JPH1092624A - 六方晶z型磁性酸化物焼結体、その製造方法およびインピーダンス素子 - Google Patents

六方晶z型磁性酸化物焼結体、その製造方法およびインピーダンス素子

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JPH1092624A
JPH1092624A JP9214084A JP21408497A JPH1092624A JP H1092624 A JPH1092624 A JP H1092624A JP 9214084 A JP9214084 A JP 9214084A JP 21408497 A JP21408497 A JP 21408497A JP H1092624 A JPH1092624 A JP H1092624A
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hexagonal
sintered body
oxide
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magnetic oxide
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JP9214084A
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Masahiro Onizuka
雅広 鬼塚
Yutaka Saito
裕 斎藤
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高比抵抗であって、かつ高密度である六方晶
Z型磁性酸化物焼結体と、これを用いたインピーダンス
素子とを提供する。 【解決手段】 M(MはBaおよびSrの少なくとも1
種)、CoおよびFeを含む主成分酸化物と、Siを含
む副成分酸化物とを含有し、比抵抗が106Ω・cm以上
であり、焼結体密度が4.6g/cm3以上であって、初
透磁率が5〜25である六方晶Z型磁性酸化物焼結体。
副成分酸化物にはPbが含まれていてもよく、Coの一
部がMe(MeはNi、ZnおよびCuの少なくとも1
種)で置換されていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高抵抗な六方晶Z
型磁性酸化物焼結体およびその製造方法と、前記六方晶
Z型磁性酸化物焼結体を利用したインピーダンス素子と
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化にとも
ない、動作周波数の高周波化が進められ、電子機器の構
成部品についても高周波化への対応が不可欠のものとな
っている。このような状況のなか、電子機器の発生する
ノイズについても高周波化の傾向にある。
【0003】発生したノイズは、構成部品および周辺機
器に影響を及ぼし誤動作等を引き起こすため、ノイズの
対策は電子機器に不可欠の要素となっている。
【0004】ノイズ対策の一つとして、フェライト材料
を用いたインピーダンス素子がある。
【0005】インピーダンス素子は、ノイズをフェライ
トの損失として吸収し、熱に変換してノイズを除去する
ものである。構造が簡単で安価であるため、多くの機器
に用いられている。
【0006】従来、インピーダンス素子には、Ni系ス
ピネル型フェライトが主に使われている。しかし、近年
の高周波化の波に伴い、Ni系スピネル型フェライトを
用いたインピーダンス素子が除去することのできる周波
数帯域以上で発生するノイズが問題となってきた。
【0007】たとえば、近年のパーソナルコンピュータ
は100MHz以上のクロック周波数で動作しており、今
後更なる高周波化が進むと予想される。そのような場
合、発生するノイズの周波数は、上記クロック周波数以
上、たとえば500MHz以上となる。しかしながら、ス
ピネル型酸化物磁性材料には、ある周波数以上で透磁率
が急激に減少するという性質があり、スピネル型酸化物
磁性材料を用いた従来のインピーダンス素子では、50
0MHz以上で発生するノイズの除去が非常に困難であ
る。
【0008】そこで、インピーダンス素子の材料とし
て、磁性体でありながら高周波領域での透磁率の減少が
ない材料が望まれる。この要求に対応する磁性材料とし
