JPH1083783A - イオンビーム中和器及びその中和方法 - Google Patents

イオンビーム中和器及びその中和方法

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JPH1083783A
JPH1083783A JP9208951A JP20895197A JPH1083783A JP H1083783 A JPH1083783 A JP H1083783A JP 9208951 A JP9208951 A JP 9208951A JP 20895197 A JP20895197 A JP 20895197A JP H1083783 A JPH1083783 A JP H1083783A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つ以上の加工物を正荷電イオンを用いて処
理するイオン注入装置のイオンビーム中和器及びその中
和方法を提供すること。 【解決手段】 イオン源から注入ステーションへのビー
ム通路に沿ってイオンビームを維持するためのイオン中
和器44において、注入ステーションの上流側にイオンビ
ームを閉じ込める閉込本体120、入口カバー100、出口カバ
ー140 を含み、電子源がこの閉込本体内に位置し、電子
をビーム内に放出する。閉込本体120 に配列かつ支持さ
れた一群の磁石124 による磁界がその内部で動く電子を
閉じ込め、閉込本体内に複数の軸方向に伸びた複数の各
フィルタロッドに封入された磁石によってフィルタ磁界
が形成され、イオンビームがビーム通路に沿って移動す
る範囲と方向を定める。この内部磁界は、イオンビーム
から離れる高いエネルギーの電子を閉じ込め、低いエネ
ルギーの電子をイオンビームに沿って流れ出るようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハ等の加工物
の処理に使われるイオンビーム中和器及びその中和方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】イオンビーム注入装置は、シリコンウェ
ハをイオンビームで処理するために使われている。この
ような処理は、N型あるいはP型の不純物材料のドーピ
ングを行い、また、集積回路を製造する際に不活性層を
形成するために使用することができる。
【0003】イオンビーム注入装置が半導体をドーピン
グするために使用される場合は、選択されたイオン種が
注入され、望ましい不純物材料が作られる。アンチモ
ン、砒素(As)、燐(P)のような材料源から生じた
イオンを注入すると、N型の不純物材料ウェハとなる。
P型の不純物材料ウェハが求められる場合は、ホウ素
(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)のよう
な材料源から生じたイオン種が注入される。
【0004】イオンビーム注入装置は、イオン化しうる
材料から正に荷電したイオンを発生させるためのイオン
源を含んでいる。発生したイオンは、ビームに形成さ
れ、決められたビーム通路に沿って加速され、注入部に
向かう。
【0005】イオンビーム注入装置は、イオン源と注入
部の間に伸びているビームの形成・整形構造部を備えて
いる。このビーム形成・整形構造部は、イオンビームを
維持して、イオンビームが注入部まで進む途中に通過す
る細長い内部空洞すなわち内部領域を定めている。イオ
ン注入装置を作動させる時、イオンが空気中の分子と衝
突することによって、所定のビーム通路から逸れる可能
性を低くするため、内部領域内は真空状態にされなけれ
ばならない。
【0006】本発明の譲受人であるイートン社は、NV
10、NV−GSD/200、NV−GSD/160、
NV−GSD/80という製品の名称で高電流注入装置
を販売している。これらの従来技術の注入装置の一つの
問題点は、ウェハの帯電という問題である。イオンビー
ムは、ウェハに接触するように照射されるので、ウェハ
は正に荷電したイオンがウェハ表面を叩くように帯電す
る。この帯電は、しばしば不均一で、ウェハ表面に大き
な電界を作るために、ウェハに損傷を与え、半導体材料
としての使用を不適当にする。
【0007】いくつかの従来技術の注入装置において、
電子シャワー装置がイオンビームの空間電荷を中和する
ために使用される。既存の電子シャワー装置は、活発な
電子が金属の表面に衝突した時に起こる二次電子放出を
利用している。金属の表面から放出される低エネルギー
の電子は、イオンビームに閉じ込められるか、またはウ
ェハ表面に衝突するように照射され、それによって直接
ウェハを中和する。
【0008】金属表面からの二次電子放出によって得ら
れる電子の電流密度は、イオンビームと電子放射表面と
の電位差によって制限される。既存のイオン注入装置の
