JPH1094217A - 半径方向力を発生する永久磁石形回転電気機械の制御システム - Google Patents

半径方向力を発生する永久磁石形回転電気機械の制御システム

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JPH1094217A
JPH1094217A JP8263571A JP26357196A JPH1094217A JP H1094217 A JPH1094217 A JP H1094217A JP 8263571 A JP8263571 A JP 8263571A JP 26357196 A JP26357196 A JP 26357196A JP H1094217 A JPH1094217 A JP H1094217A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷運転時、或いは過度状態等においても、
トルクを発生するための電流により生じる磁束が、半径
方向力に影響することなく、安定に運転が可能な永久磁
石型回転電気機械の制御システムを提供する。 【解決手段】 永久磁石形回転電気機械の固定子に、p
極の巻線と、p±2極の追加巻線とを備え、主軸の半径
方向位置を検出して、主軸の半径方向位置が指令値と一
致するように、極数が異なる巻線にそれぞれ電流を供給
して半径方向力を発生させる、非干渉制御器を含む回転
電気機械のフィードバック制御システムにおいて、非干
渉制御器で磁束の方向を推定すべく、回転電気機械に流
れる電流を検出し、この検出値を3相2相変換し、この
電流を回転座標に変換することにより、電流のd軸成分
とq軸成分を検出し、さらに、あらかじめ推定された永
久磁石の等価電流値とから、電流ベクトルの大きさとそ
の回転角度、あるいは磁束ベクトルの大きさとその回転
角度を演算し、非干渉制御器に信号として伝送し、負荷
時においても、過渡時においても速度制御系と、半径方
向位置制御系を非干渉化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力により回転
子に半径方向力を発生して、半径方向位置を制御する機
能、あるいは、半径方向の力を制御する機能、あるいは
半径方向の速度を制御する機能、あるいは軸方向の力と
半径方向の力を同時に制御する機能を付加した電動機、
あるいは発電機のシステムの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械、ターボ分子ポンプ、フライホ
イールなどに用いられる回転機の高速、高出力化の要求
が高まっている。これらの高速機では軸受での速度限界
や保守などの問題を解決するために磁気軸受が適用され
つつある。磁気軸受のサイズは充分な力を発生させるた
めに大きくなる傾向にあり、実際、回転機の軸長に等し
い場合もある。従って、主軸の軸長が長くなり、高速回
転時に生じる主軸の弾性的な振動が問題となってしま
い、高速回転を実現することは容易ではない。さらに、
高出力化しようとすると回転機の軸長を長くする必要が
ある。すると、回転電気機械が発生する磁気吸引力が増
加するため、磁気軸受のサイズも大形とする必要があ
る。この結果、危険速度が低下してしまい、高速化が極
めて困難となる。
【0003】半径方向位置制御巻線付き回転電気機械
は、回転機の磁気回路と、半径方向の力を発生する磁気
回路とを一体化することにより軸長を短くして、高速高
出力を実現するものである。さらに、回転子の位置制御
に必要な半径方向の力を回転機の励磁磁束を利用して発
生するものである。
【0004】図2は、本発明者等が既に提案した半径方
向位置制御巻線付き回転電気機械の構成図を示してい
る。半径方向位置制御巻線付き回転電気機械の1つのユ
ニットが2つあり、1つのユニットには半径方向位置制
御巻線付き回転電気機械の半径方向位置制御巻線電流制
御用の3相インバータが接続されている。2つの半径方
向位置制御巻線付き回転電気機械のユニットは電動機と
してトルクを発生させるための4極巻線と、回転子の半
径方向の力を発生させるための2極の巻線が巻かれてい
る。このように1台の機械でトルクと半径方向の力が発
