JPH108106A - 焼結体の製造方法 - Google Patents

焼結体の製造方法

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JPH108106A
JPH108106A JP16499496A JP16499496A JPH108106A JP H108106 A JPH108106 A JP H108106A JP 16499496 A JP16499496 A JP 16499496A JP 16499496 A JP16499496 A JP 16499496A JP H108106 A JPH108106 A JP H108106A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高品質のTiまたはTi合金焼結体を容易かつ
安価に製造すること。 【解決手段】焼結炉6を用い、TiまたはTi合金粉末
から構成される成形体10を焼結して焼結体を製造す
る。この場合、成形体10は、黒鉛のような炭素材料で
構成された容器1内の載置台5上に載置された状態で焼
結される。容器1は、筐体2と、筐体2の開口部21を
遮蔽する蓋体3とで構成され、蓋体3の装着時には、内
部が密閉状態が維持される。容器1内の開口部21の近
傍には、ゲッター材11が設置されている。このゲッタ
ー材11の充填量は、成形体10の総重量の48%以下
とすることができる。焼結炉6は、金属製の外壁7と、
外壁7の内側に接合され、炭素材料で構成された内壁8
と、ヒーター9とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TiまたはTi合
金粉末の成形体を焼結する焼結体の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】TiまたはTi合金は、軽量で強度が高
く、耐食性に優れる等の長所を有する金属材料である
が、その反面、加工性が悪く利用分野や対象物に制限が
ある。
【0003】このようなTiまたはTi合金は、一般に
は、鋳造、鍛造、機械加工等を経て最終製品となるが、
特殊な工具による切削加工や、レーザー加工を施したり
する必要が生じるので、製造が容易ではなく、製造コス
トも高い。特に、複雑で微細な形状への加工には、複雑
な製造工程と高度な技術とを要し、製造コストも大幅に
増大する。
【0004】このような問題を解決する方法として、T
iまたはTi合金粉末を所定の形状に成形(圧粉成形)
し、この成形体を焼結炉で焼結してTiまたはTi合金
の焼結体を製造する方法が提案されている(特開平6−
330105号公報)。
【0005】TiまたはTi合金の焼結体は、焼結時に
酸素、炭素が侵入すると脆化して強度が低下する。その
ため、酸素、炭素の侵入を抑制すべく、成形体をチタ
ン、モリブデン、タングステン等の金属やアルミナのよ
うなセラミックスで構成されたケース内に入れて焼結を
行っている。
【0006】しかしながら、このような金属やセラミッ
クスよりなるケースは、その製造、加工が容易ではな
く、また、特にチタン、モリブデン、テングステンのよ
うな金属材料は、それ自体高価であり、しかも、これら
のケースは、寿命が短く、使用可能な回数が少ないた
め、頻繁に交換しなければならない。
【0007】さらに、成形体とともにケース内に収納し
て使用するTi等よりなるゲッター材は、成形体重量の
50%以上の重量を必要とするため、高価なゲッター材
の消費量が多く、また、ゲッター材の充填作業にも手間
がかかり、成形体の収納スペースの減少から、生産性も
低い。
【0008】このようなことから、TiまたはTi合金
焼結体製品の製造は可能であっても、製造装置やその周
辺装置等に多大なコストがかかり、前述した問題を根本
的に解決するには至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高品
質のTiまたはTi合金焼結体を容易かつ安価に製造す
ることができる焼結体の製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。
【0011】(1) 主にTiまたはTi合金粉末から
構成される成形体を焼結して焼結体を製造するに際し、
前記成形体を炭素材料で構成された容器に収納した状態
で焼結することを特徴とする焼結体の製造方法。
【0012】(2) 主にTiまたはTi合金粉末から
構成される成形体を焼結して焼結体を製造するに際し、
前記成形体を炭素材料で構成された容器に収納し、さら
に前記容器を炭素材料で構成された壁部を有する焼結炉
内に入れた状態で、焼結することを特徴とする焼結体の
製造方法。
【0013】(3) 前記容器は、密閉または気体の出
入りを可及的に抑制し得る構造をなすものである上記
(1)または(2)に記載の焼結体の製造方法。
