JPH1088043A - インクジェット用インク組成物 - Google Patents

インクジェット用インク組成物

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JPH1088043A
JPH1088043A JP24335196A JP24335196A JPH1088043A JP H1088043 A JPH1088043 A JP H1088043A JP 24335196 A JP24335196 A JP 24335196A JP 24335196 A JP24335196 A JP 24335196A JP H1088043 A JPH1088043 A JP H1088043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水性インク組成物のプリント媒体に付着した後
すぐに乾き、色のにじみのないインク。 【解決手段】本発明では、インク組成物の乾燥時間を両
親媒性剤によって水性溶液に溶解する高沸点の水不溶性
有機化合物を含有させることで短縮する。本発明は、少
なくとも1つの染料と少なくとも1つの高沸点水不溶性
有機化合物と少なくとも1つの両親媒性剤と水を含む。
高沸点水不溶性有機化合物は溶媒及び共溶媒の両方の働
きをする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、インクジェット・プ
リンティングに用いられるインク組成に関し、より詳細
には、乾燥時間が短縮され、ブリードフリーな(にじみ
のない)プリントを生成するインクジェット用インク組
成物に関するものである。
【0002】
【発明の背景】インクジェット・プリンティングは、非
衝撃プリンティング・プロセスであり、このプロセスに
おいて、インク液滴が、電気信号に応じて、用紙、透明
フィルム又は織物のようなプリント媒体上に被着される
ものである。サーマルインクジェット・プリンティング
では、インク容器に接続しているプレナム(インク溜
め)を介してチャンバ内の抵抗体素子にインクが供給さ
れる。複数の抵抗体素子は、インクジェット・プリンテ
ィング用カートリッジのプリントヘッドに特定のパター
ンで配置される。各抵抗体素子はノズルプレートのノズ
ルとそれぞれ連結している。操作において、各抵抗体素
子はマイクロプロセッサと接続しており、その信号が1
以上の抵抗体素子を早急に加熱するよう指令する。その
熱によってチャンバ内に蒸気泡が生じ、それが連結ノズ
ルを通してプリント媒体上に向けてインクを噴射する。
複数の抵抗体素子を特定の順序で付勢することにより、
プリント媒体上に英数字、ぬりつぶし(領域充填)及び
その他のパターンが形成される。圧電型インクジェット
・プリンティングでは、やはりマイクロプロセッサによ
って発せられた電気信号に応答して、圧電性結晶の振動
でインク液滴を噴射する。
【0003】インクジェットプリンタは、比較的雑音の
ない操作で低コスト、高品質プリンティングを提供す
る。このように、インクジェットプリンタは、コンピュ
ータと併用される他のプリンタ、例えば、比較的高価な
レーザプリンタ等の種類と比べて汎用の代替プリンタと
なっている。しかし、インクジェットプリンタは、現時
点では、その大部分は、インクジェット用インクの乾燥
時間が比較的遅いこと、そして、プリンタ固有のブリー
ド制御アルゴリズムに由来するプリンタ駆動の減速に起
因して、レーザプリンタで得られるスループットレベル
と釣り合わせることは不可能である。特に、ブリード抑
制に関して、用紙サブストレート上にカラープリントを
行う場合、インクジェット用インクの間で互いの色の中
ににじみ込む傾向がある。にじみは、用紙サブストレー
ト表面上でまたはそのサブストレートの内部で色が混ざ
り合う時に生ずる。この問題に対応して、インクジェッ
トプリンタは、普通、よごれのない、他色への侵入のな
いように色と色の間に境界を設けるべくブリード抑制ア
ルゴリズムを採用している。しかし、これによってプリ
ンタが減速されることになる。インクジェットプリンタ
で得られるスループットレベルを高めるために、インク
ジェット用インクの乾燥時間を、好ましくは、ブリード