生できるため、一般の磁気軸受付きの超高速電動機に比
べて軸長が短くでき、また、軸長が同一であれば高出力
化が期待できる。
【0005】既に、いくつかの半径方向位置制御巻線付
き回転電気機械が提案されている。例えば、Bosch, R.,
"Development of a Bearingless Electric Motor", Pr
oc.of ICEM'88 vol.3, pp.331-335 では、励磁磁束を
変化することにより軸方向に作用する力を発生して、デ
ィスク形電動機の軸方向位置を調整しようとしている。
ディスク形の回転機には応用可能と思われるが、広く用
いられているラジアル形の回転機には応用が難しい。
【0006】一方、Salazar, A.O., Dunford, W., Step
han, R. and Watanabe, E., "A Magnetic Bearing Syst
em using Capacitive Sensors for Position Measureme
nt",IEEE Trans. on Magnetics vol.26, no.5, 1990 p
p.2541-2543 では、一般の誘導電動機の巻線電流を不均
衡にすることにより、半径方向の力を発生して回転子の
半径方向の位置を制御しようとするものである。しか
し、回転子が中心に位置しているときには原理的に半径
方向力が発生できないという問題点がある。
【0007】樋口「磁気浮上技術のFAへの応用」平成元
年電気学会全国大会シンポジウムS.9-6、特開昭64−
55031号公報は、従来の磁気軸受の磁路とステッピ
ングモータの磁路を単に共有するものであり、低速のア
クチュエータに適している。しかし、構造上、極数がき
わめて大きい必要があるため、高速回転、高出力の応用
には適していない。さらに、高出力な発電機、誘導機、
永久磁石形電動機などに多く用いられる正弦波状の起磁
力分布、磁束分布を持つ回転機に応用することは難し
い。
【0008】極数を減少するとともに、従来の誘導機や
永久磁石形回転機に近い構造を提案したものとして、特
開平4−236188号公報、特開平4−107318
号公報がある。特開平4−236188号公報では、4
相のスイッチドリラクタンス機の固定子鉄心のような、
8個の歯を構成した固定子に4極の集中巻線を施し、こ
れを各磁極で分割し、各磁極の磁束を独立に制御するも
のである。回転磁界を発生するとともに、各磁極の磁束
の強弱により半径方向力を発生することもできる。
【0009】特開平4−107318号公報も同様の鉄
心構造となっているが、巻線を分布巻きとして、より正
弦波分布に近い起磁力分布とした点に特徴がある。しか
し、これらの公報では、4分割した巻線を個々に駆動す
るため、直交2軸の半径方向力とトルクを発生する1つ
のユニットで、2相巻線であれば8台の単相インバータ
と16本の配線が必要となってしまう。さらに、半径方
向力制御とトルク制御が同一の巻線電流によって行われ
るため、極めて高速かつ高精度大容量の電流駆動器が必
要となってしまう。
【0010】本発明者等は既に、電気学会、あるいは米
国電気学会(IEEE)などで、4極の回転機に2極の
巻線を施した回転電気機械が半径方向力を発生できるこ
とを報告している。この中では、4極の回転磁界形シン
クロナスリラクタンス機に2極の巻線を固定子に追加す
ることにより、積極的に回転磁界を不平衡として半径方
向力をトルクとともに発生する、新しい半径方向位置制
御巻線付き回転電気機械を提案している。さらに、永久
磁石形回転子を用いた半径方向位置制御巻線付き回転電
気機械の解析手法、モデル化の方法、最適な回転子構造
などを報告している。
【0011】本発明者等が提案している方式の特長は、
次の通りである。 (1)直交2軸の半径方向力と、トルクを発生するため
に、3相巻線であれば6本の配線と2台の3相インバー
タだけで済む。 (2)半径方向力を発生する巻線とトルクを発生する巻
線が分離しているため、半径方向力制御用インバータあ
るいはパワーアンプは小電力容量で済む。 (3)4極と2極の巻線を用いているため、回転子が中
