JPH1087972A - プラスチック製表面化粧材 - Google Patents

プラスチック製表面化粧材

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JPH1087972A
JPH1087972A JP24794596A JP24794596A JPH1087972A JP H1087972 A JPH1087972 A JP H1087972A JP 24794596 A JP24794596 A JP 24794596A JP 24794596 A JP24794596 A JP 24794596A JP H1087972 A JPH1087972 A JP H1087972A
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Nobukatsu Wakabayashi
信克 若林
Kiyotaka Hirano
清高 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出加工性、表面平滑性、成形時の曲げ加工
性に優れ、且つ熱転写印刷性と低温での耐衝撃性に優れ
たプラスチック製表面化粧材を提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸成分、低分子ジオール成分
および数平均分子量が300〜6000のポリアルキレ
ンオキシドグリコール成分を共重合してなり、該ポリア
ルキレンオキシドグリコール成分が1〜12重量%であ
り、融点が210〜245℃であり、250℃で測定し
た溶融粘度が3000ポイズ以上であるポリエステル樹
脂と酸化防止剤とを配合してなる熱可塑性ポリエステル
樹脂組成物を成形してなるプラスチック製表面化粧材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂組成物を成形してなるプラスッチク製表面化粧
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック製表面化粧材は、印
刷により様々な模様、絵柄が施されているが、プラッス
ッチック用塗料は剥がれやすく、例えば、スケートボー
ドやスキーの表皮材に印刷されている塗料は使用中に剥
離しやすく、外観を損ねるという問題があった。そのた
め、この剥離を改善する印刷法として、熱転写による印
刷法が採用されてきている。熱転写法によれば、塗料が
プラスッチック表面から内部に浸透しやすく、剥離が解
消される。熱転写法による印刷性が優れるプラスチック
としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂が
挙げられる。しかしポリブチレンテレフタレート樹脂の
シートは,成型時の曲げ加工性、低温下での割れ等に問
題があることが判明した。
【0003】ポリブチレンテレフタレート樹脂に代わる
樹脂としては、例えば、芳香族ジカルボン酸と低分子グ
リコールからなるポリエステルをハードセグメントと、
ポリアルキレンオキシドグリコールをソフトセグメント
とするポリエステルエラストマーが挙げられるが、かか
るエラストマーは、伸びは向上するものの耐候性、特に
耐紫外線性に劣り、成形品の着色や表面劣化が起こりや
すく、スキー等のスポーツ用途への適用には制約があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、押出
加工性、表面平滑性、隠蔽性、成形時の曲げ加工性に優
れ、且つ、熱転写印刷性と低温での耐衝撃性に優れたプ
ラスチック製表面化粧材を提供することにある。
【0005】
【課題が解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ジカ
ルボン酸成分、低分子ジオール成分および数平均分子量
が300〜6000のポリアルキレンオキシドグリコー
ル成分を共重合してなり、該ポリアルキレンオキシドグ
リコール成分が1〜12重量%であり、融点が210〜
245℃であり、250℃で測定した溶融粘度が300
0ポイズ以上であるポリエステル樹脂と酸化防止剤とを
配合してなる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形し
てなるプラスチック製表面化粧材に存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸および
/またはそのエステル形成性誘導体であり、ジカルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2、6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、ビス(4,4’−カルボキシフェニル)
メタン、アントラセンジカルボン酸、4、4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジシ
クロヘキシルジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、
およびアジピン酸、サバシン酸、アゼライン酸、ダイマ