制御も併せて達成するよう、改善しなければならない。
【0004】インクジェット用インクの乾燥時間を改善
するための種々の解決が提供されてきた。いくつかの解
決方法には、乾燥時間を早めるためにインク環境を変更
することが含まれている。例えば、より早い乾燥時間を
達成するため加熱したプラテン及びその他の熱源が用い
られる。しかし、加熱プラテンはプリンタのコストをさ
らに高くするもので、一般的にコスト効率的ではない。
【0005】その他の解決方法には、早い乾燥時間を達
成するためインクジェット用インクの組成に様々な成分
を付加する方法がある。例えば、界面活性剤を染料含有
インクジェット用インクの組成に付加して、用紙中への
インクの浸透速度を高めることにより乾燥時間を改善し
ている。例えば、米国特許第5,106,416号
(「Bleed Alleviation Using Zwitterionic Surfactan
ts and Cationic Dyes」)、米国特許第5,116,4
09号(「Bleed Alleviation in Ink-Jet Inks」)、
米国特許第5,133,803号(「High Molecular W
eight Colloids Which Control Bleed 」)を参照され
たい。注目すべきことには、ブリード制御は界面活性剤
を付加しても達成されることである。インクの浸透速度
を上げればその乾燥時間は短縮されるが、望ましくない
エッジ尖鋭度の低下も界面活性剤の付加が原因で派生す
ることもある。さらに、インクジェット用インクへの界
面活性剤の付加は、滴噴射特性にマイナスの影響を及ぼ
すことが知られている。より詳細には、界面活性剤含有
インクの表面張力が低いためプリントヘッドのノズルプ
レート上に液溜まりを生ずることがあり、滴噴射特性の
低下を招来する。乾燥時間を早めるために短鎖アルコー
ルもインクジェット用インクの組成に付加されている
が、特殊なプリント媒体によっては、短鎖アルコールの
付加は、エッジ粗さの増大に起因してプリント品質に逆
効果を及ぼすこともある。従って、界面活性剤及び短鎖
アルコールで達成される乾燥時間の改善は、しばしば、
プリント品質を犠牲にして成就されるのである。
【0006】従って、プリント媒体との衝突の後、早急
に乾燥し、低ブリードを示すインクジェット用インク組
成の必要性が存在するのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】水性インク組成物のプ
リント媒体に付着した後の乾燥時間が長いことおよび色
のにじみ(ブリード)を解決する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に従い、インクジ
ェットプリンタを用いて紙、透明フィルム又は織物等の
プリント媒体上にプリントされるインクジェット用イン
ク組成物の乾燥時間は、両親媒性剤によって水性溶液に
溶解する高沸点の水不溶性有機化合物を用いることで短
縮される。より詳細には、本発明のインクは、(a)少な
くとも1つの染料と;(b)少なくとも1つの高沸点水不
溶性有機化合物と;(c)少なくとも1つの両親媒性剤
と;さらに(d)水を含有する。ここで用いられるよう
に、「高沸点有機化合物」は、その蒸気圧が、インクジ
ェット・プリンティングの正常な操作中に水だけがイン
クから蒸発するように、水の蒸気圧に比べて十分低い有
機化合物を指すものとする。注目すべき点は、このよう
な化合物は溶媒及び共溶媒(co-solvent)としての両方の
働きをすることである。
【0009】本発明に従って調製されたインクジェット
用インクは、早い乾燥時間とブリード抑制を示し、一
方、達成されるエッジ尖鋭度は両親媒性剤を選ぶことで
制御することができる。特に、良好なエッジ尖鋭度を供
給する優れたプリント品質は、早い乾燥時間とブリード
抑制に加えて、ヒドロトロープ(可溶化剤)を用いるこ
とにより達成される。ヒドロトロープは、一般的な種類
の両親媒性剤のサブセットであり、得られる等方性溶液
が、状態図において相対的に大きい領域を占め且つ界面
活性剤を用いて得られる溶液と比べて比較的高い表面張
力を有するように、水不溶性有機化合物を可溶化する能
力が特徴である。典型的には、より優れたプリント品質
