JPH1080940A - 微細な凹凸形状付成形品の射出成形方法及びその成形品 - Google Patents

微細な凹凸形状付成形品の射出成形方法及びその成形品

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JPH1080940A
JPH1080940A JP23828496A JP23828496A JPH1080940A JP H1080940 A JPH1080940 A JP H1080940A JP 23828496 A JP23828496 A JP 23828496A JP 23828496 A JP23828496 A JP 23828496A JP H1080940 A JPH1080940 A JP H1080940A
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JP
Japan
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shape
injection molding
thermoplastic resin
molding method
fine
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JP23828496A
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English (en)
Inventor
Shuji Hoshina
修司 保科
Nobuyuki Hosonuma
信行 細沼
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な凹凸形状を有する熱可塑性樹脂射出成
形品を、熱可塑性樹脂が本来持つ物性を低下させず、外
観不良や変形を伴わずに工業的に安定して生産できるよ
うにする。 【解決手段】 微細な凹凸形状を転写させる金型表面
を、使用する熱可塑性樹脂の軟化温度以上に高周波誘導
加熱して射出成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種熱可塑性樹脂
にて表面に微細な凹凸形状を施した板状成形品を射出成
形する方法及びその成形品に関する。特に、面照明装置
用導光板の製造に適した射出成形方法及びその成形品に
関する。
【0002】
【従来の技術】各種熱可塑性樹脂の射出成形に於いて
は、スクリュー等を利用して熱可塑性樹脂を加熱溶融
し、金型内へ充填後、冷却固化して任意の形状の成形品
を得る方法が一般に用いられている。このような射出成
形方法では、金型表面に溶融した熱可塑性樹脂が接触す
ると、その接触面で熱可塑性樹脂が急速に冷却され、熱
可塑性樹脂の流動性が著しく低下するため、金型表面に
施された微細な凹凸形状を成形品に転写させる場合、充
分な転写効果が得られない場合がある。
【0003】従来、表面に微細な凹凸形状を有する成形
品の射出成形に於いては、通常は射出圧力や保圧を高く
する、流動性の高い熱可塑性樹脂材料を用いる、金型温
度を高くする等の方法が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】射出圧力や保圧を高め
ていくと、溶融した熱可塑性樹脂を充填する時の流動抵
抗、及び冷却時の固化速度の不均一性が大きくなり、金
型内部に生じる圧力分布によって成形品中の残留応力が
増加し、成形品の変形あるいは反り等が発生する。ま
た、凹凸形状が微細になると、射出圧力や保圧のみを高
めただけでは転写効果が不足し、溶融した熱可塑性樹脂
を固化する前に微細な凹凸部に入り込ませて付形するた
めに、更に射出速度を大きくする必要がある。但し、射
出速度を大きくすると、溶融した熱可塑性樹脂のせん断
発熱によるシルバーストリークス、金型表面と溶融した
熱可塑性樹脂との摩擦抵抗によるジェッティングやフロ
ーマーク等の外観不良が発生する。
【0005】流動性の高い熱可塑性樹脂を用いる場合、
通常は分子量を低下させて流動性を高める方法が採用さ
れ、微細な形状を転写させる効果は得られるが、成形品
の機械的強度が低下し、高温高湿下や溶剤に接触する環
境下でクラック、クレージング等が発生するといった問
題が生じる。
【0006】金型温度を高くすることは、表面に微細凹
凸形状を転写させる有効な手段であるが、金型の表面を
JIS・K7207法で規定された熱可塑性樹脂の荷重
たわみ温度以上に保持したまま成形品を金型から離型し
取り出すことは不可能である。成形品を金型から離型し
取り出すためには、使用する熱可塑性樹脂の荷重たわみ
温度より低い温度まで冷却固化する必要があり、更に生
産性を向上させるために結露寸前の温度まで金型温度を
冷却する手法が用いられている。しかし、射出成形に用
いる金型は、重量、容量ともに成形品形状よりも何倍も
大きい鋼鉄製のものが一般的であり、熱媒及び冷媒を交
互に循環させて加熱、冷却を繰り返すためには多くの熱
量と時間を必要とし、工業的に安定に生産するには困難
である。
【0007】本発明の目的は、熱可塑性樹脂を用いて微
