2mm以下であれば成形
品の寸法精度として好ましい範囲であると判断できる。
【0039】(5)成形品の外観の評価 上記(1)の方法で得られた成形品を目視で観察し、シ
ルバーストリークス、ジェッティング、フローマーク、
ウェルドライン等の成形に伴う外観不良、及びクラッ
ク、クレージング等の材料強度不足に伴う外観不良を観
察する。
【0040】(6)成形品の成形歪みの測定 図8に示すように 前記(1)の方法で得られた成形品
82を、偏光方向が互いに直角になるように配置した2
枚の偏光板81で挟み、下側の偏光板81を一様に蛍光
ランプ84で照らす。成形品82内部に成形歪みを生じ
ている場合、複屈折現象によりその部分のみ偏光角が変
化し上側の偏光板81を光が透過する。部分的に透過し
た光量を輝度計83(ミノルタカメラ社製「CA−10
00型」)で測定し、輝度値を成形歪み量として定義す
る。輝度値が大きいほど成形歪み量が大きいと評価でき
る。
【0041】実施例1〜3、比較例1〜3 熱可塑性樹脂として、メタクリル樹脂成形材料(旭化成
工業社製「デルペット70NHX」)を使用した。JI
S・K−7210のA法で測定したメルトフローレイト
は6.5g/10分、JIS・K−7207のB法で測
定した荷重たわみ温度は95℃である。本発明で定義さ
れる軟化温度は85℃である。
【0042】微細凹凸形状の構成単位がプリズム形状
で、しかもこの構成単位が直線状に配列された金属板を
組み込んだ金型を用い、表1に示す射出速度、保圧力を
順次変化させて射出成形を行った。成形温度は240℃
とした。金型構造に於ける薄肉部の厚さbと厚肉部の厚
さaとの比は0.4、投影面積は440cm2 である。
また、金属板の微細凹凸形状の高さcと配列ピッチdの
比d/cは2である。高周波誘導加熱後の金型温度は表
1に示す温度とした。
【0043】得られた成形品を試験片として、前記
(2)の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0044】表2からも明らかなように、実施例1〜3
では、高周波誘導加熱により金型温度を115℃に設定
してから射出成形を行うと共に、射出速度、保圧力を増
すことにより、充填率93.0〜98.1%の偏肉成形
品が得らた。
【0045】これに対して比較例1〜3では、高周波誘
導加熱を行わない通常の射出成形であることから、実施
例1〜3に比べて、いずれの射出速度、保圧力条件に於
いても充填率は低く、好ましくないものであった。
【0046】実施例4〜6 メタクリル樹脂成形材料として、旭化成工業社製「デル
ペット80NH」(JIS・K−7210のA法で測定
したメルトフローレイトは5.9g/10分、JIS・
K−7207のB法で測定した荷重たわみ温度は100
℃)を使用した。また、厚肉部の厚さaと薄肉部の厚さ
bとの比b/aが0.3で、投影面積が300cm2
金型に、微細な凹凸形状の構成単位が直方体形状でドッ
ト状に配列された金属板を組み込み、表1に示す高周波
誘導加熱後の金型温度、射出速度、保圧力の条件で射出
成形を行った。成形温度は240℃とした。微細な凹凸
形状の高さcと配列ピッチdの比d/cは20である。
【0047】得られた成形品を試験片として、前記
(3)〜(6)の評価を行った。その結果を表3に示
す。
【0048】表3からも明らかなように、転写率は0.
75、0.76、0.72を示し、また反り量、外観も
良好であった。更に、成形歪み量を表す輝度値も22〜
30nbと小さく、成形歪みが小さな成形品が得らた。
【0049】比較例3〜4 高周波誘導加熱を行わず、射出速度、保圧力の条件を表
1に示すように変化させた以外は全て実施例4〜6と同
じ条件で射出成形を行い、得られた成形品を試験片とし
て前記(3)〜(6)の評価を行った。その結果を表3
に示す。
【0050】表3からも明らかなように、転写率は0.