ては、たとえば特公昭33−736号公報に開示された
六方晶酸化物強磁性体が挙げられる。このような六方晶
酸化物強磁性体を用いたインピーダンス素子は、特開平
3−16910号公報に開示されている。
【0009】この六方晶酸化物強磁性体は、六方晶Z型
磁性酸化物焼結体である。
【0010】六方晶系磁性酸化物焼結体はM型(AFe
1219)、W型(AB2Fe1627)、Y型(A22
1222)、Z型(A32Fe2441)等に分類され
る。Z型は、一般式M3Me2Fe2441で表され、Mが
アルカリ土類金属イオンであり、Meが2価の金属イオ
ンである化合物である。MeがCoであるZ型は、磁化
容易軸が六方晶結晶の面内にあり異方性が大きいため、
スピネル型酸化物磁性材料に比べ、より高周波領域まで
高透磁率が得られるので、高周波領域で使われるインピ
ーダンス素子の材料として最適である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、六方晶
Z型磁性酸化物焼結体は、比抵抗が低いという欠点があ
る。インピーダンス素子を構成する際、電極部の信頼性
向上のため電極を覆うように電解メッキ処理を施すが、
磁性材料の比抵抗が低いと電極部から磁性材料部にメッ
キの伸びが生じて短絡事故を引き起こしやすい。この対
策としては、たとえばマスクメッキ処理や無電解メッキ
処理等が考えられるが、これらを利用する場合には製造
の際に余分な工程が必要となり、製造コストが上昇して
しまう。
【0012】このような問題を避けるために、比抵抗は
一般に106Ω・cm以上あればよいとされている。
【0013】また、六方晶Z型磁性酸化物焼結体は、焼
結体密度が低いという欠点がある。現在、多くの電子機
器部品が表面実装部品となる傾向にあり、このため、部
品の機械的強度が必要となっているが、インピーダンス
素子も例外ではなく、インピーダンス素子自体の機械的
強度を向上させる必要がある。しかし、六方晶Z型磁性
酸化物焼結体は焼結体密度が低いため、十分な機械的強
度が得られにくい。一般に、酸化物磁性材料に要求され
るのに十分な強度を得るためには、焼結体密度は4.6
g/cm3以上、好ましくは4.7g/cm3以上あればよい
とされている。また、透磁率と焼結体密度とは密接な関
係があり、焼結体密度が低いと透磁率も低くなってしま
うため、焼結体密度が低いと、六方晶Z型磁性酸化物焼
結体の有している本来の特性を反映することができな
い。六方晶Z型磁性酸化物焼結体の焼結密度を高くする
ためには、一般的に本焼成温度を高温にすればよいこと
が知られている。
【0014】しかし、高温で本焼成することにより製造
された六方晶Z型磁性酸化物焼結体では、磁性酸化物中
のFe3+が還元されてFe2+が生成されている。Fe2+
の生成は磁性酸化物の比抵抗を低下させるため、上記し
た電解メッキ処理の際に問題となり、また、絶縁破壊が
生じやすくなるという問題もある。
【0015】このような理由から、本焼成温度を高温に
して六方晶Z型磁性酸化物焼結体の焼結密度を高くする
ことは、好ましくない。
【0016】また、最近、ホットプレスによる六方晶Z
型磁性酸化物焼結体の製造方法が提案されており、この
方法では比較的低温にて高密度が得られる。しかし、こ
の方法は大規模な設備を必要とし、ハンドリング方法等
が複雑であるため、実用には至っていない。
【0017】そこで本発明は、高比抵抗であって、かつ
高密度である六方晶Z型磁性酸化物焼結体と、これを用
いたインピーダンス素子とを提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(13)のいずれかの構成により達成される。 (1) M(MはBaおよびSrの少なくとも1種)、
CoおよびFeを含む主成分酸化物と、Siを含む副成
分酸化物とを含有し、比抵抗が106Ω・cm以上であ
り、焼結体密度が4.6g/cm3以上であって、初透磁
率が5〜25である六方晶Z型磁性酸化物焼結体。 (2) 副成分酸化物がPbを含む上記(1)の六方晶
Z型磁性酸化物焼結体。 (3) 主成分酸化物中のFe、MおよびCoをそれぞ
れFe23、MOおよびCoOに換算し、これらの合計
(Fe23+MO+CoO)に対する比率を求めたと
き、Fe23の比率が68〜74モル%、MOの比率が
15〜22モル%、CoOの比率が4〜13モル%であ
