JPH11106384A - カリックスアレーン化合物 - Google Patents

カリックスアレーン化合物

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JPH11106384A
JPH11106384A JP26902697A JP26902697A JPH11106384A JP H11106384 A JPH11106384 A JP H11106384A JP 26902697 A JP26902697 A JP 26902697A JP 26902697 A JP26902697 A JP 26902697A JP H11106384 A JPH11106384 A JP H11106384A
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JP
Japan
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ion
general formula
calixarene compound
optical waveguide
sodium
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JP26902697A
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English (en)
Inventor
Takao Okazaki
隆男 岡崎
Hiroyuki Yanagi
裕之 柳
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナトリウムイオンに対する感度が高く、リチ
ウムイオン等の他のイオンの影響を受けにくいナトリウ
ムイオン選択性色素として好適に使用できる新規な化合
物を提供する。 【解決手段】 4個のフェノール単位からなるカリック
スアレーンにおいて、隣接しないフェノール単位の1対
が(CH22O(CH23O(CH22鎖で架橋され、
且つ2,4−ジニトロフェニルアゾ基のような発色性有
機基が結合した、下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜22の置換若しくは非置換の炭
化水素基であり、Zは発色性有機基である。)で示され
る新規なカリックスアレーン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋構造を有する
新規なカリックスアレーン化合物に関する。さらに詳し
くは、ナトリウムイオン等の金属イオンと錯体形成して
発色し、透過光型イオンセンサ等に用いることができる
新規なカリックスアレーン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】試料中の特定のイオン成分を簡便かつ迅
速に測定できる手段として、イオン選択性色素を使用し
た透過光型イオンセンサを用いる方法がある。この方法
はセンサを試料溶液に浸すだけで、測定対象を破壊せず
に長時間連続的に流体中の特定のイオン濃度を測定する
ことが可能である。このためこの方法は、鉄鋼業、化学
工業、石油精製業などの各種工業プラントにおいて生産
プロセスの自動監視や制御に使われたり、工業排水の自
動計測や河川水の監視などの環境分野、あるいは、病気
の早期発見などを目的とした臨床的な診断分野で使用さ
れている。
【0003】近年、産業の高度化や情報化に伴い、これ
ら各分野に於いてはイオン濃度を高感度、高精度で分析
することが求められるようになっている。例えば、電子
材料分野において新素材や新材料が開発されてきてお
り、これらの新素材を生産するプロセスにおいては、従
来より高純度な試薬を使用することが求められており、
そのためには金属イオン等の微量成分の濃度管理を行う
ことが重要となっている。このような状況の中、透過光
型イオンセンサは高いイオン選択性を持ち、即ち他の金
属イオンの影響を受けることもなく、従来よりも微量の
成分を測定することが強く望まれている。
【0004】種々の金属イオンの中でも、特にナトリウ
ムイオンは、上記電子材料分野をはじめ多くの分野で選
択的に検知したり定量する必要性が認められている。た
とえば、臨床的な分野では、流れている血液中や静止し
ている生体細胞や体液中のナトリウムイオン濃度の測定
は重要な検査項目となっている。
【0005】透過光型イオンセンサは、光透過性物質の
表面に特定のイオンを選択的に吸着するイオン選択性色
素を含んだ感応膜を組み合わせたもので構成されてお
り、該膜にイオンが吸着するとその光吸収波長が変化す
るので、この波長の強度変化を測定することによりイオ
ン濃度を測定することができる。このため、透過光型セ
ンサの特性は、イオン選択性色素として用いられる化合
物の特性に大きく依存する。
【0006】従来知られているイオン選択性色素は、環
状ホストとアゾフェノール基とを組み合わせた呈色性化
合物がある。クラムらは、スフェランドを用いた化合物
を開発している{J.Am.Chem.Soc.,11
1,6339(1989)}。また、サザーランドらは
ジアザクラウンエーテルを用いた化合物を開発している
(Tetrahedron Letters,199
3,3165)。これら化合物は、ナトリウムイオンに
対して選択性を示すことが知られているが、ナトリウム
イオンを吸着する能力およびナトリウムイオンの選択性
について実用レベルには達していなかった。
【0007】最近、さらにナトリウムイオン選択性の優
れたイオン選択性色素として、下記一般式(3)に示さ
れるの構造を有するカリックスアレーン化合物が山本と
新海によって合成された(特開平8−245616号公
報;Chem.Lett.1995,497)。
【0008】
【化3】
【0009】上記一般式(3)で示されるカリックスア
レーン化合物は、ナトリウムイオン選択性色素として優
れた性能を有するものであるが、測定精度向上の要求に
応えるため、ナトリウムイオンに対する感度及び選択性
の更なる改良が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、溶
液中のナトリウムイオンに対する感度の高く、すなわ
ち、ナトリウムイオンと会合する能力が高く且つリチウ
ムイオン等の他のイオンの影響を受けにくいナトリウム
イオン選択性色素を開発することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カリック
スアレーン化合物について研究を重ねた結果、ナトリウ
ムイオンに対して錯体形成能力がより高い新規な構造の
カリックスアレーン誘導体色素を得ることに成功した。