細な凹凸形状を有する成形品を、熱可塑性樹脂が本来持
つ物性を低下させず、外観不良や変形等を伴わずに工業
的に安定して生産できる方法、及びその方法により得ら
れる成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、高周波誘導加熱の原
理を利用することにより、金型の表面部分のみを選択的
に熱可塑性樹脂の軟化温度以上に加熱することができ、
しかも成形品を金型から離型して取り出す時には荷重た
わみ温度より低い温度に急冷することが可能となること
を見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち本発明は、熱可塑性樹脂を用いて、少
なくとも一方の面に微細な凹凸形状が付与された板状成
形品を射出成形する方法に於いて、該凹凸形状を転写さ
せる金型表面を予め該熱可塑性樹脂の軟化温度以上に高
周波誘導加熱して射出成形する微細な凹凸形状付成形品
の射出成形方法である。
【0010】本発明に於いては、上記の微細な凹凸形状
がプリズム形状を構成単位として配列されて成り、かつ
プリズム形状の高さaと配列ピッチbとの比b/aが
0.2〜500であることが好ましく適用される。
【0011】本発明に於いては、上記の微細な凹凸形状
が立方体状、直方体状、円筒状、楕円筒状の何れかの形
状を構成単位として配列されて成り、かつ構成単位の形
状の高さaと配列ピッチbとの比b/aが2〜50であ
ることも好ましく適用される。
【0012】また、本発明に於いては、上記の微細な凹
凸形状面が梨地状で、JIS・B0601−1994法
により測定した該凹凸形状面の表面粗さの最大高さ(R
y)が1〜100μmとなることも好ましく適用され
る。
【0013】更に、本発明に於いては、上記の微細な凹
凸形状が球面状または非球面状の形状を構成単位として
配列されて成り、かつ形状の高さaとピッチbとの比b
/aが0.2〜500であることも好ましく適用され
る。
【0014】本発明に於いては、熱可塑性樹脂としてメ
タクリル樹脂またはポリカーボネイト樹脂が好ましく適
用される。
【0015】一方、本発明は、上記射出成形方法により
得られる板状成形品、特に面照明光源用導光板を提供す
るものでもある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる金型表面の加
熱方法は、高周波誘導加熱である。高周波誘導加熱によ
ると、金型表面の表層部分のみを選択的に短時間で加熱
することができ、金型全体の熱膨張、収縮等による変形
がなく、成形品の寸法精度も向上させることができる。
以下、図面を用いて説明する。
【0017】図1に示すように、金型の固定側11と移
動側12の中間に高周波誘導加熱のインダクター13を
設置し高周波を発振させると、例えば図2に示すように
金型表面(図1のA点)のみ急激に温度が上昇し、金型
内部(図1のB点)は高周波誘導加熱により殆ど温度が
上昇しないことが確認できる。図2の場合、金型は冷却
水により冷却しておらず、単純に高周波誘導加熱による
金型の温度分布の経時変化の例を示すものである。即
ち、高周波誘導加熱により金型表面付近を選択的に加熱
すれば、金型表面付近のみを急加熱急冷却できるので、
射出成形サイクルをさほど延長することがない。
【0018】本発明に用いられる金型の材質は、高周波
により誘導加熱現象を生じさせる必要上、磁性材料が用
いられる。
【0019】本発明に用いられる高周波誘導加熱方法に
於ける周波数は、金型表面の加熱される部分の厚みを制
御しやすい点で、1KHz〜1MHzの範囲が特に好ま
しい。
【0020】本発明に於ける軟化温度とは、JIS・K
7207のB法(試験片に加える曲げ応力4.6kgf
/cm2 )に規定された方法で測定した熱可塑性樹脂の
荷重たわみ温度より10度低い温度として定義する。本
発明では、金型表面の温度をこのように定義した軟化温
度以上にする必要がある。また、軟化温度は使用する熱
可塑性樹脂により変化させる必要がある。
【0021】金型表面の温度を、熱可塑性樹脂を射出成
形する前に予め前記の軟化温度以上にしておけば、溶融
した熱可塑性樹脂が金型表面に接触した時の冷却速度を
低下させることができるため、溶融した熱可塑性樹脂が
固化する前に微細凹凸部に入り込み、転写性を向上させ
ることができる。また、金型内部を流動する溶融樹脂の
抵抗が少なくなるため、射出速度や射出圧力を必要以上
に大きくせず射出成形することが可能となり、溶融した
熱可塑性樹脂を充填する際のせん断発熱によるシルバー
ストリークス、金型表面と溶融した熱可塑性樹脂との摩
擦抵抗によるジェッティングやフローマーク等の外観不
良、及び成形品中の残留応力による反りや変形を低減す
ることができる。
【0022】本発明の射出成形方法は、少なくとも一方
の面に微細な凹凸形状が付与された板状成形品を成形す
るものであり、微細な凹凸形状は市販の光学顕微鏡又は
電子顕微鏡により観察することができる。得られる観察
像から、微細な凹凸形状は、凹凸形状単位の規則的な配
列によって構成されているか、不均一に表面が粗されて
