JPH1099248A - 拭き取りシートおよびその製造方法 - Google Patents

拭き取りシートおよびその製造方法

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JPH1099248A
JPH1099248A JP8257038A JP25703896A JPH1099248A JP H1099248 A JPH1099248 A JP H1099248A JP 8257038 A JP8257038 A JP 8257038A JP 25703896 A JP25703896 A JP 25703896A JP H1099248 A JPH1099248 A JP H1099248A
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sheets
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直人 竹内
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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トイレットの清掃に使用されるウエットシー
トは、平坦なため手で保持しにくく、また汚れをきれい
に拭き取りにくかった。また、トイレットに捨てたとき
にトイレット内の溜り水や浄化槽内で沈みにくかった。 【解決手段】 液を含浸したときの伸び率が低い低クレ
ープ加工が施されまたはクレープが施されていない第1
のシートS1の表裏両面に、前記第1のシートS1より
も伸び率の大きい高クレープ加工の第2のシートS2が
部分的に接合され、クレープの復元による伸び率の差に
より第2のシートS2に膨らみが形成されて嵩高となっ
ている。前記第1および第2のシートS1、S2、S2
には小孔3が多数形成され、水洗トイレットの溜まり水
や浄化槽内で両シート間の空隙Cの空気が小孔3から外
部へ逃げて沈みやすくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水洗トイレットの
清掃用または除菌または殺菌用、あるいは人体のおしり
拭き用などとして使用され、使用後にトイレなどに捨て
ることが可能な拭き取りシートに係り、特に水洗トイレ
ット内の溜り水や浄化槽内での浮きを防止できるように
した拭き取りシートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トイレットや室内の清掃用、あるいはお
しめを替えるときのおしり拭き用などとして、水洗トイ
レットに捨てることができる水解性のウエットシートが
使用される。このウエットシートは、木材パルプ繊維な
どの繊維と、水溶性または水により膨潤するバインダー
とで形成された水解性シートに、清浄薬液が含浸された
ものである。清浄薬液は水とアルコールに界面活性剤、
清浄成分や防腐剤、香料などが含まれ、さらに前記バイ
ンダーの溶解を抑制するために金属イオンなどが含まれ
る。このウエットシートは前記金属イオンを含む清浄薬
液が含浸された状態では分解せずにシートの強度を保つ
ことができ、水洗トイレット内に流すと、多量の水によ
り清浄薬液の金属イオンが希釈化され、水洗トイレット
内または浄化槽内で分解される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のウエッ
トシートは、平坦な水解性シートが1枚で使用され、あ
るいは2、3枚が重ねられて使用されるものであるた
め、シートそのものの嵩が低く薄いものであった。した
がって、手でシートを押さえ清掃場所を拭く際に、シー
トを手で保持する感触を得ることができず、例えば手と
シートとが滑りやすく、使用感触の悪いものであった。
そこで、シートを嵩高にして布雑巾のような感触を得る
ために、不織布などの嵩の高いシートを重ねて使用する
ことも考えられる。しかし、このような嵩高のシートで
は重ねられたシート間に多くの空気を含み、シート全体
の浮力が大きくなる。その結果、水洗トイレット内の溜
り水内で浮いて流れにくくなったり、または浄化槽内で