心に位置していれば相互結合が0となり、電動機の誘起
電圧が半径方向力制御巻線に生じない。 (4)誘導機、永久磁石形同期機、シンクロナスリラク
タンスモータなどの正弦波起磁力分布、正弦波磁束分布
を仮定した高出力回転機に広く応用できる。
【0012】図3は回転子の半径方向に作用する力の発
生原理を示している。4極巻線N4、2極巻線N2、が
固定子に施され、4極磁束Ψ4、2極磁束Ψ2、が発生
している。固定子にはトルクを発生するための4極巻線
N4が施されている。いま、回転子が固定子の中心に位
置している場合、この4極巻線N4に正方向の電流が流
れると4極の対称磁束Ψ4が発生する。
【0013】4極のN4巻線とこれに直交する4極巻線
に二相交流電流を流すことにより、4極の回転磁界が発
生する。あるいは既に報告しているように3相巻線であ
ってもよい。回転子にかご形巻線が施してあれば、通常
のかご形誘導機として回転子にトルクが発生する。ま
た、4極の永久磁石回転子であれば通常の永久磁石形電
動機としてトルクを発生する。固定子には通常の電動機
巻線としての役割を果たす4極巻線に加えて、回転子の
半径方向に作用する力を発生するための2極の巻線N2
も施されている。N2巻線の正方向に電流を流すと2極
の磁束Ψ2が発生する。
【0014】回転子の紙面下部のギャップでは、4極の
巻線の電流による磁束の方向が2極の巻線の磁束の方向
と逆である。従って、このギャップでは磁束密度が低下
する。一方、回転子の紙面上部のギャップでは、4極の
磁束の方向と2極の磁束の方向が一致してるため磁束密
度は増加する。このように磁束分布が不平衡になると回
転子に紙面上方向へ作用する半径方向の力Fが生じる。
この半径方向の力Fの大きさは2極巻線を流れる電流の
大きさを制御することにより調整できる。また、半径方
向の力Fの方向を逆にするためには、2極巻線の電流の
方向を反転すればよい。
【0015】一方、紙面横方向の力Fを発生するために
は、N2巻線と直交する2極巻線を施し、その電流を調
整すればよい。このように直交した2極巻線の電流の大
きさ、方向を調整することにより所望の大きさ、方向の
半径方向の力を発生できる。図2では4極巻線を電動機
駆動、2極巻線を半径方向位置制御に用いているが、4
極巻線を半径方向位置制御に、2極巻線を電動機駆動に
用いることも可能である。
【0016】このような固定子に4極、2極の巻線を施
す形式の半径方向位置制御巻線付き回転電気機械を提案
したのは、1970年代に特許文献"Radial Active Mag
netic Bearing Having a Rotating Drive", Patent Spe
cification 1 500 809, 1975にあるものが本発明者等の
知る限りでは最初である。しかし、当時は半導体電力変
換回路が高価であり、また、高速な電流制御が困難であ
った。さらに、複雑な演算を行うデジタルコントローラ
が未発達であり、電動機のベクトル制御などはきわめて
難しく、瞬時磁束、瞬時トルク分電流の制御は不可能で
あった。その後、本発明者等は特開平2−193547
号公報に示すように、その後発展したデジタル制御器、
半導体電流変換装置、電動機のベクトル制御理論を組み
合わせることにより、詳細なモデル化とそのモデルに基
づく制御則を適用することにより、この種の回転電気機
械を技術的に可能とした。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】永久磁石形の半径方向
位置制御巻線付き回転電気機械を制御する際に、きわめ
て高速である、あるいは極めて大容量であるなどの理由
からベクトル制御が困難な場合がある。このような場
合、トルクを発生するための巻線電流により生じる磁束
のレベルが、負荷や運転状態に依存して変動する。する
と、発生する半径方向力はこの磁束変動の影響を直接受
ける。この結果、半径方向の位置制御が困難となるおそ
れがある。
【0018】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、負荷運転時、或いは過度状態等においても、トル
クを発生するための電流により生じる磁束が、半径方向
