JPH1099665A - 気体分離膜および気体分離法 - Google Patents

気体分離膜および気体分離法

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JPH1099665A
JPH1099665A JP8256843A JP25684396A JPH1099665A JP H1099665 A JPH1099665 A JP H1099665A JP 8256843 A JP8256843 A JP 8256843A JP 25684396 A JP25684396 A JP 25684396A JP H1099665 A JPH1099665 A JP H1099665A
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JP
Japan
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gas
separation membrane
support layer
amorphous fluororesin
porous
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JP8256843A
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Hiroyoshi Fujimoto
浩良 藤本
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Original Assignee
Japan Gore Tex Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アモルファスフッ素樹脂膜の有する優れた特
定成分ガスの選択透過性を活用し、該膜にピンホール欠
陥等が生じた様な場合でも、支持層を通して吸収液成分
が被処理ガス側へ簡単に漏れ出す様なことがなく、吸収
液を用いた特定成分ガスの除去を効率よく行なうことの
できる気体分離膜および分離法を提供すること。 【解決手段】 特定の気体を吸収する機能を有する吸収
液を用いて混合気体から特定の気体を分離するための気
体分離膜であって、多孔質ポリテトラフルオロエチレン
樹脂または多孔質ポリオレフィン樹脂よりなる支持層の
片面側に、アモルファスフッ素樹脂被覆が形成されてな
り、上記アモルファスフッ素樹脂被覆は、一部が前記支
持層の多孔質空間に侵入すると共に、残部は前記支持層
の表面で連続皮膜を形成した多層構造の気体分離膜であ
り、該分離膜における前記アモルファスフッ素樹脂被覆
形成面側に前記吸収液を存在させることにより、炭酸ガ
スや硫化水素等の特定気体を効率よく分離できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガスや硫化水
素の如き特定の気体成分を含む混合ガス中に含まれる特
定の気体成分を、気体分離膜を介して吸収液に吸収させ
て回収もしくは除去する際に用いられる、改善された気
体分離膜と気体分離法に関し、殊に特定気体成分の吸収
をより効率よく行ない得る様に改善された分離膜と分離
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種工場設備や火力発電所あるいは車輌
などから排出される排ガス中に含まれる炭酸ガスや硫化
水素等の特定気体成分を除去する方法として、これら特
定気体成分に対して吸収機能を有する吸収剤、たとえば
モノ(またはジ、トリ)エタノールアミンを、気体分離
膜を介して排ガスと接触させ、該気体分離膜を透過して
くる特定気体成分を吸収剤に吸収させて除去する方法が
ある。
【0003】一方、特定気体成分を透過する気体分離膜
を用いて、排ガス中に含まれる特定気体成分を加圧透過
させて分離する方法も公知であり、この様な気体分離膜
の構成素材として、環状構造のフッ素系ポリマーからな
るアモルファスフッ素樹脂膜が知られている(特公昭6
3−264101号公報など)。即ちこのアモルファス
フッ素樹脂膜は、5〜500Å程度の平均細孔径を有し
ており、該膜を挟んで一方面側に被処理ガスを存在させ
て加圧すると、平均細孔径よりも小さい分子サイズの気
体成分は該膜を通して反対面側に透過するので、特定気
体成分を分離することができる。また上記公報に記載の
発明では、気体分離膜の片面側に多孔質の支持層を設
け、強度特性を高める方法も開示している。
【0004】更に他の技術として特開平5−30103
3号公報には、親水化処理を施した多孔質フッ素樹脂を
支持体とし、これを公知の気体分離膜と複合化した複合
膜が開示されている。この複合膜は、支持層となる多孔
質フッ素樹脂を親水化することによって、水蒸気や水の
透過性を高めたもので、フッ素樹脂の有する優れた耐熱
性や耐薬品性を有効に発揮させつつ、水や水蒸気の透過
