JPH108327A - 機能性繊維およびその製造法 - Google Patents

機能性繊維およびその製造法

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JPH108327A
JPH108327A JP15841296A JP15841296A JPH108327A JP H108327 A JPH108327 A JP H108327A JP 15841296 A JP15841296 A JP 15841296A JP 15841296 A JP15841296 A JP 15841296A JP H108327 A JPH108327 A JP H108327A
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直樹 金森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タバコ臭のようなカルボニル基を含有する化合
物、酸性化合物および塩基性化合物を含有する悪臭に対
して優れた消臭性能を示し、かつ、タバコやにの分解性
能に優れ、その上、取扱い性が容易でかつ安全性、加工
性、洗濯耐久性が良好である機能性繊維、さらに殺菌、
水中の有機物の分解等の機能を有する機能性繊維および
その製造法を提供する。 【解決手段】繊維に0.1〜10重量%の光触媒作用を
有する酸化チタンを含有させた機能性繊維および湿式紡
糸後または乾湿式紡糸後、乾燥前のゲル状膨潤繊維に光
触媒作用を有する酸化チタンを含有する分散液を接触さ
せ、該酸化チタンを上記繊維に固着する機能性繊維の製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機能性繊維およびそ
の製造法に関し、さらに詳しくは悪臭の消臭、殺菌、水
中の有機物の分解等の機能を有する機能繊維に係り、特
に紫外線を照射することにより、カルボニル基を含有す
る化合物、酸性化合物、塩基性化合物等の悪臭物質を分
解する機能を有し、タバコ臭が付着せず、また付着した
タバコやにを分解する機能を有する機能性繊維およびそ
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境における快適性への関心
が高まり、室内、冷蔵庫内、車内または種々の環境内に
存在する悪臭の除去に関して様々な提案がなされてい
る。中でもオフィス、家庭または自動車内におけるタバ
コ臭の消臭は、禁煙運動の浸透にともないクローズアッ
プされてきている。ところで、従来の消臭、防臭技術の
多くは、活性炭を用いたもの、または積極的に悪臭成分
を吸引して消臭するフィルターを用いたものが主流であ
り、例えば生活環境で発生する各種悪臭成分を除去する
フィルターとしては、対象臭気の異なる消臭有効成分が
含浸された担体を複数種組み合わせた空気清浄フィルタ
ーが開示されている(特開平2−22673号公報)。
また、アルデヒド除去用フィルターとしては、タバコフ
ィルターをポリエチレンイミンとカルボン酸を含む処理
溶液で処理し、これらの物質で被覆したフィルターが知
られている(特開平2−257870号公報)。
【0003】しかしながら、これらの技術はいずれも消
臭剤を担体に単に含浸または塗布することにより、消臭
成分を繊維表面に付着させたものであるために、繊維製
品の風合いが硬く、また洗濯により容易に消臭成分が脱
落し、洗濯耐久性またはファッション性が要求される衣
料分野またはインテリア分野への応用は不可能であっ
た。また、特開平6−287355号公報には、銀、
金、銅、パラジウム、ロジウム、白金などの金属、酸化
銀、酸化銅、酸化チタン、酸化亜鉛などの酸化物の平均
粒子径が200nm〜1nmの超微粒子が均一に分散し
ている合成繊維、合成樹脂成形物が開示されている。
【0004】ここに記載されている超微粒子含有合成繊
維または合成樹脂成形物も酸性化合物を消臭する機能に
劣り、十分な消臭機能を有していない。また、前記超微
粒子を形成する原料を合成繊維原料または合成樹脂成形
物の原料中に予め含有させ、該原料中で前記超微粒子を
形成することにより製造するものであるが、製造が複雑
であり、安定してかつ安価に製造することは困難であ
る。このように、一般に無機系消臭剤を含有する繊維は
カルボニル基を含有する化合物の悪臭を消臭する能力に