沈みにくくなるなどの問題が生じる。
【0004】また、この種のウエットシートは、4つ折
りあるいは8つ折りの状態で容器内に収納されており、
清掃時も4つ折りまたは8つ折りあるいは2つ折りの状
態で使用されるのが一般的であり、さらに使用後に4つ
折りや8つ折りなどの状態で水洗トイレット内に捨てら
れることが多い。しかし、シートが折られた状態では、
折り部の谷側に空気が存在しているため、この空気によ
り浮力が生じ、水洗トイレット内での流れが悪くなる。
また従来のこの種のウエットシートでは、2枚に分離で
きるようにミシン目が入られているものもあるが、この
ミシン目は、個々の切れ込みが短いものとなっている。
そのため、水洗トイレットに捨てられたときに、シート
の折り部の谷側に存在している空気を前記ミシン目の切
れ込みから十分に逃がすことができず、浮力の抑制に寄
与できるものとはなっていない。
【0005】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、汚れを拭き取った後にトイレットなどに流して捨
てることが可能な拭き取りシートにおいて、シートを嵩
高に構成しても、全体の浮力を低下でき水洗トイレット
の溜り水や浄化槽内で沈みやすくした拭き取りシートお
よびその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】また本発明は、4つ折りや8つ折りあるい
は2つ折りなどの状態で水洗トイレットに捨てられたと
きに、折り部の谷側の空気を逃げやすくして、水洗トイ
レットの溜り水や浄化槽内で沈みやすくした拭き取りシ
ートを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の本発明の拭き取り
シートは、水で分解可能なシートが複数枚重ねられてシ
ート間が複数の接合部により部分的に接合され、前記接
合部と接合部の間で少なくとも一方のシートに膨らみが
形成され嵩高とされており、少なくとも1枚のシートに
は、前記膨らみによるシート間の空隙と外気とを連通さ
せる多数の孔が形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0008】さらに上記本発明の拭き取りシートは、水
で分解可能で且つ低クレープ率またはクレープを有しな
い第1のシートと、同じく水で分解可能で且つ前記第1
のシートよりも高クレープ率の第2のシートとが重ねら
れてシート間が複数の接合部により部分的に接合され、
両シートのクレープの復元による伸び率の違いにより前
記接合部と接合部の間の領域で前記第2のシートに膨ら
みが形成されて嵩高とされており、少なくとも1枚のシ
ートには、前記膨らみによるシート間の空隙と外気とを
連通させる多数の孔が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0009】上記において、第2のシートは、第1のシ
ートの表裏両側に重ねられており、少なくとも表裏両側
の第2のシートに多数の孔が形成されているものとする
ことができる。
【0010】第2の本発明は、水で分解可能なシートが
折り畳まれている拭き取りシートであって、シートの折
り部には、折り部の谷側の空気を山側へ逃がすことので
きる切れ込みが部分的に形成されていることを特徴とす
るものであり、
【0011】さらに好ましくは、シートは第1の折り部
にて2つ折りされ、さらに前記第1の折り部と直交する
第2の折り部により折り畳まれるものであり、第1の折
り部と第2の折り部の交叉部分に、折り部の谷側の空気
を山側へ逃がすことのできる切れ込みが部分的に形成さ
れているものとなる。
【0012】上記において、折り部には、シートを切断
するためのミシン目が形成されており、空気を逃がす部
分的な切れ込みは、ミシン目の個々の切れ込みよりも長
く開口しているものとすることが可能である。
【0013】本発明の拭き取りシートの製造方法は、前
記第1の本発明の拭き取りシートを製造するものであ
り、湿式抄紙工程の抄紙用のシリンダー表面に多数の凹
凸を付けて、多数の孔を有する水で分解可能なシートを
形成する工程と、前記工程により形成されたシートを少
なくとも1枚含む複数のシートを部分的に接合する工程