具体的には、4個のフェノール単位からなるカリックス
アレーンにおいて、隣接しないフェノール単位の下端部
(OH基の存在する側)の1対が(CH22O(C
23O(CH22鎖で架橋されたカリックスアレーン
化合物の合成に成功し、さらにこの化合物は金属イオ
ン、特にナトリウムイオンと高い錯体形成能力をもつこ
と及びナトリウムイオンと選択的に錯体形成して呈色す
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Rは炭素数1〜22の置換もしく
は非置換の炭化水素基であり、Zは発色性有機基であ
る。)で示されるカリックスアレーン化合物であり、他
の発明は、該カリックスアレーン化合物からなるナトリ
ウムイオン選択性色素である。
【0015】上記一般式(1)で示されるカリックスア
レーン化合物の中で、Zが下記一般式(2)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、Yは電子吸引基であり、nは0〜
3の整数である。)で示される発色性有機基であるカリ
ックスアレーン化合物は、ナトリウムイオンを選択的に
吸着して光吸収強度が変化し、623nmに最大吸光度
を示すという特徴を持っており、ナトリウムイオン選択
性色素として特に優れた性質を有する。
【0018】また、他の発明は、前記一般式(1)で示
されるカリックスアレーン化合物、特に式中のZが前記
一般式(2)で示される発色性有機基であるカリックス
アレーン化合物を含有する無機重合体膜又は有機重合体
膜からなるイオン感応膜である。
【0019】さらに他の発明は、光透過性物質からなる
基材の表面に上記イオン感応膜が接合されてなることを
特徴とする透過光型イオンセンサ、及び光導波路の表面
に上記イオン感応膜が接合されてなることを特徴とする
光導波路型イオンセンサである。
【0020】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)で示されるカリ
ックスアレーン化合物において、Rは置換もしくは非置
換の炭素数1〜22の炭化水素基である。ここで上記炭
素数には置換基の炭素数は含まれない。Rの炭素数が2
3以上では合成時の収率が低下したりナトリウムイオン
との会合反応が平衡に達するのにするのに時間がかかり
すぎるため好ましくない。なお、該炭化水素基の置換基
としては、アルキル基、アリール基等が挙げられる。R
の好適な例としては、メチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル
基、n−オクタデシル基、ベンジル基、p−(n−オク
タデシル)ベンジル基、n−ヘキサコサニル基(n−C
2651)、6,6,6−トリフェニルヘキシル基などが
挙げられる。
【0021】前記一般式(1)におけるZは発色性有機
基であり、発色性を有する置換基であれば特に限定され
ない。このような発色性有機基としては前記一般式
(2)で示される発色性有機基の他、置換スチリル基、
置換ナフタレニルアゾ基、置換ピレニルアゾ基等が挙げ
られる。これら発色性有機基のなかでも前記一般式
(2)で示される有機基である本発明のカリックスアレ
ーン化合物はナトリウムイオンとの会合能力が高く、ま
た合成も比較的容易であることから、ナトリウムイオン
選択性色素として使用する場合には特に好適である。
【0022】なお、前記一般式(2)で示される発色性
有機基において、Yは電子吸引基であり、この様な基と
してはニトロ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、塩
素、フッ素等が挙げられる。また、同式中、nは0また
は1〜3の整数である。該発色性有機基の中でもYがニ
トロ基であるものが、合成が比較的容易であるため好ま
しい。
【0023】本発明のカリックスアレーン化合物は、下
式に示すフローチャートに従って合成することができ
る。
【0024】
【化6】
【0025】{但し、式中R及びZは前記一般式(1)
におけるR及びZと同義である。} 即ち、先ず一段目の反応として、一般式(4)で表され
るテトラヒドロキシカリックス[4]アレーン化合物を
塩基の存在下に溶媒中で一般式(5)で表されるポリエ
ーテルと反応させて環化し、一般式(6)で表されるカ
リックスアレーン化合物を得る。
【0026】一般式(4)で表される原料のテトラヒド
ロキシカリックス[4]アレーン化合物は、C.D.グ
ッチェら著,総説カリックスアレーン,ロイヤル ソサ
イエティー オブ ケミストリー(C.D.Gutsc
he,Calixarenes,p.216−219,
Royal Society of Chemistr
y)等に記載されている公知の化合物である。
【0027】一般式(5)で表されるポリエーテルは、
ブリティン オブ ザ ケミカルソサイエティー オブ
ジャパン 第63巻、3044頁、1990年発行
{Y.Liu,Y.Inoue,T.Hakushi,
Bull.Chem.Soc.Jpn.63,3044
(1990)}等に記載の方法によって合成できる公知
の化合物である。ここで、式中のXは、ハロゲン原子あ
るいは有機スルホニル基であり、好適なハロゲン原子と
しては、塩素、臭素、よう素等が挙げられ、好適な有機
スルホニル基としては、メタンスルホニル基、p−トル
エンスルホニル基等が挙げられる。
【0028】上記の1段目の反応で用いられる塩基とし
ては金属水素化物、金属、金属水酸化物、金属アルコキ
シド、アルキル金属または金属炭酸塩等が用いられる。
好適に使用できる金属水素化物としては、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシ
ウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属を有する化合
物が挙げられる。金属としてはリチウム、ナトリウム、
カリウム等のアルカリ金属が好適である。金属水酸化物
としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む
ものであれば特に制限されないが、たとえば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリ
ウム等が好適である。金属アルコキシドとしては、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt
−ブトキシド等のアルカリ金属を含有する化合物が好適
に用いられる。アルキル金属としては、メチルリチウ
ム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチル
リチウム、フェニルリチウム等のアルカリ金属を含有す