り、副成分酸化物中のSiをSiO2に換算し、主成分
酸化物(Fe23+MO+CoO)に対する比率を求め
たとき、SiO2の比率が0.02〜5重量%である上
記(1)の六方晶Z型磁性酸化物焼結体。 (4) 副成分酸化物がPbを含有し、副成分酸化物中
のPbをPbOに換算し、主成分酸化物(Fe23+M
O+CoO)に対する比率を求めたとき、PbOの比率
が0.04〜10重量%である上記(3)の六方晶Z型
磁性酸化物焼結体。 (5) Coの一部がMe(MeはNi、ZnおよびC
uの少なくとも1種)で置換されている上記(1)〜
(4)のいずれかの六方晶Z型磁性酸化物焼結体。 (6) 空気中において本焼成することにより製造され
た上記(1)〜(5)のいずれかの六方晶Z型磁性酸化
物焼結体。 (7) 前記主成分酸化物の原料を仮焼成し、得られた
仮焼物に前記副成分酸化物の原料を添加した後、本焼成
を行うことにより製造された上記(1)〜(6)のいず
れかの六方晶Z型磁性酸化物焼結体。 (8) 上記(1)〜(7)のいずれかの六方晶Z型磁
性酸化物焼結体を製造する際に、空気中において本焼成
を行う六方晶Z型磁性酸化物焼結体の製造方法。 (9) 前記主成分酸化物の原料を仮焼成し、得られた
仮焼物に前記副成分酸化物の原料を添加した後、本焼成
を行う上記(8)の六方晶Z型磁性酸化物焼結体の製造
方法。 (10) 前記副成分酸化物の原料として、ガラスを用
いる上記(8)または(9)の六方晶Z型磁性酸化物焼
結体の製造方法。 (11) 上記(1)〜(7)のいずれかの六方晶Z型
磁性酸化物焼結体を用いたインピーダンス素子。 (12) チップ状のフェライト素体と、このフェライ
ト素体の第1面からこの第1面と相対向する第2面へと
貫通する少なくとも1個の貫通孔と、この貫通孔内に形
成された内部導体と、前記フェライト素体表面に形成さ
れた一対の端子電極とを有し、前記一対の端子電極が、
前記内部導体を介して直列に接続されているインピーダ
ンス素子であって、前記フェライト素体が上記(1)〜
(7)のいずれかの六方晶Z型磁性酸化物焼結体から構
成されている上記(11)のインピーダンス素子。 (13) 内部導体が形成された前記貫通孔が少なくと
も2個存在し、内部導体同士が直列に接続されている上
記(12)のインピーダンス素子。
【0019】なお、CoがMeで置換されている場合、
上記比率算出の際に、CoOはCoO+MeO(Meを
MeOに換算)として考える。
【0020】本発明において、CoOの好ましい比率は
8.85〜13モル%であり、SiO2の好ましい比率
は0.032重量%〜5重量%、より好ましい比率は
0.05〜5重量%であり、PbOの好ましい比率は
0.048〜10重量%、より好ましい比率は0.1〜
10重量%である。
【0021】また、 MeO/(CoO+MeO)≦30モル% であることが好ましい。MeによるCoの置換率が高す
ぎると、共鳴周波数の低下により透磁率の周波数特性が
悪くなり、スピネル型フェライトと同等になってしまう
ため、好ましくない。
【0022】
【作用および効果】本発明の六方晶Z型磁性酸化物焼結
体は、M(MはBaおよびSrの少なくとも1種)、C
o、FeおよびOを主成分とし、副成分としてSiおよ
びO、またはSi、PbおよびOを含有する。このよう
な副成分を含有することにより、比抵抗を106Ω・cm
以上にできると共に、焼結体密度を4.6g/cm3以上
にできる。また、初透磁率は、5〜25と十分な値が得
られる。このため、本発明の六方晶Z型磁性酸化物焼結
体をインピーダンス素子に適用すれば、高周波、例えば
500MHz以上での使用が可能で、かつ機械的強度の高
いインピーダンス素子が実現する。なお、使用周波数範
囲の上限は特にないが、組成を選択することにより、通
常、4〜5GHz程度まで使用可能である。
【0023】ところで、本願の基礎出願の出願前に出願
され、前記基礎出願の出願後に公開された、本発明者ら
による特願平7−263391号(特開平9−1104
32号公報)には、Fe、Co、M(MはBa、Sr、
Pbの少なくとも1種)、Si、CaおよびOを含有す
るZ型六方晶系酸化物磁性材料が記載されている。この
磁性材料は、本発明の酸化物焼結体とは異なりCaを含
むが、Siを含む点と、Pbを添加してもよい点では本
発明の酸化物焼結体に類似する。しかし、上記特願平7