性能を高めた分離膜として様々の用途展開が期待され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記特公昭6
3−264101号公報に開示された分離膜、特に多孔
質の支持層で強化した複合膜は、圧力差を利用して特定
気体成分の分離を行なうものであり、この種の複合膜を
前述の如き吸収液を用いた特定気体成分の吸収除去に利
用しようとすると、分離膜を構成する薄肉のアモルファ
スフッ素樹脂膜にピンホール欠陥等が生じた時に、支持
層を通して吸収液が被処理ガス側へ簡単に漏れ出す現象
が起こるため、吸収液を用いた特定気体成分の除去に利
用することはできない。
【0006】また上記特開平5−301033号公報に
開示された複合膜は、支持層となる多孔質フッ素樹脂を
親水化することによって水蒸気や水の透過性を高めたも
のであるから、この種の複合膜を前述の如き吸収液を用
いた特定気体成分の吸収除去に利用しようとすると、分
離膜を構成する薄肉のアモルファスフッ素樹脂膜にピン
ホール欠陥等が生じた時に、やはり支持層を通して吸収
液が被処理ガス側へ簡単に漏れ出す現象が起こるため、
吸収液を用いた特定気体成分の除去にその特徴を有効に
活かすことはできない。
【0007】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、特に吸収液を用いた特定
気体成分の吸収除去を対象とし、吸収液と接触状態で使
用した時に、アモルファスフッ素樹脂膜に対して優れた
支持効果を発揮すると共に、該アモルファスフッ素樹脂
膜にピンホール欠陥ができた場合でも、特定気体成分の
吸収除去効率を下げることなく且つ吸収液の漏れ出しも
起こさない様な気体分離膜を開発し、ひいては吸収液を
用いた特定気体成分の吸収分離を効率よく実施し得る様
な気体分離法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の気体分離膜とは、特定の気体を吸収す
る機能を有する吸収液を用いて混合気体から特定の気体
成分を分離するための気体分離膜であって、該分離膜
は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂または多孔
質ポリオレフィン樹脂よりなる支持層の片面側に、アモ
ルファスフッ素樹脂被覆が形成されてなり、上記アモル
ファスフッ素樹脂被覆は、一部が前記支持層の多孔質空
間に侵入すると共に、残部は前記支持層の表面で連続皮
膜を形成しているところにその特徴が存在する。
【0009】本発明の上記気体分離膜においては、前記
支持層としての厚みを5〜200μmの範囲とし、また
前記アモルファスフッ素樹脂被覆についてはその厚みを
0.01〜10μmの範囲とすることにより、複合分離
膜としての性能を一層確実に発揮させることができる。
また、前記支持層における前記アモルファスフッ素樹脂
被覆形成面の反対面側に強化層を形成し、複合分離膜と
しての強度特性を更に高めることは、気体分離膜として
の寿命を延長する上で有効である。本発明の気体分離膜
は、その使用形態に応じてフィルム状またはチューブ状
として実用化することができる。
【0010】そして上記気体分離膜を使用し、該分離膜
における前記アモルファスフッ素樹脂被覆形成面側に前
記吸収液を存在させて特定気体成分の分離を行なえば、
後述する如く支持層を構成する多孔質ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂の有する撥水特性によって吸収液の漏れ
出しを有効に防止しつつ、アモルファスフッ素樹脂被覆
に対する支持作用を有効に発揮させることができ、吸収
液による特定気体成分の吸収除去を長時間にわたって効
率よく遂行することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明の気体分離膜
は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂または多孔
質ポリオレフィン樹脂よりなる支持層の片面側に、アモ
ルファスフッ素樹脂被覆が形成された複合膜であり、上
記アモルファスフッ素樹脂被覆は、一部が前記支持層の
多孔質空間に侵入すると共に、残部は前記支持層の表面
で連続皮膜を形成している。
【0012】ここで支持層を構成する多孔質ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)樹脂または多孔質ポリオ
レフィン(PO)樹脂は、PTFE樹脂またはPO樹脂
を、延伸法、発泡法、溶剤抽出法などによって多孔質化
したものであり、成形されたフィルムやチューブ等に2
次元的ないし3次元的な連通孔が無数に形成された連続
多孔質構造を有しており、中でも特開昭51−1899
1号や米国特許第3,953,566号などに開示され
た延伸多孔質PTFE樹脂は、強度的にも非常に優れた
ものとして推奨される。