劣るという欠点があり、無機系消臭剤を含有する上記何
れの繊維も、カルボニル基を含有する化合物の悪臭を消
臭する機能に劣るものである。
【0005】また、光触媒作用を有する物質により有害
物質を分解し、または殺菌、消臭する技術としては、特
開平5−154473号公報、特開平5−305125
号公報、特開平6−192961号公報、特開平6−2
09985号公報、特開平7−60132号公報、特開
平7−155598号公報、特開平7−171408号
公報、特開平8−74171号公報等が知られている。
特開平5−154473号公報には、酸化剤の存在下に
アナターゼ型チタンを光触媒として流体中に含まれる有
機物を分解する方法が、特開平5−305125号公報
には、アナターゼ型酸化チタンを光触媒として水中の微
生物を殺菌する装置がそれぞれ記載されている。また特
開平6−192961号公報には燐酸カルシウム系化合
物、二酸化タチン、活性炭、ゼオライト、モレキュラー
シーブ、無機系脱臭剤等の機能性粒子の水性分散液で繊
維を含浸し、その後該繊維の軟化点以上の温度で熱処理
して機能性粒子を繊維に固定してなる不織布が記載され
ている。
【0006】さらに特開平6−209985号公報に
は、酸化チタン、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ニッ
ケル等の光触媒を建材の表面に担持させ、室内の殺菌処
理方法が、特開平7−60132号公報には有機物を分
解、浄化するために無機質粒子表面に光触媒作用を有す
る酸化チタンを担持させた光触媒が、特開平7−155
598号公報にはタイル基板上にアナターゼ型酸化チタ
ンを焼結してなる光触媒が、特開平7−171408号
公報には日常生活で発生する有害物質、悪臭物質、油分
等を分解、浄化するために、セラミック、ガラス、金属
等の基体上に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステ
ン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム等の金属化合物半
導体からなる光触媒機能を発現する物質を接着した光触
媒が、それぞれ開示されている。また特開平8−741
71号公報には、酸化チタン光触媒が樹脂バインダーで
固定されてなる繊維布帛が記載されている。
【0007】しかしながら、上記の光触媒作用を有する
物質や繊維は、単独で使用されるか、または光触媒作用
を有する物質を無機系の物質に担持させたものであった
り、繊維の熱可塑性を利用してその表面に単に固定する
か、または樹脂バインダーでこれらの光触媒作用を有す
る物質を繊維に結合もしくは付着等の手段により固定し
た機能性繊維である。このため、繊維の表面に固定され
ているこれらの無機系金属粒子は、繊維に対する結合力
が弱く、繊維表面から脱落しやすく、該粒子の有する機
能を長期間にわたって繊維に維持していくのが非常に困
難であった。また、樹脂バインダーによる光触媒作用を
有する物質の固定は、該粒子の光触媒作用が樹脂バイン
ダーで隠蔽され、その機能を十分に発現することができ
ないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、タバ
コ臭のようなカルボニル基を含有する化合物、酸性化合
物および塩基性化合物を含有する悪臭に対して優れた消
臭性能を示し、かつ、タバコやにの分解性能に優れ、そ
の上、取扱い性が容易でかつ安全性、加工性、洗濯耐久
性が良好である機能性繊維、さらに殺菌、水中の有機物
の分解等の機能を有する機能性繊維およびその製造法を
提供するである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、次の構成
をなすことにより、本発明の目的を達成できることを見
いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、本願
で特許請求される発明は、以下の通りである。 (1)繊維に0.1〜10重量%の光触媒作用を有する
酸化チタンを含有させたことを特徴とする機能性繊維。 (2)繊維が湿式紡糸法または乾湿式紡糸法により得ら
れたものであることを特徴とする(1) の機能性繊維。 (3)繊維がアクリル系合成繊維であることを特徴とす
る(1) または(2) の機能性繊維。 (4)湿式紡糸後または乾湿式紡糸後、乾燥前のゲル状