ー酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、好まし
くは芳香族ジカルボン酸が挙げられる。機械的性質や耐
熱性の点から、ジカルボン酸の100〜70モル%は芳
香族ジカルボン酸であることが好ましい。芳香族ジカル
ボン酸としては、好ましくはテレフタル酸が挙げられ
る。
【0007】本発明における低分子ジオール成分として
は、低分子ジオールおよび/またはそのエステル形成性
誘導体であり、低分子ジオールとしては、炭素数2〜1
5の脂肪族ジオール、炭素数6〜20の脂環族ジオール
および炭素数15〜25のビスフェノール誘導体が挙げ
られ、好ましくは、炭素数2〜15の脂肪族ジオールお
よび炭素数6〜20の脂環族ジオールが挙げられ、特に
好ましくは炭素数2〜8の脂肪族ジオールが挙げられ
る。低分子ジオールとしては、混合物であってもよく、
低分子ジオールの100〜70モル%は、炭素数2〜1
5の脂肪族ジオールであることが好ましい。
【0008】低分子ジオールの具体例としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシ
メタン、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシプロパ
ン、ビスフェノールAエチレンオキシド付加ジオール、
テトラブロムビスフェノールAエチレンオキシド付加ジ
オール及びこれらの混合物等が挙げられる。低分子ジオ
ールとしては、好ましくは、テトラメチレングリコール
(1,4−ブタンジオール)が挙げられる。
【0009】数平均分子量が300〜6000のポリア
ルキレンオキシドグリコール成分としては、数平均分子
量が300〜6000のポリアルキレンオキシドグリコ
ールおよび/またはそのエステル形成性誘導体であり、
数平均分子量が300〜6000のポリアルキレンオキ
シドグリコールとしては、ポリエチレンオキシドグリコ
ール、ポリプロピレンオキシドグリコール、ポリテトラ
メチレンオキシドグリコール、及びこれらのポリアルキ
レンオキシドグリコールのランダムあるいはブロック共
重合体などが挙げられ、好ましくはポリテトラメチレン
オキシドグリコールが挙げられる。
【0010】ポリアルキレンオキシドグリコール成分の
数平均分子量は、300〜6000であり、これより低
分子量であると熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の低温
衝撃性が不十分であり、分子量が大きすぎると耐熱性が
低下しやすい。ポリアルキレンオキシドグリコールの数
平均分子量は、好ましくは300〜4000であり、更
に好ましくは500〜3000である。
【0011】本発明におけるポリエステル樹脂として
は、ジカルボン酸成分、低分子ジオール成分および数平
均分子量が300〜6000のポリアルキレンオキシド
グリコール成分を共重合してなる重合体であり、数平均
分子量が300〜6000のポリアルキレンオキシドグ
リコール成分の割合は、ポリエステル樹脂の1〜12重
量%であり、ジカルボン酸と低分子ジオールからなるポ
リエステル成分の割合は99〜88重量%である。
【0012】ポリアルキレンオキシドグリコール成分の
割合が、この範囲より少ないと低温衝撃強度が不十分と
なりやすく、この範囲より多いとポリエステル樹脂の融
点が低くなり熱転写印刷時の熱履歴に耐えられなく印刷
が不鮮明になりやすく、また表面硬度が低下しやすい。
数平均分子量が300〜6000のポリアルキレンオキ
シドグリコール成分の割合は、好ましくは、ポリエステ
ル樹脂の2〜10重量%である。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂について
は、例えば、ポリアルキレンオキシドグリコール成分の
割合が12重量%を越えるポリエステル共重合体とポリ
アルキレンオキシドグリコール成分の割合が12重量%
未満のポリエステル共重合体とを混合するか、ポリアル
キレンオキシドグリコール成分の割合が12重量%を越
えるポリエステル共重合体とポリアルキレンオキシドグ
リコール成分を含有しないポリエステル重合体とを混合
する等の方法により、ポリアルキレンオキシドグリコー
ル量を1〜12重量%の所望の重量%に調整することも
できる。
【0014】本発明におけるポリエステル樹脂の融点は
210〜245℃であり、好ましくは210〜230℃
である。融点がこの温度範囲より低いと熱転写性が不十
分となりやすく、高いと加工がしにくくなる。ポリエス
テル樹脂の溶融粘度は、250℃で測定した溶融粘度
で、3000ポイズ以上であり、好ましくは3000〜
20000ポイズであり、より好ましくは5000〜1
5000ポイズである。ポリエステル樹脂の溶融粘度が
この粘度より低いとシートの押出成形性が低下しやす
く、低温衝撃性が不十分となりやすい。
【0015】本発明におけるポリエステル樹脂の製法と
しては、通常のポリエステル樹脂の重合法により製造が
可能である。その一例としては、ジカルボン酸のジメチ
ルエステルに低分子ジオール及びポリアルキレンオキシ
ドグリコールを過剰量すなわち酸に対して1.1〜1.
