JPH1090609A - 手術用顕微鏡 - Google Patents

手術用顕微鏡

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JPH1090609A
JPH1090609A JP9199900A JP19990097A JPH1090609A JP H1090609 A JPH1090609 A JP H1090609A JP 9199900 A JP9199900 A JP 9199900A JP 19990097 A JP19990097 A JP 19990097A JP H1090609 A JPH1090609 A JP H1090609A
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岳治 樋口
Junichi Nozawa
純一 野沢
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孝 深谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、手術用顕微鏡に設けられた電動機構
の入力操作を手足を用いずに、顔の自然な動きにより、
誤操作なく、容易かつ楽に行うことができる手術用顕微
鏡を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、鏡体と、双眼観察鏡筒と、電動
機構と、前記電動機構の操作入力を行う入力装置とを有
する手術用顕微鏡において、前記入力装置13は、1点
を支点に傾斜移動する操作軸16を備え、その操作軸1
6の操作点Gは、前記双眼観察鏡筒10の左右のアイポ
イントF、F´から略等距離で、術者の額に対向する位
置に配置され、かつ前記操作点Gと前記支点Hとを結ぶ
直線Iを前記双眼観察鏡筒10の接眼部11,12から
術者の眼に至る光軸E、E´と略平行に設定し、顔の自
然な動きにより入力操作を行うようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視野移動や変倍ま
たは焦準あるいは画像切換え等の操作を行う電動機構
と、この電動機構への入力を行う操作入力装置を備えた
手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、脳神経外科等において、微細かつ
複雑な手術を行う際に、術部を拡大観察しながら処置を
行う手術用顕微鏡が広く用いられている。この手術用顕
微鏡で術部を観察しながら手術を行う際、術者はその双
眼観察鏡筒の接眼部を覗きながら、例えば一方の手に超
音波吸引器を持ち、他方の手でピンセットといった外科
器具を取り扱うことが多い。一方、視野を変えるために
鏡体を移動させる鏡体移動機構への入力操作を行う必要
がある。この入力操作は術者が術部での作業から手を離
さずに行えることが望ましい。よって、手術用顕微鏡の
入力操作には主にフットスイッチが使用されてきた。
【0003】しかしながら、近年、手術の手技が高度化
していくにつれて、手術用顕微鏡の機能も多機能・複雑
化してきており、フットスイッチに具備すべきスイッチ
の数も増えてきた。これに伴い、誤操作防止の目的から
フットスイッチに設けられたスイッチの位置を眼で確認
するために、術者は手術を中断しなければならず、作業
効率の低下を招いている。
【0004】そこで、手や足を使わずに入力操作を行う
ものとして特開平7−168100号公報に開示の眼科
手術用顕微鏡が提案されている。この特開平7−168
100号公報に開示された眼科手術用顕微鏡の概略的な
構成を図27に示す。双眼観察鏡筒180の左側の接眼
部181aにおいて、術者の眼と対向する位置の上下左
右部位には各1つずつ操作スイッチ182a、183
a,184a,185aが配置され、右側の接眼部18
1bにおいても、同様に操作スイッチ182b,183
b,184b,185bがそれぞれ配置されている。
【0005】図28(a)は、術者の観察状態を示す
が、このとき、例えば、左の接眼部181aの上下のス
イッチ182a,183aを操作入力する場合には、術
者の顔156の眼の上部である操作点λ、下部である操
作点μをそれぞれ選択してこれを個別的にその操作スイ
ッチ182a,183aに押し当てることにより操作入
力が行われる。操作点λと操作点μとを結ぶ線分と、操
作スイッチ182aと操作スイッチ183aとを結ぶ線
分は略平行となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、術中におい
ては手術用顕微鏡の鏡体を左右上下に移動させることが
頻繁に行われる。このため、術者は鏡体とともに移動し
た双眼観察鏡筒150の傾斜角を観察しやすい傾斜角に
変更し直すが、常に双眼観察鏡筒180に対する顔18
6の角度を一定にするのは困難であり、少なからず双眼
観察鏡筒150に対する顔186の角度は変わってしま
う。この状態の例を図28(b)に示す。図28(b)
では操作スイッチ182aと操作スイッチ183aとを
結ぶ線分と、操作点λと操作点μとを結ぶ線分とは角度
θをなしている。
【0007】このような状況で、操作スイッチ182a
を操作するために顔186の操作点λを前方に押し出そ
うと顔186を前に出すと、操作点μも一緒に前方に出
て、操作点λが操作スイッチ182aを押す前に操作点
μにより操作スイッチ183aが押され、誤操作してし
まう。これを避けるためには顎を手前に引きながら操作
点λを前方に押し出す必要がある。この術者の動作は首
のある一点を支点として顔を動かす動作、つまり、見上
げる、頷く、首を左右に振るといった顔の自然な動作と
は異なるため、顔に非常に不自然な動作であり、術者に
とって非常に操作しずらく疲れを招くものであった。
【0008】次に、左右方向の各操作スイッチ184
a,185a,184b,185bを操作入力する場合
は図29に示すように、術者の顔186の左目の左側で
ある操作点ν、右側である操作点π、右目の左側である
操作点ρ、右側である操作点τを、それぞれ対応した操
作スイッチ184a,185a,184b,185bに
押し当てることにより各別の操作入力が行われる。
【0009】この場合、操作スイッチ185aを操作し
ようと、操作点πを前方に押し出すために顔186を傾
斜させるか、前方に押し出すかをすると、操作点ν、操
作点ρの一方もしくは両方とも前方に押し出されるため
に操作スイッチ184aと、操作スイッチ184bが誤
操作されてしまう。操作スイッチ184bを操作する場
合にも同様に操作スイッチ185aと操作スイッチ18
5bが誤操作してしまう。したがって、接眼部のうちで
術者の眼と対向する部位に、操作スイッチを設けた場合
は操作入力を行うことは非常に困難である。また、一般
に、眼の周囲に微妙な動作をさせるのは難しく、複数の
操作スイッチを押し分ける動作を行うのは非常に難し
く、また、かなりの疲れを招くという欠点があった。
【0010】本発明は前述した従来の技術での各問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、手術用顕微鏡に設けられた電動機構の入力操作を手
足を用いずに、顔の自然な動きにより、誤操作なく、容
易かつ楽に行うことができる手術用顕微鏡を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、鏡体
と、双眼観察鏡筒と、電動機構と、前記電動機構の操作
入力を行う入力装置とを有する手術用顕微鏡において、
前記入力装置は、1点を支点に傾斜移動する操作体を備
え、その操作体の操作点は、前記双眼観察鏡筒の左右の
アイポイントから略等距離で、術者の額に対向する位置
に配置され、かつ前記操作点と前記支点とを結ぶ直線を
前記双眼観察鏡筒の接眼部から術者の眼に至る光軸と略
平行に設定し、顔の自然な動きにより入力操作を行うよ
うにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1から図8を参照して、本発明の第
1実施形態を説明する。 (構成)図1において、1は患部を拡大観察するための
手術用顕微鏡の鏡体であり、2はその鏡体1を支持する
架台である。手術用顕微鏡はこの鏡体1と架台2とで構
成される。
【0013】次に、前記架台2の構成について説明す
る。架台2は、床に載置されるべ一ス3と、このベース
3に立設された支柱4と、この支柱4に、垂直な軸Aを
中心に回転自在に支持された第1アーム5と、この第1
アーム5の回動先端に、垂直な軸Bを中心に回転自在に
支持された接続ブロック6と、この接続ブロック6に、
水平な軸Cを中心に回転自在に支持された平行リンク機
構からなる第2アーム7と、この第2アーム7の回動先
端に、垂直な軸Dを中心に回転自在に支持された姿勢可
変アーム8とを備える。前記鏡体1は、その姿勢可変ア
ーム8に保持される。また、前記支柱4の内部には、後
述する変倍モータ35や焦準モータ37を制御するため
