JPH1088230A - 靱性に優れた高張力鋼材の製造方法 - Google Patents
靱性に優れた高張力鋼材の製造方法Info
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- JPH1088230A JPH1088230A JP23887196A JP23887196A JPH1088230A JP H1088230 A JPH1088230 A JP H1088230A JP 23887196 A JP23887196 A JP 23887196A JP 23887196 A JP23887196 A JP 23887196A JP H1088230 A JPH1088230 A JP H1088230A
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Abstract
た高張力鋼材の製造方法を提案する。 【解決手段】 C、Si、Mn量を調整し、あるいはさら
に、Cu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1 種または2 種
以上、および/またはNb、Tiのうちから選ばれた1種ま
たは2 種を含有し、V:0.04〜0.15%、N:0.0050〜0.
0150%の範囲でかつ、(V+Ti) /N=4.0 〜12.0を満
足し、Ceq を0.34〜0.48%とした素材を、1050〜1350℃
に加熱し、V、N、Ti量との関係式で定義されるTps温
度(℃)以下830 ℃以上の累積圧下率を30%以上、熱間
加工終了温度をAr3点(℃)以上900℃以下とする熱間
加工を施したのち、室温まで空冷する。室温まで空冷す
るに代えて、空冷以上30℃/sec以下の冷却速度で(Ar3
−60℃)以下600 ℃以上まで冷却してもよい。
Description
方法に関し、とくに靱性に優れた引張強さ490MPa以上の
高張力鋼材に関する。
く確保する方法として、TMCP(Thermo Mechanical
Control Process )による厚鋼板の製造方法が知られて
いる。例えば、特開平3-223419号公報には、Nbを含有す
る鋼素材を(Ar3 +150 ℃)以上の再結晶温度域で30%
以上の圧下を施したのち、(Ar3 +150 ℃)〜Ar3 の温
度域で50%以上の圧下を加える厚鋼板の製造方法が提案
されている。この方法では、未再結晶域での強圧下によ
り変形帯を導入し組織の微細化を図っている。また、特
開平2-25968 号公報には、Ca、TiとNbまたはVを含有す
る鋼片を900 〜1100℃に加熱し、900 ℃以下の圧下量が
30%以上で、かつ圧延仕上温度が680 〜860 ℃の熱間圧
延を施したのち、3 〜10℃/secの冷却速度で500 ℃以下
まで冷却する厚肉高張力鋼の製造方法が提案されてい
る。
度域での圧延の効果を十分に発揮させるためには、より
低温で高圧下を加える必要があり、圧延機に多大な負荷
が掛かるため多大のエネルギーを消費するうえ、厚鋼板
の場合には温度調節の待ち時間が増大して圧延能率が低
下するなどの問題が残されていた。また、極厚鋼板のよ
うに低温での高圧下が確保できない場合には、変形帯の
導入が不十分となりフェライト核が減少し組織の微細化
が達成できず、一方、薄肉鋼板の場合には、集合組織の
形成による音響の異方性や、500 ℃以下といった低温ま
で冷却されるため残留応力・残留歪が大きくなるなどの
問題があった。
用して、組織を微細化して圧延のままの強度靱性を向上
させた高強度鋼が、従来から知られている(例えば、鉄
と鋼、Vol.77(1991)No.1、p171. )。また、特開平5-18
6848号公報には、V、Nに加えTiを添加し、TiN-MnS-VN
の複合析出物を分散させ、フェライト生成機能を有効に
作用させHAZ 部靱性を向上させる技術が示されている。
しかしながら、これらの技術では、とくに極厚鋼板の場
合には、必ずしもVNの作用が効率良く発揮されてはおら
ず、圧延のままの母材特性は不十分であるという問題を
残していた。
問題を有利に解決し、高価な元素を多量に添加すること
なく、また、低温での強圧下を施すことなく、引張強さ
490MPa以上の強度を有し靱性に優れた高張力鋼材の製造
方法を提案することを目的とする。
を達成するために、鋭意検討した結果、つぎのような知
見を得た。 V、N量を制御して、VN析出物を適量、オーステナイ
ト中に析出分散させることにより、これら析出物がフェ
ライトの核として作用し、微細なフェライト+パーライ
ト組織が形成される。さらに、このVNによる組織の微細
化作用は、Ceqを0.34〜0.48%の範囲に調整することに
より強化される。
にも多量に微細析出するため、強度増加に大きく寄与す
る。また、VNは、比較的緩冷却でも多量に微細析出する
ため、鋼板断面内の強度・靱性のばらつきや、残留応力
・残留歪の発生を抑制できる。 素材のV、N量を制御することに加えて、かかる素材
にV、N量に関係する特定温度範囲の圧下を累積圧下率
で30%以上、熱間加工終了温度をAr3 点(℃)以下900
℃以上とする熱間加工を施すことにより、フェライト析
出核となりうる10nm以上の大きさのVNの析出が促進さ
れ、より一層の組織の微細化が図れる。
たものである。すなわち、本発明は、重量%で、C:0.
