JPH11103560A - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

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JPH11103560A
JPH11103560A JP26226697A JP26226697A JPH11103560A JP H11103560 A JPH11103560 A JP H11103560A JP 26226697 A JP26226697 A JP 26226697A JP 26226697 A JP26226697 A JP 26226697A JP H11103560 A JPH11103560 A JP H11103560A
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transmission mechanism
gears
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正俊 茂木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電時の音の発生を低減できるとともに発電
効率を向上できる動力伝達機構を提供する。 【解決手段】 高透磁率材からなるステータ22内に永
久磁石を含むロータ21を配置した構造の発電機のロー
タ21に、回転中心と重心とが偏心した回転錘11の回
転を増速して伝達する動力伝達機構13において、複数
の歯車のうちの少なくとも一つの歯車34に、バックラ
ッシュ吸収機構4を設ける。これにより、噛み合った歯
車32,34の回転方向が一致したり逆になったりする
とき等に、歯車32,34間で互いの歯が衝突すること
がなくなるから、音の発生を低減できるうえ、発電効率
を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達機構に関
し、詳しくは、回転中心と重心とが偏心した回転錘の回
転を増速して、発電機のロータに伝達する動力伝達機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子時計等の小型電子機器の
エネルギー源には、電池が用いられている。しかし、電
池には寿命があるため、定期的に交換する手間が生じる
ことから、近年、電子機器に発電機を搭載して電池を省
略する方法が提案されている(特公平7−38029号
公報)。
【0003】この発電機は、永久磁石からなるロータ磁
石を備えたロータ、このロータの周囲に配置された高透
磁率材からなるステータおよびこのステータに接続され
たコイルを有するものであり、回転中心と重心とが偏心
した回転錘とともに、時計等に搭載されている。これら
の回転錘と発電機のロータとの間には、動力伝達機構で
ある増速輪列が設けられ、回転錘の回転運動が増速輪列
により増速されてロータに伝達されるようになってい
る。発電機においては、このロータの回転により生じた
磁界の変化をステータを介してコイルに伝えて、電磁誘
導作用によって電力を発生させるようにしている。
【0004】動力伝達機構では、回転錘に固定された回
転錘車と、ロータに固定されたロータ歯車と、これらの
回転錘車およびロータ歯車の間に配置された大歯車およ
び小歯車からなる伝え車とを互いに噛み合わせて回転運
動を伝達するようにしている。これら歯車には、噛合時
の摩擦を低減するために、通常、バックラッシュが設け
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法では、ロータ
によって磁化されたステータに対して、ロータが磁気的
に安定した状態(角度)で静止しようとするため、回転
錘の回転によってロータを回転させようとする方向と、
ロータが磁気的安定位置に留まるために回転しようとす
る方向とが、一致したり互いに逆方向になったりする。
これらの方向が切り替わると、歯車には前述したバック
ラッシュが設けられているため、噛み合った歯車間で互
いの歯(歯面)が衝突する。この衝突により、振動が発
生し、機器を構成する他の部品やケーシング等に伝播し
て共振するため、発電時に音が発生するという問題があ
る。また、動力の伝達という面では、機械的回転方向お
よび磁気的回転方向が切り替わる毎に、バックラッシュ
によるエネルギロスが生じるため、発電効率が低下す
る。