【0013】なお該支持層構成材として多孔質のPTF
E樹脂またはPO樹脂を選択したのは、それ自身優れた
耐熱性、耐薬品性、耐候性を有している他、特に撥水性
にすぐれたものであり、多孔質の故に優れた気体透過性
を有しているが細孔内への吸収液の侵入は起こりにく
く、これを支持層として吸収液の接触側に配置して使用
すると、気体成分の透過は殆んど阻害することなく吸収
液の漏れ出しを可及的に阻止することが可能となる。特
に多孔質PTFE樹脂を支持層構成材として使用する
と、そのとりわけ優れた強度、耐薬品性、撥水性が遺憾
なく発揮され、支持層としての機能を一段と優れたもの
とすることができるので好ましい。
【0014】またポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹
脂などからなる多孔質PO樹脂も、多孔質PTFE樹脂
に比べると耐熱性や撥水性はやや劣るが、前記特公昭6
3−264101号公報や特開平5−301033号公
報に開示された複合膜における支持層構成材に較べると
優れた耐薬品性と撥水性を有しており、こうした特性
は、吸収液を用いて特定ガス成分の吸収分離を行なう気
体分離膜用の支持層構成材としての要求特性を備えてい
るといえる。
【0015】支持層として用いられる上記多孔質PTF
E樹脂や多孔質PO樹脂の細孔径は、ガス成分の吸収分
離に用いる吸収液の圧力等によっても変わってくるので
一律に規定することはできないが、ガス透過性を阻害す
ることなく吸収液の漏れ出しを確実に阻止するには、平
均細孔径で0.05〜3μm程度、より好ましくは0.
1〜0.5μm、空孔率で30〜90%、より好ましく
は50〜80%のものが好ましく、また、吸収液と接し
てその液圧を受ける分離膜の支持層としての機能を十分
に活かし、且つ細孔による吸収液の漏れ出し効果を有効
に発揮させる上では、その厚みを5〜200μm、より
好ましくは20〜50μmの範囲とすることが望まし
い。
【0016】上記平均細孔径や空孔率は、多孔質化する
ときの条件、例えば延伸多孔質膜では縦・横方向の延伸
倍率を変える方法等によって任意に調整することがで
き、また支持層としての膜厚は、多孔質化処理後の厚さ
減少率を加味してその前のフィルムの膜厚を変えること
よって調整すればよい。
【0017】尚上記の様に、本発明で支持層として使用
する多孔質PTFE樹脂や多孔質PO樹脂は、その優れ
た撥水特性を活かして細孔内への吸収液の侵入を阻止
し、吸収液の漏れ出しを阻止するところに最大の特徴を
有するものであり、こうした特性を更に高めるため、多
孔質化した後の支持層構成材を撥水剤で処理し、液漏れ
防止性能を更に高めることも有効である。ここで用いら
れる好ましい撥水・撥油処理剤としては、例えばPCT
/US93/08884号(WO 94/22928
号)に記載されているフルオロアルキルアクリレートや
フルオロアルキルメタクリレート等から導かれるポリマ
ー、PCT/US94/10075号(WO95/34
583号)に記載されているフルオロアルキルアクリレ
ートまたはフルオロアルキルメタクリレートとテトラフ
ルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレンとの共重合体等が挙げられ、これら
の撥水・撥油処理剤は平均粒径が0.001〜0.1μ
m程度のマイクロエマルジョンとして得られるので、こ
れらを多孔質化したPTFE樹脂やPO樹脂フィルムに
含浸付着させて乾燥すれば、多孔質フィルム層内のノー
ドやフィブリル等の骨格組織に均一に付着して撥水性被
覆を形成し、気体透過性を阻害することなく支持層とし
ての撥水性を一段と高められ、吸収液の漏れ出しをより
確実に阻止することが可能となる。
【0018】上記支持層の片面側に形成されるアモルフ
ァスフッ素樹脂被覆は、被覆内に5〜500Åレベルの
微細な連通孔を有する選択透過性を有する被覆であり、
その例としては、例えば特開昭63−264101号に
開示されている如く、主鎖に環状構造を有する含フッ素
系ポリマーを挙げることができ、具体的には主鎖に
【0019】
【化1】
【0020】等の構造単位を有するポリマーを使用し、
これをパーフルオロベンゼンやトリクロロトリフルオロ
エタン等の溶剤に溶解し、ロールコート法、キャスト
法、ディッピング法、スピンコート法など任意の方法
で、成膜し乾燥する方法によって得ることができ、その
フィルムはそれ自身で選択透過性を発揮する。そして使
用するポリマーの種類や複合組成を任意に選択すること
によって、吸収分離すべき特定気体成分に応じた選択透
過性の被覆を得ることができる。
【0021】該アモルファスフッ素樹脂被覆の厚さは、
気体透過性を高める意味からすると薄くした方が好まし
いが、薄くし過ぎると選択透過膜としての強度や耐液圧
性が乏しくなるばかりでなくピンホール欠陥も生じ易く
なって選択透過性も劣化してくるので、好ましくは0.
01〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmの範囲
に設定することが望ましい。
【0022】上記多孔質PTFE樹脂または多孔質PO
樹脂よりなる支持層とアモルファスフッ素樹脂との複合
に当たっては、該支持層の片面側にアモルファスフッ素
樹脂被覆を形成すると共に、該アモルファスフッ素樹脂
被覆は、その一部を前記支持層表層部の多孔質空間に侵
入せしめ、噛み込み(アンカー)効果によって強固に接
合一体化させると共に、残部は前記支持層の表面で連続
皮膜を形成し、選択分離膜としての性能が有効に発揮で
きる様にすることが必要となる。しかして、支持層の片
面に接着剤を用いて前記アモルファスフッ素樹脂被覆の
接合を行なおうとすると、接着剤の存在によってモルフ
ァスフッ素樹脂被覆の選択分離膜としての性能劣化が避
けられないが、上記の様にモルファスフッ素樹脂被覆の
一部を支持層の細孔内に侵入させて噛み込ませてやれ
ば、モルファスフッ素樹脂被覆の選択分離膜としての性
能に悪影響を与えることなく該被覆を強固に接合一体化
することができるからである。そして、該支持層の表面
で該モルファスフッ素樹脂被覆の連続皮膜を形成するこ
とによって、支持層の片面側に選択分離膜が強固に接合
一体化した複合膜が得られるのである。
【0023】この様にアモルファスフッ素樹脂被覆を支
持層表面に噛み込み状態で形成する方法は特に制限され
ないが、好ましい方法を例示すると、 上記アモルファスフッ素樹脂被覆を構成する原料樹脂
の溶剤溶液からなるドープを支持層の片面に直接塗布
し、製膜と同時に細孔内に噛み込ませる方法、この時、
ドープの粘性を適正に調整すれば、噛み込みの程度を任
意に変更することができる、 アモルファスフッ素樹脂よりなる薄膜を予め製造して
おき、これを、同種のアモルファスフッ素樹脂の溶剤溶
液からなるドープを用いて支持層の片面に接合させ、乾
燥状態で該ドープ中のアモルファスフッ素樹脂を支持層
表層部の細孔内へ噛み込ませ状態で固化させる方法、 アモルファスフッ素樹脂よりなる薄膜を予め製造して
おき、これを支持層の片面に重ね合わせた後、ヒートロ
ールやヒートプレス等を用いてアモルファスフッ素樹脂
の軟化点以上で且つ支持層構成材の軟化点以下の温度で
加熱圧着し、アモルファスフッ素樹脂薄膜の一部を支持
層の細孔内へ噛み込ませてから冷却固化させる方法、等
が好ましい方法として例示される。
【0024】本発明の気体分離膜は、支持層とアモルフ
ァスフッ素樹脂被覆(以下、選択透過膜ということもあ
る)との複合によってそれなりの強度や耐圧性を有して
いるが、強度を更に高めるため、該気体分離膜における
選択透過膜形成面の反対面側に補強層を積層して一層の
強化を図ることも有効である。ここで用いられる補強層
は、使用時において被処理ガス側に配置されるものであ
り、支持層構成材と同等以上の気体透過性を有している
素材を用いることが望ましく、例えば素材に制限のない
様々の不織布、織物、編物、ネット状物、フェルトな
ど、被処理ガスの種類に応じて、腐食や劣化を起こさな
いものを任意に選択して使用できる。該補強層の積層法
にも格別の制限はなく、接着剤を使用する方法や熱融着
法など公知の方法を適宜採用できるが、接合による通気
性の劣化を招くことのない様、点状、線状、格子状等で
接合させることが望まれる。
【0025】本発明の気体分離膜は、具体的な使用態様
に応じてフィルム状またはチューブ状に形成することが
でき、チューブ状とする場合は、支持層となるポリテト
ラフルオロエチレン樹脂を最初からチューブ状に加工し
てから多孔質化処理し、その後アモルファスフッ素樹脂
被覆を形成してもよく、或は長尺フィルムの両側縁を長
手方向に接合してチューブ状に加工しても構わない。
【0026】かくして得られる本発明の気体分離膜を使
用するに当たっては、上記アモルファスフッ素樹脂被覆
形成面を吸収液側にして、その反対側に被処理ガスを存
在させると、該支持層の細孔を通過し該アモルファスフ
ッ素樹脂被覆を選択透過した特定気体成分のみが吸収液
に吸収され、特定気体成分の選択的除去を行なうことが
