JPH1090301A - ピエゾ抵抗ブリッジを用いてなる加速度センサ回路における温度補償用回路定数算出方法 - Google Patents

ピエゾ抵抗ブリッジを用いてなる加速度センサ回路における温度補償用回路定数算出方法

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JPH1090301A
JPH1090301A JP26658896A JP26658896A JPH1090301A JP H1090301 A JPH1090301 A JP H1090301A JP 26658896 A JP26658896 A JP 26658896A JP 26658896 A JP26658896 A JP 26658896A JP H1090301 A JPH1090301 A JP H1090301A
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temperature
bridge
acceleration sensor
resistance
resistor
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JP26658896A
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English (en)
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Yoshiaki Takashima
良明 高島
Tsuneo Adachi
恒夫 安達
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆる並列抵抗による温度補償といわゆる
測温素子による温度補償を併用する温度補償方法におけ
る回路定数の算出方法を提供する。 【解決手段】 ピエゾ抵抗値の温度に対する変化を2次
式で近似し、ピエゾ抵抗ブリッジを用いてなる加速度セ
ンサ2の出力電圧温度特性を、ピエゾ抵抗ブリッジの一
辺に温度補償用の抵抗r3を並列接続すると共に、測温
ピエゾ抵抗Rdの出力電圧を−Gd倍して、前記加速度セ
ンサ2の出力電圧に加えることで、出力電圧が温度に依
存しないように温度補償する際、前記抵抗r3及び増幅
度Gdを、前記加速度センサ2の出力電圧が2次式で近
似され、また、上述のようにな補償を行った後の最終電
圧が同様に2次式で近似されることに基づいて、最終電
圧が温度に依存しない条件の下、所定の条件式により算
出できるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピエゾ抵抗ブリッ
ジを用いてなる加速度センサ回路における温度補償に係
り、特に、ピエゾ抵抗ブリッジの一辺に温度補償用の並
列抵抗を接続すると共に、測温素子を併用するようにし
た温度補償方法における回路定数の算出に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、ピエゾ抵抗ブリッジを用
いてなる加速度センサの温度特性を補償する方法とし
て、ピエゾ抵抗ブリッジに温度補償用の抵抗を並列接続
すると共に、測温素子としてピエゾ抵抗ブリッジを構成
すると同様なピエゾ抵抗を用いてピエゾ抵抗ブリッジの
出力電圧の温度に対する変動を相殺するようにしたもの
を既に提案している(特開平7−28703号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる温度補償方法に
おいては、温度補償方法の基本的な思想が開示されてい
るが、回路定数の具体的な算出方法を開示するには至っ
ていない。本発明は、その後の鋭意ある試験、研究によ
り得られたもので、上述のように本願出願人が既に提案
した補償方法における回路定数の具体的な算出方法を提
案するものである。
【0004】すなわち、本発明は、ピエゾ抵抗ブリッジ
を用いてなる加速度センサ回路において、ピエゾ抵抗ブ
リッジの一辺に温度補償用の抵抗を並列接続すると共
に、このブリッジ出力に、測温素子の出力を所定倍増幅
した電圧を加えることで最終的なブリッジ出力が温度に
依存しないようにする温度補償方法における並列抵抗と
増幅度の値を算出するための具体的、かつ、実行性のあ
る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るピエゾ抵抗ブリッジを用いてなる加速度センサ回路に