【0006】とくに、このような発電機構を腕時計等に
設けた場合、回転錘は、腕の動きによって双方向へ不規
則に回転するため、回転錘の回転方向に応じて、歯車の
回転方向が不規則に切り替わる。この回転方向が切り替
わるときに、歯車間で互いの歯が衝突するので、前述し
た音の発生および発電効率の低下の原因となる。
【0007】本発明の目的は、発電時の音の発生を低減
できるとともに発電効率を向上できる動力伝達機構を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、永久磁石を含
んで構成されたロータ、このロータの周囲に配置された
高透磁率材からなるステータおよびこのステータに接続
されたコイルを有してロータの回転運動を電気エネルギ
に変換する発電機と、回転中心と重心とが偏心した回転
錘との間に設けられ、かつ、回転錘の回転を増速してロ
ータに伝達する動力伝達機構であって、複数の歯車を組
み合わせて構成され、これらの複数の歯車のうちの少な
くとも一つの歯車は、その歯と、噛合する相手の歯車の
歯との間の隙間を塞ぐためのバックラッシュ吸収機構を
備えたことを特徴とする。
【0009】本発明では、動力伝達機構を構成する歯車
にバックラッシュ吸収機構を設けたため、回転錘の回転
によってロータを回転させようとする方向、およびロー
タが磁気的安定位置に留まるために回転しようとする方
向が互いに一致したり逆になったりするときや、回転錘
の回転方向の変化によって噛み合った歯車の回転方向が
一致したり逆になったりするとき等に、歯車間で互いの
歯が衝突することがなくなる。従って、歯の衝突による
振動の発生を防止できるので、共振による音の発生を低
減できるうえ、バックラッシュによるエネルギロスを低
減できるから、発電効率を向上できる。
【0010】そして、前述したバックラッシュ吸収機構
を有する歯車は、動力を伝達するためのメインギアおよ
びこのメインギアと同じ軸上に設けられたサブギアを備
え、このサブギアは、バックラッシュを吸収する回転方
向に付勢されていることが望ましい。
【0011】このように付勢されたサブギアを含んで歯
車を構成すれば、メインギアおよびサブギアで相手の歯
を挟持した状態で、相手の歯車と噛合させることができ
るから、バックラッシュを確実に吸収できる。
【0012】また、相手の歯との噛合状態に応じて、メ
インギアに対するサブギアの角度が変化して歯車の歯溝
の幅が変化するので、相手の歯に応じて歯溝の幅を変化
させることができるから、相手の歯車との間の距離を厳
密にしなくても確実に噛合させることができ、動力伝達
機構の製造を容易化できる。
【0013】この場合、サブギアを一対設け、これらの
一対のサブギアを、互いに反対の回転方向に付勢するこ
とが望ましい。
【0014】このようにサブギアを両方向に付勢するこ
とで、歯車の回転方向がいずれの方向に切り替わる場合
でも、バックラッシュを吸収できるようになるので、音
の発生を一層確実に防止できるうえ、優れた発電効率を
確保できる。
【0015】また、バックラッシュ吸収機構を有する歯
車は、弾性体からなる歯を備え、かつ、その歯溝の幅が
相手の歯車の歯厚よりも小さくされ、当該歯車の歯が、
噛合時に弾性変形することにより、相手の歯車の歯を挟
持可能とされていてもよい。
【0016】或いは、バックラッシュ吸収機構を有する
歯車は、基端部を支点に変位可能とされた歯を備え、か
つ、その歯溝の幅が相手の歯車の歯厚よりも小さくさ
れ、当該歯車の歯が、噛合時に変位することにより、相
手の歯車の歯を挟持可能とされていてもよい。
【0017】このように歯溝の幅を相手の歯車の歯厚よ
りも小さくしたうえで可変とすることで、相手の歯車と
の噛合時に、歯溝が相手の歯の歯厚に応じた幅に拡大さ
れ、相手の歯を挟持するようになる。従って、歯車の回
転方向に拘わらず、バックラッシュを確実に吸収できる
から、音の発生を確実に防止できるうえ、エネルギロス
を低減できるから、発電効率の著しい向上を期待でき
る。
【0018】また、歯溝の幅が変化するので、相手の歯
車との距離を厳密にしなくてもよくなるから、動力伝達
機構の製造を容易化できる。
【0019】以上において、複数の歯車のうちバックラ
ッシュ吸収機構を設ける歯車はとくに限定されないが、
複数の歯車が、回転錘と同一軸上に配置されて当該回転
錘に結合された回転錘車と、ロータと同一軸上に配置さ
れて当該ロータに結合されたロータ歯車と、これらの回
