JPH1094813A - 連続圧延機における張力制御方法および張力制御装置 - Google Patents

連続圧延機における張力制御方法および張力制御装置

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JPH1094813A
JPH1094813A JP8250758A JP25075896A JPH1094813A JP H1094813 A JPH1094813 A JP H1094813A JP 8250758 A JP8250758 A JP 8250758A JP 25075896 A JP25075896 A JP 25075896A JP H1094813 A JPH1094813 A JP H1094813A
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JP
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looper
rolling
tension
disturbance
rotation speed
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Application number
JP8250758A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Okamura
義英 岡村
Ikuya Hoshino
郁弥 星野
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続圧延に際して圧延材の張力を高精度に制
御することが可能であると共に、単純なループだけでな
く、ひずみループも速やかに吸収し得て、安定した圧延
操作を実現せしめ得る、連続圧延機における張力制御方
法の提供。 【解決手段】 推定した圧延ロールの回転速度外乱とル
ーパの揺動トルク外乱を打ち消すように、圧延ロール1
6,16の回転速度:Vとルーパ22に及ぼされる揺動
トルク:τを調節することにより圧延材20の張力:T
を制御するに際して、ルーパ22の揺動角度:θを監視
して許容範囲を越えた場合に、ルーパ22の揺動角度:
θの大きさに基づいて、積分動作を含む制御により圧延
ロール16,16の回転速度:Vを調節し、ルーパ22
の揺動角度:θを許容範囲に収めるように調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、連続圧延機における張力制御方
法および張力制御装置に係り、特に、一軸回りに揺動作
動せしめられて圧延スタンド間の圧延材に当接されるこ
とにより圧延材の張力を調節するルーパを備えた連続圧
延機における張力制御方法および張力制御装置に関する
ものである。
【0002】
【背景技術】連続圧延機において圧延スタンド間での圧
延材の張力を一定に保つことは、圧延材の板厚や板幅の
精度を保証し、目的とする圧延材を安定して得るうえで
重要な課題である。かかる圧延材の張力制御方法として
は、例えば、一軸回りに揺動作動せしめられるルーパを
圧延材に押し当てて、ルーパに及ぼされる揺動トルクと
圧延材の張力の釣合いによって張力制御する、ルーパに
よる張力制御方法が知られているが、更なる性能向上の
ために、従来から、各種の改良が加えられてきている。
【0003】そして、本出願人も、先に、特開平8−5
7518号公報において、圧延材の張力を検出して、該
張力が目標値となるように、圧延スタンドにおける圧延
スタンドの回転数を調節すると共に、ルーパの揺動角度
(即ち、ルーパ角度)を検出して、該ルーパ角度が目標
値となるように、ルーパに及ぼされる揺動トルクを調節
してルーパ角度を制御するに際して、張力偏差とルーパ
角度偏差に基づいて、外乱推定器により、系に加えられ
る外乱として圧延ロールの回転速度外乱とルーパの揺動
トルク外乱を推定し、それらの外乱推定値を打ち消すよ
うに、圧延ロールの回転速度とルーパの揺動トルクを調
節するようにした張力制御方法を提案した。
【0004】このような張力制御方法に従えば、圧延ロ
ールの回転速度とルーパの揺動トルクを的確に調節する
ことが出来るのであり、特に圧延材の通板開始時におけ
る初期ロール回転数設定に誤差があったために、図7に
示される如く、圧延スタンド2,2によって圧延される