いるのかが判断できる。
【0023】凹凸形状単位が規則的に配列して微細凹凸
形状が構成されている場合、その構成単位はプリズム形
状で、かつプリズム形状の高さaと配列ピッチbとの比
b/aが0.2〜500の範囲にあることが好ましい。
図3(A)に示すように、プリズム形状の高さaとはプ
リズム頂角部分の高さ、配列ピッチbとは隣り合うプリ
ズム頂点間の距離と定義する。b/aが0.2〜500
の範囲内にあれば、形状の高さaと配列ピッチbは、縦
又は横方向で任意に変化しても良い。またプリズム形状
の配列は、例えば図3(B)のような直線状、図3
(C)のような曲線状、更に図3(D)のようなドット
状の配列でも良い。
【0024】また、微細な凹凸形状の構成単位として立
方体状、直方体状、円筒状、楕円筒状のいずれかの形状
で、かつ当該形状における高さaと配列ピッチbとの比
b/aが2〜50である場合も好ましい。図4に示すよ
うに、形状の高さaとは立方体状、直方体状、円筒状、
楕円筒状の何れかの高さ、配列ピッチbとは隣り合う形
状の中心位置間の距離と定義する。b/aが2〜50の
範囲内にあれば、形状の高aさと配列ピッチbは、縦又
は横方向で任意に変化しても良い。形状の高さaと配列
ピッチbは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡の観察像から視
覚的に測定することができる。
【0025】微細な凹凸形状の構成単位が球面状または
非球面状の形状で、かつ当該形状における高さaとピッ
チbとの比b/aが0.2〜500である場合も好まし
い。図5(A)に示すように、形状の高さaとは球面又
は非球面部分の高さ、配列ピッチbとは隣り合う形状の
中心位置間の距離と定義する。b/aが0.2〜500
の範囲内にあれば、形状の高さaと配列ピッチbは、縦
又は横方向で任意に変化しても良い。球面状または非球
面形状の高さaと配列ピッチbは、光学顕微鏡又は電子
顕微鏡の観察像から視覚的に測定することができる。ま
た、球面状または非球面形状の配列は、例えば図5
(B)のような直線状、図5(C)のような曲線状、更
には図5(D)のようなドット状の配列でも良い。
【0026】これらの各種の形状の高さaと配列ピッチ
bは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡の観察像から視覚的に
測定することができる。
【0027】更に、微細な凹凸形状面が梨地状である場
合も好ましく、この場合、JIS・B0601−199
4法により表面粗さの最大高さ(Ry)を測定した時に
1〜100μmの範囲にあることが好ましい。梨地状面
の表面粗さは、市販の表面粗さ計を用いて測定すること
ができる。
【0028】本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、具体
的にはメタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリス
チレン、ゴム補強ポリスチレン、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルメタク
リレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリオレフ
ィン樹脂ナイロン6、ナイロン66、変性ポリフェニレ
ンエーテル等が挙げられる。好ましく採用されるもの
は、メタクリル樹脂又はポリカーボネイト樹脂である。
特に好ましく採用されるものはメタクリル樹脂である。
【0029】メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルを
主体とする樹脂が挙げられ、これにはメチルメタクリレ
ートの単独重合体、又はメチルメタクリレートとメチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、
ビニルピリジン、ビニルモルホリン、ビニルピリドンテ
トラヒドロフルフリルアクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリル
アミド、2−ヒドロキシアクリレート、エチレングリコ
ールモノアクリレート、グリセリンモノアクリレート、
無水マレイン酸、スチレン、もしくはα−メチルスチレ
ンなどの共重合可能なモノマーのいずれか一つ以上との
共重合体、及び耐熱性アクリル樹脂、低吸湿性アクリル
樹脂などが含まれる。これらは単独で用いてもよいしブ
レンドして用いてもよい。透明性を維持して耐衝撃性を
同時に持たせるためには耐衝撃性アクリル樹脂が用いら
れ、そのゴム弾性体は特開昭53−58554号公報、
同55−94917号公報、同61−32346号公報
等に開示されている。簡単に説明すると、アクリル系重
合体芯材料のまわりに弾性層及び非弾性層を交互に生成
させる多段階逐次重合法により製造される多段重合体で
ある。
【0030】本発明の射出成形方法によって得られる板
状成形品の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.