の制御回路9が設置されている。
【0014】図2において示す符号10は、前記鏡体1
に取り付けられた双眼観察鏡筒であり、この双眼観察鏡
筒10は前記鏡体1に対して光学的に接続された状態で
取り付けられている。双眼観察鏡筒10には、接眼部1
1、12が取り付けられている。この接眼部11、12
は、双眼観察鏡筒10に対して光学的に接続されてい
る。ここで、接眼部11、12から術者の眼に至る左右
の光軸をそれぞれ接眼光軸E、E´とし、該接眼光軸
E、E´上のアイポイントをそれぞれF、F´とする。
ここで、前記双眼観察鏡筒10は観察瞳径dを有し、ま
た図2で示すX+、X−、Y+、Y一方向をそれぞれ右
方向、左方向、上方向、下方向と定義する。
【0015】前記双眼観察鏡筒10の上面部には入力装
置13が設置されている。次に、入力装置13の構成に
ついて説明する。図3は図2でのII矢視方向から見た入
力装置13の断面図である。入力装置13はハウジング
14を備え、このハウジング14は図3で示すように双
眼観察鏡筒10の背面と上面の両者にわたり接触するよ
うに直角に屈曲したかぎ形に形成されている。そして、
双眼観察鏡筒10の上面に位置するハウジング14の前
面部分の前面壁には孔15が開けられている。この孔1
5には後述する操作体が貫通している。
【0016】ここでの操作体は棒状の操作軸16からな
り、この操作軸16はその中間部16aに対して後端部
16bが下側に向けて直角に屈曲し、その中間部16a
に対して前端部16cは斜め前方下側へ向けて屈曲して
いる。さらに前端部16cの最先端部分には中間部16
aに平行で前方へ突き出す先端部16dを形成してい
る。
【0017】操作軸16の後端部16bの内方端部は球
状とした球部17を形成している。また、ハウジング1
4内には球部17を軸支して前記操作軸16を上下左右
方向に傾斜可能なように支持するために球面運動を許容
する軸受としての支持部材18が設けられている。これ
により操作軸16はハウジング14に定位置で軸支され
る。
【0018】このように支持された操作軸16の他端側
部分はハウジング14の孔15から突き出している。こ
の場合、前記孔15は前記操作軸16を当てその操作軸
16の上下左右方向への最大の傾斜量を規制する大きさ
に開けられている。
【0019】前記操作軸16の突出し端である先端部1
6dには例えばゴム等の弾性部材またはウレタン等の柔
らかく滑り難い材質で略半球状の部材によって作られた
操作部19が固定的に取着されている。ここで、その操
作部19による操作点をGと定義する。この操作点G
は、前記接眼部11、12のそれぞれのアイポイント
F、F´から等距離で、かつ術者の額に対向する位置に
配置されている。さらに、操作軸16が上下左右に傾斜
する際の中心となる支点は前記球部17の中心であり、
この支点をHと定義する。また、前記操作点Gと該支点
Hとを結ぶ線分Iが、前記接眼光軸E、E´に略平行と
なる配置で、前記操作軸16の球部17は前記ハウジン
グ14内で前記支持部材18に支持されている。
【0020】前記操作部19の部分にはその操作部19
の部材と前記操作軸16の先端の間に挟み込まれて感圧
スイッチ20が設けられている。感圧スイッチ20は前
記操作点Gに接眼光軸E、E´方向にある一定の力Kが
加わったときに出力し、その信号を前記制御回路9に入
力するようになっている。前記制御回路9は該入力信号
と後述するマイクロスイッチ23、24、25もしくは
26からの入力信号が同時に入力された場合に限って、
後述する変倍モータ35や焦準モータ37に電源の出力
を供給すべく構成されている。
【0021】一方、図3、及び図3におけるIII −III
線に沿う部分の断面図である図4で示すように、ハウジ
ング14内において操作軸16の中間部16aにはバネ
座21が固着されている。このバネ座21は操作軸16
がハウジング14内から突き出す孔15の近くに位置し
て設置されている。そして、このバネ座21とハウジン
グ14の対向内面との間には上下左右それぞれの位置に
配置されたバネ22a、22b、22c、22dが介装
されている。各バネ22a、22b、22c、22dは
上下左右の向きからそれぞれ操作軸16を弾性的に支え
てその操作軸16の操作点Gを中立状態に保持するため
の中立状態復帰機構を構成するものである。各バネ22
a、22b、22c、22dはその一端を前記バネ座2
1の上下左右の位置に装着され、各バネ22a、22
b、22c、22dの他端は前記ハウジング14の内面
の上下左右の部分に設置されている。
【0022】図3、及び図3におけるIV−IV線に沿
う部分の断面図である図5で示すように、バネ式の中立
状態復帰機構よりも回動基端側に位置して操作軸16の
中間部16aの上下左右側位置にはマイクロスイッチ2
3、24、25、26が配置され、各マイクロスイッチ
23、24、25、26は前記ハウジング14に固定的
に設置されている。そして、マイクロスイッチ23、2
4、25、26の作動子は操作軸16に対向して配置さ
れており、操作軸16が中立の状態にあるときにはその
作動子が離れてスイッチ操作がなされない状態にある。
前記操作軸16が傾斜したとき、その傾斜側に設置され
ているマイクロスイッチ23、24、25、26の作動
子がその操作軸16によって押されて作動させられるよ
うになっている。また、各マイクロスイッチ23、2
4、25、26はそれぞれ前記制御回路9と電気的に接
続されている。
【0023】つまり、前記操作点Gが上側に傾斜したと
きには前記マイクロスイッチ23が操作され、前記操作
点Gが下側に傾斜したときには前記マイクロスイッチ2
4が操作され、前記操作点Gが左側に傾斜したときには
前記マイクロスイッチ25が操作され、前記操作点Gが
右側に傾斜したときには前記マイクロスイッチ26が操
作される。
【0024】また、前記操作点Gを上下左右に傾斜させ
た場合、術者の瞳が観察瞳径dから外れる前に、前記各
マイクロスイッチ23、24、25、26がそれぞれ対
応したものが選択されて操作される関係で、前記マイク
ロスイッチ23、24、25、26は設置されている。
【0025】図6は前記鏡体1と前記双眼観察鏡筒10
の内部構造を示すものである。同図中、27は鏡体1の
前部に配置された対物レンズであり、28は同図中右側
面から見て左右一対に配置された変倍光学部である。各
変倍光学部28はそれぞれ移動レンズ群28aと固定レ
ンズ群28bとからなる。また双眼観察鏡筒10の内部
には結像レンズ29と偏向光学部材30と接眼レンズ3
1が設けられている。ここで前記結像レンズ29、前記
偏向光学部材30および前記接眼レンズ31は前記双眼
観察鏡筒10の変倍光学部28と同様、左右一対に配置
されている。
【0026】また、前記変倍光学部28を構成する左右
の移動レンズ群28aは、レンズ枠32に一体的に保持
されており、該レンズ枠32の外周にはラック33が設
けられている。前記ラック33にはピニオンギア34が
噛合している。該ピニオンギア34の回転軸は前記制御
回路9に電気的に接続されている変倍モータ35の出力
軸に連結されている。そして、該変倍モータ35と、ピ
ニオンギア34と、ラック33とによって、前記変倍光
学部28を駆動する変倍電動機構が構成されている。
【0027】一方、図6で示すように、前記鏡体1は前
記姿勢可変アーム8に接続された接続アーム36に対し
て相対的に上方向もしくは下方向に摺動可能なように保
持されている。鏡体1には焦準モータ37が固定的に設
けられ、この焦準モータ37は前記制御回路9と電気的
に接続されており、その制御回路9によって駆動制御さ
れるようになっている。焦準モータ37の出力軸にはピ
ニオンギア38が固設されており、ピニオンギア38は
前記接続アーム36に固設されたラック39に噛合し、
その回転により接続アーム36に対して鏡体1を昇降さ
せる焦準電動機構を構成している。つまり、前記焦準モ
ータ37と前記ピニオンギア38と前記ラック39とか
ら焦準電動機構が構成される。
【0028】(作用)まず、手術用顕微鏡を使用する場
合、術者は、架台2の第1アーム5、第2アーム7、姿
勢可変アーム8を各回転軸A、B、C、Dで回転させ、
鏡体1を、術部J(図6を参照)を観察することができ
る所望の位置へセットする。
【0029】術部Jから発せられた光線は、対物レンズ
27、変倍光学部28、結像レンズ29、偏向光学部材
30を通り、接眼レンズ31へ導かれ、術者はアイポイ
ントF、F´に瞳を合致させることで、術部Jの拡大観
察像が得られる。
【0030】次に、術者が倍率の変更を行う場合につい
て述べる。操作部19の操作点Gに額を、ある一定以上
の力Kで接眼光軸E、E´方向に押し当てながら額を動
かすと、感圧スイッチ20が入力され、前記制御回路9
に入力信号を出力する。つまり、この状態で、例えば額
を左もしくは右に動かすと、操作軸16が支点Hを中心
に左側もしくは右側に傾斜し、その操作軸16により、
マイクロスイッチ25もしくはマイクロスイッチ26の