05〜0.18%、Si:0.10〜0.60%、Mn:0.80〜1.80%、
P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、Al:0.005 〜0.
050 %、V:0.04〜0.15%、N:0.0050〜0.0150%を含
み、かつ、 V/N:4.0 〜12.0を満足し、次(1)式 Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Ni/40 +Cr/5+Mo/4+V/14 ………(1) で定義されるCeq を0.34〜0.48%とした、残部Feおよび
不可避的不純物からなる素材を、1050〜1350℃に加熱
し、次(2)式 Tps ={V(N−0.292Ti )×105 +397 }/0.480 ………(2) で定義されるTps温度(℃)以下830 ℃以上の温度範囲
における累積圧下率を30%以上、熱間加工終了温度を次
(3)式 Ar3 =910 −273 C+25Si−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo −5Cu −1620Nb…(3) で定義されるAr3点(℃)以上900 ℃以下とする熱間加
工を施したのち、室温まで空冷することを特徴とする靱
性に優れた高張力鋼材の製造方法である。
で、1回または2回以上、空冷以上の冷却速度で加速冷
却を施してもよい。また、本発明では、前記室温まで空
冷するに代えて、空冷以上30℃/sec以下の冷却速度で
(Ar3−60℃)以下600 ℃以上の温度まで冷却してもよ
い。また、本発明では、前記素材を、重量%で、C:0.
05〜0.18%、Si:0.10〜0.60%、Mn:0.80〜1.80%、
P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、Al:0.005 〜0.
050 %、V:0.04〜0.15%、N:0.0050〜0.0150%を含
み、さらに、Nb:0.003 〜0.030 %、Ti:0.005 〜0.03
%のうちから選ばれた1種または2種を含有し、かつ、
(V+Ti) /N:4.0 〜12.0を満足し、前記Ceq を0.34
〜0.48%とした、残部Feおよび不可避的不純物からなる
素材とするのが好適である。
で、C:0.05〜0.18%、Si:0.10〜0.60%、Mn:0.80〜
1.80%、P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、Al:0.
005 〜0.050 %、V:0.04〜0.15%、N:0.0050〜0.01
50%を含み、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50%、C
r:0.05〜0.50%、Mo:0.02〜0.20%のうちから選ばれ
た1種または2種以上を含有し、かつ、V/N:4.0 〜
12.0を満足し、前記Ceq を0.34〜0.48%とした、残部Fe
および不可避的不純物からなる素材としてもよい。
で、C:0.05〜0.18%、Si:0.10〜0.60%、Mn:0.80〜
1.80%、P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、Al:0.
005 〜0.050 %、V:0.04〜0.15%、N:0.0050〜0.01
50%を含み、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50%、C
r:0.05〜0.50%、Mo:0.02〜0.20%、のうちから選ば
れた1種または2種以上、およびNb:0.003 〜0.030
%、Ti:0.005 〜0.03%、のうちから選ばれた1種また
は2種を含有し、かつ、(V+Ti) /N:4.0 〜12.0を
満足し、前記Ceq を0.34〜0.48%とした、残部Feおよび
不可避的不純物からなる素材としてもよい。
成に加えて、B:0.0003〜0.0020%、REM :0.0010〜0.