力に影響することなく、安定に運転が可能な永久磁石型
回転電気機械の制御システムを提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明の永久磁石型回転電気機械の制御システム
は、永久磁石形回転電気機械の固定子に、p極の巻線
と、p±2極の追加巻線とを備え、主軸の半径方向位置
を検出して、該主軸の半径方向位置が指令値と一致する
ように、前記極数が異なる巻線にそれぞれ電流を供給し
て半径方向力を発生させる、非干渉制御器を含む回転電
気機械のフィードバック制御システムにおいて、前記非
干渉制御器で磁束の方向を推定すべく、前記回転電気機
械に流れる電流を検出し、この検出値を3相2相変換
し、この電流を回転座標に変換することにより、電流の
d軸成分とq軸成分を検出し、さらに、あらかじめ推定
された永久磁石の等価電流値とから、電流ベクトルの大
きさとその回転角度、あるいは磁束ベクトルの大きさと
その回転角度を演算し、前記非干渉制御器に信号として
伝送し、負荷時においても、過渡時においても速度制御
系と、半径方向位置制御系を非干渉化することを特徴と
した。
【0020】又、永久磁石形回転電気機械の固定子に、
p極の巻線と、p±2極の追加巻線とを備え、主軸の半
径方向位置を検出して、該主軸の半径方向位置が指令値
と一致するように、前記極数が異なる巻線にそれぞれ電
流を供給して半径方向力を発生させる、非干渉制御器を
含む回転電気機械のフィードバック制御システムにおい
て、前記非干渉制御器で磁束の方向を推定すべく、回転
電気機械に流れる電流と端子電圧を検出し、この検出値
を3相2相変換し、この電圧電流を回転座標に変換する
ことにより、電圧、電流のd軸成分とq軸成分を検出
し、あらかじめ導出された回転電気機械の電圧電流方程
式と比較し、方程式との誤差を検出して回転子角度にフ
ィードバックする機能を備え、さらに、電流ベクトルの
大きさとその回転角度、あるいは磁束ベクトルの大きさ
とその回転角度を演算し、前記非干渉制御器に信号とし
て伝送し、負荷時においても、過渡時においても速度制
御系と、半径方向位置制御系を非干渉化することを特徴
とした。
【0021】
【発明の実施の形態】図4は、半径方向力を発生する電
気回転機械の直流機等価モデルを示している。図4の直
流機モデルでは、4極の界磁巻線Nd が突極状の固定子
に施されている。また、4極の電機子巻線Nq が回転子
に施されている。ここで、Nq はブラシを通して通電さ
れており、回転子が回転しても固定子に対して移動しな
い。Nd 巻線に電流を流すことにより界磁磁束Ψd を発
生する。この界磁磁束とNq 巻線電流によりトルクが発
生して回転子は回転する。
【0022】電気回転機械として半径方向力を発生する
ために、2極の直交巻線Nx、Nyも電機子に施されてい
る。Nx、Nyはブラシを通して給電されており、回転子
が回転しても固定子に対して位置は移動しない。いま、
固定子に固定した直交2軸x、yをとる。Nx、Ny巻線
に正方向の電流を流すと、それぞれx、y方向の起磁力
が発生する。Nx巻線に正方向の電流を流すと図4に示
すように2極の磁束Ψxが発生する。このΨxの方向は、
極1ではΨdと逆方向、極3ではΨdと等しい方向であ
る。即ち、極1では磁束密度が減少し、極3では磁束密
度が増加する。この結果、回転子にはx軸負方向に作用
する半径方向力が発生する。
【0023】一方、Nx巻線に負方向の電流が流れる
と、磁束Ψxの方向が反対方向となり、極1で磁束密度
が増加し、極3で磁束密度が減少する。この結果、回転
子にはx軸正方向に作用する力が発生する。y軸方向の
半径方向力はNx巻線に電流を流すことにより発生でき
る。Ny巻線に正方向の電流が流れると、回転子にy軸
正方向に作用する半径方向力が発生する。一方、Ny巻
線に負方向の電流が流れると、回転子にy軸負方向の半
径方向力が発生する。
【0024】このように、直交2軸x、yの正負両方向
の半径方向力が発生可能である。Nx、Ny巻線に流れる
電流の大きさを調整することにより、x、y軸方向の半
径方向力の大きさを調整できる。そこで、Nx、Ny巻線
電流の方向と大きさを調整することにより、所望の方