る化合物が好適に用いられる。金属炭酸塩としては、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属を含有するものが好適に
用いられ、さらに好ましくは、重炭酸ナトリウム、重炭
酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸バリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等が用いられる。
【0029】また、上記の1段目の反応で使用する溶媒
は原料に対して不活性であれば何ら制約されずに使用で
きる。たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂
肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニト
リル類等を単一溶媒または必要に応じて2〜3種類の溶
媒を混合して用いることができる。さらに、反応で使用
する溶媒には、5%以下の水分を含んでいても良い。
【0030】特に、塩基として金属水素化物を用いる場
合には、反応溶媒としてはテトラヒドロフラン等のエー
テル類及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類
を使用するのが合成収率が高くなるため好適である。ま
た、塩基として金属炭酸塩を用いる場合には、反応溶媒
としてはアセトン等のケトン類及びN,N−ジメチルホ
ルムアミド等のアミド類やアセトニトリル等のニトリル
類を使用するのが、合成収率が高くなるため好適であ
る。
【0031】前記一般式(5)で表されるポリエーテル
と原料である前記一般式(4)で示されるカリックスア
レーン化合物との反応モル比は広い範囲で選択できる
が、通常は一般式(5)で表されるポリエーテルが一般
式(4)で示されるカリックスアレーン化合物の0.1
〜30倍の範囲で用いられる。反応温度は特に制限され
ないが、一般には10〜150℃の範囲が好適である。
反応時間も特に制限されないが、一般には1〜300時
間の範囲が好適である。
【0032】次に、2段目の反応として、1段目の反応
で得られた上記一般式(6)で表されるカリックスアレ
ーン化合物をアルキル化し、上記一般式(7)で示され
るカリックスアレーン化合物とする方法について説明す
る。即ち、上記アルキル化は、前記一般式(6)で表さ
れるカリックスアレーン化合物を塩基存在下に溶媒中で
下記一般式(8)で示されるアルキル化剤と反応させる
ことにより行い、前記一般式(7)で示されるカリック
スアレーン化合物を得る。
【0033】R−L (8) {式中、Rは前記一般式(1)におけるRと同じであ
り、Lはハロゲン原子あるいは有機スルホニル基であ
る。} 前記一般式(7)で示されるカリックスアレーン化合物
及び上記一般式(8)で示されるアルキル化剤における
Rは、前記一般式(1)のRに対応する炭素数1〜22
の置換もしくは非置換の炭化水素基である。また上記一
般式(8)で示されるアルキル化剤におけるLは、ハロ
ゲン原子あるいは有機スルホニル基である。好適なハロ
ゲン原子としては、塩素、臭素、よう素等が挙げられ、
好適な有機スルホニル基としては、メタンスルホニル
基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。上記ア
ルキル化で使用する塩基及び反応溶媒は、第1段目の反
応で使用できるものとして例示したものが好適に使用で
きる。使用する原料の反応モル比は広い範囲で選択でき
るが、通常は前記一般式(8)で示されるアルキル化剤
が、前記一般式(6)で示されるカリックスアレーン化
合物に対して、それぞれ0.5〜50倍の範囲で用いら
れる。
【0034】続いて3段目の反応として、2段目の反応
で得られた前記一般式(7)で表されるカリックスアレ
ーン化合物を酸化し、前記一般式(9)で示されるカリ
ックスアレーン化合物とする方法について説明する。即
ち、前記一般式(7)で表されるカリックスアレーン化
合物を溶媒中で酸化剤によって酸化し、前記一般式
(9)で表されるカリックスアレーン化合物を得る。
【0035】該3段目の反応で使用される酸化剤として
は、Fremy塩、硝酸タリウム、トリフルオロ酢酸タ
リウム等が好適に用いられる。また、該反応反応で使用
する溶媒は原料に対して不活性であれば何ら制約されず
に使用できる。たとえば、水;メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲ
ン化炭化水素;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトニトリル等のニトリル類等を単一溶媒または必要
に応じて2〜4種類の溶媒を混合して用いることができ
る。前記一般式(7)で表されるカリックスアレーン化
合物と酸化剤との反応モル比は広い範囲で選択できる
が、通常は酸化剤が前記一般式(7)で表されるカリッ
クスアレーン化合物の0.1〜50倍の範囲で用いられ
る。反応温度は特に制限されないが、一般には−70〜
100℃の範囲が好適である。反応時間も特に制限され
ないが、一般には5〜120分の範囲が好適である。
【0036】次に4段目の反応として、3段目の反応で
得られた前記一般式(9)で表されるカリックスアレー
ン化合物に発色性有機基を導入し、前記一般式(1)で
示される本発明のカリックスアレーン化合物とする方法
について説明する。即ち、上記の発色性有機基導入は、
前記一般式(9)で表されるカリックスアレーン化合物
を溶媒中で酸の存在下に発色性有機基導入剤と反応させ
ることにより行い、本発明のカリックスアレーン化合物
を得る。
【0037】上記の発色性基導入剤は、発色性基を有
し、前記一般式(9)で表されるカリックスアレーン化
合物のカルボニル基と反応して該発色性基を導入するこ
とができる化合物であれば何ら制限されず、置換フェニ
ルヒドラジン、置換ナフタレニルヒドラジン、置換ピレ
ニルヒドラジン等のヒドラジン化合物、トリフェニルホ
スホニウム置換フェニルエチリデン等のWittig試
薬等が使用できる。前記一般式(2)で示される発色性
基を導入するためには、下記一般式(10)で示される
ヒドラジン化合物を使用するのが好適である。
【0038】
【化7】
【0039】但し、上記式中、Y及びnは前記一般式
(2)におけるY及びnと同義である。
【0040】該4段目の反応で使用する溶媒としては、
第3段目の酸化反応で使用されるものとして例示したも
のが好適に使用される。また、使用される酸としては、
公知のものが何ら制限なく使用できるが、好適な酸を例
示すれば、塩酸、臭素酸、よう素酸、硝酸、りん酸、過