おける温度補償用回路定数算出方法は、ピエゾ抵抗ブリ
ッジを用いてなる加速度センサの前記ピエゾ抵抗ブリッ
ジの隣接する2つのピエゾ抵抗の何れか一方に並列に温
度補償用の抵抗を接続すると共に、前記加速度センサを
構成するピエゾ抵抗ブリッジの近傍に配置され、当該ピ
エゾ抵抗ブリッジ近傍の雰囲気温度を検出する測温素子
に前記ピエゾ抵抗ブリッジに供給される定電流と同一の
大きさの定電流Ibを供給した際の当該測温素子の出力
電圧を所定の増幅度Gdで増幅し、前記加速度センサの
出力電圧の極性とは逆極性で、前記加速度センサの出力
電圧に加えることで、温度変化に対する当該出力電圧の
変動を抑圧するピエゾ抵抗ブリッジを用いてなる加速度
センサ回路における温度補償方法における温度補償用回
路定数算出方法であって、ピエゾ抵抗ブリッジを構成す
る各ピエゾ抵抗の温度変化に対する抵抗値を実測し、こ
の実測値により、個々のピエゾ抵抗について、R
n(T)=an2+bn+cnを満たす(但し、n=1〜
4、Tは温度)個々の2次回帰係数an,bn,cnを求
め、前記ピエゾ抵抗ブリッジの一辺に並列接続される温
度補償用の抵抗の値をr3とし、この抵抗が並列接続さ
れた辺のある温度Tにおける合成抵抗値をR3′(T)
とし、R3′(T)=r3(a32+b3T+c3)/(a
32+b3T+c3+r3)≒a3′T2+b3′T+c3
と表され、a3′={a33 2(c3+r3)+r3 2
3 2}/(c3+r33であり、b3′=r3 23/(c3
+r32である場合に、(a24+a42−a13′−
3′b1)/(a24−a13′)=2bd/adの関係
式を前記a3′,b3′に関する式を用いてr3につい
て、A33 3+A23 2+A13+A0=0と整理し(但
し、A3,A2,A1,A0は、an,bn,cnで求められ
る定数)、この式を満たす値を求め、これを前記温度補
償用の抵抗の値r3とする一方、前記測温素子の温度変
化に対する出力電圧を実測し、この実測値により、Vd
(T)=(ad2+bdT+cd)Ibを満たす(但し、
Tは温度、Ibは、測温素子に流入する定電流)2次回
帰係数ad,bd,cdを求め、前記温度補償用の抵抗が
前記ピエゾ抵抗ブリッジに並列接続された状態における
当該ピエゾ抵抗ブリッジのある温度Tにおけるブリッジ
出力電圧Vbrg′(T)が、Vbrg′(T)=(α′T2
+β′T+γ′)Ibと表され(但し、Ibはピエゾ抵抗
ブリッジに流入する定電流)、α′=a24−a13
/Σanであり、β′={a24+a42−a13′−
3′b1−Σbn・(a24−a13′)/Σan}/Σ
nである場合、前記所定の増幅度Gdを、Gd=β′/
dとして求めるようにしてなるものである。
【0006】本発明は、ピエゾ抵抗の温度変化に対する
抵抗値の変化を2次式で近似することによって、ピエゾ
抵抗ブリッジの出力電圧の温度特性を2次式で近似でき
るようにし、ピエソ抵抗ブリッジの一辺に温度補償用の
抵抗を並列接続し、かつ、測温素子の出力電圧を増幅し
てブリッジ出力に加算した場合の電圧特性を先の2次式
で表した場合に、温度に依存しないという条件を導き出
し、その条件の下、ピエゾ抵抗ブリッジに並列接続する
温度補償用の抵抗の値と、測温素子の出力電圧を増幅す
る際の増幅度を算出できるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図7を参照しつつ説明する。なお、以下に
説明する部材、配置等は本発明を限定するものではな
く、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができる
ものである。本発明は、概括的に言えば、並列抵抗と測
温素子を併用する温度補償方法における回路定数、すな
わち、並列抵抗値及び測温素子に基づく補正用電圧を得
るための増幅度を算出する方法を提供するものである。
【0008】まず最初に、従来の温度補償方法が充分で
はないことについて説明する。図4には、加速度センサ
を構成するピエゾ抵抗ブリッジが示されており、始めに
この構成について説明すれば、このピエゾ抵抗ブリッジ
は、ピエゾ抵抗R1とピエゾ抵抗R4とが、直列接続され
る一方、ピエゾ抵抗R2とピエゾ抵抗R3とが、直列接続
されると共に、ピエゾ抵抗R1及びピエゾ抵抗R2とが、
それぞれの一端で接続されて定電流源1の一端(図4に
示された構成においては、定電流源1の正極側)に接続
されている。また、ピエゾ抵抗R3及びピエゾ抵抗R4
