JPH108217A - 耐孔食性に優れた蒸気タービンブレード用ステンレス鋼 - Google Patents
耐孔食性に優れた蒸気タービンブレード用ステンレス鋼Info
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- JPH108217A JPH108217A JP17437896A JP17437896A JPH108217A JP H108217 A JPH108217 A JP H108217A JP 17437896 A JP17437896 A JP 17437896A JP 17437896 A JP17437896 A JP 17437896A JP H108217 A JPH108217 A JP H108217A
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Landscapes
- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 原子力用給水ポンプ駆動用蒸気タービンのよ
うな湿り蒸気中で使用できるブレード用ステンレス鋼を
提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.05%以下、Si:
1.0%以下、Ni:6.0〜7.0%、Cr:14.
0〜16.0%、Mo:0.5〜1.0%、Cu:1.
25〜1.75%、Nb:0.20〜0.75%、A
l:0.001〜0.05%を含み、残部が実質的にF
eおよび不可避の不純物よりなり、特にMn、S、Oを
それぞれMn:0.2%以下、S:0.002%以下、
O:0.0015%以下に制限したことを特徴とする耐
孔食性に優れたブレード用ステンレス鋼。
うな湿り蒸気中で使用できるブレード用ステンレス鋼を
提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.05%以下、Si:
1.0%以下、Ni:6.0〜7.0%、Cr:14.
0〜16.0%、Mo:0.5〜1.0%、Cu:1.
25〜1.75%、Nb:0.20〜0.75%、A
l:0.001〜0.05%を含み、残部が実質的にF
eおよび不可避の不純物よりなり、特にMn、S、Oを
それぞれMn:0.2%以下、S:0.002%以下、
O:0.0015%以下に制限したことを特徴とする耐
孔食性に優れたブレード用ステンレス鋼。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力用給水ポン
プの駆動用蒸気タービン用動翼材に関するもので、動翼
材としての基本強度を有し、かつ室温から200℃まで
の温度域の湿り蒸気中で、優れた耐孔食性を有するステ
ンレス鋼に関するものである。
プの駆動用蒸気タービン用動翼材に関するもので、動翼
材としての基本強度を有し、かつ室温から200℃まで
の温度域の湿り蒸気中で、優れた耐孔食性を有するステ
ンレス鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、蒸気タービン用動翼材には、SU
S410、SUS403等の12%Cr系のマルテンサ
イト系ステンレス鋼が使用され、長い使用実績があるこ
とは周知のとおりである。
S410、SUS403等の12%Cr系のマルテンサ
イト系ステンレス鋼が使用され、長い使用実績があるこ
とは周知のとおりである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、使用されている
12%Cr鋼では、限られた湿り蒸気(例えば、温度:
30〜170℃,流体:蒸気,湿り度:3〜20%)の
ような特別な条件で使用する場合に耐孔食性が必ずしも
十分でない場合もあり、耐孔食性のさらなる向上が望ま
れていた。一方、高強度でかつ耐食性の良好な材料とし
て、航空機用に使用される米国航空機材料規格(Aer
ospace Material Specificat
ion)のAMS5763鋼やJIS規格の17−4P
H鋼、15−5PH鋼、PH13−8Mo鋼等の析出硬
化型ステンレス鋼が知られている。今回、高耐食性鋼と
して知られている上記のAMS5763鋼を90℃、
3.5%NaCl、pH7、溶存酸素(以下DOと記
す)濃度 200ppbの環境中で500hr浸漬試験し
てみた結果、耐孔食性は従来鋼である12%Cr鋼と比
較して改善されたものの、まだ十分とは言えないことが
わかった。これまで、耐食性に優れた析出硬化型ステン
レス鋼としては、特開昭54−71025号や特開平0
1−119649号などの鋼が多数提案されている。
12%Cr鋼では、限られた湿り蒸気(例えば、温度:
30〜170℃,流体:蒸気,湿り度:3〜20%)の
ような特別な条件で使用する場合に耐孔食性が必ずしも
十分でない場合もあり、耐孔食性のさらなる向上が望ま
れていた。一方、高強度でかつ耐食性の良好な材料とし
て、航空機用に使用される米国航空機材料規格(Aer