塩素酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、フルオロ硫酸、トルエンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、プロ
ピオン酸等が挙げられる。使用する原料の反応モル比は
広い範囲で選択できるが、通常は発色性有機基導入剤
が、一般式(9)で示されるカリックスアレーン化合物
に対して、0.5〜50倍の範囲で用いられる。反応温
度は特に制限されないが、一般には−70〜100℃の
範囲が好適である。反応時間も特に制限されないが、一
般には5〜120分の範囲が好適である。
【0041】この様にして得られた本発明のカリックス
アレーン化合物の精製は、抽出、再結晶、カラムクロマ
トグラフィーによって行われる。
【0042】本発明のカリックスアレーン化合物は、ナ
トリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、ル
ビジウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオ
ン等の金属イオンと錯体形成して呈色するため、これら
金属イオンを検知する光導波路型イオンセンサや透過光
型イオンセンサに応用することができる。本発明のカリ
ックスアレーン化合物は、上記各種金属イオンの中でも
特にナトリウムイオンに対して高い錯体形成能力有す
る。このため、該カリックスアレーン化合物は、夾雑金
属イオンが存在する場合でもナトリウムイオンと選択的
に錯形成し発色する優れたナトリウムイオン選択性色素
となる。従って、該カリックスアレーン化合物を透過光
型ナトリウムイオンセンサや光導波路型ナトリウムイオ
ンセンサに応用した場合には他の金属イオンの影響を受
けることなく感度良くナトリウムイオンを検出すること
ができる。
【0043】以下、本発明のカリックスアレーン化合物
の透過光型ナトリウムイオンセンサ及び光導波路型ナト
リウムイオンセンサへの応用について説明する。
【0044】透過光型イオンセンサとは、イオン選択性
色素がイオンを吸着することによって生じる吸光度変化
を透過光で測定することにより、イオンを検出するもの
である。
【0045】また、光導波路型イオンセンサは透過光型
イオンセンサにおける光透過性物質からなる基材が光導
波路を形成するものであり、透過光型イオンセンサの一
形態であると言える。図1に光導波路の説明図を記載す
る。光導波路1は、光透過性物質2の表面に該光透過性
物質2より屈折率のわずかに高い光透過性物質で形成さ
れた波長オーダーの膜厚の薄膜であり、光をこの膜内中
で導波させるものである。この光導波路1を導波する光
について説明するため、図1の断面図を図2に示す。光
4は光導波路1の表面で全反射して導波するが、この時
表面から光導波路表面に接合された膜3へ波長の1/1
0程度の光が漏れ出る。この漏れ出る光すなわちエバネ
ッセンス波を利用して、光導波路表面に接合された膜3
の光吸収変化を光学的に検出することができる。光4
は、導波路1の表面で何回も全反射を繰り返すので、表
面付近の光学的変化を全反射の数だけ増幅され、高感度
に調べることができる。該光導波路は、例えば西原浩、
春名正夫、栖原敏明、”光集積回路”、オーム社、19
93、p.160〜161.等に記載されている方法、
即ちガラス基板を溶融カリウム塩に浸漬するよりことに
より作製できることが知られている。
【0046】前記の光導波路型イオンセンサにおいて
は、光透過性物質からなる基材として光導波路を用いる
ことにより、イオンの吸着による吸光度変化を増幅する
ことができるため、より高感度の検出が可能となる。
【0047】これらイオンセンサの具体的な形態は一般
的な透過型イオンセンサについては、例えば、アナルテ
ィカル ケミストリー、1990年、第62巻 738
頁〜{W.E.Morf,K.Seiler,B.Ru
sterholz,W.Simon,Anal.Che
m.,62,738(1990)}に、また、光導波路
型イオンセンサについては、例えばケミストリー レタ
ーズ、1996年、第919頁〜{K.Tsunod
a,E.Yamamoto,H.Akaiwa,Che
m.Lett.,1996,919.}等に記載されて
いる。
【0048】本発明のカリックスアレーン化合物を用い
て透過光型ナトリウムイオンセンサ及び光導波路型ナト
リウムイオンセンサを作製する場合も、上記文献に示さ
れるように、光透過性物質からなる基材(光導波路型ナ
トリウムイオンセンサにおいては該基材は光導波路を構
成している。以下、これらを総称して「透光性基材」と
も言う。)の表面に本発明のカリックスアレーン化合物
を含有するイオン感応膜を接合することによって作製す
ることができる。
【0049】ここで使用される透光性基材は光透過性物
質から構成されるが、該光透過性物質としては、光、特
に本発明のカリックスアレーン化合物が金属イオンと錯
形成したときに吸光度が変化する波長領域の光を透過す
る物質であれば限定されず公知のものを使用できる。好
適に使用できる光透過性物質を例示すれば、酸化物ガラ
スや有機重合体等が挙げられる。好適な酸化物ガラスと
しては、SiO2、B23、P25、TiO2、Ge
2、As23等を主組成物とする単純酸化物ガラスや
Li2O−SiO2、Na2O−SiO2、K2O−Si
2、MgO−SiO2、CaO−SiO2、BaO−S
iO2、PbO−SiO2、Na2O−K2O−SiO2
Na2O−CaO−SiO2、K2O−Na2O−CaO−
SiO2、Al23−SiO2等のケイ酸塩ガラス等が挙
げられる。好適な有機重合体としては、ポリエステル、
ポリカーボネート、ポリエチレンやポリエチレンテレフ
タレート等が挙げられる。
【0050】透光性基材の形状は、表面が平であれば、
特に限定されない。透光性基材の厚さ、大きさ等は、特
に限定されないが、好適な厚さを例示すれば、0.1m
mから10mmであり、好適な大きさは0.1mm2
ら100cm2である。
【0051】なお、光導波路型イオンセンサにおいて
は、本発明のカリックスアレーン化合物を含有するイオ
ン感応膜は、図1に示されるように光透過性物質2の上
に形成された光導波路であるが、該光導波路の材質は、
透光性物質2よりわずかに屈折率が高い光透過性物質で
あれば特に限定されない。例えば、光透過性物質2とし
てそれぞれSiO2、Na2O−SiO2及びNa2O−C
aO−SiO2等の酸化物ガラスを使用する場合には、
光導波路の材質としては、カリウムを含有させて上記各
酸化物ガラスよりも屈折率を高くした、K2O−Si
2、Na2O−K2O−SiO2及びK2O−Na2O−C
aO−SiO2等の酸化物ガラスをそれぞれ使用するの
が好適である。また、この時の光導波路の厚さは約0.
