JPH1088422A - ポリエチレンナフタレート繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリエチレンナフタレート繊維およびその製造方法

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JPH1088422A
JPH1088422A JP24022696A JP24022696A JPH1088422A JP H1088422 A JPH1088422 A JP H1088422A JP 24022696 A JP24022696 A JP 24022696A JP 24022696 A JP24022696 A JP 24022696A JP H1088422 A JPH1088422 A JP H1088422A
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冬樹 寺阪
Toshio Yamauchi
俊男 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温雰囲気下での伸びが小さい、ポリエチレ
ンナフタレート繊維を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンナフタレート繊維からな
り、極限粘度が0.7以上、強度が9.0g/De以上、
4.5g/De荷伸が3%以下および2.0g/De負荷
時の180℃雰囲気下での伸びが0.5%以下である繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンナフ
タレート繊維およびその製造方法に関する。さらに詳し
くは、高温雰囲気下において一定荷重時の伸びが小さ
く、従って産業資材用製品に適したポリエチレンナフタ
レート繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンナフタレート繊維は高強
度、高モジュラス、耐熱性良好、寸法安定性良好、低収
縮性などの特徴を生かし、タイヤ、ベルトなどのゴム製
品分野、抄紙カンバス、電気絶縁材料などに開発され、
利用されている。その効果は特公昭52−66号公報を
はじめ、特開昭50−16739号公報、特開平5−3
12237号公報、特開平6−128810号公報、特
公昭54−32159号公報、特公昭56−27639
号公報などに数多くの提案がなされている。
【0003】これらの利用分野の中で、ポリエチレンナ
フタレート繊維は、室温では高モジュラスを有している
が、高温雰囲気下ではモジュラス低下が大きく、かつ一
定荷重負荷時の伸びが大きい、つまりクリープが大きい
という問題がある。例えば高温下で使用している抄紙カ
ンバスなどの如く、繊維がクリープに起因するたるみに
よるしわなどが問題となる特殊用途などでは、ポリエチ
レンナフタレート繊維の他の優れた特性を発揮出来てい
ないものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情を
背景としてなされたものであり、高温雰囲気下での一定
荷重時の伸びが小さいポリエチレンナフタレート繊維お
よびその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記本発
明の目的を達成するために研究を進めた結果、ポリエチ
レンナフタレート繊維の製造において、紡糸後、実質的
に弛緩熱処理をしないで、或る一定以上の張力下で延伸
を行うことにより、高温雰囲気下で一定荷重時の伸びが
小さいポリエチレンナフタレート繊維が得られることを
見出した。
【0006】かくして本発明によれば、全繰返し単位中
の少なくとも90モル%がエチレン−2,6−ナフタレ
ート単位であるポリエチレンナフタレートから形成され
た繊維であって、下記(a)〜(d) (a)極限粘度≧0.7 (b)強度≧9.0g/De (c)4.5g/De荷伸≦3% (d)2.0g/De負荷時の180℃雰囲気下での伸
び≦0.5% を満足することを特徴とするポリエチレンナフタレート
繊維が提供される。
【0007】さらに本発明によれば、全繰返し単位中の
少なくとも90モル%がエチレン−2,6−ナフタレー
ト単位であり、極限粘度が0.7以上であるポリエチレ
ンナフタレートを溶融紡糸し、得られた未延伸糸を1.