可能となる。また上記アモルファスフッ素樹脂被覆にピ
ンホール欠陥が存在し或は使用時にその様な欠陥が生
じ、該被覆を通して吸収液が被処理ガス側に漏れ出そう
としても、該支持層を構成する多孔質PTFE樹脂や多
孔質PO樹脂は前述の如く撥水性を有しているので、支
持層の細孔部分で吸収液の移行が阻止され、支持層の被
処理ガス側にまで吸収液が漏れ出すことはなくなる。
【0027】換言すると、本発明の気体分離膜における
アモルファスフッ素樹脂被覆が形成されていない面を吸
収液側に配置して特定成分ガスの吸収除去を行なおうと
すると、吸収液またはその蒸気が徐々に支持層の細孔内
に浸透し、細孔部分において所謂液溜りが生じ、その部
分では吸収液が循環しない。被処理ガスと循環する吸収
液との間で液溜りが生じることは、特定ガスの吸収効率
(分離効率)を大きく低下させることになる。又、アモ
ルファスフッ素樹脂被覆にピンホール欠陥があり或は作
業時にピンホール欠陥ができると、該ピンホール欠陥を
通過した吸収液は直接被処理ガス側に漏れ出すことにな
り、折角支持層に設けられた細孔による吸収液露出阻止
作用が全く発揮されなくなる。
【0028】図1,2は、本発明の気体分離膜を用いて
被処理ガスから特定気体成分を吸収除去する方法を示す
概念図であり、図1はフィルム状の気体分離膜を用いた
例で、気液分離装置1内を気体分離膜2によって仕切
り、該分離膜2のアモルファスフッ素樹脂被覆形成面側
に吸収液A(例えばモノエタノールアミン等)を流して
循環ポンプPにより循環すると共に、その反対面側に被
処理ガスBを流し、被処理ガス中に含まれる特定成分ガ
ス、例えば炭酸ガスや硫化水素等を、気体分離膜2を通
して吸収液A側へ移行させて吸収除去する。
【0029】また図2では、気体分離装置1内にチュー
ブ状の気体分離膜2を多数配置し、該チューブの内側に
吸収液(または被処理ガス)を通過させると共に、その
外側に被処理ガス(または吸収液)を流し、排ガス中の
特定成分ガスをチューブを通して吸収液側に移行させて
吸収除去する。この時、チューブ内に吸収液を流す場合
は、該チューブの内面側にアモルファスフッ素樹脂被覆
を形成し、逆にチューブの外面側に吸収液を流す場合
は、該チューブの外面側にアモルファスフッ素樹脂被覆
を形成すればよい。
【0030】尚図1,2では気体分離装置としての基本
的な構造を示したが、本発明はあくまでも気体分離膜と
しての複合構造に特徴を有するものであるから、分離装
置自体の具体的な構成については一切制限されない。
【0031】本発明の気体分離膜および気体分離法を採
用して処理される被処理ガスあるいは使用する吸収液の
種類は特に制限されず、例えば一般工場、焼却設備、廃
液処理設備、火力発電所等からの排ガス、或は車輌等か
らの排気ガスの如く、炭酸ガス、硫化水素等を含有する
様々の排ガスに適用することができ、また吸収液の種類
もそれら被処理排ガス中に含まれる特定気体成分の種類
に応じて、例えばモノ(またジ、トリ)エタノールアミ
ン、あるいはそれらの水溶液、水酸化ナトリウムや水酸
化カリウム等の水溶液などを使用することができる。
【0032】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それ
らは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0033】実施例1 ポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルムを2軸方向に
延伸してなる多孔質PTFE樹脂膜(平均細孔径0.2
μm、厚さ40μm、空孔率80%)を支持層構成材と
して使用し、その片面に、環構造を有する含フッ素系ポ
リマー(E.I.Dupont社製商品名「Tefro
n AF#2400」)1重量部を溶剤(3M社製商品
名「フロリナートFC−75」)49重量部に溶解した
溶液を、ロールコート法によって乾燥厚みが1μm,3
μmおよび5μmの厚みとなる様にコーティングし、オ
ーブン中150℃で5分間乾燥することにより、多孔質
PTFE樹脂よりなる支持層の表面に上記厚さのアモル