01〜100μmであるのが好適である。
【0052】また、このような透光性基材の表面に接合
されるイオン感応膜は、無機重合体膜又は有機重合体膜
に本発明のカリックスアレーン化合物を含有せしめたも
のである。ここで、イオン感応膜のマトリックスとなる
無機重合体とは、炭素以外のケイ素、リン、窒素などを
骨格とする重合体であり、−Si−O−結合を有するシ
リコーン樹脂、−Si−N−結合を骨格に持つ重合体、
−P=N−結合を骨格に持つ重合体等が挙げられる。ま
た、上記イオン感応膜のマトリックスとなる有機重合体
としては公知の熱可塑性樹脂および公知の熱硬化性樹脂
が制限無く使用できる。後述する光透過型イオンセンサ
および光導波路型イオンセンサに本発明のイオン感応膜
を適用する場合には、これらセンサの作製の容易さ及び
センサとしての性能の観点から、該マトリックスとして
はシリコン樹脂又は熱可塑性樹脂を使用するのが好適で
ある。
【0053】透光性基材の表面に本発明のカリックスア
レーン化合物を含有するイオン感応膜を接合する方法は
特に限定されないが、本発明のカリックスアレーン化合
物をシリコーン樹脂又は熱可塑性樹脂(以下、単に熱可
塑性樹脂等ともいう。)とともに有機溶媒に溶解させた
溶液を透光性基材の表面に塗布し、その後有機溶媒を蒸
発させて膜を形成する(シリコーン樹脂を用いた場合に
は膜形成後に架橋させても良い)ことによって好適に行
うことができる。
【0054】このとき使用される前記の熱可塑性樹脂等
としては、公知のものが何ら制限されずに使用される
が、本発明のカリックスアレーン化合物を含む膜はナト
リウムイオンを含む水溶液と接触して使用されるため、
該熱可塑性樹脂等は水に溶解しないものであることが望
ましい。本発明で使用される熱可塑性樹脂等として好適
なものを例示すると、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化ビニ
ルの単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル等のアクリル酸エステル、または、メタクリル酸エ
ステルの単独重合体または共重合体;スチレン、クロロ
スチレン、ブロモスチレン等のスチレンおよびその置換
体の単独重合体または共重合体;酢酸ビニル等のビニル
エステルの単独重合体または共重合体;ブタジエン、イ
ソプレン等のジエン系重合体またはこれらのジエンとス
チレン、アクリロニトリル等の共重合体;ポリウレタン
類;シクロヘキサン重合体または共重合体;酢酸セルロ
ース、硝酸セルロース等の繊維系化合物、ジメチルシロ
キサンユニット、メチルフェニルシロキサンユニット、
ジフェニルシロキサンユニット、およびメチルビニルユ
ニット等を有するポリシロキサン等類が挙げられる。
【0055】一般に耐久性等の点から、透光性基材に接
合されるイオン感応膜は柔軟性を有するのが好ましく、
上記熱可塑性樹脂等としてはポリシロキサン類を使用す
るか、或いは、熱可塑性樹脂として例えばポリ塩化ビニ
ル、アクリル酸メチル等を用いるときは可塑剤を使用し
て柔軟性を付与して使用するのが好ましい。このとき使
用される可塑剤は特に限定されず公知のものを使用でき
るが、一般に好適なものを例示すれば、ジメチルフタレ
ート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチル
アジペート、ジオクチルセバケート等の脂肪酸エステル
類;o−ニトロフェニルフェニルエーテル、o−フルオ
ロ−o’−ニトロジフェニルエーテル等のジフェニルエ
ーテル類;o−ニトロフェニルオクチルエーテル、n−
オクチルフェニルエーテル等のフェニルエーテル類等が
挙げられる。これらの可塑剤の添加量は得られる膜の性
状に応じて適宜選択すればよいが、一般には、熱可塑性
樹脂100重量部に対して可塑剤を30〜300重量部
の範囲で用いることができる。
【0056】また、使用する有機溶媒としては熱可塑性
樹脂等および前記一般式(1)で示されるカリックスア
レーン化合物を溶解するものであれば公知のものを何ら
制限なく用いることができる。一般に用いられ有機溶媒
としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセト
ニトリル、クロロホルム、1、2−ジクロロエタン、塩
化メチレン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
【0057】本発明のカリックスアレーン化合物と熱可
塑性樹脂等の配合割合は、目的の性質を発揮する限り限
定されるものではないが、一般には熱可塑性樹脂100
重量に対して、0.1〜20重量部の範囲で用いられ
る。
【0058】この様にして透光性基材上に接合される膜
の厚さは特に限定されないが、一般的には1〜1000
μmの範囲である。
【0059】なお、本発明のカリックスアレーン化合物
と熱可塑性樹脂等からなる組成物は膜以外にも目的に応
じて任意の形状、例えば、粒状物、繊維状物等に形成す
ることができ、この様な成形物はイオンセンサ以外に比
色試薬、呈色試薬等に応用することもできる。
【0060】以下に、上記のような方法によって本願発
明のカリックスアレーン化合物が膜として固定化された
透光性基材を用いて作製した透過光型イオンセンサ及び
光導波路型イオンセンサを用いて試料中のナトリウムイ
オンを測定する方法について具体的に説明する。
【0061】まず、図3を用いて、代表的な透過光型イ
オンセンサとそれを使って試料中のナトリウムイオン濃
度を測定する方法を説明する。
【0062】本発明のカリックスアレーン化合物を含む
イオン感応膜8を透光性基材9の表面接合したものを透
明な試料容器11に入れられた試料溶液10に浸す。光
源5からカリックスアレーン化合物を含むイオン感応膜
8に入力光12を照射し、出力光13をフォトダイオー
ド6で受け、光パワーメーター7によって光吸収の強度
変化を測定する。この強度変化から、予め作成した検量
線を用いてイオン濃度を求めることができる。
【0063】次に、図4を用いて代表的な光導波路型イ
オンセンサを使って試料中のナトリウムイオン濃度を測
定する方法について説明する。
【0064】本発明のカリックスアレーン化合物を含む
イオン感応膜17をプリズム16と試料容器15を備え
た光導波路を有する透光性基材18の表面に作製する。
試料容器15に試料溶液14を入れ、光源19より光線
を発したときのカリックスアレーン化合物を含むイオン
感応膜17の光吸収強度の変化をフォトダイオード20
と光パワーメーター21で測定する。測定した強度変化
から予め作成した検量線を用いて試料溶液14に含まれ
るイオン濃度を求めることができる。
【0065】
【実施例】以下、本発明の特徴をさらに明かにするため
に、実施例を説明するが本発明はこれらの例に限定され
るものではない。なお、本発明の説明に関連して示す化
学構造式の一部においては、慣例に従い炭素原子や水素
原子を省略していることがある。
【0066】実施例1 下記一般式(11)で示されるカリックスアレーン化合
物(以下、化合物(11)と省略する。)を以下の方法
で合成した。
【0067】
【化8】
【0068】まず、前記一般式(6)で示されるカリッ
クスアレーン化合物(以下、化合物(6)と略す。)を
下記の方法で合成した。
【0069】即ち、前記一般式(4)で示されるテトラ
ヒドロキシカリックス[4]アレーン9.98g(2
3.6mmol)をCH3CN(410ml)に溶解さ
せ、CH2(CH2OCH2CH2OTs−p)2(11.