ospace Material Specificat
ion)のAMS5763鋼やJIS規格の17−4P
H鋼、15−5PH鋼、PH13−8Mo鋼等の析出硬
化型ステンレス鋼が知られている。今回、高耐食性鋼と
して知られている上記のAMS5763鋼を90℃、
3.5%NaCl、pH7、溶存酸素(以下DOと記
す)濃度 200ppbの環境中で500hr浸漬試験し
てみた結果、耐孔食性は従来鋼である12%Cr鋼と比
較して改善されたものの、まだ十分とは言えないことが
わかった。これまで、耐食性に優れた析出硬化型ステン
レス鋼としては、特開昭54−71025号や特開平0
1−119649号などの鋼が多数提案されている。
【0004】ところで、本発明のステンレス鋼が対象と
するような、蒸気タービン中の限られた条件での湿り蒸
気中で、耐孔食性を評価するためには、ほぼ中性でDO
濃度をコントロールし、さらにpH、温度等も制御した
環境で行なう必要がある。しかし特開昭54−7102
5号に開示されているステンレス鋼は、孔食電位測定
(30℃、3.5%NaCl)によって耐孔食性を評価
しているのみで、本発明のように実環境に近い雰囲気で
の湿り蒸気中で浸漬試験を行なって評価しておらず、本
発明鋼のような蒸気タービンブレード用で使用できるか
どうか明らかではない。また特開平01−119649
号に開示されているステンレス鋼は、沸騰5%硫酸液雰
囲気での腐食減量によって耐孔食性を評価しているのみ
で、本発明のような環境での耐孔食性の評価は行なって
おらず、蒸気タービンブレード用に使用できるかどうか
明らかではない。また、これらに開示されているステン
レス鋼には耐孔食性に有害な不純物の規定はなく、特開
平01−119649号に一般論としてP、S、O、H
の総量を350ppm以下が良いと述べているのにとど
まっている。
するような、蒸気タービン中の限られた条件での湿り蒸
気中で、耐孔食性を評価するためには、ほぼ中性でDO
濃度をコントロールし、さらにpH、温度等も制御した
環境で行なう必要がある。しかし特開昭54−7102
5号に開示されているステンレス鋼は、孔食電位測定
(30℃、3.5%NaCl)によって耐孔食性を評価
しているのみで、本発明のように実環境に近い雰囲気で
の湿り蒸気中で浸漬試験を行なって評価しておらず、本
発明鋼のような蒸気タービンブレード用で使用できるか
どうか明らかではない。また特開平01−119649
号に開示されているステンレス鋼は、沸騰5%硫酸液雰
囲気での腐食減量によって耐孔食性を評価しているのみ
で、本発明のような環境での耐孔食性の評価は行なって
おらず、蒸気タービンブレード用に使用できるかどうか
明らかではない。また、これらに開示されているステン
レス鋼には耐孔食性に有害な不純物の規定はなく、特開
平01−119649号に一般論としてP、S、O、H
の総量を350ppm以下が良いと述べているのにとど
まっている。
【0005】以上のように原子力用給水ポンプ駆動用蒸
気タービンブレードのような湿り蒸気中で良好な耐孔食
性をもつステンレス鋼は従来見あたらなかった。本発明
の目的は、かかる点に鑑み、原子力用給水ポンプ駆動用
蒸気タービンのような湿り蒸気中で使用できるブレード
用ステンレス鋼を提供するものである。
気タービンブレードのような湿り蒸気中で良好な耐孔食
性をもつステンレス鋼は従来見あたらなかった。本発明
の目的は、かかる点に鑑み、原子力用給水ポンプ駆動用
蒸気タービンのような湿り蒸気中で使用できるブレード
用ステンレス鋼を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、耐孔食性を
改善すべく鋭意検討を行なった。その結果、特定の組成
を有するステンレス鋼において特に不純物であるMn、
S、Oの量を規定量以下に低減させることによって、孔
食の起点となる非金属介在物(MnS、Al2O3)を低
減することで、90℃、3.5%NaCl、pH7、2
00ppbDO濃度の環境中で500hr浸漬した後
の、孔食の深さが小さくなり、耐孔食性が大幅に改善さ
れることを新規に見出し、本発明に到ったものである。
改善すべく鋭意検討を行なった。その結果、特定の組成
を有するステンレス鋼において特に不純物であるMn、
S、Oの量を規定量以下に低減させることによって、孔
食の起点となる非金属介在物(MnS、Al2O3)を低
減することで、90℃、3.5%NaCl、pH7、2
00ppbDO濃度の環境中で500hr浸漬した後
の、孔食の深さが小さくなり、耐孔食性が大幅に改善さ
れることを新規に見出し、本発明に到ったものである。
【0007】すなわち、本発明の第1発明は、重量%
で、C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Ni:
6.0〜7.0%、Cr:14.0〜16.0%、M
o:0.5〜1.0%、Cu:1.25〜1.75%、
Nb:0.20〜0.75%、Al:0.001〜0.