転錘車およびロータ歯車の間に配置されかつ互いに同じ
軸上に設けられて一体化された大きさの異なる大歯車お
よび小歯車とを含んで構成されている場合、回転錘車お
よび大歯車のうち少なくともいずれか一つの歯車は、バ
ックラッシュ吸収機構を有することが望ましい。
【0020】ここで、一体化された大歯車および小歯車
は、一組に限定されず、複数組の場合も含む。
【0021】このように、複数の歯車のうち比較的大き
い歯車である回転錘車および大歯車の少なくともいずれ
か一つにバックラッシュ吸収機構を設けることで、歯車
の構造の微細化を回避できるので、比較的小さい歯車に
バックラッシュ吸収機構を設けるよりも簡単に製造でき
る。
【0022】とくに、前述したメインギアおよびサブギ
アを用いた機構を採用した場合には、複数のギアや、サ
ブギアを付勢する付勢手段等を小型化しなくてもよくな
るので、容易かつ少ないコストで製造できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0024】〔第一実施形態〕図1には、本第一実施形
態の動力伝達機構13を備えた小型電子機器である腕時
計の要部が示されている。この腕時計は、回転中心と重
心とが偏心した回転錘11と、発電機12と、回転錘1
1の回転を増速して発電機12のロータ21に伝達する
動力伝達機構13とを有して構成されている。
【0025】本実施形態の腕時計では、腕の動き等によ
る回転錘11の回転運動を動力伝達機構13により増速
して発電機12のロータ21に伝達し、このロータ21
を回転させて交流電流を発生させ、この交流を、図示し
ないが、整流回路により整流して、大容量コンデンサ等
の蓄電手段、例えば、電気二重層コンデンサ等に蓄電す
るようになっている。そして、この蓄電手段を電源とし
て、時間標準である水晶を含む制御回路やこの制御回路
に制御される駆動回路を作動させ、駆動回路から送られ
た駆動信号をステップモータ等の変換器において回転運
動に変換し、この回転運動を減速輪列を介して指針に伝
達して、指針を駆動させるようにしている。
【0026】発電機12は、二極着磁の永久磁石を含ん
で構成された円盤状のロータ21、このロータ21の周
囲に配置された高透磁率材からなるステータ22および
このステータ22に接続されたコイル23を有して構成
され、ロータ21の回転運動を電気エネルギに変換する
ようになっている。コイル23は、磁心23Aに電線2
3Bを巻装したものであり、この磁心23Aがステータ
22にねじ24固定されている。
【0027】回転錘11の回転中心は、図2に示すよう
に、ボールベアリング14を介して回転軸15に装着さ
れている。この回転軸15には、ボールベアリング14
の内輪141が固定され、回転錘11にはベアリング1
4の外輪142が固定されている。また、回転軸15の
上端には、ベアリング14を覆うねじ151が螺入され
ている。
【0028】これらの回転錘11および発電機12の間
の動力伝達機構13は、複数の歯車を組み合わせた増速
輪列であり、回転錘11に結合された回転錘車31と、
ロータ21に固定されたロータ歯車32と、これらの回
転錘車31およびロータ歯車32の間に配置された伝え
車33とを含んで構成されている。
【0029】回転錘車31は、回転錘11と同一回転軸
15上に設けられ、ボールベアリング14の外輪142
を介して回転錘11と連結されている。この回転錘車3
1の軸孔の開口端31Aは、外輪142の外周に形成さ
れた溝部142Aに圧入され、これにより、回転錘車3
1および外輪142の接続部分には、回転錘11の回転
運動を摩擦力によって伝達するクラッチ機構16が形成
されている。
【0030】このクラッチ機構16においては、回転錘
11が所定速度以下で回転しているときには、回転錘車
31の開口端31Aと外輪142の溝部142Aとの間
に摩擦力が働いて、回転錘11の回転が回転錘車31に
確実に伝えられる。一方、回転錘11の回転速度が所定
速度を越えると、回転錘11の開口端31Aと溝部14
2Aとが滑って、回転錘11の回転運動が回転錘車31
に充分に伝達されなくなる。これにより、ロータ21に
伝達される動力を制限して、ロータ21の回転速度を発
電機12の性能に応じた速度以下に制限できるようにな
っている。
【0031】ロータ歯車32は、ロータ21と同一回転
軸25上に設けられ、ロータ21に固定されている。こ