は、ヒドロトロープを優先的に用いて水不溶性有機化合
物を可溶化できるように、用紙媒体上へのプリントに望
まれる。他方、比較的低いプリント品質も、ある種の用
途では、例えば、界面活性剤を用いて水不溶性有機化合
物を可溶化できるように、織物媒体上のプリントには受
け入れられることもある。
【0010】注目すべきことには、現在のインクベヒク
ルは水不溶性化合物と水の両方を含んでいるので、本発
明の実施に当たり水溶性又は水不溶性の染料の何れも用
いてよいが、耐水性(waterfastness)の固有の特性か
ら水不溶性染料が好まれることもある。
【0011】本発明のインクは、連続圧電のドロップ・
オン・デマンド方式プリンタ及びサーマル又はバブルジ
ェット・ドロップ・オン・デマンド方式プリンタのよう
な種々のインクジェットプリンタに用いてよい。本発明
の実施で達成される乾燥時間の短縮及びプリンタによる
ブリード軽減によってインクジェットプリンタのスルー
プットが向上でき、同時に、ブリードの軽減化並びに良
好なエッジ尖鋭度を保持することは、高プリント品質に
寄与することになる。
【0012】
【実施例】本発明の実施において、インクジェット用イ
ンク組成物で示された乾燥時間は、インクジェットプリ
ンタによって用紙、透明フィルム又は織物等のプリント
媒体上にいったんプリントされると両親媒性剤によって
水溶液に溶ける、高沸点の水不溶性有機化合物を提供す
ることで短縮される。より詳細には、本発明のインク
は、(a)少なくとも1つの染料と、(b)少なくとも1つの
高沸点水不溶性有機化合物と、(c)少なくとも1つの両
親媒性剤と、さらに(d)水とを含有する。該両親媒性剤
は、有機化合物を完全に可溶性にする量が存在し、それ
によってよごれのない、安定したインク溶液となる。
【0013】本願明細書における濃度は、別に表示しな
い限り、全て重量パーセントで表す。全成分の純度は、
インクジェット用インクとして通常の商用用途に使われ
るようなものである。
【0014】本発明の実施に用いてよい染料には、水溶
性と水不溶性の両方の染料が含まれる。インクジェット
・プリンティングで互換性のある水溶性又は水不溶性染
料はどれでも本発明の実施において適切に用いてよい。
本発明の実施において適切に用いてよい水溶性染料の例
としては、限定するものではないが、C. I. Acid Blue
9、C. I. Acid Red 18、C. I. Acid Red 27、C. I. Aci
d Red 52、C. I. AcidYellow 、C. I. Direct Blue 199
及びそれらのNa+、Li+、Cs+、NH4 +のような一価のアル
カリ土類イオン及び置換アンモニウム塩がある。本発明
の実施において適切に用いてよい水不溶性染料の例とし
ては、限定するものではないが、Isol Yellow、Isol Re
d、Isol Orange、Isol Black及びSolvent Blue Bがあ
り、それらの全てはCrompton & Knowles 社(Charlotte,
North Carolina)から市販されている。染料(染料群)
は、インク組成の約0.1〜10wt%存在する。
【0015】水不溶性有機化合物は、本発明の実施にお
けるいくつかの目的に役立つ。第一に、インクジェット
用ペンとの使用に必要な共溶媒として働く。より詳細に
は、インクジェットプリンタのペンが使われないまま大
気に露出されると、インクベヒクル中の水が蒸発する。
この高沸点化合物がインクベヒクル中にあると、クラス
トの形成とノズルの閉塞を防止することができる。故
に、有機化合物の蒸気圧は、インクジェット・プリンテ
ィング中に蒸発しないような水と比べて十分低いもので
なければならない。第二に、この有機成分は、本発明の
実施に水不溶性染料が選択される場合、一次溶媒(prim
ary solvent)として作用する。
【0016】使用してよい有機化合物又はオイルの例と
しては、限定するものではないが、水不溶性モノ又はポ
リグリコールエーテル;水不溶性N−置換2−ピロリド
ン;モノ又はポリグリコールエステル;及び水不溶性炭
化水素がある。一般に、選択した染料を溶解でき且つ両
親媒性剤によって可溶化できる水不溶性有機化合物又は