とを有して、接合部と接合部の間の領域で少なくとも一
方のシートに膨らみを形成して嵩高とし、前記膨らみに
よるシート間の空隙と外気とが前記シートの多数の孔に
より連通された拭き取りシートを製造するものである。
【0014】上記において、湿式抄紙工程での乾燥ドラ
ムからシートを巻き取る工程で前記シートにクレープ加
工を施して第2のシートを形成し、前記第2のシートよ
りも低クレープ率またはクレープを有しない第1のシー
トに前記第2のシートを重ねて、シート間を部分的に接
合し、第1のシートと第2のシートのクレープの復元に
よる伸び率の違いにより接合部と接合部の間にて第2の
シートに膨らみを形成するものとすることが好ましい。
【0015】本発明の拭き取りシートは、例えばトイレ
ットの清掃に使用され、使用後そのまま水洗トイレット
に捨てられて、トイレットの水や浄化槽の水により分解
可能なものである。前記拭き取りシートは複数のシート
が重ねられているものであるが、この各シートは天然パ
ルプ繊維、またはレーヨンなどの化学繊維を含む紙、あ
るいは不織布であり、水で分解可能に形成されている。
例えば、シートは、天然パルプなどの繊維と、これらの
繊維どうしを結合させるための、カルボキルシメチル化
パルプまたはカルボキシメチルセルロースなどの水溶性
または水膨潤性のバインダーとから構成される。また、
複数のシートは、例えば水溶性のカルボキシメチルセル
ロースなどの水溶性接着剤などで互いに接合されてい
る。
【0016】なお、本発明でのシートは、浄化槽内で分
解できるものであればどのようなものでもよく、前記の
ものに限られない。
【0017】この拭き取りシートは、複数の接合部間で
少なくとも一方のシートが膨らみを有しているものであ
るが、この膨らみを形成する方法としては、例えば低い
伸び率のクレープ皺を有するかまたはクレープを有しな
い第1のシートと、この第1のシートよりも高い伸び率
のクレープ皺を有する第2のシートとが重ねられて部分
的に接合され、例えば、第2のシートが第1のシートの
表裏両面に部分的に接着接合されて3層構造とされる。
第1のシートと第2のシートが接合された後に清浄薬液
などが含浸されると、前記第2のシートはクレープの復
元により伸びるが、このとき第1のシートと第2のシー
トの伸び率の差により、第2のシートには接合部間で膨
らみが発生する。また、図3に示すように、列を成す複
数の短接合部が一定ピッチで形成されて第2のシートの
表面に細かな凹凸が連続する皺が形成されたものとする
こともできる。
【0018】本発明の拭き取りシートは、少なくとも1
枚のシートが接合部間で膨らみを有しているため、嵩高
になり、手で保持しやすく、拭き取り時に、手とシート
間で滑りが生じにくくなる。またシートの膨らみ部が汚
れの掻きとり効果を発揮し、汚れを拭き取りやすいもの
となる。
【0019】ただし、本発明のシートでの膨らみの形成
方法はシート間にクレープ率の差を持たせるものに限ら
れず、例えば、予め凹凸皺をコルゲート加工などで形成
しておき、このシートを部分的に接合して、接合部間に
おいてシートに膨らみを形成するものであってもよい。
【0020】汚れを拭き取った後水洗トイレットに捨て
られたとき、少なくとも表面に現れているシートに多数
の孔が形成されているため、シートの膨らみによるシー
ト間の空隙内の空気が多数の孔から外部へ抜け出やすく
なり、使用後の拭き取りシートが、水洗トイレットの溜
り水や浄化槽内で沈みやすくなる。
【0021】シートに多数の孔を形成する方法の一例と
しては、湿式抄紙工程の抄紙漕(ワイヤーパート)に設
けられた抄紙用のシリンダーの表面に多数の凹凸を付
け、このシリンダーで天然パルプ繊維などを抄紙して、
前記凹凸に対応した多数の孔を有する紙層(または繊維
ウエッブ)を形成し、この紙層(または繊維ウエッブ)
を乾燥ドラムで巻き取って乾燥し、多数の孔を有する原
紙(シート)を製造する。さらにシート(原紙)にクレ
ープ加工を施す場合には、前記乾燥ロールにドクターブ
レードを当て、乾燥ロールと巻取りロールとの間に回転
速度差を与える。
【0022】前記抄紙工程で製造されるシート(原紙)
の孔の大きさは、例えば平均直径が1.0〜5.0mm