のロータ歯車32は、前述した回転錘車31よりも大幅
に直径の小さい歯車である。
【0032】これらのロータ歯車32および回転錘車3
1の間の伝え車33は、互いに大きさ(直径)の異なる
大歯車34および小歯車35からなる。これらの歯車3
4,35は、同じ回転軸36に対して固定され、この回
転軸36を介して結合されている。このような伝え車3
3では、小歯車35は回転錘車31と噛合し、大歯車3
4はロータ歯車32と噛合している。
【0033】なお、伝え車33の回転軸36およびロー
タ21の回転軸25は、これらの軸25,36と直交配
置された地板17および輪列受18に支持されている。
【0034】大歯車34は、その歯と、噛合する相手の
ロータ歯車32の歯32Aとの間の隙間を塞ぐためのバ
ックラッシュ吸収機構4を備えている。具体的には、こ
の大歯車34は、回転軸36に固定されて動力を伝達す
るメインギア41と、このメインギア41と同じ軸36
上に設けられた一対のサブギア42,43とを有し、こ
れら一対のサブギア42,43の間にメインギア41を
介装した構造とされている。
【0035】サブギア42,43は、回転軸36に対し
て回転可能に係止され、極細の線材を巻いたひげぜんま
い44を介してそれぞれメインギア41に連結されてい
る。これらのひげぜんまい44は、互いに逆向きに取り
付けられ、メインギア41に対して、サブギア42,4
3を互いに反対の回転方向に付勢できるようになってい
る。なお、サブギア42,43は、ひげぜんまい44を
介して回転軸36に連結してもよい。
【0036】このようなサブギア42,43は、メイン
ギア41に対して、互いに逆方向に回転させることによ
り付勢され、この付勢された状態でメインギア41とと
もにロータ歯車32と噛み合っている。この付勢力の大
きさ、つまり、ロータ歯車32の歯32Aを挟み込むト
ルクは、サブギア42,43をメインギア41に対して
ずらすピッチを変えることで調整することができる。こ
れにより、大歯車34およびロータ歯車32の噛み合う
部分で、サブギア42,43が、それぞれ付勢された方
向の歯に追従するので、大歯車34の歯溝の幅を、ロー
タ歯車32の歯厚および噛合状態に応じて変化させるこ
とができるから、メインギア41およびロータ歯車32
の間のバックラッシュを吸収することができる。
【0037】なお、このような大歯車34を製造する際
には、サブギア42,43をそれぞれメインギア41に
対して所望のピッチ分回転させて付勢した状態で、これ
らのギア41,42,43をピン或いはクリップ等によ
り固定しておき、組立て時に、大歯車34およびロータ
歯車32を噛み合わせてからピン等を取り去るようにす
れば、組立て時にサブギア42,43の付勢状態を調整
する手間を省略できるので、簡単に製造できる。
【0038】本実施形態の伝え車33およびロータ歯車
32の間では、具体的には、次のように、動力が伝達さ
れる。
【0039】すなわち、伝え車33の大歯車34および
ロータ歯車32の噛み合い部分において、回転錘11の
回転により、図3に示すように、大歯車34が矢印L方
向に回転した場合、メインギア41およびこれと同じ回
転方向(矢印L方向)に付勢されたサブギア43が重な
って、ロータ歯車32の歯32Aの一方の歯面32Bを
押して回転運動を伝達する。
【0040】このとき、回転方向(矢印L方向)と逆の
矢印R方向に付勢されたサブギア42は、メインギア4
1から回転方向(矢印L方向)と反対の矢印R方向にず
れて、ロータ歯車32の歯32Aの他方の歯面32Cに
当接される。このサブギア42は、大歯車34および伝
え車33の回転によって、メインギア41とロータ歯車
32の他方の歯面32Cとの間の距離が変化しても、そ
の他方の歯面32Cに追従する。つまり、サブギア42
のメインギア41に対するずれ量は、噛合状態に応じて
変化する。
【0041】これとは逆に、図4に示すように、大歯車
34が矢印R方向に回転した場合、メインギア41およ
びこれと同じ回転方向(矢印R方向)に付勢されたサブ
ギア42が重なって、ロータ歯車32の歯32Aの他方
の歯面32Cを押して回転運動を伝達する。このとき、
回転方向(矢印R方向)と逆の矢印L方向に付勢された
サブギア43は、メインギア41からずれて、ロータ歯
車32の歯32Aの他方の歯面32Bに当接されて追従
するようになる。
【0042】このように、本実施形態の大歯車34で
は、歯車の回転方向に拘わらず、バックラッシュの大き