その組合せはどれも本発明の実施において用いてよい。
水不溶性有機化合物は、室温では液体又は固体の何れで
あってもよい。本発明において好適に用いられる水不溶
性有機化合物の特定例としては、限定されるものではな
いが、モノエチレン及びポリエチレン・グリコールフェ
ニルエーテル;モノプロピレン及びポリプロピレン・グ
リコールフェニルエーテル;及びアクリル酸塩等のエチ
レン、プロピレン、ポリエチレン及びポリプロピレン・
グリコールエステルが含まれる。水不溶性有機化合物
は、インクジェット用インクの約1〜70wt%の濃度
範囲にあってよい。
【0017】本発明の実施に用いられる両親媒性剤は、
インクジェット用インクの残りの成分と相溶性であり且
つ水中の高沸点水不溶性有機化合物を「可溶化」できる
任意の両親媒性剤又はその組合せであってよい。両親媒
性剤は、水中の水不溶性有機化合物を極めて小さい液滴
に分解して且つそれらの液滴を安定な分散状態に、則
ち、マイクロエマルションに維持することによって可溶
性にする。普通の非ヒドロトロープ両親媒性剤の界面活
性剤の例には、スルホン酸アルキル、スルホン酸ベンゼ
ン、アルキル置換ベンゼンスルホン酸塩、スルホン酸ナ
フタレン、酸化アルキルアミン、置換アンモニウム塩及
び非イオン性物質(non-ionics)がある。
【0018】好ましくは、本発明に用いられる両親媒性
剤は、「ヒドロトロープ(hydrtropes)」として知られ
ている両親媒性剤の1種類に包含されるものである。ヒ
ドロトロープ両親媒性剤は、一般的な両親媒性剤及び界
面活性剤と同様にインク組成中の水不溶性有機化合物を
可溶性にする働きがある。しかし、ヒドロトロープ両親
媒性剤は、他の界面活性剤の使用と関連付けられる表面
張力の急激な降下とはならず、本発明の実施においてヒ
ドロトロープ両親媒性剤を用いるインクについての表面
張力の低下は、比較的抑制される。界面活性剤を含有す
るインクに関連付けられる比較的低い表面張力は、上述
のように滴噴射特性とプリント品質にマイナスに影響す
ることが時々認められるので、ヒドロトロープ両親媒性
剤を使用するのは有益である。ヒドロトロープ両親媒性
剤は、時として界面活性剤含有インクを悩ますノズルプ
レート上の液溜まり又はエッジ尖鋭度の損失といったこ
とも起こさずに、比較的早い乾燥時間を有し且つブリー
ドが改善されたインクを提供する。しかし、織物のプリ
ントのように、エッジ尖鋭度が重要でない場合は、非ヒ
ドロトロープ両親媒性剤を用いてよい。ヒドロトロープ
両親媒性剤は、一般に、紙上のプリントのように、エッ
ジ尖鋭度が重要である場合に望まれるものである。
【0019】ヒドロトロープ両親媒性剤は、性質上、陰
イオン性、陽イオン性又は非イオン性であってよい。本
発明の実施に適切に用いられる陰イオン性ヒドロトロー
プ両親媒性剤の例には、限定されるものではないが、安
息香酸ナトリウム、サルチル酸ナトリウム、スルホン酸
ナトリウムベンゼン、ジスルホン酸ナトリウムベンゼ
ン、スルホン酸ナトリウムトルエン、スルホン酸ナトリ
ウムキシレン、スルホン酸ナトリウムクメン、スルホン
酸ナトリウムシメン及びケイ皮酸ナトリウムがある。本
発明の実施に適切に用いられる陽イオン性ヒドロトロピ
ープ両親媒性剤の例には、限定されるものではないが、
パラアミノ安息香酸塩酸塩、プロカイン塩酸塩及びカフ
ェインがある。本発明の実施に適切に用いられる非イオ
ン性ヒドロトロープ両親媒性剤の例には、限定されるも
のではないが、レゾルシノール及びピロガロールがあ
る。
【0020】任意に、現在のインクジェット用インク組
成にコーサファクタント(co-surfactant)を付加してよ
い。コーサーファクタントは、好ましくは、イソプロパ
ノール及びペンタノールのような、3〜8個の炭素原子
を有する中鎖アルコールを包含する。コーサーファクタ
ントは、インク組成の10wt%未満に相当してよく、
両親媒性剤の個別成分としてもしくはその部分的置換と
して作用する。
【0021】本発明に対する要件と一致して、様々な種
類の添加物をインクに用いて特定用途に向くようインク
組成の諸性質を最適化してよい。例えば、当業者に周知
のように、殺虫剤をインク組成に用いて微生物の成長を