−263391号の実施例では、SiO2をFe23
の主成分酸化物原料に混合し、得られた混合物を仮焼成
した後、本焼成している。このように本焼成前にSiO
2を添加すると、SiO2は比抵抗向上にほとんど寄与し
ない。このため、Fe3+の還元によるFe2+の生成を防
いで比抵抗を高くするために、高酸素分圧雰囲気中で焼
成する必要がある。上記特願平7−263391号の実
施例には、酸素分圧20〜100%の雰囲気で焼成する
旨の記載があるが、実際には酸素100%で焼成してお
り、また、実際に高酸素分圧雰囲気で焼成しないと、1
6Ω・cm以上の高比抵抗は実現できない。
【0024】また、上記特願平7−263391号にお
けるPbは、主成分酸化物を構成するBaやSrの少な
くとも一部を置換する元素として扱われており、一方、
本発明におけるPbは、副成分酸化物構成元素である。
したがって、上記特願平7−263391号では、主成
分酸化物原料としてのPbOを混合した後に、仮焼成す
る。仮焼前に添加されたPbOは、比抵抗向上にほとん
ど寄与しないため、比抵抗向上のためにはやはり高酸素
分圧雰囲気中で焼成する必要がある。
【0025】これに対し本発明の好ましい態様では、主
成分酸化物原料を仮焼成した後、SiO2、またはこれ
とPbOとを添加し、次いで本焼成する。このように仮
焼成後に副成分酸化物原料を添加すると、空気中で仮焼
成および本焼成を行っても、106Ω・cm以上の高比抵
抗が実現できる。その理由は明確ではないが、副成分酸
化物の原料としてSiO2やこれとPbOとを含有する
ガラスを用いた場合に、空気中で焼成しても高比抵抗が
得られることから、SiO2、またはSiO2とPbOと
が本焼成時にガラス化することにより、焼結体の比抵抗
を高めていると考えられる。
【0026】また、CaOを添加すると、空気中で焼成
した場合に比抵抗が低くなってしまうので、本発明では
CaOを添加していないが、上記特願平7−26339
1号ではCaOを添加しているので、この点でも空気中
での焼成は不適である。
【0027】なお、本発明の効果、特に比抵抗向上効果
は、副成分酸化物がSiおよびPbの両者を含むときに
特に高くなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0029】酸化物磁性材料が表1に示す割合となるよ
う、Fe23、Co34、BaCO3、SrCO3等の原
料酸化物または原料炭酸塩を秤量し、ボールミルで湿式
混合を行った。
【0030】次に、ボールミルにて混合した材料を表1
に示す温度で空気中において仮焼成し、その後ボールミ
ルにて湿式粉砕した。ここで、さらにSiO2、PbO
を加え、作製した材料にバインダー等を加えてトロイダ
ル状に成形し、表1に示す温度で空気中において本焼成
した。
【0031】なお、本実施例では、仮焼成後の湿式粉砕
後にSiO2およびPbOを添加しているが、配合時に
同時に加えてもよい。ただし、本実施例のように、仮焼
成後にSiO2、PbOを添加すれば、空気中で焼成し
た場合でも容易に高比抵抗が得られるので、好ましい。
【0032】このようにして得られた各実施例の試料に
ついて100kHzにおける初透磁率、焼結体密度、比抵
抗を測定し、その結果を表2に示した。
【0033】ここで、初透磁率の測定は、トロイダル状
に成形した試料に巻線を施し、JISC 2561に示されてい
るインダクタンス法にてLCRメータを用い測定した。
【0034】焼結体の密度は、外形寸法をノギスにて測
定し体積を算出した後、重量を測定することによって算
出した。
【0035】比抵抗は、ディスク状に成形した試料の端
面にIn−Ga電極を施し、絶縁抵抗計にて絶縁抵抗を
測定して、試料の外形寸法から算出した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表2からわかるように、本発明の実施例で
あるNo.1〜24の試料は、焼結体密度が、酸化物磁性
体として十分な強度が得られる4.7g/cm3以上であ
りながら、比抵抗についても107Ω・cm以上の値を有
しており、比較例であるNo.51〜53と比べてインピ
ーダンス素子として十分満足できる性能を有している。
【0039】No.1〜24の試料では、PbおよびSi
を含有させるためにPbOおよびSiO2を用いたが、
SiO2の代替としてタルク[Mg2Si410(O