5倍モル使用して、エステル交換触媒存在下、約150
〜260℃で加熱反応させメタノールを留出させる。つ
いで必要に応じ縮合触媒を添加し、1mmHg以下の減
圧度にて、200〜280℃で加熱重縮合させポリマー
を得る。この際ポリアルキレンオキシドグリコールを先
に加えてエステル交換の後低分子ジオールを添加し引き
続きエステル交換し更に重縮合する方法も採用できる。
またジカルボン酸、低分子ジオールおよびポリアルキレ
ンオキシドグリコールを直接重縮合する方法も採用でき
る。
【0016】上記のごとく溶融重縮合して得られたポリ
エステルペレットを不活性ガス気流下高温加熱処理(固
相重合)することにより、さらに分子量を高めたポリエ
ステルとすることもできる。
【0017】本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物としては、上記のポリエステル樹脂と酸化防止剤
とを配合して得られる。酸化防止剤としては、チオエー
テル系化合物、フォスファイト系化合物、ヒンダードフ
ェノール化合物等が挙げられ、好ましくは、チオエーテ
ル系化合物およびフォスファイト系化合物が挙げられ
る。
【0018】チオエーテル系化合物の具体例としては、
ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジ
プロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリト
ールーテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールーテトラキス(3−ドデシ
ルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールーテト
ラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペン
タエリスリトールーテトラキス(3−ミリスチルチオプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトールーテトラキス
(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられ、
好ましくは、ペンタエリスリトールーテトラキス(3−
ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール
ーテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペ
ンタエリスリトールーテトラキス(3−オクタデシルチ
オプロピオネート)、ペンタエリスリトールーテトラキ
ス(3−ミリスチルチオプロピオネート)およびペンタ
エリスリトールーテトラキス(3−ステアリルチオプロ
ピオネート)等が挙げられる。チオエーテル系化合物の
分子量は、好ましくは、1000以上である。
【0019】チオエーテル系化合物は過酸化物分解剤と
して作用し、本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物に配合することにより着色が防止できる。チオエ
ーテル系化合物の添加量は熱可塑性ポリエステル樹脂組
成物の0.01〜1重量%、好ましくは0.1%〜0.
5重量%である。これより少ないと熱安定性が低下しや
すく、多すぎると、成型品の外観を損ねたり、成形品の
強度が低下しやすい。
【0020】フォスファイト系化合物の具体例として
は、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)オクチルフォスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ジトリデシルフォスファイト−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、ジノニルフェニルペ
ンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペ
ンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−
フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニル)、ペンタエリスリトール−ジ−フォス
ファイト等が挙げられ、好ましくは、ビス(2、6ージ
ーt−ブチルー4ーメチルフェニル)ペンタエリスリト
ールージーフォスファイト等が挙げられる。フォスファ
イト系化合物の分子量は約500以上が好ましい。
【0021】フォスファイト系化合物は加工時の樹脂の
酸化を防止し、色相変化を抑制すると共に、高温下使用
時の熱褪色に効果がある。フォスファイト系化合物の添
加量は熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の0.01〜1
重量%、好ましくは0.1%〜0.5重量%である。こ
れより少ないと熱安定性が低下しやすく、多すぎると成
形品の外観を損ねたり、強度低下が起こりやすい。
【0022】ヒンダードフェノール系化合物の具体例と
しては、トリエチレングリコール[3−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピル]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート等が挙げられ、好ましくは、ペンタエ
リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げ
られる。
【0023】ヒンダードフェノール系化合物の添加量は
熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の0.01〜1重量
%、好ましくは0.1%〜0.5重量%である。これよ
り少ないと熱安定性が低下しやすく、多すぎると成形品
の外観を損ねたり、強度低下が起こりやすい。
【0024】熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、好ま
しくは、ベンゾトリアゾール系化合物またはヒンダート
アミン系化合物を含有する。熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物は、更に好ましくは、チオエーテル系化合物、フ
ォスファイト系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物お
よびヒンダートアミン系化合物を含有する。かかる樹脂
組成物から成形されるプラスチック製表面化粧材は耐候
性に優れ、紫外線による表面劣化の防止、変色防止に優
れており、スポーツ用品の表皮材である表面化粧材に著
しく有用である。
【0025】ベンゾトリアゾール系化合物の具体例とし
ては、2−(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−オクチルフ
ェニル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’
−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾト
リアゾール等があり、好ましくは2−(5’−メチル−
2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメ
チルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾールである。
【0026】ベンゾトリアゾール系化合物は成型品の紫
外線による変色や劣化の抑制に効果があり、上記のベン
ゾトリアゾール系化合物は、チオエーテル系化合物やフ
ォスファイト系化合物と組み合わせて使用した場合にあ
っても、黄変着色が少なく、かつ、紫外線吸収剤として
の効果も十分に発現できる。ベンゾトリアゾール系化合
物の添加量は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の0.