向、大きさの半径方向力を発生することが可能である。
【0025】[インダクタンス行列と半径方向力]既に示
した図4の直流機モデルから、インダクタンス行列を求
め、半径方向力を導出することが可能である。この際、
半径方向力は磁気蓄積エネルギーの半径方向位置に対す
る偏微分として求めることができる。そこで、固定子の
中心位置を基準として、回転子中心位置を直交2軸座標
系x、yで表す必要がある。さらに、このx、yを用い
てインダクタンス行列を表す必要がある。
【0026】いま、Nd、Nq、Nx、Nyの各巻線の電流
をそれぞれid、iq、ix、iyとして、各巻線の磁束鎖
交数をそれぞれΨd、Ψq、Ψx、Ψyとし、d、q軸のイ
ンダクタンスをLd、Lq、Nx、Ny巻線の自己インダク
タンスをL2とすると、
【0027】
【数1】 である。ここで、Md’、Mq’はそれぞれd軸方向、
q軸方向の4極と2極の巻線の相互インダクタンスの半
径方向位置x、yに対する偏微分値である。
【0028】(1)式より、この回転機に蓄積されるエ
ネルギーWmは、
【数2】 である。
【0029】x軸方向、y軸方向の半径方向力Fx、Fy
は、回転機が線形であると仮定すれば、磁気エネルギー
をそれぞれx方向、y方向に偏微分したものである。即
ち、
【数3】 である。
【0030】(3)式に(2)式を代入し、計算すると
以下の結果が得られる。
【数4】 即ち、半径方向力はixとiyの線形結合で表される。
(4)式から以下の点が明らかである。
【0031】(1)電機子反作用が小さければMq’i
qの非対角要素が小さく簡単化できる。この際、Fx、
Fyはそれぞれix、iyに比例する。その係数はMd’i
dである。永久磁石形の電動機であれば、idは永久磁石
と界磁電流成分による界磁磁束を形成する電流成分であ
る。また、誘導電動機やシンクロナスリラクタンス機で
あれば、idは励磁電流である。従って、電動機の励磁
磁束を有効に利用して半径方向力を発生することが明ら
かである。 (2)電機子反作用が生じる場合にはx、y間に干渉が
生じる。しかし、 id=iq=0 である特殊な場合をのぞき、(4)式の2×2行列には
逆行列が存在する。このため、制御系であらかじめ逆行
列を構成することにより非干渉化する必要がある。 (3)逆突極形の回転機では、非対角要素が大きくな
り、トルク電流iqとの相互作用で大きな半径方向力が
発生する。 (4)円筒形の回転機では、Md’=Mq’であり、
(4)式は簡単化できる。
【0032】[ACマシン]図5は、既に示した図4の直
流機モデルを永久磁石形同期機で実現した回転機の一例
を示している。回転機の固定子には24のスロットがあ
り、3相の4極巻線U4、V4、W4、3相の2極巻線U
2、V2、W2が施されている。U4、V4、W4はNd、Nq
巻線に対応し、U2、V2、W2はNx、Ny巻線に対応す
る。各巻線に流れる電流をこれらの巻線の添え字を施し
てiu4、iv4、iw4、iu2、iv2、iw2とする。固定子
に固定した直交2軸α、βを定義する。回転子は4極の
突極状であり、永久磁石、界磁巻線あるいはU4、V4、
W4の励磁電流成分により図示する極性に着磁されてお
り、時計回りに回転する。この回転子に固定した回転座
標系の直交2軸x、yが描かれている。このx、y軸は
図4のx、y軸に対応している。いま、α、β軸方向の
半径方向力をFα、Fβとする。回転子の回転方向を時
計回りとし、y軸とβ軸の回転角度をφとする。図はφ
=30°での回転子と固定子の位置を示している。
【0033】一方、2相機のモデルを想定することがで
きる。4極2相巻線a、bと2極の2相巻線α、βが施
されているとする。x、y軸は図4のx、y軸に対応す
る回転座標系であり、α、β軸はそれぞれα、β巻線の
起磁力方向を示すとする。すると、直流回転機モデル
と、交流回転機モデルには以下の関係がある。まず、半
径方向力については、回転角φに対する回転座標変換を
行えばよいので、
【0034】
【数5】 である。
【0035】次に、電動機の電流について考える。ま
ず、回転座標軸上での直流機モデルの電流id、iqを2
相軸の固定座標系に変換した量をia、ibと定義する。