【0014】(4) 前記容器は、筐体と、該筐体の開
口部を遮蔽する蓋体とで構成されている上記(3)に記
載の焼結体の製造方法。
【0015】(5) 前記容器内にゲッター材を入れた
状態で焼結を行う上記(1)ないし(4)のいずれかに
記載の焼結体の製造方法。
【0016】(6) 前記容器内の前記開口部の近傍に
ゲッター材を配置した状態で焼結を行う上記(4)に記
載の焼結体の製造方法。
【0017】(7) 前記ゲッター材の充填量は、前記
成形体の総重量の5〜48%である上記(5)または
(6)に記載の焼結体の製造方法。
【0018】(8) 前記容器内に、焼結時に前記成形
体と反応しない材料で構成された成形体接触部を有する
載置台が設けられ、該載置台の前記成形体接触部上に前
記成形体を載置した状態で焼結を行う上記(1)ないし
(7)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
【0019】(9) 前記成形体接触部に炭素材料より
なる基材が接合されている上記(8)に記載の焼結体の
製造方法。
【0020】(10) 前記容器を構成する炭素材料は、
黒鉛または黒鉛を主とするものである上記(1)ないし
(9)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
【0021】(11) 前記成形体の焼結雰囲気は、1×
10-2Torr以下の真空または不活性ガスである上記
(1)ないし(10)のいずれかに記載の焼結体の製造方
法。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の焼結体の製造方法
を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0023】[1]成形体の製造 焼結に供される成形体は、(A)金属粉末射出成形法
(MIM:Metal Injection Molding )、(B)圧粉成
形法のいずれの方法で成形されたものでもよい。以下、
各方法について順次説明する。
【0024】(A−1) TiまたはTi合金よりなる
金属粉末と結合材(有機バインダー)とを用意し、これ
らを混練機により混練し、混練物(コンパウンド)を得
る。
【0025】Ti合金を構成するTi以外の金属として
は、例えば、Fe、Cr、Pd、Co、Zr、Al、
V、Mo、Sn、Ag、Niのうちの1種または2種以
上が挙げられる。この場合、Ti以外の金属の合計含有
量は、60wt%以下であるのが好ましく、50wt%以下
であるのがより好ましい。
【0026】また、金属粉末中には、O、C、N、H等
の元素が微量(不可避的に)含まれていてもよい。この
場合、これらの各元素の含有量は、O:0.3wt%以
下、C:0.5wt%以下、N:0.5wt%以下、H:
1.0wt%以下であるのが好ましく、また、O、C、
N、Hの合計含有量は、2.3wt%以下であるのが好ま
しい。これらの元素の含有量が多過ぎると、得られた焼
結体の脆化により、強度が低下する。
【0027】金属粉末の平均粒径は、特に限定されない
が、通常、2〜300μm 程度が好ましく、5〜50μ
m 程度がより好ましい。
【0028】一方、結合材としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチ
レン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリビニルアルコー
ル、またはこれらの共重合体等の各種樹脂や、各種ワッ
クス、パラフィン、高級脂肪酸(例:ステアリン酸)、
高級アルコール、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミ
ド、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリ
ット酸エステル、セバシン酸エステル等が挙げられ、こ
れらのうちの1種または2種以上を混合して用いること
ができる。
【0029】このような結合材の合計添加量は、4〜2
5wt%程度が好ましく、8〜20wt%程度がより好まし
い。4wt%未満では、成形時における流動性が乏しくな
り、射出成形が不能または困難となるか、あるいは成形
物の組成が不均一となり、25wt%を超えると、射出成
形により得られた成形体を焼成した際の収縮率が増大
し、寸法精度が低下し、また、焼結体における空孔率や
含有C量が増大する傾向を示す。
【0030】なお、混練に際しては、前記金属粉末およ
び結合材の他に、例えば、可塑剤、潤滑剤、酸化防止
剤、脱脂促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応
じ添加することができる。
【0031】混練条件は、用いる金属粉末の粒径、結合
材の組成およびその配合量等の諸条件により異なるが、
その一例を挙げれば、混練温度:常温〜160℃程度、