が、それぞれの一端で接続されて定電流源1の他端(図
4に示された構成においては、定電流源1の負極側)に
接続されて、このピエゾ抵抗ブリッジに定電流Ibが流
入されるようになっている。換言すれば、定電流源1の
正極側と負極側との間に、正極側から抵抗R1及び抵抗
4が順に直列接続されると共に、定電流源1の正極側
と負極側との間に、正極側から抵抗R2及び抵抗R3が順
に直列接続される構成となっている。そして、ピエゾ抵
抗R1とピエゾ抵抗R4との接続点と、ピエゾ抵抗R2
ピエゾ抵抗R3との接続点との間に、このピエゾ抵抗ブ
リッジの出力電圧Vbrgが得られるようになっているも
のである。
【0009】このピエゾ抵抗ブリッジを構成するピエゾ
抵抗R1〜R4は、例えば、半導体からなる公知・周知の
もので、図示されないダイヤフラム上に形成されて、ダ
イヤフラムを介して応力を受けると、その抵抗値が変化
するようになっているものである。
【0010】ピエゾ抵抗は一般に、極めて高い温度依存
性を有しているため、ピエゾ抵抗ブリッジの出力も非常
に大きな温度ドリフトを有することとなる。このため、
このようなピエゾ抵抗ブリッジからなる加速度センサを
実用に供するには何らかの温度補償が必要となる。例え
ば、図5には、上記構成におけるピエゾ抵抗ブリッジの
各辺の抵抗値の温度特性の一例が示されているが、各辺
の抵抗値温度特性は完全には一致せず、これがブリッジ
出力に温度ドリフトを生む原因となっている。
【0011】このようなピエゾ抵抗ブリッジにおける温
度ドリフトを補償する方法としては、例えば、ピエゾ抵
抗ブリッジ中の隣接する2辺のピエゾ抵抗の何れか一
方、すなわち、図4の例で言えば、ピエゾ抵抗R3又は
4の何れか一方に、温度係数が非常に小さな温度補償
用の抵抗r3(又はr4)を並列接続し、ブリッジ各辺の
温度に対する抵抗値変化をバランスさせることで温度補
償を行うようにしたいわば並列抵抗による温度補償方法
と言えるものが公知・周知となっている(J.Brysek,et
al. "Silicon Sensor and Microstructures", Nova Sen
sor p.8-11)。
【0012】図6には、この方法を用いて、ピエゾ抵抗
ブリッジの使用温度域(−20〜80℃)において、最
高温度での出力と、最低温度での出力を結ぶ直線の傾き
が最も小さくなるように補償した場合の温度ドリフトの
一例が、正方形印で表された実測値を結ぶ特性線として
示されている。
【0013】この特性線においては、中間の温度域にお
いて、出力特性が湾曲しており、温度補償が不十分であ
ることが窺える。したがって、この測定結果から、並列
抵抗による温度補償方法のみでは、最低温度での出力と
最高温度での出力を結ぶ直線の傾きを小さくする(以下
「傾き補正」と言う)ことと、湾曲の大きさを小さくす
ること(以下「非直線性補正」と言う)とを、必ずしも
同時に満足することはできないということが言える。
【0014】また、他の温度補償方法としては、測温素
子を用いる方法がある。すなわち、温度補償用に専用の
ピエソ抵抗を測温素子として設けて動作させ、この測温
素子としてのピエゾ抵抗の抵抗値変化に伴う電圧変化を
ピエゾ抵抗ブリッジの出力に加えることでピエゾ抵抗ブ
リッジの温度ドリフトを補償しようとするもので、図6
にはこの方法により温度補償を行った場合の温度ドリフ
トの一例が、三角形印で表された実測値を結ぶ特性曲線
として示されている。この方法においても、先の並列抵
抗を用いる方法と同様に、「傾き補正」と「非直線性補
正」とを、必ずしも同時に満足することはできない。こ
のように、従来の補償方法においては、「傾き補正」の
要求と「非直線性補正」の要求とは、相反する要求であ
り、何れか一方をある程度犠牲にせざる得なかった。
【0015】次に、本発明の前提となるピエゾ抵抗ブリ
ッジの出力電圧の温度ドリフトのモデル化について説明
する。先に、図4に示されたピエゾ抵抗ブリッジにおい
ては、定電流Ibで駆動された場合のある温度Tにおけ
る出力電圧Vbrgは、次の式1で表される。
【0016】 Vbrg=(R2(T)・R4(T)−R1(T)・R3(T))・Ib/ΣRn(T) ・・・(式1)
【0017】ここで、Rn(T)(但し、n=1〜4)
は、ある温度Tにおける各ピエゾ抵抗の抵抗値を表すい
わゆる抵抗値温度特性関数であり、一般に一次近似で表
されている。したがって、上記式1も一次近似式で表さ
れるものであり、このままでは、ピエゾ抵抗ブリッジの