膨潤繊維に光触媒作用を有する酸化チタンを含有する分
散液を接触させ、該酸化チタンを上記繊維に固着するこ
とを特徴とする機能性繊維の製造法。 (5)ゲル状膨潤繊維がアクリル系合成繊維であること
を特徴とする(4) の機能性繊維の製造法。
【0010】以下において、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明における光触媒作用を有する酸化チタン
は、太陽光線または紫外線の照射による触媒作用によ
り、有機物質、微生物、細菌等を分解、殺菌する作用を
呈する物質をいう。該酸化チタンの形態には特に限定は
ないが、その機能を十分に発揮させる点からは単位重量
当たりの表面積が大きいものが好ましい。このような酸
化チタンとしては、より微細な粒子径を有する酸化チタ
ン、ポーラスな構造を有する酸化チタン等の粒子が挙げ
られる。また、繊維の製造のしやすさからは水分散性の
優れているものが好ましい。
【0011】本発明において、繊維に対する光触媒作用
を有する酸化チタン(以下、酸化チタンという)の含有
量は0.1〜10重量%(以下、特定しない限り%は重
量を表す)、好ましくは0.3〜5%である。酸化チタ
ンの含有量が0.1%未満では、有機物、特にカルボニ
ル基を含有する化合物や酸性化合物の悪臭に対する触媒
作用による分解性能が低く、一方、10%を超えると繊
維に酸化チタンを含有させるのが困難となり、また繊維
物性の低下、風合の低下、さらに紡績工程で繊維が巻き
付く、紡績機械の摩耗などの問題が発生する。また、酸
化チタンの粒子径には、繊維の製造に支障がない限り特
別の制限はないが、0.07μm以下が好ましい。ここ
で、酸化チタンの粒子径とは、分散液中に存在する酸化
チタン粒子径をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置
(堀場製作所製LA−910W)で測定した値をいう。
酸化チタンの粒子径は、酸化チタンの繊維への固着性お
よび繊維からの脱落防止の点から0.07μm以下が好
ましい。
【0012】酸化チタンを含有させる繊維としては、ポ
リビニルアルコール系繊維、アクリル系繊維等の合成繊
維、酢酸セルロース繊維等の半合成繊維、銅アンモニア
人絹、レーヨンのような再生繊維等が好ましく用いられ
る。これらの繊維は湿式紡糸法または乾湿式紡糸により
製造するができる。湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によ
り製造することのできない繊維は、酸化チタンを繊維に
強固に固定することが困難な場合があり、酸化チタンの
機能を長期間にわたって繊維に維持することができない
場合がある。ここで、湿式紡糸法とは、繊維の原料とな
る重合体をその溶剤に溶解し、得られた紡糸原液を紡糸
口金を通して溶剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固
性液体中に押し出すことにより繊維を製造する方法をい
う。また、乾湿式紡糸法とは、上記紡糸原液を紡糸口金
から一旦空気等の気体媒体中に吐出した後溶剤の希薄溶
液からなる該紡糸原液の凝固液体中に導入して繊維を製
造する方法をいう。
【0013】上記繊維のうちアクリル系合成繊維は特に
好ましい繊維である。このアクリル系合成繊維は、40
%以上のアクリロニトリルと60%以下のアクリロニト
リルと共重合可能な単量体とを共重合してなる重合体か
ら製造することができる。アクリロニトリルと共重合可
能な単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、イタコン酸、メタクリル酸、メタク
リル酸メチル、スチレン、アクリルアミド、メタクリル
アミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メ
タリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩、スチレンス
ルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、
アリルスルホン酸塩等のビニル単量体である。アクリル
系合成繊維は、これらの単量体の少なくとも一種をアク
リロニトリルと共重合した重合体またはこれらの重合体
の混合物から製造することができる。
