JPH1098350A - 圧電振動デバイス - Google Patents

圧電振動デバイス

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JPH1098350A
JPH1098350A JP9048215A JP4821597A JPH1098350A JP H1098350 A JPH1098350 A JP H1098350A JP 9048215 A JP9048215 A JP 9048215A JP 4821597 A JP4821597 A JP 4821597A JP H1098350 A JPH1098350 A JP H1098350A
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vibration
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input
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Hiroyuki Arimura
有村  博之
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Daishinku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主振動近傍に発生するスプリアス振動モード
を抑制し、通過帯域特性を良好にかつ広帯域にするとと
もに、通過帯域外における保証減衰量特性を良好にする
圧電振動デバイスを提供する。 【解決手段】 入力電極及び出力電極あるいは共通電極
の外周近傍の少なくとも一部分であり、かつ非調和オー
バートーンモードが比較的強く励振される部分に、重み
軽減部あるいは重み付加部を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信機器等に用い
られる厚み系振動を用いた圧電振動デバイスに関し、更
に詳しくは、例えば一般に非調和(インハーモニック)
オーバートーンモード等の不要振動であるスプリアス振
動の影響を抑制する圧電振動デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】図24および図25を参照しながら、従
来技術を以下に説明する。図24は従来の圧電振動デバ
イスを裏面からみた電極構成および(3,1,3)モー
ドと一般に称される非調和オーバートーンモードのスプ
リアス振動の振動エネルギ分布を示す図であり、図25
は図24におけるS−S断面図および主振動モード(実
線)と(3,1,3)モードのスプリアス振動の振動エ
ネルギ分布を示す図である。この(3,1,3)の各記
号は、それぞれ水晶板のY′軸(厚み)方向のオーバー
トーンの次数、X軸方向のオーバートーンの次数、Z′
軸方向のオーバートーンの次数を表しており、図24に
示すように(3,1,3 )ードはZ′軸方向に平行に
並ぶ3つの振動の山(谷)を有するスプリアス振動のモ
ードである。
【0003】水晶板90はATカット水晶板が用いられ
る。この水晶板90の一方の主面に入力電極191、出
力電極192とこれら電極を水晶板90の外周に導く引
出電極191a,192aとが設けられ、もう一方の主
面には共通電極193とこの電極を水晶板90の外周に
導く引出電極193aとが設けられている。これらの各
電極は真空蒸着法等による薄膜形成手段によって形成さ
れる。なお、図示していないが、入出力電極191、1
92はそれぞれ入出力端子に接続され、共通電極193
はアース端子に接続された状態で気密封止されている。
【0004】このような構成の圧電振動デバイスは、水
晶板90を挟んで対向して形成された入出力電極19
1、192と共通電極193部分を共振領域として、対
称モード(fs)と斜対称モード振動(fa)がこれら
電極部分に閉じ込められ、これらが音響的に結合するこ
とにより多重モードの主振動を形成し、これにより所定
のフィルタとしての通過帯域特性を有する圧電振動デバ
イスを構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この圧電振
動デバイスは、上述したように主振動以外に、高次の非
調和オーバートーンモード例えば(3,1,3)モード
のスプリアス振動もこのの電極部分に閉じ込められるこ
とから、同時に励振される。また、このようなモード以
外にもX軸方向に平行に並ぶ3つの振動の山(谷)を有
する(3,3,1)モードと呼ばれるスプリアス振動、
あるいはそれぞれ軸方向に3つの振動の山(谷)を有す