ファスフッ素樹脂被覆が形成された気体分離膜を製造し
た。
【0034】この気体分離膜を、図1に示した様な分離
装置に分離膜としてセットし、吸収液としてモノエタノ
ールアミンの100%液を0.5リットル/分の速度で
循環させながら、分離膜を挟んでその反対側に20%の
炭酸ガスを含む混合ガスを0.2リットル/分の流速で
流し、該混合ガス中の炭酸ガスの吸収液による吸収除去
を行なった。この時の炭酸ガスの吸収液方向への移動速
度および吸収除去率を測定したところ、表1に示す結果
が得られた。尚表1には、アモルファスフッ素樹脂被覆
を形成されておらない上記多孔質PTFE樹脂膜をその
まま分離膜として用いた場合の例を、比較のため対照例
として示した。また表中のCO2 除去性能は、アモルフ
ァスフッ素樹脂被覆の厚みが0である時の除去性能を1
00とし、これに対する相対値として示した。ガス透過
率測定装置としては、柳本製作所製の「GTR−10
型」を使用した。
【0035】
【表1】
【0036】表1からも明らかである様に、アモルファ
スフッ素樹脂被覆を形成しておらないものでは、炭酸ガ
ス透過性は大きいが、モノエタノールアミンの透過を防
止できず、本発明の目的にそぐわない。これに対しその
片面にアモルファスフッ素樹脂被覆を形成した本発明の
実施例では、炭酸ガス透過性はかなり下がってくるがモ
ノエタノールアミンの透過は全く起こらず、気相側への
吸収液の漏れ出しを生じることなく炭酸ガスを吸収除去
できることが分かる。そしてアモルファスフッ素樹脂被
覆の厚みを1μm程度まで薄肉化してやれば、炭酸ガス
の透過性を極端に下げることなく吸収液の透過をほぼ完
全に阻止することができ、分離膜を用いた特定成分ガス
の吸収液による吸収除去を効率よく実施できることが分
かる。
【0037】また他の実験でセル内に、上記各気体分離
膜を挟んで空気とモノエタノールアミン水溶液を入れ、
空気層方向へのモノエタノールアミンの漏れ出し状態を
観察したところ、多孔質PTFE樹脂のままの分離膜
(比較対照材)では、実験開始直後から空気層方向への
モノエタノールアミン蒸気の透過が見られ、3日後には
空気層側の膜表面にモノエタノールアミンを含む水滴の
付着が観察されたが、アモルファスフッ素樹脂被覆を形
成した実施例の気体分離膜では、1か月経過後もモノエ
タノールアミンの滲み出しや蒸気の漏れ出しは全く認め
られなかった。
【0038】また、多孔質PTFE膜に代わる支持層構
成材として、多孔質ポリプロピレン系樹脂膜(成膜後2
軸延伸して多孔質化した膜、平均細孔径0.2μm、厚
さ50μm、空孔率50%、ガーレー数200秒)を使
用し、以下は上記と同様にしてその片面に厚さ1〜5μ
mのアモルファスフッ素樹脂被覆を形成した気体分離膜
について同様の実験を行なったところ、表2に示す結果
が得られ、上記多孔質PTFE樹脂を支持層として使用
した場合とほぼ同様の結果が得られた。
【0039】
【表2】
【0040】また上記と同様に他の実験で、セル内に、
支持層を多孔質ポリプロピレン樹脂とする各気体分離膜
を挟んで空気とモノエタノールアミン水溶液を入れ、空
気層方向へのモノエタノールアミンの漏れ出し状態を観
察したところ、多孔質ポリプロピレン樹脂のままの分離
膜(比較対照材)では、実験開始直後から空気層方向へ
のモノエタノールアミン蒸気の透過が見られ、3日後に
は空気層側の膜表面にモノエタノールアミンを含む水滴
の付着が観察されたが、アモルファスフッ素樹脂被覆を
形成した実施例の気体分離膜では、30日経過後もモノ
エタノールアミンの滲み出しや蒸気の漏れ出しは全く認
められなかった。
【0041】なお支持層の構成素材としては、耐熱性、
耐薬品性、強度特性、撥水性などを総合的に考えると、
分離膜としての性能および耐久性の観点から多孔質PT
FEの方が支持層構成材として優れたものと思われる。
しかし、コストを考慮すると多孔質POの方がかなり安
価であるので、その用途によっては多孔質POを支持層
として有効に活用することも勿論可能である。
【0042】一方、アモルファスフッ素樹脂被覆構成材
として最も一般的なのは、上記実施例で用いたE.I.