即ち、
【数6】 と定義する。
【0036】すると、ia、ibは2相モデルの巻線a、
bの正方向の電流である。さらに、4極巻線の電流は、
この2相軸の巻線電流を2相3相変換したものであるか
ら、
【数7】 ここで、[C32]は2相3相変換行列であり、
【数8】 である。
【0037】一方、2極の半径方向力を発生する巻線
は、既に示した回転座標軸上の直流機モデルの電流i
z、iyを、固定子に固定した2相軸上の2極巻線電流i
α、iβに変換する。ここで、iα、iβはそれぞれに
示すα、β巻線の電流である。このとき、iα、iβが
正であれば、α、β軸方向の起磁力が発生する。このi
α、iβは、ix、iyを用いて、(5)式の2×2行
列の逆行列を用いて、
【数9】 さらに、4極電流と同様に2相3相変換の行列を用い
て、
【数10】 となる。
【0038】以上のように3相機は2相機に等価である
ので、以下では、実用的な3相機について延べる。
【0039】図6は、フィードフォワードによる制御シ
ステムの構成を示している。ベクトル制御系では、速度
ループなどによって決定するトルク指令値τ*を入力と
し、速度などに応じて決定する励磁電流指令値id*、ト
ルク電流指令値iq*、磁束角度方向φを決定する。
(6)式を(7)式右辺に代入する。さらに、右肩に*
で示した変数を制御系内の指令値とすれば、
【数11】 となる。ベクトル制御のブロックは、この式に基づいて
電流指令値iu4*、iv4*、iw4*を発生する。さらに、
4極の巻線電流は電流指令値に基づいて電流制御される
インバータにより、指令値と一致するように制御され
る。
【0040】一方、半径方向の位置制御は以下のように
行われる。主軸の半径方向位置α、βは変位センサによ
り検出され、指令値α*、β*と比較される。比例、微
分、積分(PID)コントローラは主軸半径方向位置を
中心に戻すための半径方向力指令値Fα*、Fβ*を発生
する。この固定子軸上の半径方向力の指令値は、回転座
標系x、yに変換される。即ち、(5)式の演算が指令
値について行われる。
【数12】
【0041】さらに、この回転座標軸上の半径方向力の
指令値Fx*、Fy*に基づいて(4)式を逆に解いて回
転座標軸上の電流の指令値を、
【数13】 と決定する。
【0042】この回転座標軸上の半径方向力発生巻線の
電流指令値ix*、iy*は、(9)式に基づいて固定子座
標軸上へ変換され、さらに、(10)式に基づいて3相
軸上に変換される。(12)式以降の変換をまとめる
と、半径方向力発生巻線の3相電流指令値iu2*、iv
2*、iw2*は、固定子座標軸上の半径方向力の指令値か
ら以下の式により求められる。
【0043】
【数14】
【0044】この指令値に基づいて電流指令値iu2*
iv2*、iw*を発生する。2極3相巻線はこの指令値に
基づいて運転される電流制御形インバータに接続されて
いる。
【0045】[制御システムの構成]図6は、電動機駆
動系がベクトル制御され、磁束の回転角度、d、q軸の
電流値が制御系内で明らかである場合のシステムの構成
であった。ベクトル制御では、磁束フィードフォワード
形、磁束フィードバック形があり、いづれの場合も磁束
の角度、d、q軸の電流値が明らかである。
【0046】一方、電動機駆動に汎用のインバータを用
いるような場合、あるいは、極めて高速であり瞬時電流
を制御することが困難である場合、PWMインバータの
適用が困難である場合もある。このような場合は、ベク
トル制御の適用が困難である。また、回転機が電動機で
はなく発電機として用いられる場合、簡単なダイオード
整流器などが接続される場合がある。このような場合、
回転機をフィードフォワード制御することは不可能であ
る。そこで、半径方向位置制御系自体が磁束方向、d、
q軸電流を検出して非干渉化する必要がある。
【0047】図1は半径方向位置制御系が、ロータリー
エンコーダの出力、電動機巻線電流などから磁束方向、
d、q軸電流を演算することにより検出する場合のシス
テム構成を示している。検出値を用いて、図6と同様な
手法で半径方向の位置制御を行っている。なお、電動機
の制御系は、要求される半径方向力が発生できる程度の