1〜10mm、更に好ましくは0.5〜5mmである。
【0031】また、本発明の射出成形方法によって得ら
れる板状成形品としては、面照明光源装置用導光板が好
ましい。液晶表示装置等に用いられる面照明光源装置
は、特に明るさに対する要求が高く、使用される導光板
についても微細凹凸形状の転写性が高く、残留応力によ
る成形歪みが小さいことが望まれている。導光板の少な
くとも一方の表面に金型に施した微細凹凸形状を転写す
ることにより、導光板表面の発光効率を高めることがで
き、また残留応力による成形歪みを小さくすることによ
り面照明光源装置の輝度を低下させずに均一にすること
ができる。従って、本発明の面照明光源装置用導光板
は、微細凹凸形状の転写状態が良いため、発光効率が高
く、残留応力による成形歪みが小さいため輝度の低下が
なく、諸性能に非常に優れている。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例で本発明を更に具体
的に説明する。なお、各実施例及び比較例で用いた評価
及び試験方法は次の通りである。
【0033】(1)表面に微細な凹凸形状を有する成形
品の成形 図6に示されるように、表面に微細な凹凸形状を有する
厚さ0.3mmの強磁性金属板64を固定側61に組み
込んだ入れ子式金型を、射出成形機(住友重機械工業社
製「SG−100型」)に取り付け、金属板64の表面
から5mmの位置にインダクター63を近付けた後、2
5KHz、30KWの高周波電源により6秒間金属板6
4の表面を誘導加熱する。その後、すばやくインダクタ
ー63を金型間(固定側61と移動側62間)より抜き
出し、移動側62を前進させて金型を閉じて射出成形を
行う。インダクター63は、断面積10mm3 の銅管を
互いに絶縁された状態で5mm間隔で渦巻き状に配置し
て皿形にし、それらを重ね合わせて耐熱シリコン樹脂で
注型して平板状に固定固化して作成する。この方法によ
り、図7に示すような片面に微細凹凸形状を有する投影
面積320cm2 の成形品を得る。熱可塑性樹脂として
はメタクリル樹脂を用いた。
【0034】(2)成形品の表面形状の転写率の測定 上記(1)で用いた微細凹凸形状を有する金属板64
(図6参照)、及び上記(1)の方法で得られた成形品
の表面及び断面形状をレーザー顕微鏡(レーザーテック
社製「1LM21W型」)で観察し、2次元平面像と3
次元立体像を得る。得られた像から、金属板凹部の容積
と成形品凸部の容積を求め、次の計算式によって定義さ
れる転写率を導出する。実質的には、転写率が0.7以
上であれば微細凹凸形状が転写された成形品として好ま
しいと判断できる。
【0035】(転写率)=(成形品凸部の容積)/(金
属板凹部の容積) (3)成形品の反り量の測定 上記(1)の方法で得られた成形品を金属定盤上に置
き、図7に示すゲート位置71近くの成形品の角(72
の位置)に質量200gの立方体形状のおもりを載せ
る。この時、ゲート対面の位置(73の位置)で成形品
と定盤との間にできる隙間をダイヤルゲージにて測定す
る。実質的には、反り量が0.2mm以下であれば成形
品の寸法精度として好ましい範囲であると判断できる。
【0036】(4)成形品の外観の評価 上記(1)の方法で得られた成形品を目視で観察し、シ
ルバーストリークス、ジェッティング、フローマーク、
ウェルドライン等の成形に伴う外観不良、及びクラッ