Dupont社製の「Tefron AF」、および旭
硝子社製の「CYTOP」であるが、これらのアモルフ
ァスフッ素樹脂を用いた分離膜のCO2 ,O2 ,N2
対する透過係数(吸収液は用いていない)は下記表3に
示す通りであり、いずれもCO2 ガスに対する透過係数
が最も高く、該アモルファスフッ素樹脂被覆を設けた本
発明の気体分離膜は、特定気体成分としてCO 2 を吸収
液側に移行させて吸収除去するための分離膜として、ガ
ス透過性の観点からしても優れたものであることを確認
することができる。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、多
孔質PTFEまたは多孔質POを支持層とし、その片面
にアモルファスフッ素樹脂被覆を形成することによっ
て、各種排ガス等から特定成分ガスを吸収液によって吸
収除去するための気体分離膜として有効に活用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体分離膜を用いた特定成分ガスの吸
収分離法を例示する説明図である。
【図2】本発明の気体分離膜を用いた他の吸収分離法を
例示する説明図である。
【符号の説明】 1 気体分離装置 2 気体分離膜 P 循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 71/26 B01D 71/26 71/36 71/36

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の気体成分を吸収する機能を有する
    吸収液を用いて混合気体から特定の気体成分を分離する
    ための気体分離膜であって、該分離膜は、多孔質ポリテ
    トラフルオロエチレン樹脂よりなる支持層の片面側に、
    アモルファスフッ素樹脂被覆が形成されてなり、上記ア
    モルファスフッ素樹脂被覆は、一部が前記支持層の多孔
    質空間に侵入すると共に、残部は前記支持層の表面で連
    続皮膜を形成していることを特徴とする気体分離膜。
  2. 【請求項2】 特定の気体成分を吸収する機能を有する
    吸収液を用いて混合気体から特定の気体成分を分離する
    ための気体分離膜であって、該分離膜は、多孔質ポリオ
    レフィン樹脂よりなる支持層の片面側に、アモルファス
    フッ素樹脂被覆が形成されてなり、上記アモルファスフ
    ッ素樹脂被覆は、一部が前記支持層の多孔質空間に侵入
    すると共に、残部は前記支持層の表面で連続皮膜を形成
    していることを特徴とする気体分離膜。
  3. 【請求項3】 前記支持層の厚みが5〜200μmであ
    り、前記アモルファスフッ素樹脂被覆の厚みが0.01
    〜10μmである請求項1または2に記載の気体分離
    膜。
  4. 【請求項4】 前記支持層における前記アモルファスフ
    ッ素樹脂被覆形成面の反対面側に強化層が形成されてい
    る請求項1〜3のいずれかに記載の気体分離膜。
  5. 【請求項5】 フィルム状もしくはチューブ状に形成さ
    れたものである請求項1〜4のいずれかに記載の気体分
    離膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜
    を使用し、該分離膜における前記アモルファスフッ素樹
    脂被覆形成面側に前記吸収液を存在させて特定気体成分
    の分離を行なう気体分離法。
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