磁束レベルを保つ必要がある。
【0048】電機子反作用が生じる永久磁石形の円筒機
では、電機子反作用の影響をあらかじめ考慮する必要が
ある。図7は電機子反作用に対して、半径方向の位置制
御系を非干渉化する手法を示している。いま、電機子電
流のd軸成分をid、q軸成分をiqとする。(14)式
のd軸電流は、idと永久磁石のd軸電流等価換算分ip
の和ip+idとなる。いま、 idm=id+ip とすると、idmはd軸磁束を形成するd軸電流ベクトル
である。一方、iqによりq軸磁束が発生する。円筒機
であるので、d軸、q軸磁束により形成される磁束ベク
トルの大きさは、 id’=(idm2+iq2(1/2) に比例し、その角度は 2θ=tan-1(iq/idm) だけd軸から傾く。即ち、電機子反作用により形成され
る磁束の大きさが増加し、角度がずれる。そこて、非干
渉化ブロックで、全体をid’で除し、位相を2θ増加
すればよい。
【0049】電機子反作用が発生しない場合は、永久磁
石のサーボモータで行われるように、d軸電流は0とな
る。また、q軸電流に起因し発生する磁束は0となるた
め、id、iqを検出する必要はなくなる。そこで、θ
=0であるので、図7は大きく簡単化することが可能と
なる。
【0050】図8は、回転機のトルクを発生する巻線の
電圧と電流を検出し、d軸電流とq軸電流、回転角を検
出するものである。まず、電流、電圧を検出して3相2
相変換し、2相軸上の電圧電流に変換する。さらに、
d、q軸に回転座標変換する。この際、回転座標変換に
は推定している回転子の回転角度を用いる。一方、あら
かじめ測定した回転機の電動機定数から電圧電流方程式
を導出する。この電圧電流方程式に電圧あるいは電流を
代入し、電流あるいは電圧を算出する。この電流あるい
は電圧を検出した電圧あるいは電流と比較する。この
際、誤差が発生するようであれば、誤差は回転子の回転
角度の推定値に起因するのであるから、回転角度の推定
値を修正する。このようなフィードバックにより、回転
角の推定値は実際の回転角度と常に一致する。このよう
にして、電圧電流からd、q軸の電圧、電流、回転子回
転角度を検出できる。そこで、図7と同様に制御するこ
とができる。
【0051】図9は、フィードバック形の発電機の構成
例を示す。トルク発生巻線に整流器が接続された点を除
いて図7と同等なシステム構成である。発電機として運
転する場合には、整流器により直流電力に変換してPC
電力として取出すこともできる。このようにしても、図
7と等しい原理で安定に浮上回転することが可能であ
る。また、図8に示したシステム構成でもよい。
【0052】尚、電流制御器としては、汎用インバー
タ、方形波インバータ、PAM制御インバータ、ダイオ
ード整流器などを用いることができ、これらにより安定
に浮上回転が可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
即ち、回転機とは極数が異なる追加巻線を施し、この巻
線に電流を流すことにより非接触である半径方向位置制
御系を持つ永久磁石形回転電気機械の制御システムに
て、過渡時、負荷時等の大きなトルク電流が流れた、或
いは変動した場合においても、安定に浮上制御が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のフィードバック形システム
の構成を示す図。
【図2】ユニット全体の構成例を示す図。
【図3】半径方向力の発生原理を示す図。
【図4】直流機モデルを示す図。
【図5】巻線配置の一例を示す図。
【図6】フィードフォワード形制御器の構成例を示す
図。
【図7】フィードバック形制御器の構成例を示す図。
【図8】フィードバック形制御器の電流検出を用いた構
成例を示す図。
【図9】フィードバック形のシステムの発電機の構成例
を示す図。
【符号の説明】
Ψ4 4極磁束 Ψ2 2極磁束 N4,Nd,Nq,U4,V4,W4 4極巻線(駆動巻
線) N2,Nx,Ny,U2,V2,W2 2極巻線(追加巻
