JPH1087802A - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents

共重合ポリエステルの製造方法

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JPH1087802A
JPH1087802A JP24777196A JP24777196A JPH1087802A JP H1087802 A JPH1087802 A JP H1087802A JP 24777196 A JP24777196 A JP 24777196A JP 24777196 A JP24777196 A JP 24777196A JP H1087802 A JPH1087802 A JP H1087802A
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carbon atoms
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aromatic
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JP24777196A
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Inventor
Takashi Ito
伊藤  隆
Nobuaki Kido
伸明 城戸
Shunichi Matsumura
俊一 松村
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスフェノールを重合用原料としてそのまま
用いて、毒性の物質を用いず、煩雑な工程を省き、目的
とするビスフェノールのヒドロキシアルキルエーテルを
共重合したポリエステルを製造する新規な方法を提供す
る。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸(A)と、脂肪族グ
リコール(B)成分とを、(A)に対しエステル化率8
0%以上になるまで加熱反応せしめた後、次いで芳香族
ジヒドロキシ化合物(C)および5員環および/または
6員環のアルキレンカーボネート(D)を、特定量添加
し、触媒の存在下溶融反応せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は共重合ポリエステル
の製造方法に関し、更に詳しくは芳香族ジヒドロキシ化
合物のヒドロキシアルキルエーテルをグリコール成分と
する共重合ポリエステルの改良された新規製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】芳香族ジヒドロキシ化合物(ビスフェノー
ル)をジオール成分とするポリエステル、いわゆるポリ
アリレートは耐熱性が高く、エンジニアリングプラスチ
ックとして用いられている。しかしフェノール性のOH
は脂肪族OHに比べ反応性が大幅に低く、このビスフェ
ノールをポリエチレンテレフタレートの如き脂肪族グリ
コールをジオール成分とするポリエステルと共重合する
ことは実質的に不可能である。そこでビスフェノールを
ヒドロキシアルキルエーテル化してフェノール性のOH
を脂肪族OHとし、これを共重合成分として用いた各種
のポリエステルが提案されている。
【0003】例えば特開平2−269364号、特開平
4−42161号、特開平5−9278号等の公報に
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
のヒドロキシアルキルエーテルを共重合したポリエステ
ルがトナー用の樹脂として有用であることが開示されて
いる。また特開平6−49186号、特開平6−157
730号等の各公報には9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンのヒドロキシアルキルエーテルを
共重合したポリエステルが耐熱性、光学特性、成形性等
に優れていることが開示されている。これらのポリエス
テルの製造には対応するビスフェノールのヒドロキシエ
トキシエーテルが用いられている。
【0004】ビスフェノールのヒドロキシエトキシエー
テルは、別途これをまず合成しなければならない。この
合成は通常ビスフェノールにエチレンオキシド、プロピ
レンオキシド等のオキシラン類を反応せしめることによ
り行われるが、この反応は煩雑な上、エチレンオキシド
は極めて毒性が強いなど問題点が多い。さらに得られた
ビスフェノールのヒドロキシアルキルエーテルにはオキ
シラン類が2個以上付加した副生成物が含まれるのが通
例であるが、これを例えば蒸留等の方法により除去する
ことは目的物の沸点が高いため実質的に不可能である。
また用いるビスフェノールの種類にもよるが生成物の結
晶性が一般に低いため再結晶等による精製も困難な場合
が多い。このため重合用のモノマーとして使用できない
場合や、使用可能な場合でもポリマーのコストが高くな
るなの問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点のないビスフェノールのヒドロキシアルキルエー
テルを共重合したポリエステルの新規な製造方法を提供
することにある。本発明の他の目的は、ビスフェノール
のヒドロキシアルキルエーテルを使用せず、ビスフェノ
ールを重合用原料としてそのまま用いて目的とするビス
フェノールのヒドロキシアルキルエーテルを共重合した