程度が好ましい。本発明のシートでの孔は、シート間の
空隙の空気が外部へ抜け出ればよく、目に見える程度の
大きさの孔であってもよいし、あるいは非常に微細な孔
であって、シートとして使用される原紙または不織布の
繊維密度の高い部分と低い部分が一定のピッチで繰り返
され、前記繊維密度の低い部分(粗の部分)が空気を逃
がすための孔として機能するものであってもよい。
【0023】またシートに多数の孔を形成する工程とし
ては、多孔質のベルト上に繊維ウエッブを形成し、この
ウエッブにエアーシャワーを与えて、前記ベルトの孔に
対応した多数の孔を形成したものでもよく、または針な
どでシートの全面に穴を開けたものであってもよい。
【0024】前記第2の本発明は、シートを折り畳むと
きの折り部に所定長の長い切れ込みを部分的に形成した
ものである。さらに好ましくは、シートが2つ折りされ
た後にさらに折り畳まれる際、それぞれの折り部の交叉
する部分に前記長い切れ込みを形成したものである。こ
のシートは、折り畳んだまま水洗トイレットに捨てられ
たときに、折り部の谷側に存在する空気が前記長い切れ
込みから外部へ抜け出て、浮力が低下し、水洗トイレッ
トや浄化槽で沈みやすくなる。また、折り部にシートを
切断するミシン目が形成されているものでは、空気を逃
がすための前記長い切れ込みを、ミシン目と異なる部分
またはミシン目の途中部分のいずれかに形成し、空気を
逃がすために長い切れ込みの開口寸法を、ミシン目の個
々の切れ込みの開口寸法よりも大きくしておく。
【0025】なお、前記長い切れ込みは、第1の本発明
での多孔質のシートを用いたものと併用してもよいし、
また従来の孔を有しない水解性シートによる拭き取りシ
ートに、前記長い切れ込みを入れるだけでも、浮力の低
下に効力を発揮できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の拭き取りシ
ートの構造を示す斜視図であり、図2(A)(B)
(C)は、シートの接合方法を示す断面図、図3は接合
部と膨らみ皺の形成状態を示す拭き取りシートの部分拡
大平面図、図4は多孔質のシートを形成する製造方法の
一例を示す説明図、図5は図4の抄紙用のシリンダーを
示す部分拡大図である。
【0027】図1に示す拭き取りシート1は、例えばト
イレットの清掃、またはおしりふき用などとして使用さ
れるものであり、使用後に水洗トイレットに捨てられ、
水洗トイレットの溜り水または浄化槽の水で分解可能な
ものである。この拭き取りシート1は、第1のシートS
1と、この第1のシートS1の表裏両面にて接着接合部
Aにより部分的に接着接合された第2のシートS2、S
2との3層のサンドイッチ構造であり、接着接合部Aと
接着接合部Aとの間の領域で、第2のシートS2に膨ら
みが形成されて嵩高とされている。または第1のシート
S1と第2のシートS2が一枚ずつ重ねられて接着され
た2層構造のものであってもよく、この2層の場合も、
接着接合部Aの間の領域で第2のシートS2に膨らみが
形成される。
【0028】前記第1および第2のシートは、天然パル
プ繊維などの原料繊維に、水溶性または水膨潤性のバイ
ンダーとしてカルボキシルメチル化パルプまたはカルボ
キシメチルセルロース、あるいはポリビニルアルコー
ル、デンプン、カラギーナン、ガラクトマンナン、アク
リル酸エステルなどが含まれて、水により分解可能とさ
れている。各シートS1とS2には多数の微細な小孔が
形成されている。例えばこの微細な小孔は、湿式抄紙工
程にて付与される。
【0029】図4は湿式抄紙工程を説明するものであ
る。天然パルプ繊維などの原料繊維と例えばカルボキシ
ルメチル化パルプなどは、ポーチャー10内で水ととも
に撹拌され、抄紙槽11(ワイヤーパート)に送られ
る。抄紙槽11(ワイヤーパート)ではポンプ13によ
る循環圧力で原料繊維がシリンダー12の外周に付着さ
せられ紙層(繊維ウエッブ)Wが形成される。紙層(繊
維ウエッブ)Wはウエットフェルト14に転写され、さ
らにトップフェルト15から乾燥ドラム16に転写さ
れ、乾燥ドラム16の表面で乾燥される。図5に示すよ
うに、前記抄紙用のシリンダー12の表面には微細な凸
部12aが形成されており、この凸部12aを有する凹