る振動モード等数多くのスプリアス振動が存在する。こ
うしたスプリアス振動は励振電極下にエネルギが閉じ込
められていることから定在波として比較的強く励振さ
れ、スプリアス振動として主振動に悪影響を与えたり、
フィルタとしての通過帯域特性を乱したり、通過帯域外
における保証減衰量特性が十分とれない等の問題があっ
た。 本発明はこれらの問題点を解決するためになされ
たもので、主振動(公称周波数)近傍に発生していたス
プリアス振動モードを抑制し、通過帯域特性を良好にか
つ広帯域にするとともに、通過帯域外における保証減衰
量特性を良好にする圧電振動デバイスを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、本発明の圧電振動デバイスは、水晶板の一方の
主面に入力電極と出力電極とが所定の間隔で近接して形
成され、かつこの水晶板の他方の主面にその入力電極及
び出力電極に対応する共通電極が設けられ、これらの電
極により共振領域が形成された厚み系振動を用いた圧電
振動デバイスにおいて、上記入力電極及び出力電極ある
いは共通電極の外周近傍の少なくとも一部に重み軽減部
あるいは重み付加部が設けられていることによって特徴
付けられている。
【0007】また、この重み軽減部あるいは重み付加部
は、当該圧電振動デバイスの励振時に現れるスプリアス
振動の振動エネルギが主振動エネルギより相対的に高い
部分に設けられていることが好ましい。
【0008】さらに、水晶板の一方の主面に矩形状の入
力電極と出力電極とが所定の間隔で近接して形成され、
かつこの水晶板の他方の主面にその入力電極及び出力電
極に対応する矩形状の共通電極が設けられ、これらの電
極により共振領域が形成されているとともに、これらの
各電極を上記水晶板の外周端部に導出する引出電極が形
成された厚み系振動を用いた圧電振動デバイスにおい
て、上記重み軽減部あるいは重み付加部は、上記入力電
極と出力電極とが互いに対向する遠い辺の中央部の少な
くとも1か所に、あるいは共通電極の対向する遠い辺の
中央部の少なくとも1か所に、あるいは上記入力電極も
しくは出力電極の上記遠い辺の中央部のいずれかと、上
記共通電極の上記遠い辺の中央部の少なくとも1か所に
設けられていることが好ましい。
【0009】この重み軽減部は切り欠き部が形成された
構成であってよいし、上記電極の所定箇所の当該電極を
全部もしくは一部除去することにより形成される凹部に
よって構成されてもよい。
【0010】また、この重み付加部は上記電極の一部も
しくは全体が厚肉に形成された構成あるいは樹脂材料が
上記電極の一部もしくは全体に付加された構成であって
もよい。
【0011】さらに、上記入力電極と出力電極の総面積
に対して、上記共通電極の面積が大きく形成されている
とともに、その共通電極の外周近傍の少なくとも一部に
重み軽減部あるいは重み付加部が設けられ、その重み軽
減部あるいは重み付加部は上記入力電極と出力電極に対
向する当該共通電極部分に及ぶ構成であってもよい。
【0012】本発明の圧電振動デバイスは、上記水晶板
のいずれかの主面に形成された電極が厚肉に形成されて
いてもよい。さらに、本発明の圧電振動デバイスは、上
記水晶板のいずれかの主面に形成された電極が金または
銀を主成分とする金属からなることが望ましい。
【0013】
【作用】非調和オーバートーンモードのスプリアス振動
は、図10に示すように、その振動エネルギの分布は対
称モード振動(fs)、斜対称モード振動(fa)の音
響的結合で構成される主振動モードよりやや外側に偏っ
ており、入力電極や出力電極あるいは共通電極が対向し
ている領域の端部近傍においては、スプリアス振動の振
動エネルギが主振動の振動エネルギより高いことが知ら
れている。ここで本発明によれば、この部分に重み軽減
部あるいは重み付加部を設けたので、図1に示した振動
エネルギ分布からも明らかなように、このスプリアス振
動のバランスが大きく崩れ、全体としてスプリアス振動
の振動エネルギが弱められる。
【0014】また、この重み軽減部あるいは重み付加部
の構成により、主振動モードが励振電極の中央部分に集
中され、その結果、対称モード振動(fs)と斜対称モ
ード振動(fa)の音響的結合が強化され、圧電振動デ
バイスとしての通過帯域幅が広くなる。
【0015】また、共通電極の面積をその対向する入力
電極と出力電極の総面積より大きくしたことにより、例
えば非調和オーバートーンモードは、その振動エネルギ
分布はより外側に偏った状態となる。このような状態に
おいて、この共通電極の外周の少なくとも一部に重み軽
減部あるいは重み付加部を形成し、この重み軽減部ある