出力電圧の非直線性をモデル化することはできない。こ
のため、抵抗値温度特性を温度Tの2次式で近似するこ
ととし、下記する式2を得た。
【0018】 Rn(T)=an2+bnT+cn ・・・(式2)
【0019】ここで、an,bn,cnは、Rn(T)の2
次回帰係数である。この式2を先の式1に代入すること
で、ピエゾ抵抗ブリッジの出力電圧Vbrgは、下記する
式3として示された2次式で表現されることとなる。
【0020】 Vbrg(T)=(αT2+βT+γ)Ib ・・・(式3)
【0021】ここで、α,β,γは、an,bn,cn
よって定められる定数である。この2次式で表されたピ
エゾ抵抗ブリッジの出力電圧Vbrgを用いて、先に説明
したいわゆる並列抵抗による温度補償方法が、単独で用
いられる場合には、先に述べたようにいわゆる「傾き補
正」の要求といわゆる「非直線性補正」の要求とを同時
に満足することができないことを、定量的に検証してみ
ると次のようになる。
【0022】まず、先の図4に示されたピエゾ抵抗ブリ
ッジにおいて、抵抗R3と並列に温度補償用の抵抗r3
接続すると仮定すると、抵抗R3と抵抗r3との合成抵抗
3′は下記する式4によって求められる。
【0023】 R3′(T)=r3(a32+b3T+c3)/(a32+b3T+c3+r3) ・・・(式4) さらに、この式4を近似することで、下記する式5が得
られる。
【0024】 R3′(T)≒a3′T2+b3′T+c3′ ・・・(式5)
【0025】ここで、a3′は下記する式6により、
3′は下記する式7により、それぞれ得られる定数で
ある。
【0026】 a3′={a33 2(c3+r3)+r3 2・b3 2}/(c3+r33 ・・・(式 6)
【0027】 b3′=r3 23/(c3+r32 ・・・(式7)
【0028】そして、この場合のピエゾ抵抗ブリッジ出
力電圧Vbrg′(T)は、下記する式8で表される。
【0029】 Vbrg′(T)=(α′T2+β′T+γ′)Ib ・・・(式8)
【0030】なお、ここで、α′,β′は、下記する式
9,10によって得られる定数であり、γ′は温度に依
存しない定数である。
【0031】 α′=a24−a13′/Σan ・・・(式9)
【0032】 β′={a24+a42−a13′−a3′b1−Σbn・(a24−a13′) /Σan}/Σan ・・・(式10)
【0033】式8で表された出力電圧Vbrg′(T)が
温度ドリフトを有しないものとなるためには、α′=0
で、かつ、β′=0が成立する必要がある。しかしなが
ら、α′を決定する上記式9及びβ′を決定する式10
から一般に、α′=0で、かつ、β′=0を満足させる
ことはできないことが解る。このことは、結局、r3
並列接続のみでは、いわゆる「傾き補正」の要求と、い
わゆる「非直線性補正」の要求とを同時に満足すること
ができないことを意味するものである。
【0034】ところで、先に示された式9から、r3
調節することによって、α′の符号及び絶対値を自由に
変え得ることが解る。例えば、図7には、先に図4にお
いて示されたピエゾ抵抗ブリッジにおいて、温度補償用
の抵抗として、抵抗r3又は抵抗r4を接続した場合のピ
エゾ抵抗ブリッジ出力電圧の温度ドリフトの様子が、抵
抗値をパラメータとして示されている。
【0035】すなわち、同図において、抵抗r3=39
0KΩとした場合の温度対ピエゾ抵抗ブリッジ出力電圧
の変化が円印で示された測定点を結ぶ特性線として、抵
抗r3=270KΩとした場合の温度対ピエゾ抵抗ブリ
ッジ出力電圧の変化が星印で示された測定点を結ぶ特性
線として、それぞれ示されている。また、抵抗r4=3
90KΩとした場合の温度対ピエゾ抵抗ブリッジ出力電
圧の変化が菱形印で示された測定点を結ぶ特性線とし
て、抵抗r4=270KΩとした場合の温度対ピエゾ抵
抗ブリッジ出力電圧の変化が三角形印で示された測定点
を結ぶ特性線として、さらに、並列抵抗を接続しない場
合の温度対ピエゾ抵抗ブリッジ出力電圧の変化が正方形
印で示された測定点を結ぶ特性線として、それぞれ示さ
れている。
【0036】図7に示されたように、温度補償用の並列
抵抗を接続する位置及び抵抗値により非直線性の大きさ
や、その方向が変え得ることが解る。本発明は、上述の
ようにいわゆる並列抵抗による温度補償方法単独で、又
はいわゆる測温素子により温度補償単独では、いわゆる
「傾き補正」の要求と、いわゆる「非直線性補正」の要