H)2]を用いてもよく、PbOとSiO2とを主成分と
して含有するガラス粉末を用いてもよい。ガラス粉末
は、実質的にこれら主成分だけから構成されていてもよ
いが、他の酸化物、例えばAl23、ZrO2、Ca
O、ZnO、K2O、Na2O等の少なくとも1種が含有
されていてもよい。
【0040】No.25、26の試料は、PbOとSiO2
とを合計で88重量%含有し、PbO:SiO2(重量
比)が6:4であるガラス粉末を用いたものである。表
1に示すこれらの試料のPbO含有率とSiO2含有率
とは、ガラス組成から換算したものである。No.25の
試料は、焼結体密度が、酸化物磁性体として十分な強度
が得られる4.7g/cm3以上でありながら、比抵抗に
ついても107Ω・cm以上の値を示しており、ガラス粉
末を用いた場合でも他の実施例試料と同等の特性が得ら
れることがわかる。また、No.26の試料は、焼結体密
度および比抵抗がNo.25の試料に比べやや低くなって
いるが、実用上十分な特性が得られている。
【0041】すなわち、表1および表2から、本発明の
六方晶Z型磁性酸化物焼結体が、高比抵抗であって、か
つ高密度であることが要求されるインピーダンス素子材
料に好適であることがわかる。
【0042】本発明の六方晶Z型磁性酸化物焼結体は、
各種構造のインピーダンス素子に適用することができる
が、特に、図1に例示する構造のインピーダンス素子に
好適である。
【0043】次に、本発明の実施例であるNo.1および
2の試料を用いて、図1に示すような形状のインピーダ
ンス素子を作製した。
【0044】図1に示すインピーダンス素子は、上記表
1に示すNo.1またはNo.2の材料から構成されるチップ
状のフェライト素体1に、その第1面からこれと相対向
する第2面へと貫通する2つの貫通孔2a、2bを設
け、これらの貫通孔2a、2bの内部に、それぞれ内部
導体3a、3bを形成し、また、フェライト素体1の表
面に、一対の端子電極5a、5bと、導電路4a、4
b、4cとを設けたものである。一対の端子電極は、内
部導体を介して直列に接続され、また、内部導体同士も
直列に接続される。図示例では、端子電極5aと内部導
体3aとが導電路4aにより、内部導体3aと内部導体
3bとが導電路4bにより、端子電極5bと内部導体3
bとが導電路4cにより接続されている。導電路4a、
4b、4cおよび端子電極5a、5bは、第1層が銅、
第2層がニッケル、第3層が錫である3層からなる積層
体によって形成されている。この構成では、内部導体3
a、3bによって生じる磁束は、互いに反対方向となっ
て打ち消しあうようになっている。
【0045】このような構造のインピーダンス素子を、
縦1.6mm、横3.2mm、高さ1.1mmとなるよう作製
し、インピーダンスの周波数特性の測定をした結果を図
2(a)に示し、また、縦3.2mm、横4.5mm、高さ
1.6mmとなるよう作製し、インピーダンスの周波数特
性の測定をした結果を図2(b)に示す。なお、試料N
o.1を用いた素子の特性は各図に「No.1」として示
し、No.2を用いた素子の特性は各図に「No.2」として
示してある。
【0046】また、フェライト素体1に、従来からイン
ピーダンス素子に使用されてきた材料であるNi系スピ
ネル型フェライトを用い、このほかは上記各インピーダ
ンス素子と同様にして比較用インピーダンス素子を作製
した。この比較用インピーダンス素子についても周波数
特性の測定を行った。この測定の結果は、図2(a)お
よび図2(b)に、「従来製品」として併記してある。
【0047】図2(a)および図2(b)から、本発明
の六方晶Z型磁性酸化物焼結体を用いたインピーダンス
素子は、従来のNi系スピネル型フェライトを用いたも
のに比べ、比較的低周波数領域では低インピーダンスで
あるが、比較的高周波数領域で急峻にインピーダンス値
が増加することがわかる。この結果から、本発明のイン
ピーダンス素子は、高周波数領域におけるノイズ対策製
品として非常に適した特性を有することがわかる。
【0048】インピーダンス素子の構造および寸法は、
本実施例に限定されるものでないことは言うまでもな
く、たとえばフェライト素体に形成する貫通孔の数が1
個であっても3個以上であってもよく、外形寸法も縦
2.5mm、横3.2mm、高さ1.3mm、あるいは縦1.