ク、クレージング等の材料強度不足に伴う外観不良を観
察する。
【0037】(5)成形品の環境試験 上記(3)、(4)の測定を行った成形品を70℃のギ
アオーブン(タバイエスペック社製「GPHH−200
型」)中に48時間エージングし、23℃×50%RH
の恒温室にて24時間放置した後、再び上記(3)、
(4)の測定を行い、エージング前後の反り量、及び外
観を比較評価する。反り量、外観の変化がないことが好
ましいが、反りの変化量については、実質的には0.2
mm以下であれば環境試験による成形品の寸法精度は保
たれる範囲であり、好ましいと判断できる。
【0038】(6)成形品の成形歪みの測定 図8に示すように 前記(1)の方法で得られた成形品
82を、偏光方向が互いに直角になるように配置した2
枚の偏光板81で挟み、下側の偏光板81を一様に蛍光
ランプ84で照らす。成形品82内部に成形歪みを生じ
ている場合、複屈折現象によりその部分のみ偏光角が変
化し上側の偏光板81を光が透過する。部分的に透過し
た光量を輝度計83(ミノルタカメラ社製「CA−10
00型」)で測定し、輝度値を成形歪み量として定義す
る。輝度値が大きいほど成形歪み量が大きいと評価でき
る。
【0039】実施例1及び2 熱可塑性樹脂として、メタクリル樹脂成形材料(旭化成
工業社製「デルペット70NHX」)を使用した。JI
S・K−7210のA法で測定したメルトフローレイト
は6.5g/10分、JIS・K−7207のB法で測
定した荷重たわみ温度は95℃である。本発明で定義さ
れる軟化温度は85℃である。
【0040】微細凹凸形状の構成単位がプリズム形状
で、しかもこの構成単位が直線状に配列された金属板を
組み込んだ金型を用い、表1に示す射出速度、保圧力の
条件で射出成形を行った。成形温度は240℃とした。
微細な凹凸形状の高さaと配列ピッチbの比b/aは2
である。また、高周波誘導加熱後の金型温度は表1に示
す温度とした。
【0041】得られた成形品を試験片として、前記
(2)〜(5)の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0042】表2からも明らかなように、実施例1、2
は、転写率は0.76、0.74を示し、非常に優れた
結果が得られた。また、反り、外観についても良好なも
のであった。更に、環境試験後も成形品の反り変化量は
両者共に0.1mmと小さく、しかも外観変化もなく、
この点でも優れたものであった。
【0043】比較例1 高周波誘導加熱を行わず、金型温度60℃で射出した以
外は総て実施例1及び2と同じ条件で射出成形を行い、
得られた成形品を試験片として前記(2)〜(5)の評
価を行った結果を表2に示す。
【0044】表2からも明らかなように、反り、外観は
良好であったが、転写率が0.53と小さく、表面形状
が充分に転写されているとは言えないものであった。
【0045】比較例2 メタクリル樹脂成形材料として、旭化成工業社製の「デ
ルペット720V」(JIS・K−7210のA法で測
定したメルトフローレイトは22g/10分、JIS・
K−7207のB法で測定した荷重たわみ温度は93
℃)を使用した以外は総て総て比較例1と同じ条件で射
出成形を行い、得られた成形品を試験片として前記
(2)〜(5)の評価を行った結果を表2に示す。
【0046】表2からも明らかなように、転写率は0.