いは重み付加部は対向するその共通電極部分に及ぶ構成
としたので、この非調和オーバートーンモード自体のバ
ランスが崩れ、この振動エネルギを極めて効率よく減衰
させることができる。また、一般的には電極面積を大き
くすることで駆動インピ−ダンスを低下させることがで
きるが、各種のスプリアス振動も同時に顕在化してく
る。しかし、本発明の重み軽減部あるいは重み付加部を
設けた構成により、スプリアス振動は実用に供するレベ
ルにまで弱めることができる。
【0016】さらに、水晶板のいずれかの主面に形成す
る電極を厚肉とする構成とすれば、励振電極の外周端面
によって形成される境界条件がより強調され、上記した
重み軽減部あるいは重み付加部を設けることによる効果
をより有効に導き出すことができ、スプリアス抑制効果
がより向上する。
【0017】また、この電極を銀または金からなる金属
で構成すれば、このようにスプリアス振動が厚みすべり
系非調和振動である場合には、比重が重いこれらの金属
からなる電極構成により、主振動より非調和振動の方が
周波数の低下量が小さくなり、見かけ上このスプリアス
振動が主振動よりより高い周波数になる。つまり、スプ
リアス振動を主振動からより遠ざけることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
好適な実施の形態について説明する。図1、図2及び図
3は本発明を適用したモノシリック水晶フィルタを例に
とった第1の実施の形態の説明図で、図1は共通電極側
の主面の平面図、図2は図1におけるA−A断面図、図
3は図1におけるB−B断面図であり、図1と図3に主
振動モードとそのスプリアス振動の1つである(3,
1,3)モードの振動エネルギの分布状態も併せて模式
的に示す。
【0019】水晶板1には、ATカット水晶板が用いら
れており、矩形状に加工されている。この水晶板1の一
方の主面(裏面)にはZ′軸方向に所定の間隔を開けて
それぞれ矩形状の入力電極21と出力電極22の対が近
接して形成されている。入力電極21と出力電極22
は、それぞれの引出電極21a,22aによって水晶板
1の対角線状に位置する各コーナー部に導かれている。
また、他方の主面(表面)には入力電極21、出力電極
22に対向するように矩形状の共通電極23が形成さ
れ、この共通電極23は引出電極23aによって水晶板
1の他のコーナー部に導かれ、アース端子(図示せず)
に接続されている。この共通電極23の短辺の中央部分
には切り欠き部231、232が形成されている。図2
及び図3の断面形状から明らかなように、入力電極2
1、出力電極22と共通電極23との外周端部の位置は
両主面(表裏面)でほぼ同じ位置に設定されており、共
通電極23の切り欠き部231、232は内側に入り込
んだ状態となっている。
【0020】以上の構成のモノシリック水晶フィルタを
励振させた場合、図12に示すような周波数特性を示
し、従来技術におけるモノシリック水晶フィルタの周波
数特性を示す図22と比較すると、本実施の形態では従
来比較的大きな振動エネルギをもっていた非調和オーバ
ートーンモード等のスプリアス振動が減衰されている。
これは、本実施の形態における特徴的な電極構成による
もので、切り欠き部231、232には電界が加わらな
いため、逆圧電効果に基づく励振が行われないことによ
るものと考えられる。つまり、振動エネルギの分布は図
1に示すように、切り欠き部231、232に沿って振
動にアンバランスが生じた状態になり、図3に示すよう
に非調和オーバートーンモードの振動エネルギは抑制さ
れ、弱まっていると考えられる。また図12からは読み
取りにくいが、通過帯域幅は従来品に比べ広くなってい
る。
【0021】なお本発明の実施の形態に用いたモノシリ
ック水晶フィルタには、5mm×2.5mmのATカッ
ト矩形水晶板を用い、中心周波数を130MHzに設定
したものを用い、それぞれの電極の寸法が長辺が0.7
8mm、短辺が0.56mmの矩形電極の対を互いの間
隔を0.1mm開けて裏面に形成し、表面には、これら
の入出力電極に対向するように、ほぼ対応した大きさの
共通電極が形成されたものである。従来例とは、この共
通電極の形状が上述したように異なるものである。重み
を軽減するための電極形状として、本実施の形態では共
通電極に切り欠き部の例を示したが、この切り欠き部の
形状は本実施の形態で示した形状に限定されるものでは
なく、主振動モードの変位分布に影響を与えないような
形状、寸法であればよく、湾曲形状であってもよい。
【0022】なお、モノシリック水晶フィルタは、図示
していないが例えば支持体に各々つながるリード端子を
