JPH1087355A - セメント原料予熱装置およびその改造方法 - Google Patents

セメント原料予熱装置およびその改造方法

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JPH1087355A
JPH1087355A JP23804296A JP23804296A JPH1087355A JP H1087355 A JPH1087355 A JP H1087355A JP 23804296 A JP23804296 A JP 23804296A JP 23804296 A JP23804296 A JP 23804296A JP H1087355 A JPH1087355 A JP H1087355A
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克治 向井
Mikio Murao
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクロンを多段に使用するセメント原料予
熱装置の効率を向上する。 【解決手段】 多段のサイクロン11〜14によって構
成されるサスペンションプレヒータ10のうち、最下段
のサイクロン11をコマ型とし、集塵効率を向上させ
る。これによってサスペンションプレヒータ10全体と
しての原料投入効率と熱効率とを向上させ、動作の安定
化などを図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒状のセメント
原料を焼成するサスペンションプレヒータや仮焼炉付き
サスペンションプレヒータなどのセメント原料予熱装置
およびその改造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から図7に示すようなサイクロン1
が、セメント原料予熱装置のサスペンションプレヒータ
(略称「SP」)や仮焼炉付きサスペンションプレヒー
タ(略称「NSP」)などに複数段用いられている。サ
イクロン1の胴体は、円筒胴体2と逆円錐胴体3とから
成る。円筒胴体2の中心部には、上方から内筒4が挿入
される。円筒胴体2の外周には、ロータリキルンなどの
焼成装置からの排ガスを接線方向に導入する入口ダクト
5が接続される。入口ダクト5から導入された排ガス
は、円筒胴体2および逆円錐胴体3の内周面に沿って旋
回しながら下降する。逆円錐胴体3の下部で、内壁に沿
うようにして下降してきた排ガスは反転して上昇し、排
ガスと混合されていた粉粒状のセメント原料と分離す
る。粉粒状原料が分離され清浄化された排ガスは、内筒
4内に吸込まれ、出口管6を経て排出される。出口管6
と内筒4との間の接続部は、ベローズ7で封止される。
【0003】サイクロン1への排ガスの流入速度viは
たとえば15〜20m/sであり、内筒4への出口速度
voは通常18〜20m/sである。入口ダクト5の高
さをAとすれば、円筒胴体2内に突き出している内筒4
の深さは0.3〜0.5A程度となる。
【0004】図7に示すようなサイクロン1を複数段配
置してサスペンションプレヒータを構成しても、排ガス
中にダスト状態で含まれるセメント原料を充分に回収す
ることは困難である。特開昭54−47721や特開昭
55−27061などには、最低温側の最上段サイクロ
ンの代わりに電気集塵器を設け、熱および原料の回収効
率を向上させることを目的とする先行技術が開示されて
いる。実開平4−50149では、図7に示すようなサ
イクロン1の逆円錐胴体3の途中で、ガス流が反転上昇
する部分付近で径を一旦拡大する形状を有するサイクロ
ンを石灰流動層焼成装置に用いることについての先行技
術が開示されている。なお、本件明細書では、以下、こ
のような内径が一旦拡大する逆円錐胴体を有するサイク
ロンを、「コマ型サイクロン」と称することにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】サスペンションプレヒ
ータの熱および原料の回収効率を向上させるために、最
上段サイクロンの代わりに電気集塵器を設ける先行技術
では、飛散ダストが減少し、フアンへのダストの付着や
ダストによる摩耗に対しては効果があるけれども、電気
集塵器は非常に高価であるので設備コストが上昇する。
電気集塵器の捕集効率は良好であるので、原料投入量が
減少し、排ガス温度が上昇し、熱回収率向上の効果は少
なくなってしまう。さらに、電気集塵器で捕集した原料
中の微粉は、下段の高温側サイクロンでは捕集できない