01〜1重量%であり、好ましくは0.1%〜0.5重
量%である。添加量がこれより少ないと耐候性が低下し
やすく、多すぎると着色やシート成形時ガス発生等が起
こりやすく、成形品の強度も低下しやすい。
【0027】ヒンダートアミン系化合物の具体例として
は、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)1,2,3,4ブタンテトラカルボキ
シレート、下記の式(1)で表される化合物、および式
(2)で表される化合物等が挙げられ、好ましくは、式
(2)で表される化合物である。
【0028】
【化1】
【0029】ヒンダートアミン系化合物は成型品の紫外
線による変色や劣化の抑制に効果があり、特に成型品表
面の劣化を防止できる。特に、チオエーテル系化合物や
フォスファイト系化合物とベンゾトリアゾール系化合物
との併用により初期着色を防止でき、かつ紫外線による
表面劣化を抑制できる。
【0030】ヒンダートアミン系化合物の添加量は熱可
塑性ポリエステル樹脂組成物の0.01〜1重量%であ
り、好ましくは0.1%〜0.5重量%である。添加量
がこれより少ないと紫外線劣化の抑制効果が得られにく
く、多すぎると外観不良が生じやすく、成形品の強度が
低下しやすい。
【0031】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
は、好ましくは、平均粒子径が3μ以下の無機粒子を含
有する。平均粒子径が3μ以下の無機粒子の具体例とし
ては、ルチル型酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、
クレー、白マイカおよび硫化亜鉛が挙げられ、好ましく
はルチル型酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム等が挙
げられる。平均粒子径が3μ以下の無機粒子を添加する
ことにより、表面化粧材シートの下地を隠蔽することが
でき、隠蔽性を向上できる。平均粒子径が3μ以下の無
機粒子の添加量は1重量%以下であり、好ましくは1〜
0.1重量%である。添加量が多いと伸びや低温靱性が
低下しやすい。無機粒子の平均粒子径は、好ましくは3
〜0.1μである。
【0032】熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の製造に
おいて、ポリエステル樹脂に、チオエーテル系化合物、
フォスファイト系化合物、ベンゾトリアゾール系化合
物、ヒンダートアミン系化合物および/または無機粒子
等を配合する方法としては、ポリエステルの重合時もし
くは重合終了後に添加することができ、また、ポリエス
テル樹脂を溶融混練する際に添加することもできる。
【0033】熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、上
記の添加剤以外に、熱老化性や加工性、耐候(光)性等
の特性を損なわない限りにおいて、その他の添加剤、例
えば染料や顔料等の着色剤、帯電防止剤、結晶核剤、可
塑剤、滑剤、離型剤等を任意に配合添加できる。
【0034】本発明のプラスッチック製表面化粧材は、
上記の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形してな
る。プラスッチック製表面化粧材の製造は、例えば、通
常のシート押出機を用い、220〜260℃のシリンダ
ー温度で熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を押出し、6
0〜120℃のロール温度でシート化する。ついでシー
ト片面に、コア材との接着を容易にするために、例え
ば、コロナ処理、サンディング処理、ブラスト処理等が
行われる。更に好ましい処理方法としては、各種布や不
織布をシートに貼り合わせる方法である。この方法は、
熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を押出し、溶融状態で
貼り合わせるので押出成形温度を考慮すると、ポリエチ
レンテレフタレートよりなるポリエステル不織布が好ま
しい。
【0035】シートに不織布等を貼りあわせた後、冷却
ロールに導き、冷却し、巻き取る。次に、処理されたシ
ートを、必要に応じ所定の長さに裁断し、塗料で印刷し
た紙基材の印刷面と張り合わせ加熱プレスにより加熱し
て塗料を転写させることによりプラスッチック製表面化
粧材が得られる。熱転写印刷は、通常150〜200
℃、好ましくは170〜190℃で、例えば30秒〜2
分プレスして印刷紙からシートにインキを転写させる。
【0036】プラスッチック製表面化粧材をコア材に張
り合わせるには、所定の長さに裁断し、例えば、プリプ
レグや接着剤等を用いる。接着剤としては、エポキシ系