2g/デニール以上の張力を維持しながら、3段以上の
延伸を行うことを特徴とするポリエチレンナフタレート
繊維の製造方法が提供される。以下、本発明についてさ
らに詳しく説明する。
【0008】本発明の繊維を形成するポリエチレンナフ
タレートは、全繰返し単位中の少なくとも90モル%、
好ましくは少なくとも95モル%がエチレン−2,6−
ナフタレート単位で構成されている。ポリエチレンナフ
タレートは、全繰返し単位中の10モル%より少ない割
合で適当な他の単位(第3成分)を含んでいても差支え
ない。
【0009】かかる第3成分としては(a)2個のエス
テル形成性官能基を有する化合物、例えばシュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの脂
肪族ジカルボン酸;シクロプロパンジカルボン酸、シク
ロブタンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸など
の脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸;ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ジフェニルスルホン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸ナトリウムなどのカルボン酸;グリコール酸、p−オ
キシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸などのオキ
シカルボン酸;プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチレング
リコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ビスフェノールA、p,p'−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、1,4−ビス(β−ヒド
ロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(p−β−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン、ポリアルキレン
グリコールなどのオキシ化合物;それらの機能的誘導
体;前記カルボン酸、オキシカルボン酸、オキシ化合物
またはそれらの機能的誘導体から誘導される高重合度化
合物や、(b)1個のエステル形成性官能基を有する化
合物、例えば安息香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メト
キシポリアルキレングリコールなどが挙げられる。さら
に(c)3個以上のエステル形成性官能基を有する化合
物、例えばグリセリン、ペンタエリストール、トリメチ
ロールプロパンなども、重合体が実質的に線状である範
囲内で使用可能である。
【0010】本発明の繊維を形成するポリエチレンナフ
タレートは、その極限粘度が0.7以上であることが必
要である。さらに好ましくは0.7〜1.0である。本発
明でいう極限粘度は繊維をフェノールとオルトジクロロ
ベンゼンとの混合溶媒(容積比6:4)に溶解し、35
℃で測定した粘度から求めた値である。極限粘度が0.
7未満では、繊維の強度、タフネスが低下する。一方、
極限粘度が1.0を越えるような繊維は紡糸工程が不良
となり易く、製造が難しくなる。また、これらのポリエ
ステル中には、二酸化チタンなどの艶消剤;リン酸、亜
リン酸、それらのエステルなどの安定剤が含まれてもよ
いことはいうまでもない。
【0011】本発明のポリエチレンナフタレート繊維
は、デニール当りの強度(g/De)が9.0以上であ
り、好ましくは9.0〜10.5、特に好ましくは9.5
〜10.0を有している。強度が9.0g/De未満であ
ると高強力が発現されない。また、本発明のポリエチレ
ンナフタレート繊維の“4.5g/De荷伸”の値、つ
まり、常温においてデニール当り4.5gの負荷時の伸
度が3%以下、好ましくは1〜3%の範囲であって、高
いモジュラス性を有してる。この値が3%を超えると高
いモジュラス特性を発現できなくなる。
【0012】さらに、本発明のポリエチレンナフタレー
ト繊維は、2.0g/De負荷時において、180℃の
雰囲気下での伸びが0.5以下、好ましくは0.1〜0.
45%であるという特徴を有している。この伸びが0.
5%を超えると、クリープが小さいことを要求される用
途では満足すべき特性が得られなくなる。
【0013】前記した強度、荷伸および伸びを有するポ
リエチレンナフタレート繊維は、例えば下記の方法によ
って製造することができる。すなわち、ポリエチレンナ
フタレートを溶融紡糸して得られた未延伸糸を、紡糸
後、一旦巻き取るか或いは巻き取らずに連続的に行う延
伸工程で1.2g/デニール以上の張力を維持しなが
ら、弛緩熱処理をしないで3段以上の延伸を行う方法で
ある。好ましい延伸条件は、1.2g/デニール以上、
好ましくは1.3g/デニール〜4g/デニールの張力
を維持しながら、3段延伸もしくは4段延伸を行う方法
である。特に好ましい延伸条件は、3段延伸の場合、3
段目の延伸張力が2段目の延伸張力より大きい方法であ
り、4段延伸の場合、3段目の延伸張力が2段目の延伸
張力よりも大きくかつ4段目の延伸張力が3段目の延伸
張力より大きい方法である。つまり、2段目以降の延伸