さに応じて歯溝の幅が変化し、回転運動の伝達は、常時
ロータ歯車32の歯32Aを挟持した状態で行われる。
【0043】本実施形態の腕時計では、大歯車34から
伝達された回転運動により、ロータ歯車32が回転し、
この回転に伴って発電機12のロータ21が回転する。
このロータ21は二極着磁であるため180度ずつ回転
し、180度回転する毎に磁気的に安定した状態、つま
り、ロータ21によって磁化されたステータ22と引き
合った状態に留まろうとする力が生じる。発電時には、
この力の方向と、大歯車34から伝達される回転運動の
方向とが一致したり逆になったりして、メインギア41
の接触する歯面32B,32Cが切り替わる。この際、
ロータ歯車32の歯32Aは、大歯車34のギア41〜
43によって常時挟持されているので、回転方向が切り
替わるときに、大歯車34およびロータ歯車32の間で
互いの歯が衝突することはない。
【0044】また、回転錘11の回転方向が変化して、
歯車31,32,33の回転方向が切り替わる際にも、
大歯車34およびロータ歯車32の間における互いの歯
の衝突を回避できる。
【0045】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。
【0046】すなわち、動力伝達機構13を構成する大
歯車34にバックラッシュ吸収機構4を設けたため、回
転錘11の回転によってロータ21を回転させようとす
る方向やロータ21が磁気的安定位置に留まるために回
転しようとする方向が、一致したり逆になったりすると
きや、歯車31,32,33の回転方向が切り替わると
き等に、大歯車34およびロータ歯車32間で互いの歯
が衝突することがなくなる。従って、歯の衝突による振
動の発生を防止できるので、共振による音の発生を低減
できるうえ、運動の伝達という面では、バックラッシュ
によるエネルギロスを低減できるから、発電効率を向上
できる。
【0047】そして、大歯車34は、メインギア41お
よびサブギア42,43を有して構成され、これらのサ
ブギア42,43は、バックラッシュを吸収する回転方
向である大歯車34の回転方向と逆方向に付勢されてい
るので、ロータ歯車32との噛合部分において、ロータ
歯車32の歯32Aを、メインギア41およびサブギア
42,43によって挟持した状態で噛合させることがで
きるから、バックラッシュを確実に吸収できる。
【0048】さらに、大歯車34の歯溝の幅をロータ歯
車32に応じて変化させることができるので、大歯車3
4およびロータ歯車32間の距離を厳密にしなくても、
ロータ歯車32の歯32Aを挟み付けた状態で噛合させ
ることができるから、動力伝達機構13の組立てを容易
化できる。
【0049】また、サブギア42,43は、一対設けら
れて互いに反対の回転方向に付勢されているので、歯車
31,32,33の回転方向がいずれの方向に切り替わ
る場合でも、バックラッシュを確実に吸収できるから、
音の発生を一層確実に防止できるうえ、優れた発電効率
を確保できる。
【0050】さらに、バックラッシュ吸収機構4は、複
数の歯車31,32,34,35のうち比較的大きい歯
車である大歯車34に設けられているので、バックラッ
シュ吸収機構4の構造の微細化を回避できるから、比較
的小さい小歯車35やロータ歯車32等に設けるよりも
簡単に製造できるうえ、メインギア41、サブギア4
2,43およびひげぜんまい44等を小型化しなくても
よくなるので、低コストに製造できる。
【0051】また、バックラッシュ吸収機構4は大歯車
34に設けられて、クラッチ機構16は回転錘車31に
設けられているので、これらの機構4,16が分散され
るから、機構4,16の集中による構造の複雑化を防止
できる。
【0052】〔第二実施形態〕図5に示す本第二実施形
態の動力伝達機構は、バックラッシュ吸収機構を有する
歯車として、前記第一実施形態の大歯車34の代わり
に、弾性体からなる大歯車51を用いたものであり、前
記第一実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい
説明は省略し、以下には異なる部分のみを詳述する。
【0053】本第二実施形態の大歯車51は、環状のリ
ム部52Aを備えた歯車本体52と、このリム部52A
に取り付けられた噛合部53とを有して構成されてい
る。このうち、歯車本体52は金属等の剛体からなり、