で、そのような微粉がサスペンションプレヒータの系内
で循環することになり、かえって圧損が増加して必要動
力も増加し、熱効率が悪化するに至ることがある。
【0006】従来、サスペンションプレヒータを構成す
る各サイクロンは、排ガスに対してほぼ同一の出入口流
速になるように設計されている。排ガスの温度は下段ほ
ど高温なので、サイクロンは下段ほど大型化し、ガス粘
性も高いので、サイクロンとしての集塵効率は低くな
る。したがって低温側で捕集して高温側に送り込む微粉
を高温側で捕集することができず、サスペンションプレ
ヒータ系内で微粉が循環し、圧損増加、熱効率低下、安
全運転阻害等の問題が生じる。さらに従来の最下段サイ
クロンは、排ガス温度が850〜900℃の高温のた
め、サイクロンの内筒の焼損が激しく、寿命や取替え費
用の点から内筒の挿入長を短くせざるをえず、特に効率
が悪くなっている。
【0007】本発明の目的は、装置全体として容易に集
塵効率および熱効率を向上させることができるセメント
原料予熱装置および既存のセメント原料予熱装置の改造
方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉粒状のセメ
ント原料を焼成炉の排ガスを利用して予熱し、排ガス中
に混合されたセメント原料を多段に配置されるサイクロ
ンによって分離捕集するセメント原料予熱装置におい
て、多段に配置されるサイクロンのうち、最高温側に配
置されるサイクロンは、残余のサイクロンよりも高集塵
効率型であることを特徴とするセメント原料予熱装置で
ある。 本発明に従えば、セメント原料予熱装置を構成して多段
に配置されるサイクロンのうち、最高温側に配置される
サイクロンに高集塵効率型のものを使用するので、原料
粉末の系内循環が極小となり、圧損の減少による動力の
低減、熱効率の向上、安定運転、生産量増加、製品品質
の安定向上等を図ることができる。特に既設のサスペン
ションプレヒータを改造する場合は、最下段の最高温側
サイクロンを高集塵効率型に改造することによって、全
体としての効率を高めることができる。中間段サイクロ
ンの改造効果は少ない。
【0009】また本発明は、前記多段に配置されるサイ
クロンのうち、最低温側に配置されるサイクロンは、前
記最高温側に配置されるサイクロンとともに、残余のサ
イクロンよりも高集塵効率型であることを特徴とする。 本発明に従えば、多段に配置されるサイクロンのうち、
最高温側とともに最低温側に配置されるサイクロンに高
集塵効率型のものを使用するので、系外に排出されるセ
メント原料を低減し、原料の回収効率を向上させること
ができる。
【0010】また本発明で前記高集塵効率型のサイクロ
ンは、排ガスの内筒出口速度が25m/s以上であり、
内筒の挿入長が入口ダクト高さの0.7倍以上であるこ
とを特徴とする。 本発明に従えば、排ガス内筒内の出口速度が25m/s
以上で従来のサイクロンよりも速くなり、しかも内筒の
挿入長が入口管直径の0.7倍以上あるので、内筒内に
吸込まれる排ガスとセメント原料との分離を充分に行
い、原料の回収効率を向上させることができる。
【0011】また本発明で前記高集塵効率型のサイクロ
ンの内筒は、二重構造を有し、燃焼用空気として回収さ
れる空気によって冷却されることを特徴とする。 本発明に従えば、高集塵効率型のサイクロンの内筒は、
二重構造で燃焼用空気として回収される空気によって冷
却されるので、高集塵効率型のサイクロンを高温側に使
用しても、内筒の損傷を防ぐことができる。内筒の冷却
に使用した空気は燃焼用空気として回収されるので、冷
却による熱損失を総合的に補うことができる。
【0012】また本発明で前記高集塵効率型のサイクロ
ンは、入口断面が残余のサイクロンに比較して縮小さ
れ、排ガスの入口速度が25m/s以上であることを特
徴とする。 本発明に従えば、高集塵効率型のサイクロンでは、入口
断面が残余のサイクロンに比較して縮小され、排ガスの
入口速度が25m/s以上に増加するので、サイクロン
の内壁に沿って旋回するガス流からのセメント原料の分
離を効率的に行うことができる。
【0013】また本発明で前記高集塵効率型のサイクロ
ンは、内径が一定の円筒胴体の下方に接続され、下方に
なるに従って内径が減少する逆円錐胴体が、排ガスの反
転上昇部付近で内径が一旦拡大するような形状を有する
ことを特徴とする。 本発明に従えば、高集塵効率型のサイクロンは、逆円錐
胴体の内壁に沿って排ガス流が旋回して下降し、排ガス
が反転上昇する部分付近で内径が一旦拡大するような形