010 %、Ca:0.0010〜0.010 %のうちから選ばれた1種
または2種以上を含有してもよい。
延鋼板、鋼管、形鋼、棒鋼を含む鋼材を意味する。本発
明において、好適な素材の化学組成について説明する。 C:0.05〜0.18% Cは鋼の強度を増加させる元素であり、強度確保のため
に0.05%以上の添加が必要である。しかし、0.18%を超
えて添加すると、母材靱性および耐溶接割れ性、溶接熱
影響部(HAZ 部)靱性が劣化するため、Cは0.05〜0.18
%の範囲に制限した。なお、好ましくは0.08〜0.16%の
範囲である。
度を増加させる元素である。この効果を得るためには、
0.10%以上の添加を必要とするが、0.60%を超えると、
HAZ 部靱性を著しく劣化させる。このため、Siは0.10〜
0.60%の範囲とした。なお、好ましくは0.20〜0.45%で
ある。
に0.80%以上の添加が必要である。しかし、1.80%を超
えると、組織がフェライト+パーライトからベイナイト
等の低温生成物を主体とする組織になり、母材靱性が劣
化する。このため、Mnは0.80〜1.80%の範囲とした。な
お、好ましくは1.00〜1.70%である。
るだけ低減するが、0.030 %までは許容できる。なお、
0.015 %以下とするのが好ましい。 S:0.015 %以下 Sは非金属介在物を形成し、延性・靱性を劣化させるた
め、0.015 %以下に制限した。なお、好ましくは0.010
%以下である。
介在物が多くなり、清浄度が低下し、靱性が劣化する。
また、AlはNと結合しAlN を形成しやすく、VNの安定
析出を阻害する。このため、Alは0.005 〜0.050 %の範
囲とした。なお、好ましくは0.010 〜0.040 %である。
成し、圧延後冷却中にオーステナイト中に析出する。こ
のVNは、フェライト析出核として作用し、結晶粒を微細
化し靱性を向上させる。また、フェライト変態後フェラ
イト中にも微細析出し、冷却を強化することなく母材強
度を高めることができ、また、鋼板板厚内の特性の均一
性、残留応力・残留歪を軽減できる。これらの効果を得
るためには、0.04%以上の添加を必要とするが、0.15%
を超えて添加すると、母材靱性、溶接性が劣化する。こ
のため、Vは0.04〜0.15%の範囲に限定した。なお、好
ましくは0.04〜0.12%である。
時のオーステナイト粒の成長を抑制するとともに、フェ
ライト析出核として作用し、結晶粒を微細化し靱性を向
上させる作用を有している。0.0050%未満では、必要と
する窒化物量が不足する。一方、0.0150%を超えると、
固溶N量が増加し、母材靱性、HAZ 部靱性を劣化させ
る。このため、Nは0.0050〜0.0150%の範囲に制限し
た。なお、好ましい範囲は0.0060〜0.0120%である。
V/Nとして計算する。V、Nを上記した範囲とし、さ
らに、V/Nを4.0 〜12.0の範囲となるようにV、N量
を調整する。Tiを添加する場合には、V/Nのかわりに
(V+Ti)/Nを用いて計算し、同じく、4.0 〜12.0の
範囲となるようにV、Ti、N量を調整する。V/Nある
いは(V+Ti)/Nが4.0 未満では、固溶N量が増加
し、歪時効を生じさせ、さらにHAZ 部靱性を低下させ
る。また、V/Nあるいは(V+Ti)/Nが12.0を超え
ると、VあるいはVとTi、がCと結合し母材靱性を低下
させる。このため、V/Nあるいは(V+Ti)/Nを4.
0 〜12.0の範囲とした。なお、好ましくは、5.0 〜10.0
である。
する、Ceq をこの範囲とすることにより、鋼の焼入性、
変態点が調節され、VNの析出を促進し、高強度と良好な
靱性、溶接性を確保できる。Ceq が、0.34%未満では母
材およびHAZ 軟化部の強度確保が困難となり、0.48%を
超えると溶接割れ感受性が高くなり、HAZ 部靱性が劣化
する。
%のうちから選ばれた1種または2種 Nbは、Ar3点を低下させ、VNのオーステナイト中への析
出を促進させる作用を有するとともに、Nb化合物の析出
と結晶粒の細粒化により強度、靱性をともに向上させ
る。この効果を得るためには、0.003 %以上の添加を必
要とするが、0.030 %を超えるとHAZ 部靱性、溶接性を
劣化させる。このため、Nbは0.003 〜0.030 %の範囲に
限定した。なお、好ましくは0.005 〜0.025 %である。
ーステナイト粒の成長を抑制するとともに、さらにオー
ステナイト中に残留あるいは析出し、VNのオーステナイ
ト中への析出を促進させる作用を有する。この効果を得
るためには、0.005 %以上の添加が必要であるが、0.05
0 %を超えると、鋼の清浄度を低下させるとともに、VN
の析出を抑制し、母材の靱性を劣化させる。このため、
Tiは0.005 〜0.050 %の範囲とした。なお、好ましくは
0.010 〜0.025 %である。