7を示すが、ウェルドラインが発生し、また環境試験後
の反り変化量が0.4mmと大きく、しかもクラックが
発生した。
【0047】実施例3〜5 微細凹凸形状の構成単位が直方体形状で、ドット状に配
列された金属板を組み込んだ金型を用い、表1に示す高
周波誘導加熱後の金型温度、射出速度、保圧力の条件で
射出成形を行った以外は総て実施例1〜2と同じ条件で
射出成形を行った。微細な凹凸形状の高さaと配列ピッ
チbの比b/aは20である。
【0048】得られた成形品を試験片として、前記
(2)〜(4)、(6)の評価を行った。その結果を表
3に示す。
【0049】表3からも明らかなように、実施例3〜5
は、転写率は0.77、0.78、0.75を示し、非
常に優れた結果が得られた。また、反り、外観について
も良好なものであった。更に、成形歪み量を表す輝度値
も27、23、32ntと小さく、成形歪みが小さな成
形品が得られた。
【0050】比較例3及び4 高周波誘導加熱を行わず、金型温度60℃で射出すると
共に、射出速度、保圧力の条件を表1に示すように変化
させた以外は総て実施例3及び5と同じ条件で射出成形
を行い、得られた成形品を試験片として前記(2)〜
(4)、(6)の評価を行った結果を表3に示す。
【0051】比較例3、4は、転写率は0.55、0.
58と低く、成形歪み量も大きいものでしかなかった。
また、成形歪み量を表す輝度値も58、55ntと大き
く、成形歪みの大きい成形品であった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の射出成形法
によれば、微細な凹凸形状を有する成形品を、熱可塑性
樹脂が本来持つ物性を低下させず、外観不良や変形等を
伴わずに工業的に安定して生産することができる。ま
た、本発明の射出成形品は、種々の機能において優れ、
特に面照明光源用導光板として優れた性能を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形方法で行う高周波誘導加熱の
概念図である。
【図2】図1に示す高周波誘導加熱を行った場合の金型
の温度分布の一例を示すグラフである。
【図3】微細な凹凸形状の構成単位の形状例と、形状高
さa及び配列ピッチbの関係を示す説明図である。
【図4】他の微細な凹凸形状の構成単位の形状例と、形
状高さa及び配列ピッチbの関係を示す説明図である。
【図5】更に他の微細な凹凸形状の構成単位の形状例
と、形状高さa及び配列ピッチbの関係を示す説明図で
ある。
【図6】実施例で用いた金型の概念図である。
【図7】実施例で成形した成形品についての反り量の測
定方法の説明図である。
【図8】実施例で行った成形歪み測定方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
11 金型の固定側 12 金型の移動側 13 インダクター 61 金型の固定側 62 金型の移動側 63 インダクター 64 微細な凹凸形状を有する金属板 71 成形品のゲート位置 72 成形品の反り量測定のためにおもりを置く位置 73 成形品の反り量を測定する位置 81 偏光板 82 成形品 83 輝度計 84 蛍光ランプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を用いて、少なくとも一方
    の面に微細な凹凸形状が付与された板状成形品を射出成
    形する方法に於いて、該凹凸形状を転写させる金型表面
    を予め該熱可塑性樹脂の軟化温度以上に高周波誘導加熱
    して射出成形することを特徴とする微細な凹凸形状付成
    形品の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 微細な凹凸形状がプリズム形状を構成単
    位として配列されて成り、かつプリズム形状の高さaと
    配列ピッチbとの比b/aが0.2〜500であること
    を特徴とする請求項1に記載された射出成形方法。
  3. 【請求項3】 微細な凹凸形状が立方体状、直方体状、
    円筒状、楕円筒状の何れかの形状を構成単位として配列
    されて成り、かつ構成単位の形状の高さaと配列ピッチ
    bとの比b/aが2〜50であることを特徴とする請求
    項1に記載された射出成形方法。
  4. 【請求項4】 微細な凹凸形状面が梨地状で、JIS・
    B0601−1994法により測定した該凹凸形状面の
    表面粗さの最大高さ(Ry )が1〜100μmとなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載された射出成形方法。
  5. 【請求項5】 微細な凹凸形状が球面状または非球面状
    の形状を構成単位として配列されて成り、かつ形状の高
    さaとピッチbとの比b/aが0.2〜500であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載された射出成形方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂がメタクリル樹脂またはポ
    リカーボネイト樹脂であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載された射出成形方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載された射
    出成形方法を用いて成形されたことを特徴とする微細な
    凹凸形状付板状成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載された射
    出成形方法を用いて成形されたことを特徴とする面照明
    光源用導光板。
JP23828496A 1996-09-10 1996-09-10 微細な凹凸形状付成形品の射出成形方法及びその成形品 Withdrawn JPH1080940A (ja)

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