圧延材4にループ5が発生してスタンド間張力が目標張
力以下となる事態が発生した場合にも、ルーパ6が速や
かに上昇して圧延材4に当接せしめられることにより、
迅速なループ吸収に対して良好な効果が発揮されるので
ある。
【0005】ところが、本発明者らが更なる検討を加え
たところ、圧延材の通板開始時は非常に不安定な状態で
あるために、特に圧延材の板厚が薄い場合には、図8に
示されているような波打ち状乃至はわかめ状の板ひずみ
となる特殊なループ8が発生する場合があり、このよう
なひずみループ8の場合には、先に提案した張力制御方
法でも、未だ、充分なループ吸収効果が発揮され難いこ
とが明らかとなった。即ち、ひずみループ8の場合に
は、ループが発生しているにも拘わらず、圧延材4がル
ーパ6に接触することによって張力が発生しているもの
と誤検出されてしまうと共に、通板によって圧延材4が
ルーパ6を下方に向かって打ち叩くことによって、張力
検出値が不定となり目標張力以上と検出されてしまうお
それもある。そのために、張力制御に際してのロール回
転数の調節が遅れてしまい、必ずしも有効なループ吸収
効果が発揮されなくなるという問題があったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、図7に示されている如き単純なループ4だ
けでなく、図8に示されている如きひずみループ8の発
生時においても、早期のループ吸収効果が発揮されて、
より安定した圧延性が実現され得る、連続圧延機におけ
る張力制御方法および張力制御装置を提供することにあ
る。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、請
求項1に記載の発明の特徴とするところは、一軸回りに
揺動作動せしめられて圧延スタンド間の圧延材に当接さ
れるルーパを備えた連続圧延機において、該圧延スタン
ドにおける圧延ロールの回転速度を調節すると共に、該
ルーパに及ぼされる揺動トルクを調節して、前記圧延材
の張力および前記ルーパの揺動角度を制御するに際し
て、前記圧延スタンド間における圧延材の張力および前
記ルーパの揺動角度を検出し、それぞれの目標値との偏
差に基づいて、前記圧延材の張力および前記ルーパの揺
動角度の制御系に加えられる外乱として前記圧延ロール
の回転速度外乱および前記ルーパの揺動トルク外乱をそ
れぞれ推定して、かかる推定された圧延ロールの回転速
度外乱およびルーパの揺動トルク外乱を打ち消すよう
に、前記圧延スタンドにおける圧延ロールの回転速度の
調節系と前記ルーパに及ぼされる揺動トルクの調節系と
における応答性の調整ゲインを互いに独立して調節し
て、前記圧延スタンドにおける圧延ロールの回転速度お
よび前記ルーパに及ぼされる揺動トルクを調節する連続
圧延機における張力制御方法において、前記ルーパの揺
動角度が予め設定された許容範囲を越えた場合に、かか
る許容範囲内となるように、前記圧延ロールの回転速度
を、該ルーパの揺動角度の大きさに基づいて、少なくと
も積分動作を含む制御により調節するようにしたことに
ある。
【0008】このような請求項1に記載の発明方法に従
えば、推定された圧延ロールの回転速度外乱およびルー
パの揺動トルク外乱をそれぞれ打ち消すように、圧延ス
タンドにおける圧延ロールの回転速度の調節系と、ルー
パに及ぼされる揺動トルクの調節系とにおける応答性の
調整ゲインを互いに独立して調節して、圧延スタンドに
おける圧延ロールの回転速度およびルーパに及ぼされる
揺動トルクを調節することができることから、高精度な
張力制御が可能となり、例えば前記図7に示されいる如
き単純なループの発生時にも早期のループ吸収効果が発
揮されるのである。
【0009】しかも、かかる発明方法においては、ルー
パ角度が監視されて、予め設定された許容範囲を越えた
場合に、張力の検出値の程度に拘わらず、圧延ロールの
回転速度が調節されて、ルーパ角度が許容範囲内となる
ように制御されることとなる。そして、本発明者による
実験,検討の結果、このようにルーパ角度を許容範囲内
に収める制御を、上述の如き圧延ロールの回転速度とル
ーパの揺動トルクの調節による張力制御に平行して行う
ことによって、前記図8に示されている如きひずみルー
プの発生時にも、早期のループ吸収効果が発揮され得る
ことが確認されている。即ち、ひずみループの発生は、
ルーパの揺動トルク等から検知することが難しいが、一