r:0.05〜0.50%、Mo:0.02〜0.20%のうちから選ばれ
た1種または2種以上 Cu、Ni、Cr、Moはいずれも焼入性を向上させ、強度を増
加させる作用を有しており、1種または2種以上を添加
できる。このような効果を得るためには、Cu、Ni、Cr、
Moはそれぞれ0.05%、0.05%、0.05%、0.02%以上の添
加が必要である。しかし、Cu、Niは0.50%を超えて添加
しても効果が飽和し、経済的にも高価となる。このた
め、Cu、Niはいずれも0.05〜0.50%の範囲に限定した。
Cr、Moは、それぞれ0.50%、0.20%を超えると溶接性、
母材靱性が劣化する。このため、Crは0.05〜0.50%、Mo
は0.02〜0.20%の範囲に限定した。
010 %、Ca:0.0010〜0.010 %のうちから選ばれた1種
または2種以上 B、REM 、Caはいずれもフェライト粒の微細化に寄与す
る作用を有しており、必要に応じ1種または2種以上を
添加できる。Bは粒界に偏析し、粗大な粒界フェライト
の析出を抑制し、フェライト粒の微細化に寄与する。こ
のような効果を得るためには、0.0003%以上の添加を必
要とするが、0.0020%を超えて添加すると、靱性を低下
させる。このため、Bは0.0003〜0.0020%の範囲に限定
した。
形成し微細に鋼中に分散して、オーステナイト粒の成長
を抑制し、圧延後のフェライト粒を微細化する。また、
HAZ部の組織を微細化し、HAZ 部靱性を向上させる効果
も有している。0.0010%未満ではその効果が少なく、一
方、0.010 %を超えて添加すると、酸化物量が増加し、
しかも粗大化するため、清浄度が低下し靱性が劣化す
る。このため、REM 、Caは0.0010〜0.010 %の範囲に限
定した。
る。上記に規定した元素以外の元素では、O:0.010 %
以下、Zr:0.02%以下、Mg:0.02%以下の含有が許容で
きる。つぎに、製造方法の限定理由について説明する。
上記した組成の鋼の溶製は、転炉、電気炉等通常公知の
溶製方法がいずれも適用でき、とくに限定する必要はな
い。溶製された溶鋼は、連続鋳造法あるいは造塊法によ
り凝固され加工用素材とされる。
板、熱延鋼板、鋼管、形鋼、棒鋼等に成形することがで
きる。熱間圧延の加熱温度は、1050〜1350℃とする。加
熱温度が1050℃未満では、V、Nb等の析出物が十分に固
溶せず、これら析出強化元素の効果を十分に発揮するこ
とが困難なうえに、変形抵抗の増加により、所定の累積
圧下率の確保が困難となる。一方、1350℃を超えると、
加熱炉原単位を悪化させるとともにスケールロスの増加
や炉補修回数の増加等を招く。このため、素材の加熱温
度は1050〜1350℃の範囲とした。
における累積圧下率を30%以上、熱間加工終了温度を次
(3)式 Ar3 =910 −273 C+25Si−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo −5Cu −1620Nb…(3) で定義されるAr3 点(℃)以上900 ℃以下とする熱間加
工を施す。
析出が促進され、このVNを核として粒内フェライトが生
成され組織が微細化される。このVNの歪誘起析出を促進
するためには、熱間加工の累積圧下率は30%以上を必要
とする。しかし、(2)式で定義されるTps 温度を超え
る温度での加工は、導入される歪によるVN歪誘起析出の
促進効果を期待できない。また、830 ℃未満の温度での
加工は、歪誘起析出により析出するVNの大きさが10nm以
下と小さく、粒内フェライトの核とはなりにくい。この
ため、Tps 温度(℃)以下830 ℃以上の温度範囲におけ
る累積圧下量を30%以上と規定した。なお、(2)式で
用いられるV、N、Tiはそれぞれの重量%である。
VNによる細粒化効果に加え、未再結晶温度域加工の効果
によりさらに組織が微細化し、靱性が向上する。この未
再結晶温度域加工の効果を得るために、熱間加工終了温
度は900 ℃以下とするが、VN析出促進のための熱間加工
条件を満足していれば、組織の微細化は十分であり、熱
間加工終了温度を必要以上に低温とする必要はなく、熱
間加工終了温度はAr3点以上とした。熱間加工終了温度
がAr3 点未満と低温になると、集合組織が形成され、ま
た靱性の劣化などの弊害が生じる。
で、1回または2回以上、空冷以上の冷却速度で加速冷
却を施してもよい。熱間加工途中で、加工を中断し、空
冷以上好ましくは1℃/sec以上の冷却速度で冷却する。
冷却は1回あたり50〜150 ℃程度冷却し、過冷により、
VNが析出する前にAlN 、NbN 等としてNが固定されるの
を抑制し、VNを有効に析出させ、VN析出粒子数を増加さ
せる。
うな緩冷却を施すことにより、強度・靱性のばらつき、
残留応力・残留歪が軽減できる。また、本発明では、前
記室温まで空冷するに代えて、空冷以上30℃/sec以下の