【0014】本発明の酸化チタンを含有する繊維は、湿
式紡糸法または乾湿式紡糸法により紡糸後、未乾燥のゲ
ル状膨潤繊維に酸化チタンの分散液を接触させることに
より、繊維に酸化チタンを強固に付着させることができ
る。本発明において、ゲル状膨潤繊維とは、繊維の原料
となる重合体を溶解した紡糸原液を紡糸口金を通して溶
剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固媒体中に押し出
すか、または該紡糸原液を一旦気体媒体中に押し出した
後溶剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固媒体中に導
入して凝固させることにより得られる水洗前または水洗
後の未延伸繊維、またはこの繊維を延伸した延伸繊維で
あって、酸化チタン付着処理の前に乾燥処理がなされて
いない繊維をいう。
【0015】次に、酸化チタンを含有する繊維の製造法
について、アクリル系合成繊維の製造を例にして説明す
る。アクリル系重合体は前記した通り、40%以上のア
クリロニトリルと60%以下のアクリロニトリルと共重
合可能なビニル単量体とを共重合してなる重合体または
これらの重合体の混合物である。該重合体を溶解する溶
剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキサイド、エチレンカーボネート
等の有機溶剤、硝酸濃厚溶液、塩化亜鉛濃厚溶液、ロダ
ン塩濃厚溶液等の無機酸系または無機塩系溶剤等があ
り、これらの溶剤に前記アクリル系重合体を溶解して紡
糸原液を製造する。この紡糸原液を紡糸口金を通して溶
剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固媒体中に押し出
すか、または該紡糸原液を一旦空気、窒素ガス等の気体
媒体中に押し出す等により凝固繊維を製造する。この溶
剤の希薄溶液からなる凝固媒体としては、特に溶剤の希
薄水溶液が好ましい。次に、この凝固繊維は、水洗さ
れ、さらに熱延伸される。熱延伸は、熱水による延伸、
過熱蒸気による延伸であり、熱水による延伸が好まし
い。
【0016】このようにして得られた繊維は水を多量に
を含むゲル状膨潤繊維であり、該繊維に酸化チタン分散
液を接触させて、該膨潤繊維に酸化チタンを乾燥繊維に
対して0.1〜10%含有させる。酸化チタン分散液を
接触させる際、凝固以後の繊維であれば未水洗繊維、未
延伸繊維など何れの繊維であってもよいが、水洗、延伸
工程を経たゲル状膨潤繊維が、繊維の製造が容易であ
り、また酸化チタンを効率的に付与することができるな
どの点で好ましい。酸化チタン分散液をゲル状膨潤繊維
に接触させるには、ゲル状膨潤繊維を酸化チタン分散液
に浸漬する、または該繊維に酸化チタン分散液を噴霧す
る等何れの手段でもよい。ゲル状膨潤繊維と接触した酸
化チタン粒子は、該繊維に強固に付着して含有される。
また、本発明においては、該酸化チタン粒子は繊維に固
定されるので、樹脂等のバインダーを使用する必要はな
いが、樹脂等のバインダーを使用して該粒子を強固に固
定することもできる。
【0017】一旦乾燥した繊維に樹脂等のバインダーに
よりその表面に酸化チタン粒子を固定する方法は、酸化
チタン粒子がバインダーから脱落しやすく、かつ経時的
なバインダーの劣化によって一層酸化チタン粒子が脱落
しやすくなり、その耐久性に問題が生じる。また、バイ
ンダーは繊維の風合いの劣化の原因となる。本発明にお
いては、酸化チタン粒子を繊維に含有させるにあたり、
バインダーを使用する必要がないので、これらの問題が
なく、機能、風合いの両方の機能に優れる。
【0018】次に、酸化チタン分散液と接触したゲル状
膨潤繊維は乾燥し、必要に応じて弛緩熱処理される。こ
の際、必要ならば、帯電防止剤、紡績油剤等の仕上げ剤
を付与することができる。乾燥は40℃〜160℃、好
ましくは80℃〜130℃である。また、弛緩熱処理
は、乾熱、湿熱の何れでもよいが、湿熱、特に加熱水蒸
気が好ましく、温度は100℃〜180℃、好ましくは
100〜140℃である。この熱処理によって、繊維に
付着した酸化チタンは、繊維に強固に固着される。酸化
チタンの分散液中における酸化チタンの濃度は、浸漬、
搾液の操作条件により多少異なるが、通常は0.01〜
50%、好ましくは0.05〜20%含有する水分散液
が用いられる。酸化チタンの付着量が繊維に対して0.