接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられ、好ましくは、
ポリアミドアミン硬化タイプの2液型エポキシ接着剤
が、作業性、接着強度の点から好ましい。貼り合わせに
は、通常、加熱プレスが用いられる。表面化粧材が貼り
合わされた製品で特に強度を要求されるものにおいては
エポキシプリプレグの積層接着が有用であり、加熱プレ
スにより熱融着硬化することにより表面化粧材が積層さ
れた製品が得られる。また、曲面を有する基材への接着
は曲面加工されたプレス板を用いて行う。プラスッチッ
ク製表面化粧材のサイズが小さい場合には射出成形法に
よってシートを得ることも可能である。
【0037】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【実施例】尚、実施例及び比較例における評価方法は、
以下のとおりである。
【0038】(1)隠蔽性 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物のペレットを押出機を
用いて、シートに押出し、ポリエステル不織布を裏打ち
し、このシートから試験片を切りだし、目視で反不織布
側から下地の隠蔽性を判定した。 ×:下地が透けてみえる。○:下地がほとんど判別出来
ない。◎:下地が全く見えない。 (2)変色度 試験片で初期色相をカラーコンピューターで測定後、サ
ンシャインウエザオメーターにてブラックパネル温度6
3℃、照射60分中12分降雨で20時間処理した。処
理試験片をカラーコンピューターで色差測定を行い、変
色度を評価した。
【0039】(3)印刷性 得られたシートを印刷紙と積層し、190℃で加熱プレ
スし転写印刷し、印刷性を評価した。○:にじみの発生
しないもの。×にじみが発生するもの。 (4)曲げ加工性 最小曲率半径4mmコーナーの合板にエポキシ系接着剤
でシートを張り合わせ曲げ加工性を評価した。◎:作業
性の優れるもの、○:加工可能なもの、△:加工しにく
いもの。 (5)耐衝撃性 耐衝撃性の評価としては、シリンダー温度250℃、金
型温度80℃で成形した100mm角、1mm厚みの試
験片を用い、デユポン衝撃試験(撃錐R=1/2”、荷
重500g、距離50cm)を23℃,0℃,ー20℃
でおこない、耐衝撃性を評価した。○:割れ無し、×:
割れ有り。
【0040】また、実施例及び比較例において使用した
添加剤は、以下のとおりである。実施例中、部または%
とあるは重量部または重量%を意味する。 (1)酸化防止剤−1(チオエーテル系化合物−1):
ペンタエリスリトールーテトラキス(3ーラウリルチオ
プロピオネート) (2)酸化防止剤−2(フォスファイト系化合物−
1):ビス(2、6ージーt−ブチルー4ーメチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールージーフォスファイト (3)酸化防止剤−3:ペンタエリスリチル−テトラキ
ス〔3−(3、5ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエ
ニル)プロピオネート〕。
【0041】(4)ベンゾトリアゾール系化合物−1:
2−(5’−t−オクチルフェニル−2’ーヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール (5)ベンゾトリアゾール系化合物−2:2−[2−ヒ
ドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
フエニル]−2H−ベンゾトリアゾール (6)ヒンダードアミン系化合物−1:式(2)で表さ
れるヒンダートアミン化合物
【0042】(7)無機粒子−1:平均粒子径0.2μ
のルチル型酸化チタン。 (8)無機粒子−2:平均粒子径2μのタルク。 (9)無機粒子−3:平均粒子径0.2μの軽微性炭酸
カルシウム。 (10)無機粒子−4:平均粒子径0.5μの中性クレ
ー。 (11)無機粒子−5:平均粒子径2μの白マイカ。 (12)無機粒子−6:平均粒子径0.3μの硫化亜
鉛。 (13)PBT:ポリテトラメチレンテレフタレート樹
脂(溶液粘度1.16、融点225℃)。
【0043】〔参考例1〕(ポリエステル樹脂の合成例
1) 攪拌機、温度計、ガス置換口、蒸留塔を備えた反応器に
ジメチルテレフタレート288.3部、1、4ブタンジ
オール1594部、数平均分子量1000のポリテトラ
メチレンオキシグリコール100部、触媒としてテトラ
ブチルチタネート0.20部を仕込み、窒素置換後、2
10℃まで150分かけて昇温し、210℃で30分保
持してメタノールを留出させた。ここで反応器にペンタ
エリスリチル−テトラキス〔3−(3、5ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕を1.