中和装置は、イオンビームの外側領域から、電子がイオ
ンビームによって捕獲されるイオンビーム中に電子を運
ぶための電界を作用させている。電子がイオンビームに
よって捕獲されると、この電子はビームに沿って正のイ
オンビームの流れを打ち消す目標物の方向に自由に動く
ことができる。
【0009】電子をイオンビーム内に運ぶ電界もまた、
集中したビーム通路から逸れていく方向にビームイオン
を偏向させる。電子がビームによって捕獲されるために
は、電子とビームプラズマ粒子(中性かつイオン化状
態)の間に衝突が必要とされる。
【0010】もし、このような衝突が起こらないと、電
子は単に衝撃的な動きでビームを通り抜けたり、周りを
回ったりして振動するだけである。イオンと電子間の衝
突の割合は、衝突の確率を決める電子の密度によって限
定されている。一般的には、電子とイオンの衝突の割合
は、結果的に不完全な中和となり、正に帯電したイオン
ビームの残留空間電荷効果が重要となる。
【0011】「プラズマブリッジ」として知られている
電子フラッドの型は、部分的にこれらの制約に対処して
いる。イオンと電子のプラズマは、イオンビーム付近の
キャビティで作られている。このキャビティは、一般的
にイオンビームから離されているため、プラズマの生成
を促進する高密度ガスをキャビティ内で使うことができ
る。プラズマは小さな開口部を通り抜けてキャビティか
らの「リーク」を可能にしている。高い電流が開口部か
らイオンビームプラズマに向かって流れる。この高電流
がキャビティからビームに向かって流れ、プラズマブリ
ッジでほぼ帯電が中和される。
【0012】プラズマブリッジを使用する場合であって
も、電流を維持するためにブリッジに沿って電界が必要
となる。プラズマブリッジはプラズマが生成されるキャ
ビティの開口部から広がっているので、電子の拡散は電
子搬送の一次モードとして衝撃動作によって置き換えら
れる。
【0013】既存のイオンビーム中和装置が、電子生成
領域から電子がイオンビームに注入される領域まで電界
を使用する程度までに、これらの電界はまた電子の運動
エネルギーを増加させ、それによって電子の振動を促進
し、イオンビーム内の捕獲を回避している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑み
て、本発明は、1つ以上の加工物を正荷電イオンを用い
て処理するイオン注入装置のイオンビーム中和器及びそ
の中和方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、各請求項に記載の構成を有する。具体的
には、本発明の好ましい実施の形態によれば、イオン注
入装置は、イオン源、ビーム形成構造(電極)、イオン
ビーム中和器、及びイオン注入ステーションを含んでい
る。
【0016】イオン源は、正イオンを放出し、ビーム形
成電極によってイオンビームに形成される。イオン注入
ステーションは、イオンがイオン注入ステーションに進
入する時、1つ以上の加工物にイオンビームからのイオ
ンが捕獲されるように位置している。
【0017】イオンビーム中和器は、イオンビーム通路
に沿ってイオン注入ステーションの上流側に配置されて
いる。本発明によれば、イオンビーム中和器は、イオン
ビーム通路に沿って取り囲まれる閉込本体、入口カバ
ー、及び出口カバーを備えている閉込組立体で構成され
る。この閉込め組立体の両カバーは、入口プレート及び
出口プレートを形成し、イオン注入ステーションで、1
つ以上の加工物にイオンが打ち込まれる前に、イオンビ
ームが中和領域を通過できるようにする。
【0018】プラズマ源は、中和領域内に電子を供給す
るために閉込本体内に位置決められる。この閉込本体
は、さらに中和領域内に磁界を生じる一群の配列磁石を
支持し、これらの磁石は、電子源から放出される電子を
閉じ込め、それによって中和領域内に電子がより集中す
るようにする。
【0019】中和領域内で、電界はかなり小さく、電子
は初めは高密度の領域から低密度の領域へ拡散によって
移動する。自由電子は、イオンビーム自身の中で生成さ
れるか、あるいは電界の作用しない周囲の領域からビー
ム内に拡散する。電子がビームによって捕らえられる
と、高電子流が、イオンビーム軌道上での電界に逆らっ
て、イオンビームに沿ってイオン注入ステーションにあ
る1つ以上の加工物に向けて流れる。
【0020】イオンビーム中和器は、電子の運動を支配
するべく拡散処理のため、イオンビームのプラズマ密度
よりもかなり高いプラズマ密度を有さねばならない。ま
た、イオンビーム中和器は、イオンビームの過度の減衰
を避けるために、低ガス圧で操作されねばならない。
【0021】本発明の他の特徴によれば、イオンビーム
中和器は、閉込本体内に支持される複数の磁石を有しか
つ軸方向に伸びている複数の金属フィルタロッドを有す