噛合部53は弾性変形可能な弾性体により形成されてい
る。この弾性体としては、合成ゴム等のエラストマ、ウ
レタン等の樹脂等を採用できる。
【0054】また、大歯車51の歯溝の幅Wは、ロータ
歯車32の歯厚Tよりも小さくされ、大歯車51の歯5
3Aが、噛合時に弾性変形することにより、ロータ歯車
32の歯32Aを挟持可能とされている。
【0055】このように構成された本実施形態では、大
歯車51の歯溝が、ロータ歯車32の歯32Aにより押
し広げられるので、その幅Wは、ロータ歯車32の歯厚
Tに応じた幅になる。従って、大歯車51からロータ歯
車32への回転運動の伝達は、常時、ロータ歯車32の
歯32Aを挟持した状態で行われるので、回転方向に拘
わらず、バックラッシュを確実に吸収できる。
【0056】このような本実施形態によれば、前記第一
実施形態と同様な作用、効果を奏することができる他、
大歯車51の噛合部53を弾性体により形成して歯溝の
幅Wを調整するだけでよいので、簡単な構造で容易にバ
ックラッシュ吸収機構5を構成できる。
【0057】〔第三実施形態〕図6に示す本第三実施形
態の動力伝達機構は、前記第二実施形態の大歯車51の
代わりに、変位可能な歯を備えた大歯車61を用いたも
のであり、前記第二実施形態と同一部分には同一符号を
付して詳しい説明は省略し、以下には異なる部分のみを
詳述する。
【0058】本第三実施形態の大歯車61は、円盤状の
歯車本体部62と、この歯車本体部62の周囲に放射状
に設けられた複数の歯としての噛合片63とを備え、こ
れらの本体部62および噛合片63は、弾性を有する材
料により一体的に形成されている。
【0059】噛合片63は、その歯たけが、ロータ歯車
32と噛合するために必要な歯たけよりも大きくされ、
基端部63Aを支点に変位可能とされている。また、噛
合片63が変位する際の応力の集中を回避するために、
本体部62のうち、隣接した噛合片63の各基端部63
A間には、それぞれ切欠き部64が形成されている。
【0060】本実施形態の大歯車61の歯溝の幅Wは、
前記第二実施形態と同様に、ロータ歯車32の歯厚Tよ
りも小さくされ、大歯車61の噛合片63が、その基端
部63Aを支点に回転方向に沿って変位することによ
り、ロータ歯車32の歯32Aを挟持するようになって
いる。
【0061】このように構成された本実施形態では、大
歯車61の歯溝が、ロータ歯車32の歯32Aによって
押し広げられるので、歯溝の幅Wは、ロータ歯車32の
歯厚Tに応じた幅になる。従って、大歯車61からロー
タ歯車32への回転運動の伝達は、常時、ロータ歯車3
2の歯32Aを挟持した状態で行われるので、回転方向
に拘わらず、バックラッシュを確実に吸収できる。
【0062】このような本実施形態によれば、前記第
一、第二実施形態と同様な作用、効果を奏することがで
きる。
【0063】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を
含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
【0064】前記各実施形態では、クラッチ機構16を
回転錘車31および回転軸15の間に設けたが、クラッ
チ機構16を設ける場所はこれに限定されず、例えば、
大歯車34或いは小歯車35とその回転軸36との間に
設けてもよく、ロータ歯車32とその軸25との間に設
けてもよい。なお、クラッチ機構を大歯車34に設けた
場合には、構造の複雑化を防止するために、バックラッ
シュ吸収機構は、回転錘車に設けることが好ましい。
【0065】また、クラッチ機構の構造は、前記第一実
施形態で説明した構造に限定されず、例えば、第一実施
形態において、クラッチ機構を大歯車34およびその軸
36の間に設ける場合には、図7に示すように、メイン
ギア41を回転軸36に対して完全に固定しないで、メ
インギア41の軸孔の開口端41Aを、回転軸36の周
囲に形成された係止部36Aと、回転軸36に取り付け
られた板ばね72とで挟持することにより、回転運動を
摩擦力により伝達するクラッチ機構71を構成してもよ
い。
【0066】前記第一実施形態では、メインギアおよび
サブギアを含むバックラッシュ吸収機構を大歯車34に
設けたが、動力伝達機構を構成する歯車であれば、バッ
クラッシュ吸収機構を設ける歯車は任意である。例え
ば、回転錘車をメインギアおよびサブギアにより構成し
て、回転錘車と小歯車との間のバックラッシュを吸収す