2mm、横2.0mm、高さ0.9mmなど、任意のものであ
ってよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインピーダンス素子の構成例を示す斜
視図である。
【図2】(a)および(b)は、本発明のインピーダン
ス素子の周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フェライト素体 2a、2b 貫通孔 3a、3b 内部導体 4a、4b、4c 導電路 5a、5b 端子電極

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M(MはBaおよびSrの少なくとも1
    種)、CoおよびFeを含む主成分酸化物と、Siを含
    む副成分酸化物とを含有し、比抵抗が106Ω・cm以上
    であり、焼結体密度が4.6g/cm3以上であって、初
    透磁率が5〜25である六方晶Z型磁性酸化物焼結体。
  2. 【請求項2】 副成分酸化物がPbを含む請求項1の六
    方晶Z型磁性酸化物焼結体。
  3. 【請求項3】 主成分酸化物中のFe、MおよびCoを
    それぞれFe23、MOおよびCoOに換算し、これら
    の合計(Fe23+MO+CoO)に対する比率を求め
    たとき、 Fe23の比率が68〜74モル%、 MOの比率が15〜22モル%、 CoOの比率が4〜13モル%であり、 副成分酸化物中のSiをSiO2に換算し、主成分酸化
    物(Fe23+MO+CoO)に対する比率を求めたと
    き、 SiO2の比率が0.02〜5重量%である請求項1の
    六方晶Z型磁性酸化物焼結体。
  4. 【請求項4】 副成分酸化物がPbを含有し、副成分酸
    化物中のPbをPbOに換算し、主成分酸化物(Fe2
    3+MO+CoO)に対する比率を求めたとき、 PbOの比率が0.04〜10重量%である請求項3の
    六方晶Z型磁性酸化物焼結体。
  5. 【請求項5】 Coの一部がMe(MeはNi、Znお
    よびCuの少なくとも1種)で置換されている請求項1
    〜4のいずれかの六方晶Z型磁性酸化物焼結体。
  6. 【請求項6】 空気中において本焼成することにより製
    造された請求項1〜5のいずれかの六方晶Z型磁性酸化
    物焼結体。
  7. 【請求項7】 前記主成分酸化物の原料を仮焼成し、得
    られた仮焼物に前記副成分酸化物の原料を添加した後、
    本焼成を行うことにより製造された請求項1〜6のいず
    れかの六方晶Z型磁性酸化物焼結体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかの六方晶Z型磁
    性酸化物焼結体を製造する際に、空気中において本焼成
    を行う六方晶Z型磁性酸化物焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記主成分酸化物の原料を仮焼成し、得
    られた仮焼物に前記副成分酸化物の原料を添加した後、
    本焼成を行う請求項8の六方晶Z型磁性酸化物焼結体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記副成分酸化物の原料として、ガラ
    スを用いる請求項8または9の六方晶Z型磁性酸化物焼
    結体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれかの六方晶Z型
    磁性酸化物焼結体を用いたインピーダンス素子。
  12. 【請求項12】 チップ状のフェライト素体と、このフ
    ェライト素体の第1面からこの第1面と相対向する第2
    面へと貫通する少なくとも1個の貫通孔と、この貫通孔
    内に形成された内部導体と、前記フェライト素体表面に
    形成された一対の端子電極とを有し、前記一対の端子電
    極が、前記内部導体を介して直列に接続されているイン
    ピーダンス素子であって、 前記フェライト素体が請求項1〜7のいずれかの六方晶
    Z型磁性酸化物焼結体から構成されている請求項11の
    インピーダンス素子。
  13. 【請求項13】 内部導体が形成された前記貫通孔が少
    なくとも2個存在し、内部導体同士が直列に接続されて
    いる請求項12のインピーダンス素子。
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