状を有するので、排ガス流から分離したセメント原料の
再飛散を確実に防止することができる。
【0014】また本発明で前記逆円錐胴体の外周面は、
水平面に対し65°以上の角度で傾斜し、前記ガスの反
転上昇部付近で1.5〜1.8倍に径が拡大することを
特徴とする。 本発明に従えば、セメント原料のサスペンションプレヒ
ータの最下段のサイクロンを、全高を可能なかぎり小さ
くして高集塵効率型とすることができる。
【0015】また本発明で前記逆円錐胴体は、前記内径
の拡大部よりも下方で、軸芯が鉛直線に対して15°以
下の角度で傾斜していることを特徴とする。 本発明に従えば、セメント原料は付着性が少ないので、
逆円錐部の軸芯を傾斜させ、サイクロンの全体の高さを
減少させることができる。
【0016】さらに本発明は、粉粒状のセメント原料を
焼成炉の排ガスを利用して予熱し、排ガス中に混合され
たセメント原料を多段に配置されるサイクロンによって
分離捕集するセメント原料予熱装置の改造方法であっ
て、多段に配置されるサイクロンのうち、最高温側およ
び/または最低温側に配置されるサイクロンの集塵効率
を向上させることを特徴とする。 本発明に従えば、既存の多段サイクロンによるセメント
原料予熱装置のうち、最高温側および/または最低温側
に配置されるサイクロンの集塵効率を向上させることに
よって、全体としての熱効率および原料投入効率を容易
に向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるセメント原料予熱装置としてのサスペンションプレ
ヒータ10の概略的な構成を示す。サスペンションプレ
ヒータ10は、C1〜C4で示す多段のサイクロン1
1,12,13,14によって構成される。第3段目の
サイクロン13と第4段目のサイクロン14との間に原
料投入部15が設けられる。第1段目のサイクロン11
は、コマ型であり、ロータリキルン16から約1100
℃の排ガスが導かれ、セメント原料を捕集する際に約8
50℃まで温度が低下する。約850℃に温度が低下し
た排ガスは、第2段目のサイクロン12に導かれ、約7
00℃まで温度が低下する。約700℃の排ガスは第3
段目のサイクロン13に導かれ、約550℃まで温度が
低下する。約550℃の排ガスは第4段目のサイクロン
14に導かれ、その途中で原料投入部15から粉粒状の
セメント原料が投入される。セメント原料とともに第4
段目のサイクロン14に導入された排ガスは、約350
℃まで温度が低下し、系外に排出される。
【0018】第4段目のサイクロン14で捕集されたセ
メント原料は、第2段目のサイクロン12から第3段目
のサイクロン13までに導かれる排ガス中に混入され、
第3段目のサイクロン13で分離される。分離されたセ
メント原料は、第1段目のサイクロン11から第2段目
のサイクロン12まで排ガスを導かく過程に混入され、
第2段目のサイクロン12で排ガスから分離される。分
離されたセメント原料は、ロータリキルン16から第1
段目のサイクロン11に導入される排ガス中に混入さ
れ、第1段目のサイクロン11で分離されてロータリキ
ルン16に導入される。
【0019】図2は、図1の第1段目のサイクロン11
の構成を示す。サイクロン11は、高集塵効率とするた
めにコマ型の形状を有し、逆円錐胴体21が、円筒胴体
22と下方の逆円錐胴体23との間に介在される。円筒
胴体22内には、中心付近に内筒24が上方から挿入さ
れる。円筒胴体22の外周面には、入口ダクト25が接
続され、円筒胴体22の内周の接線方向に排ガスを導入
する。導入された排ガスは、円筒胴体22の内周面から
逆円錐胴体21の内周面に沿って旋回しながら下降し、
反転上昇部26付近で反転して上昇し、内筒24内に吸
引される。反転上昇部26で逆円錐胴体21は一旦終了
し、拡大壁部27で内径が拡大し、径拡大部28から下
方に再び逆円錐胴体23が接続される。ここで、円筒胴
体22の内径をD、内筒24の内径をd、反転上昇部2
6における逆円錐胴体21の内径をD1、径拡大部28
における逆円錐胴体21の最大内径をD2、逆円錐胴体
23の下端の内径をd1、入口ダクト25の高さをA、
円筒胴体22の高さをH1、円筒胴体22の上部から逆
円錐胴体23の下端までの高さをHとする。また、上側
の逆円錐胴体21の水平面に対する外周面の傾斜角をθ
1、径拡大部28の内壁面の水平面に対する傾斜角をθ
2、下側の逆円錐胴体23の外壁の水平面に対する傾斜
角をθ3とする。d1は0.1Dとする。
【0020】図3は、本発明の実施の他の形態によるコ