るようにしてもよく、大歯車および回転錘車の両方にバ
ックラッシュ吸収機構を設けてもよい。或いは、これら
の回転錘車と噛合する小歯車や、大歯車と噛合するロー
タ歯車を、メインギアおよびサブギアによるバックラッ
シュ吸収機構を有する歯車としてもよい。
【0067】また、前記第一実施形態では、二枚のサブ
ギアを用いてバックラッシュ吸収機構を構成したが、サ
ブギアを一枚にしてもよく、これによると、構造を簡略
化できる。
【0068】さらに、サブギアの周縁部は、図7に示す
ように、メインギア41に近接するように湾曲、或いは
屈曲させてもよく、これによると、ひげぜんまい44を
収納するスペースを確保しつつ、大歯車34のロータ歯
車32と噛合する部分の厚さを小さくできるので、ロー
タ歯車の厚さを小さくできるから、動力伝達機構、つま
り、腕時計の薄型化を実現できる。
【0069】さらに、サブギアを付勢する付勢手段は、
ひげぜんまいに限定されない。例えば、サブギアが一枚
の場合、図8および図9に示すように、メインギア41
およびサブギア43の間に配置した半円状のCリング7
3によって、サブギア43を付勢してもよい。この構造
では、弾性変形可能な材料、例えば、ゴム、樹脂、金属
等からなるCリング73の両端部をそれぞれメインギア
41およびサブギア43に対して固定してから、サブギ
ア42を回転させることで反発力を生じさせる。なお、
付勢手段として、図10に示すように、略円状のCリン
グ74を用いるようにしてもよい。
【0070】また、図11および図12に示すように、
付勢手段として、ゴム等の弾性体75を用いてもよい。
この場合、弾性体75をメインギア41およびサブギア
43の間に配置して各ギア41,43に固定してから、
サブギア43を回転させることで反発力を生じさせる。
この弾性体75は複数配置することが好ましい。
【0071】或いは、付勢手段として、図13および図
14に示すように、板ばね76を用いてもよい。この場
合、メインギア41に係止部77を形成するとともに、
板ばね76をサブギア43に取り付けて、板ばね76が
係止部77に押しつけられる方向にサブギア43を回転
させて反発力を生じさせる。
【0072】また、図15に示すように、小歯車80を
メインギア81およびサブギア82を用いて構成した場
合、Cリング78を用いてサブギア82を付勢すること
で、ひげぜんまいを用いるよりも構造を簡略化できる。
この際、Cリング78の一端には、係止孔78Aを形成
しておき、メインギア81に突設した突部83に挿入す
ることで、Cリング78をメインギア81に装着しても
よい。
【0073】そして、前記第二実施形態では、大歯車3
4の歯を弾性体により形成してバックラッシュ吸収機構
を構成した場合について説明したが、回転錘車の歯を弾
性体により形成して小歯車の歯を挟持するようにするこ
とで、回転錘車にバックラッシュ吸収機構を設けてもよ
く、これらの両方に同様なバックラッシュ吸収機構を設
けてもよい。さらには、これらの大歯車および回転錘車
にそれぞれ噛合する小歯車の歯やロータ歯車の歯も、弾
性体により形成してもよい。
【0074】さらに、前記第三実施形態では、歯たけの
長い噛合片を、その基端部を支点に変位するように構成
したが、噛合片自体に弾性を持たせることにより、歯溝
の幅を可変としてもよい。
【0075】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
動力伝達機構を構成する歯車にバックラッシュ吸収機構
を設けたため、回転錘の回転によってロータを回転させ
ようとする方向や、ロータが磁気的安定位置に留まるた
めに回転しようとする方向が切り替わるときや、回転錘
の回転方向の変化によって歯車の回転方向が切り替わる
とき等に、歯車間で互いの歯が衝突することがなくな
る。従って、歯の衝突による振動の発生を防止できるの
で、共振による音の発生を低減できるうえ、バックラッ
シュによるエネルギロスを低減できるから、発電効率を
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を示す斜視図。
【図2】前記第一実施形態の動力伝達機構を示す断面
図。
【図3】前記第一実施形態において大歯車からロータ歯
車に動力を伝達する状態を示す図。
【図4】前記第一実施形態において大歯車からロータ歯
車に動力を伝達する他の状態を示す図。