るフィルタロッド組立体を備えている。このフィルタロ
ッドは、イオンビーム通路に沿って伸び、イオンビーム
の境界を定める磁界を形成する。
【0022】フィルタロッド組立体は、存在するイオン
ビームからのより活発な電子を閉じ込め、かつ低エネル
ギ−電子をイオンビームプラズマに沿って押し流す。こ
のフィルタロッド組立体は、イオンビーム中和器におい
ていくつかの利点を備えている。すなわち、フィルタロ
ッドは、1つ以上の目標物となる加工物を最大可能な負
に荷電することを制限する。さらには、フィルタロッド
組立体は、イオンビーム中和器の上流部分近くで、イオ
ンビームプラズマが加熱されることを最小にする。
【0023】電子フラッド(electron flood) の動き
は、絶縁されている目標物から上流にあるイオンビーム
の中心における電圧測定により判断する。低電圧は、不
完全な中和によるイオンビーム内での低残留空間電荷に
相応する。好ましい実施例において開示されたイオンビ
ーム中和器では、同様なイオンビームを用いる場合、他
の従来の電子フラッドが、約15ないし60ボルトのビ
ーム電圧を有するのに対して、約5〜7ボルトのビーム
電圧であることが見いだされた。
【0024】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、イオンビーム
注入装置10が描かれており、このイオンビーム注入装
置10は、注入ステーション16へのビーム通路を移動
するイオンビーム14を形成するイオンを供給するため
に、「L」型支持台15に装着されたイオン源12を備
えている。
【0025】電子制御装置(図示しない)は、注入ステ
ーション16において注入室17内のウエハ(図示しな
い)によって受け入れられるイオンドーズ量を監視かつ
制御している。
【0026】イオンビーム内のイオンは、所定の好まし
いビーム通路に沿って進むが、ビームがイオン源12と
注入ステーション16との間の距離を移動するにつれて
発散する傾向にある。イオン源12は、イオン源材料が
注入される内部領域を形成しているプラズマ室18を備
えている。
【0027】イオン源材料は、ガスあるいは気化したイ
オン化可能な材料を含むことができる。固体のイオン源
材料は、気化器の中に入れられた後、プラズマ室18に
注入される。
【0028】n型の半導体ウエハ材料を望む場合は、ホ
ウ素、ガリウム、或は、インジウムが用いられる。ガリ
ウム及びインジウムは固体のイオン源材料であり、一
方、ホウ素は、典型的には三フッ化ホウ素またはジボラ
ン(diborane)のガスとしてプラズマ室18に注入され
る。その理由は、ホウ素の蒸気圧は低過ぎるので単に加
熱することによって使用可能な圧力に達することができ
るからである。
【0029】p型の半導体ウエハ材料を生産する場合
は、アンチモン、ヒ素、或は、リンが、固体のイオン源
材料として選ばれる。プラズマ室18内に正電荷イオン
を発生させるためにイオン源材料にエネルギが印加され
る。正電荷イオンは、プラズマ室18の開口側を覆って
いるカバープレートの楕円弧状のスリットを通してプラ
ズマ室を出ていく。
【0030】イオンビーム14は、イオン源12から真
空に脱気されている注入室17へ脱気通路を通って移動
する。ビーム通路の脱気は真空ポンプ21でなされる。
【0031】本発明に係るイオン源12は、「低」エネ
ルギ注入装置において利用される。この種の注入装置に
おけるイオンビーム14は、ビーム通路全体に拡散する
傾向があるので、イオン注入装置は、イオン源12から
注入室17まで比較的「短い」通路を有するように設計
されてきた。
【0032】プラズマ室18内のイオンは、プラズマ室
のカバープレートの弧状スリットを通して引き出され、
プラズマ室に隣接する一対の電極24によって、支持台
15に固定された質量分析磁石22に向かって加速され
る。
【0033】一対の電極24は、プラズマ室内部からイ
オンを引き出し、質量分析磁石または質量分解磁石22
によって定められた領域内でイオンを加速する。磁石を
通過するイオンビームの通路はアルミニウム製のビーム
ガイド26によって境界を定めている。
【0034】イオンビーム14を作るイオンは、イオン
源12から質量分析磁石22によって確立された磁界内
を移動する。磁石22によって生ずる磁界の強さと方向
は、界磁巻線を介して電流を調整するために電磁接触器
(magnet connector)90に連結されている電子制御装置
80によって制御される。
【0035】質量分析磁石22は、最適な電荷比の質量
を有するイオンのみをイオン注入ステーション16に到
達させる。プラズマ室18におけるイオン源材料のイオ
ン化は、好ましい原子質量を有する正電荷のイオン種を
発生させる。しかしながら、好ましいイオン種に加え
て、イオン化工程では、最適な質量を有するイオン以外