般に、ひずみループの発生に伴ってルーパ角度が大きく
なる(圧延材側に振れる)現象があることを、本発明者
が新たに見い出し、そこに着目したことによって、ひず
みループの吸収に優れた効果を発揮し得る本発明方法を
完成するに至ったのである。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の張力制御方法において、前記圧延ロールの回転
速度の調節系および前記ルーパの揺動トルクの調節系に
おいて、それぞれ、互いに異なるゲインで状態フィード
バックを加えることを、特徴とする。
【0011】このような請求項2に記載の発明方法にお
いては、外乱に対する応答性の調節や改善を容易に行う
ことが可能となる。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の張力制御方法において、前記圧延ロール
の回転速度外乱および前記ルーパの揺動トルク外乱をそ
れぞれ推定するに際して、該圧延ロールの回転速度変化
量と前記圧延材の長さ変化量と該ルーパの揺動角度変化
量および揺動角速度変化量をそれぞれ推定し、それらの
推定値を用いて前記圧延スタンドにおける圧延ロールの
回転速度および前記ルーパに及ぼされる揺動トルクを調
節することを、特徴とする。
【0013】このような請求項3に記載の発明方法に従
えば、物理的な意味付けをより明確にして制御装置を構
成することが可能となり、それによって圧延ロールの回
転速度調節系およびルーパの揺動角度調節系における応
答性の調整ゲインの調節、設定が一層容易とされる。
【0014】さらに、前述の如き課題を解決するため
に、請求項4に記載の発明の特徴とするところは、一軸
回りに揺動作動せしめられて圧延スタンド間の圧延材に
当接されるルーパを備えた連続圧延機における張力制御
装置であって、(a)前記圧延スタンド間における圧延
材の張力の実測値を目標値と比較して張力偏差を求める
張力比較手段と、(b)前記ルーパの揺動角度の実測値
を目標値と比較して揺動角度偏差を求める揺動角度比較
手段と、(c)前記張力比較手段および前記揺動角度比
較手段によって求められた張力偏差および揺動角度偏差
に基づいて、前記圧延材の張力および前記ルーパの揺動
角度の制御系に加えられる外乱として圧延ロールの回転
速度外乱およびルーパの揺動トルク外乱をそれぞれ推定
する外乱推定手段と、(d)該外乱推定手段によって推
定された圧延ロールの回転速度外乱を打ち消すように、
前記圧延スタンドにおける圧延ロールの回転速度を調節
する回転速度調節手段と、(e)前記外乱推定手段によ
って推定されたルーパの揺動トルク外乱を打ち消すよう
に、前記ルーパに及ぼされる揺動トルクを調節する揺動
トルク調節手段と、(f)前記回転速度調節手段による
応答性の調整ゲインと前記揺動トルク調節手段による応
答性の調整ゲインとを互いに独立して設定せしめるゲイ
ン設定手段と、(g)前記ルーパの揺動角度の実測値
が、予め設定された許容範囲内か否かを判断し、許容範
囲を外れている場合に、該実測値の該許容範囲からの逸
脱量を求める揺動角度監視手段と、(h)該揺動角度監
視手段において、前記ルーパの揺動角度の実測値が前記
許容範囲から外れている場合に、かかるルーパの揺動角
度が該許容範囲内となるように、該実測値の大きさに基
づいて、前記圧延ロールの回転速度を調節する、少なく
とも積分要素を含むループ補償器とを、有する連続圧延
機における張力制御装置にある。
【0015】このような請求項4に記載の発明に従う構
造とされた張力制御装置においては、請求項1に記載の
発明方法を容易に且つ有効に実施することが出来るので
あり、それによって、単純なループだけでなくひずみル
ープに対しても有効な早期ループ吸収効果が発揮され
て、安定した圧延操作が有利に実現され得るのである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の一実施形態について、図面に
示された具体例を参照しつつ、詳細に説明する。
【0017】先ず、図1には、本発明の一具体例として
の張力制御装置が用いられた、熱間連続圧延機の圧延ス
タンド間における圧延材の張力制御機構の概要が示され
ている。図中、12および14は、上流側および下流側
の圧延スタンドであり、それぞれ、各一対のワークロー
ル16,16と、バックアップロール18,18を備え