05%を含み、残部が実質的にFeおよび不可避の不純
物よりなり、特にMn、S、OをそれぞれMn:0.2
%以下、S:0.002%以下、O:0.0015%以
下に制限したことを特徴とし、非金属介在物であるMn
S、Al2O3を低減させたものである。また第2発明
は、90℃、3.5%NaCl、pH7、200ppb
DO濃度の環境中で、500hr浸漬試験を行なった後
に発生する孔食ピットの最大深さを0.012μm以下
に制限したことを特徴とする耐孔食性に優れたブレード
用ステンレス鋼である。
で、C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Ni:
6.0〜7.0%、Cr:14.0〜16.0%、M
o:0.5〜1.0%、Cu:1.25〜1.75%、
Nb:0.20〜0.75%、Al:0.001〜0.
05%を含み、残部が実質的にFeおよび不可避の不純
物よりなり、特にMn、S、OをそれぞれMn:0.2
%以下、S:0.002%以下、O:0.0015%以
下に制限したことを特徴とし、非金属介在物であるMn
S、Al2O3を低減させたものである。また第2発明
は、90℃、3.5%NaCl、pH7、200ppb
DO濃度の環境中で、500hr浸漬試験を行なった後
に発生する孔食ピットの最大深さを0.012μm以下
に制限したことを特徴とする耐孔食性に優れたブレード
用ステンレス鋼である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明鋼の成分限定理由に
ついて述べる。最初に、本発明鋼に添加する合金元素の
限定理由について述べる。Cは、本発明の強度を確保す
るために必要なマルテンサイト組織を得るために必要な
元素であり、焼入性を確保するために、0.03%は必
要であるが、0.05%を超えて含有すると、Cr炭化
物が多く析出しCr酸化皮膜の均一性が失われ、耐孔食
性が、劣化するので、0.03〜0.05%とした。S
iは、脱酸剤として少量添加するが、その含有量が多す
ぎる場合は、靭性が低下するので、1.0%以下とし
た。
ついて述べる。最初に、本発明鋼に添加する合金元素の
限定理由について述べる。Cは、本発明の強度を確保す
るために必要なマルテンサイト組織を得るために必要な
元素であり、焼入性を確保するために、0.03%は必
要であるが、0.05%を超えて含有すると、Cr炭化
物が多く析出しCr酸化皮膜の均一性が失われ、耐孔食
性が、劣化するので、0.03〜0.05%とした。S
iは、脱酸剤として少量添加するが、その含有量が多す
ぎる場合は、靭性が低下するので、1.0%以下とし
た。
【0009】Niは、耐孔食性、靭性を向上させ、また
高温でオーステナイトを安定化することでマルテンサイ
ト組織を得るのに必要な元素であるが、6.0%より少
ないと、δフェライトが生成し、耐孔食性を劣化させ
る。一方、7.0%を超えると、残留オーステナイト
が、安定化しすぎて強度が低下するので、Niは、6.