50〜0.54と低く、成形歪み量を表す輝度値も57
〜59nbと大きい成形品であった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の射出成形方
法によれば、微細な凹凸形状を有する偏肉成形品を、熱
可塑性樹脂が本来持つ物性を低下させず、外観不良や変
形等を伴わずに工業的に安定して生産することがができ
る。また、本発明の射出成形品は、種々の機能において
優れ、特に面照明光源用導光板として優れた性能を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形方法で行う高周波誘導加熱の
概念図
【図2】図1に示す高周波誘導加熱を行った場合の金型
の温度分布の一例を示すグラフである。
【図3】微細な凹凸形状の構成単位の形状例と、形状高
さc及び配列ピッチdの関係を示す説明図である。
【図4】他の微細な凹凸形状の構成単位の形状例と、形
状高さc及び配列ピッチdの関係を示す説明図である。
【図5】更に他の微細な凹凸形状の構成単位の形状例
と、形状高さc及び配列ピッチdの関係を示す説明図で
ある。
【図6】実施例で用いた金型の概念図である。
【図7】実施例で成形した偏肉成形品についての反り量
の測定方法の説明図である。
【図8】実施例で行った成形歪み測定方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
11 金型の固定側 12 金型の移動側 13 インダクター 61 金型の固定側 62 金型の移動側 63 インダクター 64 微細な凹凸形状を有する金属板 71 偏肉成形品のゲート位置 72 偏肉成形品の反り量測定のためにおもりを置く位
置 73 偏肉成形品の反り量を測定する位置 81 偏光板 82 偏肉成形品 83 輝度計 84 蛍光ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を用いて、少なくとも一方
    の面に微細な凹凸形状が付与され、かつ厚肉部の厚さa
    と薄肉部の厚さbの比b/aが0.02〜0.5の範囲
    にある偏肉成形品を射出成形する方法に於いて、該凹凸
    形状を転写させる金型表面を予め該熱可塑性樹脂の軟化
    温度以上に高周波誘導加熱して射出成形することを特徴
    とする偏肉及び微細な凹凸形状付成形品の射出成形方
    法。
  2. 【請求項2】 薄肉部の厚みbが0.1〜5mmの範囲
    にあることを特徴とする請求項1に記載された射出成形
    方法。
  3. 【請求項3】 上記の微細な凹凸形状がプリズム形状を
    構成単位として配列されて成り、かつプリズム形状の高
    さcと配列ピッチdとの比d/cが0.2〜500であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載された射出成
    形方法。
  4. 【請求項4】 上記の微細な凹凸形状が立方体状、直方
    体状、円筒状、楕円筒状の何れかの形状を構成単位とし
    て配列されて成り、かつ構成単位の形状の高さcと配列
    ピッチdとの比d/cが2〜50であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載された射出成形方法。
  5. 【請求項5】 上記の微細な凹凸形状面が梨地状で、J
    IS・B0601−1994法により測定した該凹凸形
    状面の表面粗さの最大高さ(Ry )が1〜100μmと
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載された射出
    成形方法。
  6. 【請求項6】 上記の微細な凹凸形状が球面状または非
    球面状の形状を構成単位として配列されて成り、かつ形
    状の高さcとピッチdとの比d/cが0.2〜500で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載された射出
    成形方法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂がメタクリル樹脂またはポ
    リカーボネイト樹脂であることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載された射出成形方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載された射
    出成形方法を用いて成形されたことを特徴とする偏肉及
    び微細な凹凸形状付成形品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載された射
    出成形方法を用いて成形されたことを特徴とする面照明
    光源用導光板。
JP23828696A 1996-09-10 1996-09-10 偏肉及び微細な凹凸形状付成形品の射出成形方法及びその成形品 Withdrawn JPH1080938A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008102653A1 (ja) 2007-02-22 2008-08-28 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 樹脂成形体、マイクロチップ及びそれらの製造方法

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