作動子が押されて、該マイクロスイッチ25もしくはマ
イクロスイッチ26が操作されて、操作入力がなされ、
前記制御回路9にその入力信号を出力する。この信号と
前記感圧スイッチ20からの信号により、制御回路9は
変倍モータ35に電源から駆動電力の供給を行って、該
変倍モータ35はそれに応じた左方向もしくは右方向に
回転する。
【0031】このように変倍モータ35が左回転もしく
は右回転することにより、変倍モータ35と一体化され
たピニオンギア34が左回転もしくは右回転し、これに
噛合しているラック33と、ラック33と一体化された
変倍光学部28が上側もしくは下側へ移動する。これに
より観察像の変倍が行われる。変倍操作を止めたいとき
は、操作点Gから額を離すと、感圧スイッチがOFFさ
れ、変倍モータ35の回転が止まり、変倍光学部28の
移動は停止する。また、バネ22a、22b、22c、
22dにより、操作軸16は中立状態に自動的に復帰
し、このことにより、マイクロスイッチ25、26もO
FFされる。
【0032】次に、術者が焦点位置の変更を行う場合に
ついて述べる。操作部19の操作点Gに額を、ある一定
以上の力Kで接眼光軸E、E´方向に押し当てると、感
圧スイッチ20が入力され、前記制御回路9にその入力
信号を出力する。この状態で、額を上側もしくは下側に
動かすと、操作軸16が支点Hを中心に上側もしくは下
側に傾斜し、その操作軸16により、マイクロスイッチ
23もしくはマイクロスイッチ24の作動子が押され
て、該マイクロスイッチ23もしくはマイクロスイッチ
24が操作され、操作入力がなされて前記制御回路9に
入力信号を出力する。この信号と前記感圧スイッチ20
からの信号により、制御回路9から焦準モータ37に電
源から駆動電力の供給がなされ、該焦点モータ37は左
方向もしくは右方向に回転する。焦点モータ37が左回
転もしくは右回転することにより、焦点モータ37と一
体化されたピニオンギア38が左回転もしくは右回転
し、これに噛合しているラック39により、鏡体1は接
続アーム36に対して相対的に上方向もしくは下方向に
移動する。これにより、観察像の焦点位置の変更が行わ
れる。焦点位置の変更操作を止めたいときは、操作点G
から額を離すと、感圧スイッチ20がOFFされ、焦点
モータ37の回転が止まり、鏡体1の移動は停止する。
また、バネ22a、22b、22c、22dにより、操
作軸16が中立状態に自動的に復帰することにより、マ
イクロスイッチ23もしくはマイクロスイッチ24もO
FFされる。
【0033】ここで、操作点Gを上下または左右に傾斜
させた場合において、術者の瞳が観察瞳径dから外れる
前に、各マイクロスイッチ23、24、25、26が操
作されるように構成されているので、術者は観察状態を
保ったまま上述の操作入力を行うことができる。
【0034】ここで、図7を参照して、上述の入力操作
についてのより具体的な作用を説明する。まず、操作点
Gを上下方向に操作する場合について説明する。図7は
術者の観察状態を示しており、40は術者の顔である。
操作点Gは上下に操作されたときに支点Hを中心とした
円弧Lを描く。また、操作点Gは、術者の額の操作点M
を押し当てて操作されるが、術者が見上げる、頷くとい
う顔の自然な動作を行った場合、操作点Mは円弧Nを描
く。従って、入力装置13の操作点Gの移動軌跡である
円弧Lと、額の操作点Mの移動軌跡である円弧Nは、操
作点G、M上で常に接した状態を保つので、操作点Mの
動きのみに操作点Gが追従する。
【0035】次に、図8を参照して、操作点Gを左右方
向に操作する場合を具体的に説明する。図8は術者の観
察状態を示す。操作点Gは左右に操作されたときに支点
Hを中心とした円弧Oを描く。また、術者が顔を左右に
振るという自然な動作を行った場合、操作点Mは円弧P
を描く。従って、入力装置13の操作点Gの移動軌跡で
ある円弧Oと、額の操作点Mの移動軌跡である円弧P
は、操作点G、M上で常に接した状態を保つので、操作
点Mの動きのみに操作点Gが追従する。
【0036】(効果)上述の如く、操作点Gを観察光軸
方向にある一定の力で押さないと、操作入力が行われな
い。このため、誤操作がなく、また、電動機構の操作入
力を行っても観察視野がケラレないため、観察を行いな
がら、確実な電動機構の操作入力が行える。このため、
術者は手術を中断することなく集中できるために、作業
の効率が上がる。また、本実施形態では、鏡体部の焦点
機構を内焦点式の照準機構としても同様の効果が得られ
る。
【0037】さらに、本実施形態では、操作入力装置に
マイクロスイッチを用いたが、感圧センサ等、操作軸が
上下または左右方向に傾斜したことを検出するものであ
れば、いかなるセンサ、スイッチであっても、同様の効
果が得られる。
【0038】[第2実施形態]図9ないし図14を参照
して、本発明の第2実施形態を説明する。 (構成)この実施形態に係る手術用顕微鏡では、双眼観
察鏡筒と、入力装置と、この入力装置により操作入力さ
れる電動機構の部分が前述した第1実施形態のものと異
なり、その他の構成は第1実施形態と同じなので、同様
の箇所に同じ番号を付してその具体的な構成の説明を省
略する。
【0039】図9において示す架台2の支柱4の内部に
は後述するXモータ69およびYモータ72を制御する
ための制御回路49が設けられている。また、鏡体1は
第2アーム7に対し、後述する視野移動装置76と姿勢
可変アーム8を介して保持され、軸Dを中心に回転自在
に支持されている。
【0040】図10は双眼観察鏡筒50を示す。この双
眼観察鏡筒50は特願平7−114872号に開示され
ているような透過型光拡散デバイスを設け、その光拡散
デバイスにより観察瞳を拡大するようにしたものであ
り、この双眼観察鏡筒50は拡大した観察瞳径d´を有
する。ここで、図10で示すX+、X−、Y+、Y一の
方向を、それぞれ右方向、左方向、上方向、下方向と定
義する。
【0041】次に、図11を参照して、前記入力装置5
1の構成を説明する。この図11は図10におけるVI矢
視から見た断面図である。入力装置51は双眼観察鏡筒
50上に設けられている。すなわち、入力装置51のハ
ウジング52は双眼観察鏡筒50の背面と上面にわたり
接触するように直角に屈曲したかぎ形に形成されてい
る。双眼観察鏡筒50の上面に位置する前面部分の前面
壁には、操作軸座54を挿通させる孔53が開けられて
いる。
【0042】操作軸座54は孔53を貫通する自由端部
53aとこれに直角な基端部53bからなり、基端部5
3bの後端は弾性部材である板バネ55を介して前記ハ
ウジング52の支持部53cに支持されている。このた
めに、操作軸座54はいわば球面運動を許容する板バネ
55によって上下左右方向に傾斜可能なように支持され
ている。前記孔53は前記操作軸座54の上下左右方向
の最大傾斜量を規制する大きさに開けられている。
【0043】前記操作軸座54の自由端部53aには接
続用孔56が形成され、この孔56には操作軸57の一
端部分が挿入されている。そして、操作軸57は、操作
軸座54に螺挿された固定ツマミ60の先端により、そ
の操作軸座54に締結固定されている。操作軸57の挿
入端部の周部には固定ツマミ60の先端部を嵌め込むた
めの長溝59が設けられている。また、固定ツマミ60
はその雄ネジ部を操作軸座54に設けられた雌ネジ部に
ネジ込んでネジ係合されており、前記固定ツマミ60の
先端は通常、前記長溝59内に入り込んでいる。そこ
で、固定ツマミ60を緩めれば、固定ツマミ60の先端
部と長溝59の嵌合によるガイド機能によって操作軸5
7は術者側に進退自在であり、長溝59の範囲内で操作
軸57は伸縮可能である。
【0044】前記操作軸57の他端側部分は斜め前方下
側に屈曲しており、その先端部分は前方へ屈曲して突き
出す先端部57aを形成している。そして、先端部57
aの先端には例えばゴムやウレタン等の柔らかく滑り難
い材質で作られた操作部58が固設されており、その操
作部58による操作点をRと定義する。
【0045】ここで、操作点Rは、前記接眼部11、1
2の、それぞれのアイポイントF、F´から等距離であ
り、かつ術者の額に対向する位置に配置されている。さ
らに、操作軸57の上下左右の傾斜の中心となる支点S
は、図11で示す前記板バネ55の厚さ方向の中心軸T
と、図11のVII 矢視から見た一部断面の図12で示す
前記板バネ55の幅方向の中心軸Uと、前記板バネ55
と前記ハウジング52の支持部53cとの接続部分との
交点であり、操作軸57の傾斜中心として定義される。
【0046】また、操作軸57は、操作点Rと支点Sと
を結んだ線分Vが、前記接眼光軸E、E´に略平行とな
るように前記板バネ55を利用して前記ハウジング52
内に支持されるものである。また、前記板バネ55はそ
れ自身の弾性復元力により、図10および図11で示さ
れる中立状態に前記操作軸座54および操作軸57を保
持している。
【0047】また、操作軸座54の接続用孔56に挿入
装着された操作軸57は進退して操作軸座54から伸縮