0〜7.0%とした。Crは、一般的な耐食性を向上さ
せるだけでなく、90℃、3.5%NaCl、pH7、
200ppbDO濃度の環境中での耐孔食性を向上させ
る最も重要な元素であり、本鋼の場合は、14.0%以
上でその効果が、顕著になる。しかし同時にフェライト
形成元素でもあるので、その含有量が、16.0%を超
えると、δフェライトが増加して強度、耐孔食性ともに
劣化する。したがってCrは、14.0〜16.0%と
した。
高温でオーステナイトを安定化することでマルテンサイ
ト組織を得るのに必要な元素であるが、6.0%より少
ないと、δフェライトが生成し、耐孔食性を劣化させ
る。一方、7.0%を超えると、残留オーステナイト
が、安定化しすぎて強度が低下するので、Niは、6.
0〜7.0%とした。Crは、一般的な耐食性を向上さ
せるだけでなく、90℃、3.5%NaCl、pH7、
200ppbDO濃度の環境中での耐孔食性を向上させ
る最も重要な元素であり、本鋼の場合は、14.0%以
上でその効果が、顕著になる。しかし同時にフェライト
形成元素でもあるので、その含有量が、16.0%を超
えると、δフェライトが増加して強度、耐孔食性ともに
劣化する。したがってCrは、14.0〜16.0%と
した。
【0010】Moは、Crと共に適量を必須添加するこ
とで、90℃、3.5%NaCl、pH7、200pp
bDO濃度の環境中での耐孔食性向上に非常に有効な元
素であるが、0.5%未満の添加量では、所望の効果が
得られない。一方、フェライト形成元素であるので、
1.0%を超えて含有させると、δフェライトが増加し
て強度、靭性さらに耐孔食性も劣化する。したがってM
oは、0.5〜1.0%とした。Cuは、時効処理によ
って微細な析出物を形成し、本鋼における強度を高め
る。その含有量が、1.25%より少ないと、所望の強
度が得られない。一方、その含有量が1.75%を超え
ると、熱間加工性が低下するため、Cuは、1.25〜
1.75%とした。
とで、90℃、3.5%NaCl、pH7、200pp
bDO濃度の環境中での耐孔食性向上に非常に有効な元
素であるが、0.5%未満の添加量では、所望の効果が
得られない。一方、フェライト形成元素であるので、
1.0%を超えて含有させると、δフェライトが増加し
て強度、靭性さらに耐孔食性も劣化する。したがってM
oは、0.5〜1.0%とした。Cuは、時効処理によ
って微細な析出物を形成し、本鋼における強度を高め
る。その含有量が、1.25%より少ないと、所望の強
度が得られない。一方、その含有量が1.75%を超え
ると、熱間加工性が低下するため、Cuは、1.25〜
1.75%とした。
【0011】Nbは、鋼中のCをNbCとして固定する
ことによって結晶粒界へのCr炭化物の析出を抑制する
ことによって、90℃、3.5%NaCl、pH7、2
00ppbDO濃度の環境中での耐孔食性の向上に有効
な元素であり、0.20%未満ではその効果が不十分で
ある。一方、0.75%を超えると、粗大なNbCを形
成して熱間加工性を害するため、Nbは、0.20〜
0.75%とした。Alは、脱酸材として使用するため
0.001%は必要であるが、その含有量が0.05%
を超えると、造塊時に非金属介在物である酸化物(Al
2O3)を多く形成し、それを起点とする孔食が発生し、
耐孔食性が低下する。したがってAlは0.001%〜
0.05%とした。
ことによって結晶粒界へのCr炭化物の析出を抑制する
ことによって、90℃、3.5%NaCl、pH7、2
00ppbDO濃度の環境中での耐孔食性の向上に有効
な元素であり、0.20%未満ではその効果が不十分で
ある。一方、0.75%を超えると、粗大なNbCを形
成して熱間加工性を害するため、Nbは、0.20〜
0.75%とした。Alは、脱酸材として使用するため
0.001%は必要であるが、その含有量が0.05%
を超えると、造塊時に非金属介在物である酸化物(Al
2O3)を多く形成し、それを起点とする孔食が発生し、
耐孔食性が低下する。したがってAlは0.001%〜
0.05%とした。
【0012】以下、本発明鋼の不純物元素の制限理由に
ついて述べる。Mnは、Siと同様で、脱酸剤として少
量添加するが、0.2%を超えて含有すると、造塊時に
おいて非金属介在物である硫化物(MnS)を形成する
ために、それが起点となって孔食が発生し、耐孔食性が
劣化し、また時効処理後に残留オーステナイトが、安定
化し強度が低下することから、0.2%以下とした。S
は、造塊時において非金属介在物である硫化物(Mn
S)を形成し、90℃、3.5%NaCl、pH7、2
00ppbDO濃度の環境中においては、それを起点と
して孔食を発生し、耐孔食性や疲労強度が低下する。特
に耐孔食性に対しては、Sの量はなるべく低くした方が
よい。したがってその含有量は、0.002%以下に限