ている。そして、圧延材20が、図中、右方から左方に
送られて、上流側圧延スタンド12および下流側圧延ス
タンド14によって圧延加工が加えられるようになって
いる。
【0018】また、上流側圧延スタンド12と下流側圧
延スタンド14の間には、油圧ポンプや電動モータ等の
駆動手段によって一軸回りに揺動作動せしめられ、圧延
材20に当接せしめられるルーパ22を備えたルーパ装
置24が配設されている。更に、ルーパ装置24には、
ルーパ22の圧延材20に対する当接圧に基づいて該圧
延材20の張力を検出する張力検出手段としての張力セ
ンサと、ルーパ22の揺動角度を検出する揺動角度検出
手段としての角度センサとが、設けられている。
【0019】そして、これらルーパ装置24における張
力センサと角度センサによって検出された圧延材20の
張力実測値:Tとルーパの揺動角度実測値:θが、駆動
モータ30によって駆動される上流側圧延スタンド12
のロール速度:Vおよび駆動手段24によって駆動され
るルーパ22の揺動トルク:τを制御する制御装置本体
26に入力され、この制御装置本体26により、圧延材
20の張力実測値:Tおよびルーパの揺動角度実測値:
θが、それぞれ目標値:Tref ,θref となるように、
上流側圧延スタンド12のロール速度:Vおよびルーパ
22の揺動トルク:τが調節されるようになっている。
【0020】さらに、ルーパ装置24の角度センサで検
出されたルーパの揺動角度実測値:θは、ループ制御装
置28にも入力され、このループ制御装置28によっ
て、ルーパ角度実測値:θが、予め設定された許容範
囲:θa≦θ≦θbとなるように、上流側圧延スタンド
12のロール速度:Vが調節されるようになっている。
【0021】すなわち、図2にブロック図で示されてい
るように、制御対象たる熱間連続圧延機は、圧延材の張
力等に関する張力系ダイナミクス32およびルーパの揺
動角度等に関するルーパ系ダイナミクス34を含んでお
り、制御装置本体26によって、ロール速度:Vとルー
パ揺動トルク:τが状態フィードバック制御されること
により、圧延材20の張力:Tとルーパ角度:θが、そ
れぞれ目標値に制御されるようになっている。なお、張
力系ダイナミクス32とルーパ系ダイナミクス34と
は、公知の如く、一方の作動が他方に影響を及ぼすため
に完全に独立しておらず、それら両者の間には力学的な
干渉が存在している。
【0022】ここにおいて、制御装置本体26は、外乱
推定器40および状態フィードバック系42を備えてお
り、外乱推定器40によって、張力系およびルーパ系に
加えられた外乱として圧延ロールの回転速度外乱:dv
およびルーパの揺動トルク外乱:dτを推定し、状態フ
ィードバック系42でフィードバック制御を行う。そし
て、かかるフィードバック制御により、推定された回転
速度外乱:dvest および揺動トルク外乱:dτest
それぞれ打ち消すように、ロール速度調節系36および
ルーパ揺動トルク調節系38において、張力系ダイナミ
クス32における上流側圧延ロールのロール速度:Vお
よびルーパ系ダイナミクス34におけるルーパ揺動トル
ク:τを調節して、圧延材の張力:Tおよびルーパの揺
動角度:θを制御するようになっている。なお、かかる
外乱推定器40は、具体的には、後述するように、外乱
推定オブザーバによって構成される。
【0023】また一方、ループ制御装置28において
は、先ず、デッドバンド処理系46によって、ルーパの
揺動角度実測値:θが、予め設定された許容範囲:θa
≦θ≦θbにあるか否かを判断し、許容範囲内にあるこ
とを監視するようになっている。そして、ルーパ角度実
測値:θが許容範囲(デッドバンド)外となった場合に
は、該ルーパ角度実測値:θの大きさに応じて、例えば
ルーパ角度実測値:θの目標値:θref からのずれ量
(偏差):dθを求め、このルーパ角度偏差:dθの大
きさに応じて、ルーパ角度実測値:θが許容範囲内とな
るように、ループ補償器48において、張力系ダイナミ
クス32における上流側圧延スタンドのロール速度:V
を調節するようになっている。要するに、ループ制御装
置28は、制御装置本体26によるルーパ角度及び張力
の制御とは独立的に、ルーパ角度を許容範囲内に維持す
るために必要なロール速度補償値:ΔVcompを求めて、
ロール速度を調節するのであり、その結果、ロール速
度:Vの調節量(調節による変化量):ΔVは、下式で