9g,23.6mmol)と乳鉢ですりつぶしたNa2
CO3(25.0g,236mmol)を加え、10日
間加熱還流した。室温で放冷した後、溶媒を留去し、蒸
留水(200ml)とCHCl3(100ml)を加え
た。1NHClaq.(100ml)を加えて、pHを
1以下にした。CHCl3(50ml×2)で抽出し、
MgSO4で乾燥させた。溶媒留去したところ、淡黄色
結晶(14.6g)を得た。SiO2を吸着剤としたカ
ラムクロマトグラフィーによって、hexane−CH
Cl3(95:5)を展開剤として精製した。その後、
得られた無色結晶をhexane−CHCl3(1:
1)で再結晶して無色結晶4.22g(収率55%)を
得た。
【0070】得られた化合物について以下に分析結果を
示す。
【0071】(1)融点:300℃以上 (2)赤外吸収スペクトル(KBr):3333、14
67、1452、1129,757 cm-1 (3)1H核磁気共鳴スペクトル(500MHz,CD
Cl3,TMS):δ 8.14(s,2H)、7.0
6(d,J=7.4Hz,4H)、6.91(d,J=
7.5Hz,4H)、6.73(t,J=7.5Hz,
2H)、6.64(t,J=7.4Hz,2H)、4.
35(d,J=13.0Hz,4H)、4.12(m,
4H)、4.06(t,J=6.7Hz,4H)、4.
03(m,4H)、3.38(d,J=13.0Hz,
4H)、2.09(m,2H). (4)13C核磁気共鳴スペクトル(126MHz,CD
Cl3):δ 153.5(2C)、152.0(2
C)、133.3(4C)、129.1(4CH)、1
28.5(4CH)、127.9(4C)、125.5
(2CH)、118.9(2CH)、76.8(2CH
2)、70.1(2CH2)、70.0(2CH2)、3
1.5(4CH2)、30.7(CH2). (5)質量分析スペクトル(NBA,SIMS):m/
e=553(M++1)、552(M+). これらの分析結果により得られた化合物が、化合物
(6)であることが確認できた。
【0072】次に、下記一般式(12)で示されるカリ
ックスアレーン化合物(以下、化合物(12)と略
す。)を下記の方法で合成した。
【0073】
【化9】
【0074】前記化合物(6)(1.00g,1.81
mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(250m
l)に溶解させ、攪伴した。60%NaH in oi
l(217mg,5.43mmol)を加えた。10分
後、蒸留水(1.00ml)を加えた。1時間後、ブロ
モエタン(135μl,198mg,1.81mmo
l)を加えた。1晩攪伴し、ほとんどの溶媒を減圧留去
した。蒸留水(100ml)とクロロホルム(50m
l)、6NHClを加え水層を酸性にした後、CHCl
3(3×50ml)で抽出しMgSO4で乾燥させた。溶
媒を減圧留去し、中圧液クロマトグラフィー[Si
2,CHCl3−AcOEt(9:1)]で精製し、無
色結晶(865mg,収率82.3%)を得た。
【0075】得られた化合物の分析結果を示す。
【0076】(1)融点:209.0−210.0℃以
上 (2)赤外吸収スペクトル(KBr):3367、32
97、2918、1451、1204、1093、76
5 cm-1 (3)1H核磁気共鳴スペクトル(500MHz,CD
Cl3,TMS):δ 8.23(s,1H)、7.1
0(d,J=7.5Hz,2H)、7.00(d,J=
7.5Hz,2H)、6.97(d,J=7.5Hz,
2H)、6.88(d,J=7.5Hz,2H)、6.
78(t,J=7.5Hz,1H)、6.70(t,J
=7.5Hz,2H)、6.59(t,J=7.4H
z,1H)、4.54(d,J=12.1Hz,2
H)、4.43(d,J=13.0Hz,2H),4.