凸部に当たる紙層(繊維ウエッブ)Wに小孔が貫通し、
または繊維の密度が低くなって空気が通過しやすい小孔
が形成される。
【0030】乾燥ドラム16により乾燥されたシートS
2(またはS1)は巻取りドラム18、19により巻き
取られるが、乾燥ドラム16の表面にはドクターブレー
ド17が当てられ、乾燥ドラム16の周速よりも巻取り
ドラム18、19の周速が遅く設定され、シートS2に
クレープ加工が施される。シートS1とS2とでは、乾
燥ドラム16と巻取りドラム18、19との周速差が相
違し、この周速差の大小によりクレープ率が調節され
る。シートS1は低クレープ率(またはクレープが形成
されない)となり、シートS2はシートS1に対し相対
的に高クレープ率となるように設定される。
【0031】前記シートS1とS2は、図2(A)に示
すように重ねられる。図2(A)では、第1のシートS
1の表裏両面に接着剤2が塗布され、第2のシートS
2、S2が第1のシートS1の表裏両面に重ねられる。
接着剤2は、例えば図3に示す接合パターンとなるよう
に塗布されるが、この接着剤2は、例えば水溶性のカル
ボキシメチルセルロースなどである。第1のシートS1
と第2のシートS2、S2は重ねられた状態で、加湿さ
れながら加熱板4および5により挟圧される。加熱板5
には接着接合部Aのパターンに合わせたエンボス5aが
設けられており、このエンボス5aによりシートが加圧
・加熱されて、第1のシートS1と第2のシートS2が
接着接合部Aにて互いに接着接合される。接合されたも
のを図2(B)に示す。
【0032】このように接着接合されたシートS1とS
2に、水とアルコール、界面活性剤、防腐剤および消臭
剤や芳香剤、さらにシートの水解を抑制する金属イオン
などを含む清浄薬液が含浸される。清浄薬液が含浸され
ると、シートのクレープ皺が復元して伸びを生じる。た
だし第2のシートS2が第1のシートS1よりもクレー
プ率が高く、第2のシートS2のクレープ復元時の伸び
が第1のシートS1よりも大きいため、図2(C)に示
すように、接着接合部Aと接着接合部Aとの間の領域
で、第2のシートS2に膨らみが発生して、嵩高の拭き
取りシート1となる。なお、シートに含浸される清浄薬
液は前記のようにカルシウムやストロンチュームなどの
金属イオンを含むため、第1および第2のシートに含ま
れているカルボキシルメチル化パルプや、シートどうし
を接着する水溶性のカルボキシメチルセルロースなどの
接着剤と架橋コンプレックスを生じ、バインダーおよび
接合部の分解が抑制される。また使用後に水洗トイレッ
トに捨てられると、清浄薬液が多量の水で希釈され、シ
ートおよび接着接合部が水にて分解可能となる。
【0033】図3は接着接合部Aの接着パターンの一例
を示している。図3では、第1および第2のシートが、
で示す短い直線状の短接合部aにより部分的に接着接
合されている。この短接合部aは一定の間隔を開けてY
方向へ列を成して配列されており、このY方向へ延びる
列が図1に示す接着接合部Aとなっている。前記短接合
部aは第2のシートS2のクレープ皺bの延びる方向
(X方向)および短接合部aのピッチの方向(Y方向)
に角度を有して斜めに設けられており、さらに短接合部
aの並ぶ列(接着接合部A)は、X方向へ所定の間隔を
開けて形成されている。
【0034】各シートS1、S2、S2に清浄薬液が含
浸されると、クレープ加工による微細な皺bがY方向へ
膨らもうとする。このとき第1のシートS1と第2のシ
ートS2は短接合部aの部分で接着されているため、
このの部分では第2のシートS2にY方向への伸びが
発生しにくい。これに対し短接合部aと短接合部aで挟
まれた部分では、第2のシートS2がY方向へ伸びや
すく、このY方向への伸び(イ)によりの部分では弛
みが発生しやすい。その結果、Y方向に配列された接着
接合部Aと接着接合部Aとで挟まれた領域では、両側の
短接合部aの部分を結ぶ谷部が形成され、また両側の
部分を結ぶ膨らみにより山部が現れる。よって、接
着接合部Aに挟まれた領域では、短接合部aの配列ピッ
チとほぼ一致した凹凸の皺Bが現れ、凸部(山部)が膨
らみを生じる。この皺Bを形成することにより、拭き取
り効果を高めることができる。