有するベースを用意し、上述した電極構成の水晶板1を
リード端子と接合された支持体で支持し、キャップによ
り気密封止してもよいし、また、外部導出電極パッドを
有するパッケージに搭載し、気密封止してもよい。
【0023】次に、重みを軽減するための電極形状とし
て、電極の所定箇所の電極部分を除去した貫通孔が形成
された構成を第2の実施の形態として以下に説明する。
図4はこの第2の実施の形態の構成を示し、共通電極が
形成された裏面の平面図である。第1の実施の形態の例
と同じ構造部分については、同番号を付し、同番号の部
分の説明は省略する。
【0024】この実施の形態では共通電極24は引出電
極24a,24bによって水晶板1の対角線状に位置す
る各コーナー部に導かれている。水晶板1の裏面に形成
された共通電極24には、複数のピット241,24
2,243,244,245,246が形成されてお
り、これらのピットが形成されている部位は、(3,
3,1)モードのスプリアス振動が比較的強く励振され
ている領域である。各ピットは、励振電極形成後、レー
ザービ−ムを照射して所定の箇所の電極材料を除去する
等の公知の手段を用いて形成することができる。このよ
うな構成により、(3,3,1)モードのスプリアス振
動のバランスが崩れ、振動エネルギが減衰するものと考
えられる。
【0025】なお、この第2の実施の形態においては、
共通電極に貫通孔が形成された構成としたが、この貫通
孔に限ることなく、電極の一部を薄肉化してビット(凹
み)を形成する構成であってもよい。さらに、これら貫
通孔やピットと上述したような切り欠き部を混在させた
構造としてもよい。
【0026】さらに、重みを軽減するための電極形状と
して、図5及び図6に示すような電極が形成された構成
を第3の実施の形態として以下に説明する。図5はこの
第3の実施の形態の構成を示し、共通電極が形成された
裏面の平面図であり、図6は図5におけるC−C断面図
である。第1の実施の形態の例と同じ構造部分について
は、同番号を付し、同番号の部分の説明は省略する。
【0027】一方の主面には入力電極31、出力電極3
2がZ′軸方向に並んで所定の間隔を開けて近接した状
態で形成されている。これらの入力電極31、出力電極
32はそれぞれ引出電極31a,32aによって水晶板
1の対角線状に位置する各コーナー部に導かれている。
他方の主面には入力電極31、出力電極32にそれぞれ
対向するように共通電極33,34が形成されている。
これらの共通電極33,34はそれぞれ引出電極33
a,34aによって水晶板1の対角線状に位置する各コ
ーナー部に導かれている。また、各電極の形状は、対と
なるように形成された入力電極31と出力電極32、ま
た共通電極33と共通電極34が、それぞれX軸方向に
互いに対向する遠い辺が円弧状をなす構成となってい
る。この構成により、楕円状の振動エネルギの分布に一
部近似させた形状となり、これを採用できる。なお、こ
の実施の形態の例は電極がX軸方向に並列する構成を採
用しているが、これは通過帯域を拡げる必要がある等、
所望の電気的特性によって選択される事項である。
【0028】さらに、この第3の実施の形態では重みを
軽減するために、共通電極33の円弧をなす電極端部の
中央部分に切り欠き部331を形成するとともに、出力
電極32の円弧をなす電極端部の中央部分に切り欠き部
321を形成した構成となっている。このような切り欠
き部が形成された構成においても、上述の第1及び第2
の実施の形態と同様に非調和オーバートーンモード等の
スプリアス振動の振動エネルギを減衰させることができ
る。
【0029】また、第4の実施の形態として、重みが付
加された電極形状を有するモノシリック水晶フィルタの
例を図7にその断面図を示し、以下に説明する。図24
に示す従来例と同様な構成の電極構成に、さらに共通電
極37の一方の端部に電極37と同じ材料で形成された
付加電極371が設けられている。この付加電極371
の形成部分は非調和オーバートーンモードが比較的強く
励振される部分としており、これにより非調和オーバー
トーンモード等のスプリアス振動を減衰させることがで
きる。
【0030】次に、第5の実施の形態を、図8乃至図1
0を参照しながら以下に説明する。図8は共通電極側の
主面の平面図、図9は図8におけるD−D断面図、図1
0は図8におけるE−E断面図である。
【0031】この実施の形態の例では、一方の主面に形
成された矩形状の入力電極41、出力電極42に対し
て、他方の主面に形成された矩形状の共通電極43は4
辺とも大きく形成され、入力電極41、出力電極42の