表されるΔVref ′となるように制御されることとな
る。 ΔVref ′= ΔVref + ΔVcomp
【0024】より詳細には、上述の如き、張力系ダイナ
ミクス32およびルーパ系ダイナミクス34を含んで構
成された制御対象は、公知の圧延モデルから導かれた状
態方程式より、回転速度外乱:dvおよび揺動トルク外
乱:dτを考慮して、図3の如く表される。
【0025】なお、図3において、「A・E/L」は、
圧延材における引張応力を求める式であって、Aは圧延
材料の断面積,Eは圧延材のヤング率,Lは圧延スタン
ド間の距離を、それぞれ表す。また、同図中、LA は角
度から長さへの変換係数である。図3中、その他の各係
数および記号の意味は、以下の通りである。 Δl :圧延材の長さ変化量(延び長さ) ΔV :上流側圧延スタンドのロール速度変化量 Δθ :ルーパの揺動角度変化量 Δθ′:ルーパの揺動角速度変化量 ΔT :圧延スタンド間における圧延材の張力変化量 aij(i,j =1〜4),bij( i=1〜4, j=1〜
2):圧延材およびモータ等の機械的特性により決まる
係数 ΔVref :上流側圧延スタンドのロール速度制御指令
(目標ロール速度変化量) Δτref :ルーパの揺動トルク制御指令(目標揺動トル
ク変化量)
【0026】また、この制御対象における張力制御装置
は、前述の如き外乱推定オブザーバを有する状態フィー
ドバック系からなる制御装置本体26とループ制御装置
28を含んで、図4の如く表される。
【0027】なお、図4中、添字:est は推定値を表
し、gij(i,j =1〜3),kt i (i=1〜3),ka
i ( i=1〜3),hij(i,j =1〜3),kT i
i=1〜3)およびkA i ( i=1〜3)は、オブザー
バゲイン等の係数である。また、TI は積分時定数であ
り、KP は比例ゲインである。
【0028】すなわち、図4の如く構成された制御装置
本体26においては、ロール速度外乱乃至はルーパ揺動
角度外乱が及ぼされて圧延材の張力変化乃至はルーパ揺
動角度変化が生じた場合に、かかる変化量に基づいて外
乱推定が行なわれて、及ぼされたロール速度外乱乃至は
ルーパ揺動角度外乱を打ち消すように、圧延スタンドの
ロール速度乃至はルーパの揺動トルクが調節されること
となり、それによって、圧延材の張力が目的とする値に
制御される。そこにおいて、かかる制御装置本体26に
おいては、ωv,kt i ( i=1〜3),ka i ( i=
1〜3)によってロール速度調節系における応答性を、
またωθ,ωθ′,kT i ( i=1〜3),kA i ( i
=1〜3)によってルーパ揺動トルク調節系における応
答性を、互いに独立して調整することができる。それ
故、圧延スタンドのロール速度およびルーパの揺動トル
クの調節手段による応答性の調整ゲインを互いに独立し
て設定せしめることによって、制御対象に及ぼされたロ
ール速度外乱乃至はルーパ揺動角度外乱を打ち消すよう
に、圧延スタンドのロール速度:Vおよびルーパの揺動
トルク:τを容易に且つ的確に調節することができ、以
て、目標とする圧延材の張力制御が高精度且つ高安定に
為され得て、製品品質の確保や通板性の改善による圧延
トラブルの減少等といった優れた効果が発揮され得るの
である。
【0029】しかも、本具体例では、ロール速度変化
量:ΔV,ルーパの揺動角度変化量:Δθ,ルーパの揺
動角速度変化量:Δθ′として、何れも推定値が用いら
れていることから、制御装置における物理的な意味付け
がより明確となり、各ゲインの調節,設定が一層容易で
あるという利点も有している。
【0030】また一方、図4の如く構成されたループ制
御装置28においては、先ず、デッドバンドの判断装置
(デッドバンド処理系)において、ルーパ角度実測値:
θの値が参照され、このルーパ角度実測値:θが許容範
囲内にあるか否かが判断されて、許容範囲外であった場
合に、ループ制御のためのロール速度補償が実施され
る。かかるロール速度補償は、例えば、ルーパ角度実測
値:θの目標値:θrefからのずれ量(偏差):dθの
大きさに応じて、ルーパ角度実測値:θを目標値:θ
ref に近づけるように、少なくとも積分要素を含む制御
系により求められたロール速度補償量:ΔVcompによっ
て、ロール速度:Vを補正することにより、有利に行わ
れ得る。特に本具体例では、下式で表されるPI制御