の質量を有するイオンをある程度発生させる。最適な原
子質量以上または以下の原子質量を有するイオンは、イ
オン注入には適していない。
【0036】質量分析磁石22によって発生される磁界
は、イオンビーム内のイオンを曲線軌跡に沿って移動さ
せる。電子制御装置80によって形成された磁界によっ
て、好ましいイオン種の原子質量と等しい原子質量を持
つイオンだけが、注入ステーション室17に向けて、曲
線のビーム通路を移動する。
【0037】磁石22の下流には分解プレート40が配
置されている。分解プレート40は、ガラス状のグラフ
ァイトから構成されており、イオンビーム14内のイオ
ンが通過する細長い開口を形成している。分解プレート
40の場所では、イオンビームの分散、ビーム包絡線の
幅が最小になっている。
【0038】分解プレート40は、質量分析磁石22と
協動して、イオンビーム14からの好ましくないイオン
種、すなわち、好ましいイオン種の原子質量と同じでは
ないが、好ましいイオン種の原子質量に近い原子質量の
イオン種を排除する。
【0039】上述したように、質量分析磁石22の磁界
の強さと方向は、電子制御装置80によって定まってい
るので、好ましいイオン種の原子量と等しい原子量を有
するイオンだけが、注入ステーション16に向って所定
の好ましいビーム通路を移動する。
【0040】好ましい原子質量より大きいか、または小
さい原子質量を有する好ましくないイオン種は、強く偏
向され、ビームガイド26または分解プレート40で形
成されたスリットに衝突する。
【0041】調整可能な分解スリット41及びファラデ
ーフラッグ(Faraday flag)42は、分解開口40とイオ
ンビーム中和器44との間に配置されている。ファラデ
ーフラッグ42は、ビームラインを形成するハウジング
50に可動に連結されている。ファラデーフラッグ42
は、ビーム特性を測定するためにイオンビーム14と交
差する位置で直線的に動くことができ、測定が満足でき
るものであれば、注入室17のウエハ注入を妨げないよ
うにビームラインの外へ揺動する。
【0042】ビーム形成体は、一般に電子シャワーとし
て言及されるビーム中和器44を備えている。1992
年11月17日にベンベニステ(Benveniste) に発行さ
れた米国特許第5,164,599号は、イオンビーム
注入装置における電子シャワー装置を開示しており、そ
の全ての開示内容は参考としてここに包含される。
【0043】プラズマ室18から引き出されたイオン
は、正電荷を帯びている。イオンの正電荷がウエハの注
入前に中和されないと、ドーピングされたウエハは正味
の正電荷を示すことになる。米国特許第5,164,5
99号に説明されているように、ウエハ上の正味の正電
荷は好ましくない特性を有している。
【0044】中和器44の下流端は、イオンが注入され
るウエハがある注入室17に隣接している。注入室17
内にはディスク型のウエハ支持台60が備えられてい
る。処理されるウエハは、ウエハ支持台の外端の近くに
位置され、ウエハ支持台はモータ62によって回転され
る。モータ62の出力軸は、ベルト66を介して支持駆
動軸64に連結されている。
【0045】イオンビーム14は、円形軌道を回転する
ウエハに衝突する。注入ステーション16は、中和器4
4に対して軸支されており、伸縮自在のベローズ70を
介してハウジング50に連結されている。(図1) 図2ないし図23には、本発明に関連するイオンビーム
中和器44の最適な実施の形態が示されている。図2は
ビーム中和器44の分解透視図である。
【0046】ビーム中和器44は、互いに連結された、
金属製の入口カバー100、金属製の閉込本体120、
及び金属製の出口カバー140を備えている閉込組立体
で構成される。この閉込組立体は、図1に示す位置で注
入装置10に装着されるので、ビーム14は閉込本体1
20を通過する。
【0047】閉込本体120は、その周面に細長い外部
磁石124を等間隔に配列して支持している。カバー1
00、140の各々は、カバー100、140及び閉込
本体120を通してイオンビーム14を通過させるよう
に、細長いほぼ矩形の開口105、145を有してい
る。カバー100、140は、規則正しい間隔で配置さ
れた複数の外部磁石164を保持している。
【0048】閉込本体120、カバー100、140及
び磁石124、164は、閉ざされた磁界を形成し、カ
バー100、140及び閉込本体120によって形成さ
れた領域内で移動する電子を閉込めるようにして、これ
らの電子をイオンビームの電位によって捕獲できるよう
にする。
【0049】図3を参照すると、金属製(典型的には、
アルミニウム)の閉込本体120は、内部領域130を
有する円筒体である。好適な実施の形態によれば、閉込
本体120は周面上に凸条122の列を有している。凸