7部とテトラブチルチタネート0.1部とを添加し、こ
の後245℃まで30分かけて昇温し、同時に反応系を
徐々に減圧として真空度を1Torrとし、更に2時間
保持した。この後得られた溶融樹脂をダイ穴から水中に
押出し、引き取り、カッティングをしペッレトを得た。
このペレットを混合器付き真空釜で、真空下、200℃
で熱処理し、融点223℃、溶融粘度11500ポイズ
のポリエステル樹脂(A−1)を得た。このポリエステ
ル樹脂のポリテトラメチレンオキシドグリコール含有量
は3重量%であった。
【0044】〔参考例2〕(ポリエステル樹脂の合成例
2) 参考例1において、ジメチルテレフタレートを1600
部、1,4−ブタンジオールを880部、数平均分子量
1000のポリテトラメチレンオキシドグリコールを1
00部にする以外は参考例1と同様にして、ポリエステ
ル樹脂(A−2)を得た。ポリエステル樹脂(A−2)
は、ポリテトラメチレンオキシドグリコール含有量が5
重量%であり、融点は222℃、溶融粘度は9800ポ
イズであった。
【0045】〔参考例3〕(ポリエステル樹脂の合成例
3) 参考例1において、ジメチルテレフタレートを1151
部、1,4−ブタンジオールを630部、数平均分子量
1000のポリテトラメチレンオキシドグリコールを1
00部にする以外は参考例1と同様にして、ポリエステ
ル樹脂(A−3)を得た。ポリエステル樹脂(A−3)
は、ポリテトラメチレンオキシドグリコール含有量が7
重量%であり、融点は221℃、溶融粘度は9300ポ
イズであった。
【0046】〔参考例4〕(ポリエステル樹脂の合成例
4) 参考例1において、ジメチルテレフタレートを522.
3部、1,4−ブタンジオールを280部、数平均分子
量1000のポリテトラメチレンオキシドグリコールを
100部にする以外は参考例1と同様にして、ポリエス
テル樹脂(A−4)を得た。ポリエステル樹脂(A−
4)は、ポリテトラメチレンオキシドグリコール含有量
が15重量%であり、融点は218℃、溶融粘度は86
00ポイズであった。
【0047】〔実施例1〕ポリエステル樹脂(A−1)
を99.4部、チオエーテル系化合物−1を0.2部、
フォスファイト系化合物−1を0.2部、ベンゾトリア
ゾール系化合物−1を0.15部、ヒンダートアミン系
化合物−1を0.05部秤量し、タンブラー型ミキサー
で混合した後、直径65mm、L/D=25の押出機を
用い、250℃で混練し、熱可塑性ポリエステル樹脂組
成物のペレットを得た。得られたペレットを直径65m
mの押出機を用いて、シリンダー温度240℃、ロール
温度95℃で、厚み0.8mm、巾100mmのシート
を押出し、ポリエステル不織布を裏打ち後、190℃で
加熱プレスし転写印刷し、プラスチック製表面化粧材を
作成した。評価結果を表−1に示す。
【0048】〔実施例2〜5〕実施例1と同様にして表
−1に示す組成の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を調
製しシート化しプラスチック製表面化粧材を作成、実施
例−1と同様に評価を行った。評価結果を表−1に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】〔実施例6〜11〕無機フィラーを0.2
%添加する以外は、実施例5と同様にして表−2に示す
組成の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を調製しシート
化しプラスチック製表面化粧材を作成、実施例5と同様
に評価を行った。評価結果を表−2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】〔実施例12〜15〕実施例1と同様にし
て表−3に示す組成の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
を調製し、シリンダー温度260℃、金型温度80℃の
射出成形で150×150mmで厚み1mmのシート状
の成形品を成形し、実施例1と同様に印刷し、印刷面と
は反対の面にポリアミドアミン硬化エポキシ系接着剤を
約0.3mm厚に塗布し、コーナーR4mmの加工を施
した。この表面化粧材を合板に90℃で30分間プレス
接着し、表面化粧板を得た。これを試験片として実施例
−1と同様に評価を行った。評価結果を表−3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】〔比較例1〜4〕実施例1と同様にして表
−4に示す組成の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を調
製しシート化しプラスチック製表面化粧材を作成、実施
例1と同様に評価を行った。評価結果を表−4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】本発明のプラスチック製表面化粧材は、
押出加工性、表面平滑性、隠蔽性、成形時の曲げ加工
性、表面硬度に優れ、且つ、熱転写印刷性、低温での耐
衝撃性に優れており、スケートボード、スキー、スノー
ボード、スノーモビール等のスポーツ用品の表面化粧材
や、家具類等の各種化粧板等に有用であり、特に曲面を