混練時間:20〜210分程度とすることができる。
【0032】(A−2) 前記(A−1)の工程で得ら
れた混練物(または該混練物より造粒されたペレット)
を用いて、射出成形機により射出成形し、所望の形状の
成形体を製造する。この場合、成形金型の選択により、
複雑で微細な形状の成形体をも容易に製造することがで
きる。
【0033】射出成形の成形条件としては、用いる金属
粉末の粒径、結合材の組成およびその配合量等の諸条件
により異なるが、その一例を挙げれば、材料温度(金型
温度)が好ましくは80〜200℃程度、射出圧力が好
ましくは20〜150kgf/cm2 程度とされる。
【0034】(A−3) 前記(A−2)の工程で得ら
れた成形体に脱脂処理(脱バインダー処理)を施す。こ
の脱脂処理としては、非酸化性雰囲気、例えば真空また
は減圧状態下(例えば1×10-1〜1×10-6 Torr )
または窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中で、熱
処理を行うことによりなされる。
【0035】この場合、熱処理条件としては、好ましく
は温度50〜700℃程度で3〜72時間程度、より好
ましくは温度60〜550℃程度で6〜36時間程度と
される。
【0036】なお、この脱脂処理は、結合材や添加剤中
の特定成分を所定の溶媒(液体、気体)を用いて溶出さ
せることにより行ってもよい。
【0037】(B−1) 圧粉成形法の場合、前述した
TiまたはTi合金よりなる金属粉末と、成形助剤等の
添加剤とを均一に混合し、この混合物を、加圧成形機の
金型内に充填し、加圧成形する。これにより、所望形状
の成形体を得る。
【0038】成形助剤としては、例えば、各種ワック
ス、パラフィン、高級脂肪酸(例:ステアリン酸)等が
挙げられる。このような成形助剤の添加量は、例えば、
0.5〜5wt%程度とされる。
【0039】また、加圧成形時の材料温度(金型温度)
は、好ましくは常温〜80℃程度、圧力は、好ましくは
20〜120kgf/cm2 程度とされる。
【0040】(B−2) 必要に応じ、前記と同様の脱
脂処理を施す。
【0041】[2]成形体の焼結 以上のようにして得られた成形体を焼結炉で焼成して焼
結し、金属焼結体を製造する。
【0042】図1は、本発明の焼結体の製造方法に用い
られる焼結炉の構造を模式的に示す断面図、図2は、成
形体を収納する容器の構造を示す斜視図である。
【0043】成形体10は、炭素材料で構成された容器
1内に収納され、さらにこの容器1を焼結炉6内に入
れ、焼結炉6を作動して焼結がなされる。
【0044】容器1は、一端側に開口部21を有する筐
体2と、開口部21を遮蔽する蓋体3とで構成されてい
る。図2に示すように、蓋体3は、その四隅において螺
子部材4により筐体2に対し固定され、開口部21を遮
蔽する。蓋体3が開口部21を遮蔽した状態では、容器
1は、密閉状態(または半密閉状態)あるいは筐体2の
蓋体3との接合部を介しての気体の出入りが可及的に抑
制された状態となる。
【0045】また、容器1内の開口部21の近傍、すな
わち蓋体3の裏面付近には、後述するゲッター材11
が、開口部21のほぼ全域を塞ぐように配置されてい
る。ゲッター材11をこのような箇所、すなわち、容器
1の内外における気体の流通が生じ易い箇所に配置する
ことにより、後述するゲッター材11の機能をより有効
に発揮することができ、ゲッター材11の充填量の減少
にも寄与する。
【0046】また、容器1内には、成形体10を載置す
る載置台5が設置されている。載置台5は、炭素材料よ
りなる板状の基材51と、この基材51の上側に接合さ
れた板状の成形体接触部52とで構成されている。成形
体10は、成形体接触部52上に載置された状態で焼結
される。
【0047】成形体接触部52は、焼結時に成形体10
と反応しない(または反応し難い)材料で構成されてい
る。このような材料としては、例えば、ジルコニア、マ
グネシア、カルシア等の酸化物系セラミックスが挙げら
れる。
【0048】基材51は、支持部材としての機能の他
に、成形体接触部52の強度を補強する機能を有してい
る。
【0049】このような成形体接触部52を有する載置
台5を用いることにより、焼結時における成形体10と
の反応を抑制し、得られた焼結体の品質や寸法精度を向
上することができる。
【0050】容器1、すなわち筐体2および蓋体3を構
成する炭素材料としては、例えば、黒鉛(天然または人
造)、ガラス状炭素、グラファイト、炭素繊維や炭素粉
の集合体等が挙げられるが、そのなかでも特に、高強度
で不純物が少なく、安価であることから、黒鉛または黒
鉛を主とするものが好ましい。また、載置台5の基材5
1を構成する炭素材料についても、同様である。
【0051】また、特に、強度を要する螺子部材4等
は、炭素繊維の集合体を用いるのが好ましい。