マ型サイクロン31の主要部の構成を示す。本実施形態
は、図2のコマ型サイクロンに類似し、異なる部分のみ
を示す。反転上昇部26の下方の拡大壁部37および径
拡大部38は、軸芯39が鉛直線に対してαの角度だけ
傾斜している逆円錐胴体40に接続する。セメント原料
は付着性がたとえば石灰などに比較して少ないので、逆
円錐胴体40を傾斜させ、全体の高さを減少させること
ができる。
【0021】次の表1は、図3のサイクロン31と、実
開平4−50149に開示されている石灰流動層焼成装
置を構成するコマ型サイクロンとの比較を示す。
【0022】
【表1】
【0023】次の表2は、石灰流動層焼成装置を構成す
るコマ型サイクロンに対して図3の実施形態による高さ
H減少の効果を示す。
【0024】
【表2】
【0025】図4および図5は、本発明の実施のさらに
他の形態による高集塵効率型サイクロンの工程を示す。
図4は縦断面図、図5は図4の切断面線V−Vから見て
拡大した断面図をそれぞれ示す。本実施形態によるサイ
クロン41は、円筒胴体42の下方に逆円錐胴体43が
接続され、円筒胴体42内には上方から内筒44が挿入
され、円筒胴体42の側方からは入口ダクト45によっ
て接線方向に排ガスが吹込まれる。内筒44の上方には
出口管46が接続され、ベローズ47によって封止され
る。入口ダクト45の内周面には、耐火物48が挿入さ
れ、入口ダクト45の高さAが減少し、入口速度viが
25m/s以上に増加している。また、内筒44におけ
る出口速度voが25m/s以上になるよう内筒44の
内径が縮小されている。内筒44は、その外周に内筒カ
バー49が設けられ、二重管構造を有する。二重管構造
に対しては、空気入口50と空気出口51とが設けら
れ、二重管構造間の間隙は、複数の仕切り板52によっ
て分割される。各仕切り板52の下方には、連通部53
が形成され、空気入口50から流入した空気が空気出口
51側に通過可能となっている。
【0026】出入口流速を増加するように改造すると、
限界粒子径δmaxは入口速度viの平方根の逆数に比
例し、温度Tの3/8乗に比例する。また効率ηは、そ
の対数が出口速度voに比例する。しかしながら、流速
増加に伴い、再飛散が増加し、効率が低下する。内筒4
4の長さをLが0.7Aより大きくするので、再飛散増
加による効率低下を緩和し、空気冷却によって内筒44
の寿命延長を図ることができる。空気冷却によって失わ
れる熱は、冷却空気を燃焼用の熱風として回収するの
で、総合的な熱効率を低下させることはない。
【0027】図6は、本発明のさらに他の実施形態によ
るセメント原料予熱装置としての仮焼炉付きサスペンシ
ョンプレヒータの概略的な構成を示す。図1の構成に対
応する部分には同一の参照符を付し、説明を省略する。
サスペンションプレヒータ60は、第1段目のサイクロ
ン61にコマ形サイクロンを使用し、さらに内筒を空気
冷却する。第1段目のサイクロン61には、仮焼炉62
からの排ガスが導入される。第1段目のサイクロン61
の内筒を冷却した空気は、仮焼炉62のバーナ63の燃
焼に使用される。ロータリキルン16で焼成されたセメ
ントクリンカは、エアークエンチングクーラ(略称「A
QC」)64で冷却される。エアークエンチングクーラ
64でセメントクリンカを冷却して高温となった空気
は、燃焼用空気として仮焼炉62に戻される。本実施形
態では、サスペンションプレヒータ60の最上段のサイ
クロン65もコマ型で高集塵効率化を図る。
【0028】次の表3は、図6の改造を行った装置につ
いてのシュミレーション結果を示す。
【0029】
【表3】
【0030】以上のようなサイクロンの集塵効率向上の
方法としては、縮径による出口流速voの増加、入
口断面縮小による入口流速viの増加が一般的に知られ
ており、また内筒挿入長Lは円筒胴体の高さH1以内で
長い方が効率がよいことも知られている。従来のサスペ
ンションプレヒータの最下段サイクロンの内筒を細長く
することによって、出口流速vo=20m/sおよびL
=0.3〜0.5Aからvo=25m/sおよびL=
0.7Aとなり、集塵効率が80%から85%にまで向
上した。さらに入口流速viを20m/sから25m/
sに増加させると、効率は87%以上に向上する。vi
=vo=30m/sにすると、再飛散が増加して効率は
低下した。
【0031】最下段サイクロンの内筒を細長くしても、
強制空冷し、冷却空気を回収すると、熱損失なく、従来
より内筒寿命を延長させることができた。最下段サイク
ロンをコマ型に改造したら、再飛散が減少して効率は8