定した。
ついて述べる。Mnは、Siと同様で、脱酸剤として少
量添加するが、0.2%を超えて含有すると、造塊時に
おいて非金属介在物である硫化物(MnS)を形成する
ために、それが起点となって孔食が発生し、耐孔食性が
劣化し、また時効処理後に残留オーステナイトが、安定
化し強度が低下することから、0.2%以下とした。S
は、造塊時において非金属介在物である硫化物(Mn
S)を形成し、90℃、3.5%NaCl、pH7、2
00ppbDO濃度の環境中においては、それを起点と
して孔食を発生し、耐孔食性や疲労強度が低下する。特
に耐孔食性に対しては、Sの量はなるべく低くした方が
よい。したがってその含有量は、0.002%以下に限
定した。
【0013】Oは、Alとともに造塊時において非金属
介在物である酸化物(Al2O3)を形成し、90℃、
3.5%NaCl、pH7、200ppbDO濃度の環
境中においてそれを起点として孔食が発生し、耐孔食性
や疲労強度が低下する。特に耐孔食性に対しては、Oの
量はなるべく低くした方がよい。そのためOはなるべく
極低化させることが必要であり、0.0015%以下に
限定した。なお、上記以外の元素に関しては、以下に示
す範囲内であれば、本発明鋼の特性が何らそこなわれる
ものではない。P:0.030%以下。
介在物である酸化物(Al2O3)を形成し、90℃、
3.5%NaCl、pH7、200ppbDO濃度の環
境中においてそれを起点として孔食が発生し、耐孔食性
や疲労強度が低下する。特に耐孔食性に対しては、Oの
量はなるべく低くした方がよい。そのためOはなるべく
極低化させることが必要であり、0.0015%以下に
限定した。なお、上記以外の元素に関しては、以下に示
す範囲内であれば、本発明鋼の特性が何らそこなわれる
ものではない。P:0.030%以下。
【0014】
【実施例】表1に本発明鋼、比較鋼(AMS5763)
および従来鋼(12%Cr鋼)の化学組成を示す。本発
明鋼は、非金属介在物であるMnSおよびAl2O3の低
減を狙いとして作製したものであり、低Mn量でさらに
S、Oの低減を狙いとしたトリプルメルト(大気溶解+
エレクトロスラグ再溶解+真空アーク再溶解)を行なっ
て造塊した。本発明鋼のMn量、S量、O量は、それぞ
れ0.04%、0.001%、0.0007%である。
試料は、溶解後、40mm角の棒に熱間圧延した後、熱
処理を施した。熱処理は固溶化処理(1040℃×1H
r,油冷)を施した後、2段時効処理(815℃×0.5
Hr,水冷+585℃×5Hr、空冷)を行なった。次
に実環境に近い耐孔食性の評価試験として、浸漬試験を
行なった。
および従来鋼(12%Cr鋼)の化学組成を示す。本発
明鋼は、非金属介在物であるMnSおよびAl2O3の低
減を狙いとして作製したものであり、低Mn量でさらに
S、Oの低減を狙いとしたトリプルメルト(大気溶解+
エレクトロスラグ再溶解+真空アーク再溶解)を行なっ
て造塊した。本発明鋼のMn量、S量、O量は、それぞ
れ0.04%、0.001%、0.0007%である。
試料は、溶解後、40mm角の棒に熱間圧延した後、熱
処理を施した。熱処理は固溶化処理(1040℃×1H
r,油冷)を施した後、2段時効処理(815℃×0.5
Hr,水冷+585℃×5Hr、空冷)を行なった。次
に実環境に近い耐孔食性の評価試験として、浸漬試験を
行なった。
【0015】
【表1】
【0016】この試験は、試験片(2mmt×20mm
w×40mmL)を各試料につき2枚ずつ、pH7の
3.5%食塩水中に入れ、90℃に加熱保持し、DO濃
度を200ppbに制御して500時間浸漬した。試験
後の試験片の孔食深さの測定については、光学顕微鏡を
用いて計測した。試験片の表面を1cm角の区画に分け
るようにケガキを行ない、各1cm角の区画の中で最も
大きいピットについてその深さを焦点深度法(試料表面
とピット底のピントのずれから、試料台の上下方向の変
位をダイヤルゲージより測定)によって測定した。この
測定は、1つの試験片当たり、試験片表面の両面合わせ
て計16個所(区画)について行ない、試験した2枚ずつ
について行なった。
w×40mmL)を各試料につき2枚ずつ、pH7の
3.5%食塩水中に入れ、90℃に加熱保持し、DO濃
度を200ppbに制御して500時間浸漬した。試験
後の試験片の孔食深さの測定については、光学顕微鏡を
用いて計測した。試験片の表面を1cm角の区画に分け
るようにケガキを行ない、各1cm角の区画の中で最も
大きいピットについてその深さを焦点深度法(試料表面
とピット底のピントのずれから、試料台の上下方向の変
位をダイヤルゲージより測定)によって測定した。この
測定は、1つの試験片当たり、試験片表面の両面合わせ
て計16個所(区画)について行ない、試験した2枚ずつ