【0052】黒鉛等の炭素材料は、熱伝導率が高く、従
って、このような材料で容器1を構成することにより、
焼結開始時に、容器1内の成形体10を迅速かつ均一に
加熱し、焼結することができる。また、黒鉛等の炭素材
料は、安価であり、しかも加工性に優れているため、容
器1を容易かつ安価に製造することができる。
【0053】特に、複雑な形状の容器1を作製する場合
に有利である。一例を挙げれば、容器1の内壁面に、例
えば載置台5を支持するための溝または段差(図示せ
ず)等を形成する場合にも、切削等によりこれらを容易
に加工、形成することができる。
【0054】さらに、黒鉛等の炭素材料は、耐熱性に優
れ、焼結時の熱により変形、変質等の劣化や破損を生じ
ないので、1つの容器1を多数回繰り返し使用すること
ができ、寿命が長い。従って、容器1の劣化による交換
を行う必要がなく(または交換の頻度が少なく)、取扱
性に優れるとともに、更なる製造コストの低減に寄与す
る。
【0055】ゲッター材11は、焼結時に、O、C等の
物質が成形体10へ付着、侵入するのを防止するため
に、これらの物質を事前に吸着(トラップ)するもので
あり、例えば前述したようなTiまたはTi合金、Zr
またはZr合金等で構成されている。また、ゲッター材
11の形態は、表面積を増大するために、多孔質体(ス
ポンジ状)、切削屑、繊維(細線)の集合体、粒状物や
粉末の集合体等で構成されているのが好ましい。
【0056】本発明においては、ゲッター材11を前述
したような箇所に設置すること等により、ゲッター材1
1の容器1への充填量を従来に比べ少なくしても、高品
質の焼結体を製造することができる。すなわち、ゲッタ
ー材11の充填量は、成形体10の総重量の5〜48%
程度とするのが好ましく、10〜40%程度とするのが
より好ましい。5%未満であると、ゲッター材11の機
能が十分に発揮されず、容器1の密閉度が低い場合等
に、得られた焼結体が脆化するおそれがある。また、4
8%を超えると、容器1内におけるゲッター材11の占
有スペースが大きくなり、その分成形体10の収納スペ
ースが小さくなるので、焼結体の製造効率(生産性)の
低下を招く。
【0057】このように、ゲッター材11の充填量が少
ないということは、ゲッター材11の消費量が少ないと
いうことであり、従って、これによるコストの低減も図
れ、しかも、ゲッター材11の充填作業の軽減により、
作業性も向上する。
【0058】なお、容器1の密閉度が高い場合等、他の
条件によっては、ゲッター材11の充填量を成形体10
の総重量の5%未満(0を含む)としてもよいことは、
言うまでもない。
【0059】焼結炉6は、例えばステンレス鋼のような
金属製の外壁7と、外壁7の内側に接合され、炭素材料
で構成された内壁8とを有しており、内壁62の内側
に、容器1を収納し得る空間60が形成されている。ま
た、内壁62の内部の空間60を介して対向する位置に
は、それぞれ、黒鉛ヒーターのようなヒーター9が設置
されている。
【0060】内壁8を構成する炭素材料としては、炭素
繊維(黒鉛繊維等)や炭素粉の集合体が好ましい。内壁
8をこのような炭素材料で構成することにより、前述し
たように、優れた熱伝導性が得られ、また、劣化も生じ
ず、内壁8を容易に製造、加工することができ、そのコ
ストも安価となる。
【0061】このような焼結炉6を用いて焼結を行う場
合には、まず、容器1の載置台5上に成形体10を載置
し、筐体2に蓋体3を装着して開口部21を遮蔽し、さ
らにこの容器1を焼結炉6の空間60に入れ、ヒーター
9を作動して焼結炉6内を所定温度に加熱する。
【0062】このような焼結における焼結条件として
は、好ましくは温度800〜1450℃程度で2〜30
時間程度、より好ましくは温度1000〜1350℃程
度で2.5〜20時間程度とされる。
【0063】この場合、焼結雰囲気(容器1内の雰囲
気)は、非酸化性雰囲気、すなわち真空または減圧状態
下(好ましくは1×10-2 Torr 以下、より好ましくは
1×10-2〜1×10-6 Torr )、あるいは、窒素ガ
ス、アルゴンガス等の不活性ガス中、その他還元性雰囲
気中であるのが好ましい。また、焼結雰囲気は、焼結の
途中で入れ替えられてもよい。
【0064】なお、以上のような焼結は、2回以上行う
こともできる。
【0065】以上のような各工程を経て製造された焼結
体は、高品質、すなわち高強度、高硬度で、O、C等の
含有量も低く、また、形状も均一で(バラツキがな
く)、寸法精度も高いものである。
【0066】また、焼結体中の空孔率も低く、強度の向
上等に寄与する。例えば、空孔率を好ましくは10%以
下、より好ましくは1〜5%程度、さらに好ましくは1
〜3.5%程度とすることができる。
【0067】
【実施例】次に、本発明の焼結体の製造方法の具体的実
施例について説明する。
【0068】(実施例1〜3)表1に示す組成の金属粉