両方を覆う大きさとなっている。さらにこの共通電極4
3の対向する短辺の中央部分に切り欠き部431、43
2が形成されており、その切り込み深さは反対の面に形
成されている入出力電極41、42にに対向する共通電
極43部分に及ぶ深さに形成されている。
【0032】なお、共通電極43は引出電極43aによ
って水晶板1の他のコーナー部に導かれ、アース端子
(図示せず)に接続されている。また、入力電極41と
出力電極42は、それぞれの引出電極41a,42aに
よって水晶板1の対角線状に位置する各コーナー部に導
かれている構成となっている。
【0033】以上の構成を採用することにより、特に非
調和オーバートーンモードは、より外側に偏った状態の
振動エネルギ分布において、この非調和オーバートーン
モード自体のバランスが崩れ、この振動エネルギを極め
て効率よく減衰させることができる。一般に電極面積を
大きくすることで駆動インピ−ダンスを低下させること
ができる一方、各種のスプリアス振動も同時に顕在化す
る問題が生じるが、重みを軽減するための電極形状ある
いは重み付加するための電極形状の構成を採用すれば、
こうしたスプリアス振動を実用化に供するレベルまで弱
めることができる。
【0034】なお、図8に示した構成は切り欠き部が
Z′方向に、互いに対向する位置に形成された構成を示
したが、このZ′方向に限ることなく、図20に示すよ
うに、共通電極93においてX方向に切り欠き部93
1、932、933、934を形成する構成であっても
よい。この図20に示す構成において、共通電極の短辺
L 0 を1.30mmとし、入出力電極のX方向の幅L2
を0.78mmとした場合について、X方向に配設され
た対向する切り欠き部間のX方向の距離L1 とスプリア
ス減衰量との関係を、表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】この表から明らかなように、L1 が小さく
なるほど、つまり、切り欠き深さが大きくなるほどスプ
リアス振動の減衰量が大きくなり、好ましい。この第5
の実施の形態によるモノシリック水晶フィルタには、5
mm×2.5mmのATカット矩形水晶板を用い、中心
周波数を130MHzに設定したものを用い、それぞれ
の電極の寸法が長辺が0.78mm、短辺が0.56m
mの矩形電極の対を互いの間隔を0.1mm開けて裏面
に形成し、表面には、これらの入出力電極を覆うよう
に、電極の寸法が長辺が1.84mm、短辺が1.1m
mの矩形の共通電極43が形成された構成である。この
構成のモノシリック水晶フィルタの周波数特性は図13
に示すような周波数特性を示し、従来技術におけるモノ
シリック水晶フィルタの周波数特性を示す図22と比較
すると、従来比較的大きな振動エネルギをもっていた非
調和オーバートーンモード等のスプリアス振動が減衰さ
れていることが明らかとなっている。この場合も図12
に示した第1の実施の形態のデバイスと同様、図13か
らは読み取りにくいが、通過帯域幅は従来品に比べ広く
なっている。
【0037】この第5の実施の形態の変形例として図1
4に示す構成がある。この変形例では、一方の主面に形
成された矩形状の入力電極51、出力電極52に対し
て、他方の主面に形成された矩形状の共通電極53は4
辺とも大きく形成され、入力電極51、出力電極52の
両方を覆う大きさとなっている点、及び切り込み部53
1、532の切り込み深さは反対の面に形成されている
入出力電極51、52に対向する共通電極53部分に及
ぶ深さに形成されている点については図8に示す構成と
同等であるが、共通電極53に形成された切り込み53
1、532の形状が異なる。なお、共通電極53は引出
電極53a、54aによって水晶板1の対角線状に位置
する各コーナー部に導かれ、アース端子(図示せず)に
接続されている。また、入力電極51と出力電極52
は、それぞれの引出電極51a,52aによって水晶板
1の対角線状に位置する各コーナー部に導かれている構
成となっている。
【0038】この構成のモノシリック水晶フィルタの周
波数特性は図15に示すような周波数特性を示し、従来
技術におけるモノシリック水晶フィルタの周波数特性を
示す図22と比較すると、先に示した図8の構成と同
様、従来比較的大きな振動エネルギをもっていた非調和
オーバートーンモード等のスプリアス振動が減衰されて
いることが明らかであり、(イ)、(ロ)のスプリアス
振動が主振動から遠くなり、(ロ)のスプリアス振動が
減衰していることがわかる。
【0039】次に、第6の実施の形態を、図16を参照
しながら以下に説明する。図16は共通電極側の主面の