【図5】本発明の第二実施形態を示す図。
【図6】本発明の第三実施形態を示す図。
【図7】本発明の他のクラッチ機構を示す断面図。
【図8】本発明の他のバックラッシュ吸収機構を示す断
面図。
【図9】本発明のバックラッシュ吸収機構で用いる付勢
手段を示す斜視図。
【図10】本発明のバックラッシュ吸収機構で用いる他
の付勢手段を示す斜視図。
【図11】本発明のさらに他のバックラッシュ吸収機構
を示す図。
【図12】図11のバックラッシュ吸収機構を示す断面
図。
【図13】本発明の別のバックラッシュ吸収機構を示す
図。
【図14】図13のバックラッシュ吸収機構で用いる付
勢手段の位置を示す図。
【図15】本発明のさらに別のバックラッシュ吸収機構
を示す斜視図。
【符号の説明】
4,5,6 バックラッシュ吸収機構 11 回転錘 12 発電機 13 動力伝達機構 21 ロータ 31 回転錘車 32 ロータ歯車 33 伝え車 34,51,61 大歯車 35,80 小歯車 41,81 メインギア 42,43,82 サブギア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を含んで構成されたロータ、こ
    のロータの周囲に配置された高透磁率材からなるステー
    タおよびこのステータに接続されたコイルを有して前記
    ロータの回転運動を電気エネルギに変換する発電機と、
    回転中心と重心とが偏心した回転錘との間に設けられ、
    かつ、前記回転錘の回転を増速して前記ロータに伝達す
    る動力伝達機構であって、 複数の歯車を組み合わせて構成され、 これらの複数の歯車のうちの少なくとも一つの歯車は、
    その歯と、噛合する相手の歯車の歯との間の隙間を塞ぐ
    ためのバックラッシュ吸収機構を備えたことを特徴とす
    る動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した動力伝達機構におい
    て、 前記バックラッシュ吸収機構を有する歯車は、動力を伝
    達するためのメインギアおよびこのメインギアと同じ軸
    上に設けられたサブギアを備え、 前記サブギアは、前記バックラッシュを吸収する回転方
    向に付勢されていることを特徴とする動力伝達機構。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した動力伝達機構におい
    て、 前記サブギアは、一対設けられ、 これらの一対のサブギアは、互いに反対の回転方向に付
    勢されていることを特徴とする動力伝達機構。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した動力伝達機構におい
    て、 前記バックラッシュ吸収機構を有する歯車は、弾性体か
    らなる歯を備え、かつ、その歯溝の幅が前記相手の歯車
    の歯厚よりも小さくされ、 当該歯車の歯が、噛合時に弾性変形することにより、前
    記相手の歯車の歯を挟持可能とされていることを特徴と
    する動力伝達機構。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した動力伝達機構におい
    て、 前記バックラッシュ吸収機構を有する歯車は、基端部を
    支点に変位可能とされた歯を備え、かつ、その歯溝の幅
    が前記相手の歯車の歯厚よりも小さくされ、 当該歯車の歯が、噛合時に変位することにより、前記相
    手の歯車の歯を挟持可能とされていることを特徴とする
    動力伝達機構。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれかに
    記載した動力伝達機構において、 前記複数の歯車は、 前記回転錘と同一軸上に配置されて当該回転錘に結合さ
    れた回転錘車と、 前記ロータと同一軸上に配置されて当該ロータに結合さ
    れたロータ歯車と、 これらの回転錘車およびロータ歯車の間に配置され、か
    つ、互いに同じ軸上に設けられて一体化された大きさの
    異なる大歯車および小歯車とを含み、 前記回転錘車および大歯車のうち少なくともいずれか一
    つの歯車は、前記バックラッシュ吸収機構を有すること
    を特徴とする動力伝達機構。
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