阻害してもよく、また、EDTAのような金属イオン封鎖剤
を含有させて重金属の不純物の有毒な効果を排除しても
よく、さらに緩衝液を用いてインクのpHを制御してよ
い。粘性モディファイヤ及びアクリル又は非アクリル高
分子のような他の既知の添加物を加えてインク組成の様
々な性質を望まれるように改質してもよい。
【0022】本願発明のインク組成は、2つの異なった
方法、即ち、省略方法及びもう1つの合成法、によって
調製することができる。省略法に従って本願発明のイン
クを製造するには、先ず、単一または複数の有機不溶性
成分と水とをインクの最終所要組成を反映する比で結合
させなければならない。得られる2相の液体は、その
後、透明溶液が得られるまで選択した両親媒性剤で滴定
され、これは単一相溶液に到達するように有機化合物を
可溶化することを意味する。約1%過剰の両親媒性剤を
随意に加えて安定な溶液を確保してよい。この単一相溶
液に、選択した染料及び所望の任意の添加物を加えて、
基本的なインク組成の調製を完成させる。注目すべきこ
とは、上述の滴定処理を通して単一または複数の有機物
成分と水と単一または複数の両親媒性剤との適切な関連
濃度がいったん決定されれば、その後は以後のインク組
成を任意の順序で混合してよい。
【0023】本発明のインクを調製するのにもう1つの
合成的アプローチを選択する場合、最初の処理には、水
不溶性有機化合物と水との組合せを表す状態図が含まれ
る。より詳細には、状態図は、水と単一または複数の高
沸点水不溶性有機化合物とを種々の比率で結合し、各混
合物を状態図中、透明な単一相領域が定められるまで単
一または複数の両親媒性剤に対して滴定することによっ
て構成される。その透明点(クリアポイント)を越えて
さらに滴定することにより、他の多相又は半固体領域が
定められる。これらの結果は、従来の三角プロットでプ
ロットすると、三元状態図を表す。例えば、唯一の図面
は、より詳細には以下の実施例で説明するように、プロ
ピレン・グリコール・フェニル・エーテルとスルホン酸
ナトリウムキシレンと水とを包含するインクジェット用
インク組成に関する前述の三元状態図を示しており、こ
こで部分Aは2相を有するミルク状領域を表し、部分B
は単相の等方性領域を表し、さらに部分Cは半固体領域
を表す。単相の等方性領域(部分B)は、インクジェッ
ト用インク組成に用いるのにより適しているところの、
単一又は複数の有機化合物と水と単一又は複数の両親媒
性剤との組成を示す。従って、本発明の実施において、
その組成が特定のインクジェット用インク組成に関する
他のどの判定基準にも準拠するという条件で、この単相
領域から任意の組成を選択してよい。
【0024】留意すべきは、部分A内の組成は、織物の
プリントのような、長期の保管寿命(shelf life)を必
要としない用途に用いることができることである。同様
に、サーマル・プリントヘッドを使えば、部分C内の組
成を用いることが可能となる。
【0025】発明によって調製されるインクは、界面活
性剤成分を含有するインクに関して予期される早い乾燥
時間とブリード抑制とを示し、しかもその上、特にヒド
ロトロープ両親媒性剤が用いられるときは、一般的に関
連して起こるプリント品質の劣化を呈さないであろう。
以下の実施例は、発明によって製造されるインクジェッ
ト用インク組成物がインクジェットプリンタでプリント
される際に乾燥する速度を立証するものである。
【0026】次のように、本発明に従って、2種類のイ
ンク組成物を製造した。 実施例1:第1図に示される状態図より既に決められて
いるベヒクル成分の濃度を使って、3wt%のIsol Yel
low 染料と、25wt%のプロピレングリコールフェニ
ルエーテルと、15wt%のスルホン酸ナトリウムキシ
レンと、残りが水から成るインクジェット用インク組成
物を調製した。より詳細には、図に示した状態図は、プ
ロピレングリコールフェニルエーテルと水とを種々の比
率で結合し、次いで各混合物を透明な単一相領域が定め
られるまでスルホン酸ナトリウムキシレンに対して滴定
して作図した。従って、図の部分Aは、ミルク状の外観
を呈する2相を生じた、プロピレングリコールフェニル
エーテルとスルホン酸ナトリウムキシレンと、水との様
々な組合せを表す。図の部分Bは、透明な単一相領域を