条122は、細長い磁石124(図16参照)が配置さ
れる溝123で隔てられている。
【0050】図23aに概念的に示すように、磁石12
4は、閉込本体120の周面上に磁極が互い違いになる
ように方向づけられている。合成された磁気閉込領域1
91は、図23aにおいて、点線で示されている。磁石
124の長さとほぼ等しい長さの保持ロッド127(図
21参照)が磁石124に隣接して取付けられている。
【0051】保持ロッド127の両端部には、ねじ穴1
29があり、カバー100、140の周縁に配置された
孔121を介して固着具128が挿入されている。固着
された保持ロッド127は、隣接する磁石124によっ
て半径方向外側に動けないようにしている。
【0052】図4及び図5を参照すると、閉込本体12
0は、一対の開口125a,125bを有しており、一
対の電子源126(図23C)、または電子励起源19
9(図1に1つだけを示す。)を収容している。電子
源、または電子励起源は、金属製の閉込本体120で形
成された中和領域130内で半径方向内方に伸びてい
る。
【0053】好適な実施の形態によれば、図23bに概
念的に示すように、電子励起源は、共振周波数アンテナ
199を構成しており、電源199aは、電磁エネルギ
を放射して、中和領域130内の自由電子を加速し、こ
れらの自由電子がイオンビームプラズマ14の電位によ
って捕獲される。
【0054】他の実施の形態が概念的に図24a及び図
24bに示されており、ここでは閉込本体120は、ほ
ぼ矩形に構成されている。この実施の形態においては、
電子源126は、フィラメントカソード299と、イオ
ンビーム14が通過する中和領域130内に電子を注入
するための電源299aを有している。
【0055】第2の電源299bは、接地された中和器
本体とフィラメントカソード299との間のバイアス電
圧を維持する。図24bに概念的に示すように、磁石1
24は、閉込本体120の周囲に、磁極が互い違いにな
るように方向づけられている。合成された磁気閉込領域
291は、図24a及び図24bに点線で示されてい
る。磁気閉込領域291は、エネルギー電子300を閉
込め、低エネルギー電子301をイオンビーム14に沿
ってドリフトさせる。
【0056】閉込本体120は、更に、前後表面120
a、120bを有し、各々の表面にOリング136(図
2においては1つだけしか示されていない)を収納する
溝135、及び複数の固着具138を収容するねじ穴1
39を有している。金属製のカバー100、140は、
カバー100、140の直径方向に配置された穴131
を通して挿入される固着具138によって閉込本体12
0の対応する表面120a,120bに連結されてい
る。
【0057】図1に示すように、イオンビーム中和器4
4の閉込本体120の外表面及びカバー100、140
の少なくとも1つの外表面は、大気にさらされている。
好適な実施の形態において、Oリング136は、閉込本
体120とカバー100、140との間に圧縮されてお
り、イオンビーム中和器44内の真空と大気圧を密閉し
ている。
【0058】図6ないし図10には、金属製の入口カバ
ー100が、図11ないし図15には、金属製の出口カ
バー140が示されている。入口カバー100及び出口
カバー140は、閉込本体120に対して、軸方向に離
れて、かつ同中心にある。カバー100、140の各々
は、磁石164と対の関係を有する寸法の、規則正しい
間隔の複数のスロット108、148を有している。
【0059】図6に示すように、入口カバー100上の
スロット108の配置及び磁石164のサイズによっ
て、スロット108は1つ以上の磁石164を支持す
る。図11に示す出口カバー140においても同様であ
る。図23bに概念的に示すように、各磁石164は、
1つの磁石164と隣接する磁石164の磁極が互い違
いになるように方向づけられている。
【0060】スロット108、148及び磁石164
は、図23bに点線で示される磁気閉込「壁」201
を、電子源126、または、励起源199によって放射
される自由エネルギー電子を閉込めるように配置されて
いる。
【0061】図2に示すように、磁気閉込プレート(入
口プレート)111は入口カバー100に、また、第2
の磁気閉込プレート(出口プレート)151は出口カバ
ー140に、カバー100、140のねじ穴169に挿
入される固着具168によって取付けられている。プレ
ート111、151は、カバー100、140内に磁石
164をしっかりと固定する。銅製のテープ状体165
は磁石164の外表面に取付けられ、スロット108内
の磁石164の動きをなくすか減少させ、磁石164か
らの熱伝導を促進する。
【0062】カバー100、140の各々は、冷却剤の
通路114、154(図8及び図13を参照)を確定す