について行なった。
【0017】
【表2】
【0018】表2に本発明鋼、比較鋼(AMS576
3)の非金属介在物(MnS、Al2O3)量の測定結果
を示す。表2から、本発明鋼は比較鋼と比べると、合計
で1mm2あたり2.05個から0.66個と約67%
減少しており、不純物であるMn、S、Oを低減させた
ことによる非金属介在物(MnS、Al2O3)低減の効
果が認められる。また、表3に浸漬試験を行なった後の
試料の孔食ピットの最大深さの実測値を示す。表3か
ら、本発明鋼の孔食深さは従来鋼である12%Cr鋼お
よび比較鋼AMS5763鋼と比較して大きく減少し、
耐孔食性は著しく改善されており、不純物であるMn、
S、Oを低減し、耐孔食性に有害な非金属介在物を低減
させた効果が明らかであることがわかる。
3)の非金属介在物(MnS、Al2O3)量の測定結果
を示す。表2から、本発明鋼は比較鋼と比べると、合計
で1mm2あたり2.05個から0.66個と約67%
減少しており、不純物であるMn、S、Oを低減させた
ことによる非金属介在物(MnS、Al2O3)低減の効
果が認められる。また、表3に浸漬試験を行なった後の
試料の孔食ピットの最大深さの実測値を示す。表3か
ら、本発明鋼の孔食深さは従来鋼である12%Cr鋼お
よび比較鋼AMS5763鋼と比較して大きく減少し、
耐孔食性は著しく改善されており、不純物であるMn、
S、Oを低減し、耐孔食性に有害な非金属介在物を低減
させた効果が明らかであることがわかる。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明鋼を原子力用給水ポンプ用蒸気タ
ービン用ブレード材のような湿り蒸気中で用いる部材に
使用すれば、耐孔食性が大幅に向上し、部材の寿命向上
に大きく寄与できるものであり、工業上顕著な効果を有
するものである。
ービン用ブレード材のような湿り蒸気中で用いる部材に
使用すれば、耐孔食性が大幅に向上し、部材の寿命向上
に大きく寄与できるものであり、工業上顕著な効果を有
するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.03〜0.05%、
Si:1.0%以下、 Ni:6.0〜7.0%、C
r:14.0〜16.0%、Mo:0.5〜1.0%、
Cu:1.25〜1.75%、Nb:0.20〜0.7
5%、Al:0.001〜0.05%を含み、残部が実
質的にFeおよび不可避の不純物よりなり、特に不純物
であるMnとSとOをそれぞれMn:0.2%以下、
S:0.002%以下、O:0.0015%以下に制限
したことを特徴とする耐孔食性に優れた蒸気タービンブ
レード用ステンレス鋼。 - 【請求項2】 90℃、3.5%NaCl、pH7、溶
存酸素濃度200ppbの環境中で、500hrの浸漬
試験を行なった後に発生する1cm2当りの孔食の最大
深さが0.012μm以下であることを特徴とする特許
請求項の範囲第1項に記載の耐孔食性に優れた蒸気ター
ビンブレード用ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17437896A JPH108217A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 耐孔食性に優れた蒸気タービンブレード用ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17437896A JPH108217A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 耐孔食性に優れた蒸気タービンブレード用ステンレス鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH108217A true JPH108217A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15977575
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17437896A Pending JPH108217A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 耐孔食性に優れた蒸気タービンブレード用ステンレス鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH108217A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000204447A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-07-25 | Hitachi Ltd | 高強度マルテンサイト鋼とそれを用いたガスタ―ビン用タ―ビンディスク及び発電用ガスタ―ビン並びにコンバインド発電システム |