もつ用具類の表面化粧材に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/37 C08K 5/37 5/524 5/524

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分、低分子ジオール成分
    および数平均分子量が300〜6000のポリアルキレ
    ンオキシドグリコール成分を共重合してなり、該ポリア
    ルキレンオキシドグリコール成分が1〜12重量%であ
    り、融点が210〜245℃であり、250℃で測定し
    た溶融粘度が3000ポイズ以上であるポリエステル樹
    脂と酸化防止剤とを配合してなる熱可塑性ポリエステル
    樹脂組成物を成形してなるプラスチック製表面化粧材。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸成分が、芳香族ジカルボン
    酸であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチッ
    ク製表面化粧材。
  3. 【請求項3】 芳香族ジカルボン酸が、テレフタール酸
    であることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック
    製表面化粧材。
  4. 【請求項4】 低分子ジオール成分が、炭素数2〜15
    の脂肪族ジオール、炭素数6〜20の脂環族ジオールま
    たは炭素数15〜25のビスフェノール誘導体であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプ
    ラスチック製表面化粧材。
  5. 【請求項5】 低分子ジオール成分が、炭素数2〜15
    の脂肪族ジオールであることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載のプラスチック製表面化粧材。
  6. 【請求項6】 低分子ジオール成分が、テトラメチレン
    グリコールであることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載のプラスチック製表面化粧材。
  7. 【請求項7】 ポリアルキレンオキシドグリコール成分
    が、ポリテトラメチレンオキシドグリコールであること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のプラ
    スチック製表面化粧材。
  8. 【請求項8】 ポリアルキレンオキシドグリコール成分
    の割合が、ポリエステル樹脂の2〜10重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のプ
    ラスチック製表面化粧材。
  9. 【請求項9】 酸化防止剤が、チオエーテル系化合物、
    フォスファイト系化合物またはヒンダードフェノール系
    化合物であることを特徴とする請求項1ないし8のいず
    れかに記載のプラスチック製表面化粧材。
  10. 【請求項10】 酸化防止剤の配合量が、熱可塑性ポリ
    エステル樹脂組成物の0.01〜2重量%であることを
    特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のプラス
    チック製表面化粧材。
  11. 【請求項11】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が、
    ベンゾトリアゾール系化合物またはヒンダートアミン系
    化合物を含有することを特徴とする請求項1ないし10
    のいずれかに記載のプラスチック製表面化粧材。
  12. 【請求項12】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が、
    チオエーテル系化合物、フォスファイト系化合物、ベン
    ゾトリアゾール系化合物およびヒンダートアミン系化合
    物を、それぞれ0.01〜1重量%含有することを特徴
    とする請求項1ないし11のいずれかに記載のプラスチ
    ック製表面化粧材。
  13. 【請求項13】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が、
    平均粒子径が3μ以下の無機粒子を1重量%以下含有す
    ることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記
    載のプラスチック製表面化粧材。
  14. 【請求項14】 無機粒子が、ルチル型酸化チタン、タ
    ルク、炭酸カルシウム、クレー、白マイカまたは硫化亜
    鉛であることを特徴とする請求項13に記載のプラスチ
    ック製表面化粧材。
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JP2008050596A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

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