1〜10%になるようにマングル、セントル等により搾
液または水切りにより調整される。また酸化チタンの凝
集を防止する分散剤または有機溶剤を含んでいてもよ
い。
【0019】本発明によれば、酸化チタン分散液をゲル
状膨潤繊維に接触させることにより酸化チタン粒子がゲ
ル状膨潤繊維に強固に付着して繊維に保持される。この
ために、酸化チタンの繊維からの脱落が非常に少なく、
酸化チタンの有する光触媒作用が長期間にわたって維持
されるのである。本発明の酸化チタンを含有する機能繊
維は、有機物の分解作用に優れており、そのためカルボ
ニル基含有化合物、塩基性化合物、酸性化合物等全ての
悪臭を消臭する機能に極めて優れている。また、本発明
の酸化チタン含有繊維は、該繊維単独または該繊維を含
む混紡、交撚、交織、交編等によって得られる紡績糸、
交撚糸、織物、編物、さらに上記繊維を含む不織布など
の形態で使用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。なお、例中の%は特に限定しない場合は重量%
を意味する。消臭性能およびタバコ臭の官能評価は外因
をなくすため、予め機能性繊維をフェードメーター(カ
ーボンアーク法)により63℃環境下で40時間前処理
した後、それぞれの試験を行った。また、洗濯試験、悪
臭物質の消臭性能の測定、風合いの測定、官能試験、染
色処理は下記のようにしておこなった。 (1)洗濯試験:JIS−L−0217−103法に準
拠して、洗剤を中性洗剤(プロクターアンドギャンブル
ファーイーストインク社製、商品名モノゲンユニ)を用
いて試験を行った。 (2)悪臭物質の消臭性能の測定:容量1000mlの
テドラーバック(ジーエムサイエンス社製)中に悪臭成
分600mlとともに繊維1gを入れ、120分間、紫
外線強度0.5mW/cm2 のブラックライト下に放置
後の残存ガス濃度をガステック社製のガス検知管で測定
した。悪臭成分の初期濃度は、カルボニル基を含有する
化合物としてアセトアルデヒド10ppm、酸性化合物
として酢酸100ppm、塩基性化合物としてアンモニ
ア80ppmとした。
【0021】(3)風合いの評価:次の3段階評価で行
った。 ○;硬くない、△;やや硬い、×;硬い (4)官能評価:タバコの煙を用い、容量3000ml
のポリエステル製におい袋(近江オドエアーサービス社
製)中に繊維3gとともに、1m3 アクリル製ボックス
内でタバコ(マイルドセブン)を2本5cm燃焼させた
後のボックス内の煙を300mlおよび無臭空気270
0mlを注入し、2時間、蛍光灯(1300LUX)に
放置後、におい袋内の臭いおよび繊維自体の臭いについ
て16人のモニターに次の判定を行ってもらい、総合得
点で評価した。
【0022】(5)ヤニ脱色評価:容量50000ml
のアクリル製デシケーター中で、タバコ(マイルドセブ
ン)を5本(5cm)を燃焼後、デシケーター中にサン
プルを入れ2時間暴露後、ブラックライト(紫外線強
度:0.5mW/cm2 )下で48時間照射し、ブラッ
クライト照射前後の黄色度変化(ΔYI)をマクベス測
色機で下式により算出した。 ΔYI=ブラックライト照射前YI−ブラックライト照
射後YI (6)染色処理:染料としてアストラゾンブルーF2R
L(AstrazonBlue F2RL:バイエルジ
ャパン社製、染料商品名)を用い、染料濃度を0.5%
owfとし、pH調整剤として酢酸を用いてpH4に調
整し、浴比1:50、100℃で30分間染色し、十分
に水洗した。 (7)絞り率の算出:下式により絞り率の算出をおこな
った。 絞り率(%)=(W1−W2)/W2×100 ただし、上式において、W1は脱水後の繊維秤量値
(g)、W2は前記繊 維を105℃で2時間乾燥し
た繊維の秤量値(g)を示す。
【0023】実施例1および比較例1 アクリロニトリル94.5%、アクリル酸メチル5.0
%およびメタリルスルホン酸ナトリウム0.5%を共重
合して得られた重合体を70%の硝酸に溶解して重合体
濃度15.5%の紡糸原液を調整した。該紡糸原液を
0.06mmの細孔を有する紡糸口金を通して0℃に保
った37%の硝酸系凝固浴に紡出し、水洗後沸水中で9
倍に延伸し未乾燥繊維を得た。この未乾燥繊維を、平均
粒子径0.07μmの酸化チタン(石原産業社製、活性
化酸化チタンゾル、商品名STS−01)3.75%の
20℃水溶液に1分間浸漬処理をし、その後脱水した。
この時絞り率は80%であった。脱水後80℃で1時間
乾燥し、オートクレーブで110℃の飽和水蒸気で5分
間の湿熱処理を行って機能性繊維を製造した。得られた
繊維の酸化チタンの含有量は3.0%であった。比較例
1として、アクリロニトリル94.5%、アクリル酸メ
チル5.0%およびメタリルスルホン酸ナトリウム0.