求とを同時に満足することができないことに鑑みてなさ
れたもので、並列抵抗による温度補償方法と測温素子に
よる温度補償方法を併用するようにしたものである。
【0037】図1には、本発明による温度補償が用いら
れる加速度センサ回路の一例が示されており、以下、同
図を参照しつつその構成、動作について説明する。この
加速度センサ回路は、先に図4に示されたピエゾ抵抗を
用いてなる加速度センサと同一構成を有する加速度セン
サ2と、緩衝増幅回路3と、測温補償回路4と、加算増
幅回路5とに大別されてなるものである。加速度センサ
2の部分は、先に図4に示されたものと同一構成を有し
てなるものであるので、ここでの詳細な説明は省略する
こととする。
【0038】緩衝増幅回路3は、加速度センサ2の出
力、すなわちピエゾ抵抗ブリッジの出力電圧Vbrgを増
幅度1で緩衝増幅し、後述する加算増幅回路5へ入力す
るためのものである。測温補償回路4は、その出力信号
の温度特性が、加速度センサ2の出力信号の温度特性を
相殺するような特性を有するように回路定数が設定され
ているもので(詳細は後述)、温度補償用の測温ピエゾ
抵抗Rdと、この測温ピエゾ抵抗Rdに定電流Ibを供給
する定電流源6と、測温ピエゾ抵抗Rdに生ずる電圧降
下を増幅度(−Gd)で増幅する反転増幅器7とから構
成されてなるものである。
【0039】加算増幅回路5は、緩衝増幅回路3を介し
て得られた加速度センサ2の出力信号と、測温補償回路
4の出力信号とを加算、増幅するものである。この加算
増幅回路5は、演算増幅器8を中心に構成されており、
反転入力端子には、抵抗rを介して緩衝増幅回路3を介
した加速度センサ2の出力信号及び同じく抵抗rを介し
て測温補償回路4の出力信号が印加されるようになって
いる。また、演算増幅器8の非反転入力端子は、抵抗r
を介して接地される一方、非反転入力端子と出力端子と
の間には、フィードバック抵抗として抵抗rが接続され
ており、増幅度1の反転増幅がなされるように構成され
ている。
【0040】かかる構成における温度補償を概括的に説
明すれば、まず、加速度センサ2のピエゾ抵抗ブリッジ
に並列抵抗r3(又はr4)を設け、ピエゾ抵抗ブリッジ
出力電圧Vbrgの温度特性と、測温ピエゾ抵抗における
電圧降下すなわち測温抵抗出力電圧Vdの温度特性を一
致させる。次に、電圧Vdを−Gd倍して補正電圧を得、
この補正電圧を加速度センサ2の出力電圧と加算するこ
とにより、最終出力電圧Voutの温度特性を所望の範囲
にするものである。
【0041】以下、具体的にその温度補償を実現するた
めに必要な抵抗r3及びGdの算出について説明する。図
1において、ある温度Tにおける測温ピエゾ抵抗Rdの
測温抵抗出力電圧Vd(T)が、Vd(T)=(ad2
dT+cd)Ibと表されるとすると、この電圧が、緩
衝増幅回路3の出力電圧と加算され、反転増幅される結
果、温度補償後の出力電圧Vout(T)は、下記する式
11により表されることとなる。
【0042】 Vout(T)=−{−Gd・Vd(T)+Vbrg′(T)}=Gd(ad2+bdT +cd)Ib−(α′T2+β′T+γ′)Ib={(Gd・ad−α′)T2+(Gd・ bd−β′)T−γ′+Gd・cd}Ib ・・・(式11)
【0043】ここで、Gd・ad−α′=0で、かつ、Gd
・bd−β′=0(これら2つの式を式12とする)であ
る場合、すなわち、換言すれば下記する式13a及び式
13bが成立する場合に出力電圧Vout(T)は、温度
に依存しなくなる。
【0044】 β′/α′=bd/ad ・・・(式13a)
【0045】Gd=β′/bd ・・・(式13b)
【0046】そこで、先に示されたα′を求める式9、
β′を求める式10及び上記式13aから、下記する式
14を得ることができる。
【0047】 (a24+a42−a13′−a3′b1)/(a24−a13′)−Σbn/ Σan=bd/ad ・・・(式14)
【0048】一般に、Σbn/Σan≒bd/adが成立す
るので、出力電圧Vout(T)が温度に依存しなくなる
ための補償条件を表す先の式13aは、下記する式15
に書き換えられることとなる。
【0049】 (a24+a42−a13′−a3′b1)/(a24−a13′)=2bd/ ad ・・・(式15)
【0050】上記式15を先に示されたa3′に関する
式6及びb3′に関する式7を用いてr3について整理す
ると下記する式16を得ることができる。
【0051】 A33 3+A23 2+A13+A0=0 ・・・(式16)