平面図である。この実施の形態の例では、図14に示し
た変形例と、入力電極61、出力電極62及び共通電極
63に形成されたZ′方向に互いに対向して形成された
切り込み部631、632の構成は同等であるが、この
共通電極63にX方向に切り込み部633、634、6
35、636が形成されたされた構成が特徴的な構成と
なっている。切り込み部633と634、切り込み部6
35と636はそれぞれ互いに対向する位置に形成され
た構成となっている。
【0040】この構成のモノシリック水晶フィルタの周
波数特性は図17に示すような周波数特性を示す。先に
示した図8の構成による周波数特性を示す図15と同
様、(ハ)、(ニ)のスプリアス振動が主振動から遠く
なり、さらにこの第6の実施の形態では、(ニ)のスプ
リアス振動だけでなく(ハ)のスプリアス振動も減衰し
ていることがわかる。
【0041】また、この第6の実施の形態の変形例とし
て、図18及び図19に示す構成をあげることができ
る。図18の構成においては、共通電極73におけるX
方向に形成された切り込み部731、732、733、
734の形状及び形成部分は図16の構成と同じであ
り、またZ′方向に形成された切り込み部741、74
2の形状に違いがあるが、その形成部分は同じである。
また共通電極73の対向する短辺は外側に弧状に形成さ
れている。この構成においても図16の構成と同等の作
用効果を奏するものである。
【0042】さらに、図19に示す構成においては、共
通電極83に形成された切り込み部831、832、8
33、834は矩形の電極の各コーナー部から対角線上
に沿って入出力電極81、82に対向する共通電極83
部分に及ぶ切り込みが形成された構成となっている。こ
の構成においても図16の構成と同等の作用効果を奏す
るものである。
【0043】なお、以上説明した第5及び第6の実施の
形態において、共通電極は対向する二辺のみを大きくし
た構成であってもよいし、水晶板全面に形成しても差し
支えないが、その水晶板を例えばパッケージの電極パッ
ドに導電性接合材等により接続する際に、反対主面に形
成された入出力電極の引出電極との短絡事故が考えられ
るので、この構成を採用する際にはこのような問題を生
じさせない無電極領域を形成する必要がある。
【0044】以上説明した各実施の形態において、入力
電極、出力電極あるいは共通電極のいずれか一方面の電
極を厚肉に形成してもよく、例えば図11に示すように
入力電極35、出力電極36の厚さG2に対して、共通
電極37の厚さG1を大きくしている。この厚さG2は
厚さG1に対して約4倍とするとスプリアス振動のエネ
ルギを外に出すために好ましい。ただし、厚みを増加さ
せるにしたがって帯域が増えるものの、この場合ある程
度まではいくと同じになることを考慮して設計すべきで
ある。このような構成により、重み軽減あるいは重み付
加による境界条件の変化がより強調され、スプリアス振
動を抑制することができる。
【0045】なお、スプリアス抑制効果は重み軽減部あ
るいは重み付加部の大きさ(量)によって異なり、場合
によっては主振動モードを減衰させてしまうことがある
こと、さらに、電極形成時の製造誤差等も勘案して、切
り欠き部等の設計を行う必要がある。
【0046】なお、上述した各本実施の形態において
は、電極材料として銀を用いたが、この構成は従来用い
られていたアルミニウムを電極材料とした場合に比べ
て、スプリアス振動は主振動からより遠くに発生させる
ことができる点で優れている。図22及び図23は、と
もに電極構成を図21に示す構成を適用し、その電極材
料をそれぞれアルミニウム、銀とした場合の周波数特性
を示す。なお、ここで用いたモノシリック水晶フィルタ
の共通電極13、入力電極11、出力電極12にはいず
れも本願の特徴的構成である重みを軽減あるいは付加す
る構成をとっていないが、ここでは電極材料の違いによ
る作用効果の違いのみを述べる。図22に示すように、
アルミニウム電極を用いた場合には、スプリアス振動
(ホ)、(ヘ)は主振動の近辺で大きく発生するが、銀
電極を用いた場合には、スプリアス振動(ト)、(チ)
は主振動から遠くに発生する。これは、スプリアス振動
が厚みすべり系非調和振動であり、比重の重い電極によ
り形成した場合、主振動より非調和振動の方が周波数の
低下量が小さく、見かけ上このスプリアス振動が主振動
よりより高い周波数になるためである。また、アルミニ
ウムが酸化しやすく、銀に比べ不安定材料であることに
起因する。以上のことから、電極材料を銀とすることは
スプリアス振動を抑制する観点から有効な手段といえ
る。また、電極材料を銀のみならず、金を用いてもよ