33(q,J=7.1Hz,2H)、4.20(m,4
H)、4.07(m,4H)、3.93(m,4H)、
3.32(m,4H)、2.05(m,2H)、1.4
9(t,J=7.1Hz,3H). (4)13C核磁気共鳴スペクトル(126MHz,CD
Cl3):δ 155.0(C)、154.0(C)、
153.7(2C)、135.8(2C)、134.5
(2C)、133.4(2C)、129.1(2C
H)、128.43(2CH)、128.37(2C
H)、128.2(2CH)、128.0(2C)、1
24.4(2CH)、123.3(CH)、118.2
(CH)、76.2(2CH2)、70.5(2C
2)、70.2(2CH2)、70.1(CH2)、3
1.7(2CH2)、30.9(CH2)、30.7(2
CH2)、15.7(CH3). これらの分析結果により得られた化合物が化合物(1
2)であることが確認できた。
【0077】次に、下記一般式(13)で示されるカリ
ックスアレーン化合物(以下、化合物(13)と省略す
る。)を下記の方法で合成した。
【0078】
【化10】
【0079】Tl(NO33・3H2O(952mg,
2.14mmol)のMeOH(5ml)−EtOH
(5ml)−CHCl3(10ml)溶液に化合物(1
2)の(607mg,1.07mmol)のCHCl3
(10ml)−EtOH(5ml)−MeOH(5m
l)溶液を加えた。20分間攪伴した後、蒸留水(50
ml)に明け、CHCl3(4×50ml)で抽出し
た。MgSO4で乾燥した後、溶媒を減圧留去して淡黄
色オイル(620mg)を得た。
【0080】得られた化合物の分析結果を示す。
【0081】(1)融点:209.0−210.0℃ (2)赤外吸収スペクトル(KBr):2924、16
55、1457、1202、1132、762 cm-1 (3)13C核磁気共鳴スペクトル(126MHz,CD
Cl3):δ 187.6(C)、186.1(C)、
156.1(2C)、155.2(C)、150.5
(2C)、137.1(2C)、135.1(2C)、
133.4(2C)、132.6(2CH)、130.
3(2CH)、128.8(2CH)、127.4(2
CH)、123.2(2CH)、122.8(CH)、
71.5(2CH2)、70.7(CH2)、68.7
(2CH2)、66.9(2CH2)、31.3(2CH
2)、29.9(CH2)、29.1(2CH2)、1
5.7(CH3). これらの分析結果により、得られた化合物が化合物(1
3)であることが確認できた。
【0082】次に、上記の合成法によって得られた化合
物(13)を原料として化合物(11)を合成した。
【0083】即ち、化合物(13)(620mg,1.
07mmol)のCHCl3(50ml)溶液を攪伴し
ながら2,4−ジニトロフェニルヒドラジン1水和物
(212mg,1.07mmol)をEtOH(30m
l)で加えた。濃硫酸20滴を加え1時間攪伴した。蒸
留水(50ml)に明け、CHCl3(3×50ml)
で抽出しMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧留去した
後、hexane−CHCl3(7:3)で再結晶して
赤色結晶303mg(収率37.2%)を得た。
【0084】得られた化合物の分析結果を示す。
【0085】(1)融点:244.0−246.0℃以
上 (2)赤外吸収スペクトル(KBr):3225、29
26、1597、1531、1343、1115、76
2 cm-1 (3)1H核磁気共鳴スペクトル(500MHz,CD
Cl3,TMS):δ 9.44(s,1H)、8.7
5(d,J=2.4Hz,1H)、8.46(dd,J
=8.9,2.4Hz,1H)、7.81(d,J=
8.9Hz,1H)、7.75(s,2H)、7.12
(d,J=7.6Hz,2H)、7.01(dd,J=
7.6,1.1Hz,2H)、6.93(dd,J=
7.6,1.1Hz,2H)、6.81(t,J=7.
6Hz,1H)、6.74(d,J=7.6Hz,2
H)、4.54(d,J=12.1Hz,2H)、4.
48(q,J=13.1Hz,2H)、4.34(m,
4H)、4.22(m,4H)、4.19−4.07
(m,6H)、3.98(m,2H)、3.92(m,
2H)、3.46(d,J=13.1Hz,2H)、
3.35(d,J=12.1Hz,2H),2.06
(m,2H)、1.50(t,J=7.1Hz,3
H). (4)13C核磁気共鳴スペクトル(126MHz,CD
Cl3):δ 160.9(C)、154.8(C)、
153.5(2C)、149.6(C)、146.5
(C)、146.3(C)、145.9(C)、13
5.7(2C)、134.7(2C)、132.1(2
C)、126.2(2C)、129.1(2CH)、1
28.9(2CH)、128.6(2CH)、127.