ポリエステルを製造する新規な方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記式
(5)を満足する量の下記式(1)で示される芳香族ジ
カルボン酸(A)と下記式(2)で示される脂肪族グリ
コール(B)とを、(A)に対しエステル化率80%以
上になるまで加熱反応せしめた後、次いで下記式(3)
で示される芳香族ジヒドロキシ化合物(C)および下記
式(4)で示される5員環および/または6員環のアル
キレンカーボネート(D)を、下記式(6)および
(7)を満足する量添加し、触媒の存在下、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物(C)の使用量に対して150モル%以
上の炭酸ガスが発生するまで溶融反応せしめることを特
徴とする共重合ポリエステルの製造方法により達成する
ことができる。
【0007】
【化2】
【0008】[式(1)において、Ar1は炭素原子数
6〜12の芳香族残基を示す。式(2)において、R1
は炭素原子数2〜6のアルキレンを示す。式(3)にお
いて、Ar2は炭素原子数6〜12の芳香族残基または
−Ar3−X−Ar3−(ここでAr3は炭素原子数6〜
12の芳香族残基であり、Xは−C(CH32−、−O
−、−CO−、−SO2−、−S−または異種原子を含
有していてもよい炭素原子数1〜15の2価の残基を示
す。)を示す。式(4)において、R2は環状カーボネ
ート構造が5員環あるいは6員環を形成する炭素原子数
2〜5のアルキレンを示す。]
【0009】
【数2】 1≦b/a≦2 (5) 0.01a≦c≦0.99a (6) 1.8c+2a(1−e/100)≦d≦3.0c+2a(1−e/100) (7) [式(5)、(6)および(7)において、a,b,c
およびdはそれぞれ上記成分A,B,CおよびDの当量
数を示す。eは成分Aと成分Bとの反応後のエステル化
率(%)を示す。]
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明につき詳述する。上記
式(1)で示される芳香族ジカルボン酸(A)におい
て、Ar1は炭素原子数6〜12の芳香族残基を示す。
具体的には、 p−フェニレン、m−フェニレン、2,
6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、4,4’−ビフ
ェニレン等を挙げることができ、具体的な芳香族ジカル
ボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、4,4‘−ジフェニルカルボン酸等
を挙げることができる。この中でテレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸を好ましく用いることができる。
【0011】上記式(2)で示される脂肪族グリコール
(B)において、 R1は炭素原子数2〜6のアルキレン
を示す。グリコール(B)としては具体的には、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール、2,2’−ビス(4ーヒドロキシシク
ロヘキシル)プロパン等を挙げることができる。これら
のうちエチレングリコール、テトラメチレングリコール
が好ましい。
【0012】上記式(3)で示される芳香族ジヒドロキ
シ化合物(C)において、Ar2は炭素原子数6〜12
の芳香族残基、または−Ar3−X−Ar3−を示す。炭
素原子数6〜12の芳香族残基としてはp−フェニレ
ン、m−フェニレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナ
フチレン、1,5−ナフチレン、4,4’−ビフェニレ
ン等を挙げることができる。Ar3はハロゲンで置換さ
れていてもよい炭素原子数6〜10の芳香族残基であ
り、Xは−C(CH32−、−O−、−CO−、−SO
2−、−S−および異種原子を含有していてもよい炭素
原子数1〜15の2価の残基からなる群から選ばれる。
炭素原子数1〜15の2価の残基とは、アルキレン基、
アルキルアリール基などを挙げることができる。
【0013】ここで、芳香族ジヒドロキシ化合物(C)
としては具体的には、ハイドロキノン、レゾルシン、
2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキ
シナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,
4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、3,
3’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)パーフロロプロパン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1−ジフェニルメタン、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−フルオレン、フェノールフタ
レイン、フェノールスルホンフタレイン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチル−フェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロル−フェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブ
ロモ−フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−t−ブチル−フェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチル−フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロピル−フ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−イソプロピル−フェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロ
ル−フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジブロモ−フェニル)プロパン、ビス(4
−ヒドロキシ−3−クロル−フェニル)スルホン、ビス
(4−ヒドロキシ−3−ブロモ−フェニル)スルホン、
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロル−フェニル)
スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ−
フェニル)スルホン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシ
フェノキシ)ジフェニル、1,4−ビス(3−ヒドロキ
シフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−ヒドロ
キシフェノキシ)ジフェニル、1,4−ビス{p−ヒド
ロキシ−α−クミル}ベンゼン、1,3−ビス{p−ヒ
ドロキシ−α−クミル}ベンゼン等を挙げることができ
る。
【0014】上記式(4)で示されるアルキレンカーボ
ネート(D)において、R2は環状カーボネート構造が
5員環あるいは6員環を形成する炭素原子数2〜5のア
ルキレンを示す。アルキレンカーボネート(D)として
は具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、トリメチレンカーボネート、ネオペチレング
リコール環状カーボネート等を挙げることができる。こ
れらのうちエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ートが好ましく、エチレンカーボネートが特に好まし
い。
【0015】本発明の製造方法は、まず上記の(A)お
よび(B)成分を上記式(5)を満足する割合で混合
し、加熱反応を実施して溶融重合する。
【0016】ここで、グリコール(B)の使用割合が上
記式(5)の範囲外となるとエステル化反応が遅くなっ
たり、また重合性が低下したりして好ましくない。グリ
コール(B)の使用割合は下記式(5−1)を満足する
ことが好ましく、下記式(5−2)を満足することがよ
り好ましい。
【0017】
【数3】 1.1≦ b/a ≦2 (5−1) 1.2≦ b/a ≦2 (5−2)
【0018】この溶融重合はポリエステルの分野におい
て従来より実施されている公知の方法をそのまま用いる
ことができる。すなわち反応条件としては反応温度が2
40〜320℃、好ましくは260〜300℃程度、反
応時間は1〜24時間、好ましくは2〜20時間程度で
ある。反応は不活性ガス雰囲気下の加圧状態をしばらく
維持し芳香族ジカルボン酸(A)を系に完全溶融せしめ
る。加圧条件は、1〜30kg/cm2、好ましくは2
〜10kg/cm2の範囲である。その後、常圧あるい
は減圧状態で脱グリコール反応せしめ、エステル化率を
80%以上まで進行させる。エステル化率が80%より
少ないと、後の反応が進行せず、十分な重合度の共重合
ポリエステルが得られない。このエステル化率は、ポリ
マー末端のカルボキシル基量より求めることができる。
【0019】この重合反応時には重合用触媒としては、
特に必要はないが、反応を促進するため、適宜公知の触
媒を用いることができる。
【0020】本発明の製造方法は上記の反応に引き続い
て、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物(C)、アルキレ
ンカーボネート(D)および触媒を添加し、上記式
(6)および(7)を満足する割合で混合し、溶融重合
反応を実施する。
【0021】式(6)は芳香族ジカルボン酸(A)に対
する芳香族ジヒドロキシ化合物(C」)の使用割合を示
すが、この使用割合は下記式(6−1)を満足すること
が好ましく、下記式(6−2)を満足することがより好
ましい。
【0022】
【数4】 0.03a≦c≦0.97a (6−1) 0.05a≦c≦0.95a (6−2)
【0023】式(7)においては、アルキレンカーボネ
ート(D)の使用割合が芳香族ジヒドロキシ化合物
(C)に対して1.8倍当量未満では、未反応のフェノ
ール性OHの残留量が多くなって重合性が低下し、また
3倍当量より多いと未反応のアルキレンカーボネートを
留去させる必要が生じ好ましくない。アルキレンカーボ
ネート(D)の芳香族ジヒドロキシ化合物(C)に対す
る使用割合は下記式(7−1)を満足することが好まし
く、下記式(7−2)を満足することがより好ましい。
【0024】
【数5】 1.9c+2a(1−e/100)≦d≦2.7c+2a(1−e/100) (7−1) 2.0c+2a(1−e/100)≦d≦2.5c+2a(1−e/100) (7−2)
【0025】反応に用いる触媒としては、エステル交換