0%から87%に向上し、さらにvo=vi=25m/
sにしたら93%にまで向上した。
【0032】なお、流速増加によってサイクロンでの圧
損は増加するけれども、コマ型は従来型よりも約20%
圧損が少ないので、充分にカバーすることができる。ま
たコマ型は出入口流速をさらに上げても、たとえばvo
=vi=30m/sとしても、再飛散は増加せず、効率
は向上するけれども、圧損が増加するので好ましくはな
い。
【0033】石灰流動層焼成装置のサスペンションプレ
ヒータにコマ型サイクロンを適用した先行技術を基に、
セメント原料予熱装置にコマ型サイクロンを適用するた
め、種々実験の結果、粉体の比重、粒径、付着性、粉体
濃度等の違いから、セメントの場合は前述の表1の形状
とすることで高集塵効率を得ることができた。すなわ
ち、 逆円錐胴体外壁の角度θ1,θ3はセメントの場合6
5°以上あれば粉体が付着せず、効率も変わらない。 拡大部直径D2は石灰の場合よりも少し小さくしても
効率は変わらない。 下側の逆円錐部の軸芯をα=15°以内傾けてもスム
ーズに粉体を排出することができ、効率も変わらない。
【0034】既設のサスペンションプレヒータや仮焼炉
付きサスペンションプレヒータの最下段サイクロンをコ
マ型サイクロンに改造する場合は、配置上、極力全高H
を小さくする必要がある。前述の表2の計算例で、石灰
の場合、全高H=3.173Dに対して、セメント原料
の場合、H=2.009Dとなり、ほぼ従来型サイクロ
ンの全高H=1.972Dに近くすることができるの
で、簡単な改造でサスペンションプレヒータの性能向上
を図ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、多段式の
サイクロンのうち、最下段に配置される最高温側のサイ
クロンを残余のサイクロンに比較して高集塵効率型とす
ることによって、原料の系内循環が極小となり、動力の
減少、熱効率の向上、安定運転、生産量増加、製品品質
の安定・向上等、多くの効果を得ることができる。サイ
クロンの効率は、粉体の粒度分布、凝集性、濃度、系内
循環量等、運転状態の変化に伴って変化し、再飛散の問
題もあって理論的に解明することは不可能であるけれど
も、実機テストにおいて、最下段サイクロンの効率向上
により、全体として効率が向上する所望の効果を得るこ
とができた。
【0036】また本発明によれば、多段式のサイクロン
のうち、最上段に配置される最低温側のサイクロンにも
高集塵効率型のものを使用するので、系外に排出される
セメント原料を低減し、原料投入効率の向上を図ること
ができる。
【0037】また本発明によれば、サイクロンの内筒内
での排ガスの出口速度を25m/s以上で通常のサイク
ロンより速くし、内筒の挿入長も通常のサイクロンより
も長くするので、サイクロン内での集塵効率の向上を図
ることができる。
【0038】また本発明によれば、サイクロンの内筒は
二重管構造を有し、燃焼用空気として回収される空気で
冷却されるので、筒を細長くしても、強制冷却によって
内筒寿命を延長させることができる。
【0039】また本発明によれば、入口断面を縮小して
排ガスの入口速度を25m/s以上とするので、サイク
ロン内でのセメント原料の分離の効率を向上させること
ができる。
【0040】また本発明によれば、逆円錐胴体が排ガス
の反転上昇部付近で内径が一旦拡大するような形状を有
するので、セメント原料の再飛散を防ぎ、集塵効率を向
上させることができる。
【0041】また本発明によれば、逆円錐胴体の外周面
の水平面に対する傾斜の角度が65°以上となり、反転
上昇部付近での内径の拡大が1.5〜1.8倍となり、
セメント原料の性状に合わせてサイクロンの高さを減少
させることができる。
【0042】また本発明によれば、拡大壁下部の逆円錐
胴体は、内径の拡大部よりも下方で鉛直線に対して軸芯
が15°以下の角度で傾斜しているので、サイクロンと
しての全体の高さを減少させることができる。
【0043】さらに本発明によれば、既設のセメント原
料予熱装置のうち、最高温側および/または最低温側に
配置されるサイクロンの集塵効率を向上させるように改
造すればよいので、最小限の改造で全体としての熱効率
および原料回収効率を容易に向上させることができる。
種々シュミレーションの結果、既設のサスペンションプ
レヒータを改造する場合は、最下段サイクロンの効率を
高くすることが最も効果的で、中間段サイクロンの改造
効果は少ないことが判明している。なお、最上段サイク
ロンの効率向上の効果も認められるので、最上段サイク