張力は、前段よりも大きくし、その間弛緩処理をしない
で張力を維持することである。
【0014】延伸工程における乾熱浴中、温度は250
〜330℃、好ましくは280〜320℃の範囲が望ま
しく、また、全延伸倍率は紡糸温度やポリマーの粘度に
よって左右されるが、最大延伸倍率(DR max)の80%
〜95%、好ましくは85%〜90%の範囲が適当であ
る。
【0015】
【作用】ポリエチレンナフタレート繊維の場合、ポリエ
チレンテレフタレート繊維と比較して、同じ固有粘度レ
ベルでは分子鎖が短く、分子鎖が剛直なため、折り畳ま
れ難く、非晶部または不完全結晶部の分子鎖がいかに折
り畳まれているか(収束しているか)というパッキング
性が悪いため、ポリエチレンテレフタレート繊維などと
同様に弛緩処理、または低張力で熱セットし、分子配向
に緩和を与えると、さらにパッキング性が悪くなり、高
温雰囲気下で張力がかかると、分子間の滑りが生じ、伸
びやすく、クリープが大きくなる。従って、パッキング
性をよくするため、弛緩処理せず、一定以上の張力を維
持したまま、ゆるむことなく延伸することにより高温雰
囲気下において伸びが小さい、産業資材用に適したポリ
エチレンナフタレート繊維が得られる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、各物性値は下記の方法により測定した
ものである。 (1)繊維の強伸度およびモジュラス(荷伸) 引張荷重測定器(島津製作所オートグラフ)を用い、J
IS L−1074−64に従って、測定した。 (2)180℃雰囲気下での伸び率[X] 原糸に2.0g/Deの荷重をかけ、基準の長さLを決
め、180℃雰囲気下に30分間放置し、そのままの雰
囲気下で基準の長さの伸びΔLを測定。 伸び率[X]=[ΔL/L]×100
【0017】実施例1 極限粘度0.84のエチレン−2,6−ナフタレートチッ
プを310℃の温度で溶融後孔径0.6mmの吐出孔を
250ホール有する紡糸口金から吐出した。吐出量は、
紡糸延伸後の繊度が1000Deになるよう調整した。
吐出された糸条は長さ400mmにわたって370℃に
加熱保持された帯域を通したあと、温度は25℃、風速
0.3m/秒の冷却風を吹き出し長さ330mmにわた
って吹き付け冷却固化し、オイリングローラーで油剤を
付与した後、700m/分の速度で巻き取った。
【0018】次いで未延伸糸を160℃の加熱供給ロー
ルと第1段延伸ロールとの間で第1段延伸(倍率5.
6)を行い、引き続き第1段延伸ロールと2段延伸ロー
ルとの間で320℃の乾熱浴中、張力1.8g/Deを
かけ第2段延伸(倍率1.05)を行った後、さらに3
20℃の乾熱浴中、張力2.5g/Deをかけ第3段延
伸(倍率1.09)をおこなったあと300m/分の速
度で巻き取った。得られた延伸糸は繊度は1000D
e、強度は9.5g/De、4.5g/De荷伸が2.8
%、2.0g/De負荷時の180℃雰囲気下での伸び
が0.43%であった。得られた特性を表2に示した。
【0019】実施例2および比較例1、2 実施例1のポリマーの極限粘度、紡糸速度、延伸倍率を
下記表1のとおりに変更した以外、実施例1と同様にし
て繊維を得た。その特性を表2にまとめて示した。表1
中、第1段延伸倍率をDR1、第2延伸倍率をDR2、
第3段延伸倍率をDR3、全延伸倍率を全DRとして示
した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全繰返し単位中の少なくとも90モル%
    がエチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチ
    レンナフタレートから形成された繊維であって、下記
    (a)〜(d) (a)極限粘度≧0.7 (b)強度≧9.0g/De (c)4.5g/De荷伸≦3% (d)2.0g/De負荷時の180℃雰囲気下での伸
    び≦0.5% を満足することを特徴とするポリエチレンナフタレート
    繊維。
  2. 【請求項2】 全繰返し単位中の少なくとも90モル%
    がエチレン−2,6−ナフタレート単位であり、極限粘
    度が0.7以上であるポリエチレンナフタレートを溶融
    紡糸し、得られた未延伸糸を1.2g/デニール以上の
    張力を維持しながら、3段以上の延伸を行うことを特徴
    とするポリエチレンナフタレート繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010061221A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 조 정 래 고강력 폴리에틸렌-2, 6-나프탈레이트 섬유의 제조방법
JP2008057090A (ja) * 2006-09-04 2008-03-13 Teijin Fibers Ltd ポリエチレンナフタレート短繊維

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KR20010061221A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 조 정 래 고강력 폴리에틸렌-2, 6-나프탈레이트 섬유의 제조방법
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