(比例・積分制御)が採用されている。
【0031】 ΔVcomp=Kp (1+(1/TI s))・dθ 但し、sはラプラス演算子である。
【0032】続いて、このようにして求められたロール
速度補償量:ΔVcompを、制御装置本体26によって求
められたロール速度調節量:ΔVref に加算することに
よって、ループ補償されたロール速度調節量:Δ
ref ′が求められ、かかるロール速度調節量:ΔV
ref ′に基づいて、上流側圧延スタンドのロール速度調
節が実施されることとなる。
【0033】そして、かくの如きループ補償を行うこと
によって、例えば、ひずみループが発生した際、たとえ
圧延材のルーパへの不安定な接触によって張力があるも
のと判断された場合でも、ルーパ角度:θ自体が大きく
なっていることによって、異常状態と判断されて、ロー
ル速度調節が行われるのであり、その結果、ひずみルー
プが速やかに解消され得るのである。
【0034】また、かかるループ制御装置28において
は、少なくとも積分動作を含む制御によってロール速度
が調節されることから、制御装置本体26による張力制
御作動との干渉も効果的に防止され得ることが、本発明
者らによって確認されており、安定した張力制御特性が
発揮され得ることとなる。
【0035】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、本発明は、かかる実施形態の具体的記載や以下
の実施例の記載によって何等限定的に解釈されるもので
はない。
【0036】例えば、前記実施例では、外乱推定器40
を有する状態フィードバック系42によるロール速度お
よびルーパ揺動トルクの制御に際して、圧延ロールの回
転速度変化量およびルーパの揺動角度変化量,ルーパの
揺動角速度変化量として何れも推定値:ΔVest ,Δθ
est ,Δθ′est が用いられていたが、かかるΔVやΔ
θ、或いはΔθ′として実測値を用いることも可能であ
り、それによって、前記実施例よりも次数の低いモデル
で制御系を構成することも可能となる。
【0037】また、図4に示された各係数乃至は要素の
値(ゲイン)は、圧延材の種類や寸法、圧延装置の物理
的特性等に基づいて適宜に変更,設定されるべきもので
あり、以下の実施例の具体的数値等によって限定的に解
釈されるものでは、決してない。
【0038】また、本発明は、各種金属の熱間圧延の
他、冷間圧延にも適用可能である。
【0039】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者に知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何
れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言
うまでもないところである。
【0040】
【実施例】因みに、本発明に従う圧延制御の効果を示す
シミュレーション結果を図5に示すと共に、ループ制御
を行わなかった場合のシミュレーション結果を比較例1
として、積分動作を含まない比例動作だけでループ制御
を行った場合のシミュレーション結果を比較例2とし
て、それぞれ図6に示した。
【0041】なお、図5及び図6に示された何れの場合
にも、板厚:2.6mm,板幅:1536mmのアルミニウ
ム合金の圧延材を、200m/min の圧延速度で熱間連
続仕上圧延する際に、通板初期のロール速度設定誤差
(速度外乱)が+10%あったものとした。また、圧延
時における圧延材の目標張力を10tf,ルーパの目標
揺動角度を0.087radとした。
【0042】また、本発明に従う圧延制御に際しては、
図4に示された各係数等に対して、以下の値を設定し
た。 g11=−4.2, g12=−1.0, g13=−1.0, g21=0, g22=−10.0, g23=−10.0, g31=9.0, h11=25.0507, h12=1.0, h21=−658.1967,h22=−26.2507,h23=0, h31=−1.4286, kt1=−2.1188×10-6, kt2=0, kt3=−8.5025×10-7, kT1=0, ka1=−0.0605, ka2=0, ka3=0.1297, kA1=−25.0507,kA2=572.0971, kA3=1.4286, ωv=0, ωθ=0, ωθ′=0, θa=ルーパ下限値, θb=θref +0.087rad , TI =4.00, Kp =−0.288,