自在であるが、その伸縮方向は前記中立状態において操
作点Rと支点Sとを結んだ線分Vに平行である。
【0048】図13は図11におけるVIII−VIII線に沿
う部分の断面図である。図11および図13で示すされ
るように、前記ハウジング52内において、前記操作軸
座54の途中部分の上下左右の各部位にそれぞれ対向し
て、マイクロスイッチ61、62、63、64が配置さ
れており、また、これらのマイクロスイッチ61、6
2、63、64はハウジング52に固定的に設置されて
いる。さらに、各マイクロスイッチ61、62、63、
64は前記制御回路49と電気的に接続されている。そ
して、前記マイクロスイッチ61、62、63、64は
その設置側へ操作軸座54が傾動したとき、その操作軸
座54の周面で前記マイクロスイッチ61、62、6
3、64の作動子を押し、そのマイクロスイッチ61、
62、63、64を操作するようになっている。例え
ば、前記操作点Rが上側に傾斜したときには上側のマイ
クロスイッチ61が操作され、前記操作点Rが下側に傾
斜したときには下側のマイクロスイッチ62が操作さ
れ、前記操作点Rが左側に傾斜したときには左側のマイ
クロスイッチ63が操作され、前記操作点Rが右側に傾
斜したときには右側の前記マイクロスイッチ64が操作
されるようになっている。
【0049】ここで、前記マイクロスイッチ61、6
2、63、64は、前記操作点Rを上下左右に傾斜させ
た場合、術者の瞳が観察瞳径d´から外れる前に操作さ
れるように配置されている。
【0050】図14は前記第2アーム7の先端に鏡体1
をX、Y方向に移動自在に保持するための視野移動装置
(電動機構)76を示すものである。ここで、図14に
示すように、術者に対向する方向をX方向、術者の左右
方向をY方向と定義する。
【0051】前記視野移動装置76は次のように構成さ
れている。視野移動装置76は架台2の第2アーム7の
先端に接続軸65を介して吊持的に保持されている。つ
まり、視野移動装置76のベース66は接続軸65の先
端に固着して保持されており、このベース66の下面側
にはX移動部材67とY移動部材68が順次積層する状
態で組み付けられている。ベース66の下面部にはX方
向に沿うアリ溝状の凹部66aが形成され、X移動部材
67の上面部にはベース66の凹部66aに嵌合する凸
部67aが形成されている。そして、凹部66aと凸部
67aとがX方向に摺動可能に結合されることにより、
前記X移動部材67は前記ベース66にX方向へスライ
ド可能に支持されている。
【0052】また、X移動部材67の下面部にはY方向
に沿うアリ溝状の凹部67bが形成され、またY移動部
材68の上面部には前記X移動部材67の凹部67bに
嵌合する凸部68aが形成されている。そして、この凹
部67bと凸部68aとがY方向に摺動可能に結合され
ることにより、前記Y移動部材68は前記X移動部材6
7にY方向へスライド可能に支持されている。
【0053】前記ベース66にはXモータ69が固設さ
れ、このXモータ69は前記制御回路49に電気的に接
続されている。前記Xモータ69の出力軸にはピニオン
ギア70が同軸的に固設されている。また、前記X移動
部材67には前記ピニオンギア70と噛合するラック7
1が固設されている。Xモータ69を駆動し、ピニオン
ギア70を回転させれば、これに噛合するラック71が
X方向へ移動し、これと一体のX移動部材67をX方向
に移動させるようになっている。
【0054】また、前記X移動部材67にはYモータ7
2が固設され、このYモータ72は前記制御回路49に
電気的に接続されている。前記Yモータ72の出力軸に
はピニオンギア73が同軸的に固設されている。また、
前記Y移動部材68には前記ピニオンギア73と噛合す
るラック74が固設されている。そこで、Yモータ72
を駆動し、ピニオンギア73を回転させれば、これに噛
合するラック74がY方向へ移動し、これと一体のY移
動部材68をY方向に移動させるようになっている。
【0055】前記Y移動部材68には接続軸75が固設
され、この接続軸75には前記鏡体1を支持する前記姿
勢可変アーム8が接続されている。
【0056】(作用)まず、術者が、操作点Rの位置を
調整する場合は、固定ツマミ60を上から見て反時計回
りに軽く回転させると、その固定ツマミ60は上方に移
動し、操作軸57の締結を緩める。この状態で術者は操
作軸57を術者側に向かって伸縮させることで、操作点
Rの位置を長溝59の範囲内で調整する。この調整後に
固定ツマミ60を上から見て時計回りに回転させて締め
付けると、固定ツマミ60の先端が操作軸57を、操作
軸座54の孔56の下面へ押圧する。これにより操作軸
57は操作軸座54と一体化し、操作点Rの位置調整が
完了する。
【0057】そこで、術者が観察視野を変更する場合に
は、操作点Rに額を押し当てて額を上側もしくは下側方
向に動かす。すると、板バネ55が弾性変形して、操作
軸座54が支点Sを中心に上側もしくは下側に向かって
傾斜する。また、操作軸座54の傾動によりその傾斜側
に位置するマイクロスイッチ61もしくはマイクロスイ
ッチ62の作動子が押されて、そのマイクロスイッチ6
1もしくはマイクロスイッチ62が操作され、入力がな
される。
【0058】この信号は制御回路49に入力され、制御
回路49は電源からXモータ69に駆動電力を供給し、
前記Xモータ69を操作方向に対応した左方向もしくは
右方向に回転させる。Xモータ69が左方向もしくは右
方向に回転することにより、Xモータ69の回転軸と一
体化されたピニオンギア70が左回りもしくは右回りに
回転し、これに噛合しているラック71を移動し、この
ラック71と一体化されたX移動部材67はX方向に沿
って移動する。これにより、前記鏡体1は術者に対向す
る方向に移動させられ、観察視野は上側もしくは下側に
移動する。
【0059】一方、操作点Rに額を押し当てて、額を左
側もしくは右側方向に動かすと、上述のX方向と同様
に、板バネ55が弾性変形し、操作軸座54が支点Sを
中心に左側もしくは右側に傾斜し、操作軸座54により
それに対応したマイクロスイッチ63もしくはマイクロ
スイッチ64の作動子が押されて、前記マイクロスイッ
チ63もしくはマイクロスイッチ64が操作入力させら
れる。この入力信号により、制御回路49はYモータ7
2に電源から駆動電力が供給され、前記Yモータ72を
操作方向に対応した左方向もしくは右方向に回転させ
る。すると、Yモータ72の回転軸と一体化されたピニ
オンギア73が右もしくは左回転し、これに噛合してい
るラック74と、このラック74と一体化されたY移動
部材68がY方向に沿って移動する。これにより、前記
鏡体1は術者の左右方向に移動され、観察視野は左側も
しくは右側に移動する。
【0060】ここで、操作点Rを上下左右に動かし、操
作軸座54を傾斜させる場合において、術者の瞳が観察
瞳径d´から外れる前に、各マイクロスイッチ61、6
2、63、64は操作されるように構成されているの
で、術者は観察状態を保ったまま上述の操作入力を行う
ことができる。
【0061】観察視野の移動を止めたいときは、操作点
Rから額を離すと、弾性変形していた板バネ55が元の
形状に復帰する付勢力によって、操作軸座54および操
作軸57が図10および図11で示される中立状態に戻
る。これにより、マイクロスイッチ61、62、63も
しくは64がOFFされ、Xモータ69及びYモータ7
2の回転が止まり、鏡体1の移動が止まる。
【0062】ところで、術前に操作軸57の消毒が必要
な場合においては、固定ツマミ60の先端が長溝59か
ら脱するまで、固定ツマミ60を上から見て反時計回り
に回転させる。この状態で、操作軸57を操作軸座54
から抜き取り、操作軸57を消毒する。
【0063】また、入力装置51による操作入力を必要
としない場合にも、その操作軸57を抜き取って使用す
ることができる。また、接続用孔56を深く形成してそ
の操作軸57を押し込んで退避させるようにしてもよ
い。このようにすれば、操作軸57が邪魔にならず、使
い勝手がよくなる。
【0064】(効果)この実施形態のものにあっては操
作軸57の操作点Rの位置を術者の好みの位置に調整す
ることができるので、入力装置51の操作性がより向上
し、術者は、より手術に集中でき、効率が上がる。
【0065】また、操作点Rの傾斜方向と視野の移動方
向が同一方向であるため、違和感なく操作入力が行え、
誤操作を防止できる。このため、より手術の効率が上が
る。
【0066】さらに、双眼観察鏡筒50には、透過型光
拡散デバイスを設けて観察瞳を拡大させているので、入
力装置51の操作点Rに額を押し当て、上下左右に操作
入力を行った場合に観察像がケラレない範囲で、入力装
置51の操作点Rの傾斜量をある程度大きくできる。こ
れにより、入力操作が微妙になりすぎることなく、より
使い勝手のよい手術用顕微鏡が提供できる。
【0067】また、術者の額を押し当て、操作入力を行
う操作点Rの支点が弾性部材からなっており、複雑な機