【0052】但し、A3,A2,A1,A0は、an,bn
n,ad及びbdで求められる定数である。したがっ
て、式16を満たすr3を求め、式13bにより反転増
幅器7の増幅度Gdを求めることで、式12すなわち、
Gd・ad−α′=0で、かつ、Gd・bd−β′=0が成立
し、いわゆる「傾き補正」及びいわゆる「非直線性補
正」の双方を満足する温度補償がなされることとなる。
さらに、r3》c3であれば、r3は下記する式17によ
り近似的な値を求めることができる。
【0053】 r3=(ad13 2−2a13 2d)/(2a24d−2a13d−a2d4−a4d2+a1d3+a3d1) ・・・(式17)
【0054】図2には、上述のようにして選定されr3
及びGdを用いた場合の図1に示された回路におけるシ
ュミレーション結果の一例が示されており、同図によれ
ば、使用温度領域(−20乃至80℃)において、出力
電圧のドリフトは最大でも精々0.1mv程度であり、
本温度補償方法による温度ドリフト抑圧効果が極めて高
いことが理解できる。
【0055】図3には、実際の回路における試験結果の
一例を示す温度ドリフト特性が示されており、以下、同
図を参照しつつこの試験結果について説明する。試験の
対象となった加速度センサ回路の回路構成は、図1に示
されたものと基本的に同一であるが、回路利得(図1に
おいて演算増幅器8による増幅度に相当)は500倍で
ある。また、加速度センサ2は、いわゆるダイヤフラム
式のものを用いた。
【0056】また、測温素子としてのピエゾ抵抗Rdの
温度に対する抵抗値変化の傾きは常に正である。そのた
め、傾きの調整方向は、一方向にする必要があるが、加
速度センサ2のピエゾ抵抗R2を調整することで、ピエ
ゾ抵抗ブリッジの温度出力特性の傾きを常に正にするこ
とができる。この調整用として、オフセット調整用のピ
エゾ抵抗を、ピエゾ抵抗R2の出力端で、ダイアフラム
の歪みの影響を受けない位置に配置した。
【0057】さらに、測温素子としてのピエゾ抵抗Rd
は、ピエゾ抵抗ブリッジの出力信号の温度変化とできる
だけ同じ温度変化を有するものであることが望ましいこ
とから、加速度センサ2と同一のチップの中で、歪みを
受けない位置に配置した。かかる前提の下、温度補償
は、次のような手順で行った。 ピエゾ抵抗ブリッジ各辺の抵抗値温度特性の測定及び
測温ピエゾ抵抗Rdの抵抗値温度特性の測定。
【0058】T=−20,25,80℃として次述す
る値を、先の式2で表されるモデルでRnの2次回帰係
数の算出。
【0059】並列抵抗r3の値を先の式16又は式1
7を用いて算出。なお、この時、bd/ad>β/αなら
ば並列抵抗としてr3を、bd/ad<β/αならば並列
抵抗としてr4を接続する。ここで、α及びβは、温度
補償用の抵抗r3(又はr4)が接続されな状態における
ピエゾ抵抗ブリッジのある温度Tにおける出力電圧V
brg(T)を、Vbrg(T)=(αT2+βT+γ)Ibと
表した場合の定数であり、ピエゾ抵抗ブリッジの各辺の
ある温度Tにおけるピエゾ抵抗値Rn(T)が、R
3n(T)=an2+bnT+cnと表し得る場合の2次回
帰係数であるan,bn,cnで定められる定数である。
具体的には、αは、先に述べた式9に準じて、α=a2
4−a13/Σanと求められるものである。また、β
は、先に述べた式10に準じて、β={a24+a42
−a13−a31−Σbn・(a24−a13)/Σ
n}/Σanと求められるものである。
【0060】上記で算出したr3(又はr4)と先の
式13bとからGdを算出。
【0061】上記計算値に基づく調整抵抗を実装。
【0062】図3に示された特性線は、上述のようにし
て、23個の加速度センサ回路について温度補償を行っ
た際の温度変化に対する出力電圧の変動を測定した結果
を表すものである。すなわち、同図において、三角形印
で表された点は、試験された23個の加速度センサ回路
の測定値に関する平均値であり、実線はこの平均値を結
んだものである。
【0063】また、同図において、正方形印で表された
点は、その測定温度における温度ドリフトの最大値を、
菱形印で表された点は、その測定温度における温度ドリ
フトの最小の点を、それぞれ示すものである。この試験
結果において、温度ドリフトの最大変化幅の平均は、3
6.1mvで、標準偏差は20.7mvであった。同図
において、温度ドリフトは、平均値でも、数十mvであ
り、先の図6に示されたシュミレーション結果と比較し