【0035】このように形成された拭き取りシート1
は、図2(C)の断面図に示されているように、接着接
合部AとAの間の領域において、前記凹凸皺Bの特に山
の部分に膨らみを生じて、第2のシートS2と第1のシ
ートS1の間に空隙Cが生じて嵩高となっている。この
拭き取りシート1が使用後にトイレットなどに流された
とき、空隙C内の空気は第1のシートS1および第2の
シートS2に形成された小孔3から抜けてシートの浮力
が低下し、さらにこの小孔3からシートS1とS2の間
に水が入り込むため、水洗トイレットの溜り水や浄化槽
内で拭き取りシートが沈みやすくなる。
【0036】図6は、上記拭き取りシート1が折り畳ま
れた状態を示す斜視図、図7は図6の部分拡大図であ
る。この拭き取りシート1は、図6に示すように、第1
の折り部(折れ線)L1により2つ折りされ、さらに前
記第1の折り部L1と直交する第2の折り部(折れ線)
L2により折られて4つ折り状態に畳まれ、さらに第3
の折り部L3の部分から折られて8つ折りとされる。容
器に収納されるときは、通常8つ折り状態である。また
拭き取り掃除に使用されるときは、手の大きさや拭き取
り箇所によっても異なるが、図6に示す4つ折り状態、
あるいは8つ折り状態などで使用される。
【0037】また、第2の折り部L2には、ミシン目
(パーフォレーション)P1が形成され、2つ折り状態
にて前記ミシン目P1を切り離して拭き取りシート1を
2枚に分離できるようになっている。このミシン目P1
は、短い切れ込みが一定のピッチで形成されているもの
である。また、図6および図7(図6の部分拡大図)に
示されているように、第1の折り部L1には、部分的な
長い切れ込みP2及びP3が形成されている。この切れ
込みP2およびP3は、前記ミシン目P1の個々の切れ
込みよりも十分に長く形成されている。前記切れ込みP
2は、2つ折りの折り部L1の稜線の部分に形成され、
切れ込みP3は、第1の折り部L1と第2の折り部L2
とが交叉する部分に形成されている。
【0038】したがって、清掃後に、拭き取りシート1
が第1の折り部L1の部分から折られた2つ折りの状態
または図6に示す4つ折りの状態、さらには8つ折りの
状態で、水洗トイレットに捨てられたときに、第1の折
り部L1での2つ折りの谷の部分(i)に介在している
空気が切れ込みP2とP3とから外部に逃げやすくな
り、谷の部分(i)の空気により浮力が増加することが
なく、水洗トイレットの溜り水や浄化槽内で沈みやすく
なる。さらに図6に示す4つ折りまたは8つ折りの状態
で水洗トイレットに捨てられると、折り部L1の谷部
(i)のみならず、折り部L1と折り部L2との交叉部
分の内側(ii)に空気が溜まりやすいが、この(i
i)の部分の空気は切れ込みP3の部分から外部へ容易
に逃げることができる。したがって、折ったままの状態
で水洗トイレットに捨てられても、溜まり水や浄化槽内
で浮力が低下して、沈みやすくなる。
【0039】また、第2の折り部L2の部分において、
ミシン目P1の途中に長い切れ込みP2とP3を形成し
てもよい。上記の例では、拭き取りシート1は、清浄薬
液が含浸されたウエットな状態でプラスチックの容器な
どに入れられて使用される。あるいは、ドライな状態で
容器に収納され、使用するときに清浄薬液が含浸されま
たは含浸されないものでもよい。
【発明の効果】以上のように本発明の拭き取りシート
は、複数のシートが重ねられ、シートに膨らみが形成さ
れた嵩高のものであるため、手で保持しやすく、また拭
き取り効果にも優れる。また、前記膨らみによりシート
間に介在する空気を外部に逃げやすくしているため、水
洗トイレットの溜まり水や浄化槽において浮力が低減
し、沈みやすくなる。
【0040】また、2つ折りや4つ折りまたは8つ折り
などの状態で水洗トイレットに捨てたときも、折り部の
谷側の空気が山側へ逃げやすくなり、水洗トイレットや
浄化槽内で沈みやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拭き取りシートの全体の構造を示す斜
視図、
【図2】(A)(B)(C)は本発明の拭き取りシート
の製造方法のうちの接合接着工程を示す断面図、
【図3】前記拭き取りシートの接着パターンの一例を示