線) F,Fx,Fy 半径方向力 id d軸電流 iq q軸電流 C 非干渉制御器 α,β 主軸の変位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 敏 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 大沢 将 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 佐藤 忠 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 深尾 正 神奈川県横浜市青葉区松風台24−45 (72)発明者 千葉 明 東京都新宿区下落合1−8−14落合マンシ ョン707

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石形回転電気機械の固定子に、p
    極の巻線と、p±2極の追加巻線とを備え、主軸の半径
    方向位置を検出して、該主軸の半径方向位置が指令値と
    一致するように、前記極数が異なる巻線にそれぞれ電流
    を供給して半径方向力を発生させる、非干渉制御器を含
    む回転電気機械のフィードバック制御システムにおい
    て、 前記非干渉制御器で磁束の方向を推定すべく、前記回転
    電気機械に流れる電流を検出し、この検出値を3相2相
    変換し、この電流を回転座標に変換することにより、電
    流のd軸成分とq軸成分を検出し、さらに、あらかじめ
    推定された永久磁石の等価電流値とから、電流ベクトル
    の大きさとその回転角度、あるいは磁束ベクトルの大き
    さとその回転角度を演算し、 前記非干渉制御器に信号として伝送し、負荷時において
    も、過渡時においても速度制御系と、半径方向位置制御
    系を非干渉化することを特徴とした制御システム。
  2. 【請求項2】 永久磁石形回転電気機械の固定子に、p
    極の巻線と、p±2極の追加巻線とを備え、主軸の半径
    方向位置を検出して、該主軸の半径方向位置が指令値と
    一致するように、前記極数が異なる巻線にそれぞれ電流
    を供給して半径方向力を発生させる、非干渉制御器を含
    む回転電気機械のフィードバック制御システムにおい
    て、 前記非干渉制御器で磁束の方向を推定すべく、回転電気
    機械に流れる電流と端子電圧を検出し、この検出値を3
    相2相変換し、この電圧電流を回転座標に変換すること
    により、電圧、電流のd軸成分とq軸成分を検出し、あ
    らかじめ導出された回転電気機械の電圧電流方程式と比
    較し、方程式との誤差を検出して回転子角度にフィード
    バックする機能を備え、さらに、電流ベクトルの大きさ
    とその回転角度、あるいは磁束ベクトルの大きさとその
    回転角度を演算し、 前記非干渉制御器に信号として伝送し、負荷時において
    も、過渡時においても速度制御系と、半径方向位置制御
    系を非干渉化することを特徴とした制御システム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1087517A4 (en) * 1998-05-29 2003-06-04 Hitachi Ltd MOTOR CONTROL DEVICE
US6933644B2 (en) 2001-05-18 2005-08-23 Kabushiki Kaisha Sankyo Seiki Seisakusho Magnetic levitation motor
JP2010180974A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Meidensha Corp ベアリングレスモータのパラメータ設定方法
JP2014241725A (ja) * 2010-03-15 2014-12-25 学校法人東京理科大学 ベアリングレスモータ
CN116260369A (zh) * 2023-02-27 2023-06-13 飞翎智能科技(广东)有限公司 平面永磁电机的控制方法、装置、存储介质及电子设备

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