末と、ステアリン酸(成形助剤):1wt%とを均一に混
合し、この混合物を加圧成形機の金型内に充填し、長さ
50mm×幅10mm×厚さ5mmの板状に圧粉成形した。な
お、成形は、常温、成形圧100kgf/cm2 で行った。
【0069】
【表1】
【0070】次に、得られた成形体をゲッター材ととも
に黒鉛製の容器に入れ、図1に示す構成の炭素繊維より
なる内壁と黒鉛ヒータとを有する焼結炉で焼結した。
【0071】黒鉛製容器は、筐体と蓋体とを有し、蓋体
装着時には実質的に密閉状態を維持可能なものであり、
その容積は、約0.05m3であった。また、黒鉛製容器
内には、黒鉛板とジルコニアよりなる成形体接触層とを
接合してなる載置台が設けられ、この載置台上に複数の
成形体を載置して焼結を行った。
【0072】また、ゲッター材は、スポンジ状の純チタ
ンを用い、筐体の開口部を塞ぐように配置した。ゲッタ
ー材の容器への充填量を3段階に変更し、これらをそれ
ぞれ実施例1、2、3とした。
【0073】また、焼結は、1200℃、3時間の条件
で行い、焼結雰囲気は、5×10-3Torrの真空とした。
【0074】得られた焼結体について、機械的強度の指
標の1つである長さ方向の伸び率を測定するとともに、
含有するC量およびO量と、空孔率とを分析・測定し
た。
【0075】また、成形体を収納する容器の製造容易性
を調べた。この製造容易性は、容器を元材から加工し、
組み立てを完了するまでの時間を測定し、その時間と、
加工に要した手間とを総合的に判断して、製造が容易な
順に◎、○、△、×の4段階で評価した。
【0076】また、容器を繰り返し使用して焼結を行
い、その寿命(有効使用回数)を調べた。この有効使用
回数は、容器に、変形、変質、破損、密閉度の低下等の
何らかの異常が生じるまでの使用回数とした。
【0077】以上の各結果を下記表2に示す。
【0078】(比較例1〜4)成形体を収納する容器
を、それぞれ、チタン(比較例1)、モリブデン(比較
例2)、アルミナ(比較例3)で構成した以外は実施例
1〜3と同様にして焼結体を製造し、同様の測定を行っ
た。
【0079】また、容器を用いず、成形体を直接焼結炉
内に入れて焼結を行った以外は実施例1〜3と同様にし
て焼結体を製造し、同様の測定を行った(比較例4)。
【0080】これらの結果を下記表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】表2に示すように、実施例1〜3では、い
ずれも、ゲッター材の充填量が少ないにもかかわらず、
得られた焼結体は、比較例1〜4と同等以上の品質、す
なわち高伸び率(高強度)、低C量、低O量、低空孔率
を達成している。
【0083】また、実施例1〜3の黒鉛製容器は、比較
例1〜3に比べ、加工性、製造の容易性が格段に優れて
おり、また、寿命(有効使用回数)も長く、コストを大
幅に削減することができた。
【0084】さらに、実施例1〜3では、比較例1〜4
に比べ、作業性にも優れていた。
【0085】(実施例4〜6)表1に示す組成の金属粉
末と、アクリル系樹脂:5wt%およびワックス:5wt%
から構成される結合材と、ジブチルフタレート(可塑
剤):1wt%とを混合し、これらを混練機にて90℃、
2時間の条件で混練した。
【0086】次に、この混練物を用い、射出成形機にて
金属粉末射出成形し、成形体(腕時計ケース)を得た。
射出成形時における成形条件は、金型温度150℃、射
出圧力50kgf/cm2 であった。
【0087】なお、成形体は、外径30mmの円盤状をな
しており、その外周部等に複雑で微細な凹凸が形成され
たものである。
【0088】次に、得られた成形体に対し、400℃の
窒素ガス雰囲気中で2時間脱脂した。
【0089】その後、黒鉛製容器の容積を約0.1m3
した以外は実施例1〜3と同様の条件で、成形体を焼結
した。成形体の総量およびゲッター材の容器への充填量
の組み合わせを変更し、これらをそれぞれ実施例4、
5、6とした。
【0090】得られた焼結体について、機械的強度の指
標の1つであるビッカース硬度(Hv)を測定するとと
もに、含有するC量およびO量と、空孔率とを分析・測
定した。
【0091】また、前記と同様の方法で、容器の製造容
易性および寿命(有効使用回数)を調べた。
【0092】以上の各結果を下記表3に示す。
【0093】(比較例5〜8)成形体を収納する容器
を、それぞれ、チタン(比較例5)、モリブデン(比較
例6)、アルミナ(比較例7)で構成した以外は実施例
4〜6と同様にして焼結体を製造し、同様の測定を行っ
た。
【0094】また、容器を用いず、成形体を直接焼結炉
内に入れて焼結を行った以外は実施例4〜6と同様にし
て焼結体を製造し、同様の測定を行った(比較例8)。
【0095】これらの結果を下記表3に示す。
【0096】
【表3】
【0097】表3に示すように、実施例4〜6では、い
ずれも、ゲッター材の充填量が少ないにもかかわらず、