す部分平面図、
【図4】湿式の抄紙工程を説明する説明図、
【図5】図4に示す抄紙用シリンダーの部分拡大図、
【図6】拭き取りシートが4つ折りとされた状態を示す
斜視図、
【図7】図6の部分拡大図、
【符号の説明】
1 拭き取りシート 2 接着剤 3 小孔 12 抄紙用のシリンダー 12a 微小な凸部 S1 第1のシート S2 第2のシート A 接着接合部 B 皺 C 空隙 a 短接合部 L1 第1の折り部 L2 第2の折り部 L3 第3の折り部 P1 ミシン目 P2、P3 空気を逃がす切れ込み W 紙層(または繊維ウエッブ)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水で分解可能なシートが複数枚重ねられ
    てシート間が複数の接合部により部分的に接合され、前
    記接合部と接合部の間で少なくとも一方のシートに膨ら
    みが形成され嵩高とされており、少なくとも1枚のシー
    トには、前記膨らみによるシート間の空隙と外気とを連
    通させる多数の孔が形成されていることを特徴とする拭
    き取りシート。
  2. 【請求項2】 水で分解可能で且つ低クレープ率または
    クレープを有しない第1のシートと、同じく水で分解可
    能で且つ前記第1のシートよりも高クレープ率の第2の
    シートとが重ねられてシート間が複数の接合部により部
    分的に接合され、両シートのクレープの復元による伸び
    率の違いにより前記接合部と接合部の間の領域で前記第
    2のシートに膨らみが形成されて嵩高とされており、少
    なくとも1枚のシートには、前記膨らみによるシート間
    の空隙と外気とを連通させる多数の孔が形成されている
    ことを特徴とする拭き取りシート。
  3. 【請求項3】 第2のシートは、第1のシートの表裏両
    側に重ねられており、少なくとも表裏両側の第2のシー
    トに多数の孔が形成されている請求項2記載の拭き取り
    シート。
  4. 【請求項4】 水で分解可能なシートが折り畳まれてい
    る拭き取りシートであって、シートの折り部には、折り
    部の谷側の空気を山側へ逃がすことのできる切れ込みが
    部分的に形成されていることを特徴とする拭き取りシー
    ト。
  5. 【請求項5】 シートは第1の折り部にて2つ折りさ
    れ、さらに前記第1の折り部と直交する第2の折り部に
    より折り畳まれるものであり、第1の折り部と第2の折
    り部の交叉部分に、折り部の谷側の空気を山側へ逃がす
    ことのできる切れ込みが部分的に形成されている請求項
    4記載の拭き取りシート。
  6. 【請求項6】 折り部には、シートを切断するためのミ
    シン目が形成されており、空気を逃がす部分的な切れ込
    みは、ミシン目の個々の切れ込みよりも長く開口してい
    る請求項4または5記載の拭き取りシート。
  7. 【請求項7】 湿式抄紙工程の抄紙用のシリンダー表面
    に多数の凹凸を付けて、多数の孔を有する水で分解可能
    なシートを形成する工程と、前記工程により形成された
    シートを少なくとも1枚含む複数のシートを部分的に接
    合する工程とを有して、接合部と接合部の間の領域で少
    なくとも一方のシートに膨らみを形成して嵩高とし、前
    記膨らみによるシート間の空隙と外気とが前記シートの
    多数の孔により連通された拭き取りシートを製造する方
    法。
  8. 【請求項8】 前記湿式抄紙工程にて乾燥ドラムからシ
    ートを巻き取る工程で前記シートにクレープ加工を施し
    て第2のシートを形成し、前記第2のシートよりも低ク
    レープ率またはクレープを有しない第1のシートに前記
    第2のシートを重ねて、シート間を部分的に接合し、第
    1のシートと第2のシートのクレープの復元による伸び
    率の違いにより接合部と接合部の間にて第2のシートに
    膨らみを形成する請求項7記載の拭き取りシートを製造
    する方法。
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