て非常に大きいように見えるが、先に述べたようにこの
試験では、回路利得が500倍であることを考慮する
と、実質的には先のシュミレーション結果と略大差のな
い程度の温度ドリフト抑止効果が得られたと言えるもの
である。
【0064】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
ピエゾ抵抗ブリッジの一辺に温度補償用の抵抗を並列接
続すると共に、このブリッジ出力に、測温素子の出力を
所定倍増幅した電圧を加えることで最終的なブリッジ出
力が温度に依存しないようにする温度補償方法における
並列抵抗と増幅度の値を、ピエゾ抵抗値の温度特性を2
次式で近似することを基本に、ブリッジ出力電圧を温度
に関する2次式にモデル化し、ブリッジ出力電圧が温度
に依存しない条件を求めて、この条件下で、並列抵抗と
増幅度の値を具体的に求められるようにしたので、従来
のように試行錯誤の中で回路定数を決定するような必要
がなく、無駄なく実行性のある回路定数を求めることが
でき、そのため、温度による出力変動の極めて小さな実
用性のある加速度センサ回路を得ることができるという
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピエゾ抵抗ブリッジを用いてなる
加速度センサ回路における温度補償方法における回路定
数算出方法が適用される加速度センサ回路の一例を示す
回路図である。
【図2】図1に示された回路において、本発明に係る回
路定数算出方法により算出された回路定数を用いた場合
における温度変化に対する出力電圧の変化をシュミレー
ションした結果を示す特性線図である。
【図3】複数の加速度センサ回路に対して本発明に係る
回路定数算出方法により算出された回路定数を用いて温
度補償を行った際の温度変化に対する出力電圧変化を示
す特性線図である。
【図4】ピエゾ抵抗ブリッジからなる加速度センサの一
回路構成例を示す回路図である。
【図5】図4に示されたピエゾ抵抗ブリッジにおいて温
度変化に対する各辺の抵抗値変化を示す特性線図であ
る。
【図6】図4に示された回路に対していわゆる並列抵抗
による温度補償及びいわゆる測温素子による温度補償
を、それぞれ単独で行った場合の出力電圧の温度変化を
示す特性線図である。
【図7】図4に示された回路に対していわゆる並列抵抗
による温度補償を行った場合の出力電圧の温度変化を並
列抵抗値及びその種類をパラメータとして示した特性線
図である。
【符号の説明】
2…加速度センサ 3…緩衝増幅回路 4…測温補償回路 5…加算増幅回路 7…判定増幅器 8…演算増幅器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピエゾ抵抗ブリッジを用いてなる加速度
    センサの前記ピエゾ抵抗ブリッジの隣接する2つのピエ
    ゾ抵抗の何れか一方に並列に温度補償用の抵抗を接続す
    ると共に、 前記加速度センサを構成するピエゾ抵抗ブリッジの近傍
    に配置され、当該ピエゾ抵抗ブリッジ近傍の雰囲気温度
    を検出する測温素子に前記ピエゾ抵抗ブリッジに供給さ
    れる定電流と同一の大きさの定電流Ibを供給した際の
    当該測温素子の出力電圧を所定の増幅度Gdで増幅し、
    前記加速度センサの出力電圧の極性とは逆極性で、前記
    加速度センサの出力電圧に加えることで、温度変化に対
    する当該出力電圧の変動を抑圧するピエゾ抵抗ブリッジ
    を用いてなる加速度センサ回路における温度補償方法に
    おける温度補償用回路定数算出方法であって、 ピエゾ抵抗ブリッジを構成する各ピエゾ抵抗の温度変化
    に対する抵抗値を実測し、この実測値により、個々のピ
    エゾ抵抗について、Rn(T)=an2+bn+cnを満
    たす(但し、n=1〜4、Tは温度)個々の2次回帰係
    数an,bn,cnを求め、 前記ピエゾ抵抗ブリッジの一辺に並列接続される温度補
    償用の抵抗の値をr3とし、この抵抗が並列接続された
    辺のある温度Tにおける合成抵抗値をR3′(T)と
    し、R3′(T)=r3(a32+b3T+c3)/(a3
    2+b3T+c3+r3)≒a3′T2+b3′T+c3′と
    表され、 a3′={a33 2(c3+r3)+r3 2・b3 2}/(c3
    +r33であり、 b3′=r3 23/(c3+r32である場合に、 (a24+a42−a13′−a3′b1)/(a24