冷却速度で(Ar3 −60℃)以下600 ℃以上の温度まで冷
却してもよい。空冷以上30℃/sec以下の冷却速度で加速
冷却することにより、粒界フェライトの生成が抑えら
れ、オーステナイトが過冷され、VNを核とする粒内フェ
ライトの生成による組織微細化効果が顕著になる。しか
し、冷却速度が30℃/secを超えると板厚方向の温度差が
顕著になり強度・靱性のばらつき、残留応力・残留歪の
発生が顕著となる。
温度で停止すると、加速冷却の効果が認められない。一
方、加速冷却を600 ℃未満の温度まで行うと、ベイナイ
ト等の低温変態生成物が多量に生成し、靱性が劣化す
る。なお、本発明で規定する温度、冷却速度は鋼材の板
厚中心部での値である。
造法で240 〜310mm 厚のスラブとした。ついで、これら
スラブを表2に示す温度に加熱し、表2に示す熱間圧延
条件で厚鋼板とした。圧延終了後、直ちに表2に示す冷
却速度で冷却した。これらの厚鋼板を用いて、母材の引
張特性、靱性、および溶接HAZ 部靱性を調査した。その
結果を表2に示す。
部の靱性の試験方法は下記に示す通りである。 (1)母材の引張試験 上記製品板の板厚1/2 T部から圧延方向と直角方向にJI
S Z 2201に規定する4号試験片を採取し、JIS Z 2241に
準拠して、降伏点(YP)、引張強さ(TS)を求め
た。 (2)母材の靱性試験 上記製品板の板厚1/2 T部から圧延方向と直角方向にJI
S Z 2202に規定する4号試験片を採取し、JIS Z 2242に
準拠して、試験を実施し、破面遷移温度(vTrs)を求め
た。 (3)溶接熱影響部の靱性試験 上記製品板の板厚1/2 T部から圧延方向と直角方向に試
験片を採取し、高周波加熱装置により、入熱50kJ/cm の
サブマージアーク溶接の粗粒域HAZ 部(最高加熱温度14
00℃)の受ける熱サイクルを付与したのち、JIS Z 2202
に規定する4号試験片を採取し、JIS Z 2242に準拠し
て、−20℃におけるシャルピー吸収エネルギー( VE
-20 )を求めた。
上の高強度で、vTrsが−70℃以下の高靱性が得られ、母
材の強度・靱性に優れているとともに、HAZ 部の靱性も
vE-2 0 が87J以上と高靱性が得られ、HAZ 部靱性も優れ
ていることがわかる。化学組成が本発明範囲から外れる
比較例No.17 、No.18 、No.19 、No.20 では強度、母材
靱性、HAZ 部靱性が低下している。
比較例No.3では、母材の強度、靱性が劣化し、加速冷却
停止温度が低い比較例No.4では、母材の靱性が劣化し、
熱間圧延終了温度が本発明の範囲を外れる比較例No.7、
No.15 では母材の靱性が劣化している。加熱温度が本発
明の範囲を外れる比較例No.10 、No.12 では、母材の靱
性が劣化している。
れた引張強さ490MPa以上の高張力鋼材を、高価な元素を
多量添加することもなく、また低温での強圧下を施すこ
ともなく工業的に容易に製造でき、また、板厚方向の強
度靱性のばらつきも少ない鋼材を容易に製造でき、産業
上多大な効果を奏する。
Claims (7)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.05〜0.18%、 Si:0.10〜0.60%、 Mn:0.80〜1.80%、 P:0.030 %以下、 S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.050 %、 V:0.04〜0.15%、 N:0.0050〜0.0150% を含み、かつ、V/N:4.0 〜12.0を満足し、下記
(1)式で定義されるCeq を0.34〜0.48%とした、残部
Feおよび不可避的不純物からなる素材を、1050〜1350℃
に加熱し、下記(2)式で定義されるTps 温度(℃)以
下830 ℃以上の温度範囲における累積圧下率を30%以
上、熱間加工終了温度を下記(3)式で定義されるAr3
点(℃)以上900 ℃以下とする熱間加工を施したのち、
室温まで空冷することを特徴とする靱性に優れた高張力
鋼材の製造方法。 記 Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Ni/40 +Cr/5+Mo/4+V/14 ………(1) Tps ={V(N−0.292Ti )×105 +397 }/0.480 ………(2) Ar3 =910 −273 C+25Si−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo −5Cu −1620Nb…(3) - 【請求項2】 前記熱間加工の途中で、1回または2回
以上、空冷以上の冷却速度で加速冷却を施すことを特徴
とする請求項1記載の高張力鋼材の製造方法。 - 【請求項3】 前記室温まで空冷するに代えて、空冷以
上30℃/sec以下の冷却速度で(Ar3−60℃)以下600 ℃