【0043】これら図3及び図4に示された結果から明
らかなように、ループ制御を実施しない比較例1の場合
には、圧延材にループが発生することにより張力回復ま
でに約3秒程度を要し、ルーパ角度も20度程度まで上
昇しているが、ループ制御を実施した本実施例の場合で
は、圧延材の張力が早期に回復し、ルーパ角度の上昇も
抑制されており、その有効性が確認できた。これによ
り、本発明に従えば、張力計誤検出となるようなひずみ
ループの発生時においても早期のループ吸収が可能とな
り、単純なループの発生時にもループ吸収により有効で
あって、ループトラブルの未然防止に優れた効果が期待
できることが明らかとなった。なお、積分動作を含まな
い単純な比例動作だけでループ制御を行った比較例2の
場合には、ループ制御を実施しない場合に比べて、逆
に、張力回復が遅れてしまうことが認められる。
【0044】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
方法に従えば、圧延システムに及ぼされた圧延ロールの
回転速度外乱乃至はルーパの揺動角度外乱を打ち消すよ
うに、圧延ロールの回転速度およびルーパの揺動トルク
を的確に調節せしめて、目標とする圧延材の張力を目標
値に有利に制御することが出来ることに加えて、単純な
ループだけでなくひずみループに対しても、早期のルー
プ吸収効果が発揮されるのであり、それによって、極め
て優れた圧延操作の安定化が達成され得る。
【0045】さらに、本発明に従う構造とされた張力制
御装置によれば、本発明方法を容易に且つ有効に実施す
ることができるのであり、それによって、安定した圧延
操作が実現されて圧延トラブルの減少や圧延精度の向上
等といった優れた効果が達成されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う制御装置を備えた熱間連続圧延機
の一具体例の概要を示す説明図である。
【図2】本発明の一具体例としての制御装置による圧延
システムの制御系を示すブロック図である。
【図3】本発明が適用される制御対象たる圧延システム
の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示された圧延システムに適用される本発
明の一具体例としての制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図5】実施例としての圧延制御のシミュレーション結
果を示すグラフである。
【図6】比較例としての圧延制御のシミュレーション結
果を示すグラフである。
【図7】単純なループの発生状況を示す説明図である。
【図8】ひずみループの発生状況を示す説明図である。
【符号の説明】
12 上流側圧延スタンド 20 圧延材 22 ルーパ 26 制御装置本体 28 ループ制御装置 36 ロール速度調節系 38 ルーパ揺動トルク調節系 40 外乱推定器 42 状態フィードバック系

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一軸回りに揺動作動せしめられて圧延ス
    タンド間の圧延材に当接されるルーパを備えた連続圧延
    機において、該圧延スタンドにおける圧延ロールの回転
    速度を調節すると共に、該ルーパに及ぼされる揺動トル
    クを調節して、前記圧延材の張力および前記ルーパの揺
    動角度を制御するに際して、前記圧延スタンド間におけ
    る圧延材の張力および前記ルーパの揺動角度を検出し、
    それぞれの目標値との偏差に基づいて、前記圧延材の張
    力および前記ルーパの揺動角度の制御系に加えられる外
    乱として前記圧延ロールの回転速度外乱および前記ルー
    パの揺動トルク外乱をそれぞれ推定して、かかる推定さ
    れた圧延ロールの回転速度外乱およびルーパの揺動トル
    ク外乱を打ち消すように、前記圧延スタンドにおける圧
    延ロールの回転速度の調節系と前記ルーパに及ぼされる
    揺動トルクの調節系とにおける応答性の調整ゲインを互
    いに独立して調節して、前記圧延スタンドにおける圧延
    ロールの回転速度および前記ルーパに及ぼされる揺動ト
    ルクを調節する連続圧延機における張力制御方法におい