5%の共重合体からなる通常のアクリル系合成繊維を製
造した。上記、2種の繊維について前処理を行った後、
消臭性能評価を行った。その結果を表1に示した。
【0024】
【表1】 表1によれば、実施例1は、比較例1に比べ、カルボニ
ル基含有化合物、酸性化合物および塩基性化合物を消臭
し、さらにタバコ煙の消臭性能に優れ、かつその性能は
洗濯10回後も良好であった。
【0025】実施例2〜5および比較例2〜3 アクリロニトリル74.7%、塩化ビニリデン25.0
%およびメタリルスルホン酸ナトリウム0.3%を共重
合して得られた重合体をジメチルホルムアミドに溶解し
て重合体濃度18%の紡糸原液を調整した。該紡糸原液
を0.15mmの細孔を有する紡糸口金を通して30℃
に保った75%のジメチルホルムアミド系凝固浴に紡出
し、80℃に保った75%のジメチルホルムアミド系延
伸浴中で5.0倍に延伸し、水洗後沸騰水中で1.2倍
に延伸して未乾燥繊維を製造した。この未乾燥繊維に、
平均粒子径0.07μmの酸化チタン(石原産業社製、
活性化酸化チタンゾル、商品名STS−01)の20℃
水溶液に浸漬処理をし、表2に示すように繊維に0.0
5〜15.0%の酸化チタンを含有させ、脱水後80℃
で1時間乾燥し、オートクレーブで110℃の飽和水蒸
気で5分間の湿熱処理を行って機能性繊維を製造した。
これらの各種繊維の酸化チタン含有量および悪臭に対す
る消臭性能の評価結果を表2に示す。
【0026】
【表2】 表2によれば、酸化チタン含有量が0.1〜10重量%
の繊維(実施例2〜5)は、カルボニル基含有化合物、
酸性化合物および塩基性化合物を消臭し、かつタバコ消
臭性能にも優れ、その風合いは良好であった。
【0027】実施例6および比較例4 従来法によって得られたレーヨンビスコースの紡糸原液
(セルロース9.0%、全アルカリ6.0%、全硫黄
2.5%)を脱泡後、0.09mmの細孔を有する紡糸
口金を通して50℃に保った硫酸11%、硫酸ナトリウ
ム30%、硫酸亜鉛1.5%の凝固浴に紡出し、通常の
2浴緊張紡糸法により延伸し未乾燥繊維を得た。この未
乾燥繊維を、平均粒子径0.07μmの酸化チタン(石
原産業社製、活性化酸化チタンゾル、商品名STS−0
1)1.87%の20℃水溶液に1分間浸漬処理をし、
その後脱水した。この時絞り率は160%であった。脱
水後80℃で1時間乾燥し機能性繊維を製造した。得ら
れた繊維の酸化チタン含量は3.0%であった。比較例
として、通常のセルロース再生繊維を製造した。上記2
種の繊維について前処理を行った後、消臭性能評価を行
った。その結果を表3に示した。
【0028】
【表3】 表3によれば、実施例6は、比較例4に比べ、カルボニ
ル基含有化合物、酸性合物および塩基性化合物を消臭
し、更にタバコ煙の消臭性能に優れた繊維であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の機能性繊維は、タバコ臭のよう
なカルボニル基を含有する化合物、酸性化合物、塩基性
化合物からなる悪臭に対して優れた消臭性能を有し、し
かもその消臭性能が洗濯耐久性および染色耐久性を有
し、さらにタバコ臭の消臭性能およびヤニの脱色効果に
優れる。また本発明の製造法によれば、繊維に酸化チタ
ンを強固に付着させることができるため、酸化チタンの
繊維からの脱落が非常に少なく、酸化チタンの有する光
触媒作用が長期にわたって維持できる機能性繊維が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニ ューシティ本郷台D棟213号 (72)発明者 小泉 博史 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 (72)発明者 金森 直樹 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 (72)発明者 山田 哲郎 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号 旭化成工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維に0.1〜10重量%の光触媒作用
    を有する酸化チタンを含有させたことを特徴とする機能
    性繊維。
  2. 【請求項2】 繊維が湿式紡糸法または乾湿式紡糸法に
    より得られたものであることを特徴とする請求項1に記
    載の機能性繊維。
  3. 【請求項3】 繊維がアクリル系合成繊維であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の機能性繊維。
  4. 【請求項4】 湿式紡糸後または乾湿式紡糸後、乾燥前
    のゲル状膨潤繊維に光触媒作用を有する酸化チタンを含
    有する分散液を接触させ、該酸化チタンを上記繊維に固
    着することを特徴とする機能性繊維の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のゲル状膨潤繊維がアク
    リル系合成繊維であることを特徴とする機能性繊維の製
    造法。
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