るフランジ部を有しており、カバー110、140の周
面の回りに冷却液を循環させている。好適な実施の形態
において、冷却液は、高エネルギーイオンがカバー10
0、140及び閉込本体120に衝突することによって
発生する熱を消滅させる。
【0063】更に、入口カバー100は、フィルタロッ
ド組立体200を支持する開口105を有している。フ
ィルタロッド組立体200は、カバー100のねじ穴1
79に挿入される固着具(図示しない)によってカバー
100に取付けられる。好適な実施の形態において、O
リング236は、カバー100とフィルタロッド組立体
200により圧縮され、イオンビーム中和器44内の真
空を大気圧から密閉する。
【0064】図18、図19及び図20に示されるフィ
ルタロッド組立体200は、開口205を有する金属製
のフランジ202を備え、この開口205の周囲の近辺
に、複数の軸方向に延びる金属製のフィルタロッド20
8を備えている。好適な実施の形態において、フランジ
202及びフィルタロッド208は、アルミニュウムの
ような導電部材で構成されている。
【0065】フィルタロッド208は、閉込本体120
の長さにわたって延びており、下流端209にテーパが
形成されて、カバー140の対応する穴149(図1
2)に支持される。フィルタロッド208は、電子源1
26から半径方向内方に離されており、イオンビーム通
路14の方向とほぼ平行に向けられている。
【0066】図20に示すように、フィルタロッド20
8は、穴が開けられ、細長い磁石224(典型的には、
サマリウム、コバルト製)を収容する内部通路206備
えている。図23aに概念的に示すように、磁石224
は自己整列されているので、フィルタロッド組立体20
0の周辺の、1つの磁石224の磁極が隣接する磁石2
24の反対の磁極に対向しようとする。ねじ穴229
は、ロッド208内に磁石224を保持するために固着
具228(図2参照)を収容する。
【0067】フィルタ磁界181(図23aに点線で示
されている)を形成する開口205及びフィルタロッド
208は、イオンビーム14を形成する。フィルタ磁界
181は、イオンビーム領域から離れる高エネルギ電子
を閉込め、閉込本体120内でイオンビーム14に沿っ
て低エネルギ電子をドリフトさせる。
【0068】この現象は、エー.ジェー.ティー.ホル
メス(A.J.T.Holmes)による「磁極アーク放電における横
断磁界中の電子流(Rev.Sci.Instrum.53(10), 1982年10
月,P1517)」の論文により詳細に説明されており、ここ
に参考として包含される。
【0069】フィルタロッドは、1つ以上の目標物であ
る加工物が負電荷を帯びることを制限する。更に、フィ
ルタロッド組立体200は、イオンビーム中和器44の
上流位置に近いイオンビームプラズマ14の熱を最小に
する。高エネルギ電子は、運動エネルギーに変換する
「クーロン(Coulomb) 衝突」を介して、ビームプラズマ
電子に衝突する。
【0070】図22を参照すると、出口フランジ250
は、出口カバー140の穴241及び出口フランジ25
0のねじ穴259を介して挿入される固着具(図示しな
い)によって出口カバー140に装着される。出口フラ
ンジ250(典型的には、ガラス状のグラファイトで作
られている)は、イオンの衝突からカバ−140をシー
ルドしている間、出口カバー140を通してイオンビー
ム14を通過させる開口255を有している。
【0071】本発明の好適な実施の形態における説明か
ら、当業者であれば、本発明の改良、変更及び修正が可
能である。そのような全ての改良、変更及び修正は、添
付された特許請求の範囲に記載の構成の中に包含され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転支持台上に取付けたシリコンウェハ等の加
工物をイオンビームで処理するためのイオン注入装置の
概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態に従って構成した
イオンビーム中和器の分解斜視図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態に従って構成した
閉込本体を示す正面図である。
【図4】図3を4−4線の方向に見た図である。
【図5】図3の5−5線の方向に見た断面図である。
【図6】本発明の好ましい実施の形態に従って構成した
閉込本体の第1カバーの正面図である。
【図7】図6のカバーの背面図である。
【図8】図6を8−8線の方向に見た図である。
【図9】図6の9−9線の方向に見た断面図である。
【図10】図6の10−10線の方向に見た断面図であ
る。
【図11】本発明の好ましい実施の形態に従って構成し
た閉込本体の第2カバーの正面図である。