5(CH)、125.8(2CH)、124.7(2C
H)、123.5(CH)、120.12(CH)、1
20.08(CH)、76.3(2CH2)、70.6
(2CH2)、70.07(2CH2)、70.05(2
CH2)、31.5(2CH2)、31.0(CH2)、
30.7(2CH2)、15.7(CH3). これらの分析結果により、得られた化合物が化合物(1
1)であることが確認できた。
【0086】実施例2 本発明のカリックスアレーン化合物をナトリウムイオン
選択性色素として利用し、光透過性物質の表面にこのイ
オン選択性色素を含む膜を形成して、透過光型イオンセ
ンサとした例を示す。
【0087】実施例1で得られた化合物(11)2mg
と熱可塑性樹脂であるポリ塩化ビニル(50mg)と可
塑剤であるo−ニトロフェニルオクチルエーテル(10
0mg)を1,2−ジクロロエタンに溶解した。この溶
液をSiO2を主成分とする酸化物ガラスでできた平滑
なスライドガラス板上に流延した後、溶媒を蒸発させて
透過光型イオンセンサを製作した。
【0088】このセンサを図3に示す測定装置でナトリ
ウムイオンに対する応答を調べた。試料溶液は、1×1
-5mol/lの塩を含むトリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン−塩酸緩衝液(pH10)を調製して使用
した。塩はナトリウムとリチウムイオンの塩化物塩を用
いた。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】比較例1 別途合成した前記一般式(3)で示されるカリックスア
レーン化合物を用いて実施例2と同様にしてナトリウム
イオンに対する応答を調べた。その結果を表1に示す。
【0091】前記一般式(11)で示されるカリックス
アレーン化合物は、一般式(3)で示されるカリックス
アレーン化合物よりもナトリウムイオンに対する吸光度
変化が大きく、リチウムイオンに対する吸光度変化が小
さい。従って、透過光型イオンセンサのナトリウムイオ
ン選択性色素として利用した場合、従来よりも感度がよ
くイオン選択性が優れていることがわかる。
【0092】実施例3〜9 前記一般式(1)においてZが化合物(11)と同じで
ありRが表2に示す化合物を合成し、各カリックスアレ
ーン化合物をナトリウムイオン選択性色素として利用
し、Na2O−CaO−SiO2を主成分とする酸化物ガ
ラスでできたスライドガラス板の表面にこのイオン選択
性色素を含む膜を形成して、透過光型イオンセンサとし
た。各イオンセンサを用いて実施例2と同様にしてナト
リウムとリチウムイオンに対する吸光度変化を測定し
た。その測定結果を表2に示す。
【0093】
【表2】
【0094】実施例3〜9で用いたカリックスアレーン
化合物は、何れも前記一般式(3)で示されるカリック
スアレーン化合物よりもナトリウムイオンに対する吸光
度変化が大きく、リチウムイオンに対する吸光度変化が
小さいことが分かる。
【0095】実施例10 本発明のカリックスアレーン化合物をナトリウムイオン
選択性色素として利用し、光導波路の表面このイオン選
択性色素を含む膜を形成して光導波路型イオンセンサと
した例を示す。
【0096】実施例1で得られた化合物(11)2mg
と熱可塑性樹脂であるポリ塩化ビニル(50mg)と可
塑剤であるo−ニトロフェニルオクチルエーテル(10
0mg)を1,2−ジクロロエタンに溶解した。この溶
液を試料容器を備えて、さらに平滑な光導波路(K2
−SiO2を主成分とする酸化性ガラス)を有するスラ
イドガラス(SiO2を主成分とする酸化性ガラス)板
上に流延した後、溶媒を蒸発させて光導波路型イオンセ
ンサを製作した。
【0097】このセンサを図4に示す測定装置でナトリ
ウムイオンに対する応答を調べた。試料溶液は、1×1
-5mol/lの塩を含むトリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン−塩酸緩衝液(pH10)を調製して使用
した。塩は塩化ナトリウムを用いた。測定結果を表3に
示す。
【0098】
【表3】
【0099】比較例2 前記一般式(3)で示されるカリックスアレーン化合物
を用いて、実施例10と同様にして測定を行った。その
結果を表3に示す。化合物(11)は、一般式(3)で
示されるカリックスアレーン化合物よりもナトリウムイ
オンに対する吸光度変化が大きいことが分かる。
【0100】実施例11〜17 前記一般式(1)においてZが化合物(11)と同じで
ありRが表2に示す基である化合物を合成し、各カリッ
クスアレーン化合物をナトリウムイオン選択性色素とし
て利用し、光導波路の表面このイオン選択性色素を含む
膜を形成して光導波路型イオンセンサとした場合のナト
リウムとリチウムイオンに対する吸光度変化の測定結果
を表4に示す。
【0101】
【表4】
【0102】実施例11〜17で用いたカリックスアレ
ーン化合物は、一般式(3)で示されるカリックスアレ
ーン化合物よりもナトリウムイオンに対する吸光度変化
が大きいことが分かる。
【0103】
【発明の効果】本発明のカリックスアレーン化合物は、
金属イオンと錯形成して呈色するため、透過光型イオン
センサや光導波路型イオンセンサに利用することができ
る。本発明のカリックスアレーン化合物は金属イオンの
中でも特にナトリウムイオン対する錯形成能力が高いた
め、優れたナトリウムイオン選択性を有する。従って、
夾雑金属イオンが存在する試料についてナトリウムイオ
ン濃度を感度良く測定したい場合には、本発明のカリッ
クスアレーン化合物を用いた透過光型イオンセンサ及び
光導波路型イオンセンサは特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光導波路型イオンセンサの概略図である。
【図2】 光導波路中を光が導波する場合の概略図であ
る。
【図3】 カリックスアレーン化合物を用いた透過光型
イオンセンサを用いててイオン濃度を測定する装置の概
略図である。
【図4】 カリックスアレーン化合物を用いた光導波路
型イオンセンサを用いてイオン濃度を測定する装置の概
略図である。
【符号の説明】
1 光導波路 2 光透過性物質 3 光導波路表面に接合されたイオン感応膜 4 光 5 光源 6 フォトダイオード 7 光パワーメーター 8 カリックスアレーン化合物を含むイオン感応膜 9 透光性基材 10 試料溶液 11 試料容器 12 入力光 13 出力光 14 試料溶液 15 試料容器 16 プリズム 17 カリックスアレーン化合物を含むイオン感応膜 18 光導波路を有する透光性基材 19 光源 20 フォトダイオード 21 光パワーメーター

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜22の置換もしくは非置換の炭
    化水素基であり、Zは発色性有機基である。)で示され
    るカリックスアレーン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1における一般式(1)において
    Zが下記一般式(2) 【化2】 (式中、Yは電子吸引基であり、nは0〜3の整数であ
    る。)で示される発色性有機基である請求項1記載のカ
    リックスアレーン化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のカリック
    スアレーン化合物からなるナトリウムイオン選択性色
    素。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載のカリック
    スアレーン化合物を含有する無機重合体膜又は有機重合
    体膜からなるイオン感応膜。
  5. 【請求項5】 光透過性物質からなる基材の表面に請求
    項4記載のイオン感応膜が接合されてなることを特徴と
    する透過光型イオンセンサ。
  6. 【請求項6】 光導波路の表面に請求項4記載のイオン
    感応膜が接合されてなることを特徴とする光導波路型イ
    オンセンサ。
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