生じた、プロピレングリコールフェニルエーテルとスル
ホン酸ナトリウムキシレンと、水との様々な組合せを表
す。図の部分Cは、半固体領域が定められるまでプロピ
レングリコールフェニルエーテルと水との混合物をスル
ホン酸ナトリウムキシレンで透明点を越えてさらに滴定
を進めることにより定めた。図の単相等方性領域である
部分Bは、発明の実施に際し適切に用いてよい、プロピ
レングリコールフェニルエーテルとスルホン酸ナトリウ
ムキシレンと、水との組合せを示すものである。部分A
及びCで表示された組成は、本発明の範囲外のインクベ
ヒクルを表す。
【0027】本実施例のインクジェット用インク組成物
は、図の部分Bの単一相等方性領域内に帰属するもので
ある。より詳細には、このインク組成物のベヒクルは、
26wt%のプロピレングリコールフェニルエーテル
と、15wt%のスルホン酸ナトリウムキシレンと、5
9wt%の水を含有し、結果的に全インク組成よりむし
ろインクベヒクルのパーセントを表すために多少変更さ
れた濃度となった。図上の点Dは、この実施例のインク
組成の媒介物が、三元状態図の透明な単一相領域である
部分Bの範囲内に実際に入ることを示すものである。
【0028】45ピコリットル滴下容積ペンを使って、
本実施例のインクジェット用インク組成を普通紙の上に
プリントした。インクは、普通紙と衝突した後、瞬時に
乾燥した。比較として、水溶性共溶媒を有するインクジ
ェット用インク組成物(例えば、米国特許第4,96
3,189号参照)は、普通紙にプリントした時、有限
の、容易に測定可能な乾燥時間を示すことが分かってい
る。
【0029】実施例2:ベヒクルが単一相の液体である
実施例1と類似の実施によって決められている濃度を使
って、3wt%のIsol Yellow染料と、25wt%のプ
ロピレングリコールフェニルエーテルと、11wt%の
スルホン酸ナトリウムキシレンと、残りが水から成るイ
ンクジェット用インク組成物を製造した。次いで、この
インクジェット用インク組成物を45ピコリットル滴下容
積ペンを使って普通紙の上にプリントした。該インク
は、普通紙に衝突後、瞬時に乾燥した。
【0030】このように、本発明に従って製造されたイ
ンクジェット用インク組成物は、インクジェットプリン
タでプリントする際に乾燥時間が早いことが立証され
た。
【0031】本発明に係るインクジェット用インク組成
物並びに本明細書に開示されたものと同じことを実行す
る方法は、ブラック及びカラープリントにおいて業務上
の用途を見い出すものと期待されている。
【0032】このように、プリント品質を犠牲にするこ
となく早い乾燥時間とブリード抑制とを達成するのに用
いてよいインク組成物が開示された。本発明の精神から
逸脱することなく明白な特性の種々の変更並びに修正を
実行できること、且つ全ての該変更並びに修正は前出の
請求の範囲で定められた本発明の範囲内に帰属するもの
と考えられるということは、当業者には自明のことであ
る。
【0033】以上、本発明の実施例について詳述した
が、以下に本発明の各実施態様毎に列挙する。 (1)少なくとも1つの染料と、少なくとも1つの水不
溶性有機化合物と、少なくとも1つの両親媒性剤と、水
とを含み、両親媒性剤が少なくとも1つの水不溶性有機
化合物を水中で可溶化にするのに十分な量を含むこと
で、改善された乾燥時間と低減されたブリードを示す水
性インクジェット用インク組成物。 (2)少なくとも1つの染料は約0.1から10wt%
までの範囲の量であることを特徴とする前項(1)記載
のインクジェット用インク組成物。 (3)少なくとも1つの水不溶性有機化合物は、水不溶
性モノグリコールエーテル、水不溶性ポリグリコールエ
ーテル、水不溶性N−置換2−ピロリドン、水不溶性モ
ノグリコールエステル、水不溶性ポリグリコールエステ
ル及び水不溶性炭化水素から成る群から選択されること
を特徴とする前項(1)記載のインクジェット用インク
組成物。 (4)少なくとも1つの水不溶性有機化合物は、約1か
ら70wt%までの範囲の量であることを特徴とする前
項(1)記載のインクジェット用インク組成物。 (5)少なくとも1つの両親媒性剤は、ヒドロトロープ
両親媒性剤であることを特徴とする前項(1)記載のイ