反応および芳香族ジヒドロキシ化合物(C)とアルキレ
ンカーボネート(D)とのエーテル化反応を促進するも
のであり、例えば以下に示す化合物を挙げることができ
る。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、酢酸リチ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属
化合物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸
マグネシウム、酢酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等
のアルカリ土類金属化合物;酢酸マンガン等のマンガン
化合物;ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジアセテー
ト、酢酸第一錫等の錫化合物;酢酸亜鉛等の亜鉛化合
物;テトラブチルチタネート等のチタン化合物;三酸化
アンチモン等のアンチモン化合物;酸化ゲルマニウム等
のゲルマニウム化合物;等。
【0026】これら触媒の使用量は特に制限はないが、
芳香族ジカルボン酸(A)との総和当量に対し、大略
0.005〜0.5モル%程度の量である。これらの触媒
は1種または2種以上を併用してもよい。
【0027】この反応の際、芳香族ジヒドロキシ化合物
(C)の使用量に対して150モル%以上の炭酸ガスが
発生するまで反応せしめる必要がある。ここで発生する
炭酸ガスは芳香族ジヒドロキシ化合物(C)とアルキレ
ンカーボネート(D)との反応により生成するものであ
り、この反応により芳香族ジヒドロキシ化合物(C)の
ヒドロキシアルキルエーテルが生成する。従って炭酸ガ
スの発生量をモニターすることによりエーテル化反応の
進行をチェックすることができる。炭酸ガスの発生量は
例えばガスフローメーター、ガス流量積算計などにより
容易に測定することができる。この発生量が芳香族ジヒ
ドロキシ化合物(C)の使用量に対して150モル%未
満ではエーテル化反応が不十分であり、結果として低反
応性のフェノール性のOH基の残留量が多くなり、重合
性が低下するなどの問題がある。炭酸ガスの発生量は芳
香族ジヒドロキシ化合物(C)の使用量に対して好まし
くは160モル%以上、より好ましくは170モル%以
上、特に好ましくは180モル%以上である。
【0028】溶融反応時の反応条件としては、大略反応
温度が150〜260℃、好ましくは170〜240℃
程度、反応時間が30分〜8時間、好ましくは1〜6時
間程度である。この反応は常圧下、窒素、アルゴン等の
不活性ガス気流中で好ましく実施できるが、炭酸ガスの
発生が開始した後はこれら不活性ガスを強制的に導入す
る必要はなく、炭酸ガスの発生量測定のため一時的に不
活性ガス導入を停止することが好ましく実施される。こ
の場合、所定量の炭酸ガスの発生を確認して後不活性ガ
スを導入することが好ましい。
【0029】この反応時には上記のエーテル化反応と同
時に前段階の反応により生成した芳香族ジカルボン酸
(A)と脂肪族グリコール(B)からなるポリエステル
オリゴマーと、上記反応により生成した芳香族ジヒドロ
キシ化合物(C)のヒドロキシアルキルエーテルとのエ
ステル交換反応が進行し、本発明の方法によれば炭酸ガ
ス発生により過剰グリコール(B)の留出が促進されエ
ステル交換反応が速やかに進行する。炭酸ガスの発生が
収まった後、引き続き常圧あるいは減圧状態で脱グリコ
ール反応を進行させ、目的の共重合ポリエステルを得
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステルの製造方法
によれば、従来のように芳香族ジヒドロキシ化合物のヒ
ドロキシアルキルエーテルを用いることなく、安価な芳
香族ジヒドロキシ化合物をそのまま重合原料として使用
可能である。従って原料コストが安価となるのはもちろ
んのこと、ヒドロキシアルキルエーテル化物の合成、精
製が困難であった各種の芳香族ジヒドロキシ化合物をそ
のまま使用することができるため、従来製造することが
できなかった新規構造の共重合ポリエステルが合成可能
となるなどその工業的意義は極めて大きい。
【0031】本発明の共重合ポリエステルは繊維、フィ
ルム、シート、プラスチックス、接着剤、バインダー、
コーティング用樹脂等として用いられる。特にトナー用
のバインダー樹脂として好適である。
【0032】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳述するが、本
発明はこれに限定されるものではない。実施例中、
「部」は重量部を示す。
【0033】ポリマーの還元粘度(ηsp/C)は、フェ
ノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン混合溶媒
(重量比6/4)を用い、ポリマー濃度1.2g/d
l、温度35℃で測定した。
【0034】ポリマーの熱特性はDSCを用い、昇温速
度20℃/分の条件下で測定した。
【0035】エステル化率は、ポリマー末端カルボキシ
ル基量より求めた。末端カルボキシル基量は、試料30
mgをベンジルアルコール10ccに溶解した後、フェ
ノールレッドを指示薬としてN/50NaOHaqで滴
定して求めた。
【0036】[実施例1]テレフタル酸166部(10
0モル%)、エチレングリコール74.4部(120モ
ル%)および酢酸リチウム2水和物0.015部(0.