    て、 前記ルーパの揺動角度が予め設定された許容範囲を越え
    た場合に、かかる許容範囲内となるように、前記圧延ロ
    ールの回転速度を、該ルーパの揺動角度の大きさに基づ
    いて、少なくとも積分動作を含む制御により調節するこ
    とを特徴とする連続圧延機における張力制御方法。
  2. 【請求項2】 前記圧延ロールの回転速度の調節系およ
    び前記ルーパの揺動トルクの調節系において、それぞ
    れ、互いに異なるゲインで状態フィードバックが加えら
    れる請求項1に記載の連続圧延機における張力制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記圧延ロールの回転速度外乱および前
    記ルーパの揺動トルク外乱をそれぞれ推定するに際し
    て、該圧延ロールの回転速度変化量と前記圧延材の長さ
    変化量と該ルーパの揺動角度変化量および揺動角速度変
    化量をそれぞれ推定し、それらの推定値を用いて前記圧
    延スタンドにおける圧延ロールの回転速度および前記ル
    ーパに及ぼされる揺動トルクを調節する請求項1又は2
    に記載の連続圧延機における張力制御方法。
  4. 【請求項4】 一軸回りに揺動作動せしめられて圧延ス
    タンド間の圧延材に当接されるルーパを備えた連続圧延
    機における張力制御装置であって、 前記圧延スタンド間における圧延材の張力の実測値を目
    標値と比較して張力偏差を求める張力比較手段と、 前記ルーパの揺動角度の実測値を目標値と比較して揺動
    角度偏差を求める揺動角度比較手段と、 前記張力比較手段および前記揺動角度比較手段によって
    求められた張力偏差および揺動角度偏差に基づいて、前
    記圧延材の張力および前記ルーパの揺動角度の制御系に
    加えられる外乱として圧延ロールの回転速度外乱および
    ルーパの揺動トルク外乱をそれぞれ推定する外乱推定手
    段と、 該外乱推定手段によって推定された圧延ロールの回転速
    度外乱を打ち消すように、前記圧延スタンドにおける圧
    延ロールの回転速度を調節する回転速度調節手段と、 前記外乱推定手段によって推定されたルーパの揺動トル
    ク外乱を打ち消すように、前記ルーパに及ぼされる揺動
    トルクを調節する揺動トルク調節手段と、 前記回転速度調節手段による応答性の調整ゲインと前記
    揺動トルク調節手段による応答性の調整ゲインとを互い
    に独立して設定せしめるゲイン設定手段と、 前記ルーパの揺動角度の実測値が、予め設定された許容
    範囲内か否かを判断し、許容範囲を外れている場合に、
    該実測値の該許容範囲からの逸脱量を求める揺動角度監
    視手段と、 該揺動角度監視手段において、前記ルーパの揺動角度の
    実測値が前記許容範囲から外れている場合に、かかるル
    ーパの揺動角度が該許容範囲内となるように、該実測値
    の大きさに基づいて、前記圧延ロールの回転速度を調節
    する、少なくとも積分要素を含むループ補償器とを、有
    することを特徴とする連続圧延機における張力制御装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6619086B1 (en) * 2000-08-10 2003-09-16 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Control system for tandem rolling mill
JP2010029889A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Nippon Steel Corp 連続圧延機の張力及びルーパ角度制御装置並びに制御方法
JP2012152808A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Jfe Steel Corp 熱間圧延ラインにおけるロール制御方法
CN111618101A (zh) * 2020-06-29 2020-09-04 盐城市联鑫钢铁有限公司 一种棒材切分多线活套控制系统及控制方法

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