【図12】図11のカバーの前面図である。
【図13】図11を13−13線の方向に見た図であ
る。
【図14】図11の14−14線の方向に見た断面図で
ある。
【図15】図11の15−15線の方向に見た断面図で
ある。
【図16】閉込本体に取り付けられた磁石の斜視図であ
る。
【図17】第1,第2カバーに取り付けられた磁石の斜
視図である。
【図18】本発明の好ましい実施の形態に従って構成し
た複数の磁気フィルタロッドの多数を含むフィルタロッ
ド組立体の正面図である。
【図19】図18の19−19線の方向に見た図であ
る。
【図20】図19の20−20線の方向に見た、1つの
フィルタロッドの断面図である。
【図21】閉込本体に磁石を保持するのに使用するリテ
ーナロッドの図である。
【図22】出口フランジ部の背面図である。
【図23】(a) は、閉じ込められた磁界とフィルタ磁界
を示すイオンビーム中和器の模式正面図であり、(b)
は、その模式側面図である。
【図24】(a) は、閉じ込められた磁界を示すイオンビ
ーム中和器の模式側面図であり、(b) は、その模式正面
図である。
【符号の説明】
10 イオン注入装置 12 イオン源 14 イオンビーム 16 注入ステーション 44 中和器 100 入口カバー 111 入口プレート 120 閉込本体 124,164 磁石 126 電子源 140 出口カバー 208 フィルタロッド 224 磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390033020 Eaton Center,Clevel and,Ohio 44114,U.S.A. (72)発明者 ビクター マウリス ベンベニステ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01930−4064 グローセスター ハバー ハイツ 8

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン注入装置と共に用いるイオンビーム
    中和器(44)であって、(a)イオンビームの通路に対し
    て支持され、イオンビームの通路に沿って伸びる側壁を
    有する金属製の閉込本体(120) を備え、さらにイオンビ
    ームを前記閉込本体(120) によって定められた中和領域
    に入れるための開口を有する入口カバー(100) 、及び前
    記イオンビームを前記中和領域を通過して1つ以上の加
    工物に衝突するためにイオンビームを前記閉込本体(12
    0) から出すための開口を有する出口カバー(140) を備
    える閉込み組立体と、(b)前記閉込本体(120) により
    支持され、かつ前記中和領域内に閉じ込めた磁界を形成
    するために、前記入口カバー(100) 、出口カバー(140)
    、及び側壁に対して離設された複数の磁石(124,164)
    と、(c)中和領域内に支持されて、イオンビームが中
    和領域を通過するとき、このイオンビームによって捕獲
    されるこの領域内の中和電子を高密度に集中させる手段
    (126) とを備えていることを特徴とするイオンビーム中
    和器。
  2. 【請求項2】閉込本体(120) は、ほぼ円筒形状であるこ
    とを特徴とする請求項1のイオンビーム中和器。
  3. 【請求項3】少なくともいくつかの磁石(124) が、前記
    閉込本体(120) の周面に軸方向に配置されていることを
    特徴とする請求項2のイオンビーム中和器。
  4. 【請求項4】入口カバー(110) と出口カバー(140) のそ
    れぞれに取付けられる入口プレート(111) と出口プレー
    ト(151) をさらに含み、これらのプレートは、前記両カ
    バー(110,140) の各開口と同中心の開口を有し、閉込め
    磁界を形成するために、前記両カバーの外側対向面に対
    して磁石を保持する内側対向面を有することを特徴とす
    る請求項1のイオンビーム中和器。
  5. 【請求項5】入口カバー(100) は、開口を有する金属製
    フランジと、軸方向に伸びる複数の金属製フィルタロッ
    ド(208) とを備える1つのフィルタロッド組立体を支持
    し、前記フィルタロッド(208) は、前記開口の周辺に隣
    接してイオンビーム移動路に沿って伸び、閉込本体(12
    0) の側壁によって支持されている磁石(124) に対して
    半径方向内方に複数の磁石(224) を支持していることを
    特徴とする請求項1のイオンビーム中和器。
  6. 【請求項6】フィルタロッド(208) は、フィルタロッド
    用の磁石(224) を収容するために穴ぐり加工されている