    13′)=2bd/adの関係式を前記a3′,b3′に
    関する式を用いてr3について、 A33 3+A23 2+A13+A0=0と整理し(但し、
    3,A2,A1,A0は、an,bn,cnで求められる定
    数)、この式を満たす値を求め、これを前記温度補償用
    の抵抗の値r3とする一方、 前記測温素子の温度変化に対する出力電圧を実測し、こ
    の実測値により、Vd(T)=(ad2+bdT+cd
    Ibを満たす(但し、Tは温度、Ibは、測温素子に流入
    する定電流)2次回帰係数ad,bd,cdを求め、 前記温度補償用の抵抗が前記ピエゾ抵抗ブリッジに並列
    接続された状態における当該ピエゾ抵抗ブリッジのある
    温度Tにおけるブリッジ出力電圧Vbrg′(T)が、 Vbrg′(T)=(α′T2+β′T+γ′)Ibと表さ
    れ(但し、Ibはピエゾ抵抗ブリッジに流入する定電
    流)、 α′=a24−a13′/Σanであり、 β′={a24+a42−a13′−a3′b1−Σbn
    (a24−a13′)/Σan}/Σanである場合、 前記所定の増幅度Gdを、 Gd=β′/bdとして求めることを特徴とするピエゾ抵
    抗ブリッジを用いてなる加速度センサ回路における温度
    補償用回路定数算出方法。
  2. 【請求項2】 r3》c3である場合には、 近似式r3=(ad13 2−2a13 2d)/(2a2
    4d−2a13d−a2d4−a4d2+a1d3
    +a3d1)で求めた値を、温度補償用の抵抗の値r3
    とすることを特徴とする請求項1記載のピエゾ抵抗ブリ
    ッジを用いてなる加速度センサ回路における温度補償用
    回路定数算出方法。
  3. 【請求項3】 温度補償用の抵抗は、ピエゾ抵抗ブリッ
    ジが、定電流源の正極端子と負極端子との間に、正極端
    子側から抵抗値R1の抵抗及び抵抗値R4の抵抗が順に直
    列接続されると共に、正極端子側から抵抗値R2の抵抗
    及び抵抗値R3の抵抗が順に直列接続された構成であ
    り、 α=a24−a13/Σanと、 β={a24+a42−a13−a31−Σbn・(a2
    4−a13)/Σan}/Σanと、それぞれ求めら
    れ、 bd/ad>β/αが成立する場合に、前記ピエゾ抵抗ブ
    リッジの抵抗値R3を有する抵抗に並列接続されるもの
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のピエゾ抵
    抗ブリッジを用いてなる加速度センサ回路における温度
    補償用回路定数算出方法。
  4. 【請求項4】 温度補償用の抵抗は、ピエゾ抵抗ブリッ
    ジが、定電流源の正極端子と負極端子との間に、正極端
    子側から抵抗値R1の抵抗及び抵抗値R4の抵抗が順に直
    列接続されると共に、正極端子側から抵抗値R2の抵抗
    及び抵抗値R3の抵抗が順に直列接続された構成であ
    り、 α=a24−a13/Σanと、 β={a24+a42−a13−a31−Σbn・(a2
    4−a13)/Σan}/Σanと、それぞれ求めら
    れ、 bd/ad<β/αが成立する場合には、 前記ピエゾ抵抗ブリッジの抵抗値R4を有する抵抗に並
    列接続されるものであり、 その際の合成抵抗値をR4′(T)として、r3を求める
    と同様にして求められた抵抗値r4を有するものである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のピエゾ抵抗ブリ
    ッジを用いてなる加速度センサ回路における温度補償用
    回路定数算出方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010117593A3 (en) * 2009-03-30 2011-01-13 Pcb Piezotronics, Inc. Bridge sensor with collocated electronics and two-wire interface
CN102539062A (zh) * 2011-12-29 2012-07-04 中国燃气涡轮研究院 一种传感器温度漂移补偿方法及压力传感器盒

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