以上の温度まで冷却することを特徴とする請求項1また
は2記載の高張力鋼材の製造方法。 - 【請求項4】 前記素材が、重量%で、 C:0.05〜0.18%、 Si:0.10〜0.60%、 Mn:0.80〜1.80%、 P:0.030 %以下、 S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.050 %、 V:0.04〜0.15%、 N:0.0050〜0.0150% を含み、さらに、 Nb:0.003 〜0.030 %、 Ti:0.005 〜0.030 % のうちから選ばれた1種または2種を含有し、かつ、
(V+Ti) /N:4.0 〜12.0を満足し、前記Ceq を0.34
〜0.48%とした、残部Feおよび不可避的不純物からなる
素材であることを特徴とする請求項1、2または3記載
の靱性に優れた高張力鋼材の製造方法。 - 【請求項5】 前記素材が、重量%で、 C:0.05〜0.18%、 Si:0.10〜0.60%、 Mn:0.80〜1.80%、 P:0.030 %以下、 S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.050 %、 V:0.04〜0.15%、 N:0.0050〜0.0150% を含み、 Cu:0.05〜0.50%、 Ni:0.05〜0.50%、 Cr:0.05〜0.50%、 Mo:0.02〜0.20%、 のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、か
つ、V/N:4.0 〜12.0を満足し、前記Ceq を0.34〜0.
48%とした、残部Feおよび不可避的不純物からなる素材
であることを特徴とする請求項1、2または3記載の高
張力鋼材の製造方法。 - 【請求項6】 前記素材が、重量%で、 C:0.05〜0.18%、 Si:0.10〜0.60%、 Mn:0.80〜1.80%、 P:0.030 %以下、 S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.050 %、 V:0.04〜0.15%、 N:0.0050〜0.0150% を含み、 Cu:0.05〜0.50%、 Ni:0.05〜0.50%、 Cr:0.05〜0.50%、 Mo:0.02〜0.20% のうちから選ばれた1種または2種以上、および Nb:0.003 〜0.030 % Ti:0.005 〜0.03% のうちから選ばれた1種または2種を含有し、かつ、
(V+Ti) /N:4.0 〜12.0を満足し、前記Ceq を0.34
〜0.48%とした、残部Feおよび不可避的不純物からなる
素材であることを特徴とする請求項1、2または3記載
の高張力鋼材の製造方法。 - 【請求項7】 前記素材が、さらに、B:0.0003〜0.00
20%、REM :0.0010〜0.010 %、Ca:0.0010〜0.010 %
のうちから選ばれた1種または2種以上を含有すること
を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の高張
力鋼材の製造方法。
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|---|---|---|---|
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|---|---|
| JP (1) | JP3635803B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1035222A1 (en) * | 1999-03-10 | 2000-09-13 | Kawasaki Steel Corporation | Continuous casting slab suitable for the production of non-tempered high tensile steel material |
| JP2001316767A (ja) * | 2000-03-29 | 2001-11-16 | Usinor | 特に自動車用車両部品を製造するために有用な極めて高い弾性限度及び機械的強度を有している熱間圧延鋼 |
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| WO2025127535A1 (ko) * | 2023-12-14 | 2025-06-19 | 현대제철 주식회사 | 형강 및 형강 제조 방법 |
-
1996
- 1996-09-10 JP JP23887196A patent/JP3635803B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
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