得られた焼結体は、比較例5〜8と同等以上の品質、す
なわち高硬度(高強度)、低C量、低O量、低空孔率を
達成している。さらに、実施例4〜6による焼結体は、
複雑な形状であるにもかかわらず、その形状は均一であ
り、各部の寸法精度も高いものであった。
【0098】また、実施例4〜6の黒鉛製容器は、比較
例5〜7に比べ、加工性、製造の容易性が格段に優れて
おり、また、寿命(有効使用回数)も長く、コストを大
幅に削減することができた。
【0099】さらに、実施例4〜6では、比較例5〜8
に比べ、作業性にも優れていた。
【0100】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の焼結体の製
造方法によれば、軽量でかつ十分な機械的強度、硬度を
有する高品質のTiまたはTi合金焼結体を、容易かつ
安価に製造することができる。
【0101】特に、ゲッター材の充填量が少なくても、
このような効果が得られるので、更なる製造コストの低
減と、生産性の向上とが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結体の製造方法に用いられる焼結炉
の構造を模式的に示す断面図である。
【図2】成形体を収納する容器の構造を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 2 筐体 21 開口部 3 蓋体 4 螺子部材 5 載置台 51 基材 52 成形体接触部 6 焼結炉 7 外壁 8 内壁 9 ヒーター 10 成形体 11 ゲッター材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主にTiまたはTi合金粉末から構成さ
    れる成形体を焼結して焼結体を製造するに際し、 前記成形体を炭素材料で構成された容器に収納した状態
    で焼結することを特徴とする焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 主にTiまたはTi合金粉末から構成さ
    れる成形体を焼結して焼結体を製造するに際し、 前記成形体を炭素材料で構成された容器に収納し、さら
    に前記容器を炭素材料で構成された壁部を有する焼結炉
    内に入れた状態で、焼結することを特徴とする焼結体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記容器は、密閉または気体の出入りを
    可及的に抑制し得る構造をなすものである請求項1また
    は2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記容器は、筐体と、該筐体の開口部を
    遮蔽する蓋体とで構成されている請求項3に記載の焼結
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記容器内にゲッター材を入れた状態で
    焼結を行う請求項1ないし4のいずれかに記載の焼結体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記容器内の前記開口部の近傍にゲッタ
    ー材を配置した状態で焼結を行う請求項4に記載の焼結
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ゲッター材の充填量は、前記成形体
    の総重量の5〜48%である請求項5または6に記載の
    焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記容器内に、焼結時に前記成形体と反
    応しない材料で構成された成形体接触部を有する載置台
    が設けられ、該載置台の前記成形体接触部上に前記成形
    体を載置した状態で焼結を行う請求項1ないし7のいず
    れかに記載の焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記成形体接触部に炭素材料よりなる基
    材が接合されている請求項8に記載の焼結体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記容器を構成する炭素材料は、黒鉛
    または黒鉛を主とするものである請求項1ないし9のい
    ずれかに記載の焼結体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記成形体の焼結雰囲気は、1×10
    -2Torr以下の真空または不活性ガスである請求項1ない
    し10のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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