構を必要とせず、さらには前記弾性部材に操作点Rの中
立状態を保持させることにより、小型かつ軽量、安価な
入力装置を有する手術用顕微鏡が提供できる。
【0068】さらに、操作軸57を消毒する場合や入力
装置による入力操作が不要なときには、操作軸57をハ
ウジング52(入力装置本体)から容易に取り外すこと
が可能なのである。
【0069】なお、この実施形態においては、弾性部材
に板バネを用いたが、コイルバネ、ピアノ線等他の弾性
部材であっても同様の効果が得られる。
【0070】[第3実施形態]図15ないし図19を参
照して、本発明の第3実施形態を説明する。 (構成)この実施形態は入力装置の操作入力において、
観察画像の切り換え(電動機構)を行うものである。こ
の実施形態において前述した第1実施形態及び第2実施
形態と同様の箇所には同じ番号を付してその具体的な説
明を省略する。
【0071】図15において、架台2の第2アーム7の
先端には、姿勢可変アーム8を介して鏡体99が支持さ
れている。図16は第3実施形態においての入力装置1
00を示すものである。この入力装置100は双眼観察
鏡筒10の接眼部11、12の間の空間に位置して設置
されている。ここで、図16のX+、X−、Y+、Y一
方向をそれぞれ右方向、左方向、上方向、下方向と定義
する。
【0072】次に、入力装置100の構成について具体
的に説明する。図17は図16におけるIX矢視方向から
見た断面図である。この入力装置100のハウジング1
01は双眼観察鏡筒10の前面に取着されている。ハウ
ジング101の前面壁部には後述する操作軸(傾斜軸)
を貫通する孔102が形成されている。孔102はその
操作軸の上下左右方向の最大傾斜量を規制する大きさに
開けられている。
【0073】前記ハウジング101において、孔102
の内側にはその孔102側に向けた球面103aを形成
した支持部材103が設けられている。また、ハウジン
グ101の内面の、前記孔102の内側周辺に位置した
部分には球面101aが形成されている。
【0074】ハウジング101の内面の球面101a
と、支持部材103の球面103aとはいずれも支持部
材103の後方に位置する架空の一点を中心とした球面
であり、その半径軸上には前記孔102の中心が位置し
ている。
【0075】この孔102に挿通された操作軸104の
基端部分にはハウジング101の球面101aと支持部
材103の球面103aとの間に挟み込まれる基部10
4aが設けられている。この基部104aにはハウジン
グ101の球面101aと摺接する球面部分104b
と、支持部材103の球面103aと摺接する球面部分
104cが形成されている。すなわち、操作軸104は
前述した架空の一点を支点として上下左右に傾斜可能な
ように、その基部104が前記球面101aと前記球面
103aの間に挟み込まれて支持されている。ここで、
前記支点をαと定義する。
【0076】また、前記操作軸104は前記ハウジング
101の孔102を挿通して突出しており、その先端に
は、例えばゴム等の弾性体やウレタン等の柔らかく滑り
難い材質で作られた操作部105が固定的に取着されて
いる。そして、この操作部105の先端からなる操作点
をβと定義する。
【0077】ここで、前記支点αと前記操作点βとを結
ぶ線分γが、前記接眼光軸E、E´から等距離で、かつ
前記接眼光軸E、E´を含む平面内に配置される如く、
前記支点αと前記操作点βは配置されている。もちろ
ん、前記支点αと前記操作点βとを結ぶ線分γがハウジ
ング101の孔102の中心を通るようになっている。
【0078】図18は図17におけるW−W線に沿って
の断面図を示すが、この図18で示すように、ハウジン
グ101の内部において、前記操作軸104の基部10
4aの周辺には複数の磁性体106a、106b、10
6c、106dがその基部104aを取り囲むように等
間隔で設置されている。これらの磁性体106a、10
6b、106c、106dはそのハウジング101の内
面に固定的に設置されている。
【0079】また、前記操作軸104の基部104aに
おける外周面部には前記磁性体106a、106b、1
06c、106dにそれぞれ対向する位置に配置されて
磁性体107a、107b、107c、107dが設け
られている。ここで、互いに対向する磁性体106aと
磁性体107a、磁性体106bと磁性体107b、磁
性体106cと磁性体107c、磁性体106dと磁性
体107dの各組はそれぞれ互いに反発し合うように、
磁極の向きが定められており、それらの反発力の均等す
る釣り合い位置で前記操作軸104を保持している。そ
して、通常、操作軸104は図17および図18で示さ
れる中立の状態にあるようになっている。
【0080】さらに、ハウジング101内において、前
記操作軸104の基部104aの上下左右の各位置には
マイクロスイッチ108、109、110、111が配
設されている。これらのマイクロスイッチ108、10
9、110、111は前記ハウジング101に固定さ
れ、また後述するモード設定回路128と電気的に接続
されている。そして、各マイクロスイッチ108、10
9、110、111は、その設置側へ前記操作軸104
が傾斜したとき、その操作軸104の基部104aの周
面によって作動子が押されて操作されるようになってい
る。つまり、前記操作点βが上側に傾斜したときには前
記マイクロスイッチ108が、前記操作点βが下側に傾
斜したときには前記マイクロスイッチ109が、前操作
点βが左側に傾斜したときには前記マイクロスイッチ1
10が、前記操作点βが右側に傾斜したときには前記マ
イクロスイッチ111がそれぞれ操作されるようになっ
ている。
【0081】一方、図19は画像切り換え手段112を
組み込んだ鏡体99と斜視用内視鏡113を示すもので
ある。ここで、前記双眼観察鏡筒10を光学的に取り付
けた前記鏡体99は第1の観察手段であり、これとは別
に第2の観察手段である斜視用内視鏡113が設けられ
ている。前記鏡体99には図19中右側の変倍光学部2
8の光軸上に挿脱可能に支持された可動ミラー114を
設けられ、この可動ミラー114はロータリーソレノイ
ド115によって駆動されるようになっている。また、
ロータリーソレノイド115は前記可動ミラー114を
図19中、実線と破線の位置に矢印116の方向に回動
させる駆動手段であり、このロータリーソレノイド11
5は後述するモード設定回路128と電気的に接続され
ている。ここで、可動ミラー114は図19中の点線で
示す如く、光軸上から外れた位置に初期状態として設定
されているものである。
【0082】また、117は投影レンズ、118はミラ
ーであり、この投影レンズ117とミラー118は、図
19中で右側の前記変倍光学部28の光軸上に挿入され
た前記可動ミラー114の外側に順次配設されている。
そして、前記ミラー118によって反射される光軸上に
は観察モニター119が離間対向するように配置され、
この観察モニター119は後述するモード設定回路12
8に電気的に接続されている。
【0083】次に、第2の観察手段である前記斜視用内
視鏡113の構成について説明する。この内視鏡113
は患者の体内に挿入される挿入部120と接眼部121
を備え、接眼部121には前記斜視用内視鏡113の観
察像を撮像するTVカメラ122が図示しないアダプタ
を介して取り付けられている。そして、この斜視用内視
鏡113は術者の所望の位置に保持可能な図示しない保
持アーム等により保持され、前記手術用顕微鏡の死角で
ある術部J´を観察する。また、前記TVカメラ122
には、後述するモード設定回路128に電気的に接続さ
れたコントロールユニット123が接続されている。
【0084】前記モード設定回路128には電気的に接
続されたメモリー127が電気的に接続されている。メ
モリー127には術前に撮像された患部のMR像12
4、CT像125、診断カルテ126がデジタル記録さ
れている。前記モード設定回路128は以下のように機
能するように構成される。つまり、前記マイクロスイッ
チ108、109、110、111が操作されると、そ
れぞれ前記コントロールユニット123からの前記斜視
用内視鏡113の観察像、前記メモリー127からの前
記MR像124、CT像125、診断カルテ126をモ
ニター119に出力し、かつ前記前ロータリーソレノイ
ド115に電源を供給する。
【0085】(作用)術者は術部Jを観察中に、斜視用
内視鏡113の観察像もしくはMR像124、CT像1
25、診断カルテ126の観察したい場合、操作点βに
額を押し当てて額を上側もしくは下側、左側、右側に動
かす。すると、操作軸104が支点αを中心に上側もし
くは下側、左側、右側に傾斜し、操作軸104が孔10
2の上側面もしくは下側面、左側面、右側面に突き当た
るまで傾斜する。このとき、操作軸104によりマイク
ロスイッチ108もしくは109、110、111の作
動子が押されて、前記マイクロスイッチ108もしくは
109、110、111が入力する。この入力信号によ