ロンも高効率型に改造することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態によるサスペンションプ
レヒータの概略的な構成を示す系統図である。
【図2】図1の第1段のサイクロンの構成を示す縦断面
図である。
【図3】本発明の実施の他の形態によるサイクロンの部
分的な断面図である。
【図4】本発明の実施のさらに他の形態によるサイクロ
ンの構成を示す縦断面図である。
【図5】図4のサイクロンの切断面線V−Vから見た拡
大断面図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態によるサスペン
ションプレヒータの構成を示す系統図である。
【図7】従来からのサイクロンの構成を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10,60 サスペンションプレヒータ 11,12,13,14,31,41,61 サイクロ
ン 15 原料投入部 16 ロータリキルン 21,23,40,43 逆円錐胴体 22,42 円筒胴体 24,44 内筒 25,45 入口ダクト 26 反転上昇部 27,37 拡大壁部 28,38 径拡大部 39 軸芯 48 耐火物 49 内筒カバー 50 空気入口 51 空気出口 62 仮焼炉

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒状のセメント原料を焼成炉の排ガス
    を利用して予熱し、排ガス中に混合されたセメント原料
    を多段に配置されるサイクロンによって分離捕集するセ
    メント原料予熱装置において、 多段に配置されるサイクロンのうち、最高温側に配置さ
    れるサイクロンは、残余のサイクロンよりも高集塵効率
    型であることを特徴とするセメント原料予熱装置。
  2. 【請求項2】 前記多段に配置されるサイクロンのう
    ち、最低温側に配置されるサイクロンは、前記最高温側
    に配置されるサイクロンとともに、残余のサイクロンよ
    りも高集塵効率型であることを特徴とする請求項1記載
    のセメント原料予熱装置。
  3. 【請求項3】 前記高集塵効率型のサイクロンは、排ガ
    スの内筒出口速度が25m/s以上であり、内筒の挿入
    長が入口ダクト高さの0.7倍以上であることを特徴と
    する請求項1または2記載のセメント原料予熱装置。
  4. 【請求項4】 前記高集塵効率型のサイクロンの内筒
    は、二重構造を有し、燃焼用空気として回収される空気
    によって冷却されることを特徴とする請求項3記載のセ
    メント原料予熱装置。
  5. 【請求項5】 前記高集塵効率型のサイクロンは、入口
    断面が残余のサイクロンに比較して縮小され、排ガスの
    入口速度が25m/s以上であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のセメント原料予熱装置。
  6. 【請求項6】 前記高集塵効率型のサイクロンは、内径
    が一定の円筒胴体の下方に接続され、下方になるに従っ
    て内径が減少する逆円錐胴体が、排ガスの反転上昇部付
    近で内径が一旦拡大するような形状を有することを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のセメント原料予
    熱装置。
  7. 【請求項7】 前記逆円錐胴体の外周面は、水平面に対
    し65°以上の角度で傾斜し、前記ガスの反転上昇部付
    近で1.5〜1.8倍に径が拡大することを特徴とする
    請求項6記載のセメント原料予熱装置。
  8. 【請求項8】 前記逆円錐胴体は、前記内径の拡大部よ
    りも下方で、軸芯が鉛直線に対して15°以下の角度で
    傾斜していることを特徴とする請求項6または7記載の
    セメント原料予熱装置。
  9. 【請求項9】 粉粒状のセメント原料を焼成炉の排ガス
    を利用して予熱し、排ガス中に混合されたセメント原料
    を多段に配置されるサイクロンによって分離捕集するセ
    メント原料予熱装置の改造方法であって、 多段に配置されるサイクロンのうち、最高温側および/
    または最低温側に配置されるサイクロンの集塵効率を向
    上させることを特徴とするセメント原料予熱装置の改造
    方法。
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