015モル%)を撹拌装置、精留塔を介した留出系を有
する反応容器に入れ、常温下で反応容器を窒素ガスで置
換後、3kg/cm2Gの窒素ガスを封入し、撹拌下加
熱を開始する。内温の上昇と共に水の流出が始まる。内
温を240℃に昇温した後、3時間加熱撹拌を行った。
この時点で理論量のおよそ80モル%の水が留出した。
更に3時間加熱撹拌を行い、水の流出がほとんど止まっ
た後、0.5時間かけて圧力を徐々に常圧に戻し、ポリ
エステルオリゴマーを得た。得られたオリゴマーの末端
カルボキシル基量は、355eq/106gであり、エ
ステル化率は90%であった。
【0037】得られた反応物に2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン103部(45モル%)、プ
ロピレンカーボネート102部(100モル%)および
炭酸ナトリウム0.1部を加え、再び窒素ガスで置換
後、常圧下反応容器を200℃に加熱した。内温が18
0℃になった時点で窒素ガスの導入を停止し、反応留出
系の末端に積算計を備えたガスフローメーターを接続
し、反応系内から発生する炭酸ガス量を測定した。反応
温度200℃で1時間保持した後、これを220℃に昇
温しさらに1.5時間反応させた。この時点で2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの仕込量に対
して、190%のモル量の炭酸ガスが発生した。さらに
これにp−トルエンスルホン酸水和物0.38部、テト
ラブチルチタネートを0.08部を加えた後、系内を常
圧状態にして窒素気流中約5時間脱グリコール反応を行
った。得られたポリマーは淡黄色透明で、ηsp/C0.
22、Tg66℃であった。このポリマーはトナー用の
バインダー樹脂として用いることができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(5)を満足する量の下記式
    (1)で示される芳香族ジカルボン酸(A)と下記式
    (2)で示される脂肪族グリコール(B)とを、(A)
    に対しエステル化率80%以上になるまで加熱反応せし
    めた後、次いで下記式(3)で示される芳香族ジヒドロ
    キシ化合物(C)および下記式(4)で示される5員環
    および/または6員環のアルキレンカーボネート(D)
    を、下記式(6)および(7)を満足する量添加し、触
    媒の存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物(C)の使用量
    に対して150モル%以上の炭酸ガスが発生するまで溶
    融反応せしめることを特徴とする共重合ポリエステルの
    製造方法。 【化1】 [式(1)において、Ar1は炭素原子数6〜12の芳
    香族残基を示す。式(2)において、R1は炭素原子数
    2〜6のアルキレンを示す。式(3)において、Ar2
    は炭素原子数6〜12の芳香族残基または−Ar3−X
    −Ar3−(ここでAr3は炭素原子数6〜12の芳香族
    残基であり、Xは−C(CH32−、−O−、−CO
    −、−SO2−、−S−または異種原子を含有していて
    もよい炭素原子数1〜15の2価の残基を示す。)を示
    す。式(4)において、R2は環状カーボネート構造が
    5員環あるいは6員環を形成する炭素原子数2〜5のア
    ルキレンを示す。] 【数1】 1≦b/a≦2 (5) 0.01a≦c≦0.99a (6) 1.8c+2a(1−e/100)≦d≦3.0c+2a(1−e/100) (7) [式(5)、(6)および(7)において、a,b,c
    およびdはそれぞれ上記成分A,B,CおよびDの当量
    数を示す。eは成分Aと成分Bとの反応後のエステル化
    率(%)を示す。]
JP24777196A 1996-09-19 1996-09-19 共重合ポリエステルの製造方法 Pending JPH1087802A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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