り、モード設定回路128は電源からロータリーソレノ
イド115に駆動電力を供給し、可動ミラー114を矢
印116方向に沿って回動させる。
【0086】すると、可動ミラー114は図19中、実
線の状態となる。同時にモニター設定回路128は、マ
イクロスイッチ108が入力した場合は、コントロール
ユニット123からの斜視用内視鏡113の観察像を観
察モニター119に出力し、マイクロスイッチ109が
入力した場合は、メモリー127に記録されたMR像1
24を、マイクロスイッチ110が入力した場合は、メ
モリー127に記録されたCT像125を、マイクロス
イッチ111が入力した場合はメモリー127に記憶さ
れた診断カルテ126を観察モニター119に出力す
る。
【0087】さらに、観察モニター119の画像がミラ
ー118、投影レンズ117を経て可動ミラー114で
反射された後、双眼観察鏡筒10の右側の接眼部12に
導かれる。これにより、術者は、右目で斜視用内視鏡1
13の観察像もしくはMR像124、CT像125、診
断カルテ126を観察できる。
【0088】次に、術者が顕微鏡の像を双眼観察する場
合には操作点βから額を離せばよく、こうすると、磁性
体106a、106b、106c、106d、107
a、107b、107c、107dにより操作軸104
が中立状態に戻り、マイクロスイッチ108もしくは1
09、110、111がOFFされ、モード設定回路1
28からロータリーソレノイド115に供給していた電
源がOFFされる。これにより、可動ミラー114は矢
印116方向に沿って回動し、図19中の点線の状態と
なり、顕微鏡像の双眼観察が行える。
【0089】(効果)本実施形態によれば、操作点βの
傾斜の支点αを架空の位置に存在させるために、入力操
作性を損なうことがなく、その入力装置を小型かつ軽量
にすることができる。
【0090】[第4実施形態]図20乃至図23に基づ
いて、本発明の第4実施形態を説明する。 (構成)図20は患部を拡大観察するための手術用顕微
鏡における鏡体130を示す。この鏡体130は、前述
した実施形態の如くの、図示しない架台に接続されてい
る。鏡体130にはこれに対し光学的に接続された状態
で双眼観察鏡筒131が取り付けられている。双眼観察
鏡筒131には左右1対の接眼部132、133が設け
られている。これらの接眼部132、133は双眼観察
可能な関係で双眼観察鏡筒131に対して光学的に接続
されている。ここで、各接眼部132、133から術者
の各左右の眼に至る左右の光軸をそれぞれ接眼光軸E、
E’とし、接眼光軸E、E’上のアイポイントをそれぞ
れF、F’とする。
【0091】また、前記双眼観察鏡筒131の上面部に
は後述する入力装置134が設けられている。次に、こ
の入力装置134の構成について説明する。図21はそ
の入力装置134を縦断して示す断面図である。入力装
置134はハウジング135を備え、このハウジング1
35は前記双眼観察鏡筒131の上面部に着脱可能な状
態で取着されている。ハウジング135の前面側におけ
る前面壁には孔136が開けられている。この孔136
には操作体137が貫通している。操作体137は棒状
の操作軸138からなり、操作軸138の突き出し端に
ある先端部には例えばゴム等の弾性部材またはウレタン
等の柔らかく滑りにくい材質で略半球状に形成された部
材によって作られた操作部139が固定的に取着されて
いる。ここで、操作部139による操作点をXと定義す
る。この操作点Xは前記アイポイントF,F’から等距
離であり、かつ術者の額に対向する位置に配置されてい
る。これらは前述した実施形態の場合と同様なものであ
る。
【0092】操作軸138の他端部は筒状に形成された
操作軸座140内に嵌め込まれ、操作軸138はその操
作軸座140に対して図21中矢印方向へ前後に移動す
るように摺動可能に連接されている。操作軸138と操
作軸座140の間にはバネ141が配置され、バネ14
1の弾発力によって操作軸138を押し出す向きに付勢
している。
【0093】操作軸座140の後端は弾性部材である板
バネ142を介してハウジング135の壁部に回動自在
支持されている。つまり操作軸138はいわば球面運動
を許容する板バネ142によって上下左右方向に傾斜可
能なように支持されている。この操作軸138が上下左
右の傾斜する中心位置をYと定義する。操作軸138は
その操作点Xと支点Yを結ぶ線分が前記接眼光軸F、
F’に略平行になるように、前記板バネ142によりハ
ウジング135内に枢着されている。
【0094】前記操作軸座140を貫通させる孔136
はその操作軸座140の上下左右方向の最大傾斜量を規
制する大きさに開けられている。ハウジング135内に
は操作軸138の傾斜を検出する複数のマイクロスイッ
チ143が固定的に設けられている。これらのマイクロ
スイッチ143の構成と機能は前述した第2の実施形態
と同様のためにそれ以上の説明を省略する。
【0095】次に、鏡体130の構成について説明す
る。鏡体130の前面部には左右光路共通の対物レンズ
144が配設され、この対物レンズ144は対物レンズ
保持枠145に固定されている。また、対物レンズ保持
枠145は鏡体130にネジ等で固定されている。鏡体
130内には左右一対のものとして配置された変倍光学
部146が設けられ、この変倍光学部146と対物レン
ズ144との間には図示しない光源からの照明光を導く
ライトガイド147、照明光学部148、偏光プリズム
149が順次配置されている。
【0096】鏡体130及び前述した図示しない架台の
両方、又は少なくとも鏡体130はドレープ150で覆
われている。ドレープ150は前記接眼部132、13
3及び前記操作部139に対応する位置にそれぞれ孔1
50a、150bを開け、その一方の孔150aからは
前記接眼部132、133の先端部が突き出し、他方の
孔150bからは前記操作部139を有する操作軸13
8の先端部分が突き出すようにしてある。孔150aに
は接眼部132、133が密に貫通し、孔150bには
操作軸138が密に貫通するようにしてある。
【0097】ドレープ150はその下部に樹脂で作られ
た環状のキャップ152を結合しており、このキャップ
152には例えばアクリル板で作られた透明保護カバー
151が斜めに取り付けられている。キャップ152は
前記対物レンズ保持枠145の外周とは適度な嵌め合い
を有して前記対物レンズ保持枠145に対して着脱可能
なものとなっている。
【0098】図22で示す如く、鏡体130の下面には
対物レンズ保持枠145の近傍に位置決めピン153が
固設され、キャップ152にはその位置決めピン153
に対応する位置に位置決め孔154が開けられている。
キャップ152が対物レンズ保持枠145に取り付いた
状態のとき、そのキャップ152に取着されている前記
透明保護カバー151の向きが定まり、その透明保護カ
バー151は観察光軸155に対し照明光学部148側
へ傾斜するようになっている。
【0099】(作用)術者が前述した第1〜3の実施形
態において述べたような操作入力を行う場合には、ドレ
ープ150から突き出した操作軸138の先端にある操
作部139の操作点Xに術者は額を押し当ててその操作
部139を所望の方向に動かすものとすると、その方向
に対応したマイクロスイッチ143が操作軸座140に
より操作されて作動し、入力が完了する。
【0100】次に、術者が鏡体130の観察角度を図示
しない架台を動かし変更した場合は術者の額と操作点X
の距離が変化する。ここで、操作部139及び操作軸1
38はその操作軸138の軸方向に沿って進退可能であ
るため、術者の額と操作部139の相対位置が変化する
と、その変化量分の伸縮を行う。
【0101】また、術者が入れ替わった場合において
も、人間の瞳と額の位置は一定ではないために、通常は
距離の変化が生じるが、この場合もその変化量分に対応
した伸縮を行ってその変化を吸収する。ここで、操作軸
138はその軸方向においてのみ移動可能であるため、
前記入力操作、すなわち上下左右の傾斜方向に対しては
移動することはないので、正常な入力操作を妨げるもの
ではない。
【0102】次に、術者がドレープ150を鏡体130
に装着する場合について説明する。この場合にはまず、
鏡体130の下面に設けられた位置決めピン153とキ
ャップ152の位置決め孔154が合致するように、キ
ャップ152を対物レンズ保持枠145に被嵌して取り
付ける。この後、接眼部132、133及び操作部13
9とドレープ150に設けられた孔150a、150b
に合わせながら鏡体130及び図示しない架台にドレー
プ150を被せて装着する。
【0103】次に、ドレープ150を装着したときの照
明光の光路の状況を、図22に基づき説明する。図示し
ない光源より出射された照明光はライトガイド147、
照明光学部148を順次通過し、偏光プリズム149に
より屈折せしめられ、対物レンズ144を通過して術部
を照射する。ここで、照明光の一部は透明保護カバー1