    ことを特徴とする請求項5のイオンビーム中和器。
  7. 【請求項7】フィルタロッド(208) は、閉込本体(120)
    とほぼ同等の長さを有していることを特徴とする請求項
    6のイオンビーム中和器。
  8. 【請求項8】磁石(124,164) は、永久磁石であることを
    特徴とする請求項1のイオンビーム中和器。
  9. 【請求項9】両カバー(100,140) の各々は、高エネルギ
    ーイオン衝突によって発生する熱を消散させるために、
    閉込本体(120) とともに、冷却用流体を流す冷却用通路
    を形成することを特徴とする請求項1のイオンビーム中
    和器。
  10. 【請求項10】閉込本体(120) の壁は、少なくとも1つ
    の開口を有し、かつ中和領域内に電子を集中させる手段
    (126) が、前記中和領域内に直接電子を放出するため
    に、前記閉込本体(120) の中和領域内に直接取付けられ
    た少なくとも1つの電流搬送用の電子源からなることを
    特徴とする請求項1のイオンビーム中和器。
  11. 【請求項11】電子源は、電流をフィラメントカソード
    に流すために、前記フィラメントカソードと電源(299a)
    を備えていることを特徴とする請求項10のイオンビー
    ム中和器。
  12. 【請求項12】閉込本体(120) の壁は、少なくとも1つ
    の開口を有し、かつ中和領域内に電子を集中させる手段
    (126) が、前記閉込本体(120) の中和領域内に自由電子
    を励起するための共振周波数アンテナ(199) と電源(199
    a)を備えていることを特徴とする請求項1のイオンビー
    ム中和器。
  13. 【請求項13】(a)円筒形状の金属製の閉込本体(12
    0) の周面に等間隔に置かれて支持された複数の軸方向
    に伸びた磁石(124) と、(b)前記閉込本体(120) に対
    して同中心の開口を有し、かつイオンビームがカバー(1
    00,140) と前記閉込本体(120) を通過するように寸法が
    決められた一対の軸方向に離間した金属製のカバー(10
    0,140) と、(C)前記カバーにより支持された、等間
    隔に配置された複数の磁石(164) と、(d)イオンビー
    ムを制限するイオンビームの移動路の方向にほぼ平行に
    指向する 軸方向に伸びた複数の金属製のフィルタロッ
    ド(208) と備えていることを特徴とする請求項1のイオ
    ンビーム中和器。
  14. 【請求項14】フィルタロッドは、金属ボディの長さと
    ほぼ同等の長さを有していることを特徴とする請求項1
    3のイオンビーム中和器。
  15. 【請求項15】フィルタロッド(208) は、少なくとも1
    つのフィルタ磁石(224) をカプセル封入するために穴ぐ
    りされていることを特徴とする請求項13のイオンビー
    ム中和器。
  16. 【請求項16】一対のカバー(100,140) は、閉込本体(1
    20) とともに、イオン衝突によって生じた熱を消散させ
    るために冷却剤を流すためのフランジ構造を形成してい
    ることを特徴とする請求項13のイオンビーム中和器。
  17. 【請求項17】閉込本体(120) は、この本体内に高エネ
    ルギーの電子(300) を供給するために、半径方向内側に
    突出している電子源を設けるための開口(125a)を形成し
    ていることを特徴とする請求項13のイオンビーム中和
    器。
  18. 【請求項18】正荷電イオンを放出するためのイオン源
    (12)と、イオンビーム(14)を前記正荷電イオンから形成
    する構造と、1つ以上の加工物を位置決めて、その場所
    でイオンビーム内のイオンを衝突させるためのイオン注
    入ステーション(16)とを有するイオン注入装置内で、前
    記加工物の処理位置からイオンビーム通路に沿うイオン
    ビームの上流位置に、イオンビーム内に電子を放出する
    イオンビームの中和方法であって、 前記注入ステーションで1つ以上の加工物にイオンを衝
    突させる前にイオンビーム(14)が中和領域を通過できる
    ように、入口及び出口を有する閉込本体(120)によって
    イオンビームの境界を定め、 前記イオンビームが前記閉込本体(120) 内を通過すると
    き、中和領域内に電子を供給し、 電子源(126) から電子を前記閉込本体(120) 内に閉じ込
    める、各ステップを有することを特徴とするイオンビー
    ムの中和方法。
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