| JP2003301235A (ja) * | 2002-03-28 | 2003-10-24 | General Electric Co <Ge> | 溶融中の含有物制御による高張力鋼製物品の製造 |
| JP2008127613A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Hitachi Ltd | 析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼 |
| JP2015532695A (ja) * | 2012-07-30 | 2015-11-12 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 金属前縁保護ストリップ、対応する翼形部および製造方法 |
| CN105886949A (zh) * | 2016-04-14 | 2016-08-24 | 四川六合锻造股份有限公司 | 一种高性能耐热钢、其制备方法及其应用 |
| US20220341013A1 (en) * | 2021-04-27 | 2022-10-27 | General Electric Company | Precipitation-hardened stainless steel alloys |
| JP2023021813A (ja) * | 2021-08-02 | 2023-02-14 | 三菱重工業株式会社 | ステンレス鋼、これを用いるタービン翼及びステンレス鋼の製造方法 |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP17437896A patent/JPH108217A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000204447A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-07-25 | Hitachi Ltd | 高強度マルテンサイト鋼とそれを用いたガスタ―ビン用タ―ビンディスク及び発電用ガスタ―ビン並びにコンバインド発電システム |
| JP2003301235A (ja) * | 2002-03-28 | 2003-10-24 | General Electric Co <Ge> | 溶融中の含有物制御による高張力鋼製物品の製造 |
| JP2008127613A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Hitachi Ltd | 析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼 |
| JP2015532695A (ja) * | 2012-07-30 | 2015-11-12 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 金属前縁保護ストリップ、対応する翼形部および製造方法 |
| CN105886949A (zh) * | 2016-04-14 | 2016-08-24 | 四川六合锻造股份有限公司 | 一种高性能耐热钢、其制备方法及其应用 |
| US20220341013A1 (en) * | 2021-04-27 | 2022-10-27 | General Electric Company | Precipitation-hardened stainless steel alloys |
| EP4083250A1 (en) * | 2021-04-27 | 2022-11-02 | General Electric Company | Precipitation-hardened stainless steel alloys |
| US11788177B2 (en) | 2021-04-27 | 2023-10-17 | General Electric Company | Precipitation-hardened stainless steel alloys |
| JP2023021813A (ja) * | 2021-08-02 | 2023-02-14 | 三菱重工業株式会社 | ステンレス鋼、これを用いるタービン翼及びステンレス鋼の製造方法 |
| JP2025085010A (ja) * | 2021-08-02 | 2025-06-03 | 三菱重工業株式会社 | ステンレス鋼の製造方法及びタービン翼の製造方法 |
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