51の表面で反射される。透明保護カバー151は照明
光学部148側へ向けて傾斜しているために、透明保護
カバー151の表面で反射された照明光は変倍光学部1
46の反対側である図22中破線矢印の方向に向かう。
つまり、変倍光学部146には反射光が向かわないため
にフレアを起こすことがない。
【0104】(効果)本実施形態によれば、術者の観察
姿勢の変化や術者の交代による操作部139と術者の額
の相対位置が変化した場合においても、操作軸138の
伸縮作用によりその変位量を吸収することができ、いち
いち操作体137の位置調整をする必要がないため、円
滑に入力操作を行うことができる。また、操作軸138
はその軸方向においてのみ移動可能であるために、入力
操作に対しては移動することがなく安定した入力操作が
行われる。
【0105】また、透明保護カバー151を備えたドレ
ーブ150を装着した場合、透明保護カバー151と変
倍光学部146及び照明光学部148の位置関係は、位
置決めピン153及び位置決め孔154によって常に一
定であるために誰が装着しても同じ状態に定まり、その
ときの透明保護カバー151による照明光の反射光が変
倍光学部146に及ぼす影響はないから、フレアの発生
がない。また、環状のキャップ152に回転方向の位置
決め手段を設けたために接眼部132、133や操作部
139とドレープ150の位置合わせがキャップ152
を装着するのみで容易に行うことができる。
【0106】なお、本実施形態においては透明保護カバ
ー151にアクリル板を用いたが、他の透明樹脂やガラ
ス板等の透明な板であれば同様の効果が得られる。ま
た、透明保護カバー151は平板でなくとも表面が球面
状のものでも、同様の効果が得られる。さらに、ドレー
プ150と鏡体130の位置決めにピン153を用いた
が、凹凸の組み合わせのもの等、回転方向を規制する手
段であればよく、それによれば前記同様の効果が得られ
る。
【0107】[第5実施形態]図24乃至図26に基づ
き、本発明の第5実施形態を説明する。ただし、前述し
た第4の実施形態と同一の構成は同一の符号を付し、そ
れらの詳細な説明は省略する。
【0108】(構成)図24は手術用顕微鏡の鏡体13
0の側面図である。この鏡体130の上面部には双眼観
察鏡筒131が設けられ、双眼観察鏡筒131の上部に
は入力装置134が配設されている。図25は入力装置
134の縦断面図である。
【0109】入力装置134の操作軸138の突出し端
である先端部には、例えばゴム等の弾性部材またはウレ
タン等の柔らかく滑りにくい材質で蛇腹状に形成された
操作部156が取着されている。この操作部156は蛇
腹状に形成されることによりその操作軸138の軸線方
向に伸縮自在である。
【0110】次に、鏡体130の内部構成について説明
する。照明光は焦点位置可変対物レンズ158の上方部
位に配置されたライトガイド147、照明光学部14
8、偏光プリズム149を順次通過し、さらに、ハーフ
ミラー157を通過して、観察光軸155と同軸上の術
部を照射するようになっている。一方、術部からの観察
用光線はハーフミラー157により反射され、そして、
左右光路共通の焦点位置可変対物レンズ158、偏光プ
リズム149、変倍光学部146、偏光プリズム16
0、161を順次通過して双眼観察鏡筒131に入射さ
れ、左右一対の接眼部132、133により拡大観察さ
れるようになっている。
【0111】鏡体130及び図示しない架台はドレープ
150により覆われている。このドレープ150におい
て、前記接眼部132、133,及び前記操作部156
を有する操作軸138に対応する位置にはそれらを別々
に密に貫通する孔150a、150bが開けられてい
る。
【0112】ドレープ150の下部には樹脂で作られた
キャップ162が結合されている。このキャップ162
には透明保護カバー151が取り付けられている。ま
た、キャップ162は鏡体130下部に設けられた透明
保護カバー取付け部163とは適度な嵌め合いを有する
ことによりその透明保護カバー取付け部163に着脱可
能となっている。
【0113】キャップ162及び透明保護カバー取付け
部163は図26に示した如くの馬蹄形状となってい
る。透明保護カバー151はキャップ162が透明保護
カバー取付け部163に取り付いたときに、観察光軸1
55に対し図24の状態で右上がりに傾斜してキャップ
152に保持されている。
【0114】(作用)術者の額と操作部156の相対位
置が変化したときには操作部156の伸縮作用によって
その変位量を吸収する。術者がドレープ150を鏡体1
30に装着する際は、まずキャップ162と透明保護カ
バー取付け部163の外形を合わせて取り付ける。この
後に接眼部132,133及び操作部156をドレープ
150に設けられた孔150a、150bに合わせて差
し込みながら鏡体130及び図示しない架台にドレープ
150を被せて装着する。
【0115】また、照明光の光路は図24で示す如くな
る。そして、照明光はハーフミラー157を透過して術
部を照射するが、ここで、透明保護カバー151の表面
で反射された一部の照明光は図24中破線矢印の方向に
向かう。しかし、この反射光は焦点位置可変対物レンズ
158には入らない。
【0116】(効果)本実施形態によれば、操作部15
6と術者の額との相対的な位置の変位を、操作部156
の部品形状という簡単な構成により吸収しているため、
安価で小型軽量な装置を提供することができる。フレア
を防止するためのキャップ位置決め手段として、キャッ
プの形状自体を利用しているため、視覚的に確認し易
く、ドレープの取付け時の作業性が向上する。本実施形
態においては、キャップ162とキャップ取付け部16
3の位置決め手段として馬蹄形を用いたが、その形状は
非点対称形であれば一義的な位置合せにより同様の効果
が得られる。
【0117】尚、本発明は前記各実施形態のものに限定
されるものではなく、また、その組み合せての適用も可
能である。以下は本発明に関連する発明を列記する。そ
れらの事項を組み合せた発明も可能なものである。
【0118】<付記> 1.鏡体と、双眼観察鏡筒と、電動機構と、前記電動機
構の操作入力を行う入力装置とを有する手術用顕微鏡に
おいて、前記入力装置は1点を支点に傾斜移動する操作
体を備え、その操作体の操作点は、前記双眼観察鏡筒の
左右のアイポイントから略等距離で、術者の額に対向す
る位置に配置され、かつ前記操作点と前記支点とを結ぶ
直線が、前記双眼観察鏡筒の接眼部から術者の眼に至る
光軸と略平行であることを特徴とする手術用顕微鏡。
【0119】2.前記操作体の操作点を移動させ、操作
入力を行う場合に術者の瞳が前記双眼観察鏡筒の観察瞳
から外れる前に、前記電動機構への入力が行えることを
特徴とする付記第1項に記載の手術用顕微鏡。 3.前記操作体の支点の部材が弾性部材からなることを
特徴とする付記第1項に記載の手術用顕微鏡。 4.前記操作体は、前記弾性部材の弾性力により操作点
が中立状態に復帰するように付勢されていることを特徴
とする付記第3項に記載の手術用顕微鏡。
【0120】5.前記操作体は、その操作点が前記接眼
部に対して前記光軸方向に進退自在としたことを特徴と
する付記第1項に記載の手術用顕微鏡。
【0121】6.前記操作体は、入力装置の本体より着
脱可能に取着されていることを特徴とする付記第1項に
記載の手術用顕微鏡。 7.前記電動機構は、視野移動機構であり、前記操作体
の傾斜方向と視野移動方向は同一方向であることを特徴
とする付記第1項に記載の手術用顕微鏡。 8.前記電動機構は、変倍機構であることを特徴とする
付記第1項に記載の手術用顕微鏡。
【0122】9.前記電動機構は、焦準機構であること
を特徴とする付記第1項に記載の手術用顕微鏡。 10.前記電動機構は、画像切換え機構であることを特
徴とする付記第1項に記載の手術用顕微鏡。 11.前記電動機構への操作入力は、前記操作点の前記
光軸方向への操作と前記光軸に対する傾斜操作により行
われることを特徴とする付記第1項に記載の手術用顕微
鏡。
【0123】12.前記操作体はその操作点が前記接眼
部に対して前記光軸方向に伸縮自在であることを特徴と
する付記第1項に記載の手術用顕微鏡。 13.前記操作体は前記術者の額へ向かうように付勢さ
れる付勢手段を備えることを特徴とする付記第12項に
記載の手術用顕微鏡。
【0124】14.観察光軸に対し傾斜して取り付けら
れる透明保護カバーを有する手術用顕微鏡のドレープと
前記透明保護カバーの取り付け部を有する手術用顕微鏡
において、前記透明保護カバーの前記観察光軸に対する
回転を規制する位置決め手段を備えたことを特徴とする
手術用顕微鏡。 15.前記位置決め手段は前記透明保護カバー取付け部
の形状によるものであることを特徴とする付記第14項
に記載の手術用顕微鏡。 16.前記透明保護カバー取付け部の形状は非点対称形
状であることを特徴とする付記15に記載の手術用顕微
鏡。
【0125】(付記第2項の限定事項に対する従来技