い。また、これら金、銀のみを用いた電極に限ることな
く、金あるいは銀を主成分とした金属多層構造、例えば
クロム−銀−金、クロム−銀−クロム、クロム−金−ク
ロム、ニッケル−銀−ニッケル、クロム−銀−ニッケル
あるいはニッケル−銀−クロムなどの三層構造、クロム
−銀、クロム−金、ニッケル−銀、ニッケル−金などの
二層構造とした電極構成であってもよい。これらの電極
を用いた場合も上記した銀を単独で用いた場合と同様の
効果得ることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧電振動
デバイスによれば、入力電極及び出力電極あるいは共通
電極の外周近傍の少なくとも一部で、かつ非調和オーバ
ートーンモードが比較的強く励振される部分に、重み軽
減部あるいは重み付加部を設けた構成としたので、振動
エネルギ分布のバランスが大きく崩れ、全体として振動
エネルギが弱められる。従って、従来通過帯域特性を悪
化させていたスプリアス振動が減衰することにより、通
過帯域特性が良好になるとともに、通過帯域外における
保証減衰量特性を良好にすることができる。さらに、主
振動モードが励振電極の中央部分に集中し、その結果対
称モード振動(fs)と斜対称モード振動(fa)の音
響的結合が強化され、水晶フィルタの通過帯域幅が広く
なる。
【0048】入力電極と出力電極の総面積に対して、共
通電極の面積を大きくし、その共通電極の外周近傍の少
なくとも一部に重み軽減部あるいは重み付加部を設け、
その重み軽減部あるいは重み付加部は入力電極と出力電
極に対向する共通電極部分に及ぶ構成とした場合、非調
和オーバートーンモードは、その振動エネルギ分布がよ
り外側に偏った状態となり、この非調和オーバートーン
モード自体のバランスが崩れ、この振動エネルギを極め
て効率よく減衰させることができる。また、一般的には
電極面積を大きくすることにより駆動インピ−ダンスを
低下させることができるが、各種のスプリアス振動も同
時に顕在化する問題がある。しかし、本発明の重み軽減
部あるいは重み付加部を設けた構成により、このスプリ
アス振動を実用に供するレベルにまで弱めることがで
き、従って、より広帯域でかつ良好な通過帯域特性を得
ることができるとともに、通過帯域外における保証減衰
量特性を良好にすることができる。
【0049】さらに、水晶板のいずれかの主面に形成す
る電極を厚肉とする構成とすれば、励振電極の外周端面
によって形成される境界条件がより強調され、上記した
重み軽減部あるいは重み付加部を設けることによる効果
をより有効に導き出すことができる。従って、この場
合、スプリアス抑制効果がより向上する。
【0050】さらに、電極として銀、銀合金、金、金合
金を用いた場合には、スプリアス振動を主振動から遠く
に発生させることができ、スプリアス振動の抑制効果を
より大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の共通電極側の主面
の平面図
【図2】図1におけるA−A断面図
【図3】図1におけるB−B断面図
【図4】本発明の第2の実施の形態の共通電極側の主面
の平面図
【図5】本発明の第3の実施の形態の共通電極側の主面
の平面図
【図6】図5におけるC−C断面図
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す断面図
【図8】本発明の第5の実施の形態の共通電極側の主面
の平面図
【図9】図8におけるD−D断面図
【図10】図8におけるE−E断面図
【図11】各実施の形態に適用できる電極厚さの構成を
示す図
【図12】図1に示した第1の実施の形態の周波数特性
を示す図
【図13】図5に示した第5の実施の形態の周波数特性
を示す図
【図14】本発明の第5の実施の形態の変形例を示す共
通電極側の主面の平面図
【図15】図14に示した第5の実施の形態の周波数特
性を示す図
【図16】本発明の第6の実施の形態の共通電極側の主
面の平面図
【図17】本発明の第6の実施の形態の周波数特性を示
す図
【図18】本発明の第6の実施の形態の変形例を示す共
通電極側の主面の平面図
【図19】本発明の第6の実施の形態の変形例を示す共
通電極側の主面の平面図
【図20】本発明の第6の実施の形態の変形例を示す共
通電極側の主面の平面図
【図21】電極材料による周波数特性を得る際に使用し
た圧電振動デバイスの電極構成を示す共通電極側の主面
の平面図
【図22】図21の電極構成で電極材料をアルミニウム
とした場合の周波数特性を示す図
【図23】図21の電極構成で電極材料を銀とした場合
の周波数特性を示す図