ンクジェット用インク組成物。 (6)少なくとも1つの水不溶性有機化合物がプロピレ
ングリコールフェニルエーテルとエチレングリコールフ
ェニルエーテルとから成る群から選択されるものであ
り、少なくとも1つの両親媒性剤がスルホン酸ナトリウ
ムキシレンであることを特徴とする前項(1)記載のイ
ンクジェット用インク組成物。 (7)前項(1)記載のインクジェット用インク組成物
はさらに、3個から8個の炭素原子の炭素鎖長を有し、
インク組成物の0から約10wt%までの範囲以内の濃
度を有するアルコールから成るコサーファクタントを含
むことを特徴とするインクジェット用インク組成物。 (8)前項(1)記載のインク組成物を調製するステッ
プと、インクジェット用ペンを用いてプリント媒体上に
インク組成物をプリントするステップを含み、インク組
成物がプリント媒体に衝突した後、瞬時に乾燥すること
を特徴とするするインクジェット・プリンティングに用
いられるインクの乾燥時間を減少させる方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク組成成分の含有量の関係を説明
するための図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの染料と、少なくとも1つ
    の水不溶性有機化合物と、少なくとも1つの両親媒性剤
    と、水とを含み、前記両親媒性剤が前記少なくとも1つ
    の水不溶性有機化合物を水中で可溶化にするのに十分な
    量であることを特徴とするインクジェット用インク組成
    物。
  2. 【請求項2】前記少なくとも1つの染料は約0.1から
    10wt%までの範囲の量であることを特徴とする請求
    項第1項記載のインクジェット用インク組成物。
  3. 【請求項3】前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物
    は、水不溶性モノグリコールエーテル、水不溶性ポリグ
    リコールエーテル、水不溶性N−置換2−ピロリドン、
    水不溶性モノグリコールエステル、水不溶性ポリグリコ
    ールエステル及び水不溶性炭化水素から成る群から選択
    されることを特徴とする請求項第1項記載のインクジェ
    ット用インク組成物。
  4. 【請求項4】前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物
    は、約1から70wt%までの範囲の量であることを特
    徴とする請求項第1項記載のインクジェット用インク組
    成物。
  5. 【請求項5】前記少なくとも1つの両親媒性剤は、ヒド
    ロトロープ両親媒性剤であることを特徴とする請求項第
    1項記載のインクジェット用インク組成物。
  6. 【請求項6】前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物
    がプロピレングリコールフェニルエーテルとエチレング
    リコールフェニルエーテルとから成る群から選択される
    ものであり、前記少なくとも1つの両親媒性剤がスルホ
    ン酸ナトリウムキシレンであることを特徴とする請求項
    第1項記載のインクジェット用インク組成物。
  7. 【請求項7】請求項第1項記載のインクジェット用イン
    ク組成物はさらに、3個から8個の炭素原子の炭素鎖長
    を有し、インク組成物の0から約10wt%までの範囲
    以内の濃度を有するアルコールから成るコサーファクタ
    ントを含むことを特徴とするインクジェット用インク組
    成物。
  8. 【請求項8】請求項第1項記載のインク組成物を調製す
    るステップと、インクジェット用ペンを用いてプリント
    媒体上に前記インク組成物をプリントするステップを含
    み、前記インク組成物が前記プリント媒体に衝突した
    後、瞬時に乾燥することを特徴とするするインクジェッ
    ト・プリンティングに用いられるインクの乾燥時間を減
    少させる方法。
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