術)特開平7−168100号公報のものでは操作入力
を行う場合に観察像がケラレてしまい、顕微鏡像の観察
を行いながら該操作入力を行えない場合がある。
【0126】(付記第3項の限定事項に対する従来技
術)操作点が一点を支点に傾斜する前記支点自体の公知
の技術としては軸を中心に傾斜させる機構、ボールジョ
イント機構、ユニバーサルジョイント機構等が上げられ
る。この技術では機構が複雑で大型化を招いたり、かつ
高価であった。
【0127】(付記第4項の限定事項に対する従来技
術)操作点が一点を支点に傾斜し操作入力が行われる入
力装置は、例えば、一端を入力装置のハウジングに装着
され、他端を操作点と一体化されたバネ座に装着された
複数のコイルバネにより、操作点を中立状態に保持する
という中立状態復帰機構が、支点とは別に設けられてい
たが、入力装置の大型化を招き、かつ高価である。
【0128】(付記第14、15項のものの従来例)付
記14、15の従来例として、DE4413920A1
を挙げる。この従来例の手術用顕微鏡を図30乃至図3
2を参照して説明する。図30はその手術用顕微鏡の鏡
体部200及びその鏡体部200にドレープ209を装
着した状態を示す。鏡体部200には観察光学系が設け
られている。この観察光学系は左右の光路共通の対物レ
ンズ201、左右一対の変倍レンズ202、鏡筒20
3、左右一対の接眼レンズ204により構成され、これ
により物体面205の拡大観察が行われる。対物レンズ
201と変倍レンズ202の間には照明光学系が設けら
れている。この照明光学系は、図示しない光源からの照
明光を導き入れるライトガイド207、照明レンズ20
6、偏光プリズム208が順次配置して構成されてい
て、観察対象の物体面205に向けて照明光を照射する
ようになっている。
【0129】前記ドレープ209は透明保護カバー21
0を備えた環状のキャップ211に保持されている。キ
ャップ211は対物レンズ保持枠212に係合可能に装
着されるものである。また、透明保護カバー210は図
31で示すように、観察光軸213及び照明光軸214
に対して所定の角度を持って、キャップ211に取り付
けられる。
【0130】次に、図31に従い、透明保護カバー21
0を透過する光線の経路について説明する。照明レンズ
206を通過した照明光は偏光プリズム208により対
物レンズ201に入射され、物体面205に向かう。こ
こで、照明光の一部は透明保護カバー210の表面で反
射され、この反射光は図31中破線矢印の方向に向か
う。そして、この反射光線は変倍レンズ202に入射さ
れるため、観察光学系に対するフレアとなり、観察者に
とって観察像が非常に見づらい状態となる。
【0131】すなわち、DE4413920A1に記載
のあるように、透明保護カバー210に対する法線と対
物レンズ201の光軸が鋭角となっている場合において
も、透明保護カバー210と対物レンズ光軸および照明
光軸の位置関係によりフレアの発生は起こり得る。ま
た、ドレープ209は普通、手術直前に手術用顕微鏡に
装着されるものであり、医師や看護婦といったユーザー
の手によって装着されるため、透明保護カバー210と
対物レンズ(照明)光軸の位置関係を確認して装着され
ることは皆無であるといってよい。
【0132】次に、観察光軸と照明光軸が同軸上で配置
される例について図32に従い説明する。なお、上述の
構成と同一の個所については同一番号を付与し、その具
体的な構成の説明を省略する。
【0133】ハーフミラー216により反射された観察
光軸213は左右光路共通の焦点位置可変対物レンズ2
15、偏光プリズム217、ズームレンズ220、偏光
プリズム218,219、左右一対の結像レンズ221
及び接眼レンズ204を順次通過し、物体面205の拡
大観察を行う。照明レンズ206は焦点位置可変対物レ
ンズ215の上部に配置され、ハーフミラー216を透
過し、物体面205に照射される。図中波線矢印は透明
保護カバー210の表面によって反射された照明光の光
路を示している。
【0134】この場合においても照明光の反射光線は焦
点位置可変対物レンズ215に入射されるため、フレア
発生の原因となる。ここで、焦点距離可変対物レンズ2
15は左右光路共通であり、大きなレンズ径を必要とす
るため、反射光によるフレアの影響をさらに受けやす
い。
【0135】(付記第14、15項の目的)付記第1
4、15項のものは透明保護カバーを備えたドレープを
手術用顕微鏡に装着した際のフレアを防止することを目
的とする。
【0136】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、見上げ
る、頷く、首を振るといった顔の自然な動きによって、
前記電動機構の操作入力を容易かつ確実に行える。ま
た、前記操作入力には手足を用いないので、従来の問題
点であった誤操作や手術の中断を招くことがなく、手術
の作業効率を向上できる。さらに前記操作入力を行う際
に顔に不自然な動きを強いることがないので、余計な疲
れを招かない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る手術用顕微鏡の概略的な構
成を示す側面図。
【図2】第1実施形態に係る手術用顕微鏡の双眼観察鏡
筒と入力装置の部分の斜視図。
【図3】第1実施形態に係る手術用顕微鏡の入力装置の
概略的な構成を示す説明図。
【図4】前記入力装置の図3中 III−III 線に沿う部分
の断面図。
【図5】前記入力装置の図3中IV−IV線に沿う部分の断
面図。
【図6】第1実施形態に係る手術用顕微鏡の鏡体と双眼
観察鏡筒の内部構造の説明図。
【図7】第1実施形態に係る手術用顕微鏡における術者
の観察状態の説明図。
【図8】第1実施形態に係る手術用顕微鏡における術者
の観察状態の説明図。
【図9】第2実施形態に係る手術用顕微鏡の概略的な構
成を示す側面図。
【図10】第2実施形態に係る手術用顕微鏡の双眼観察
鏡筒と入力装置の部分の斜視図。
【図11】第2実施形態に係る手術用顕微鏡の入力装置
の概略的な構成を示す説明図。
【図12】第2実施形態に係る手術用顕微鏡の入力装置
の操作軸座の支持部を拡大して示す説明図。
【図13】図11におけるVIII−VIII線に沿う入力装置
の部分断面図。
【図14】第2実施形態に係る手術用顕微鏡における視
野移動装置の斜視図。
【図15】第3実施形態に係る手術用顕微鏡の概略的な
構成を示す側面図。
【図16】第3実施形態に係る手術用顕微鏡の双眼観察
鏡筒と入力装置を示す斜視図。
【図17】第3実施形態に係る手術用顕微鏡の入力装置
の概略的な構成を示す説明図。
【図18】図17におけるW−W線に沿う入力装置の部
分断面図。
【図19】第3実施形態に係る手術用顕微鏡における画
像切り換え手段の概略的な構成の説明図。
【図20】第4実施形態に係る手術用顕微鏡の鏡体の側
面図。
【図21】同じく第4実施形態に係る手術用顕微鏡の鏡
体における入力装置の縦断面図。
【図22】同じく第4実施形態に係る手術用顕微鏡の鏡
体における対物レンズ付近の縦断面図。
【図23】同じく第4実施形態に係る手術用顕微鏡の鏡
体の使用状態の説明図。
【図24】第5実施形態に係る手術用顕微鏡の鏡体の側
面図。
【図25】同じく第5実施形態に係る手術用顕微鏡の鏡
体における入力装置の縦断面図。
【図26】同じく第5実施形態に係る手術用顕微鏡にお
けるドレープの下面図。
【図27】従来の手術用顕微鏡の双眼観察鏡筒付近の概
略的構成の説明図。
【図28】従来の手術用顕微鏡の術者の観察状態の説明
図。
【図29】従来の手術用顕微鏡の術者の観察状態の説明
図。
【図30】他の従来の手術用顕微鏡の概略的構成の説明
図。
【図31】他の従来の手術用顕微鏡の光学系の説明図。
【図32】さらに他の従来の手術用顕微鏡の概略的構成
の説明図。
【符号の説明】
1…鏡体、2…架台、9…制御回路、10…双眼観察鏡
筒、11…接眼部、12…接眼部、13…入力装置、1
6…操作軸、17…球部、18…支持部材、20…感圧
スイッチ、23,24,25,26…マイクロスイッ
チ、28…変倍光学部、35…変倍モータ、37…焦準
モータ、d…観察瞳径、E,E´…接眼光軸、F、F´
…アイポイント、G…操作点、H…支点。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡体と、双眼観察鏡筒と、電動機構と、前
    記電動機構の操作入力を行う入力装置とを有する手術用
    顕微鏡において、前記入力装置は1点を支点に傾斜移動
    する操作体を備え、その操作体の操作点は、前記双眼観
    察鏡筒の左右のアイポイントから略等距離で、術者の額
    に対向する位置に配置され、かつ前記操作点と前記支点
    とを結ぶ直線が、前記双眼観察鏡筒の接眼部から術者の
    眼に至る光軸と略平行であることを特徴とする手術用顕
    微鏡。
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