【図24】従来における圧電振動デバイスの共通電極側
の主面の平面図
【図25】図24におけるS−S断面図
【符号の説明】
1‥‥水晶板 21,35,41,61‥‥入力電極 22,36,42,62‥‥出力電極 23,24,34,37,43,63‥‥共通電極 231,232,331,321,431,432,6
31,632,633,634,635,636‥‥切
り欠き部 241,242,243,244,245,246‥‥
貫通孔 371‥‥付加電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶板の一方の主面に入力電極と出力電
    極とが所定の間隔で近接して形成され、かつこの水晶板
    の他方の主面にその入力電極及び出力電極に対応する共
    通電極が設けられ、これらの電極により共振領域が形成
    された厚み系振動を用いた圧電振動デバイスにおいて、
    上記入力電極及び出力電極あるいは共通電極の外周近傍
    の少なくとも一部に重み軽減部あるいは重み付加部が設
    けられていることを特徴とする圧電振動デバイス。
  2. 【請求項2】 上記重み軽減部あるいは重み付加部は、
    当該圧電振動デバイスの励振時に現れるスプリアス振動
    の振動エネルギが主振動エネルギより相対的に高い部分
    に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧
    電振動デバイス。
  3. 【請求項3】 水晶板の一方の主面に矩形状の入力電極
    と出力電極とが所定の間隔で近接して形成され、かつこ
    の水晶板の他方の主面にその入力電極及び出力電極に対
    応する矩形状の共通電極が設けられ、これらの電極によ
    り共振領域が形成されているとともに、これらの各電極
    を上記水晶板の外周端部に導出する引出電極が形成され
    た厚み系振動を用いた圧電振動デバイスにおいて、上記
    重み軽減部あるいは重み付加部は、上記入力電極と出力
    電極とが互いに対向する遠い辺の中央部の少なくとも1
    か所に、あるいは共通電極の対向する遠い辺の中央部の
    少なくとも1か所に、あるいは上記入力電極もしくは出
    力電極の上記遠い辺の中央部のいずれかと、上記共通電
    極の上記遠い辺の中央部の少なくとも1か所に設けられ
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電
    振動デバイス。
  4. 【請求項4】 上記重み軽減部は切り欠き部が形成され
    た構成であることを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の圧電振動デバイス。
  5. 【請求項5】 上記重み軽減部は上記電極の所定箇所の
    当該電極を全部もしくは一部除去することにより形成さ
    れる凹部によって構成されていることを特徴とする請求
    項1、2または3に記載の圧電振動デバイス。
  6. 【請求項6】 上記重み付加部は上記電極の一部もしく
    は全体が厚肉に形成された構成あるいは樹脂材料が上記
    電極の一部もしくは全体に付加された構成であることを
    特徴とする請求項1、2または3に記載の圧電振動デバ
    イス。
  7. 【請求項7】 上記入力電極と出力電極の総面積に対し
    て、上記共通電極の面積が大きく形成されているととも
    に、その共通電極の外周近傍の少なくとも一部に重み軽
    減部あるいは重み付加部が設けられ、その重み軽減部あ
    るいは重み付加部は上記入力電極と出力電極に対向する
    当該共通電極部分に及ぶ構成であることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5または6に記載の圧電振動デバ
    イス。
  8. 【請求項8】 上記水晶板のいずれかの主面に形成され
    た電極が厚肉に形成されていることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6または7に記載の圧電振動デバ
    イス
  9. 【請求項9】 上記水晶板のいずれかの主面に形成され
    た電極が金または銀を主成分とする金属からなることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8
    に記載の圧電振動デバイス
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